NHKマイルカップ

(2000年5月7日 東京競馬場 芝1,600m)

 

(ごくごくかんたんなレースの説明)

 前身は芝2,000mで行われていたダービートライアルのGU「NHK杯」。余談だが、NHK杯時代のこのレースは、ダービートライアルでありながら「NHK杯の優勝馬はダービーでは勝てない」というジンクスで知られるレースだった。本番まで中2週というキツいローテーションだったせいであろうか。1975年にこのレースを勝った後にダービーも制したカブラヤオー以来、優勝馬は実にダービー20連敗という珍記録を樹立した。
 そんななか、1996年、従来のNHK杯に代わるレースとして新設されたのがこのNHKマイルカップ。「クラシックに出走権のない外国産馬の目標となるGTレースを設置しよう」という流れにのっとって創設されたレースで、外国産馬の出走も可能。また、距離は1,600mに短縮され、ダービーやオークスの2,400mでは距離が長過ぎる短距離馬にもチャンスを与えている。
 とはいえ、実質的にはこのレースは「春の外国産馬No.1決定戦」という色彩が色濃く出ており、第1回では実に上位8着までを外国産馬が占めるという結果となっている。このときの優勝馬はタイキフォーチュン(騎手:柴田善臣)。オグリキャップの持つコースレコードまであと0.4秒という速い時計での決着となった。
 翌年の第2回優勝馬は、牝馬のシーキングザパール(騎手:武豊)。ご存知の通り、日本調教馬として初めて海外GTを制した(1998年8月9日、フランス、モーリス・ド・ギース賞)馬である。そして、第3回を制したエルコンドルパサー(騎手:的場均)もまた、4歳馬として初めてジャパンカップを制するのみならず、5歳時は海外でのみレースを使われ、イスパーン賞2着を経てサンクール大賞典を制し(1999年7月4日、フランス)、海外GT馬となった。のみならず、前哨戦フォワ賞を制した後、凱旋門賞に出走。2番人気に支持され、レースでもモンジューから1/2馬身差の2着に入るという堂々の金字塔を達成して、1999年度代表馬に選出されている。
 これまで4回、連にからんだ馬は全て外国産馬。内国産の馬は、97年ショウナンナンバーの3着が最高位。昨年も、1着シンボリインディ(騎手:横山典弘)から4着マチカネキンノホシまで全て外国産馬であった。

(過去10年間の勝ち馬)

年度 優 勝 馬 性別・
年齢
重量 騎 手 人気 タイム 馬場
状態
1990 ユートジョージ 牡4 56 岡潤一郎 2.00.8
1991 イブキマイカグラ 牡4 56 南井克巳 2.01.9
1992 ナリタタイセイ 牡4 56 南井克巳 2.02.8
1993 マイシンザン 牡4 56 松永幹夫 2.00.7
1994 ナムラコクオー 牡4 56 南井克巳 2.01.9
1995 マイネルブリッジ 牡4 56 田中勝春 2.01.7
1996 タイキフォーチュン 牡4 57 柴田善臣 1.32.6
1997 シーキングザパール 牝4 55 武豊 1.33.1
1998 エルコンドルパサー 牡4 57 的場均 1.33.7 稍重
1999 シンボリインディ 牡4 57 横山典弘 1.33.8

  ★1995年まではNHK杯。GU・芝2,000m。

    

(Ryuの予想)

   ◎ 10.マチカネホクシン
   ○ 12.イーグルカフェ
   ▲ 15.ダイワカーソン
   △ 3.トーヨーデヘア
   △ 11.ミスターサウスポー

 やっぱ難しいよ。特に今年は。有力どころがみんな回避しちゃったし。例年以上に混戦ムードだと思うんだけど、でも予想しないと…。
 例年のこのレース、超ハイペースで逃げ・先行組は総崩れ。後ろからレースを進め、上がりの切れる脚がある馬が笑っています。という展開通りに今年も進むとすれば…本命サイドはマチカネホクシン、イーグルカフェの2頭と見て間違いなさげです。で、どちらを◎にするかというと、マチカネホクシンの方。より「切れる」と思うんですよね。同じくハイペースになったマイル戦の朝日杯3歳ステークス、勝ったエイシンプレストンよりも速い脚で上がった切れ味を信じましょう。
 で、○にしたとはいっても、イーグルカフェも有力候補であることには間違いありません。前走ニュージーランドトロフィー4歳ステークスは休養明けで本調子でない様子でしたが、1つ叩いた効果はあるでしょうし、さらに東京コースに変わることも脚質的に有利な材料だと思います。なんとなく、複勝はこちら。
 続く▲ですが、迷った末にダイワカーソンに打ちました。骨折休養明けで12着に敗れた前走と比べてよくなってくれると期待して。もともと3歳時には素質馬の呼び声高かった馬ですし、まだまだ見限るのは早計だと思います。左回りということも買いたいと思います。調教がもう1つだったのは気がかりですが。
 あとは、連下候補を。まずトーヨーデヘア。デビュー戦を除いて一貫してマイルを使われていることをプラス材料にして。昨年のシンボリインディ的な臭いがプンプンします。安定感もあるし、連下としては押さえといて損はないと思います。鞍上後藤浩輝に期待しましょう。ミスターサウスポーは、その切れる末脚を評価したいと思います。こういうウマが2着に連れて来られそうな気がしてなりません。初めての左回りに若干不安はあるものの、直線長い東京コースはその不安を払拭して余りある魅力です。
 最後に、消した有力馬に関して一言ずつ。まずスイートオーキッド、マイル実績に不安あり。牝馬であることも割引きでしょう。昨年、あれだけいいレースをしたレッドチリペッパーが3着だったですから。マルターズスパーブも同じ理由で消し。東京・1,800mで重賞勝ちありといっても、牝馬同士のフラワーカップでは参考外でしょう。内容に特筆すべきものがあれば別ですが、時計も平凡でしたし…。アグネスデジタル、確かに安定感あるウマですが、切れる末脚がない脚質的に割引きです。一泡吹かされるとすればこのウマだけなんですけど…。ノボジャック(「有力馬」じゃないけど…)、「2頭出しの人気薄」で押さえておこうかと思ったんですけど…馬体重−16kgと聞いては勝負はできません。

(Ryuの買い目)

   (複勝)
    12.イーグルカフェ 1,000円
   (馬連)
    10−12 1,500円
    10−15 700円
    12−15 700円
    3−10 700円
    3−12 700円
    3−15 700円
    10−11 700円
    11−12 700円
    11−15 700円
    3−15 700円

   (合計) 8,800円

(レース結果)

   天候:晴 馬場状態:良 

順位 枠番 馬番 馬名 性別・
年齢
重量 騎手 人気 タイム・
着差
12 イーグルカフェ 牡4 57 岡部幸雄 1.33.5
トーヨーデヘア 牡4 57 後藤浩輝 ハナ
10 マチカネホクシン 牡4 57 武豊 1 3/4
11 ミスターサウスポー 牡4 57 佐藤哲三 2 1/2
スイートオーキッド 牝4 55 横山典弘 クビ
プラントタイヨオー 牡4 57 武幸四郎 クビ
アグネスデジタル 牡4 57 的場均 ハナ
ハセノバクシンオー 牡4 57 田中勝春 16
14 ラヴィエベル 牝4 55 小野次郎 10 アタマ
10 トッププロテクター 牡4 57 和田竜二 11 1/2
11 18 ピサノガルボ 牡4 57 吉田豊 18 クビ
12 17 ネオポリス 牡4 57 四位洋文 14 アタマ
13 15 ダイワカーソン 牡4 57 蛯名正義 1 3/4
14 マイネルブライアン 牡4 57 北村宏司 ハナ
15 16 マルターズスパーブ 牝4 55 柴田善臣 12
16 ファイターナカヤマ 牡4 57 藤田伸二 17 3/4
17 13 ユウマ 牡4 57 江田照男 15 1 1/4
18 ノボジャック 牡4 57 菊沢隆徳 13

  

   (単勝)12.430円
   (複勝)12.150円 3.230円 10.120円
   (枠連)2−6 760円
   (馬連)3−12 1,880円
   (ワイド)3−12 790円 10−12 330円 3−10 670円

 いやきわどい勝負だった。馬連3−12は押さえていたうえに、イーグルカフェの馬券は複勝だった僕としては、別にどっちが1着でもよかったんだけど。でも、心情的には後藤騎手に勝たせてやりたかったなあ。昨夏の「例の1件」以来シンパシー覚えてる身としては。岡部さんはもう28回もGT勝ってたしね(1984年のグレード制導入以降)。
 イーグルカフェは、叩き2戦目で一気に良化した印象です。最後の瞬発力も大したものでした。東京コースも合っているかもしれません。次走は安田記念に向かう予定だそうですが、メンバー次第でしょうが、古馬と比べて4kgのハンディもらえるので好勝負できるかもしれません。
 トーヨーデヘアは実に惜しかった。内で脚をためて抜け出したまではよかったのですが…もう、ハードラックとしか言いようがありません。内容的にはほぼ勝ちに等しい走りだったのですが…。力はあると思います。次に期待しましょう。
 マチカネホクシンは、どうやら鋭い脚を一瞬しか使えないタイプみたいです。それと、最後1ハロンで止まってしまったことから考えると、もしかしたら1,600mは微妙に長いのかもしれません。ミスターサウスポーは、ラスト3ハロン34秒9で上がりました(この上がりの脚は、マチカネホクシンの34秒8に次ぐ2位)。これだけの末脚があるのは魅力です。今回は4着でしたが、今後大化けするかもしれません。スイートオーキッドは、あれだけイレ込み激しくて、道中も引っ掛かったのに、5着に入ったのは立派です。僕が思っていたよりは強い馬なのかもしれません。

(最終収支決算)

   (支出)−8,800円 + (収入)+14,660円= (合計)+5,860円

   <今春の合計> −17,740円(3勝3敗)

 

 

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