書名:社会とどうかかわるか
公共哲学からのヒント
著者:山脇直司
発行所:岩波書店(岩波ジュニア新書)
発行日:2008/11/20
定価:740円+税
この本は中高校生向きの岩波ジュニア新書です。多分今の学校では学のことがない「社会とどうかかわるか」という視点について色々なヒントが散りばめられています。まともな大人の人にとってはちょっと理想ばかりが並べられているように感じるかも知れない。かなり甘い甘い社会認識に基づいているところがあるように思う。昔共産主義、社会主義の世界が理想郷0の如くささやかれた時代もあった。実際は資本主義の世界で実現されたところが多いのも歴史の教えるところではないでしょうか?
著者の唱えている「活私開公」(かっしかいこう)も理想としては良いことだと思う(これは遠い遠い未来になるかもしれないけれど)。若い人達にはあまり現実に密着せず、理想郷を思い描きながら未来に生きて欲しい。それためのヒントはこの本に一杯散りばめられているように思う。またすでに大人になってしまった(なった)人はこの本を読んで、もう一度原点に返って、自分の「社会ととのかかわりについて」総点検するとまた違った人生が見えてくるのではないでしょうか?
多分結構反発するところががあると思います。(世の中そんなに甘くないとか、現実は違うよとか)そんな疑問を持ちながら自分との対話をする意味でも参考になる本ではないでしょうか?
でも、今の若者がこの本を読んで理解出来るか?心配です。まず興味を持てないことでしょうね。憲法、法律用語なんか理解出来るかな。また受験には必要ではないので手にするだけ時間の無駄と考えてしまう若者もいるかも知れません。生きると言うこと考えたとき、本当に必要な教材が与えられているか?今の教科書など見ながら心配もしています。
-------------本書のより----
他の人や社会のこと、どう考えたらいいのだろう?その答えは、自分を殺す「滅私奉公」でも、自分のことしか考えない「滅公奉私」(めっこうほうし)でもない。公共哲学からのヒントは「活私開公」(かっしかいこう)、地元の街から学校、会社や国、そしてグローバルな世界まで、一人ひとりを活かしつつ、公共的な価値が実現する社会を考えてみよう。
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なぜこんな本を手にしたかというと、著者の知り合いのある人の読んで見ませんか?と頂いた本です。多分こんな機会がなかったら絶対手にしなかった本でしょう。これもご縁ですね。人と人のご縁、本で会うご縁を大切にしたいと思っています。