<その3>
◆「財政の基本的な機能の中で最も重要なのは所得の再分配です。税の制度の本来の目的は累進税率や資産課税で高所得者に重い負担を求め、それを生活保護、失業保険、就学援助、公営住宅供給などで再分配することです。それが真の「分かち合い」でもあります。」
共産主義イデオロギーの崩壊後は高所得者の税負担は下がる一方である。その状況を変えない限りは税収が増えないため、財政赤字はその膨らみを止めることはできないと思う。また社会保障は減らされ続けていくため、社会全体がギスギスしてくるであろう。
◆「いまや租税特別措置だけで648項目もあるという世界一の企業減税大国になっています。租税特別措置とは、
@費用でないのに費用として認められる制度
A利益であるのに利益でないとして除外する制度
B資本を少なく見積もる制度
C税負担の公平を著しく損なわせている制度
など、利益を実際の額より少なくすることができる仕組みが外国と比べ日本はあまりにも多いのが特徴です。」
例えば住宅ローン控除という制度は、住宅借入をして購入した人の税金を安くするものである。住宅を購入する人と賃貸で暮らす人の税金を差別することを不公平だと日本人は考えない不思議な民族である。要するに国家に飼い慣らされてしまっているのである。
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