大白法

平成20年5月16日号


主な記事

<1〜5面>

<6〜8面>


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立正安国論正義顕揚750年 地涌倍増大結集推進
北海道決起大会に6006名結集で勇躍前進


4月29日、御法主日如上人猊下・御隠尊日顕上人猊下をお迎えして、待望の地涌倍増大結集推進北海道決起大会が、札幌市南区の真駒内セキスイハイムアイスアリーナで開催された。

桜花爛漫で迎えたこの日、北海道全道の三布教区の僧俗6,006名が一望に会したこの決起大会には、立正安国論正義顕揚750年記念局委員長の総監・八木日照御尊能化、同副委員長の重役・藤本日潤御尊能化をはじめ、宗務院各部の部長・副部長、北海道決起大会運営委員長の藤原広行御尊師、同運営副委員長の杉広哲御尊師、運営委員である各布教区の支院長他をはじめとする当該布教区全寺院の御僧侶方、また記念局副委員長の法華講総講頭・柳沢委員長、同委員の石毛副委員長、北海道決起大会運営委員である当該地方部の地方部長、各支部信徒が参加した。

御法主日如上人猊下、御隠尊日顕上人猊下がお揃いで北海道へ御下向くださる――その感激が、決起大会参加推進の原動力となった。やがて啓蒙が進むにつれ、この北海道決起大会を必ずや明年の大結集へ、総登山へ、そして地涌倍増へ繋げていく、この機を逃してなるものかとの強い意志となって、さらに全道において啓蒙に拍車がかかった。結果として、当初4千名の目標は3月中旬に6千名に設定し直され、会場も真駒内セキスイハイムアイスアリーナへ変更となった。そして迎えた4月29日、爽やかな好天に、札幌の桜はこの日に合わせたかのように見頃となった。

第一部出演者等の集合時間の午前8時半、列を作って並んでいた関係者が一斉に入場し、それぞれの控え室等に向かった。一般参加者を乗せた全道から91台のバスが、ここ真駒内他、周辺数カ所の駐車場をめざしてひた走ってきた。また自家用車や最寄り駅からのシャトルバスで会場に到着した参加者が入り口に並び始めたため、10時の入場開始を繰り上げ9時半に入場開始。その後も続々と到着した。


会場内

第一部

定刻の午後0時40分、来賓御僧侶・指導教師の御僧侶方・来賓信徒、そして参加者一同がお待ち申し上げる場内へ、御法主日如上人猊下・御隠尊日顕上人猊下が盛大な拍手の中、お姿を現された。花束の贈呈を受けられた両上人猊下が御着席あそばされると、司会より第一部の開会が宣言された。

はじめに、法華講連合会ブラスバンドに地元札幌の日正寺支部のメンバーも加わり2曲を演奏。一曲目の「祝典と栄光」には、女子部8名のフラッグ隊もキビキビと演技を行った。続いて、この日のために特別に編成した、北海道三地方部合同の鼓笛隊96名と、ポンポン隊96名が「ラデッキー行進曲」「唱えてゆこう妙法を」を披露した。演奏を終えた後、全員で声を揃え、「勇気・正直・正義の心を強く持ち、猊下様の御指南を実践し、友達をたくさん折伏してまいります」と、未来広布への決意の言葉を元気一杯に述べた。

この後、11名からなる和太鼓演奏、途中より83名の踊り手が加わっての勇壮な「北海ソーラン」の演舞となった。また、273名からなる「すずらん女声合唱団」が、「手のひらを太陽に」「365歩のマーチ」の2曲を清々しく歌い上げた。

最後は、「唱えてゆこう妙法を」をブラスバンドの演奏、コーラスの歌で合唱。ポンポン隊の演技、そして壇上では鼓笛隊員が肩を組んで一般参加者と共に大合唱となった。合唱の最中、約40個の大きな風船が2階席から前へ前へと送られた。フラッグ隊が「地涌倍増大結集!」を一文字ずつ書いた風船を手に舞台の上に現れ、合唱終了と同時にキャノン砲から勢いよく銀テープが撃ち出され、第1部の終了となった。ここで両上人猊下が御退場あそばされ、休憩となった。


第一部

第二部

第二部は、舞台に御僧侶・来賓信徒が並び場内の参加者がお待ち申し上げる中、両上人猊下が再び御入場あそばされ、午後2時、開会宣言をもって開始となった。

はじめに「大法流布の時来たる」を、ブラスバンドの演奏、正法寺支部男子部の指揮で合唱した。そして、北海道決起大会運営副委員長の千葉北海道第一地方部長が、開会挨拶を述べた。続いて仏見寺支部のTさんが、中学2年で入信してから幾度かの病という転機を唱題・ご登山・折伏によって乗り越えてきたこと、本年2月に自身、3月にはご主人が折伏を成就したことと、今後の決意を語った。

各部の代表による決意発表には、少年部代表の安立寺支部・A君、青年部を代表し日正寺支部・Gさん、婦人部を代表し仏見寺支部・若山さん(北海道第一地方部婦人部長)、そして壮年部代表として法眼院支部・橋場さん(北海道第三地方部壮年部長)が順に、力強い北海道広布の決意を披渡した。

激励には柳沢記念盾副委員長が立ち、「今大会は、明年の7万5千の大総会を大成功させるプレ大会である。日蓮大聖人様の唯一の正嫡である日蓮正宗は、血脈を正しく守ってきたところに、謗法厳誠の大聖人様の御化導が今日まで色も形も変わることなく存続してきているのである。そこに、信心の上に随順と報恩が大事である」と述べ、「自らの謗法を懺悔し、世界の恒久平和実現に向かって本日を契機に北海道法華講は僧俗一体となって各支部誓願完遂の御指南を果たし大躍進しよう」と結んだ。

挨拶に立たれた八木記念局委員長は、当初の目標4千名をはるかに上回る堂々6千名の結集に対し祝辞を述べられ、「世に蔓延る邪宗邪義を打ち破って不幸の元を断ち、末法適時の我が日蓮正宗の三大秘法を広く世間に流布していくことが我々の目下の大事な目標であり、その仏道修行の中にこそ一人ひとりの成仏の願い、社会・国家・世界の福祉安寧、すなわち一天四海広宣流布の大願成就の要諦が存する」と述べられた。

ここで御法主上人猊下より御言葉を賜った。御法主上人猊下は、御本仏日蓮大聖人が著された国家の折伏諌暁書たる『立正安国論』の概要を御教示され、「仏法においては依正不二の原理が説かれ、主体たる正報とその拠り所となる依報とが一体不二の関係にあることを明かされている。よって正報たる我ら衆生のあらゆる用きが、そのまま依報たる国土世間へ大きく影響を与えている」と仰せられ、今日のごとき混迷を極める惨状を救い真の解決を図るため、「一切衆生救済の慈悲行たる折伏を行ずるのが本宗僧俗の大事なる使命である」と甚深の御指南をあそばされた。

続いて藤原運営委員長が、信心即折伏と拝し、固い志で広宣流布を成し遂げていく力強い決意を述べ、「本日は両上人猊下に御来道賜ったが、明年は北海道の全法華講員が総本山に参詣するのである。もう一度がんばろう」と、明年の御命題達成への尽力を呼びかけられ、参加者は拍手で応えた。

最後に「広布に生きる」を、ブラスバンドの演奏、正隆寺支部婦人部の指揮で会場全体で合唱した。司会より、参加者が6千名を超えたとの結集結果が発表され、大会は大きな喜びに包まれ終了となった。両上人猊下が御退場あそばされ、次いで御僧侶方、来賓信徒が退場した後は、順次、参加者が退場し帰途に着いた。


ソーラン


■開会挨拶 運営副委員長 千葉等

畏れ多くも、御法主日如上人猊下、並びに御隠尊日顕上人猊下の御下向を仰ぎ奉り、『立正安国論』正義顕揚750年を明年に控えた本日、札幌の真駒内セキスイハイムアイスアリーナにおいて、地涌倍増大結集推進北海道決起大会を開催いたします。

北海道に、御法主上人猊下・御隠尊上人猊下をお迎えする喜びの中、指導教師の御指導のもと法華講員の歓喜と行動で、当初の目標の4千名を大幅に上回り、月寒アルファコートドームでは入りきれなくなりました。そのために、この会場に変更し、全道より6千余名という未曾有の大結集をすることができました。本日のこの壮挙こそ、北海道広布の橋頭堡(きょうとうほ)となって、御命題達成に弾みをつけることは明らかであります。

本年の「躍進の年」は、御法主上人猊下より「新年の辞」に、「御命題達成の鍵を握る極めて大事な年」との御指南を賜りました。この御指南は、私共に『立正安国論』正義顕揚の意義をどこまで深く自覚するか、そして覚悟に立った強い実践を促されたものと拝する次第であります。

今、法界は正しく地涌倍増を待望し、苦悩に喘ぐ諸人は正法を希求しています。今こそ北海道全支部は、本門戒壇の大御本尊様と御法主上人猊下のもとに、この決起大会の歓喜と感動の勢いをもって、僧俗和合・一致団結し竃明年の大佳節に向けて進取果敢なる折伏戦をもって御命題達成総仕上げの年を大勝利で飾ることをお誓い申し上げ、開会の挨拶といたします。



○決意 運営委員長 藤原広行御尊師

本日の地涌倍増大結集推進北海道決起大会開催に当たり、総本山第68世嗣法日如上人猊下には、御法務御繁忙の中を親しく御臨席賜り、ただ今は尊い御指南を賜りましたこと、大布教区僧俗一同、衷心より厚く御礼申し上げます。まことにありがとうございました。さらには、御隠尊日顕上人猊下には、長途にもかかわらずわざわざ御臨席・御上覧賜り、大布教区僧俗一同、衷心より厚く御礼申し上げます。まことにありがとうございました。

大聖人様は、「今日蓮が唱ふる所の題目は前代に異なり、自行化他に亘りて南無妙法蓮華経なり」(御書1594ページ)、「邪智・謗法の者の多き時は折伏を前とす、常不軽品のごとし」(同575ページ)の宣(のたま)われ、二祖日興上人は、「未だ広宣流布せざる間は身命を捨てゝ随力弘通を致すべき事」(同1884ページ)と遺誡あそばされました。この宗関両祖の御指南を惟(おもんみ)れば、宗門僧俗の信心とは、信心即折伏と拝すべきであります。

世の中の一切の不幸の原因は、元品の無明と邪宗教であることは申すまでもありません。日本は元より世界の至る所、苦悩に喘ぐ衆生が充満しております。故に、如何なる国にも正法を広宣流布して立正安国しなければ、衆生に真の幸せはないのであります。

本日の大会の目的は、御法主日如上人猊下御指南のもと、僧俗一致・異体同心の結束で明年の地涌倍増と精鋭7万5千結集大総会を大勝利で収め、一闇浮提広宣流布へ向かって決起することにあります。「志ある者は事竟(つい)に成る」と申します。「必ず、広宣流布するぞ」という固い信心の志を持って行動すれば、必ず達成できると確信するものであります。私たちの折伏の行業は、社会への大貢献であり、凡智では計り知れぬ大功徳として、一人ひとりの「今生人界の思い出」となり、人生の意義、これに勝るものはありません。

本日は、両上人猊下の御臨席を賜りました。明年は北海道の全法華講員が総本山に参詣するのであります。私たちは総本山に御安置まします独一本門戒壇の大御本尊御威光倍増して広大なる御利益を頂戴し、諸天善神の御加護の中、威風堂々と広宣流布に大前進することを決意するものであります。皆さん、いかがでしょうか!皆で、がんばりましょう。


会場内


◆体験発表 仏見寺信徒 Y.T.

皆さんこんにちは。御当代御法主日如上人猊下、御隠尊日顕上人猊下をお迎えしての本大会にて体験発表をさせていただけることを、最高の福運と感じております。

私は中学2年生の時に、43歳の若さで乳ガンで亡くなった母と一緒に礼文島で日蓮正宗に入信し、翌年父の転職で家族全員で札幌に移り住みました。その後、主人との出会いがあり、子供の頃より信心をしている主人に励まされながら、母の供養のためにお寺に参詣するようになりました。

私が折伏をさせていただきたいと真剣に願うようになったのは、平成11年1月3日の宗旨建立750年出陣式の、前御法主日顕上人猊下の御言葉でした。「この出陣式が、皆様一人ひとりにとって何を意味するか。すなわち、一人ひとりが、一人も漏れなく地涌の菩薩たる折伏の陣列に並ぶことが、出陣の意義と信ずるのであります」(大白法517号)との御指南、また、「一年に一人が一人の折伏を」()の御指南を拝し、私も折伏の陣列に並びたいと決意いたしました。

平成12年には300世帯・500人からなる仏見寺支部婦人部の、本部婦人部長に任命され、使命の重大さを感じました。常に御住職・藤原広行御尊師より、役員はすべてのことに率先垂範していくようにと御指導されていましたので、職場での折伏を始めました。唱題を根本に根気良く下種・折伏を進めていくうちに、翌平成13年より一人・二人・三人と縁のある人が現れ、入信・御本尊下付へと繋がっていきました。入信した人には折伏の意義を教え、一緒に折伏、登山をさせていただいています。

平成14年・宗旨建立750年の奉安堂落慶記念大法要にて前御法主日顕上人猊下より、平成21年・『立正安国論』正義顕揚750年に向けて新たな御命題を賜り、地涌倍増の決意を新たにし、毎年一人以上の折伏を実践していましたが、「行解(ぎょうげ)既に勤めぬれば三障四魔紛然として競ひ起こる」(御書986ページ)との御金言通り、平成15年に私にとって思いもよらないことが起こりました。

11月に宗旨建立750年慶祝記念・香港総会に出席し、歓喜に満ちた帰りの飛行機の中、目に異常を感じました。黒い星の雨が降ったように見えたのです。次の日に眼科へ行き、診断の結果は網膜剥離(もうまくはくり)でした。医師に「このままでは失明します。明日には手術です」と言われました。すぐにお寺へ行き 当病平癒の御祈念をお願いしたいと思いましたが、運転をしてはいけないと言われてしまいました。困っていたところ、不思議にも私が折伏したAさんが病院に来ていました。そこで、車に乗せてもらい、お寺に直行し、御尊師に当病平癒の御祈念をお願いすることができました。この御祈念があって手術は成功し、失明の危機を乗り越えることができました。

平成16年の初登山会に家族と共に参詣し、本門戒壇の大御本尊様に御礼の御題目を唱えさせていただきました。この年、私が折伏した会社の同僚2人が折伏を実らせ、自分の折伏のときよりも感激しました。そして平成17年・18年と個人折伏も実り、折伏に仕事にと張り切って過ごしておりました。

しかし『佐渡御書』に、「宿業はかりがたし」(同580ページ)とあるように、平成18年の9月、会社の健康診断で乳ガンが見つかりました。精密検査の結果、乳ガンのU期と判り手術を受けることになりました。母と同じ病気と闘わなければならない私の宿業を思い知らされました。しかし、これは魔の用(はたら)きなのだ、絶対に信心で乗り切ってみせる、平成21年には折伏した方と一緒に元気で登山させていただくのだ、折伏もまだまださせていただきたい、そのように思うと、死に対する恐怖心が起こりませんでした。

『開目抄』に、「我並びに我が弟子、諸難ありとも疑ふ心なくば、自然(じねん)に仏界にいたるべし。天の加護なき事を疑はざれ。現世の安穏ならざる事をなげかざれ。我が弟子に朝夕教へしかども、疑ひを起こして皆すてけん。拙き者のならひは、約束せし事をまことの時はわするゝなるべし」(同574ページ)と あります。

私には仏様との約束、誓願がまだ残っているのです。宿業を転換するよいチャンスだと何度も自分に言い聞かせ、御尊師に御指導を受けました。御尊師は「魔に負けてはいけない、魔を打ち破る覚悟で唱題しなさい」との御指導でした。信心で乗り切ると心に決め、10月に支部総登山があるので手術日を延ばしました 。そして、支部総登山の折に御秘符を戴き、御本尊様に、手術を成功させて元気で必ず総本山に戻って来ますとお誓いしました。

登山から帰り、10月23日に手術を受けました。麻酔で意識がなくなったと同時に目が覚め、1時間半の手術の時間が一瞬に感じました。大成功の手術で、その時間帯には御尊師と講員の方々に御題目を唱えていただいたことに感謝しております。その後の経過も順調で、平成19年の初登山会に主人と共に参詣し、大御本尊様に約束通り総本山に戻れたことを感謝し、さらに命ある限り下種・折伏をさせていただくことをお誓いしました。

今年はまず私が2月に折伏を成就し、主人も3月に折伏を成就しました。これからも順調な日々が続くなどという甘い考えはもっておりません。魔との闘いは臨終の時まで続くと自らを戒め、御法主上人猊下の御指南を拝し、来年に迫った『立正安国論』正義顕揚750年の誓願目標達成をお誓いし、私の体験発表とさせていただきます。






御法主日如上人猊下御言葉

5月度広布唱題会の砌
平成20年5月4日 於 総本山客殿


 本日は、総本山における5月度の広布唱題会に当たりまして、皆様には多数の御参加、まことに御苦労さまでございます。本年「躍進の年」も、いよいよ5月となり中盤に入りましたが、皆様方には日夜、御命題達成へ向けて御精進のことと存じます。


北海道決起大会の件

 既に皆様方も御承知のとおり、4月29日に、北海道の真駒内セキスイハイムアイスアリーナにおいて地涌倍増大結集推進「北海道決起大会」が行われました。当初、この大会は月寒アルファコートドームという所において行う予定でありましたが、北海道の方々の並々ならぬ決意と盛んなる推進活動により、参加人数が増え、会場をひと回り大きな真駒内アイスアリーナに変更して行われ、目標を大幅に越えた6,006名の同志が大結集して盛大に開催されました。

 しかも、一支部だけ結集目標を達成できませんでしたが、北海道の残りすべての支部が結集目標を達成し、全体で150%の完全大勝利のもとに決起大会が行われました。これは、今後の北海道における折伏活動にとって、まことに大きな力となって発揮されるものと、大いに期待しているところであります。

 また、大会そのものも、第一部、第二部ともに、参加した一人ひとりが歓喜に燃え、躍動感あふれた、大変すばらしい大会でありました。北海道の方々はこの決起大会を機に、完全大勝利の勢いをもって大折伏戦に突入し、もって必ずや本年度の誓願を達成するものと堅く信じております。北海道の皆様方の御健闘を心から願うものであります。「決起大会」も、あとは6月に行われる「東日本大会」だけとなりましたが、東日本大会も必ず大勝利するものと信じております。東日本の方々の御健闘を心からお祈りするものであります。


以信得入の事

 さて、法華経譬喩品を拝しますと、「汝舎利弗/尚(なお)比の経に於ては/信を以て入ることを得たり/況んや余の声聞をや/其の余の声聞も/仏語を信ずるが故に/此の経に随順す/己が智分に非ず」(法華経174ページ)とあります。この御文は「以信得入」の依文(えもん)として、皆様もよく御承知の御文でありますが、智慧第一と言われた舎利弗でさえも、己れの智慧によって成仏したのではなく、信によって成仏したことを示されているのであります。

 そもそも、仏法におきましては信は仏道修行の根本であり、信なくして成仏することはできないのであります。故に『日女御前御返事』には、

仏法の根本は信を以て源とす。されば止観の四に云はく『仏法は海の如し、唯(ただ)信のみ能く入る』と。弘決の四に云はく『仏法は海の如し、唯信のみ能く入るとは、孔丘の言尚信を首(はじめ)と為す、況んや仏法の深理をや。信無くして寧(むし)ろ入らんや。故に華厳に信を道の元、功徳の母と為す』等。(御書1388ページ)

と仰せであります。

 すなわち、仏法は海の如く広くて大きい。したがって、一見、その仏法の海にはどこからでも入れるように思われますが、実際には信心という入り口しかないのであります。その信とは「無疑曰信」、「疑い無きを信と曰う」と言うように、心に一分の疑いのない状態を信と言うのであります。つまり、御本尊様に対する絶対信であります。

 故に『御義口伝』には、「一念三千も信の一字より起こり、三世諸仏の成道も信の一字より起こるなり。此の信の字は元品の無明を切る所の利剣なり。其の故は、信は無疑曰信とて疑惑を断破する利剣なり」(同1737ページ)と仰せられ、同じく『御義口伝』には、「此の本法を受持するは信の一字なり。元品の無明を対治する利剣は信の一字なり。無疑曰信の釈、之を思ふべし云云」(同1764ページ)と仰せられているのであります。

 すなわち、御本尊に対する絶対信こそ、元品の無明、すなわち衆生の心の奥に巣食う根本の迷いを対治する利剣であると仰せられているのであります。


信行具足の事

 だが、ここで問題となりますのは、『大乗起信諭義記』に、「信有って行無きは即ち信堅(かた)からず、行を去るの信は縁に遇っては便(すなわ)ち退す」(六巻抄71ページ)と仰せられているように、信心とは、信行具足の信心でなければならないということであります。すなわち、信はあっても行がなければ堅固な信心とは言えず、そのような状態では、例えば悪しき縁に値(あ)うと、たちまちに紛動されてしまうというのであります。

 また『法蓮抄』に、「信なくして比の経を行ぜんは手なくして宝山に入り、足なくして千里の道を企(くわだ)つるがごとし」(御書814ページ)と仰せのように、修行は不退であっても信がなければ、これも正しい信心とは言えません。すなわち、信心とは信と行が具わった、信行具足の信心を言うのであります。

 このことは、例えば本門の本尊、本門の戒壇、本門の題目の三大秘法を開けば六大秘法になります。このうち、本門の題目を開けば、信と行とになります。信と行、このいずれか一方が欠けても、それは本門の題目とはならないのであります。かくの如く、信と行は不可分の関係にあり、それを切り離して考えることはできないのであります。

 また『法華玄義』には、「智目・行足、もって清涼池に到る」(学林版玄義会本−上521ページ)とありますが、智慧の目と修行の足が相まって初めて清涼池、すなわち成仏の境地に入ることができると仰せであります。

 しかし、末代の我ら本末有善の荒凡夫は、『四信五品抄』に、「慧又堪(た)へざれは信を以て慧に代(か)ふ。信の一字を詮(せん)と為す」(御書1112ページ)と仰せのように、智慧によって成仏をするのではなくして、信をもって智慧に代える、すなわち以信代慧の信と、行足、すなわち修行の足によって成仏の境地に到ることができるのであります。


仏法修行の大事とは折伏

 つまり、信心とは信と行を兼ね具えた信心でなければならないということであります。ということは、折伏においても同様でありまして、折伏も実際に行動を起こさなければ、折伏したことにはならないのであります。掛け声だけの折伏ではなくして、折伏を行じ、折伏を体験し、折伏を実践するところに意義があり、そこに初めて大御本尊の広大無辺なる功徳を享受することができるのであります。

 先般、私のところに報告がありまして、北陸のある寺院、この寺院は最近、住職が替わったのでありますが、ここでは住職が折伏の先陣に立ち、僧俗が一体となって大折伏戦を展開し、既に本年度の折伏誓願数を達成したということであります。また、総本山塔中のある坊でも、既に折伏13世帯を達成したということを聞いております。こうした支部の特徴は皆、動いていることであります。僧俗が一体となって折伏に動いているのであります。

 『一念三千法門』には、「百千合はせたる薬も口に飲まざれは病も愈(い)えず。蔵に宝を持てども開く事を知らずして餓(かつ)へ、懐(ふところ)に薬を持ても飲まん事を知らずして死するが如し」(同110ページ)と仰せであります。

 一人ひとりは仏性を持ち、妙法の当体たるすばらしい素質を持ちながら、ただそれだけで何もしなければ、それは理の仏法と同じであります。仏性が仏性としての用(はたら)きをしないからであります。つまり折伏は、折伏を行じて初めて折伏をしたことになるのであります。結局、身体を動かさなければ折伏したことにならないということであります。

 大聖人様は『聖愚問答抄』に、

抑(そもそも)仏法を弘通し群生を利益せんには、先づ教・機・時・国・教法流布の前後を弁(わきま)ふべきものなり。所以は時に正・像・末あり、法に大・小乗あり、修行に摂・折あり。摂受の時折伏を行ずるも非なり、折伏の時摂受を行ずるも失なり。然(しか)るに今世は摂受の時か折伏の時か、先づ是を知るべし。摂受の行は比の国に法華一純に弘まりて、邪法邪師一人もなしといはん。比の時は山林に交はりて観法を修し、五種六種乃至十 種等を行ずべきなり。折伏の時はかくの如くならず、経教のおきて蘭菊に、諸宗のおぎろ誉れをほしいままにし、邪正肩を並べ大小先を争はん時は、万事を閣(さしお)いて謗法を責むべし。是折伏の修行なり。比の旨を知らずして摂折途に違はゞ得道は思ひもよらず、悪道に堕つべしと云ふ事、法華・涅槃に定め置き、天台・妙楽の解釈にも分明なり。是仏法修行の大事なるべし。(同402ページ)

と仰せであります。すなわち、折伏こそ、末法における「仏法修行の大事」であると仰せであります。

 どうぞ、皆様にはこの御金言を心肝に染めて折伏を実践し、年頭に申し上げましたように、本年「躍進の年」はすべての支部が誓願を必ず達成し、もって、いよいよあと一年に迫った大佳節へ向けて勇猛精進くださるよう心から念じ、本日の挨拶といたします。




北海道決起大会に参加して


○稚内市法清院支部 H.T.

この度の北海道決起大会に、日本最北端の稚内・法清院支部より43名の方が参加できました。当初は18名の参加目標でしたが、御法主日如上人猊下・御隠尊日顕上人猊下がはるばる北海道の地へ御下向くださるとの話を聞き、啓蒙を重ねて気がつけば、3月上旬には43名にまでなっていました。当初の目標枠は18名でしたので、果たして全員参加できるのかと不安がよぎりましたが、道内全支部が一丸となって啓蒙したことにより、参加人数が4千名から6千名へ1.5倍に増し、開催会場も真駒内アイスアリーナへ変更となり、当支部も全員が参加可能となりました。

その中で、第一部の北海ソーランに青年部3名、コーラスに婦人部3名が参加することになり、札幌や旭川へ遠距離の合同練習に参加して練習を重ね、当日は会場一杯に感動を与えてくれました。一般で参加された方々も、朝4時に稚内を出発してバスや自家用車で片道6時間の道のりを苦とも感じず参加されました。バスの手配をして下さった方、パフォーマンスに参加され感動を与えて下さった方、スタッフ要員として任務を全うされた方、43名の思いが一つの原動力となり、歓喜に満ちあふれた決起大会となりました。本当の意味で僧俗和合、一致団結の結果と、深く確信することができました。

平成13年に前講頭さんが突然の病で逝去され、当時青年部長だった私が講頭となって6年が経ちました。「遠いからたいへんですね」とよく言われますが、私は遠いからという言葉は嫌いです。遠くても、できるだけいろいろな行事に参加し、功徳を戴ける支部作りに全力を尽くしてまいりました。今回の決起大会で、「遠い」などと愚痴の命が当支部の方々にあったならば、59世帯の小さな支部から43名の参加者を出すことはできなかったと思います。

すばらしい御住職様と信心の同志に巡り合えたことを御本尊様に感謝申し上げ、目睫(もくしょう)に迫った『立正安国論』正義顕揚750年の御命題に向けて、御法主上人猊下郷指南の、本年度の支部折伏誓願目標8世帯完遂に向け、残りの5世帯の折伏を御住職・伊藤雄保御尊師の御指導を仰ぎつつ、支部一丸となって必ずやり切っていくことを決意いたします。


○札幌市日正寺支部 H.N.

北海道決起大会は、見事に大勝利を飾ることができました。日正寺支部は当初の結集目標を、支部の現状を考慮して1,500名に設定しました。しかし、要員や出演者を大量に送り込むことが見込まれたので200名上積みし、あらゆる機会をとらえて啓蒙し、1,700名結集に全力を挙げました。毎月の機関紙に特別欄を設けて参加をアピールしたほか、寺院ロビーの壁に大きな桜の木を描いた絵を貼り、67ある各班の目標を達成したところから、白い花をピンクの花に変えて、満開の桜の花を咲かせることにいたしました。さらに、支部で会場までのバスを用意したので足の心配はしないで済むことを浸透させ、一人でも多くの参加者を集めるようにしました。また、各家庭毎に自ら参加申込書に署名し、お寺の御宝前に供え御住職・長倉教明御尊師が御祈念くださっていました。

1月末、申告目標は達成したものの、自主目標の92%でした。そこで、未決意者への啓蒙を各部の応援体制のもと集中的に行った結果、2月末では1,839名(目標比の108%)と、一気に当初の予測を大幅に上回りました。同時に全道各支部においても啓蒙に力を入れたことから、会場収容人員をオーバーしたため、運営委員会より啓蒙打ち切りの連絡が入りました。

3月21日に会場変更の通達が出され、収容人員に余裕が生まれたことから緊急の役員会を召集して、再度、啓蒙を再開することにしました。御住職様から2,000名を目標にしていきなさいとの御指導をいただき、お寺のロビーの壁に2,000名結集を呼びかける垂れ幕やカウント表を掲示したほか、決意までもう一歩という班員さんに御僧侶方からも声かけをしていただくなど、僧俗一体となって追加申込みを行い、最終的には2,050名の参加者名簿を提出することになったのです。この決起大会の啓蒙の中から折伏の種が生まれ、入信に結びついた方も出てまいりました。

また、大勢の方が連日へ唱題行で大会の大成功等の御祈念をさせていただいたことにより、バスは総数30台でしたが、大勢の参加者をスムーズに会場に送り込めたことに、関係者と共に胸を撫で下ろしました。なお、大会当日は欠員があり最終的には2,000名には届かなかったものの、支部の歴史が始まって以来の大結集を果たすことができ、「皆で一生懸命にやれば、必ず目標は達成できる」という大きな自信につながりました。明年の御命題達成に向けた闘いを進めていく上で、大きな原動力となっていくと確信しています。

このようなすばらしい場を与えてくださった両上人猊下に感謝申し上げると共に、決起大会で示した勢いをもって「本年度の折伏誓願目標」を達成して、御法主日如上人猊下の御指南にお応えしていく決意であります。


○釧路市興徳寺支部 T.K.

私は、妹と一緒に、ポンポン隊をやらせてもらって、本当に感しゃしてます。私の下に1歳の弟がいますが、残念ながら参加できなかったので、かわいそうでした。

本番になって私は、ドキドキしました。司会者が「ポンポン隊、こ笛隊のみなさんおねがいします」と言ったら私たちは、ステージの下で、おどりました。金と赤のポンポンを持って、元気におどりました。おどってる時に、見ている人や、両上人猊下様が手びょうしし、その手びょうしにあわせながら、おどりました。私たちの出番が終ったら、心がすっきりしました。両上人猊下様も笑っていたので、大成功だと思っています。

さい後に、コーラス隊に、私たちがおどった、「唱えてゆこう妙法を」を歌っていただきました。コーラス隊が歌ってる時に、上から大きなふうせんがふってきて、前へ前へと、大きなふうせんが、ステージの方へ行きました。そしたら、「パーン」と言う音がなったので、ビックリして、上を見たら、銀テープがふってきて、きれいでした。その、きれいなテープがふってきたと言う事は、大成功と言う意味だと思いました。

私の心に残った事は、2千名い上もふえた事と、大成功した事です。北海道決起大会に出た人は、きっと幸せな日が来ると思います。私も幸せな日が、来ました。もう一度北海道決起大会があるといいです。これからも唱題によって、いろいろな目標をたっ成したいと思います。


○紋別市妙立寺支部 T.T.

昨年、決起大会が決まった時より啓蒙が始まりました。妙立寺支部は小さい支部ですが範囲は広く、遠い所では妙立寺まで片道1時間半かかります。私の所も1時間かかります。とにかく御住職・山崎正諭御尊師と共に講員さんの家を一件残らず訪問しました。一方、地区長さんも啓蒙に励みました。僧俗一体となった啓蒙でした。目標の45名を遥かに超え、西日本決起大会開催前には、60名に達成しました。

御法主日如上人猊下は、「『為さずんは、なんぞ成らん』であります」(大白法709ページ号)と、また大聖人様は『異体同心事』に、「異体同心なれば万事を成じ」(御書1389ページ)と仰せであります。事態は一転して会場が真駒内セキスイハイムアイスアリーナに変更になり、今度は70名を目標に全員でがんばりました。妙立寺は、最終的には65名の参加でした。第一部の「すずらん女声合唱団」に5名が参加でき、北海道第三布教区の拠点である帯広市の法広寺に、片道4時間かけて練習に励みました。

啓蒙を進める中で、決起大会前々日の27日に折伏が1世帯成就しました。妙立寺も、ここ1・2年で子供連れの世帯が増えて、本堂は子供の声で賑わっています。支部の一人ひとりが、どんなことがあろうとも、みんな晴れて『立正安国論』正義顕揚750年の明年を迎える決意がみなぎっていることの現れだと思います。

大会当日は、桜の花もこの日を待つように満開でした。会場に入ると感激と感動のるつぼとなりました。見るもの聞くものが感激と感動で涙、涙、涙。桜花爛漫、大地は踊ると申しますが、代表の決意発表の時に地震があり、何とも不思議なことです。御法主上人猊下の御もと、地涌倍増と大結集、残された折伏にがんばります。



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