日本ダービー(東京優駿)

(2000年5月28日 東京競馬場 芝2,400m)

 

(ごくごくかんたんなレースの説明)

 言わずと知れた、内国産の4歳馬のチャンピオンを決定するレース。競馬関係者にとっても、ファンにとっても、1年で最大のお祭りと言っても過言ではないだろう。全てのホースマンは、このレースで勝利を収めることを目標に日々研鑚に努めているのである。
 本場イギリスを模範に各国で行われているダービーが日本で初めて行われたのは、1932年4月24日のこと。芝、2,400mという条件は、第1回から不変。このときの優勝馬はワカタカ(騎手:函館孫作)。2着オオツカヤマに4馬身差をつけての圧勝だった。3着は牝馬のアサハギ。
 第2回の優勝馬は、福島で開催される重賞レースにその名を残すカブトヤマ(騎手:大久保房松)。この第2回までは目黒競馬場で行われていたが、第3回から現在の東京競馬場で開催されるようになり、今日に至っている。この第3回の優勝馬はフレーモア(騎手:大久保亀治)。以降、開催場、条件は一切変更されていない。
 歴代勝馬のなかで、牝馬は2頭。1937年のヒサトモ(騎手:中島時一)と、43年のクリフジ(騎手:前田長吉)。これ以降、47年にトキツカゼ、49年にシラオキが2着に入ったのを最後に、牝馬の連対はない。
 ここ10年の勝馬で、皐月賞と連覇し2冠を達成したのは4頭。91年トウカイテイオー(騎手:安田隆行)、92年ミホノブルボン(騎手:小島貞博)、94年ナリタブライアン(騎手:南井克巳)、97年サニーブライアン(騎手:大西直宏)。このうち、トウカイテイオー、サニーブライアンはレース後に骨折が判明して菊花賞に出走できず、ミホノブルボンはライスシャワーの2着に敗れ3冠はならなかった。しかし、ナリタブライアンは、7馬身差の圧勝で菊花賞も制し、史上5頭目の3冠馬となっている。
 1番人気で勝利を収めたのは6頭。91年トウカイテイオー、92年ミホノブルボン、93年ウイニングチケット(騎手:柴田政人)、94年ナリタブライアン、95年タヤスツヨシ(騎手:小島貞博)、98年スペシャルウィーク(騎手:武豊)。その他、2着も3例あり、1番人気馬は10頭中9連対、しかも残りの1例も3着、と信頼度は圧倒的に高い。
 現役騎手でダービーを制しているのは、岡部幸雄(84年シンボリルドルフ)、加藤和宏(85年シリウスシンボリ)、小島貞博(92年ミホノブルボン、95年タヤスツヨシ)、藤田伸二(96年フサイチコンコルド)、大西直宏(97年サニーブライアン)、武豊(98年スペシャルウィーク、99年アドマイヤベガ)の6人。昨年、史上初めてとなる2年連続制覇がかかる武豊であったが、あっさりと金字塔を達成。1番人気ナリタトップロードの渡辺薫彦は2着に泣いた。さて今年、海外に主戦場を移す予定の武豊の3連覇はなるのかどうか…。

(過去10年間の勝ち馬)

年度 優 勝 馬 性別・
年齢
重量 騎 手 人気 タイム 馬場
状態
1990 アイネスフウジン 牡4 57 中野栄治 2.25.3
1991 トウカイテイオー 牡4 57 安田隆行 2.25.9
1992 ミホノブルボン 牡4 57 小島貞博 2.27.8 稍重
1993 ウイニングチケット 牡4 57 柴田政人 2.25.5
1994 ナリタブライアン 牡4 57 南井克巳 2.25.7
1995 タヤスツヨシ 牡4 57 小島貞博 2.27.3
1996 フサイチコンコルド 牡4 57 藤田伸二 2.26.1
1997 サニーブライアン 牡4 57 大西直宏 2.25.9
1998 スペシャルウィーク 牡4 57 武豊 2.25.8 稍重
1999 アドマイヤベガ 牡4 57 武豊 2.25.3

   

日本ダービー(東京優駿)歴代優勝馬・騎手

    

(Ryuの予想)

   ◎ 2.エアシャカール
   ○ 4.アグネスフライト
   ▲ 5.カーネギーダイアン
   △ 10.ダイタクリーヴァ
   △ 17.ジョウテンブレーヴ
   △ 13.アタラクシア
   △ 1.リワードフォコン

 うーん…迷うなあ。でも、エアシャカールに死角らしい死角は見当たらないしなあ…。ダービーでの1番人気の連対率は高いし。ここは逆らわないでおきましょうか。武豊V3か。ま、それだけの実力持った騎手だし、ない話ではないと思いますわ。
 で、相手探し。筆頭はアグネスフライト。皐月賞組と別路線組を比べてみると、どうしても別路線組の方に魅力感じてしまうのですよ。まして、京都新聞杯の勝ちっぷりを見せつけられた日にゃー。逆転の可能性秘めているのはこのウマぐらいかもしれません。ローテーションがちょいキツめなのだけが心配のタネだけど、レースの出走回数自体は少ないし、そんなに目くじら立てるほどのことではないでしょうな。
 続いて、カーネギーダイアン。かつて3歳時に「最もクラシックに近いウマ」と言われていた頃の輝きをようやく取り戻したかのような印象です。例年青葉賞組はレース間隔がキツくなるせいか「いらない」となるのが常なのですが、このウマは大丈夫なのではないでしょうか。ただし、2走ボケだけが心配。
 ダイタクリーヴァ、消す予定だったのですが、直前で残しました。ウマはすごくいいんですよ。良に回復したといってもどちらかというと稍重に近いと思われる馬場だし、先週のオークスみたいによどみないペースになると距離不安のあるこのウマだって対応できる可能性はあるかもしれませんよ。
 ジョウテンブレーヴは府中にコース変わりしたのが吉と出ると思います。馬場が悪いままだったらさらによかったんでしょうけど…。アタラクシア、皐月賞9着で人気を下げましたが、こういうときこそ狙い目なのではないでしょうか。もともと力はあると思います。先行力のある中穴リワードフォコンまでを押さえておきます。

(Ryuの買い目)

   (馬連)
    2−4 1,000円
    2−5 1,000円
    4−5 1,000円
    2−10 500円
    2−17 500円
    2−13 500円
    1−2 500円
   (ワイド)
    2−4 1,000円
    2−5 1,000円
    4−5 1,000円
    2−10 500円
    2−17 500円
    2−13 500円
    1−2 500円

   (合計) 10,000円

(レース結果)

   天候:晴 馬場状態:良 

順位 枠番 馬番 馬名 性別・
年齢
重量 騎手 人気 タイム・
着差
アグネスフライト 牡4 57 河内洋 2.26.2
エアシャカール 牡4 57 武豊 ハナ
13 アタラクシア 牡4 57 四位洋文 3 1/2
12 トーホウシデン 牡4 57 田中勝春 1 1/2
リワードフォコン 牡4 57 後藤浩輝 10 クビ
17 ジョウテンブレーヴ 牡4 57 蛯名正義 3/4
カーネギーダイアン 牡4 57 藤田伸二 3/4
16 プラントタイヨオー 牡4 57 小野次郎 16 1 1/4
オースミコンドル 牡4 57 武幸四郎 1 1/2
10 15 ジーティーボス 牡4 57 吉永護 15 1 3/4
11 クリノキングオー 牡4 57 幸英明 17 3/4
12 10 ダイタクリーヴァ 牡4 57 高橋亮
13 タニノソルクバーノ 牡4 57 岡部幸雄
14 マイネルブラウ 牡4 57 横山典弘 12 1 1/2
15 18 マイネルコンドル 牡4 57 伊藤直人 18 1 3/4
16 14 パープルエビス 牡4 57 石橋守 11
17 11 マルカミラー 牡4 57 福永祐一 14 アタマ
18 マイネルブライアン 牡4 57 北村宏司 13

  

   (単勝)4.510円
   (複勝)4.210円 2.120円 13.540円
   (枠連)1−2 540円
   (馬連)2−4 600円
   (ワイド)2−4 350円 4−13 2,230円 2−13 1,120円

 エアシャカールが直線抜け出して終わりかと思いきや、外から矢のように伸びてくるアグネスフライト。その脚色がいい。「これは変わるぞ!」思わずTVに向かってそう叫ぶRyu。必死で追う河内騎手。こんなに必死に追っている河内騎手を見たのは初めてなんじゃないかと思ってしまうくらい。その結果、ゴール前の攻防は写真判定に。でも、河内騎手は右手を上げてガッツポーズ。河内騎手のガッツポーズって珍しい。騎手にしか分からない手応えがあったのでしょうか。武豊からもゴール直後並んで走っているときに「おめでとうございます」と言われたらしいし。
 アグネスフライト、いい脚でした。そして、力強かった。外にヨレてきたエアシャカールにひるむことなく、最後まで末脚を出し切りました。親子2代のクラシック制覇はベガ(93年桜花賞、オークス)−アドマイヤベガ(99年日本ダービー)以来ですが、親子3代となると…初めてではないでしょうか? アグネスレディー(79年オークス)−アグネスフローラ(90年桜花賞)と続いた血脈、その全ての主戦騎手だった河内騎手。悲願のダービー制覇、本当におめでとう、といったところです。
 エアシャカール、ベストは尽くしたのではないでしょうか。ただ、2,400mという距離はどうなのでしょうか? このレースを見ただけでは「長い」とも断言はできませんが、あのヨレは…距離が原因じゃなくて、気性の悪さかなあ。いずれにしても、騎手の武豊としては100%のレースだったと思います。何はさておき、3年連続の日本ダービー連対はお見事です。ただ、エアシャカールのキングジョージ挑戦には…個人的にはいまだクエスチョンマークがつきます。チャレンジスピリットは評価したいけど。
 アタラクシア、狙うならここしかないという読みが的中しました。決め手のなさゆえに最後は3着になってしまいましたが、これくらいのレースはできる器だったということなのでしょう。すみれステークスはフロックでも相手が弱すぎたわけでもなかったということなのではないでしょうか。もっとも、この先、夏を越しての上積みという点においてはまだまだ未知数ですが。
 カーネギーダイアン、原因不明。青葉賞の反動でしょうか? ダイタクリーヴァ、結果論ですが、やっぱり距離が長すぎた、ってことなのでしょう。状態のよさゆえに日和って押さえた自分自身の弱さが恨めしくてなりません。もっと自信持って切るべきでした。
 で、結果。あやうく赤字になりそうなところを、アタラクシアのワイドが救ってくれました。その分だけ黒字。まあ、負けなかっただけよし、と思わなくてはいけないのでしょうか。

(最終収支決算)

   (支出)−10,000円 + (収入)+15,100円= (合計)+5,100円

   <今春の合計> −22,240円(4勝4敗)

 

 

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「安田記念」に続く

 

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