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《2月1日(月)》

 2月だよーん。もう今年も8%終わっちゃったね。

 ジャイアント馬場さんがなくなられたそうで。驚いたね。いや、入院してたことは知ってたんだけど、なんつうか、いずれは復帰するんだろうなぁ、なんて漠然と思ってたもんで。
 とうとう「昭和」が終わったなぁ、とぼんやり思う私でした。

 しかし、これで全日はどうなるんだろう?

 今日は何かと忙しく、朝からうろうろと。そういや、先日いってた携帯電話もようやく手に入ったところで。
 でも、なんかemail受信が調子悪いんだな。なんでだ。

 映画でも見に行くかと思ってたけど、やめ。明日にするべ。

 またもや先日いってた「恋はあせらず」を見つけたんで購入。いや、やっぱいいよね。かなり。
 ベスト盤だったんだけど、この曲がひとつ頭抜けてるもんなぁ。とはいえ他の曲もぐーだね、ぐー。なんか最近曲の嗜好が変わってきたのかしらむ。軟弱だよなぁ(笑。

 とゆーことで、今日読んだ本の感想。

エリザベス・フェラーズ『猿来たりなば』(創元推理文庫)

◇あらすじ◇
 ゆるやかな丘の広がるダウンズ地方の片田舎、イースト・リート。異邦人からの助けを求める手紙に応え、連続誘拐未遂事件を解決するため、トビーとジョージはロンドンから遠く離れたこの地まで遠路はるばるやってきたのだ。だが、想像以上の寒村で彼らが出くわしたのは、前代未聞の誘拐殺害事件であった。
 たしかに、嫉妬に遺産に保険金と、動機にも容疑者にも困らない状況なのだが、誘拐されて死体となって見つかったのは、なんと、チンパンジーだったのだ!

 英国ミステリを代表する作家の一人、エリザベス・フェラーズ初期の秀作、本邦初紹介。

(文庫扉より)

原題:DON'T MONKEY WITH MURDER


 やー、なつかしいって感じでしょうか。古き良き黄金時代って雰囲気でお話は進みます。ただ、微妙にひねってあるところが古くささを感じないわけなんかねぇ。

 それは例えば探偵役とワトソン役の関係であったり、被害者がチンパンジーであったり(モルグ街のパロディ?)するところなのかな。

 それだけでなく、村の雰囲気も微妙に違うんだよね、クリスティと。特に中盤以降は。狂気の片鱗がかいま見えるというか。ま、それもわずかなもんなんだけど。
 ちなみに私はもっと怖い結末を想像してしまっていました。でも、それじゃホラーなんだな(笑。

 まぁ、最後のオチはわかってたんであれですけど、こういう「くすぐり」もなかなか効いてていいですね。それになんといっても「薄い」ところがいい(^^;。昨今の重厚長大なミステリにつかれた読者には一服の清涼剤となりますな。

 ひさしぶりにクリスティを読みたくなったり。

《2月2日(火)》

 切符はやすし〜、国鉄へきよし〜。という懐かCMからはじめてみました。まったく、何故なんだTV探偵団っ!

 とゆーことで、昨日の日記にも書いたとおり映画を見に行ったぞ。今日は映画の日何だかなんだかよく知らないけど、1000円で見れるのだ。こりゃ、行くっきゃないっしょー。あーこりゃこりゃ。

 『ラッシュアワー』。ジャッキー様の新作だい。アメリカでもヒットしたとかで、これで晴れて成龍先生もハリウッドスターだね☆ ちょっちさみしいけど。
 しかし、やっぱ混んでるね。1000円だもんなぁ。「字幕監修:ナインティナイン」ってのが引っかかるなぁ(笑。

 内容的にはなんというかジャッキー映画として見ればそつなくまとめてるなぁ、といった感じかな。めちゃめちゃ凄いアクションシーンがあるわけで無し。まぁ、ジャッキーはもうそんな歳でもないか。
 ラストのアクションももっと派手なのを期待したけど、ここ数作のジャッキー映画の中ではもっともよくまとまってるとも言えるかな。「とりあえず、ぶっ壊せ」だったもんね、最近は(^^;。

 相棒役のクリスカッターはいや、まぁよくしゃべりますねぇ。おかげでジャッキーが目立たない目立たない(^^;。そんなわけでジャッキーのキャラクターはいまいち立ってないかなって気になったなぁ。もう少し過去を描いて欲しかったよね。仕事への情熱の理由とかさぁ。
 仮に映画中で描いてるのが全てなんだったら、監督もしくは脚本に少々アジア人の理解が足りないんでは?とか思ったり。

 とはいえ、ツボは外してない映画なんで、これは見るのが吉。ファミリーで行けるね。

 で、うーむ、満足となったところで「もう1本!」。今度は絶対にファミリーで行けない『メリーに首ったけ』だぁ。はしごだぁ。

 で、これが超おもしれぇ。それより何より………。

キャメロン・ディアスがいい!!
キャメロン・ディアスがいい!!
キャメロン・ディアスがいいんだ!!
キャメロン・ディアスがいいんだよぉ!!
キャメロン・ディアスがいいんだってばぁ!!
キャメロン・ディアスが………しつこい
そうそう、犬もいいぞぉ!!!!!(笑

 いや、いいっすよ、キャメロン・ディアス。人としてよくできてるよね。

 で、映画の内容はといえば、想像以上におバカ&お下品。くだらなすぎ。下ネタ&動物虐待ネタのオンパレード。登場人物も一癖ふた癖を通り越して、いかれた奴ばっかだし。ぜったい初デートで女の子を誘ってはいけない映画だぜ。行くなら倦怠期の方どうぞ。
 とりあえず、疲れてる人は見に行くべし。

 ギャグもお約束なんだけど、異様なテンションで持ってかれちゃうんだよなぁ。あと、微妙にひねってるメインストーリーも味わい深く………はないか(^^;。
 とにかく序盤の高校時代のパートだけでも見るべし。このパートは映画史に残るぜ(嘘。でも、これってTVで放送できるのかなぁ? 出来ないかもしれないので、やっぱ劇場で見るべし。あ、パンフはぜったい先に見ないように。これは注意しませふ。

 CMだとかポスターとかでのキャメロン・ディアスのぴんとたった前髪の秘密は見ればわかります。映画を見てからあの髪型を見るとニヤニヤと笑えます。

ニヤニヤ

《2月3日(水)》

 なんと、明日から旅行なのだ。

 そんなわけで、車を取りに実家まで戻ったんだけど………。皆さんご承知のように雪雪雪。チェーンの用意とかもしてたんだけど、さすがに降り過ぎって事で、電車で行くことに。高速も通行止めだしねぇ。
 つまり、無駄足って奴?

 無駄無駄無駄無駄無駄ぁぁぁぁあっぁぁぁぁぁ

 ………はぁ。

 はははっ。

 しかし、まぁ凄い雪ですなぁ。って、実家のへんでは全然降ってないんだけどぉ。
 いやはや、明日の旅行が心配でごわす。

 あまりに心配なんでさっさと寝るべ。そうするべ

《2月4日(木)》

 さ、旅行に出発なのである。そうそう、行き先は天橋立ね。

 家の辺りは全然雪など無く、めちゃいい天気だったんだけどぉ、集合場所の京都に近づくにつれ雪景色。電車のダイヤも狂いまくってたしねぇ。

 とはいえ、無事に合流。ここで重大な事実が発覚。私の手袋の指先が破れてしまったのだ。こりゃ不吉だよ。テリーマンだよ。

 ちなみに我々が乗る特急は「タンゴエクスプローラー」だぁ!!! 何かすげー名前だな。
 少し遅れてホームに入ってきたその車両はなんつうか「昔の特撮ロボット」てな風情でした(謎。で、乗り込んだのはいいものの、なんと網棚がないんだ。でかい鞄を持ったまま窮屈に座っていました。
 この車両にはなぜか前方にモニターが付いていて、なにを写すのかと思えば、先頭車両からの映像だったのです。気分は電車でGOですな。
 最近の電車にはこんなんついてるんだねぇ。鉄ちゃんにはたまらないのではないでせふか? 私的にはふつー。

 しかし、相変わらず雪景色なのであります。こんな時にはやっぱりアレだねといって、CDウォークマンでビーチボーイズを聴いてみたり

 20分ほど遅れで天橋立駅に到着。一面の銀世界。いや、マジで。でもここも京都府なんだよねぇ。
 雪に足を取られたり、踏みしめ踏みしめ近くの民宿まで移動。とりあえずほっこり。

 で、ビューランドとかいうところに行く。まぁ山なんだけど、上までリフトで行くわけね。なんだかスキー場に来た気分。雪だらけ。30センチほどかな積雪は。全然客いねー。あ、いや、なぜかドイツ人らしきファミリーが来ていたけど。こんな時期に来るなんてね。でもドイツにくらべればまだ暖かいのか?!
 上からの眺めはやはりいいもんでした。不思議だね>天橋立。あんなのが出来るなんて。当然股覗きもやるっちゅうねん。
 しかし、股覗きてのは単に写真を反対にして見れば同じぢゃんと思ってたけど、さにあらず。頭を下に向けることによって血がのぼり、ぼーっとしてきた時に初めて幻想的な風景を感じることが出来るらしい。
 ホントに、そう書いてあったんだもん。

 その後昼飯を食ってから、まずは智恩寺へ。相変わらず雪しか印象が(^^;。

 そしてとうとう天橋立へいざゆかん。海岸沿いなんか雪原なんだ。道も雪道なんだ。寒いんだ。

 妙に出てくるのが岩見重太郎とかいう剣豪。ここらへんで仇討ちしたそうな。そばには試し切りをしたといわれる岩があったり。他にふらふらと名所を見て歩いた後、引き返す。
 まだ明日もあるしね。

 宿で夕飯。入浴。飲酒。就寝。

《2月5日(金)》

 さて、朝です。グッモーニン、エブリワン。昨晩は雪が降ったって感じじゃなかったけど、霜はおりまくり。
 朝食後、早速出発。荷物は宿に置かせておいてもらふ。

 昨日の雪が少し解けてそれが冷えて凍ったりしてるため、やたら歩きにくいんだな、これが。すべりまくり。ツルツル。

 再び智恩寺。「マリア灯籠」とかいうのがあるらしいんだけど、発見できず。昨日は見忘れてた「知恵の輪」をみる。おのぼりさんの常として当然頭をくぐらす。キホンだよキホン。

 で、とりあえず、橋立の反対側まで行こうって事で、さくさく歩き出す。昨日あらかた名所ってやつは見たんでさくさく〜。

しかしここで私に衝撃が走ることになる。

 手袋を片一方だけ落として失くしてしまったのだ。昨日の不吉な予兆ってのはこの事だったのか?

 ま、さておき1時間ほどで向こう岸までたどり着く。案外、早く着いたわね。やっぱ他の観光客はほとんど見かけなかったな。

 マラソン発祥(何?。

 元伊勢この神社へ(字が出ねー。ここは狛犬が有名だそうで。なんでも作者が余りにも魂込めて作ったんで実際に魂が入っちゃって、人々に悪さをしていたところ、近所に来ていた岩見重太郎(!)が退治したんだそうな。
 で、実際に右足の部分には斬られたような跡があるんだな。しかし、重太郎せんせーもいろんなことやってますなぁ。

 そのあとはぶらぶらと土産物屋のぞいたり。そうそうかの小林秀雄が「世界で最高のオイルサーディンかもしれない」とかのたまったという金太郎いわしのオイルサーディンを買ってみた。
 が、別のおみやげ屋に行くともっと安く売ってたんだ。キー、むかつくぅ。一生悔やまれるな。死亡

 ふらふらと付近散策。小学校らしき建物があるが授業のやってる様子なし。雪で休校?

 めちゃぐるぐる雪道を歩き回っていい加減疲れた頃、観覧船乗り場に到着。帰りはこれ乗って帰ります。なにやら女の子が一人で乗ってたんだけど、こんな時に一人旅か? 怪しいオーラが………。

 エサをまくと船の後をぐわーっとカモメが追いかけて追いかけて。鳥も必死だね。

 到着。昼飯を食う。で有名な「知恵の餅」を食いに行く。いくつかメニューがあったんだけど、オレは当然「重太郎餅」だね。すっかり重太郎センセーの虜さっ。

 民宿へ荷物を取りに戻った時に、ばーちゃんの昔話を聞く。ここらあたりは埋め立て地だったんだってさ。初耳さ。ばーちゃんの一つ前の世代くらいの話なんで、なんつうかリアルだよね。民俗学者のフィールドワークってこういう気分?

 で、特急に乗って帰る。帰りはエクスプローラーじゃなかったけどね。

 無事京都に到着。家帰って、早速買ってきた日本酒とオイルサーディンを食す。で、爆睡。

 しかし、今回の旅の印象はとりあえずしかねぇな。ずーっと足元を見ていた気が(^^;。今度は雪のない時に来よう(もういいよ………。

《2月6日(土)》

 旅行疲れかよく寝ました。

 で、ここ数日分のメールチェックとかしてたんだけど、その中でなんともびっくりしたのが次のニュース。

 ブー・ラドリーズ解散。

 そ、そんな………。いったい何故なんだぁ。悲しいぜ、おいらは。

《2月7日(日)》

 いろんなもののリハビリも兼ねて。「ちょっと今さら?な話題作を聴こうキャンペーン」ということでPRODIGYとVERVEを買ってきまちた。

 PRODIGYはリハビリにもならんかったぞ。やっぱ旬のうちに聴いとかなきゃダメだったのか?
 なぜあそこまで絶賛されたんだろうねぇ。いや、ライヴはかっこいいとは思うんだけどね。

 VERVEもわるかねぇんだけど、「すげぇよ、もえるよ、にいさん!」という感じではないんだな。

 リハビリ失敗。

《2月8日(月)》

 よく映画のCMで『タイタニックのレオナルドディカプリオ主演!!』だとか『セブンのブラッドピット出演!!』だとか『超人ドッジボール伝説のkinkikids!』とか『渡辺篤史の建もの探訪!』とゆうふうな紹介の仕方はよくありますよね。

 で、今日ぼーっとTVを見てたら『ブルースブラザーズ2000のダンエイクロイド』と出たんですな。
 「何の映画のCMじゃ?」と思ってたら、「ブルースブラザーズ」のCMでした。

 なんか間違ってない?

 とゆーことで、今日読んだ本の感想。

仁木悦子『猫は知っていた』(講談社文庫)

◇あらすじ◇
 秘密の抜穴と謎の電話、そして暗闇に突き出た毒塗りナイフと一匹の猫。引越し早々起きた連続殺人事件に、推理マニアの兄と私は積極的に巻き込まれた。
 素人探偵兄妹の鮮やかな推理をリズミカルな筆致でさらりと描き、日本のクリスティと絶賛されて今日の推理ブームの端緒となった、江戸川乱歩賞受賞作。
(文庫カバーより)


 何がいいって、このあらすじはいいよねぇ。講談社文庫もこういうあらすじが書けた頃があったんだねぇ。

 ということでいわゆる最初の乱歩賞(第3回だけど)を取った非常に高名なこの作品。ようやく読みました。

 『猿来たりなば』の感想で「クリスティが読みたくなった」とか書いてたけど、この作品も非常にクリスティを感じさせるよねぇ。
 特に大きなひねりはないけど先を読ませるストーリーと非常に端正な世界観。クリスティだよねぇ。

 まぁもうちょい「笑い」があればいいんだろうけど、これは時代なのかな。悦子の行動があまり面白くない。笑わせようとしてるのかどうかは微妙だけど(^^;。

 トリックなんかはすれた今の読者からすればあれなんだけど、空気で読ませるんだな。展開も非常にオーソドックスなんだけどね。かえって微笑ましいすね。知り合いに警察関係者がいるところとか(笑。

 難をいえば、独白が多いことかなぁ。ずらずらっと改行無しでページが埋まってたりするものだから読みにくい。
 ま、それはそういう文章を読めないこっちの問題なんだろうけど(^^;。

《2月9日(火)》

 なんか妙にビジーだぞっ、プンプン。

 現在流れてる白木屋のCM。店長役の赤井英和が店員と会話しているんだ。

店員「(いいサービスをして)お客さんも喜んでいます」
店長「お客さん〜? お客様やろ! お客様あっての白木屋や!」

 まぁ、余り正確ではないかもしれないけど、そういう内容の会話をしてるんやね。

 で、このCMが嫌いなんだよね、おれ。なんつうか客に媚びすぎっていうか。もともとこっち(お客)は料理なりお酒なりの対価としてその分のお金を払ってるわけで。

 「お客様は神様です」なんて言葉があるけど、あれは嘘。基本的には対等の立場でなくてはならないはず。

 もちろん店員の態度はいいのに越したことはないし、料金に「サービス料」が入ってるてのもあるんだろうけど、上の白木屋のだと、どんだけサービス料入ってるねん、と思ってしまうわけだね。

 つうか、ただ単に赤井英和が嫌いなだけ?(笑

 とゆーことで、今日読んだ本の感想。

高田崇史『QED 百人一首の呪』(講談社ノベルス)

◇あらすじ◇
 希代の天才・藤原定家が残した百人一首。その一枚を握りしめて、会社社長は惨殺された。残された札はダイイング・メッセージなのか?
 関係者のアリバイは証明され、事件は不可能犯罪の様相を呈す。だが、百人一首に封印された華麗なる謎が解けたとき、事件は、戦慄の真相を地上に現す!
 メフィスト賞受賞作。
(カバー裏より)


 QEDというタイトルの割には、それほど論理的に証明されたって気がしないんだけどなぁ(^^;。

 この作品を読んで誰もが思うだろう事は、「殺人事件」部分の弱さ、なんでしょうな。もっといえば「小説」部分の弱さとでもいおうか。
 百人一首の所だけで十分面白いからそれだけで独立させたらよかったのにねぇ。って、それじゃあ、メフィスト賞の意味無いし私も読む機会はそうなかったんだろうけど。

 あとはやっぱし、先行する作品の影響がモロ出しなのがねぇ。つうか、京極なんだけど。でも京極のうんちくにくらべて、何と薄っぺらいこと。「読ませない」うんちくなんだよね。

 百人一首の謎のスリル感と殺人事件部分の凡庸な退屈さとか非常にミスマッチで………いかにもメフィスト賞だね(^^;。いや、ある意味昨今の乱歩賞にも通じるのか。

 と、けなしまくってるようだけど、百人一首の謎の部分は非常に面白いんで、読んで損はないでしょう、ええ。


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