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《4月11日(火)》

 地下鉄の中で見かけたキリストン・カフェとかゆう店の広告。最近出来たらしいレストランなんだけど、教会をイメージしたつくりとか。

 教会をイメージしたレストランていうあたりですでに結構きとるんですけど、この広告のコピーがまたすばらしい。

 「ミレニアムは、教会通いがトレンディ」

 どうよ、これ。知ってた? トレンディなのよ。ミレニアムなのよ。わー、流行に遅れないように教会行かなくちゃー。最先端〜。ドラゴンアッシュさいこー。ラーメンズ大好きー。

《4月12日(水)》

 いよいよというかようやくというかいまさらというか、『屍鬼』を読み始める。現在、上巻P.110。まだまだ先は長い。

 ビデオで「大怪獣東京に現わる」をみる。怪獣映画なのに怪獣が出ない映画ってやつですな。思ってたよりは十分楽しめたよ。なんつっても唐突な力兄ぃがいかす。

 とゆーわけで、最近読んだ本の感想。

貫井徳郎『妖奇切断譜』(講談社ノベルス)

◇あらすじ◇
 戊辰戦争の傷跡がいまだ濃厚に残る明詞の東京で、ばらばらに惨殺された美女の死体が、次々に発見された。死体は体の一部が必ず持ち去られ、稲荷に捨てられるのが、奇妙な共通点だった。事件に関わることとなった元公家の九条惟親は、友人の朱芳慶尚の推理に期待をかけるが………。最後に待ち受ける驚愕の真相!
(カバーより)


 パラレルワールドである「明詞」時代を舞台にしたシリーズ第2作。

 ミッシングリンクもバラバラ死体の謎も、まあ、よく考えられてるとは思うんですよ。複線もはりまくってるしね。ただ真相が明らかにされた時「なるほど」とは思うんだけど、「おお、なるほど!」とはならないんですね。

 そこまでの説得力がないというか。勢いがないというか。レベルは高いとは思うんだけど。

 ただ、どうやらこのシリーズの次作で結構大きな展開がありそうなんで、それに期待。

《4月13日(木)》

 『屍鬼』上巻P.226。ぼちぼち物語が動きそうなんだけど、まだ全然動きそうでない感じも。

 さて、数日前の話ですが、サザンオールスターズの茅ヶ崎でのライブが決定したそうで。やれやれまたチケット取りが大変ですわ。未確認情報によると、会場である野球場はキャパ2万人、頑張って3万人とかで、ということは2日間で6万人ですか。今年はTSUNAMI効果もあるし、そりゃもう激戦。ダフ屋大儲け。

 個人的には、もちろんあるとは思うけど、茅ヶ崎市民の方の優先枠を大きく取ってほしいなとは思います。べつに偽善者というわけではなく。年越しやら渚園なんかと違って、今回は茅ヶ崎でやることが重要だろうからね。大阪に住んでる私が目を血走らせて行くってのもなんか変でしょ?

 それにたいして大きくない町でこれだけのイベントやるんだから、混乱も予想されるしねえ。地元の人は大変だろうし。

 某公式BBSでは、「チケットがとれなくても、野外なら外で聴ける」とかいってる猛者(バカと読む。当然よそ者)がいますけど、こういう人間にはなりたくないものです。

 とかいいつつ、チケット取りにはそれなりに参加するだろうし、取れなかったらくやしいんだろなー。ツアーしてくれりゃいいのに。

《4月14日(金)》

 『屍鬼』上巻P.320。やっとこ第二部突入。でもペースダウン。

 こないだ中古で買った、ボズ・スキャッグスの1stソロアルバムが非常によい。かのデュアン・オールマンも参加してるところからもわかるように、泥くさーいロックをやってるのですよ。これがかっちょええんだー。後のボズのイメージで敬遠してた私は反省しきり。

 映画「キッドナッパー」をみる。結構気になってた一本なんだけど、今日が大阪最終公開日。その最終上映に何とか間に合い、みてきましたよ。

 物語はフランス版ルパン3世(あ、フランス映画なのよ。「ドーベルマン」のチームだとか)、あるいはフランス版ドートマンダーって感じですかね。

 2000万フランの現金目当てに邸宅に忍び込んだ4人組の泥棒。計画通りに事は進まないが、なんとか金庫を開けるところまでこぎつける。しかし、その中には変な像しかなかった。そして事態は思わぬ方向へと進み………といった内容。

 冒頭の人物紹介のカットなんかはすんごいかっこいいし、前半も非常に快調。計画ではすんなりと忍び込めるのに、実際には苦労が耐えないという展開もお約束とはいえ面白い。

 ただ、後半になるとちょっとテンポがだれるし、脚本のつめの甘さが目に付くんですなあ。もったいない。もっと面白くできたんじゃないかなー、と思ってしまうわけよ。

 あと、主人公たちがあっさり人を殺してしまうってのがダメね。こういう展開では殺しちゃいかんでしょう。殺すのであれば、もっとクールなキャラにしないと。主人公に親しみを持たせようという演出とその行動とのギャップがあるんで、ちょっと観客としては感情の持って行き場が無くて困りますわね。

《4月15日(土)》

 『屍鬼』上巻P.460。動き始める。でもまだもっと長い下巻が残ってるんだよなあ。

 今日は久しぶりに古本屋などへ。積ん読がまだまだあるってのに、12冊ほど保護。ケンリック2冊はちょっとおいしかったかも。

 さて

 いろんな意味で話題の松本人志初主演ドラマ「伝説の教師」。本日第1回目の放送。

 いやー、予想通りというか、やばいっすよ。ゆるゆる。出演者のみならず、作り手の誰一人として、このドラマをどうすればいいかわかってないんじゃないの? 1回目とはいえ。

 ただ、その妙な空気が、いいとは言わないけど、ファイトクラブですらありにしてしまうという意味では、今後面白くなるかもしれぬ。ならない。なる。ならない。なる。ならない。なる。ならない。

 そんなことより気になったこと2題。

 夏木マリはなんであんなにジャンキー顔なのか。地? メイク?

 Fayrayをねじこむなんて、露骨すぎるよ吉本興業。

《4月16日(日)》

 『屍鬼』下巻P.94。物理的に重い。

 映画「グリーンマイル」をみてきましたよ。なんと満席。まだまだ人気は衰えてないんですね。私は前日に予約してから行ったんで(その映画館は予約が出来るのよ)、悠々入れましたが。

 泣けましたよ。いまいちともきいてたんだけど、いやいやよかったじゃん。こらえきれずに4回泣いてしまった、とゆうスピルバーグのコメントもあながち間違ってるわけじゃなし。

 3時間という長丁場もマグノリアとくらべるとぜんぜん苦にならず。

 原作は読んでないのだけど、キングらしい捻った展開があるぶん、「ショーシャンクの空に」より私はこっちのほうが好き。

《4月17日(月)》

 『屍鬼』下巻P.150。あまり進まず。

 ようやくというかなんというか、椎名林檎「勝訴ストリップ」を聴きましたよ。レンタルなんですけどね。数日前からレンタル解禁になったもんで。

 というわけで本日の日記は「勝訴ストリップ」を聴きながらお送りいたします。って、関係ねーけど。

 しかし、レンタルするCDと購入するCDとの差はなんなんでしょうねえ。洋楽は買うことが多いですね。まあ、これは洋楽はレンタル解禁まで間が長いからねえ。洋楽のCDって安いし。

 あとは評判は耳にするけど実際に聴いたことがない盤はレンタルすることが多いですね。まあ、そりゃ名も知らぬ新人をいきなり購入するのはためらわれるよね。邦楽のCDって高いし。

 で、レンタルで聴いて気に入ったらその歌手の他のアルバムを購入、というパターンがあるんですけど、これだと「名盤」はレンタルしてて、他の「まあ普通」なものを買っちゃう事になるという画竜点睛を欠くというか本末転倒な現象が起こるんですね。だからうちにあるCDをざっと見て、「そのアーティストの代表作がない」とゆうことがよくあるんですな。

 逆に前作がイマイチだったんで、これからはレンタルでよろしく、ってのもありますね。「勝訴ストリップ」はそうじゃありませんよ。だって「無罪モラトリアム」もレンタルだったから。具体的にはイエモンがこれにあてはまったりしますね。彼らの「SICKS」は日本ロック史に残る傑作と思ってるそこそこファンな私ですが、「パンチドランカー」はいまいちだったもんで、私の中ではレンタル扱いに降格。一軍復帰を待ってます。

 他にどうゆう理由があるでしょうか。買うタイミングを逃したってのもありますね。今回の椎名林檎はこれです。まあ、民生だとか斉藤和義だとかを優先しちゃったもんで、椎名林檎は後回しになったんですね。で、ここまできたならレンタルでもいいじゃん、と。別に彼女のビジュアルを求めてるわけではないし。

 とか言ってますけど、じゃあ新譜が出たら必ず購入する、いわゆる一軍は誰だって考えてみますと、邦楽ではサザン、中村一義、奥田民生、ジュディマリぐらいしかいないんですね。ジュディマリは最近は一軍落ちの危機ですが。これからの奮起を期待したいです。

 あ、でも彼ら一軍でもベスト盤は買わないですね。彼らだからこそ買わないんですけど。こないだ出たジュディマリと中村一義のベスト盤は買ってないです。レンタルする気もないし。大体、ほとんど音源持ってますからね。未発表曲とかが入ってたら考えますけど。でも、そういうのって大概いまいちな曲なんですけどね。

 とかいってもサザンのベスト盤は買っちゃったりしてるんですね。やっぱ私の中では別格なんですかね。

 サザンに関して言えば、一軍云々というよりも、長島茂雄なんです。崇拝されるものでもあり、アンチの対象でもあり、バカにもされ、懐古主義の固まりでもあり、次に何をし出すかわからない現在進行形でもある。とりあえずアリなんです。治外法権。永久欠番。そりゃ批判もしますけど、心の底ではまいってるという。

 なんだかうだうだとどうでもいいこと書いてますね。酔っぱらいの会話じみてきました。もともとは椎名林檎の感想を書くつもりだったんですけど。まあ日記だからいいですね。

 「勝訴ストリップ」の感想はまた後日にしましょうか。もうちょっとちゃんと聴かないとね。なんつってもまだ、この日記を書きながら聴いただけですから。今ちょうど終わりましたよ。ファーストインプレではずいぶん洗練されたなとは思うわけですけども。

《4月18日(火)》

 関西ローカルの番組で「クヮンガクッ」とゆうバラエティ番組があります。

 今日やってた内容はレシートすごろく。道行く人にレシートを一枚もらって、その店の住所まで移動するというやつですね。それでなんばの高島屋を目指すというわけなんですけど、これがなかなかおもろい。

 関西近辺を移動することになるのはまあよくあることなんですけど、なぜか沖縄に行ったり、東北に行ったりもするわけで。みんないろんな所のレシート持ってるんすよね〜。

 やっぱり企画が面白いとバラエティは面白いね。ローカルは金がないぶんネタに頭を使ってほしいもんです。まあ、それが難しいんですけど。

 電波少年ほどのあざとさもなく、適度な緩さがいい感じ。

 何週も前から始まった企画ですが、今回でも終わらず来週に続くそうで。

 ちなみにこんな番組の紹介を書いてるということは、日記のネタがないということです。日記もネタが大切やね〜。

《4月19日(水)》

 広末涼子がコステロを推薦するってのはありなんですか?

 中村一義が日産のCMに出てるんですねえ。みなさん、知ってました? いやあ、全然気づかなかったわ。てゆうか、CMに出てるって聞いてから注意して見ていてもしばらくわかんなかたからねえ。

 マーキュリーとの契約終了、インディーズでのシングル発売、メジャーへの再移籍、でCM出演とここんとこめまぐるしい動きですなあ。今年出す予定らしいアルバムもいい出来であってほしいものです。

 ちなみにCMで使われてる曲が、来週出るシングル「ハレルヤ」です。ってあんだけじゃよくわかんねー。

《4月20日(木)》

 NHK-BSにて映画「ミステリアス・ピカソ」観賞。

 予想以上に面白い。ピカソが絵を描く過程をリアルタイムに写し取った映画ですが、見る前は間延びしてそうと思ってたんだけど、全体に緊張感があり飽きなかった。

 好き嫌いは別にして、ピカソという人は非常に時代との関係性を真摯に捉えていた表現者だったんだなあと再認識。てゆうかそれこそが芸術家に必要な資質なんだろけどね。

 とゆーわけで、ようやく読み終えましたよ。

小野不由美『屍鬼』(新潮社)

◇あらすじ◇
 村は死によって包囲されている。

 山中にたたずむ寒村・外場。歓迎されざる転入者――余所者――が村にやってきた頃から、事態は静かに進行していった。

 村に蔓延する死に至る病。それは徐々にではあるが確実に村を蝕んでいく。医師である敏夫と住職の静信は異変に気付き、対策を練り始める。しかし、それは外場崩壊への道程に過ぎなかった。


 長かったー。とりあえず。もちろんこの長さはテーマとも密接に関係してるんですけど。じわじわと描くことによってあらわになっていく人間の感情。人と「敵」との対立への深い洞察になってるんですね。

 もちろん。クレッシェンドポコアポコ〜、とじわじわと恐怖がこちらの心に粟だってもいくんですが。

 でも、この長さはしんどい。しかも展開がなかなか無いし。「飽きる」というよりも、「めげる」って感じ。

 うーむ、ネタを割らずにつっこんだ話が出来ない小説だなあ。

 まあ、あえて軽い感想を書くとするなら、静信には結局感情移入できなかったなあ。感情移入というか、納得できなかったというか。彼の言い訳が延々と続く小説であるともいえるんですが、どうもいただけませんでしたわ、私は。


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