NHKマイルカップ

(2001年5月6日 東京競馬場 芝1,600m)

 

(ごくごくかんたんなレースの説明)

 前身は芝2,000mで行われていたダービートライアルのGU「NHK杯」。余談だが、NHK杯時代のこのレースは、ダービートライアルでありながら「NHK杯の優勝馬はダービーでは勝てない」というジンクスが根強く囁かれていたことで知られるレースだった。本番まで中2週というキツいローテーションだったせいであろうか。1975年にこのレースを勝った後にダービーも制したカブラヤオー以来、優勝馬は実にダービー20連敗という珍記録を樹立した。
 そんななか、1996年、従来のNHK杯に代わるレースとして新設されたのがこのNHKマイルカップ。「クラシックに出走権のない外国産馬の目標となるGTレースを設置しよう」という流れにのっとって創設されたレースで、外国産馬の出走も可能。また、距離は1,600mに短縮され、ダービーやオークスの2,400mでは距離が長過ぎる短距離馬にもチャンスを与えている。
 とはいえ、実質的にはこのレースは「春の外国産馬No.1決定戦」という色彩が色濃く出ており、第1回では実に上位8着までを外国産馬が占めるという結果となっている。このときの優勝馬はタイキフォーチュン(騎手:柴田善臣)。オグリキャップの持つコースレコードまであと0.4秒という速い時計での決着となった。
 翌年の第2回優勝馬は、牝馬のシーキングザパール(騎手:武豊)。ご存知の通り、日本調教馬として初めて海外GTを制した(1998年8月9日、フランス、モーリス・ド・ギース賞)馬である。そして、第3回を制したエルコンドルパサー(騎手:的場均)もまた、4歳馬として初めてジャパンカップを制するのみならず、5歳時は海外でのみレースを使われ、イスパーン賞2着を経てサンクール大賞典を制し(1999年7月4日、フランス)、海外GT馬となった。のみならず、前哨戦フォワ賞を制した後、凱旋門賞に出走。2番人気に支持され、レースでもモンジューから1/2馬身差の2着に入るという堂々の金字塔を達成して、1999年度代表馬に選出されている。
 これまで5回、連にからんだ馬10頭は全て外国産馬。内国産の馬は、97年ショウナンナンバーの3着が最高位。昨年も、1着イーグルカフェ(騎手:岡部幸雄)から3着マチカネホクシンまで全て外国産馬であった。1着イーグルカフェと2着トーヨーデヘアとの着差はわずかにハナ。トーヨーデヘアの鞍上後藤浩輝は、あと少しの差でGT初勝利を逃す形となった。

(過去10年間の勝ち馬)

年度 優 勝 馬 性別・
年齢
重量 騎 手 人気 タイム 馬場
状態
1991 イブキマイカグラ 牡4 56 南井克巳 2.01.9
1992 ナリタタイセイ 牡4 56 南井克巳 2.02.8
1993 マイシンザン 牡4 56 松永幹夫 2.00.7
1994 ナムラコクオー 牡4 56 南井克巳 2.01.9
1995 マイネルブリッジ 牡4 56 田中勝春 2.01.7
1996 タイキフォーチュン 牡4 57 柴田善臣 1.32.6
1997 シーキングザパール 牝4 55 武豊 1.33.1
1998 エルコンドルパサー 牡4 57 的場均 1.33.7 稍重
1999 シンボリインディ 牡4 57 横山典弘 1.33.8
2000 イーグルカフェ 牡4 57 岡部幸雄 1.33.5

   ★2000年までの馬齢表記は旧表記(数え年)を使用。
   ★1995年まではNHK杯。GU・芝2,000m。

    

(Ryuの予想)

   ◎ 4.クロフネ
   ○ 12.ネイティヴハート
   ▲ 9.エアヴァルジャン
   △ 3.フジノテンビー
   △ 5.シャワーパーティー
   △ 17.メジロキルデア
   △ 15.ヤングモンタナ

 今年のこのコーナーではこのテの書き出しで始まることが多いんですけど、やっぱり言ってしまいます。クロフネで断然でしょう。唯一の心配は1,600mという距離ぐらい。他の出走予定馬とは全てが違う印象です。ここをキッチリと勝って、堂々と日本ダービーでジャングルポケットと再戦してほしいです。
 ○なんですが、ここは無難にネイティヴハートに打ちました。順当にいけば2番手でしょう。ただ、馬体減はマイナスです。パドックの様子ももう1つですし、あっさりとんでしまう可能性もありそうでコワいです。
 エアヴァルジャンは調教よかったですね。前走のニュージーランドトロフィー(3着)もしまいの脚は悪くなかったですし。今回のレースは、もっと脚をためて瞬発力を発揮できれば、2着は充分圏内だと思います。
  フジノテンビー、状況はスプリングステークスのときとは比べようがないと思います。よくなってきてます。ただ、毎年差し有利と言われるこのレースにおいて先行脚質は展開的に気がかりなですが、それでもデイリー杯3歳ステークス(当時)の勝利は伊達ではないと思います。あとは、中央転厩でどれだけ水になじむことができたか…でしょうか。
 シャワーパーティー、まだまだ見限るのは早いような気がします。人気落ちしているここは逆に狙い目かもしれません。重賞ではないとはいえ1,800mの勝ち鞍あるのも魅力です。府中のマイルでは案外こういうタイプのほうがいいのかもしれません。
 メジロキルデアは差しのハマる展開になると波乱の片棒を担ぐかもしれません。上がりの速い脚を使えるのは魅力です。ヤングモンタナは調教よかったので。このへんまでクロフネ相手のワイドで押さえておきます。
 スティーマーはマイル実績がないので消します。ただ、鋭い末脚はなかなかに魅力的ではありますが。キタサンチャンネルは先行脚質だけに目標にされやすいと見て、今回は見送りとしました。

(Ryuの買い目)

   (馬連)
    4−12 2,000円
   (ワイド)
    4−12 2,000円
    4−9 500円
    3−4 500円
    4−5 500円
    4−17 400円
    4−15 100円

   (合計) 6,000円

(レース結果)

   天候:晴 馬場状態:良 

順位 枠番 馬番 馬名 性別・
年齢
重量 騎手 人気 タイム・
着差
クロフネ 牡3 57 武豊 1.33.0
14 グラスエイコウオー 牡3 57 村田一誠 13 1/2
サマーキャンドル 牝3 55 田中勝春 12
12 ネイティヴハート 牡3 57 柴田善臣 クビ
17 メジロキルデア 牡3 57 吉田豊 10
テイエムサウスポー 牡3 57 和田竜二 1 1/4
15 ヤングモンタナ 牡3 57 北村宏司 16 1 1/4
フジノテンビー 牡3 57 後藤浩輝 3/4
シャワーパーティー 牡3 57 江田照男 1/2
10 スティーマー 牡3 57 武幸四郎 1/2
11 スマッシュキング 牡3 57 古川寛和 15 3/4
12 18 メイショウドウサン 牡3 57 安田康彦 クビ
13 16 シンボリスナイパー 牡3 57 岡部幸雄 14
14 10 カチドキリュウ 牡3 57 K.デザーモ 11 クビ
15 エアヴァルジャン 牡3 57 蛯名正義 1 1/2
16 トシザボス 牡3 57 四位洋文 17 ハナ
17 13 キタサンチャンネル 牡3 57 高橋亮 1/2
18 11 エイシンフジサン  牡3 57 橋本広喜 13

  

   (単勝)4.120円
   (複勝)4.110円 14.1,510円 8.1,100円
   (枠連)2−7 720円
   (馬連)4−14 6,880円
   (ワイド)4−14 2,610円 4−8 2,060円 8−14 46,660円

 なんかこう…不思議な感じのするレースだったなあ。勝ったのは1番人気馬で、その点では「順当」と言えなくもないんだろうけど…2着、3着が12番人気、13番人気。まさかクロフネが勝ったのにこんな高配当になるとは思いもしませんでした。
 とりあえず、その主役となった2・3着馬から。まずグラスエイコウオー。状態がよかった、ポンとスタートで出られた、競りかけてくるウマがいなくて楽にハナに立てた、ペースがまったりとしたものになった、初ブリンカーの効果があった…と、好条件が重なりました。とはいえ、単に恵まれただけではなく、内容的にも評価に値するレースだったと思います。「もう少し追い出しをガマンすればきわどかったかもしれないけど…」との村田騎手の言葉ですが、これはまあ責められないところでしょう。
 サマーキャンドル、これも結論から言えば「状態よかった」ってことなんでしょうね。牡馬に混じっての3着は大健闘だと思います。距離もマイル前後がいいのではないでしょうか。
 ネイティヴハート、やはり馬体減とイレ込み…でしょうか。あと、4コーナーでの不利。それでも4着まで盛り返したのですから、秋に期待しましょう。
 最後にクロフネ。先行馬2頭が2・3着に残るなか、ヒヤっとさせられたとはいえ、最後にはキッチリとかわしてくれました。やはり実力のなせる技でしょう。これでダービーも当確。ジャングルポケットとの再戦が実に楽しみです。

(最終収支決算)

   (支出)−6,000円 + (収入)0円= (合計)−6,000円

   <今春の合計> −800円(3勝3敗)

 

 

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