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 関岡英之「国家の存亡」(PHP新書)
2012420日(金)

 

 

<その1>
サブタイトルに「平成の開国」が日本を亡ぼすとある。本書よりインパクトのあるくだりを御紹介するとともに、私のコメントを付していきたい。

◆「TPPの参加は日本の復興には役立たない。なぜならTPPの本質は、「年次改革要望書」に象徴される「米国による日本改造メカニズム」のバリエーションの一つに過ぎないからだ。」
この主張に関しては、全く異論は無い。

◆「2010年9月の尖閣事件をきっかけに、菅政権は雪崩をうつように対米追随路線に舵を切った。中国のあからさまな脅威に直面して中国寄りに偏った外交路線を軌道修正し、対米関係を改善しようとすること自体は正しい。」
日本が中国寄りに偏った外交を行ってきたという主張には納得できない。むしろ今迄アメリカに偏り過ぎてきたわけだから、もっともっと中国に軸足を移すべきであろう。

◆「なぜ国家としての自主独立の方策を思案しようとしないのか。尖閣事件から学ぶべきは「自分の国は自分で守るしかない」という教訓ではなかったか。」
もし日本が諸外国に侵略された場合、(本来はそうならないような外交が重要ではあるが)日本が軍隊を持っているケースと持っていないケースではどちらがより被害が少なくて済むのか、という視点が保守派の言論客には無い。現実的と思われている人達が、案外現実を考えていないのである。


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