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《11月11日(木)》

 CD屋に行くと浜崎あゆみの曲がかかっていた。

 これがまたばりばりのユーロビートなんだ。たぶん、リミックスだと思うんだけど、異常にはまってます。

 オリジナルのバージョンより全然いいよねぇ。彼女の声はこういう下世話な音にまさしくジャスト。これは才能だなぁ。見直したよ。

 でも、今出てるCDのジャケットはいかがなものだろうか。と、識者のようなコメントで今日の日記はしめくくっておきましょう。

《11月12日(金)》

 天皇在位10周年記念式典ですか。

 TVニュースでちらっと見ただけですけど、これはいかがなものかだよなー。

 GLAYやらさー、安室やらさー、SPEEDやらさー、王やら星野やらさー、極めつけはYOSHIKIとかさー、とにかく安すぎるんだよね。ちょっと小金のあるヒッパレじゃん。
 そりゃ、それぞれはトップアーティストだろうけどさー、こういう場には安すぎる。

 だってよー、おそれおおくも天皇陛下の記念式典ですぜ。こういうことやって「若者のハートもがっちりキャッチ☆」なんて思ってる議員さんやら役人やらがいるんだろうけど、かえって「天皇」つうものが安くなってるってことわからんかなー。
 それがねらいか?

《11月13日(土)》

 いやー、いい天気でしたわー。こんないい日はお出かけしなくっちゃね☆

 ということで、ぶらりと映画でも見にいきましょうか。ええ、見にいきましたとも。『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』をね。

 そうです。噂のカルト映画です。ちょうど30年前の映画ですか。前々からその高名は聞いてたんすけど、本日ついに拝めました。

 いやはやこれが噂に違わず、イかれた映画でございました。

 話のベースは大乱歩の『パノラマ島奇談』で、そこに乱歩の他の小説をぱらぱらと味付けした感じで。れなりのアレンジだとは思うんですけど、とにかく笑える映画なんでし。

 主人公の父親役が暗黒舞踏の土方巽なんですよ。もう、すげえテンションです。常にあの動きです。
 土方が主人公やその妻などを引き連れて歩くシーンがあるんですけど、主人公達はフツーにすたすた歩いてるのに、土方だけイかれて歩いてやがります。すげぇギャップです。
 思わず真似したくなります、あの動き。

 ま、それに代表されるように、とにかく全編なにかと狂ってるんですな、この映画。ねじれてる。まぁ、乱歩らしいといえばらしいんですけど。

 でも、そんな土方もラスト近くでは突然普通のおっさんになってるし。それがまたいとをかし。

 とにかく見どころ、笑いどころ、突っ込みどころ満載の映画なんですけど、極めつけは何といってもラストシーン。
 打ち上げ花火爆破心中。生首が。もげた腕が。ぴゅ〜。完

 もう爆笑ですわ。こりゃすげぇよ。
 世の中に「衝撃のラストシーン!」とうたった映画は数多かれど、ここまで衝撃的な映画があるだろうか。『セブン』なんて目じゃないね(^^;。
 さすがは伝説のラストシーン。私のこれまでの映画観がガラガラと音を立てて崩れていきましたよ。

 すっかりやられて、ふらふらになりながら映画館を出た私です。

 しかし、特にあのラストシーンですっかり「笑い」モードになってたわけですけど、ふと気づくと、もう一度見たい衝動に駆られるわけで。こ、これは………感染?

 この映画にはリピーター(この映画にはとてつもなく似合わねー言葉だ)が多いそうなんですけど、それも納得ですねぇ。みたいもん。
 でも、ビデオもリリース直前で発売中止になったそうだし、TVなんてもっと無理だし、次見られるのはいつになる事やら………。

 東京の方ではちょいちょい上映してるみたいなんですけどね。

 人生に疲れたときに是非見たい映画ですね。余計疲れるけど。

《11月14日(日)》

 大阪市立大学II部の学園祭に行って来ましたよ。目当てはスタートークスっつうトークイベント。出演は竹内義和&平野秀明。

 って、ほとんどの人は知らないだろうけど(^^;。まぁ、関西の一部には有名な人達なんですわ。

 で、話の内容は映画がらみのお話だったわけですけど、ここではちと書けません。とりあえず、スチュワーデス物語&青年の主張には大いに笑わせていただきました、というあたりで。

 しかし、わからない人にはさっぱりわからんだろな。ま、日記だし、いいか。

《11月15日(月)》

 うーむ、やたらと眠いぞ。

 なんで、こんなに眠いんだー。
 と、よーく考えてみると最近ちゃんと寝てないからという当たり前な理由に気づきました。つまんねー。

 とゆーことで、秋の夜長に読んだ本の感想。

ルーファス・キング『不変の神の事件』(創元推理文庫)

◇あらすじ◇
 「これは殺人じゃないわ。処刑よ」リデイアは宣言した。

 姉を自殺に追い込んだ憎むべき恐喝者が、いま、残された家族の目の前で息絶えたのだ。
 一同は法の手を逃れようと画策するが、死体を運んでいるところを通行人に見られてしまい、事件は早々に警察の知るところとなる。

 目撃者からの通報を受けたニューヨーク市警のヴァルクール警部補は、着実に手がかりを集め、逃走した彼らの跡を追う。
 逃亡と追跡、この二つの物語は徐々に思いもよらぬ展開を見せていくのだった。

 探偵小説の黄金時代の一翼を担った、ルーファス・キングの代表作。本邦初紹介。

(文庫扉より)

原題:THE CASE OF THE CONSTANT GOD


 『不変の神の事件』なんて仰々しいタイトルなもんで、哲学的な小説かいなと思いきや、さにあらず。テンポのよい佳品でございました。

 だいたい、250ページですぜ、このご時世に。しかも、480円。重厚長大化がますます進むミステリー界において貴重な一品。
 またそれが絶品なお味なのもうれしい事じゃござぁせんか。こいつはもはや一家に一冊。

 序盤の倒叙な展開、中盤のサスペンス、んでもってクライマックスときっちり読ませますねぇ。どんでん返しもあるしね。もっともこれは「ためにするどんでん返し」ってな香りも漂いますけど。
 でもそれまでテンポいい展開できてるもんだから、このラストの切れ味もするどいんですな。

 読み終わってうれしくなる、スカッとした軽(?)本格。

《11月16日(火)》

 突然寒くなりましたねー。って、11月も半ばなんだから当たり前っちゃあ当たり前なんですけど。
 でも、ここんとこ、暖かかったからねぇ。

 昨年はどんな感じだったんだろー、と思って日記の過去LOGをみてみました。

 >なんかめちゃ寒くねーか?

 と17日に書いてるんだけど、果たしてこの日から寒くなったのか? それなら今年と似たようなものですな。
 それとも前から寒かったのか?

 結局よくわからないや。ヤクタタズ。

《11月17日(水)》

 今年はいろんな歌手が年越しライヴをするそうですけど、その元祖(?)たるサザンも今年は年越しをするのでありました。

 で、先行予約(抽選なんですけど)にてチケットをゲットっす。ふふふ。これまでの年越しライヴでは31日はどうしても取れなかったからねぇ。うれしいっすよ。

 そんなわけで12月の30日、31日あーんど元旦は横浜で過ごすことになる模様。

 心配なのはY2K問題。ま、何とかなるでしょう。とかいって強がってみる。(ホントは心配)

《11月18日(木)》

 ただ券を配ってたんで、なんばでの「黒澤明の世界展」に行きましたよ。

 これが思ったより見応えのある展覧会で。って、そりゃホントは有料なんだからそうでなきゃ困るんですけどね。

 台本やら創作ノートやらの直筆の書き込みが非常に面白いっすね。まぁ、『羅生門』なんかは逆に手の内を見たくないですけど(^^;。
 しかし、琴線に触れる言葉もあったけども、黒澤監督の台本に直筆で「この台本を拾った方は届けて下さい」とでっかく書いてたのには笑ってしまったぞ。

《11月19日(金)》

 いやいやいや。

 ハルキ文庫から竹本健治のバーミリオンのネコシリーズが復刊されるんだってね。いやぁ、遅れてきたファンとしてはうれしいっすよ。
 数年前に徳間文庫から復刊されたけど、あれってシリーズ途中で終わっちゃったでしょ?(1巻目だけだっけ?) 今回は全巻出てくれたらうれしいなぁ。つうか、出せよ。買うから。

 明日は朝早いんで今日はこの辺で。

《11月20日(土)》

 今日は早起き。というのもぴあに朝から並ぶためなのです。7時前にいったんだけど、すでに二人並んでたのには驚いたわね。
 今日はたいしてめぼしいチケ発売はないのにねぇ。って、俺も並んでるけどさ。

 しかし、屋外なもんでめちゃ寒かったっす。死ぬかと思いましたわ。いやまじで。

 そんなわけで無事(?)チケットはゲット。よかったよかった。

 とゆーことで、最近読んだ本の感想。

島田荘司『御手洗潔のメロディ』(講談社)

◇あらすじ◇
 失われた女性。謎の男達。そして破壊される便器………
「IgE」

 高校生の頼みを蹴るほどの御手洗潔の「用事」とは?

「SIVAD SELIM」

 ボストンで起こった発砲事件。学生時代の御手洗潔はどう解く?

「ボストン幽霊絵画事件」

 キヨシの思い出………。異邦での出来事。

「さらば遠い輝き」


 うーむ。ミステリは「IgE」「ボストン幽霊絵画事件」のふたつのみ。しかも「ボストン……」はいまいちだし(^^;。

 でもうわさに聞いていた「IgE」はたいした作品でした。これはまさしく御手洗ものの真髄。終盤まで読者を煙に巻くのがいいね。

 あとの二編については触れないでおきましょう(^^;。世の中にはそういう世界もあるということで。


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