書名:日本名婦伝 6巻分合本版
著者:吉川 英治
発行所:講談社
頁数:163頁
定価:0円 Kindle版
日本名婦伝と言う名前の本はいろいろあって、山本周五郎、徳富蘇峰(号で、本名は猪一郎)なども書いている。赤穂浪士の小野寺十内の妻、源義経の恋人静御前、豊臣秀吉の太閤夫人、明治政府軍の谷干城夫人久満子、楠木正成の大楠公夫人久子、細川忠興の細川ガラシヤ夫人の全6話を収録。
歴史上の偉人の妻たちの短編集。英雄たちの偉業には必ず内助の功があった。楠木正成の妻、久子。夫を始め我が子を次々に戦で失うが、涙を見せずに気丈に振る舞う。その姿に心を打たれずにはいられない「大楠公夫人」。豊臣秀吉の正室寧子(ねね)。猿と言われ当時は身分も低く貧しかった藤吉郎。しかしそんな藤吉郎に惹かれ嫁ぐ。やがて藤吉郎は頭角を現わし出世する。秀吉は浮気をするがねねは生涯秀吉に尽くす。ねねの人柄がしのばれるエピソード「太閤夫人」。
この内助の功というのは今の現代人には嫌われるかも知れないが、しっかりと夫を操縦しているしたたかな女の姿がある。短文の中にキラッと光るものがある。
日本名婦伝 - 国立国会図書館デジタルコレクション(徳富猪一郎)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1177632
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