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《3月1日(水)》

 今日は映画の日。そんなわけで見てきましたよ。「マグノリア」。

 いやはや、すごいすごいとは聞いてましたけど、すさまじいクライマックスでしたわ。いや、まじで衝撃的。

 トム・クルーズがゴールデングローブの助演男優賞をとったということで話題だったこの映画、たしかにトム・クルーズはいい演技してますね。
 この映画はいわゆる群衆劇で、12人の主要登場人物の誰が主役というわけでもなく、それぞれの物語が少しずつ関連して語られていくというかたちなんですね。

 さすがにそれだけの話を描き分けるのは大変なもので、映画全体が3時間以上と長尺の作品になってます。ちょっと長すぎ。それぞれのストーリーは面白いんだけどね。

 音楽の使い方なんかはすんごいかっこよかったすね。結構若い監督らしく、そこらへんのセンスは好きです。

 とかいいながら、こういったそれまでに感じていた色々な感想やら批判やらをすべてすっ飛ばしてしまうクライマックス。これはどうなんです?(^^;
 パンフの監督のインタビューなんかをみれば、意味はあるみたいなんだけど、観客にはさっぱりわからんぞ、アレ。

 いや、「画面で何が起こってるか」はわかるんですよ、イヤになるぐらい。でも「なぜそれが起こったか」がさっぱりわからん。つうか、監督の意図がさっぱりわからんのですよ。ギャグじゃないよなあ。

 それぐらいすんごいクライマックスでっす。この映画の広告に載ってる惹句に「評論家が絶賛」みたいな文句が載ってたんですけど、そりゃ評論家なら小難しい理屈を色々つけて評価するのかも知れませんが、実際に金を払ってみた観客にとっちゃわけわかんないよ、あのラスト。

 ボクがこれまで見てきた映画の中でも最大級の衝撃です。うーむ。なんであんな事になるんだ。シックスセンスなんて目じゃないっす。ってくらべなさんな。

 映画代と3時間以上の時間を無駄にする覚悟がある人は、是非ご鑑賞を。あ、ちなみにパンフは映画を見終わったあとでみましょう。

《3月2日(木)》

 最近はスペースシャワーTVとかで、日本のヒップホップ系アーティストのプロモーションビデオを目にすることが多いんだけど、なんでああいう人達ってカメラを低い位置に置いて、のぞき込むようにして腕を突き出したりしながら歌う、っていう構図ばっかりなんですかね。
 なんかどの人見てもそんなんばっかりですな。様式美なんですかね。ああいった人達がバカにしてる(かどうかはしらんけど)メタル系やらビジュアル系なんかより全然様式化してるよね。どれ見ても一緒。

 まあ、アメリカやらの本場ものに影響されてるんだろうけど、あまりにもなりきり度が高いもんだから、ちょっとひきますわ。私的には、シャネルズとかと同じくらいの滑稽ななりきり度なんだよな。

 明らかにアメリカ人ではないんだけど、かっことかはすっかり向こうのものだからねえ。そりゃロックにしろなんにせよ、結局は西洋のもんですから「真似」になるのは仕方がないすよね。
 だからこそ、偽物である事への葛藤、あるいは自覚を感じられないアーティストってのはちょっと遠慮したい。こんなこと思うのは、ただのオヤジか。最近の若手のミュージシャンはそこらへんの葛藤、するりとかわしちゃってるもんね。時代についていけないワタシ。

 それはともかく。ヒップホップってもっと「自由」なイメージがあったんだけど、少なくとも日本のシーンにおいてはそんなことないんですね。

 とかいいつつも、ドラゴンアッシュの新曲は結構かっこいいかもとか思ったり。

《3月3日(金)》

 ずいぶん、暖かかったですね。この週末は結構ぬくい日が続くとか。

 とゆーわけで、最近読んだ本の感想。

北村薫『盤上の敵』(講談社)

◇あらすじ◇
 TVディレクターの末永が帰宅してみると、家の周りをパトカーが囲んでいた。慌てて電話をしてみると、電話口に出たのは愛する妻ではなく、我が家に立てこもった殺人犯だった。しかも、妻を人質に取っているという。
 妻の身を案じ、末永は殺人犯にある取引を持ちかける。


 うーむ、さすがうまいです、北村薫。

 あの北村薫が「悪意」を描くとこうなるんですね。この間読んだ「白夜行」とも相通じるところのある悪意。すんごい嫌な気分にさせてくれます。

 そしてこの構成も非常に技巧的。さすがですな。

 ただ、技巧が立ちすぎて、のめり込むまではいかなかったかな。

《3月4日(土)》

 今度の連休に東京に行こうかと思ってるわけですよ。

 それでですな、はとバスに乗ってみる?とかいう話が出てるんですね。やっぱ、東京に行くんだったら一度は乗りたいはとバスツアー。

 はとバスのページをみてみると、結構たくさんコースがあるんですねえ。やっぱりあんまり人気あるところより、人気薄なところに行きたいってのが人情じゃない? そうか?

 そんなわけで、はとバス予約センターに電話してみましたよ。ここって、24時間受付をしてるんですね。やりますな。せっかくだから夜中に電話。

 人気あるやつは隅田川下りとかお台場方面だとかだそうで。ふむなるほど。では人気ないコースはどれですか? これが、はっきり答えてくれませんでした。なんだか妙に口を濁すんですよ、受付嬢。教えてくれてもいいのにさー。
 ていうか、そんなこと聞く人っていないんですかね。結構いそうな気がするんですけどね。

 ま、いいや。

《3月5日(日)》

 なんかあれっすよ。くちびるがさがさ。いてえいてえ。

 なんでこんなに荒れるのかしら。金管楽器奏者じゃなくてよかったわ。でも、いたいものはいたい。

 しかし、コートを着るにはちと暑い。かといってシャツだけではちと肌寒い。これぐらいの気候が一番気持ちいいね。つまりそれは今日。

 良い一日であったことよ。

《3月6日(月)》

 ちと古い話題ですが、雑誌「H」。

 ジュディマリのYUKIがグラビアでえらいことになってます。
 すごい凝った写真で、妊婦だったり、首長だったりしてます。うーん、アートですなあ。裸だけど、べつにエロなわけではなし。

 やっぱ、YUKIってすご〜い☆ まさしくアーティストだねえ☆

 と、ファンの端くれとしては言いたいところだが、残念ながらそれは言えないのじゃ。

 だってさあ、これって明らかにビョークのパクリじゃ〜ん。妊婦ビョークはファン以外は知らないだろうからともかくとしても、首長ってさあ「ホモジェニック」のジャケでしょう? 分かり易すぎますって。

 パクリってのにはそれほど目くじらたてるつもりはないんだけど、「表現物」であるなら安易な模倣はいかがなものかと。
 そりゃ模倣や引用が現代アートに不可欠ってのはわかるんだけど、このYUKIのグラビアには模倣することによる元ネタへの批判や愛情、解体ってのがないんだよなあ。

 ただ単にネタが重なっただけ、ということもあるかもしれんけど、それならなおさら痛いっす。

《3月7日(火)》

 今日のマンガ夜話は「アストロ球団」でしたか。

 どこまでも右肩上がりの作品。すごいわね、やっぱ。

《3月8日(水)》

 散髪。

 今夜のマンガ夜話からの話題ですけど、岡田斗司夫って「はっぴいえんど」知らないんですか? 「風街ろまん」も知らんの? オタクの風上にもおけませんなー。全然ダメダメぢゃん。

 最近よく巡回しているのがここ

 ここんとこのトルシエ日本代表を巡るバカマスコミのヒステリックな報道にはうんざりしてる人も多いと思いますけど、このBBSでは、トルシエ批判にせよ擁護にせよ、なかなかに理知的な議論がされていて、いやほんと心が落ち着きますな。
 ここが絶対的に優れてるわけではないけどね。

 でも、こういうとこをみると、ホンマにネット普及のメリットを感じますねえ。もちろんネット上ではうさんくさい情報も(2ちゃんねるとかね(^^;))大量に飛び交ってます。といって、現在のマスコミが信頼できる記事を載せてるかというと、全くそんなことはないわけで。
 結局はどっちもどっち、玉石混交。

 だからリテラシーが重要だ、とかいう意見もうなずけるんですけど、ことスポーツマスコミに関したらホンマどうしようもないからねえ。事実をねつ造しちゃうんだから、目も当てられないわな。
 で、そんな扇情的な新聞がまた売れるってんだから、やれやれですわ。

 いやほんと、夕刊フジを読むようなオヤジにだけはなりたくないね。

《3月9日(木)》

 今日はoasis@大阪城ホールでした。いってきましたよ、新生oasis。って、「新生oasis」ってわざわざいうほど新生でもない気がしたぞ。

 とりあえず、音でかいっす。でかすぎで音聴き分けられません。リアムの声とドラムのスネア&バスドラ、ノエルのリードギターしか判別不可能。
 新メンバーのゲムもたまあにリード弾いてるんだけど、なんだかろくに聴こえなかったぞ。スポットライトもあたらないし、やっぱりoasisではギャラガー兄弟以外は不遇なのね。だいたい、ベースのアンディは何のためにいるのかわからんかったぞ! というのはいいすぎか(^^;。

 なんだかんだいっても、いい曲はいい曲。でもライヴ全体を考えると、メリハリがないですわな。まあ、それもoasisなんでしょうが。

 リアムの存在感はやっぱりすごいものがありますね。特にあおるでもなく、MCも何を言ってるのかさっぱり聞き取れるわけでもないのに(ノエルの方はまだ聞き取れるんだけどねー)、ここまで客を引きつけるのはさすがですな。
 とかいいつつも、今回のライヴで印象に残ったのはノエルボーカルの曲なんだけどね〜。

《3月10日(金)》

 つらつらとoasis日本公演の各地のセットリストをながむるに、THE WHOのMy Generationをやった所もあるんですねえ。うらやましいですねえ。これはちょっと聴きたかったですわ。
 昨日は某曲のイントロにZEPを持ってきたりしてたんですけど、ヘルタースケルターもそうやけど、こういったカバーものに一番反応してしまう私はoasisファンとしてはダメですかね。

 とゆーわけで、最近読んだ本の感想。

京極夏彦『巷説百物語』(角川書店)

◇あらすじ◇
 時は、江戸。巷の闇の色は濃い。
 その闇を縫うように、あやかしたちの姿がほのかに立ち上がる。
 小豆洗い、白蔵主、舞首、芝右衛門狸、塩の長司、柳女、帷子辻………。
 それは、現か、幻か、それとも―――
 と、その刻、小股潜りの又市の鈴が密やかに鳴り、
 山猫廻しのおぎん、考物の百介、事触れの治平の姿が現れる。

「御行奉為――」

 いつの世も、不可解な事件は決して跡を絶つことがない―――

(カバーより)


 うーむ、先にTVドラマでみてしまったせいか、登場人物のイメージが完全に役者のものになってしまったなあ。まったく先入観なしで読んでたらどうだったんかねえ? って、特にミスキャストでもないから、構わないけどね。

 はやくもマンネリ。いい意味で。様式っていったほうがいいのかな。

 散々言われてることだろうけど、京極堂シリーズとは表裏一体の作品なんでしょうね。短編だし、ってそれはそんなに関係ないか。
 このシリーズでは憑き物落としはしないで(読者の憑き物は落としてくれますが)、逆に妖怪を憑かせることで事件を終結させるわけですね。
 この京極堂シリーズとの対比はかなり意識してやってる感じですね。衣装も白と黒だし。

 収録作品では、芝右衛門狸がちょっと抜けてますね。今月放送されるドラマはこれをベースにしたものらしいので結構楽しみですな。


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