大白法

平成20年4月1日号


主な記事

<1〜4面>

<5〜8面>


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法華講連合会春季総登山会・第45回総会

全国から2万6千余名がご登山


「躍進の年」の春季総登山会が、3月29・30日の2日間にわたって行われ、一泊・日帰り合わせて2万6千余名が総本山に参詣した。

春季総登山会第1日目の3月29日、午前8時頃より一泊登山者が、ほぼ満開となってきた桜花に迎えられて着山した。

午前11時より、法華講総講頭の辞令授与式が、総本山対面所において御目通りの砌に行われた。このたびの辞令授与式は総講頭の任期満了(5年)にあたり、法華講連合会委員長の柳沢喜惣次氏が再任されたことに伴い行われたものである。

午後1時から、奉安堂での御開扉に臨み、御法主日如上人猊下の大導師のもと、本門戒壇の大御本尊様の御内拝をさせていただいた。

また、午後2時半からは大書院において、御法主上人猊下御臨席のもと、法華講講頭会が行われた。講頭会には、法華講本部指導教師の総監・八木日照御尊能化、庶務部長・阿部信彰御尊師、教学部長・水島公正御尊師をはじめ、総講頭・柳沢講頭会会長、石毛同副会長・永井・渡辺・石渡・河原・大草の各大講頭、各支部講頭(代理を含む)計568名が出席した。

登山者は各宿坊で勤行、夕食のあと、御法主上人猊下の御講義の受講のため客殿に移動した。今回は『如説修行抄』(御書672ページ8行目〜673ページ5行目)の御文について、約1時間にわたり甚深の御講義を賜った。

翌30日は、午前2時半から客殿での丑寅勤行に参加した。午前6時半から宿坊での勤行、朝食を済ませ、法華講連合会第45回総会に参加のため、各会場へ移動した。また、早朝から日帰り登山者のバスが着山し始めた。

一方、各地方部13隊の鼓笛隊が、午前8時15分よりパレードを開始。客殿前より塔中参道を通り、広布の広場を通って総門前に向かって元気一杯に行進し、演奏を披露した。その後鼓笛隊は、総会会場のうち広布坊、客殿、大講堂、常来坊、総二坊に数隊ずつ分散し、入場する登山者を力強い演奏で出迎え、登山者から盛んな拍手を浴びた。

主会場の広布坊内では、ブラスバンドと昨夏の全国鼓笛隊コンクールで最優秀賞となった西中国地方部鼓笛隊が演奏を披露。総会は他にも各宿坊も会場となり、主会場の映像が同時中継で全会場に届けられた。

定刻の午前10時、御法主上人猊下がお出ましあそばされると、開会が宣せられた。はじめにブラスバンドの演奏で「大法流布の時来たる」を合唱した。秋田地方部・妙華寺支部のKさん、北近畿地方部・平安寺支部のAさんの体験発表に続いて、西岡悟副青年部長、石毛副委員長が決意を述べた。

ここで御法主上人猊下より御言葉を賜った。(詳細

この後、柳沢委員長が挨拶で、『立正安国論』の正義を全世界に向かって高らかに顕揚する自らの因縁を一人ひとりが自覚し、僧俗一致、強固なる団結をもって「躍進の年」にふさわしい本年を、ただ今の御法主上人猊下の御指南を心肝に染め、大折伏戦に力一杯、励んでいこうと呼びかけた。最後に「広布に生きる」を全員で合唱し、総会は終了した。

30日は総会をはさんで計6回にわたって御開扉が行われ、登山者は順次下山の途についた。



御法主日如上人猊下御言葉

法華講連合会第45回総会の砌
平成20年3月30日 於 総本山広布坊


 本日は、法華講連合会第45回総会が、ここ総本山において盛大に開催され、まことにおめでとうございます。また、本日は御隠尊日顕上人猊下の御臨席を仰ぎ、まことに有り難く、謹んで厚く御礼を申し上げます。


 さて、既に皆様には御承知のとおり、今、宗門はいよいよ明年に迫った『立正安国論』正義顕揚750年の大佳節へ向けて、僧俗一致、異体同心して力強く大前進をしております。特に、本年は大佳節の前年に当たるところから「プレ大会」として、全国4カ所において「地涌倍増大結集推進決起大会」を開催することになり、既に2月3日には京セラドーム大阪において「西日本大会」が行われ、続いて、2月24日には北九州メディアドームにおいて「九州大会」が開催され」いずれも大成功裡に行うことができました。

 西日本大会においては、当日は雪混じりの悪天候のため、交通機関に支障を来したにもかかわらず、四国をはじめ鳥取、島根、静岡など西日本各地から3万3017名の同志が結集し、歓喜のなか、熱気にあふれたすばらしい大会を開催することができました。

 また、九州大会では、結集目標を大きく突破して、1万1038名の方が、遠くは石垣島、宮古島をはじめ九州各地から馳せ参じ、これまたすばらしい大会を開催することができました。特に、九州大会の場合、参加したすべての布教区が結集目標を上回り、全体で110.4%の結集結果を出したことは、まさしく完全勝利と言ってもよいと思います。これもひとえに、各支部法華講の同志が指導教師、講頭のもとに僧俗一致、異体同心、一致団結して大会に臨んでこられた結果であります。

 また、両大会ともに、運営委員長をはじめ運営委員の方々、ならびに忙しいなかを貴重な時間を割き、諸事万端にわたり開催準備に当たってこられた多くの方々、また当日の案内・整理・誘導・受付・警備等に携わった多くのスタッフの方々が、文字どおり一致団結して大会の成功を目指して取り組んでこられた努力のお陰であります。

 また、パフォーマンスの部に出演され、すばらしい演奏や演技、合唱を披露された少年部、青年部、婦人部の方々、またその準備に当たられた多くの方々。今日ここにお集まりのなかにも、西日本大会あるいは九州大会に参加された方々も多いことと思いますが、改めて大成功をお祝い申し上げるとともに、どうぞこの感激を忘れず、これからの闘いに全力を傾注して、その成果を表していただきたいと思います。


 一方、海外におきましても、1月20日には海外における最初の決起大会として、ブラジルにおいて決起大会が開かれ、続いて2月17日にはアフリカのガーナにおいて、アフリカ全土から2,275名の同志が集い、盛大に決起大会が行われ、さらに今月16日にはシンガポールにおいて決起大会が開催され、いずれも大成功裡に行うことができました。

 シンガポールの決起大会には私も参加させていただきましたが、3,178名ものメンバーが参加し、パフォーマンスの部、大会の部ともに、内容的にもまことにすばらしい大会でありました。特に、このシンガポールの場合、結集率も高く、実に所属信徒全体の68%の方々が決起大会に参加されたことになり、それは驚くほどの高い結集率であります。実はこうした高い結集率も、普段から御講や広布唱題会等において参加率の推進を図り、闘ってきた結果であります。したがってまた、折伏も常に誓願目標を達成され、大きな成果を上げております。今後も、この決起大会を機に、さらに一段と折伏も進み、必ずや「地涌倍増」の御命題にお応えしていくものと、大いに期待しているところであります。

 このように、今、宗門は国の内外を問わず、平成21年の御命題達成を目指して、世界各所で決起大会を開き、一人ひとりが歓喜に燃えて力強く前進をしております。


 そもそも、この決起大会開催の目的は、明年の大佳節における御命題、「地涌倍増」と「大結集」、そして「記念総登山」の達成を期して行われるものであり、決起大会と名付けた意義もそこにあるのであります。したがって、決起大会後の闘い、すなわち御命題達成へ向けてのこれからの闘いが極めて大事なのであります。

 これは、お正月以来申し上げていることでありますが、本年「躍進の年」の最大の課題は、まず第一に、全国4カ所で行われる決起大会を完全勝利すること。次に、本年度の誓願は全支部ともに必ず達成することであります。決起大会については、既に西日本大会と九州大会は、先程申し上げましたとおり、大成功裡に行うことができました。

 残りは「北海道大会」と「東日本大会」でありますが、両大会ともに、今、着々と準備に入っております。特に北海道大会は、当初の予定を大きく上回り、150%以上の参加が予想されるところから、会場も一回り大きな「真駒内セキスイハイムアイスアリーナ」に変更して行うことになっております。もちろん油断をしてはいけませんが、おそらく両大会ともに、必ずや大勝利に終わるものと堅く確信をしております。


 あとはその後の闘い、すなわち各支部ともに本年度の誓願、なかんずく折伏目標を必ず達成することであります。

 かの有名な上杉鷹山の言葉に、「為せば成る/為さぬば成らぬ/何事も/成らぬは人の/為さぬなりけり」というのがあります。人間、その気になれば何事も、できないことはないということであります。できないのは、していないから、やっていないからであると言っているのであります。確かにそのとおりでありまして、折伏目標を達成している支部の特徴は、なにしろ動いている。とにかく、一人ひとりが信念と目的を持って動いているということであります。

 大聖人は「石虎将軍」の「大石を虎と見誤って一心に矢を射ったところ、立つはずのない大石に矢が刺さった」という故事を挙げられ、「心を込めてやれば、できないことはない」と、一念心をもって事に当たれば必ず成就すると仰せであります。また、「法華経の行者の祈りのかなはぬ事はあるべからず」(御書630ページ)とも仰せであります。

 まさしく、この御金言を心から信じ、また自分自身が広布に生きる最高の境界に立って闘っていることを自覚し、大御本尊様への絶対の確信を持って、固い決意のもと一天広布を目指して、一意専心、死身弘法の闘いを果敢に実践窮行していくならば、必ず諸天善神も来たりて守り給うことは間違いなく、願いは必ずかなうことは疑いないのであります。

 ただし、「叶ひ叶はぬは御信心により候べし」(御書1519ページ)と仰せの如く、あくまでも、かない、かなわぬは信心の厚薄によることも、また必然であります。


 今日、日本乃至世界の情勢を見ると、国外では内戦・テロ・暴動が勃発し、日本では最近の悲惨な無差別殺人事件に見るように、人心が極度に乱れ、ますます混迷の度合いを深め、解決の糸口も見いだせずに、なす術もなく、混沌として、ただ喧噪(けんそう)を繰り返しているだけなのが現状であります。

 では一体、これら混乱と苦悩と不幸の原因はどこにあるのか。大聖人は『立正安国論』において、全ての混乱と苦悩と不幸の原因は、間違った考え、間違った思想、間違った教えにあると仰せられているのであります。間違った教えほど恐ろしいものはありません。

 先日、ある新聞に、長野県のスキー場で、引率講師の指示に従って立ち入り禁止区域に入った女子大学生2人が雪崩に巻き込まれて死亡した事件について、引率した講師が「雪面整備のための一時閉鎖だと勝手に解釈してしまった」と記者会見で語っている、という記事を見ました。また、この記事のなかで「雪崩で死亡事故につながった要因の大半は、人間の知識や判断力の欠如など、いわゆる『ヒューマン・ファクタ』によるものである」とも言っておりました。

 この記事にあるように、一人の人間の間違った判断や間違った解釈、認識がどれほど恐ろしい結果を招くか。まして、世間のことでさえかくの如くでありますから、人間の幸・不幸を決定的に左右する最も大事な信仰においては、けっして間違いがあってはならないのであります。信仰における間違いは、誹謗正法、すなわち大謗法になるからであります。

 故に大聖人は『阿仏房尼御前御返事』に、「少しも謗法不信のとが侯はゞ、無間大城疑ひなかるべし」(御書906ページ)と厳しく仰せであります。恐るべきは謗法であり、この謗法を破折し、正法正義を立てて、真の幸せを確立していくための破邪顕正の異体的実践行動こそが折伏行であります。

 世間では、仏様が説かれた教えをなんでも構わず修行するのが信仰者としての姿であるかのように思われておりますが、実はそうではなくして、実には、御本仏大聖人の御正意である法華本門寿量品の肝心たる南無妙法蓮華経の大御本尊だけを信じて、他の諸経を破折していくのが、末法における自行化他にわたる正しい信仰の姿勢であります。

 なかんずく、末法は法華折伏の時であり、正しい大聖人の仏法に対して、池田創価学会の如き邪義邪宗が敵となって広宣流布を妨げようとする時には、正しい仏法の立場から、これら池田創価学会をはじめ邪義邪宗を破折し、折伏をしていかなければならないのであります。故に、大聖人様は、「相構へて相構へて、力あらん程は謗法をば攻めさせ給ふべし」(御書907ページ)と仰せられているのであります。

 本年「躍進の年」は、文字どおり一人ひとりが大躍進を遂げ、折伏を行ずる年であります。決起大会が開かれたのもそのためであり、まず決起大会を完全勝利し、その勢いをもって、各支部ともに、本年度に立てた誓願は必ず達成することが、今、我らに課せられた最も大事な使命であることを自覚し、今日を契機にさらに一段と決意を固め、異体同心、一致団結して、誓願達成へ向けて大躍進されますよう心から念じ、本日の挨拶といたします。



○決意 法華講連合会副青年部長・西岡悟

皆さん、こんにちは。「躍進の年」の総会に当たり、決意を申し述べさせていただきます。

既にご承知の通り、西日本・九州の両プレ大会が大勝利をもって開催されました。このプレ大会に向け、昼夜を問わず信行に励まれた青年の皆さんと接したとき、その感動の言葉には、今までにない僧俗一致の闘いに感謝する思いと、法華講団結の力に自信を深めた晴れ晴れしさを感じました。

今まさに、御法主日如上人猊下の驥尾に附して、御法主上人猊下・御隠尊上人猊下の御もとに参集させていただくプレ大会は、参集する法華講員一人ひとりが、地滴の菩薩の眷属たる自覚に目覚めさせていただく時と、強く感じるものであります。

さて、世間に目を向ければ、我が国は、人類史上例のない急速なる高齢化社会への道を歩んでおります。しかし、国民の多くが自らの未来に対し行政頼みであるが故に、年金・福祉等のどの分野においても、今まさに大きな失望感を抱き始めました。さらに、先日のニュースでは、独り暮らし世帯が1,470万世帯を超え、全世帯に占める割合が最多となったことが報じられました。人間関係はますます希薄になるばかりの世相であります。

青年の抱える現状も深刻です。未来に希望を抱くはずの青年たちは、その将来の手本となるべき尊敬できる姿を見失い、社会に対してやり場のない不信感を抱き始めたのではないでしょうか。将来の希望を失った青年は、社会から逃避して孤立するか、自暴自棄となって開き直るか、または根拠のない夢を追い続けるかのいずれかであります。人間関係から逃避して孤独となり、ゲームやインターネットの世界で心を病む青年の問題は深刻です。また、たとえ「勝ち組」と言われる者たちであっても、その末路は、世間を騒がしたベンチャー企業の若きリーダーのごとくであり、わずかばかりの力があったとしても、自己中心的な自我に任せた努力は、五欲の追求に終始し、結局は三悪道に堕ちるのであります。

御法主日如上人猊下の御指南「妙法を離れた名聞も名利もわずか一時の栄華であり、三世にわたる真の幸せとはほど遠い幻想に過ぎないのであります」(大白法733号)とございます。

青年期は、誰しもがその一生がかかっている大事な時だからこそ、より多くの悩み苦しみが迫ってまいります。しかし、誰しもがこの苦しみに対する客観的な認識を持つことができず、苦しみの解決のために、さらに苦しみを増長させているのが現実です。我々の周りの緑ある、信心をしていない人々は、誰一人としてこれに漏れることはないのです。

ただし、我々は、有り難くも教わります。それは、「自分のことはさて置き、他人を救う。そこに初めて我が身が救われる」という信心であります。御住職様の御指導通りに正直に実践することによって我々は、あらゆる人やものに対する見方が変わって、ゆとりを持って正しく見、解決することができます。そして、この功徳を縁ある人に語り、共に幸せになっていくことが折伏であります。三世を通じて考えてみれば、その人でしか救えない、その人でしか相手の命に飛び込めないことがあります。その人こそが、我々一人ひとりであります。

私は、今こそ、この人間関係が希薄な社会において、法華講員としての誇りを持って、人と人との間にその因縁を感じて、己の一念心を奮い起こす決意であります。その一瞬の一念心こそが、自分の人生に対する価値観の表れのすべてであって、もし、そこに志があるのならば、その一念心こそがまさに信心であると確信し、自身が直面する使命を全うする決意であります。

大聖人様仰せの、「全く身の為に之を申さず。神の為、君の為、国の為、一切衆生の為に言上せしむるの処、件の如し」(御書374ページ)との御金言を拝し奉り、広宣流布のためにご参集された皆様方と共に、お互いを尊敬し合い、助け合い、力を合わせて、さらなる団結による前進をお誓いし、決意発表に代えさせていただきます。





広布山開妙寺山号院号公称 並びに 板御本尊入仏法要

記念シンガポール地涌倍増決起大会も盛大に開催


3月15日、シンガポール・開妙院の山号院号公称並びに板御本尊入仏法要が厳粛に奉修、翌16日には地涌倍増決起大会が盛大に挙行された。これらの行事にお出ましあそばされるため、御法主日如上人猊下には、第2回目の海外御親修として3月14日から17日までの日程でシンガポールに御下向あそばされた。

また、総監・八木日照御尊能化、海外部長・漆畑行雄御尊師、大石寺理事・小川只道御尊師、同理事補・小林道剛御尊師が随行し、来賓として常在寺住職・細井珪道御尊師をはじめ有縁の御僧侶・寺族が日本及びアジア各国からご出席され、来賓信徒として法華講連合会の大原庶務部長・井手企画部長が、さらに台湾・マレーシア・インドネシア・インドをはじめアジア諸国から30名余が参列すると共に、現地信徒多数が出席した。


決起大会


広布山開妙院山号院号公称並びに板御本尊入仏法要

御法主上人猊下御一行は、14日に成田国際空港を御出発され、前日までの荒天が一転して清々しい天候となったシンガポール・チャンギ国際空港に御到着あそばされた。

翌15日、シンガポールの中心地より東部に位置する地下鉄アルジュニード駅から徒歩5分という交通至便な市街地の中にある開妙院には、この日を待ちわびた現地信徒720名余をはじめとする僧俗一同がお待ち申し上げる中、午後1時15分、御法主上人猊下には御機嫌麗しく御到着あそばされると、少年部員による花束の贈呈を受けられ、次いで山号額の除幕を執り行われた。その後、開妙院主管・滝川信雅御尊師、来賓御僧侶、在勤の御僧侶、来賓信徒、シンガポール信徒代表、寺族の順に御目通りが許された。

午後2時、御法主上人猊下大導師のもと法要が開始され、滝川主管による御本尊御開扉、八木総監による献膳の儀に続き、読経、慶讃文奉読、唱題と奉修された。この後、御法主上人猊下より御言葉を賜った。

引き続き式の部に移り、はじめに現地の布教母体法人である「日蓮正宗仏教会(シンガポール)」のルック・ヒップメン理事が経過報告を行った。次いで宗務院を代表して八木総監、漆畑海外部長より祝辞があり、最後に滝川主管より日本語と英語の2カ国語で丁重な謝辞が述べられ、法要はとどこおりなく終了した。

この後、御法主上人猊下には開妙院正面玄関前において「夾竹桃(きょうちくとう)」の御手植えに臨まれた。本堂において記念撮影が行われたあと、午後5時15分、多数の僧俗がお見送り申し上げる中、御法主上人猊下は開妙院をお発ちあそばされた。

開妙院は鉄骨4階建て屋上付で、1階に受付、2階に80坪の本堂(700名収容)、3階に46坪の客殿(400名収容)、そして4階には法人事務所と庫裡があり、エレベーターやテレビ中継機器など設備も充実している。


本堂


広布山開妙院公称記念シンガポール地涌倍増決起大会

翌16日、御法主上人猊下御臨席のもと「広布山開妙院公称記念シンガポール地涌倍増決起大会」が、前日の法要に出席された御僧侶方・来賓信徒をはじめ、結集目標を大きく上回る3,178名の信徒がシンガボール全土から参集して、盛大に開催された。

2002(平成14)年に地涌倍増の御命題が下された時、シンガポールでは「2009年に5千名信徒達成」の誓願目標を掲げた。その後、毎年着実に成果を挙げてきているが、今回の決起大会は、あと一歩まで迫ったこの誓願目標の完遂のため、また日本で行われている地涌倍増大結集推進決起大会に呼応して開催されたものである。

御法主上人猊下は午前10時15分に、会場となったシンガポール・エキスポに御到着され、はじめに会場内の「シンガポール広宣流布」と題された同国布教の沿革の展示を御観覧された。

決起大会は、11時に開会が宣言され、御法主上人猊下大導師のもと、舞台上段に設えられた祭壇に奉掲された御本尊に向かい、読経・唱題が行われた。

式の部に移り、御法主上人猊下並びに来賓が舞台上に御着席。はじめに支部役員のシャー・ケンヒャン氏が歓迎の挨拶を述べた。続いて、八木総監、漆畑海外部長よりそれぞれ挨拶が述べられ、日本からの来賓信徒を代表し井手連合会企画部長が挨拶を述べた。

ここで御法主上人猊下より御言葉を賜った。(詳細

引き続き、少年部・青年部の代表が決意発表を行い、決意文を御法主上人猊下に奉呈申し上げた。さらに、法人役員・信徒代表・支部長10名による「永遠の誓(ちかい)」の際には、会場に結集したシンガポール信徒全員が起立し、明年の大佳節に向けて@5千名の信徒達成による地涌倍増、A2千5百名の登山をもって大結集を等の7項目を御法主上人猊下にお誓い申し上げた。最後に滝川開妙院主管より丁重な謝辞と決意が述べられた。そして総会の締めくくりとして、会場の全員が一体となっての「地涌讃徳」の大合唱をもって第1部が閉会となった。

小憩の後、第2部(パフォーマンス)では、バラバラになってしまった家族が心を一つにして法統相続・広宣流布に立ち上がる内容のミュージカルが、中国楽器の演奏や映像を交えて約90分にわたって繰り広げられた。終演後、出演した信徒に惜しみない拍手を送られていた御法主上人猊下は、会場の参加者の大きな拍手の中、笑顔で御退場あそばされ、決起大会は大成功裡に終了した。

この日の午後7時からは、市内のホテルにて御法主上人猊下御臨席のもと祝賀会が催された。翌17日、すべての行事を終えられた御法主上人猊下御一行は、シンガポール・チャンギ国際空港を発たれ、御機嫌麗しく御帰国あそばされた。堅固な布教基盤が築かれたことにより実現したこのたびの御親修を契機に、さらなる躍進が期待される。


御法主日如上人猊下御言葉

広布山開妙院公称記念シンガポール地涌倍増決起大会の砌
平成20年3月16日 於 シンガポール共和国


 本日は「広布山開妙院公称記念シンガポール地涌倍増決起大会」が、御信徒多数の出席を得て、このように盛大に執り行われ、まことにおめでとうございます。

 平成3年、1991年、それまでSGI(創価学会インタナショナル)へ一任していた海外布教の在り方を改め、宗門主導による本来の海外布教の態勢に変えてから今日に至るまでの間、当シンガポールにおいては、様々な難関を乗り越え、法華講組織の統一、法人設立、寺院建立、板御本尊入仏法要奉修等を目指して、僧俗が一体となって取り組んでこられた結果、このたび、めでたくこれらの所願を達成し、まず昨日は「広布山開妙院山号院号公称ならびに板御本尊入仏法要」が盛大に執り行われ、続いて、本日は「広布山開妙院公称記念シンガポール地涌倍増決起大会」が、かくも盛大に開催されましたことは、皆様方にとってこれほどの喜びはないものと、心からお祝いを申し上げるものであります。まことにおめでとうございます。

 また、このことは、世界を含む宗門全体にとっても、まことに喜びに堪えないところであり、これを機に、これからのシンガポール広布のさらなる興隆発展を衷心よりお祈り申し上げるものであります。


 今、本宗僧俗は国の内外を問わず、僧俗一致、異体同心、一致団結して、来たるべき明年の『立正安国論』正義顕揚750年の御命題、「地涌倍増」と「大結集」の達成へ向けて、一歩一歩、力強く前進をしております。

 日本におきましては、去る2月3日、京セラドーム大阪において「地涌倍増大結集推進西日本決起大会」が、悪天候のなかにもかかわらず、3万3017名の法華講の同志が結集して盛大に開催され、さらに2月24日には「九州決起大会」が北九州メディアドームにおいて、1万1038名の結集のもとに盛大に開催されました。これは、日本全国4カ所で行われる「地涌倍増大結集推進決起大会」のうち、「西日本大会」「九州大会」として行われたもので、こののち、4月には「北海道大会」が、6月には「東日本大会」が行われる予定であります。

 それに呼応するように、本日ここシンガポールにおいて「地涌倍増決起大会」が盛大に開催されましたことはまことにめでたく、まさに時を得たすばらしい開催であり、双方が共に世界広布を目指して大活躍されることを心から願うものであります。


御言葉


 さて、大聖人様は『観心本尊抄』に、「釈尊の因行果徳の二法は妙法蓮華経の五字に具足す。我等比の五字を受持すれば、自然に彼の因果の功徳を譲り与へたまふ」(御書653ページ)と仰せであります。

 「釈尊の因行果徳の二法は妙法蓮華経の五字に具足す」とは、釈尊が仏に成るために数えきれぬほどの長期間にわたり積み重ねてきたあらゆる修行、すなわち「因行」と、成仏したことによって具わる万徳、すなわち「果徳」の二法は、ことごとく三大秘法の大御本尊に欠けることなく具わっているとの意であります。故に、この御本尊を受持信行していくならば、爾前権教の修行の如き歴劫修行を修することもなく、速やかに煩悩・業・苦の三道を法身・般若・解脱の三徳と転じ、仏の因行・果徳の大功徳を得ることができるのであります。

 故に、大聖人様は『聖愚問答抄』に、「比の妙法蓮華経を信仰し奉る一行に、功徳として来たらざる事なく、善根として動かざる事 なし」(同408ページ)と仰せられ、さらに『持妙法華問答抄』には、「されば持たるゝ法だに第一ならば、持つ人随って第一なるべし」(同298ページ)と仰せられているのであります。

 すなわち、一閻浮提第一の大御本尊を持ち奉る者は、計り知れないその広大無辺なる功徳によって、必ず一閻浮提第一の人となることができると仰せられているのであります。一閻浮提第一の人とは、我々の生活に即して言えば、この信心によって何ものにも崩れることのない安穏にして絶対の境界と自在の境地を築き、いかなる苦難も苦悩も乗りきる勇気と智慧を得ることであります。まさしく大御本尊に具わる広大無辺なる功徳によるところであります。

 されば、この大御本尊に対する絶対の確信のもとに、いよいよ『立正安国論』正義顕揚750年の大佳節まであと一年と迫った今こそ、一人ひとりが自らの成仏はもとより、真の世界平和実現と全人類の幸せを願って、一切衆生救済の慈悲行である折伏を行じ、もって地涌倍増の御命題にお応えしていくことが、今、なすべき最も大事なことであると存ずるのであります。

 どうぞ、シンガポールの皆様には、今日の記念すべき日を契機に、さらに一段と異体同心の団結を図り、勇猛精進くださることを心から願うとともに、開妙院主管・滝川信雅師をはじめ皆様方のいよいよの御健勝を心からお祈り申し上げ、本日の挨拶といたします。



○開妙院入仏法要より 祝辞 総監・八木日照御尊能化

一言お祝辞を申し述べさせていただきます。本日は当広布山開妙院の山号院号公称並びに板御本尊入仏法要が、はるばる御下向の総本山第68世御法主日如上人猊下の大導師のもと盛大に奉修されまして、まことにおめでとうございます。当開妙院主管・滝川信雅師はじめ、今日に至るまで寺院創設に尽力してこられた法人理事の方々並びに地元ご信徒の方々、また本日ご参集のシンガポールのご信徒の皆様に、心よりお祝い申し上げます。

1991年、それまでSGI(創価学会インタナショナル)に一任していた海外布教を宗門の手に取り戻し、日蓮正宗が直接担当、推進を図るようになってから18年が経過しました。この間、世界各国の日蓮正宗寺院と同様、当地シンガポールにおきましても、種々の困難がありましたが、滝川主管のもと僧俗一体となって、ひたすら布教の推進と新寺院建立をめざして一つひとつの問題に対処し、遂に2005年、待望の移転新築を成就いたしました。

特に滝川主管は、シンガポール担当責任者としての責任を果たすべく永住権の取得を願い出で、最初に申請してから10年の歳月を経て2006年、ようやくご家族共々に念願の永住権を取得されたと伺いました。この間、私たちには伺い知ることのできない種々のご苦労があったことと推察し、心からそのご苦労に対し敬意を表するものであります。

しかし、その努力が報われて、永住権の取得に並行して寺院建立のための条件が徐々に整い、遂に昨2007年、最後の条件であった滝川主管の法人会長就任が役員会議での推戴で実現し、ここにすべての条件が整い、今日の盛儀を迎えることとなった次第であります。

これからは今までの開妙布教所から日蓮正宗開妙院として正式に日蓮正宗の寺院となり、総本山大石寺の末寺となりました。どうか当地シンガポールの皆さんの強い信心と法統相続で、当開妙院をしっかりと外護し、正法の灯を未来に向けて、さらに大きく赤々と点(とも)し続けていただきたいと願います。


日蓮大聖人様は『華果成就御書』に、「たとへば根深きときんば枝葉枯れず、源に水あれば流れ乾かず。火はたきゞ欠くれは絶へぬ。草木は大地なくして生長する事あるべからず」(御書1235ページ)と説かれています。

今後、開妙院はシンガポールの日蓮正宗のご信徒にとって、大木の根のように、滔々と流れる大河の水源のように、また草木を成長させる大地のように、常に皆様の信心を励まし、成長させてくれる信心の道場として、大きな意義を発揮してくれることと思います。

本日、この盛儀を迎えたシンガポールのご信徒の皆さん、まずは明年の『立正安国論』正義顕揚750年の「地涌倍増」と「大結集」に向けて、さらには未来の広布に向けて、本日を契機に一層のご精進をお願いいたします。

終わりに皆様のご健勝とご活躍、当開妙院の発展とシンガポール共和国のますますのご繁栄を心よりお祈りし、宗務院を代表しての祝辞といたします。本日はまことにおめでとうございました。



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