菊花賞

(2001年10月21日 京都競馬場 芝3,000m)

 

(ごくごくかんたんなレースの説明)

 イギリスのクラシックレース「セントレジャー」を模範としてつくられた、3冠レースの最終戦。1938年12月11日に「京都農林省賞典四歳呼馬競走」という名称で行われた第1回レースで優勝したのはテツモン(騎手:伊藤正四郎)。以降、昭和23年に「菊花賞」という名称に改められて、今日に至る。昭和54年に1回だけ阪神競馬場で行われた以外は、京都競馬場、芝3,000mは不動。本場のセントレジャーが衰退の一途をたどっているのに対して、京都唯一のクラシックレースとして、また、3,000mの長丁場と2度の坂越えというハードなレースぶりで、数多くの名勝負を生み出し続けている。「皐月賞は最も早い馬が勝ち、ダービーは最も運のいい馬が勝ち、菊花賞は最も強い馬が勝つ」という言葉が生まれたゆえんである。
 3冠レースの最終戦ということは、もちろん3冠馬誕生の舞台となるレースなわけである(笑)。そのなかでも圧巻だったのは、2着のヤシマソブリンを7馬身ちぎって圧勝で3冠を決めたナリタブライアン(1994年)。また、シンボリルドルフは、史上唯一の「無敗の3冠馬」である(1984年)。92年にミホノブルボンは史上2頭目の「無敗の3冠馬」に挑んだが、ライスシャワーの2着に敗れて達成はならなかった。
 牝馬の優勝は2回。1943年のクリフジ(騎手:前田長吉)と、47年のブラウニー(騎手:土門健司)。95年にはオークス馬ダンスパートナーが牝馬としては久々に挑戦し、1番人気に推されたが、マヤノトップガンの5着に敗れた。昨年は、キングジョージ&クイーンエリザベスステークスにも挑戦(5着)した2番人気のエアシャカール(騎手:武豊)が快勝。クラシック2冠を達成した。ただ、気性面に問題のある同馬は、この菊花賞での勝利以降勝ち鞍はない。
 昨年から、それまでより開催が2週前へとシフトされた。ジャパンカップへのローテーションを中2週から中4週へと空け、そのことによってより強い3歳牡馬が参戦しやすくするための措置らしい。もっとも、昨年ジャパンカップに挑戦した皐月賞・菊花賞馬エアシャカール、ダービー馬アグネスフライトは、いずれも惨敗。今年の3歳馬は…。

(過去10年間の勝ち馬)

年度 優 勝 馬 性別・
年齢
重量 騎 手 人気 タイム 馬場
状態
1991 レオダーバン 牡4 57 岡部幸雄 3.09.5
1992 ライスシャワー 牡4 57 的場均 R3.05.0
1993 ビワハヤヒデ 牡4 57 岡部幸雄 R3.04.7
1994 ナリタブライアン 牡4 57 南井克巳 R3.04.6 稍重
1995 マヤノトップガン 牡4 57 田原成貴 3.04.4
1996 ダンスインザダーク 牡4 57 武豊 3.05.1
1997 マチカネフクキタル 牡4 57 南井克巳 3.07.7
1998 セイウンスカイ 牡4 57 横山典弘 R3.03.2
1999 ナリタトップロード 牡4 57 渡辺薫彦 3.07.6
2000 エアシャカール 牡4 57 武豊 3.04.7

   ★2000年までの馬齢表記は旧表記(数え年)を使用。
   ★タイムの「R」はレコード

    

(Ryuの予想)

   ◎ 13.ジャングルポケット
   ○ 7.サンライズペガサス
   ▲ 8.エアエミネム
   △ 11.ダンツフレーム
   △ 2.マンハッタンカフェ
   △ 12.テンザンセイザ

 ジャングルポケット、前走札幌記念のときとは違い、調教は充分と見ました。まだまだ上積みはありそうです。状態さえ戻ってくれば…間違いなく本命サイドでしょう。心配なのは、血統のみ。トニービン産駒って、なぜか菊花賞良績馬は少ないんですよねえ。
 ○にはサンライズペガサスを抜擢しました。不利を押しての前走神戸新聞杯2着を評価します。エアエミネムよりしまいの脚はよかったと思います。上昇望めると思います。
 その神戸新聞杯の勝ち馬エアエミネム、距離…どうなんでしょうね。父はデインヒル。マイルから2,400mに実績のある種牡馬です。道中かかってしまうと…案外かもしれません。距離が未知な分だけ、評価は▲まで。
 ダンツフレーム、馬体太いし(まさか+6kgで出てくるとは)、調教もう1つだし、距離長そうだし、△評価に留めます。コワい材料は「鞍上:武豊」のみと言っても過言ではありません。
 その他の押さえとして、長距離に実績のあるマンハッタンカフェ、調子見る限り良化の望めるテンザンセイザまで。アグネスゴールドは、まだまだ好調時ほどの勢いがないと見て消します。

(Ryuの買い目)

   (単勝)
    13.ジャングルポケット 1,000円
   (馬連)
    7−13 500円
    8−13 500円
    7−8 500円
   (ワイド)
    7−13 500円
    8−13 500円
    7−8 500円
    11−13 500円
    7−11 500円
    2−13 500円
    2−7 500円
    12−13 500円
    7−12 500円

   (合計) 7,000円

(レース結果)

   天候:小雨 馬場状態:良 

順位 枠番 馬番 馬名 性別・
年齢
重量 騎手 人気 タイム・
着差
マンハッタンカフェ 牡3 57 蛯名正義 3.07.2
10 マイネルデスポット 牡3 57 太宰啓介 11 1/2
エアエミネム 牡3 57 松永幹夫 3/4
13 ジャングルポケット 牡3 57 角田晃一 1 1/4
11 ダンツフレーム 牡3 57 武豊 3/4
メイクマイデイ 牡3 57 小牧太 1/2
チアズブライトリー 牡3 57 藤田伸二
14 アグネスゴールド 牡3 57 河内洋 3/4
12 テンザンセイザ 牡3 57 四位洋文 アタマ
10 タニノトリビュート 牡3 57 武幸四郎 12 クビ
11 アドマイヤロード 牡3 57 福永祐一 13 3/4
12 サンライズペガサス 牡3 57 池添謙一 クビ
13 ビッグゴールド 牡3 57 村本善之 10 2 1/2
14 ワンモアバンクオン 牡3 57 渡辺薫彦 15 1 1/4
15 15 ダービーレグノ 牡3 57 幸英明 14 クビ

  

   (単勝)2.1,710円
   (複勝)2.440円 10.1,770円 8.230円
   (枠連)2−6 1,620円
   (馬連)2−10 46,210円
   (ワイド)2−10 6,690円 2−8 1,220円 8−10 4,910円

 久しぶりにライヴでTV中継見てたんですけど…まあ、なんとも不思議なレースでした。向正面で有力馬2頭が行きたがるのを見て「…おいおい、ヤバいんちゃう」と思って、4コーナーで「これ、前のウマ残るぞ!」と絶叫したという…。典型的な「昨今の超スローな長距離戦」でしたねえ…。
 その流れのなかで、エアエミネムも、ジャングルポケットも、折り合いを欠いて、最後の伸び脚がイマイチでした。「距離が長かった」というよりは、むしろ「展開のアヤ」でしょうね。もう少し淀みのないペースになっていれば引っ掛からずにすんだでしょうし、そうしたらもうちょいカッコつく結果になっていたかもしれません。にしても、この結果は…うーん、って感じ。
 それに対し、勝ったマンハッタンカフェは折り合いがついていたのが勝因の全てでした。最後にあの脚を使えたのは、「長距離適性があった」ことに加えて「折り合いがついていた」ことが大きかったのでしょう。夏の札幌で条件戦とはいえ2,600mを連勝していたのは伊達ではなかった、ということなのでしょうね。あとは…来年の天皇賞・春がハイペースのレースになったときに同じ脚が出せるかどうか、でしょうね。
 マイネルデスポット、うーん…。いや、ケチつけるつもりはありません。「逃げ宣言」して敢然とハナを切り、結果「あわや」の場面作ったんですから(僕は「残る」とすら思ったほどでした)。太宰騎手の騎乗は100%だったと思います。ただ…「周りがあまりにもだらしなさすぎた」って印象も拭い去れませんねえ。ナメてかかったウマにまんまとしてやられた…っていう感じ。馬、そして鞍上に文句はありませんが、他の有力馬に騎乗していた騎手には一言言いたいですねえ。まあ、有力馬が牽制し合って動けなかったんでしょうけど。マイネルデスポットの真価は…今回ほど楽には逃がしてもらえない次走でしょうね。
 ダンツフレーム、いったい武豊は、どういうつもりで「最後方待機」という作戦を選択したのでしょうか? 結果論ですが、あの超スローの流れでは「失敗だった」と言わざるをえません。ましてや、馬は太めだったし。

(最終収支決算)

   (支出)−7,000円 + (収入)0円 = (合計)−7,000円

   <今秋の合計> −2,050円(1勝2敗)

 

  

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