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《10月1日(日)》

 もう10月ですね。オリンピックも終わりましたねい。なあんか、サッカーが終わってからイマイチ乗れなかったとはいうものの、テレビをつければ常に何らかの競技がやってるって状態は楽しかったもんです、ハイ。

さて

 ジュディマリのYUKIが、真心のYO-KINGこと倉持氏と結婚だそうで。いやはやこけの一念というか、念願が叶ったというか。ファンでも結婚できるんですねえ。

 お互いの音楽活動にプラスになることを願ってやみません。。。

《10月2日(月)》

 ビデオにて「カラー・オブ・ハート」をみる。

 古き良きモノクロドラマの世界に迷い込んだ現代の若者、という設定から、それぞれの文化のギャップが引き起こすコメディかと思ってたんだけど、良い意味で裏切られましたね。

 「変化すること」を完全に肯定するのはどうなんだろうと思うんだけど、そこはうまーいこと論理をすり替えてましたね。

 これはこれでおもろい映画でした。

 主題歌がフィオナ・アップルのアクロス・ザ・ユニバースだったのにはびっくり。

 とゆーわけで、最近読んだ本の感想。

麻耶雄嵩『木製の王子』(講談社ノベルス)

◇あらすじ◇
 比叡山の山奥に隠棲する白樫家は、一点に収斂する家系図を持つ“閉ざされた一族”。その奇矯な屋敷が雪で封印された夜、再び烏有は惨劇を見た。世界的な芸術家・宗尚の義理の娘、晃佳の首がピアノの鍵盤の上に置かれていたのだ。関係者全員に当てはまる精緻なアリバイ。冷酷で壮絶な論理だけが真相を照らす!
(カバーより)


 『夏と冬の奏鳴曲』〜『痾』の流れの新作。但し、時代的には『翼ある闇』よりあとなので、残念ながら(?)メルカトルは登場せず。その分、キレがなかったなぁ。

 物語の構造自体はキレがあるんですけどね。特にラストの「逆転」はさすがというか。これぞ新本格。なんですけど、見え方がイマイチすっきりしない。だらだらとなし崩し的で。

 精緻とゆうか煩雑なアリバイ検証はギャグなんだろうな〜。

《10月3日(火)》

 ここんとこは改編期でスペシャルが多いもんだから、TVがつまんないね。

 そういえば明日から「松本紳助」がはじまるんですね。期待でわある。

さて

 11月に発売のサザンの新曲「この青い空、みどり」をラジオで拝聴。

 なつかしのフォークロック調。音のたいしてよくないラジオだしもうちと聴かないとわからんけど、桑田ソロっぽい曲だなあ。これはさほど売れないかもしらんが、秋の夜長にしみじみ聴くにはいい感じかも。

《10月4日(水)》

 田代まさし盗撮で聴取

 ダウンタウンDXの「視聴者は見た」コーナーに、この投稿はどれくらいあったのだろうと思った。ありがち。

さて

 中川信夫監督の映画「地獄」。評判は良く耳にするので以前からみたかった一本だが、当然なかなか機会は訪れず。DVDでも買おうかと思っていたところ、CSで放送がありましたよ。

 いやあ評判通り、無茶な映画でした。何ともかんとも。さすがは巨匠。40年ほど前の映画だけあって、特撮部分のチープさがいい感じで発酵して、現代にジャスト。

 後半は妙にぶつ切れなんだけど、意図してやったことなのかな。妙な迫力が。

《10月5日(木)》

 なあんだ、田代まさしでてるじゃん、DTDXDX。

 BSやらCSやらを録ったビデオがやたらと溜まってるんで、ここんところ消費月間なのであります。今日みたのは「フリー・マネー」。

 チャーリー・シーン、ミラ・ソルヴィーノ、マーロン・ブランド、ドナルド・サザーランドとまあ、豪華な役者陣なんですが。なんとも奇妙な映画だなあ。

 ストーリーの本筋は、刑務所所長でもある義父から逃げ出すため二人の男が列車強盗を計画する、ってもんなんだけど、なんだかテンポが奇妙なのよね。

 一応、コメディなんだろうけど、本筋に絡むエピソードがどうにも突っ込み不足。というか不必要。でも、それが変なB級臭さを醸し出していて面白かっただす。お金出して映画館で見ようとまでは思わないが。

 とゆーわけで、最近読んだ本の感想。

エリザベス・フェラーズ『自殺の殺人』(創元推理文庫)

◇あらすじ◇
 気分転換にアスリントンの町を訪れたトビーとジョージは、嵐の中、身投げを図った男を取り押さえる。だが、男は翌朝、一発の銃弾と共にこの世を去った。結局自殺したのかと思いきや、警察の捜査結果は他殺の可能性を示唆するものであった。果たして、これは自殺に偽装した他殺なのか、それともその逆なのか?

 知られざる大家フェラーズの魅力を伝える傑作本格ミステリ第二弾。

(カバーより)

原題:DEATH IN BOTANIST'S BAY


 前作のような面白みはないかなあ。それぞれの登場人物の想いが結構シリアスだかんね。

 自殺か他殺かというだけでもじゅうぶん引っ張られるのはさすが。ちょっと読んでるこちらが混乱するけどねえ。添え物のロマンスも恥ずかしくていいぞ。

 ラスト近くでのひっくり返し方はよかったけど、さほど説得力がないのが残念。

《10月6日(金)》

 地震ですか。大変ですねえ。さほど被害が大きくなかったのがなによりです。

 なあんてわかったような口を叩いておりますけど、当事者の方にとっちゃ相対的な被害の大小なんて知ったこっちゃねえんでしょうが。

さて

 「エクソシスト ディレクターズカット版」が、7日の公開を目前に公開延期。

 いや、びっくり。この直前となって延期とは。「監督の意向」つうことで詳報はまだわからんのですが。

 盛り上げるための話題作りかと一瞬思ったものの、CMとか口コミとかでいい感じに公開を迎えそうだったからそれはないか。

 一部では「オリジナルの方が数段よかった」なんて評もあるみたいだけどね……。

《10月7日(土)》

 昨日の日記にも書いた「エクソシスト」。公式サイトにて、監督参加のチャットが行われてたんですけど、全然ダメね。

 まず、900人以上の人数でチャットをしようというのが間違いだなあ。Webチャットだしさ。重くて話にならん。こんだけの人数だからとにかく錯綜するし。こうなることはある程度わかってたと思うんだけど、なんの対策もないんだもんなあ。ダメすぎ。

 で、せっかく監督が参加してるんだから、みんなが聴きたいのは延期の理由とその釈明。でも通り一遍のことしか言わないし(フィルムの質が悪いから延期)。

 司会がまとめて、監督に質問するという形なんだけど、全然司会がつっこまない。みんなが聞きたいことをわかってない。そんなわけで荒れ放題。

 私は早々に退散したけど、ありゃあ企画大失敗の巻だ。もともと映画を見ようと思ってた人も見る気が失せるんでわ?

 監督がホントに参加してたかすらもあやしいなあ。

《10月8日(日)》

 PUFFYの新曲はいいねえ。なごむねえ。

 今日は久しぶりに京都へ行って来ましたよ。

 なんつうか、京都は落ち着くんだなあ。好きだなあ、おれは。まあ長年住んでたせいもあるんかもしれんけど、気持ちがいいんだよ。

 降水確率が80%らしかったんだけど、ほとんど降られずにすんでよかっただす。

《10月9日(月)》

 うわああ、うわああ、えぐい。

 今さらだが、関西のドコモショップにて配布されてる、モペラSETUP用CD-ROMを入手。

 モペラなんてやってないんだけどね。壁紙やらスクリーンセイバーやらが目的なんだけどね。いいだすなあ本上さんわ〜。

さて

 映画「五条霊戦記 GOJOE」をみてきましたよ。タダ券があったことだし。しかし、公開3日目の祝日の昼間というのに、客の入りは半分ほど。うーん、普通の人は石井聰亙監督の名前なんて知らないかあ。浅野&長瀬でもなかなかに厳しいのねえ。

 なんとも評価が難しい映画だけど、結構楽しめた。映像もかっこよかったしね。

 んでもアクションシーンがほとんど手持ちカメラでの激ぶれ映像ばっかりってのにはちと閉口。ほとんど何が起こってるかわからん。まあ、そういう混乱のなかで一瞬みえる浅野忠信の冷たい顔とかは印象に残るんだけどね。

 でも同じパターンばっかりつうのはなあ。酔うし。

 ひとつ展開上でよくわからんところがあったんで、映画を見た方は以下反転してくだされ。そして教えて下され。

 >鉄吉らがたむろしていた集落(?)に自ら火をつけたあと、平家(?)の武士に襲われてたけど、その理由がよくわからん。なんで?

 そうそう、プロレスラーの船木誠勝が出てるんですけど、案外よかったなあ。最初、彼が出ると聞いたときは、世界観が壊れるんではとか思ってたけど。

 まあ、演じてるキャラが割と単純なものだったし、セリフもほとんどが怒鳴り系なんでごまかせたってのもあるのだろうけど。

 プロレスラーの演技つうたら、Vシネの武藤を基準にしてしまうって自分にも問題があるのだろうけど。

《10月10日(火)》

 例のGIZAから出た、椎名林檎もどきの吉田知加。でも、シングルを聴いた限りでは、林檎フォロワーとしては矢井田瞳の方が優秀かね。先達をわかりやすく解釈するという意味で。

 って、林檎がそこまでオリジナルかといわれれば、難しいとこだけども。

 とゆーわけで、最近読んだ本の感想。

高木彬光『誘拐』(角川文庫)

◇あらすじ◇
 ―――ただ勝つ。誘拐に成功する。そして、莫大な金を手に入れる。それしかおれには必要がない……。

 あらゆる犯罪の中で、最も残忍で冷酷非情な無抵抗な子供の誘拐・殺人。だが、この犯罪には失敗せざるを得ない“決定的瞬間”がある。犯人が身代金を受け取るために、必ず姿を現さなければならないからだ。完全犯罪は不可能だろうか?

 息づまるサスペンスと鮮やかなドンデン返し、<誘拐>もの推理小説の最高傑作!

(カバーより)


 雑誌連載開始は昭和36年。それだけ古い作品ではあるんで、さすがに古さは感じさせるんだけど、物語の筋自体はしっかりかっちり骨太なんで、今読んでも充分読み応えがあったのです。

 「身代金受け渡し」が誘拐もののポイントになるわけですけど、やはりこの作品でもひねった展開になってます。古い時代の作品なのに、変化球なんだよなあ。

 誘拐を題材にしたミステリはライトなコメディタッチのものが多いと思うんですけど、この作品は事件の陰惨な面もしっかり描いてますね。『誘拐』というシンプルなタイトルにふさわしい。


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