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                       ■本日の密室系の評価は☆☆☆満点


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パラサイト・関の翻訳ミステリアワー

98.12.29(火)
・パラサイト・関に、今年最後のアップ。

98,12.28(月)
・今年、最後の忘年会。
・昨日のパラサイト・関、新着アップ忘れ。今日、アップしときます。しつれ。(決して、HMMの発売日が3日遅いことを妬んだわけではない。)その関からのお叱りメールの冒頭が「草壁竜次さま」。昨日、岩井大兄からもらったメールのタイトルが「拝啓草壁竜次様」。いくら俺が札幌市北区在住の怪しいインターネッターだからといって、君たち、発想が類型的なんだよ。
・この話をサイ君にしたら、「自殺したのはダミーだったのか」って。おいおいおい。


98.12.27(日)
・パラサイト・関に新着。(HMM2月号購入)
・泣きながら賀状作成中。

98.12.24(木)
・聖夜。メリー・クリスマスです。
・パラサイト・関、帰国第1弾「渡米中の読書報告(1)」と「文春ベスト10」をアップ。

98.12.23(水・祝)
・休日出勤の途中、逃避モードで本屋。ダニング『封印された数字』、フェラーズ『自殺の殺人』などを買う。
・笠井潔『探偵小説論T 氾濫の形式』(東京創元社)読む。「不連続殺人事件」や二度目の作品論となる「虚無への供物」の分析は、やはりさすが。でも、やっぱり、大戦間探偵小説論がなあ。理論に殉じているというか。無視したり、揶揄したりせずに、しかるべき人かきちんと反論すべきじゃないかと思うのだが。(もう誰かしているのか?)大戦間探偵小説論に対する素朴な疑問は、またいずれ。唐突にネタバラシが出てくるので、論じられている作家の代表作は、読んでおくにこしたことはない。
・「野球殺人事件」って、密室物だったのか。
●リスト更新情報
田島茉莉子『野球殺人事件』を追加。


98.12.19(土)  −ブック・ラヴァーズ−
・仕事に行く途中、逃避モードで、途中下車して普段行かない「ブックス1/2」に寄ったら、牧野修『MOUSE』(早川JA文庫)見つける。やった、と思ったらわずか2年前の本。新刊で手に入ったのか?著者写真が篤実なサラリーマン風で、『屍の王』とのギャップが凄い。こっちから読もう。
・最近の男子の本買い
 笠井潔の評論 新刊2冊、『西村京太郎読本』、竹本健治『風刃迷宮』(どなたかと似てますね(笑)
 ベッドフォード『復讐×復習』(マルカム・ブラドベリ門下でイアン・バンクスやマキュアンと比較されているという期待の新人)、ヒョーツバーグ『ポーをめぐる殺人』(あの『堕ちる天使』の作家。ポーの謎にコナン・ドイルとフーディニが挑む、という。若島正は『堕ちる天使』より数段落ちる、と書いているが)以上2冊扶桑社ミステリー文庫)
・『西村京太郎読本』名探偵シリーズと左文字進シリーズを数冊読んでいるくらいなので迷ったが、資料本として購入。編集は、「あの」郷原宏。なんとも、お手軽な本づくりだ。「郷原宏が選ぶベスト50」というのが載っているが、文庫のカバーさえあれば書けるような紹介とコメント。おまけに、50冊目が1984年の作品。その後、14年間毎年10冊内外出しているのに、1冊もベスト50に入る作品がなかったということなのだろうか。エッセイも、文庫解説の再録が多いし、関口苑生の登板させるのも、はずしてるし。(「西村京太郎と冒険小説」というテーマの執筆依頼に困惑がありあり。)
・一番印象に残ったのは、西村京太郎のエッセイ。初期にあれだけ秀作、佳作といわれる作品を生み出しながら、「寝台特急殺人事件」で増刷がかかるまで、10年間(作品数は40冊近い)1度も増刷にならなかったというのだから。よくぞ生き残りけり。年収5億円を越えた今でも出版社と読者への義理で、十津川物をかかざる得ないという西村に渡世人(C 連城三紀彦)の面影を見た。
・薦められて「ディヴァイン・コメディ」というイギリスの一人ユニットのCDを聴いた(「プロムナード」)。ポップスや映画音楽、キャバレーミュージック等の要素が混濁した独自路線の音楽で、それはまあいいのだが、その中に「ザ・ブックラヴァーズ」という曲が入っていて、これが珍作。叙情的なバックミュージックに乗せて、80人は下らない小説家の物真似!をやるというコンセプト・ソング。しかも、その対象はセルバンテス(『ドンキ・ホーテ』)、デフォー(『ロビンソン・クルーソー』)からはじまって、バリバリの現代作家まで。セルバンテスと似ているのか、自分には判断できないが(誰にもできない)、これだけ並べられると壮観。プロンテ3姉妹の末娘アン・ブロンテの「ハロー」がなんとも、おかしかったり。ポオは叫び、カフカは「君は僕から一体何か欲しいんだ」と語り、ナボコフは「こんにちはお嬢ちゃん」、J・G・バラードは「羅針盤」とつぶやく。
 ラスト10人の物真似は次の顔ぶれ(括弧は代表作)。
 カズオ・イシグロ(「日の名残り」)、マルカム・ブラドベリ(「超哲学者マンソンジュ氏」)、イアン・バンクス(「蜂工場」)、A・S・バイアット(「抱擁」)、マーティン・エイミス(「時の矢」)、ブレット・イーストン・エリス(「アメリカン・サイコ」)、ウンベルト・エーコ(「薔薇の名前」)、ガルシア・マルケス(「百年の孤独」)、ロディー・ドイル(「おれ、ザ・コミットメンツ」)、サルマン・ラシュディ(「悪魔の詩」)
 下手の評論より、誰が現代の文豪か(=からかい甲斐があるか)、よくわかったりして。
●リスト更新情報
 西村京太郎『伊豆七島殺人事件』(『西村京太郎読本』より)
 光原百合「わが麗しの君よ・・」(創元推理17より)
 梶龍雄『幻の蝶殺人事件』
 高柳芳夫「ベルリンの女」を追加。
 石沢英太郎『空間心中』を短編に訂正


98.12.15(火)
・「パラサイト・関」にランズデール「ムーチョ・モージョ」評。
・飛鳥部勝則「殉教カテリナ車輪」半分くらい読む。冒頭にミステリ談義が出てくるのだが、なぜかジョン・ロード作品の終わり方がいいという話になって、
 「犯人は逮捕された。死刑になった。完」
というのが、引き合いに出される。簡略化されすぎているけど、「見えない凶器」が確かにこんな終わり方。読んだとき、なんと無骨な終わり方と思ったけど、いわれてみれば、そうかもしれない。


98.12.13(日)
・講談社文庫から山田風太郎忍法帖シリーズとして『甲賀忍法帖』、『忍法忠臣蔵』の2冊が出る。やっぱり買ってしまう。天野喜孝のカバーがグッド。新たなファンの獲得につながってほしい。
・今後、刊行予定をみると、必ずしも、講談社ノベルス版の文庫化というわけでもないようだ。どういう基準のセレクションなんだろう。予告されている短編集「かげろう忍法帖」、「野ざらし忍法帖」は、いずれも30年ぶりの刊行となるのだが、この間、角川文庫で再編集されているし、また、もとに戻すの?という感じ。短編集の方は、是非、定本化を図ってほしい。
・「甲賀」の解説は浅田次郎、「忠臣蔵」は馳星周。ノペルス版で、あれだけの顔ぶれを解説陣に並べたのに、また売れっ子を揃えられる。さすが、「作家の作家」だけのことはある。(no nameさんのHPでは、馳星周の解説が批判されている。なるほど。)
・講談社文庫「あなたが名探偵」は、現代推理小説大系(72〜80)の巻末犯人あての初単行本化。
なぜ、今文庫化されるのか謎だが、解答部分が袋とじになっているという楽しい仕掛本。単行本未収録短編多数。幾つかやってみたが、犯人を考えながら読む習慣を遥か昔に放棄してしまったので、疲れる。
・「ホーン・マン」(光文社文庫)買う。
・「ひとりで歩く女」読了。グッド。
●リスト更新情報
 山村正夫「密室の毒蛾」(「あなたが名探偵」より)


98.12.12(土)
・「パラサイト・関」に新着。「このミス99」に関して、結構長い雑談を2人でやってます。
・「このミス」が出たので、「錦通信」誌上 の大予想の結果もほぼ明らかになった。私は下から2位。とほほ。市川さん、長期にわたるフォローアップご苦労様でした。

98.12.9(水) 
・「パラサイト・関」に新着。雑談。
・ぶんか社新作書き下ろしホラー・シリーズの第5弾として牧野修の「屍(かばね)の王」という長編が出る(1800円:また綾辻行人の大絶賛つき)。ホラーは、あんまり読まないのだが、異形コレクション「悪魔の発明」で、抜群の異才を示していた人だけに、これは読まずばなるまい。著者写真もグッド。早川JA文庫で出ていた「MOUSE」も探しているのだが、なかなか見つからない。


98.12.7(月) −HP永代供養−
・「パラサイト・関」のファイルが一瞬、消失。いつぞやの悪夢が甦ったが、教訓を生かし冷静に対処した。危ない、危ない。月ごとに小分けして、インデックスをつけてみました。でも、こうしてHMM評、EQ評が溜まっていくと、一部好事家には、貴重な資料になるのでは。(一部好事家って、俺か)
・雑談。
  個人のHPがたくさんできてくると、中には、つくり手が死んでしまうこともあるわけで。その場合、家族はどうするか。中には、お父さんがつくってたものだから、このまま残しておきたい、っていう人も出てくるはずだ。家族は、月いくらかの場所代を払っていくかわりに、お父さんのHPをそのままにしておくわけ。
 そこで、商売っけのあるプロバイダーが永代供養つきHP契約という商品を開発する。HPの制作者にもし万一のことがあっても、家族の意志にかかわらず、あなたのHPを永代保存していきます、というわけだ。そのプロバイダーが倒産した場合も、心配はなし。半官半民の倒産プロバイダーHP引受け機構が半永久的に管理していく。当然のことながら、引き受け機構が管理するHPは、墓標の山のようなものなので、見に行く人はほとんどいないが、時には、何世紀も前の膨大なHPを調べる必要に迫られてくる人も出てくる。そこで活躍するのが、サルベージという職業で、依頼人の求めに応じ、古いHPから必要な情報を引き揚げてくる。あるとき、腕利きのサルベージが、とある20世紀のHPを引き揚げててきたら、そこには、21世紀の主立った事件がすべて予言されていた・・・。って、原理的には古本と変わらないか。
・永代供養HPもいろいろあって、松のランクになると凄い。例えば、個人で書いた恋愛小説をHPに載せているとしよう。あらかじめ、小説の要素を約1000項目に分解しておき、現在、もっとも流行しているアイテムをWEB上を自動巡回して拾ってきて、自動的に小説の文章を置き換えていくのが、松だ。ファッションなら、ヴォーグ誌や今年の流行を扱ったサイトを自動巡回してきて分析、ヒロインに似合う最新のモードを着せるのだ。これで、あなたの小説の主人公は、常に最新のファッションに身を包み、最新のスポットでデートをし、最新のテレビドラマについて会話する。あなたの小説は、永遠の生を生きていく。新本格が流行しているようだから、新本格にしましょ、って小説の性格まで変わってきたりして。
 初夢じみてきたが、ヒロインの着せ替えくらいは、既に技術的には可能なんだろうな。
・ところで、最近、更新が滞っているあのHP。もしかして・・。



98.12.6(日)
・『三人の名探偵のための事件』、『オクトパスキラー8号』読了。どちらもグッドなり。
・トマス・ピンチョン『ヴァインランド』(新潮社)、泡坂妻夫『鬼子母像』(祥伝社)、ビル・プロンジーニ
『よそ者たちの荒野』(ボケミス)など買う。米文学界の巨匠、ビンチョンの作品には「くの一」が登場するそうで、楽しみだが、600頁の大長編。また、正月本が増えた感じ。
・関川夏夫『戦中派天才老人・山田風太郎』筑摩で文庫化。加藤典洋のどうでもいい解説つき。
・「これから出る本」によれば、今月、講談社文庫で風太郎『甲賀忍法帖』と『忍法忠臣蔵』が出るらしい。いつぞやの全集とは、このことなのか、わからない。このシリーズも買ってしまうのかな。未刊行の長編『忍法創世記』が入るくらいのボーナスがあってもいいのに。
●リスト更新情報
 貫井徳郎『鬼流殺生祭』、柄刀一「密室と言語のコンポジッション」

98.12.5(土)
・「パラサイト・関」新着。HMM1月号評。
・やっと、出た。レオ・ブルース『三人の名探偵のための事件』(新樹社)。ピーター・ウィムジー卿、ポアロ、ブラウン神父をモデルにした名探偵が密室殺人をめぐって謎解き合戦を繰り広げる。期待大!
・『ミステリ作家90人のマイ・ベストミステリー映画』(小学館文庫)。大物作家も結構入っていて各人のセレクションがなかなか面白い。山田風太郎の結構ページを割いたインタヴューあり。インタヴュアーのリサーチが行き届いて好感がもてる。「魔界転生」の映画試写会のときに、試写が終わったら、監督の深作欣二と握手しよう思っていたが、どうしても手が出なかった(笑)という話も出てきます。
・和久峻三が「幻の女」を挙げているが、作品解説に出てくるのが、アラン・タネール監督の「幻の女」
断言できないけど、これ全然違う作品じゃないのかな。
●リスト更新情報
 霞流一『オクトパスキラー8号』、日下圭介『血の色の花々の伝説』


98.12.1(火)
・「パラサイト・関」新着。霞流一『オクトパスキラー8号』を、ありゃありゃの大絶賛。
・ネットを徘徊してたら、福井健太氏のHPでメフィスト千街原稿に対する反論、我孫子氏のHPで匿名座談会批判及びHMMの笠井原稿に反論した方々の批判(ついでに読者の投書まで批判)。いろいろ混線しながら、まだまだ続きそうである。

98.11.29(日)
・「パラサイト・関」に新着2件。ランキン「黒と青」評ほか。多少アップが遅れて、すまぬ。
・「活字秘宝 平成の名探偵50人」(洋泉社)読む。ミステリ関係のサブ・リーダーとしては、相当、下の出来なのでは。中高生向きとしても、方向性とっちらかってるし、首をかしげる記述も、誤植も多い。編集人の松田某もいろんなところで、しゃしゃりでてきてうるさいし。だいたい「世界の名探偵50人」を絶好のガイド本だったなんて・・・。あの、究極のネタ晴らし本、絶対、「罪」の部分の方が多いと思うのだが。
●リスト更新情報
 森村誠一『腐食の構造』


98.11.26(木)
・北村薫「謎のギャラリー」アンソロジーが好評だったらしく、続編が出ていた。いい本が売れることは正しいことである、と。
・山村正夫の作家生活50周年を記念した「わが懐旧のイタ・セクスアリス」(KSS出版)出る。性的自伝である表題作が入っているのがなんとも異色。その他、小説作法、特別座談会、山村小説学校の門下生(宮部みゆき、篠田節子、鈴木輝一郎、矢口敦子等錚々たるメンバー)のエッセイなど。冒頭作ゆえに一種の珍本といえるのではないか。ここで、書かれている告白がそんなに凄いかというと、どうなんでしょう。「わが〜」は、戦後推理文壇裏面史にもなっており、山田風太郎が格好いい一言を吐くシーンもあり。
 でも、門下生が先生の作品にほとんど触れていないのはなあ。
・ブックレヴューにバラード「殺す」
●リスト更新情報
 東野圭吾「密室宣言」「トリックの正体」「禁句」(「名探偵の掟」より)、村瀬継弥『藤田先生のミステリアスな一年』

98.11.18(水)
・パラサイト・関に新着2件です。ページ制作者に酒が入ってるため、コメントなしですが、フェラーズ「猿来たりなば」は、ほんと良かったねー。
・私信ですが、kashiba様の蔵書、1万1000冊というのは、凄い。



98.11.16(月)   −「達磨峠の殺人」?−
・『本格推理13』にボーナストラックとして鮎川哲也の単行本未収録のショート・ショートが5編。冒頭の「海彦山彦の初出」が内外タイムス1957年8/1付けと8/15日付けになっている。今年出た「鮎川哲也読本」では、7/31と8/7付け。どっちが正解?こんなことが気になるようでは、病膏肓だが。
・古い時代の短編の初出を探り出すのは、難しい。文庫本など再刊本には、雑誌の初出が載っていないし、たとえ、原本を探し出したとしても、昔の本には、初出が載っていないことも多い。
・最近出たと思われる「作家のインデックス」という作家の書斎の写真集に、山田風太郎の書斎も載っているのだが、著者紹介には「達磨峠の殺人」でデビューとある。「達磨峠の事件」だっちゅうの。作品名を間違えるのは論外だが、no nameさんのHPによれば、この風太郎のデビュー作については、廣済堂文庫や新潮文庫の著者紹介で間違いをやらかしている。
・評論家も例外ではなくて、風太郎を最愛の作家であるという、中島河太郎でさえ、1970年刊の立風書房の「現代の推理小説 本格派の系譜」の解説で同じ間違いをしている。あの大乱歩でさえ、「探偵小説40年」の中で「達磨峠の殺人」と書いてしまっているのだ。どうも、乱歩のこの間違いが淵源になっているのではないかとも思うのだが。
・かくいう私とて例外でなく、ごく初期の頃の山風リストは「達磨峠の殺人」になっていた。この作品自体は、自殺か殺人か不明というところがミソになっているため、「事件」でなくては困るのだ。しかし、これほどまでに間違いが継続していくのをみると、「事件」を「殺人」といつのまにか読み替えてしまうところにステリの深い秘密が隠されているような気がしないでもない。

・と、のんきなことを書きつつ、no nameさんのページを観にいくと、山田風太郎全集が出るらしいという情報が!ぎゃっ。


98.11.15(日)
・うーむ。本日も、深夜になってしまった。なかなか、ここ以外が書けない。本日も、つぶやきのみ。
・金、土と網走出張。散財して、毛がに、タラバ、ズワイ、花咲と食う。タラバの足を残したのは、もったいなかった。
・一昨日、拓銀最後の日。出張時も含め、NHK特集3夜観る。ヘッジファンド、プラザ合意、貸渋り、公的資金投入なんでも聴いてくれ。結論としては、日本の消費が拡大しないと、世界恐慌の道も、という恐ろしげなもの。まさに、走り続けなきゃ倒れる自転車操業が資本主義の本質か。蟹喰ってきたのも正解だったか。
・中央公論の文庫本解説で自主規制。讀賣が資金援助するときから、やな気がしていたけど、こんなに早く影響が出るとは。中央公論社側の言い分は、官僚と同じ。所詮、世間は同じ穴のムジナ。
・創元推理18をパラパラと読む。巽昌章の評論は、いつも、ミステリ内部に胚胎した知性を感じさせる。ナルスジャック追悼文なのだが、「読ませる機械」を独自の観点から評価して、面白い。この本の「十日間の不思議」論は、最高と思うのだが。
・「殺す」「謎解きが終わったら」「A先生の名推理」読む。
●リスト更新情報
円谷夏樹「丑三つ時から夜明けまで」、霞流一「豚に心中」、城平京「夕べにはパズルめいて」追加。(以上「創元推理18」から
津島誠司『A先生の名推理』から5編。

98.11.9(月)
・パラサイト・関更新。ここんところ、関頼り。
・パラサイトっていうまでもなく、寄生体のことだけど、いそうろうとか、(古代ギリシャの)太鼓もちって意味もあるし、para(近所、両側、以上、以外、不正)-siteにも通じて、結構気に入ってるんだけど、どうでしょう。


98.11.8(日)
・パラサイト関氏のHMM11月号評、10月に読んだ本アップ。
・昨夜、来札した学生時代の友人を囲んで飲む。10歳年下と再婚するとかで、一同の嫉妬と羨望を買っていた。
・本日は二日酔いで立ち上がれず、小説も読めず。大内延介「将棋の来た道」、海野弘「モダン都市東京」などを読む。前者は、現役棋士による結構出色の将棋をめぐるアジア紀行。後者は日本の1920年代文学論だが、都市小説としての「D坂」論を含む。

98.11.7(土)
・パラサイト・関氏より1月ぶりのEQ評をアップ。アメリカ出張ネタも書いてほしい。
●リスト更新情報
 蘇部健一「消えた黒いドレスの女」「「ジョン・ディクスン・カーを読んだ男」を追加(以上『六枚のとんかつ』より)
 いまさらながら、「六とん」を読んで不覚にも何カ所かで声を出して笑ってしまった。結構面白いではないか、これ。駄目?
 
98.11.4(水)
・昨日は、文化の日。ポケミス復刊「プレード街の殺人」、積読だった「見えない凶器」(国書刊行会)とジョン・ロードを2冊読む。前者の森下雨村訳に出てくる手紙は、なんと候文。まあ、文化的なことではあった。「プレード街」は後半なんとも腰砕けだったが、「見えない凶器」の方は支持します。積読の「電話の声」も読んで、ジョン・ロードファンを名乗るか。
・法月綸太郎が「98本格ミステリベスト10」で、「デビュー以来、往年のジョン・ロードのような作風と刊行ペースで、トリッキーな秀作を連打している森博嗣」と書いてるけど、刊行ベースはともかく、ジョン・ロードは「退屈一派」と評されたくらいで、作風は相当違う。1割くらい悪意が入っている表現のような気もする。
●リスト更新情報
 倉知淳「空中散歩者の最期」「寄生虫館の殺人」「生首幽霊」(以上『日曜の夜は出たくない』より)