<その1>
以下本書よりインパクトのある箇所を要約して御紹介したい。
◆政府の公的な記者会見に入れるのは、いまだに新聞、テレビ、通信社に所属する「記者クラブ」の記者に限られている。一方でフリーランスの記者達はずっと排除されている。自由報道協会のメンバーが一致しているのは、この「不自由な言論空間からの開放」という一点のみだ。
◆今回の震災報道を見ると、日本の大手メディアは権力に「情報を出せ」と迫ることすらしなかった。枝野幸男官房長官の記者会見での発言を一つ一つ拾っていくと、結果として全て東京電力に騙されていたということが分かる。徹底した情報公開を怠ったことによって事態をどんどん悪化させたのだ。
◆海外では日本からやってきた私のようなフリーランスの記者であっても政府の会見に出られる。しかし日本の記者会見には出られない。日本は戦中戦後70年間ずっとこうやって同じ状態にあるのだ。この奇妙な状態を今こそ変えなければならない。
◆私は断言する。もしフリーランスの記者達が記者会見で追及しなければ、セシウム、ストロンチウム、プルトニウムなどの放射性物質が放出されていたことすら報じられていなかったはずだ。
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