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《9月21日(木)》

 ソフトのタイブレーク制つうのは、なかなか面白いね。

 井上の決勝での内股はすげかったなあ。母に捧げるメダルとかなんたらとかいうメロドラマにゃあ興味はないが。

 しかし、投げられた選手が手をつこうとするのを見るとひやっとするね。昨日の吉田の肘がどうしても浮かんでしまう。

 とゆーわけで、最近読んだ本の感想。

山田風太郎『白波五人帖』(集英社文庫)

◇あらすじ◇
 江戸幕府を翻弄した天下の大盗賊・日本左衛門。狙う相手は金持ちばかり。庶民に金をまくので、義賊という評判もたつ。従うは一騎当千の若者たち。弁天小僧菊之助、南郷力丸、赤星十三郎、忠信利平。これが世間に名だたる白波五人男だ。

 お上に楯つき、お尋ね者となった男たちの運命はいかに? この小説は、ある日、何を思ったか日本左衛門が、自首してしまったところから始まる。

(カバーより)


 それぞれ「日本左衛門」「弁天小僧」「南郷力丸」「赤星十三郎」「忠信利平」というタイトルの、連作短編集。

 「日本左衛門」にて日本左衛門が自首するに至った過程を描き、それを軸に後の4編がそれぞれを主人公として話が進みます。

 忍法帖より前に書かれた作品ということで、とっぴな技などは出てこないんですけど(それでもこの盗賊達は超人だが)、それだけにそれぞれの哀切がストレートに胸を打ちますね。

 本来あんまり感心しない「死で泣かす」という形ではあるんだけど、これがぐっとくるんだなあ。義賊といっても、やってることはすんげえ非道な男達が主人公だからというのがその理由か。

 特に「赤星十三郎」のラストはいいね〜。歌舞伎だ。

《9月22日(金)》

 いやあ、有働アナも泣いてましたねえ。柔道・篠原の決勝での負けに。ありゃあ一本だよなあ。少なくとも相手のポイントじゃねえぜ。

 スポーツでレフェリーがダメだと、全然つまんねーな。

 さて

 ただ券をもらったつうこともあって、映画「ホワイトアウト」をみてきましたよ。

 公開から一ヶ月以上たってるけど、まだまだ人気あるねえ。日本映画の大作に、ちゃんと客が入るってのはいいことですね。

 あまりいい評判を聞かなかったんでちと不安だったんだけど、なかなかどうして面白いじゃありませんか。原作を読んだのはもう4,5年前だったかな。いい感じに忘れているところと覚えているところがあって、映画自体に好感触を抱いたのかも知れないが。

 脚本に原作者が参加していることもあって、綺麗にまとまってたと思うですよ。もうちっと泣きのシーンを引っ張って欲しい気もしたけど。警察署長が松嶋菜々子に語りかけるシーンとかさ。

 もちろん難点も色々あるんだけど、個人的に一番残念なのは、タイトルでもあるホワイトアウト現象についてもっと説得力のある映像を見せて欲しかったこと。タイトルになってるくらいだから、ここが肝だとわかりそうなもんだがなあ。ホワイトアウトに挫折し、乗り越えるってのがストーリーの根幹に関わることだと思うんだが。

 あと、雪山でたったひとりでテロリストに立ち向かう、というシチュエーションから来るはずの緊迫感はいまいち感じられず。これはこないだU-571を見てしまったからかも。

 といいつつ、日本映画でこれだけ出来りゃあじゅうぶんでしょう。あとは原作付きでないオリジナルで、これだけの大作が出来れば良いんだけどねえ。

《9月23日(土)》

 ありゃあ、残念。五輪・日本サッカー、PK戦にて準決勝進出ならず。

 うーん、トルシエ動かなかったなあ。こりゃ、叩かれる材料になるだろうなあ。本山を入れるべきだったって意見が多いけど、延長になった時点では変える選手いないよな。結局サイドの選手の人材不足をちと感じるなあ。

 中田が外して負けたなら仕方ないのかな。あんまりPK外すイメージって無かったんだけど、こないだの試合でも外してたよなあ。

 まあ、前回大会は予選リーグで敗退。今回は決勝トーナメント一回戦で敗退。一歩一歩進むしかないのね。世界は厳しいわ。

《9月24日(日)》

 おー、高橋金メダルっすか。すげっすね。

 巨人やっとこ優勝。おー、2時間もTV延長ですか。すげっすね。

《9月25日(月)》

 しかし、肉欲棒太郎って。。。

 さて

 映画「マルコヴィッチの穴」を見てきましたよ。

 もうとにかく大期待のこの一本。期待に違わず、おもしれー。すげー。忘れられない一本だす。

 しかし、説明しにくい映画なのよね。センスのかたまりなんだけど、エンターテインを保ってるつう、ギリギリのバランス。シュールな設定ながら、リアルなドラマ。うーん、見ないとわからんね、こりゃ。

 主人公の妻役としてキャメロン・ディアスが出てるんだけど、彼女もいい役者になったねえ。「マスク」とか「最後の晩餐」からはずいぶん遠いところに来ましたな。で、話題騒然(?)のぶさいくキャメロンなんだけども、やっぱりよくみるとかわいいよね。いや、よくみないとわからないけどさ。

 エンドクレジット時にビョークが唄う主題歌が流れるんだが、席を移動する客が多くていまいちひたれず。むかつく。

《9月26日(火)》

 ポルノグラフィティって「アポロ」一発のバンドかと思いきや、なかなか新曲はいい感じだすな。ミュージックアワー(?)はいかがなものかと思ったけんども。

 我那覇美奈の「ふたつのあした」を査収。7月に出たシングルだそうなんだけど、たまたまラジオから流れてきて気に入った。シンプルにいい曲だ。

《9月27日(水)》

 ここんとこ我が家の給湯設備が故障していたため、銭湯通いの日々。ようやく本日修理完了、久々の自宅風呂。

 野球負けちまいましたね。カレリンも。ショック。だ。

 とゆーわけで、最近読んだ本の感想。

トマス・ハリス『ハンニバル(上下)』(新潮文庫)

◇あらすじ◇
 あの血みどろの逃亡劇から7年―――。FBI特別捜査官となったクラリスは、麻薬組織との銃撃戦をめぐって司法省やマスコミから糾弾され、窮地に立たされる。そこに届いた藤色の封筒。しなやかな手書きの文字は、追伸にこう記していた。「いまも羊たちの悲鳴が聞こえるかどうか、それを教えたまえ」……。
 だが、欧州で安穏な生活を送るこの差出人には、仮借なき復讐の策謀が迫っていた。
(上巻カバーより)

原題:HANNIBAL


 日本でもベストセラーとなった『羊たちの沈黙』の続編。やっとこ今頃読了。

 今作ではタイトル通り、レクター博士が主人公。そのため内面描写が多く見られる。レクター博士の内面描写は確かに興味深いものなんだが、オチを聞かされた推理小説のように、レクター博士が持っていた超人性を失わせることに。ここは評価の別れるところだろう。

 僕はやだ。

 前作からずいぶん間もあったということもあってか、非常に構成が練られている感がある。そのため、長い作品でありながら、飽きずにぐいぐい読み進められる。少々、登場人物は類型的だけど。

 ただ、賛否両論のラスト(否が多いみたいだけど)は、それまでの練られた感と違い、なんか勢いに任せてやっちゃったといった感触も。

 そのラストだけど、思わず笑ってしまった。第六部はずっとニヤニヤしっぱなし。こりゃ、やりすぎだなあ。ただ、レクター博士とクラリスの物語に決着をつけるのは、こうした形しかないのかな。なんにせよ、レクター博士が再び書かれることはもうないだろう。あったら、トマス・ハリスという作家を疑うよ。

 とりあえず、どう映画化されるか楽しみ。

《9月28日(木)》

 NHK-BSにてロックインジャパンフェス2000を観賞。

 やっぱり2時間にまとめるのはムリがあるか? そういやイエモンってあった? オレが見逃したのか?

 民生・エレカシかっちょよかった。あと、シュガーソウルも。特に民生の「海へと」はかっこええな〜。は〜。シングルのカップリングとかで音源化を切に希望。

 逆に期待はずれだったのが、ナンバーガールとキングブラザーズ。ライブ映像ってあんまり見る機会ないんだけど、なんか余裕がなく自己完結を感じる。それがいいのかもしれんが。

 ま〜、現地で見ていればまた違う感想だろうけどね〜。

 しかし、出演順・日がバラバラなのはちょっといただけないなあ。

《9月29日(金)》

 シンクロ銀ですか。たいしたもんだ。

 日本チームは曲がいまいちでしたな。

 しかし「過去の実績」が評価を左右するってのはスポーツといえんのかね? まあ、採点にある面そういう影響が出るのは仕方がないにしても、公然とそれを口にされるとちと疑問。

《9月30日(土)》

 ずいぶん寒いなあ。

 先日のNHK-BSのロックインフェス特番にイエモンが登場しなかった件。

 いくつかファンサイトを回ってみて得た情報としては、「2日続けて同じ歌手が出演してはダメ」というNHKの内規が理由だとか。前日に同チャンネルでイエモン特番が放送されてたんですよね。

 それなら、なんで二つの番組をずらさなかったんだよ。

 ライブ評をいくつかみた感じでは、評判の良かったイエモンだけに、オラァみたかったぞ。

 さて

 中村一義が自身のWebサイトにて雑誌スヌーザーと絶縁宣言

 スヌーザーつう雑誌は偏ってるよなあ強引だよなあ妄想炸裂してるよなあとは常々思っていて、「またやってるよ(^^;」となかばあきれながらぱらぱらと立ち読みしていたんだが、曲解の材料となってるアーティストからとっちゃそりゃイヤなんだろねえ。

 スヌーザーとはもともとは仲が良さそうだったんだけど、それだけに中村一義の受けたショックはおおきかったんでしょうかね。

 「作品は作者の手を離れればどんな評価も受け入れるべき」という意見もあるけど、今回の場合はちと違うわな。


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