阪神3歳牝馬ステークス

(1999年12月5日 阪神競馬場 芝1,600m)

 

(ごくごくかんたんなレースの説明)

 前身は1949年に第1回が行われた「阪神3歳ステークス」。東の中山競馬場で行われる「朝日杯3歳ステークス」と並んで、戦後になって行われるようになった3歳馬競走の東西それぞれの総決算的なレースをいう意図で新設され、当初は関西馬の3歳チャンピオン決定戦という色彩のレースであった。第1回の優勝馬は牝馬のウイザート(騎手:浅見国一)。2着のトサミツルも牝馬で、くしくもこの年は牝馬の1−2フィニッシュだった。
 1984年のグレード制導入とともに朝日杯とともにGTに格付けされ、その地位は確立されたが、1991年、それまで朝日杯と同日に開催されていたこのレースが1週ずらされ、同時に混合戦だったこのレースを牝馬限定戦として「阪神3歳牝馬ステークス」と改称したことから、東西3歳牝馬の頂点を競うレースへと性格が変更された。牝馬限定戦となって最初の勝ち馬は、後に桜花賞、スプリンターズステークスも勝つニシノフラワー(騎手:佐藤正雄)。
 このレースで好走した牝馬のなかから、ヒシアマゾン(93年1着)、エアグルーヴ(95年2着)、メジロドーベル(96年1着)など、後にもGTで勝利を収める「名牝」が数多く出ており、翌年の牝馬クラシック戦線を占う意味でも重要な1戦となっている。他方、9番人気のスエヒロジョウオー、12番人気マイネピクシーで決着して馬連120,740円という超万馬券決着となった92年のように好配当となることが多いのもこのレースの特徴。

(過去10年間の勝ち馬)

年度 優 勝 馬 性別・
年齢
重量 騎 手 人気 タイム 馬場
状態
1989 コガネタイフウ 牡3 54 田原成貴 1.35.7
1990 イブキマイカグラ 牡3 54 南井克巳 1.34.4
1991 ニシノフラワー 牝3 53 佐藤正雄 1.36.2
1992 スエヒロジョウオー 牝3 53 田面木博公 1.37.9
1993 ヒシアマゾン 牝3 53 中舘英二 R1.35.9
1994 ヤマニンパラダイス 牝3 53 武豊 R1.34.7
1995 ビワハイジ 牝3 53 角田晃一 1.35.3
1996 メジロドーベル 牝3 53 吉田豊 R1.34.6
1997 アインブライド 牝3 53 古川吉洋 1.35.8
1998 スティンガー 牝3 53 横山典弘 1.37.0 稍重

   ★1990年までは「阪神3歳ステークス」、牡・センの出走可。
   ★タイムの「R」はレコード。

    

(Ryuの予想)

   ◎ 2.エンゼルカロ
   ○ 4.マヤノメイビー
   ▲ 1.ヤマカツスズラン
   △ 14.ゲイリーファンキー
   △ 7.ベルグチケット

 どう予想しろってーのよ、このレース。去年も2着馬は11番人気で馬連万馬券だし。今年の3歳陣には牡牝ともに「突出した有力馬」もいないし。もう、かくなるうえは「何となく、気になる…」ウマのボックス買いでいってみたいと思います。ちなみに、PATではワイドは来年春まで買えないので、WINSに行く機会でもない限り今後も馬連で勝負。
 で、◎をつけたのは、道営所属馬エンゼルカロ。JRA所属馬を一蹴して制した函館3歳ステークスを評価したいと思います。1,800mの重賞札幌3歳ステークスを経験している(3着)ってのも魅力。底力もあるのではないでしょうか。不利を受けつつも3着に入った前走ファンタジーステークスの内容からも、このウマを上位に取ります。カク地ゆえの不安材料もないでもないのですが(「現行の制度では、地方所属馬は直接栗東に入厩できない」など)、それを跳ね返して頑張れ、というエールも込めて◎。でも、来年は中央入りだってね、このウマ。だったら、地方在籍最後のレース、なおのこと頑張れ。
 ○はマヤノメイビー。こりゃ「なんとなく、魅力的」ってレヴェルでしかないんですけど。底を見せていなさそうなので買い。3歳戦だけにこの程度の予想しかできなくてすんませんって感じですけど。
 続いて▲に抜擢するのは、内枠を引いて気持ちよくハナに立てそうなヤマカツスズラン。同型馬のテネシーガールが外枠になったのも有利な材料。他のコースならいざ知らず、「阪神1,600m」の外枠はいかがなものか(というわけでテネシーガールは無印)。最内からポンと出てそのまま、なんてこともありそうです。
 △はゲイリーファンキー。これもファンタジーステークス5着で人気を落としそうな感じですが、力はあると思いますのですよ。鞍上が乗りに乗っている蛯名正義であるのも強み。人気落ちしそうな今回こそ何となくチャンスなような気がします。
 ということで、上記4頭のボックスにしようと思ったのですが、もう1頭だけ、やっぱり「何となく」なのではありますが、気になったので追加。ウイニングチケットの娘のベルグチケット。今までの走りからすると1,600mは距離がギリギリなような気もするし、折り合い難しそうな部分もあるのですが、このレースに関しては「2着に飛び込んで波乱の主役になる」のは案外こういうウマなのかもしれません。というわけで、上記4頭相手にちょこっとだけ押さえておくことにします。あともう1頭、アルーリングアクトも気になることはなるのですが、小倉3歳ステークス以来の鉄砲であることを嫌って切りました。4歳以上ならともかく、ただでさえ不安定な3歳牝馬に鉄砲でGTはいくらなんでも厳しすぎます。まてよ、夏以来の鉄砲でこのレース勝ったビワハイジなんつーのもいたな…。

(Ryuの買い目)

   (馬連)
    2−4 1,000円
    1−2 1,000円
    1−4 1,000円
    2−14 1,000円
    4−14 1,000円
    1−14 1,000円
    2−7 300円
    4−7 300円
    1−7 300円
    7−14 300円

   (合計) 7,200円

(レース結果)

   天候:曇 馬場状態:良 

順位 枠番 馬番 馬名 性別・
年齢
重量 騎手 人気 タイム・
着差
ヤマカツスズラン 牝3 53 M.キネーン 1.35.6
14 ゲイリーファンキー 牝3 53 蛯名正義
マヤノメイビー 牝3 53 幸英明 ハナ
12 チアズグレイス 牝3 53 松永幹夫 1 1/4
13 テネシーガール 牝3 53 山田和広 ハナ
15 マターラミツル 牝3 53 飯田祐史 11 1 1/4
ベルグチケット 牝3 53 柴田善臣 ハナ
アルーリングアクト 牝3 53 秋山真一郎
エンゼルカロ 牝3 53 田中勝春 アタマ
10 アカズキンチャン 牝3 53 熊沢重文 10 1 1/4
11 11 マイネアプリコット 牝3 53 四位洋文 14 クビ
12 マイネアメジスト 牝3 53 藤田伸二 13 クビ
13 グロウリボン 牝3 53 松田大作 12
14 ウォーターポラリス 牝3 53 武豊
10 テイエムダイカグラ 牝3 53 渡辺薫彦 (取消)

  ★10.テイエムダイカグラは左前球節炎のため出走取消。

   (単勝)1.420円
   (複勝)1.170円 14.170円 4.150円
   (枠連)1−8 1,100円
   (馬連)1−14 1,330円
   (ワイド)1−14 590円 1−4 580円 4−14 540円

 いやいや、予想通り展開が向きましたね、ヤマカツスズラン。スタートもよかったし、内、内の経済コースを取ることもできたし、マイペースでの逃げ切り劇とあいなりました。せりかけてくると見られたテネシーガールが控えてくれたのも大きかったようです。確かにいいスピードは持っているようですね、このウマ。ただ、大川慶次郎さんが言うように「このレースに勝ったからといって、即桜花賞、というわけにはいかないでしょう。同型の逃げ切り馬にせりかけられたり、速いペースになったりすると、案外モロいかもしれません」という面も否定できません。ハマれば強いのかもしれないけど、いつもハマるとは限らない。逃げ馬の宿命でしょうか。まあ、来年の桜花賞まで注目して見守っていきたいと思います。
 2着のゲイリーファンキーは、道中折り合いを欠く場面もあったみたいですが、かろうじて2着をキープしました。やはり地力はあるのでしょう。
 3着のマヤノメイビー、1番強い競馬をしたのはこのウマだったのではないでしょうか。最後の上がりの脚は相当のものでした。むしろ、クラシックではこのウマの方がいいのかもしれません。
 エンゼルカロは、やはり現行制度の犠牲になったような感があります。カク地の馬に対して不利な今の制度は改善されるべきでしょう。気の毒でしたが、中央転厩してまで臨む来春のクラシックでその悔しさを晴らしてもらいたいと思います。
 終わってみれば、順当決着。そして、わしの馬券勝負も、久方ぶりの白星。やっぱ、カタく収まると強いな、わし。ていうか、カタく収まらないと取れんのかね。よく見てみりゃ、ボックスで買った4頭のウマ、1番人気から4番人気だもんね。もう少し冒険してみることも大切なのかなあ。

(最終収支決算)

   (支出)−7,200円 + (収入)+13,300円 = (合計)+6,100円

   <今秋の合計> −20,950円(2勝5敗)

 

  

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