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《11月1日(月)》

 本日は、THE BETA BANDのライヴに行ってきたっす。

 知ってますかねぇ?>ベータバンド。UK方面の音楽を聴いてる人なら名前くらいは知ってるとは思うんですけど。

 ノエル兄やん@OASISやら、ボビー@プライマルズやらがやたら評価してるとかいうバンドなんですよ。
 ちょっと前にアルバム出たんですけど、これはメンバー本人が「このレコードはクソだ」とか言っちゃてたりと、なんだかよくわからんバンド周りの風なんですけど、とりあえずライヴは一定の評価を受けてるのは確かなようで。
 こりゃ行くっきゃないでしょう。

 とゆうことで、気合い入れて行くもなんと開場が50分押し(^^;。遅れて会場に着いたのに、待ちくたびれましたわ。
 そんなわけで、開演前はいやーな気分だったわけですけど、これがえらい楽しいライヴでした。ニコニコ。

 ステージにやたらと打楽器が並べられてるんです。ドラムセットからして2台あるし、コンガ、ボンゴ、鍵盤類、スチールドラム、カウベル、ウッドブロック、何か変な缶等々………
 そこからもわかるように非常に「ビート」にこだわったバンドなんですね。テクノとはまた違った意味でのビート。

 ほら、みんな子供の頃って、お茶碗とかを箸で叩いたりしたでしょ? ああいう、根元的な打楽器への欲求っていうかさぁ、やっぱみんな叩きたいんだよ!! じつは。
 そういう、「快楽」を開放してくれてたような気がするんだよねぇ。

 ライヴ開始直後はギター+ベース+ドラム+シンセといった編成で「なんや、ふつーのロックバンドじゃん」とか思ってたんだけど、ステージが進むに連れわけわからん度が進むんですな。
 演奏中に楽器を持ち替えるのは当たり前、ステージ上をうろうろしながらそこらへんに転がってる打楽器をがちゃがちゃ叩くんですわ。でも、プログレにならないのがこのバンド。
 そんな風に適当にやってるようにも見えるんだけども、実はかなり計算したステージングだとかいう話ですけど。

 とにかく、このやたらと強烈な生の「ビート」が気持ちいいんですよねぇ。
 ラストはパーカッションのみのセッション風の展開だったんですけど、これがおもろいんだ。君らはタップドッグスかってな勢いっす。

 ライヴを体験した今思うと、やっぱあのアルバムは「クソ」だったかも(^^;。っていうか、彼らの一番おいしいところをパッケージングできてないように思うんですよねぇ。
 まぁ、でもその外し具合もベータバンドだって事でひとつ。

《11月2日(火)》

 先月の末から今月あたまにかけて、そそるアルバムがかなり出(て)るんですわ。

 ぱっと思いつくメジャーどころだけで、レイジ、ベック、プライマス、UA、Nina、ロボッツ、トライセラ、とまぁいろいろ挙げられるわけ。
 うーむ、とてもじゃないがこんなにおさえられんぞ。どうしたもんか。

 そんななか本日ゲットは、イアン“モンキー”ブラウンの新譜っす。

 って、まだ聴いてないんだけどね。とりあえず、ジャケットは相変わらずですなってことぐらいで。

《11月3日(水)》

 今日は大阪府下の映画館で「映画サービスデー」でした。つまり、1000円でみれるわけですね。

 というわけで、行ってまいりました。『迷宮のレンブラント』『ウェイクアップ!ネッド』『HEART』の3本。
 さすがに3本はしごは疲れましたわ。でも、今回の3本はそれぞれに楽しめました。いわゆる「クソ」はなかったのでよかったす。

 以下、あらすじ(ネタバレ無し)と、ざっとした感想。


 『迷宮のレンブラント』

 NO.1の腕を持つ贋作者・ハリー。彼の最後の仕事は「レンブラント」の贋作依頼だった。「完璧」な贋作を作り上げるハリー。それは一流の専門家の目さえ欺くものだった。
 しかし、その絵が贋作だと見抜いた女性がいた。彼女の名はマリーケ。
 そして、「完璧すぎる贋作」をめぐる陰謀にハリーとマリーケは否応なく巻き込まれていくのだった。

 小説で私の好きなテーマとして「誘拐」、そしてこの映画でも扱われている「贋作」があげられます。やっぱ、事件にかかわった人間模様を描きやすいテーマといえるのでしょうか?
 小説では実際に「絵」を見せる必要がないのに対し、映画では実際にその絵を見せなければなりません。その絵がどの程度の説得力があるかが作品自体の質を決定するといっても過言ではないでしょう。

 この映画ではその贋作づくりの場面を丁寧に描いてます。だからぐっと説得力があるんですね。
 ただ、それ以外の場面、中盤のサスペンスタッチなところとかはやや凡庸ですな。ちとたるい。終盤にまたよくなってくるんですけど。
 個人的には、もっと真贋論争というか、鑑定をいかに欺くかというシーンがみたかったですね。少なくとも映画上ではあまり調べずに、「本物だ」と鑑定してるようにみえますから。
 それにマリーケが「偽物だ」と判断した理由も曖昧だしね。

 でも、このテーマが好きなボクは満足です。ラストもそれなりにひねってましたし。でもやっぱ、贋作づくりのシーンがよかったですねぇ。それだけで、グーっす。


 『ウェイクアップ!ネッド』

 アイルランドの小さな村タリームア。この村に莫大な賞金の宝くじに当たった人物がいる? そのニュースを聞きつけた村に住むジャッキーとマイケル(どっちもじいさん)。おこぼれにあずかろうと、密かに当選者を探し始める。
 しかし、ようやくみつけた当選者―――ネッドは、当選を知ってショック死していたのだった。このままでは賞金がふいになってしまう。そして村全体を巻き込んだ「ねこばば計画」が動き出す。

 やっぱり最近のイギリス映画はいいっすよねぇ。特にコメディは。やっぱブラックじゃないと。この映画も笑える映画です。

 出てくる役者はたいてい老人だったりするんですけど、これがいいんですよ。特に主役の二人のキャラはすばらしいっす。
 村での「取り違え」の笑いをもっと見たかった気もするけど、それをあんまりすると重たい映画になっちゃうかな?
 編集はちと荒い気もしたりしますけど、これはみて損はない映画だと思いまっせ。


 ふう、とりあえず今日はここまで。『HEART』の感想はまた明日にでも。でも、これが一番面白かったんだよなぁ(^^;。

《11月4日(木)》

 ということで、昨日みてきた映画の感想でも。

 『HEART』

 心臓に持病を抱えるゲイリー。妻の浮気に嫉妬する余りに彼は倒れてしまう。ゲイリーは車椅子での生活を余儀なくされる。妻を取り戻そうと、彼は心臓移植手術を受ける決意をする。
 交通事故に遭った青年の心臓を移植されたゲイリーは健康を取り戻す。そして妻との関係も修復する。
 そんなある日彼は、臓器提供者の母親のもとを訪れる。彼女はやがてゲイリー夫妻につきまといはじめて………

 やー、これは面白かったっす。

 臓器移植を巡るサイコスリラー。移植をきっかけにどんどん壊れていく登場人物。いや、もともと「壊れた」人々だったのでしょうけど、それが移植をきっかけに表出してくるんですな。
 そしてそれぞれのエゴが交差したときに、ラストの悲劇が生まれる、と。

 冒頭のつかみといい、緊迫感のある中盤の展開といい、ラストのカタストロフィといい、これはよく出来てますわ。
 そういうエンターテインメントとしてもしっかりみれる上に、考えさせられる内容も無理なく盛り込んでるんですな。
 あまり期待せずにみにいったんですけど、思わぬ拾いものでございましたよ。

《11月5日(金)》

 明日はサッカー五輪予選。国立まで行ってきます。

 そんなわけで結果予想。
 1−1の引き分けで無事五輪出場決定、と。前半終了間際、コーナーキックからのこぼれ球を高原が身体ごとゴール。後半の20分頃にカザフのミドルシュートが宮本に当たってコースを変えてゴール。
 やきもきする時間帯が続くも、なんとか試合終了。

 こんなんでましたけど、さて実際にはどうなりますことやら。

《11月6日(土)》

 五輪予選を観戦するために上京しています。

 今回は競技場の席は指定席にしたんで、昼間は結構時間が余ってるわけです。
 つうことで、東京で時間があったら前々から行きたかった五色不動めぐりをする事に決定。

 「五色不動」って皆さん知ってますかねぇ。ミステリ者だったら当然知ってるでしょうけど。そう、『虚無への供物』のアレですよ。
 説明すると長くなるんで、興味ある方はここらへんとかを見て下さいな。

 そんなわけで、目黒不動(目黒)、目青不動(三軒茶屋)、目白不動(目白)、目赤不動(駒込)、目黄不動(三ノ輪)、そしてもうひとつある目黄不動(平井)、と東京中を駆け回ってきたわけです。
 はっきりいって、めちゃ疲れましたわ。全然知らない土地だしね。こんな事がなければ平井なんて一生行くこともなかったでしょうなぁ。でも、へんに楽しかったっすよ。それぞれ趣のある町だったですしねー。

 まあ、そんなこんなで本題のサッカー観戦っすよ。
 結果とかはニュースで知ってはるでしょうけど、いやはや不安な前半でしたわ。なんかね、ボクが見に行った生代表ってほとんど悪い結果なんですよねぇ。めちゃめちゃ嫌な予感がよぎったっちゅうねん。

 しかし、相変わらず中田は存在感がありますね。びっちりマンマークされてたけど、彼がボール持つと非常にリズムが生まれるんですよねぇ。まぁ、逆にいうと、彼がボールに触れなかったら、リズムが生まれないって事にもなるんですけど。
 遠藤はかなりだめだったですね。なんか固くなってたんですかねぇ。きんちょーしてたんでしょうか? あとは福田がもうちょい頑張ってくれればなぁ。もう、ホント前半は禁断の言葉「ヤナギサワがいれば………」と何度思ったことか(^^;。

 でも、ほんと勝ってよかったよ。俊輔の涙にももらい泣き。でも小野が復帰したらまた居場所が無くなるのかなぁ………、とか思ったり。

《11月7日(日)》

 昨日の東京散策と、サッカー観戦で非常に疲れとります。なんとか昨日分の日記を書き上げたところです。
 今日はは何もやる気がおきません。そんなわけで、このへんで。

《11月8日(月)》

 うーむ、たいして書くことのない1日だったぞ。

 BSマンガ夜話がはじまりましたね。今日は『ガラスの仮面』でしたね。
 って、このマンガちゃんと読んだこと無いんですよね。ちらちらとは読んでるんですけどね。だった、長いんだもん。未完だし。

 明日以降はバカボンにパトレイバーですか。なかなかに楽しみなラインナップであります。

 ところで、音盤夜話はどうなった??

《11月9日(火)》

 パイロットの「パイロット」を購入。

 星の数ほどいる(^^;「第2のビートルズ」ってやつですね。とある雑誌では「ビートルズになれなかったバンドベスト10」で第1位に輝いたとか。
 いいことなのかどうかわかりませんけど。

 よくみると、アラン・パーソンズがプロデューサーしてるんですねぇ。知らなかったですねぇ。

 名前だけは聞いていたバンドですけど、さすがに「第2のビートルズ」といわれただけあって、よい曲ですねぇ。
 なんつうかこうすがすがしい気分になりますな。

 ただ、このジャケットはいかがなものかと。

《11月10日(水)》

 EURO2000予選のイングランド−スコットランド戦をWOWOWで放映するそうで。ラッキー。
 この試合見たかったんだよねー。

 WOWOWってば、セリエAの放映権とれなかったせいか、がんばってくれちゃってるわね。チャンピオンリーグもがんがんやってるし。
 とはいうものの、サッカー見るんだったらやはりいずれはCSも考えんといかんのだけどねー。でも、CSってめんどくさいよなー。アンテナたてなあかんし、金かかるし。

 とゆーことで、最近読んだ本の感想。

梅原克文『カムナビ(上下)』(角川書店)

◇あらすじ◇
 主人公は30歳の考古学者、葦原志津夫。

 主人公は、考古学者の竜野に呼ばれて、茨城県の縄文遺跡に出かけた。
 すると、竜野は黒こげの死体になっていて、警察が現場検証していた。

 刑事の会話「死体の金歯が溶けている。妙だな。金歯っていうのは、なかなか溶けないものだそうだ。人間を火葬場で焼いても、金歯はそのままの形で残るそうだが………」

 そして主人公は、死んだ竜野の持ち物から、驚愕の遺物を発見する。それは3000年前の縄文時代に、「謎の高熱発生技術」が存在していたことを示唆していた。推定温度は、金歯が溶ける摂氏1200度以上………。

(作者自身の予告編 「このミス'99」より


 うーん、これはどうだろう。かなり期待していた梅原克文の新作なんですけど。

 これまでの作品にあった“ジェットコースター”な勢いが影を潜め、じっくりと物語を描いています。
 いや、じっくり描くというのはちょっと違うか。なんていうか、説明がやたらと多いんですね。いわゆるトンデモ系な仮説が延々と語られるわけで。
 そういったトンデモなお話は私は好きなんで、ずんずん読めるんですけど、本流のストーリーになかなか乗れないんですねぇ。

 で、その状況のままラストまでいってしまうんで、(さすがにラストになるとそれなりに盛り上がるんですけど)いまいちカタルシスがないんですな。

 ああ、これまでの作品で見せていた、読者の頭をつかんで振り回してラストまで離さない、あの豪腕はどこにいったんだぁ。
 おれはそういう小説が読みたかったんだぁ。


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