His "Toy Box" vol.3
ついに決行された8月5日のお茶会ライブ「TOY BOX」。盛りだくさんの3時間を走りきった吉野圭吾さんにお話を伺いました。
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−盛りだくさんのステージでしたが、やりたかったことは全部やれましたか?「TOY BOX」からはや一ヶ月。
圭吾:ハイ、やりました…もう出すものありません(笑)。 でも次に何かやる時にはまた、いろいろ考えるんでしょう。
−曲や演目はどんな風に決めて行ったのでしょうか。
圭吾:お茶会やろうと思った時に、やりたいものはいろいろたまってたんだ。 「BORN」の英語版とか、「シニカル」とかあの辺を全部、歌ってみたいなあと。「EDEN2000」はもう、絶対お決まりだし。
それから、飽きないようにしたいと思って、やっぱりミュージカルもやっとかなきゃなと。何かパロディできないかなと思って「アンヌと腕を」。で、一人で何かミュージカルできないかなと思って、ウエストサイド物語の「クール」。のちのちの作品が2つあったから、それの歌と…新曲も一曲、作りたいなと。
あとは(友情出演の)人をお願いして、このメンバーで何ができるかって考えて。仁美ちゃんと俺の「クリスマスの夜」とか。
でも、なんか盛りだくさんのようでそんなにないんだよね(笑)。そんなことない?
−…(どう思われますかみなさん)
圭吾:盛りだくさんにしたつもりなんだけど…「もうちょっとやれたかな」っていうのもある。ちょっとスーツ系で踊るとか、一曲ぐらいカッコよく踊るのも欲しかったよ。それがちょっと心残りかな。
−妖しい感じのダンスですか?
圭吾:うん。「宝塚系」を入れたかった(笑)。−開演5分前のお知らせは、圭吾さんの生の声でしたね。
圭吾:そうそう、即興。ベルがないってことで、じゃあ俺がベルをやろうと。 なんかちょっとガヤガヤしてるから、学校っぽいなと思ったの。 会場も体育館ぽいし。だから「学校編」で行ってみました。
−「先生来たぞ」と。入っていく人たちがすごく楽しそうでしたよ。
圭吾:「気楽」な感じにしたいなと思ったんだ。身構えて観るのも疲れるし、ここでつかんどかなきゃなと。
−バイクでの登場はどうでしたか?
圭吾:ちょっと危なかったよ。照明が当たると、サイドが全然見えなくて「うわっ!やべ!」って。足ついちゃって「ちきしょう」とか(笑)。しかもあっという間についちゃうし…「なんだよ寂しいなあ、もう終わりかよ!」って思った(笑)。
−しょっぱな3曲で死んでしまうくらいの勢いで行くとおっしゃってましたが、実際どうでしたか?
圭吾:死にました。…「クール」のことは考えないように、がんばってました(笑)。
−「シニカル」では、「BORN」で別の人のパートだったところも歌ってらっしゃいましたね。
圭吾:でも一箇所だけだよ。「男はなぜ…」ってところ、俺が歌っても成立するかなと。…ちょっと矢口容子のイメージでやってみたんだけど(笑)。
−体力的なこと以外で苦労したところはありますか。
圭吾:着替えの時間が足りなくて大変でしたよ。本番で、アクセサリーとかつけるじゃない。ひとみちゃんと踊る前、首につけてるのがとれなくて…「うっうっ」と思ってたら今度はピアスがひっかかって。「ううぅ…仁美、行け!先に行け!」。「クール」の後の「スマイル」の着替えも大変だった。−バレンタインに続いての観客参加型企画ですが、盛り上がりましたね。
圭吾:おかしかった。でも2部の後半は疲れてきちゃいましたよ。2部が一番、力使った(笑)。
−誰が当たるかという緊張感がすごかったですね。
圭吾:「パウロ」の演出家の人が共演券に当たっちゃって、びっくりしました(笑)。 「クール」の前芝居の、外人やってた男の人なんだけど。 あの場で紹介しようかと思ったけど、「いや、まだパウロのこと言ってないからダメだ」と思って。
−佐々木重直さんがコントに続いて大活躍でしたが。
圭吾:あのコント、本番三日前ぐらいに考えたんだよ。…いや前の日だ(笑)。
シゲ、よくやってくれたよ。感心しました。「スゴイな」と。 でも、やれねえやれねえと言いながら凄いやる気だから「なあんだシゲ、むちゃくちゃやりたいんじゃん」って思った(笑)。ご苦労様でした。
−荒井美乃里さんともども、盛り上げてくださいましたね。
圭吾:みんな楽器持ってればよかったかな。土居(裕子)さんのコンサートみたいに(笑)。
−シゲちゃんはギターでひとみちゃんは縦笛ですね。
圭吾:そうそう(笑)。で、美乃里はトライアングル…太鼓がないから太鼓かな。
−ひとみちゃんの技も見られて良かったです。
圭吾:たてぶえ(笑)。カエルの歌だよね…楽しい(笑)…おかげで助かりましたよ。
ホント、みんなのおかげで。それぞれのキャラが生かせて良かった。 「みんな、ありがとうございます」って思ったよ。−最後の曲「出逢えた人たちへ」はどんな思いで作られたのでしょうか。
圭吾:一番始めの歌詞で、「やわらかな春の日差しの中で 俺達は固く誓い合った それぞれが選んだその道を いつまでも走り続けるこの足で」 ここはね…小・中といっしょで、この間も久しぶりに会った友達が数人いるんですけど、そいつらのことがまず頭にあるんだ。 きっと誰もがあると思うんだけど、若いころ、進路のことを…高校出て働くとか、あるやつは中学出たら働くとか、そういうこと話せる友達、そういう話をした友達がいると思うんだけど。そういう奴らが俺にもいて、そいつらのことが今でもすごく気になる。そいつらのことを思いながら、書いた歌です。
それぞれに違う道へ行って、今でもそれを続けているやつもいれば、違う仕事やってる奴もいるし。でもその時の「思い」は絶対忘れたくないなって。 そこからスタートして、それに向かい始めて俺はいろいろな人と出逢ってきて、 いろんなこと経験してきたわけだから。
…原点は、そこだなと思ったんだよね。 いろいろやっていくうちに、見えなくなったりすることも多いじゃないですか。 「何やってるんだろう」って思う時、あるじゃないですか。 そんな時はやっぱり、もう一度そこへ帰ったら、一番真の、核のものが見えるかな、って思う。
−いい歌になりましたね。
圭吾:うん。…自分で歌っても、まかせっきりで作ってもらう曲とまた重みが違うと思うんだよ。ミュージカルとかは、もとから作ってくれて「はい、できましたよ」って、既に詩がついてたりするじゃないですか。 そうじゃなくてやっぱり、俺もいっしょに歌を作りたかったの。 その歌もまた、一人で考えて行くんじゃなくて、 川越(真也)くんと一緒にこうでもないああでもないって作っていった曲だから …また、深く歌えるっていうか、心から歌える曲になったと思うよ。
決して俺だけのことを歌ってる歌じゃないからさ。 みんなが自分に当てはめて感じてくれてもいいし。 まあ何を感じてくれてもいいんだけど(笑)。 俺は、こういう「思い」でした。
ホントに、いい曲ができてよかったよ。