書名:雲を斬る
著者:池永 陽
発行所:講談社
発行年月日:2006/3/31
ページ:345頁
定価:1800円+税
父の敵を探して江戸に流れ着いた由比三四郎、目指す仇敵の情報も曖昧、でも仇討ちを果たさなければ
故郷へ帰ることはできない。江戸の下町に暮らし、寺子屋の師範をしながら、道場破りで日銭を稼ぎ、仇討ち相手を探しながら下町の人々の難問を解決してあげている。ある日、女郎部屋に売られる娘を助けたことから、女衒の恨みを買い、首に50両の賞金が懸けられてしまった。果たし合いを挑んでくる浪人、ごろつきなどの刺客と戦いながら父の仇敵を探す。江戸の町を舞台に繰り広げられる三四郎の優しさ、切なさ。ここに鳥のように空を飛ぶことに憧れをもっている若者との出会いがこの物語に潤いを与えている。読み始めたら止められない面白さがある。池永陽は初めて読むが中々面白い。