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 安達誠司「円高の正体」(光文社新書)
201257日(月)

 

 

<その1>
安達氏は根本的なことがわかっていない人である。彼は円高は明確に悪であると主張し、良い円高などは存在しないという。 円高は輸出企業にとっては悪いことかもしれないが、輸入企業にとっては良いことだという主張は間違いだという。なぜならば輸出企業も輸入企業も含めた日本の産業全体で考えると悪以外の何ものでもないからという。 この根拠は円高になるとGDP(経済規模)が減少するという事実にあるとしている。
この主張は正しいのだろうか。私は間違っていると思う。GDPの中に占める輸出は20%にも満たない。円高になれば当然に輸出企業の業績は悪化する。 それでもって日本経済全体が
20%にも満たない輸出というものに日本経済が依存していること自体が誤りなのである。 円高が悪いのではなく、輸出に依存していることそのものが悪なのである。
GDPの中でもっと大きなものは、個人消費で約
60%ある。この個人消費を活性化させる政策こそが日本経済にとって最重要である。 個人消費を活性化させる政策を行わず20%にも満たない輸出というものに依存しているという事実こそが批判されるべきである。


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