00/09/21「扶余という街」

前日の群山では,ガイドブックに載らない街にちょっと懲りた私であるが,それでも新しい街に行ってみる,ということは大事であると感じるのである。

しかし,何か求めていた物…なんだったかのは自分でも良くわからないが,目を引くような光景に出会わなかったというのか,そのため,この日は宿をすばやく出ている。確か午前8時50分に宿を出て,目の前のバスターミナルに移動,9時のバスで扶余(プヨ)に向かう。

日本の古代史が好きな方なら多分ご存知であろうところの,白村江(はくそんこう,あるいははくすきのえ)の戦い,の,百済の最後の都だった街である。

この街に来るのは2年ぶりの2回目。前回は大田(テジョン)という街に宿を取り,日帰りで駆け足で回ったのであるが,今回は,午前中に扶余に到着。前回は大田を出たのがお昼過ぎであるから時間的にもかなり余裕がある。

EOS-3, EF20-35/3.5-4.5, RAP(+1)
この画像サイズでは時計の文字盤を読むのはちょっと苦しいけど,昼食を取りに入った宿近くの中華料理屋にて。午前11時50分頃,ちょうど朝のテレビ放送が終了する頃,また,食堂が近所の労働者で混みはじめる直前の時間帯である。

さて,この扶余という街だが,ここは「市」ではなく,扶余郡のなかの町なのである。したがって,これまで回ってきた街に比べて市街地の規模も小さいのだが,それでも,百済の最後の都市というのを売りに,観光地化されていると言える。

個人的には史跡ばかりを回るのはあまり好きではないのだが,この街に来たら,やはり古墳とか,古代(朝鮮半島の三国時代)の史跡をまわらねばいけないだろうとは思う。扶余の中心部の方は,こじんまりとした市街地と,それとほぼ同じくらいの面積を占める扶蘇山(ぷそさん)の古代の城郭址という単純な構成。市街地の方は,二つのロータリーと,その間にある商店街+市場+旅館街という構造である。

前回の訪問で,駆け足ながらも扶蘇山はほとんど見終わっている。そのため,残りの部分で,歩いて回れるところをじっくり見て回ろうと考えた。この日の天候は,薄曇で,晴れ間が出たり出なかったりと,写真を撮るには個人的にはあまり好きではない不安定な状態。

まずは百済路を南下し,宮南池(ぐんなむじ)へ…見事に何もない,というか,平日であるため,ひっそりとしている。この日はEOSを2台持ち,片方には広角ズーム,もう片方には望遠といういでたちだったのだが,平日の真昼間で人を見かけない。こういう時はやむを得ず観光写真をとりまくってしまうのだが,とても不調で,結局7時間以上街を歩いて,フィルムは5本しか消化できなかった。

道路工事をしている百済路を戻り,百済塔へ。ここは見学料がかかるのだが,それほどのものでもないと判断して前回は見物しなかったところである…やっぱり,お金払うほどのものはないような気がするが^_^;;おまけに背景に工事中のビニールなどが入るため,観光写真も撮りづらいのではないか?

扶余の観光地を回っていると,「ここで撮ると綺麗な写真が撮れます」というランドマークが地べたについていることが結構多い。今回は一人で旅行しているから,そういう撮影には三脚が必要となるが,一枚,冗談として記念撮影してみたのが下の写真(ご参考:レンズは大体35mmに設定)
EOS-3, EF20-35, RAP(+1)
個人的には,35mmではなく,50mmで,縦位置で撮れば良いかも?と思わないでもない。

ここで,その後どうするか迷ってしまったのである。自分的には,スナップ写真を撮りたいのだが,市場に行くにはまだ時間が早すぎる。かといって,狭い中心街でもほとんど人が通らない。それでは,観光客を探しに扶蘇山へと向かおうと決める。クドゥレの里(船着場址)を訪れるがほとんど人をみかけず。その後扶蘇山へと向かう。
EOS-1v, EF135/2L, Av2.8, RDP III(+1)

やはり,一度見ている場所では,なかなか,これ,といった気持ちが起きないのも事実である。途中,日本人観光客2組とすれ違う。
EOS-3, EF20-35, RAP(+1)
写真中,おじさんは韓国の人,その後ろがガイドのおねえさん(結構好みの顔でしたが^_^;;),後ろは20前後の日本人女性二人。なぜか二人とも同じような服着てましたが,この二人はこの日ソウルから移動してきて,この後大田に移動したようである。
それにしても,この上り下りの繰り返しで,体力が落ちているというか,体重が増えてしまっていることを自覚する。次回までには体を絞らねばなるまい。

ここを出たところで,ほぼ日没を迎える。ちょっと早いが,夕食を。昼に続いて,また中華である。(扶蘇山入口そばの北京楼という店)。そうやって考えると,しばらくまともなコーヒーを飲んでいないことに気づき,市街地にあったロッテリアにもぐりこむ。
EOS-1v, EF50/1.4, RDP III(+1)
写真は,ロッテリアの中で見た現地の学生。この髪型,男の子の間で流行っているようである。

その後,市場入口を撮影,足の裏の痛みを我慢できず,一旦宿に帰る。

宿にもどってテレビをつけると,ケーブルテレビでは,なんと,「日本のプロ野球2000」なる番組があり,リアルタイムで横浜・中日戦を中継。7回まで見て,ジャイアンツがリード+ドラゴンズはビハインドと知る。これもソンドンヨル効果だったのだろうか?

宿を出ようとしたら,NHKのBSが見られることを発見。女子ソフトボールのVTRに釘付けになり,宿を夕食の為に出ると9時近い。もっとも,昼は沢山たべたし,夕方はチャジャンミョン+ハンバーガーも食べていたので,あまりおなかも減ってなかったが,今回は中華ばかり食べているので韓国料理もたべなきゃ,と思う。

…ファントゴルというお店だが,2年前に来た時にはガイドブック未掲載で前を通り過ぎながら「何屋だ,これ?」と思っていた店。ここで,ウドンを食べる。店内はなかなかクラシックな装いであるが,謎のDJブースもあり,一体普段はどんな様子なのか疑問は尽きない。

食べ終わってフィルムを消化しにちょっと流していたら雨。宿に戻り,入浴+洗濯して,この日を終える。翌日は,扶余の直前の百済の都,公州である。
 

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