朝日杯3歳ステークス

(1999年12月12日 中山競馬場 芝1,600m)

 

(ごくごくかんたんなレースの説明)

 日本で3歳馬のレースが行われるようになったのは、戦後に入ってから、1946年秋の東京競馬が最初だった。これ以降、各競馬場でも3歳戦が番組のなかに組まれるようになり、49年には3歳シーズンの最終戦として東西で新たに2つのレースが創設された。関西の「阪神3歳ステークス」と、関東の「朝日杯3歳ステークス」がそれである。
 朝日杯は、関東馬の3歳チャンピオン決定戦として、1949年12月3日に中山競馬場で第1回が行われた。初代王者に輝いたのはアヅマホマレ(騎手:八木沢勝美)。翌年の第2回の優勝馬は、後に無敗で皐月賞、日本ダービーを制したものの破傷風のために世を去ったトキノミノル(騎手:岩下密政)。これ以降も、優勝馬のなかからクラシック戦線で活躍する馬を多数輩出している。1962年以来、距離は1,600mで不変。負担重量も71年から変わっていない。
 1984年のグレード制導入時にGTに格付けされ、その後、91年に阪神3歳ステークスが1週前にずらされて牝馬限定戦に変更されたのに伴い、朝日杯は牡馬・セン馬限定戦へと変更され(GT20戦のなかで牝馬が出走できないレースは朝日杯のみ)、東西の牡馬・セン馬が一堂に会する実力ナンバー1決定戦となった。牡馬・セン馬限定戦となって最初の勝ち馬は、後に皐月賞、日本ダービーの2冠に輝いたミホノブルボン(騎手:小島貞博)。
 91年以降、1番人気馬が連をはずしたのはわずかに1回、96年のみ(クリスザブレイヴ、15着)で、1着6回、2着1回と堅実な結果を残している。また、3番人気以下の馬が優勝したのもわずかに1回、92年のエルウェーウィンのみで、そのエルウェーウィンも3番人気であった。以上のことから、荒れやすい阪神3歳牝馬ステークスとは対照的に、非常にカタく収まるレースということができる。
 連対馬の名前を挙げるだけで、ミホノブルボン、ビワハヤヒデ(93年2着)、ナリタブライアン(93年1着)、フジキセキ(94年1着)、バブルガムフェロー(95年1着)、グラスワンダー(97年1着)…とそうそうたるメンバーが名前を連ねている。特に、97年のグラスワンダーは、3歳馬としては驚異的な1分33秒台のレコード勝ちを果たし、翌春の活躍が期待されたが、骨折で春シーズンを棒に振った。そして、昨年の勝ち馬はアドマイヤコジーン(騎手:M.ロバーツ)。ジャパンカップを除くと、外国人騎手が日本のGTレースで優勝するのは初めてのことであった。しかし、アドマイヤコジーンもまた、クラシックを期待されながら骨折によりリタイア。朝日杯1着以降1度もレースに出走していない。僚馬のアドマイヤベガが翌年のダービー馬となったが、同厩舎、同馬主であるこの2頭の対決を見てみたかったという声もいまだに強い。
 クラシック出走資格のない外国産馬を除けば、このレースの勝ち馬は、そのまま4歳の3冠レースでも活躍を見せる傾向が強いようである。

(過去10年間の勝ち馬)

年度 優 勝 馬 性別・
年齢
重量 騎 手 人気 タイム 馬場
状態
1989 アイネスフウジン 牡3 54 中野栄治 1.34.5
1990 リンドシェーバー 牡3 54 的場均 R1.34.0
1991 ミホノブルボン 牡3 54 小島貞博 1.34.5
1992 エルウェーウィン 牡3 54 南井克巳 1.35.5
1993 ナリタブライアン 牡3 54 南井克巳 1.34.4
1994 フジキセキ 牡3 54 角田晃一 1.34.7
1995 バブルガムフェロー 牡3 54 岡部幸雄 1.34.2
1996 マイネルマックス 牡3 54 佐藤哲三 1.36.3
1997 グラスワンダー 牡3 54 的場均 R1.33.6
1998 アドマイヤコジーン 牡3 54 M.ロバーツ 1.35.3

   ★1990年までは牝馬の出走可。
   ★タイムの「R」はレコード。

    

(Ryuの予想)

   ◎ 9.レジェンドハンター
   ○ 14.ラガーレグルス
   ▲ 16.ノボジャック
   △ 3.マチカネホクシン
   △ 4.マイネルコンドル

 いいウマが2頭ばかし直前リタイアしてしまいましたね。ダイワカーソン、カーネギーダイアン。ダイワカーソンは骨折とあっては来春が心配ですが、一方のカーネギーダイアンは外傷とのことなので、ムリせずまた来春のクラシックで頑張ってほしいものです(マル外だったらごめんして)。
 さて、朝日杯です。上位2頭、どっちを◎にしようか迷ったんですよ。ハイペース、指し馬有利が囁かれるこのレース、最後までラガーレグルスの方を本命にしようかとも思ったんですけど…。結局レジェンドハンターにしました。「前走はハマっただけ」「マークキツくなるし」「今度は楽には逃げさせてもらえないだろ」「カク地はどうかねえ」、いろいろと不安材料もテンコ盛りではあるのですが、ここは安藤勝己に賭けてみたいと思います。オグリキャップと参戦することがかなわなかったり、ライデンリーダーで苦杯をなめたりと中央GTではもう1つの彼ですが、実は、今、関西リーディング7位なんですよ。JRA所属騎手でもないのに。腕もさることながら、いかに厩舎サイドに信頼されているかという証でしょう。そのアンカツの中山初参戦。フェブラリーステークスの菅原勲同様、何かやってくれそうです。乗っかっても損はないでしょう。堂々の1番人気に応えてください。
 ラガーレグルスは○。いや、こちらも強いと思いますよ。鋭い末脚は父サクラチトセオー譲りで、なんとなく嬉しいですね(ようやく私も現役時代を知っているウマの子供が走るようになってきた、ってことですね)。
 ▲はノボジャック。乗り替わりを買って。3歳戦の岡部さんは頼もしいと思います。大外枠は気になるけど…そこはヴェテランがうまく乗ってくれるでしょう。またあのそっけない勝利ジョッキーインタビューを聞いてみたいもんです。
 マチカネホクシンは、鞍上武豊で人気になってるような印象だけど、僕は前々走のいちょうステークスの上がり3ハロン34.4秒を評価したいと思います。今回は、レジェンドハンター以外は、全てこのテのタイプのウマを抜擢しましょう。ま、ジンクス的には「前走で連をはずしているウマは来ない」なんてイヤなものもあるにはあるんですけど…。
 もう1頭。人気薄になっている札幌3歳チャンピオン。前々走函館3歳ステークス13着は「なんじゃそりゃ」って感じだけど、1,800mの重賞勝ちってのを評価して。ま、人気薄だからヒモとして押さえといたんですけどね。

(Ryuの買い目)

   (馬連)
    9−14 1,600円
    9−16 600円
    14−16 600円
    3−9 600円
    3−14 600円
    3−16 600円
    4−9 600円
    4−14 600円
    4−16 600円
    3−4 600円

   (合計) 7,000円

(レース結果)

   天候:曇 馬場状態:良 

順位 枠番 馬番 馬名 性別・
年齢
重量 騎手 人気 タイム・
着差
10 エイシンプレストン 牡3 54 福永祐一 1.34.7
レジェンドハンター 牡3 54 安藤勝己 1/2
マチカネホクシン 牡3 54 武豊 1 1/4
エンドアピール 牡3 54 的場均
トップコマンダー 牡3 54 松永幹夫 2 1/2
15 ファイターナカヤマ 牡3 54 横山典弘 11 アタマ
14 ラガーレグルス 牡3 54 佐藤哲三 ハナ
16 ノボジャック 牡3 54 岡部幸雄 3/4
ファミリータイズ 牡3 54 M.ロバーツ 14 ハナ
10 13 ショウナンラルク 牡3 54 吉田豊 12 クビ
11 サクラデインヒル 牡3 54 田中勝春 10 1 1/4
12 12 ダンツキャスト 牡3 54 幸英明 アタマ
13 マイネルコンドル 牡3 54 伊藤直人 アタマ
14 グラスベンチャー 牡3 54 村田一誠 15 1/2
15 11 エイシンコジーン 牡3 54 藤田伸二 13 クビ
16 シアトルフレーム 牡3 54 柴田善臣 16 大差

  

   (単勝)10.850円
   (複勝)10.270円 9.140円 3.160円
   (枠連)5−5 1,630円
   (馬連)9−10 1,620円
   (ワイド)9−10 690円 3−10 900円 3−9 440円

 ちょうどこのレースが行われてる頃には「iQバトル」の収録に出かけていたので、簡潔に…って、去年からこんなんばっかや。いや、去年と違って今年は全レースビデオでチェックしてるから、それなりの分量書きます。
 混戦朝日杯、やっぱり例年と違って1番人気は来ませんでした。まあ、連を確保してくれただけでもナンボかマシだけど。でも、エイシンプレストン? 前走は新馬勝ちだろ? そいつは読めませんて。いやいや、「なんでこんなのが人気になってんの? どうせよくあるパターンで、終わってみれば『パッと人気になってパッと消えてました』ってヤツだろ。消しだ消し」と思ってたんですよ。まだまだ甘いぞRyu。まあ、じっくり溜めて直線一気に賭けた作戦がうまくハマったってことでしょう。自厩舎で初のGT勝ちを果たした福永騎手は素直に祝福したいけど、このウマ…来春はどうなんだろね。まあ、今年の3歳外国産馬にはずば抜けた有力馬もいないのも事実だけど、だからと言って、今回の勝ちで即、このウマが「NHKマイルカップ候補!」とはならんでしょう。見守っていきましょう。
 レジェンドハンターはよく頑張ったと思います。若干仕掛けが早かったかもしれませんが、安藤勝己騎手もあの局面では動かざるをえなかったのでしょう。ダントツの1番人気が脚を余して負けるわけにもいかなかっただろうし。実力の片鱗は見せつけてくれたと言っていいでしょう。来春のクラシックでもぜひ姿を見たいものです。それにしても、先週のエンゼルカロもそうだけど、カク地のウマに対して不利な現行システム、もう少し何とかならんのでしょうか? GT2着、GU1着のウマが、カク地だからという理由だけで皐月賞に出るのにトライアル出走を義務づけられるのは、どう考えても不公平です。大川慶次郎さんも同じことを言ってましたが。
 3着のマチカネホクシン、メンバー中最速の上がり3ハロン35.3秒の末脚は素晴らしいものでしたが、もう1歩でした。このウマも外国産馬だけに、来春はNHKマイルカップが最大目標になるのでしょうか。ラガーレグルスはスタート直後の落鉄が最後まで響いたとのこと。しかし、潜在能力は勝ち馬にもひけは取らないと思います。ぜひ無事に皐月賞まで進んでいってほしいものです。
 馬券勝負ですが…もういいや、今年は。あと2戦、勝敗度外視で楽しくいきたいと思います。はあ…。

(最終収支決算)

   (支出)−7,000円 + (収入)0円 = (合計)−7,000円

   <今秋の合計> −27,950円(2勝6敗)

 

  

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