ジャパンカップ

(1999年11月28日 東京競馬場 芝2,400m)

 

(ごくごくかんたんなレースの説明)

 「外国馬と日本馬が対決する舞台が見たい」という声が日本競馬界に高まってきた1981年、その声は1つの結晶として身を結ぶことになった。日本の競馬関係者にとっては悲願とも言うべき第1回ジャパンカップが開催される運びとなったのである。しかし、そのレースでは、さして前評判も高くなかったアメリカ代表の牝馬メアジードーツ(騎手:C.アスムッセン)が圧倒的な強さを見せつけて勝利を収める一方で、日本代表馬は文字通り「影を踏むことすらできない」大敗を喫してしまう。第2回からはヨーロッパ、オセアニアからも一流馬が参戦してくるようになり、世界のレースとして徐々に浸透していくようになる。そして、1984年、日本代表馬カツラギエースが、世界、日本の強豪馬を相手に堂々の逃走劇を演じ切り、日本馬として初の優勝を飾った(騎手:西浦勝一)。ミスターシービー、シンボリルドルフの2頭の3冠馬を下しての快挙で、西浦騎手の勝利ジョッキーインタビューでの「してやったり、ですよ」の一言は語り草となった。
 シンボリルドルフは、翌1985年、1番人気に応え堂々の快勝。自身初の敗北となった前年の雪辱を晴らした。鞍上の岡部幸雄は92年にルドルフの息子トウカイテイオーでも勝利を収め、日本人騎手として唯一ジャパンカップ2勝をマークしているジョッキーである。テイオー優勝の翌93年にはレガシーワールド(騎手:河内洋)、さらに94年はマーベラスクラウン(騎手:南井克巳)と日本馬が3連覇を果たし、ようやく世界の実力馬と互角の勝負が演じられるまでの状況になってきている。そして、昨年、日本馬として6頭目のウィナーとして名を連ねたのは、エルコンドルパサー(騎手:蛯名正義)。4歳馬がジャパンカップを制したのは初の快挙であった。その後、フランスGTサンクール大賞典を制し、さらに凱旋門賞でも2着に入るなど、海外でもあまたの実力馬たちと互角に渡り合ってきたエルコンドルパサーの、これが国内最後のレースであった。
 1992年には国際GTにも認定され、現在では国際的なビッグレースとして海外から注目を集めている。ちなみに、1番人気馬は、シンボリルドルフが勝利を収めて以来13連敗中。なかには、93年コタシャーンのように、K.デサーモ騎手が残り1ハロンのハロン棒をゴール板と誤認して手綱をゆるめたためにレガシーワールドに差されてしまうという「珍事」もある。

(過去10年間の勝ち馬)

年度 優 勝 馬 性別・
年齢
重量 騎 手 人気 タイム 馬場
状態
1989 ホーリックス(新) 牝7 55 L.A.オサリバン R2.22.2
1990 ベタールースンアップ(豪) セン6 57 M.A.クラーク 2.23.2
1991 ゴールデンフェザント(米) 牡6 57 G.スティーヴンス 2.24.7
1992 トウカイテイオー 牡5 57 岡部幸雄 2.24.6
1993 レガシーワールド セン5 57 河内洋 2.24.2
1994 マーベラスクラウン セン5 57 南井克巳 2.23.6
1995 ランド(独) 牡6 57 M.ロバーツ 2.24.6
1996 シングスピール(英) 牡5 57 L.デットーリ 2.23.8
1997 ピルサドスキー(英) 牡6 57 M.キネーン 2.25.8
1998 エルコンドルパサー 牡4 55 蛯名正義 2.25.9

   ★カッコ内は国籍。(新)はニュージーランド。無表記は日本。
   ★タイムの「R」はレコード

    

(Ryuの予想)

   ◎ 14.モンジュー
   ○ 1.タイガーヒル
   ▲ 13.スペシャルウィーク
   △ 10.ステイゴールド

 外国馬がさほどでもなかった昨年とは対照的に、今年は日本勢が小粒な印象を受けますねえ。スペシャルウィーク1頭だけが孤軍奮闘って感じ。グラスワンダーが回避したり、セイウンスカイが秋リタイアしたりで、このメンバーとなったわけなのですが…うーん。こりゃ、今年は外国勢がVって感じですな。
 まずモンジュー。エルコンドルパサーを下して凱旋門賞馬となったこのウマ、1番人気に支持されてますけど、私もこのウマに◎。凱旋門賞の衛星中継を見ちゃったからかなあ。「いやあ、すごいウマだ」って思っちゃったんですよ。順調に来れば、1番強いのはこのウマだと思います。ただ、凱旋門賞の勝ち馬って、ジャパンカップでは不思議と凡走するんですよね。トニービンしかり、エリシオしかり。日本の固い馬場が合わないのかなんだか知らんけど、その点では一抹の不安も打ち消せない。
 ○はタイガーヒル。これも、エルコンドルパサーと対戦したウマです。サンクール大賞典の2着馬。どうも、エルコンドルパサーのおかげで、外国馬の力を計るときには彼を定規にすればよさげな雰囲気になってきたけど…。2年連続でドイツ最高峰のレース「バーデン大賞」を制覇した力、16戦して4着以下2回という安定感、左回りに良績を残している点を評価したいと思います。大崩れはないとみて、複勝はこちらを買います。
 次は…スペシャルウィークだろうなあ。天皇賞のときより状態はいいとのことなので。反動は怖いけど、2着は十分可能と見て押さえます。ていうか、このメンバーなら他にはひけは取らないだろうなあ、って。で、もう1頭押さえようと思うんですが、最後までラスカルスズカにしようかどうかと迷ったんですけど、ラスカルスズカは将来もっともっと強くなる可能性を秘めていることは認めるものの、まだ4歳で本格化していないという点と菊花賞から中2週であるという点を考慮して、今回は見送りました。そこで抜擢したのがステイゴールド。調教よかったらしいので。順番でいくと今回は凡走の番なのですが(笑)、まあ賭けてみましょう。アンブラスモアの逃げはけっこうコワいとも思えるけど、馬券は買えんなあ、さすがに…。

(Ryuの買い目)

   (複勝)
    1.タイガーヒル  1,000円
   (馬連)
    1−14 1,000円
    13−14 1,000円
    1−13 1,000円
    10−14 400円
    1−10 300円
    10−13 300円

   (合計) 5,000円

(レース結果)

   天候:晴 馬場状態:良 

順位 枠番 馬番 馬名 性別・
年齢
重量 騎手 人気 タイム・
着差
13 スペシャルウィーク 牡5 57 武豊 2.25.5
インディジェナス(香港) セン7 57 D.ホワイト 12 1 1/2
12 ハイライズ(英) 牡5 57 L.デットーリ ハナ
14 モンジュー(仏) 牡4 55 M.キネーン 3/4
ラスカルスズカ 牡4 55 柴田善臣
10 ステイゴールド 牡6 57 熊沢重文 1/2
スエヒロコマンダー 牡5 57 藤田伸二 14 クビ
15 ボルジア(仏) 牝6 55 O.ペリエ クビ
11 フルーツオブラヴ(英) 牡5 57 M.ロバーツ アタマ
10 タイガーヒル(独) 牡5 57 T.ヘリヤー 1 1/2
11 アンブラスモア 牡6 57 須貝尚介 11 3/4
12 ウメノファイバー 牝4 53 蛯名正義
13 オースミブライト 牡4 55 武幸四郎 13
14 スティンガー 牝4 53 横山典弘 10
アルボラーダ(英) 牝5 55 G.ダフィールド (取消)

  ★9.アルボラーダは左寛跛行のため出走取消。

   (単勝)13.340円
   (複勝)13.160円 7.1,580円 12.600円
   (枠連)4−7 1,510円
   (馬連)7−13 23,190円

 何と言ったらいいのだろうか、スペシャルウィークの完勝に関して。あの京都大賞典は何だったのだろうか。天皇賞・秋からジャパンカップへの連覇というダビスタまがいのことをあっさりやってのけてしまった。天皇賞の春・秋連覇に続いての快挙。これで年度代表馬が1歩近づいたって感じです。あとは、引退レースとなる有馬記念でグラスワンダーとの最終決戦を残すのみ。陣営としては「グラスワンダーの走ったレースでは結局1度も勝てなかった」などと後ろ指さされないためにもグラスワンダーにだけは先着したいところだろう。
 それにしても、もう1度言ってもいいだろう。「完勝」と。スペシャルウィークが強かったのか、他のウマがヘボかったのか、イマイチよく分かんないけど、このレースではスペシャルウィークしか印象に残らなかった。他の人気背負ったウマを検証してみたい。
 まずモンジュー。やっぱり本調子にはほど遠かったんでしょうか。あるいは馬場が合わなかったのかもしれませんが、やっぱり敗因は体調面でしょう。凱旋門賞のときとは違うウマみたいでした。
 タイガーヒル。大崩れがなかったこのウマが、まさかの大崩れ。原因分かりません、正直言って。
 一方、2着に入ったインディジェナス。公開調教は抜群だったらしいですね。いや、言い訳になるんですけど、今年は忙しくて公開調教見られなくて。「マックスジーン、すごくいいなあ…」って予想の参考にできた昨年とはえらい違いです。パドックでもめっちゃよかったみたいですし。取れない馬券じゃなかっただけに悔しいですね。「この夏に香港行った記念」で100円でも押さえておけば…まあ、後の祭りですけど。
 ステイゴールドはやっぱり「凡走の番だった」ってことなんでしょうか(笑)。ラスカルスズカは、過大に人気背負いすぎたわりにはよく頑張ったと思います。今現在のこのウマの力からいえば、5着は大健闘だと思います。

(最終収支決算)

   (支出)−5,000円 + (収入)0円 = (合計)−5,000円

   <今秋の合計> −27,050円(1勝5敗)

 

  

「マイルチャンピオンシップ」に戻る

「阪神3歳牝馬ステークス」に続く

 

トップページに戻る