▼1999 |
A COFFEEHOUSE CHRISTMAS / BRANDON FIELDS (BLUE STAR) |
★★★ |
柔らかく優しいアルトを吹くブランドンフィールドって人をフロントに ギター、ベース、パーカッションと云う変則的なユニットが バックを手堅くサポートしています。 トゲや毒のない演奏ですが、味はない訳ではありません。 クリスマスソングをクリスマスソングらしく素直に演奏していて 細かい表情付けには気を配っている様に感じます。 でもちょっと甘口のお洒落系ジャズの雰囲気がするかな? ラテンタッチの"WE WISH YOU A MERRY CHRISTMAS"が 小気味良くて気持ち良いですよ。気軽に聴く一枚って感じ。 ちなみにジャケット違いで全く同じ内容の アルバムも出ていますのでご注意下さい(涙)。 |
HYMNS,CAROLS
AND SONGS ABOUT SNOW / TUCK ANDRESS (WINDHAM HILL) |
★★★★★ |
超バカテクギタリスト、タックアンドレスが肩の力を抜いて クリスマスを楽しんでいるようなアルバムです。 普段の彼のアクロバティックな演奏を知ってる人にとっては かなり地味に聴こえると思いますが、 テクニックだけじゃない彼の豊かな表現力を感じます。 静寂を彩る音楽とでも云ったら良いのでしょうか、 じっと聴いていると引込まれていくのがわかります。 雰囲気が良いからってBGMなんかにしないで 耳に全神経を集中させて聴いて欲しいアルバムです。 |
CHRISTMAS / ANDRZEJ JAGODZINSKI (POLONIA) |
★★★★ |
ポーランドのピアニスト、アンド…、うーん、読めない(笑)。 とりあえず、ポーランドのジャズマンによるクリスマスアルバム。 でもフツーのピアノトリオものとして聴いたとしても かなりポイントの高い作品です。 スローな曲は情感を込めて、ファストな曲はアグレッシヴに、 ピアニストの力量の窺い知る事のできる仕上がりです。 有名なクリスマスソングも殆ど演奏されていないながら、 全体的には"らしさ"も良く出ていると思います。 【追記】 これはアンジェイヤジゴンスキと読むらしいのです。 なんでわかったかと云うと、日本盤が出たからです。 ジャケ違いを重複買いしてしまいました(涙)。 皆様は、間違えない様にしましょう。 |
HAVE
YOURSELF A MERRY LITTLE CHRISTMAS / DIANA KRALL (IMPULSE!) |
★★★ |
今をときめくダイアナクラールのクリスマスアルバム。 と云うより、今をときめくから企画されたんですね(笑)。 6曲しか入っていないミニアルバムで、 更にクリスマスソングは3曲だけで、他はそれらしい曲が セレクトされています。 ちょっと水増し感が否めないなぁ(笑)。 彼女の歌唱は、インパルスが売り出そうとしてるイメージより 遥かに骨のある重みを持っています。 |
A DAVE BRUBECK CHRISTMAS / DAVE BRUBECK (TELARC) |
★★ |
テラークレーベルらしいぬるめの仕上がりになってます(笑)。 デイヴブルーベックのソロと聞けば、 ジャズファンならだいたいイメージできると思いますが、 正にそのイメージ通りのピアノ小品集的アルバムですね。 ジャズピアノとして聴くと駄目ですので、お間違いなきよう(笑)。 "サンタが街にやってきた"と"BLUE MONK"を 掛け合わせてみるってお遊びはなかなか楽しい。 今迄どうして誰も気が付かなかったんでしょうね。 |
CHRISTMAS
WITH THE GEORGE SHEARING QUINTET / GEORGE SHEARING (TELARC) |
★★ |
またも出ましたテラークの甘口アルバム。 「今宵はジャジーにおしゃれなクリスマスを」なんて帯が 似合いそうなお行儀の良い合奏がぎっしり詰まってます。 ジャズを聴かない人へのプレゼントには最適な気もしますが、 ジャズファンは果たしてこの全15曲を聴ききれるのか!?(笑) クインテットの構成はピアノトリオ+ギター+ヴィブラホーン。 なんだか役割のぶつかりそうな構成だなぁ(笑)。 |
SEASON'S GREETINGS / KENNY DREW (MERDAC) |
★★ |
ケニードリュー、日本企画、クリスマスもの、オシャレなジャケ。 このだけの要素が揃えば、間違いなく出来上がる作品は…。 ドリュー&ペデルセンでそんな悪い演奏になる訳ないですが、 感動を誘うとか、アドレナリンが吹き出るとか、とは無縁です。 ま、クリスマスの夜、アドレナリンが吹き出てるヤツも嫌ですが(笑)。 |
CHRISTMAS IN JAZZTIME / GLENN ZOTTOLA (DREAMSTREET) |
★★★ |
古いスタイルのアルバムです。 でもクリスマスのハッピーな雰囲気には、 こう云ったスイングジャズのウキウキする感じがぴったり。 リーダーのグレンゾットラって人の事は全然知りませんが、 オールドスタイルの小粋なトランペットを吹くんですね。 ピアノに座るデレクスミスがスインギーな良いプレイを 聴かせてくれます。 数曲マキシンサリヴァンがゲスト参加しているのもポイント高し。 ミディアムテンポで唄う"WHITE CHRISTMAS"がゴキゲン。 |
THE SACKVILLE ALL STAR CHRISTMAS RECORD / (SACKVILLE) |
★★★ |
更にスタイルは古くなりましてデキシーランド調などはいかが? でもフロントがクラリネットじゃなくてソプラノサックスって云うのが 面白いですね。 しかも真っすぐなヤツじゃなくてちゃんとサックスの形をしたの。 それをお腹のでたおっちゃんが背中を丸めて吹いてる姿が とっても微笑ましいです。 演奏のムードも正にそんな感じで暖かい雰囲気で一杯です。 甘口のジャズでクリスマスくらいは自分を甘やかしましょう(笑)。 |
ELLA
WISHES YOU A SWINGING CHRISTMAS / ELLA FITZGERALD(VERVE) |
★★★★★ |
エラのクリスマスアルバムです。 何度も何度も再発されて、ジャケットもコロコロ変わるのですが、 どのデザインがオリジナルなのかよくわかりません(笑)。 やっぱりエラは良いですね。 ビッグバンドのアレンジは、かなり抑え目で優しい感じがGOOD。 エラのヴォーカルに混声コーラスが小粋に絡むのもGOOD。 "JINGLE BELL"や"SANTA CLAUS IS COMING TO TOWN"の スインギーにフェイクしまくる歌唱は流石の一言です。 それにして"FROSTY THE SNOW MAN"って"赤鼻のトナカイ"と Bメロが似過ぎてません? |
SILENT NIGHT / CHET BAKER (NEC) |
★ |
正直な話、かなり期待を裏切るアルバムです(笑)。 チェットのクリスマスアルバムと云えばやっぱりあ〜んな感じを 想像するんですが、なんかパッとしないんですよ。 全体的にアドリブパートが短く、しかも冴えてません。 かわりばんこにテーマを吹いてるだけと云う演奏が多い。 コード進行の怪しいところが随所に見られるので、 あんまり打ち合わせもせず突貫工事で作ったんじゃないでしょうか。 しかもチェットのヴォーカルは一切なし。これは実に残念です。 やっぱり"SILENT NIGHT"は唄って欲しかったなぁ。 けちょんけちょんに書いちゃった(^^ゞ。 |
DUKE PEARSON / MERRY OLE SOUL (BLUE NOTE) |
★★ |
デュークピアソンのサンタ姿で有名なアルバムです。 ピアソンはピアノだけじゃなくてチェレスタも弾いていて、 それがなかなか愛らしい雰囲気を醸し出しています。 編成はピアノトリオ+パーカッション。 パーカッションを入れた事で、真冬のクリスマスって感じじゃなく 南半球のクリスマスって雰囲気になっております。 |
CRESCENT CITY CHRISTMAS CARD / WYNTON MARSALIS (CBS) |
★★★ |
ウイントンマルサリスが演るとやっぱりこうなりますね(笑)。 凄く真面目で構成のがっちりしたクリスマスアルバムです。 あんまりくつろいだ雰囲気を味わう訳にはいきません。 クリスマスが神聖なものであると云う事をすっかり忘れてる 日本のお祭り騒ぎに対して優しく諭してるような演奏(笑)。 ソロからテンテットまで様々な演奏が収められていますが、 やっぱり彼の重厚なアレンジの聴ける大きな編成のものが 素晴らしいです。 特に"HARK!THE HERALD ANGELS SING"は、ユーモラスな テーマ解釈も楽しく仕上がっています。 |
CHRISTMAS SONG BOOK / HELEN MERRILL (VICTOR) |
★★ |
ヘレンメリルとストリングスオーケストラによる かなり甘口のクリスマスソング集です。 ゲストでメルトーメ、アートファーマーが参加しております。 ジャズファンとしては数曲収められているスモールコンボでの 演奏の方がスインギーで聴き易いと思います。 でもトリージトーって人のピアノがかたくて、ちょっと…。 この人が殆どの曲をアレンジしてる訳なんですが、 このセンスはジャズのセンスじゃないなぁ…。人選ミスが惜しい。 |
CHRISTMAS IS THE TIME / LOU RAWLES (MANHATTAN) |
★★★ |
ルーロウルズの渋い声で聴くクリスマスソング。 それにしてもエエ声ですね〜。 岡けん太ゆう太もタジタジでしょう(意味不明)。 但し、ヒモツキのアレンジでかなり甘目な仕上がりです。 しかもジャズと云うよりポップスですので予めご了承下さい。 バックコーラスのおねえちゃんとの絡みが気持ち良いです。 どうやらこのアルバムの20年前くらいにもう一枚、 キャピタルからクリスマスものを出していたとの事。 是非一度聴いてみたいです。 |
BLESSED QUIETNESS / CYRUS CHESTNUT (ATLANTIC) |
★★★★★ |
サイラスチェスナットのピアノソロです。 クリスマスソングと云うよりは、静かに奏でられる讃美歌です。 煌びやかに飾る事のないピアノでとっても心にしみます。 ラストの"時には母のない子の様に"の弾き始めなど全くの単音。 それで一音の中に込められた思いが十分に伝わるのですね。 消え行く音に最後まで耳を澄ましていたいくらいの名演。 |
A JAZZ CHRISTMAS / WILLIE PICKENS (SOUTHPORT) |
★★★★★ |
このアルバムは良いですよ。 ウィリーピッケンスって全然知らなかったのですけれども、 顔に似合わずキラキラとしたフレーズを弾く良いピアノですね。 ここではピアノトリオにニコラスペイトンのラッパを迎えて、 ストレートアヘッドなジャズを繰り広げております。 ごく自然に、素材としてクリスマスソングを取り上げたって感じで 必要以上にクリスマスっぽくしようとしていない自然さが良い。 ニコラスペイトンのトランペットも実に流麗で心地よいです。 ジャケットの熊の様なおっちゃんに惑わされずにゲットしましょう(笑)。 |
MY LITTLE CHRISTMAS / YOSHIKO KISHINO (GRP) |
★★ |
美人ピアニストを使って日本企画で売れ線を狙って作った 小粋でオシャレなクリスマスアルバム。 コメントは差し控えさせていただきます。 |
CHRISTMAS STOCKIN' STUFFER / AL GREY (CAPRI) |
★★ |
ジャケットには凄い衣装を着てトランペットを吹く姿が。 これがアルグレイって人の様です。 ラッパを持ってなかったらサンラかと思ってました(笑)。 わやくちゃな音楽じゃないかとドキドキしながら聴いてみたら、 何の事はない大人しいクリスマスアルバムでした。 やや大人し過ぎるくらいの中間派の演奏です。 なお、2曲だけジョンヘンドリックスが参加してて、 思いっきりなブルースを唄ってます。 |
GUITAR CHRISTMAS / JIMMY PONDER (HIGH NOTE) |
★★★ |
ギターの事は全然わからないので、調べてみたところ、 古くはルードナルドソンとも演奏していた人らしいです。 指弾きによる柔らかいタッチで唄う良くギタリスト、だそうです。 確かにコリエル、マクラフリン以前の古き良きギターって印象。 ここでは、ジョンヒックスピアノに据えて、テナーも加えて 楽しく盛り上がる暖か〜いコンボ演奏を聴かせてくれます。 |
IT'S
A WONDERFUL LIFE, SAX AT THE MOVIES FOR CHRISTMAS / JAZZ AT THE MOVIES BAND (DISCOVERY) |
★ |
もうここまでくるとムードミュージックですね。 何でも紹介すりゃ良いってもんでもないですけど…(^^ゞ。 スリルも何もない小粋な4分くらいの演奏が 13曲も並んでいると云えば、ジャズファンなら 大体の察しがつくでしょう(笑)。 |
CHRISTMAS / THE SINGERS UNLIMITED (MPS) |
★★★ |
1972年に吹き込まれたシンガーズアンリミテッドの ロングセラーアルバムです。 アカペラコーラスの澄みきったハーモニーが美しいです。 普段はもっとスインギーな歌が持ち味らしいのですが、 このアルバムは、クリスマスソングや讃美歌などの宗教音楽を 本来のあるべき姿で唄っています。 |
IT'S X'MAS MAN / BRAVE COMBO (P-VINE) |
★★★★ |
す、すみません。ブレイブコンボ、好きなんです(汗)。 ジャズじゃありません。 得意とするのはポルカって変なやつらです。 ここでも初っ端"JINGLE BELL"を演ってるんですが、 悲しげな短調になってます。 しかも「ええじゃないか/(P-VINE)」で演ってた"青い山脈"の 面影がチラホラ(笑)。 オリジナルの"IT'S CHRISTMAS"も良い曲です。 皆さんにはオススメできませんが、変わったところが好きな人に。 |
|
▼2000 |
CHRISTMAS IN SWING TIME / HARRY ALLEN (BMG) |
★★★ |
ハリーアレンによる2000年吹き込みのアルバム。 彼は若手ではありますが、スタイル的にはかなり古く 一昔前からタイムトリップしてきた様なテナーを吹きます。 その辺りがクリスマス向きと云えば向きでしょう。 彼らしい寛いだ雰囲気が横溢していてハートウォームな仕上り。 有名ドコロの曲は一通り網羅されております。 案外ジャズでの演奏が少ない "WE WISH YOU A MERRY CHRISTMAS"が入ってて 個人的にはちょっと嬉しいです。 また三拍子の"赤鼻のトナカイ"もなかなか気持ちいい。 プレスリーで有名な"BLUE CHRISTMAS"では ジョンピザレリがゲストでヴォーカル参加しております。 バックにピアノではなくオルガンを入れているのも クリスマスを意識しての事だとか…。 |
BIG
BAND CHRISTMAS / ROB McCONNELL & THE BOSS BRASS (CONCORD) |
★★★ |
このロブマクニールって人はヴァルブトロンボーン奏者です。 彼のアレンジが実に柔らかく、総勢17名のブラスアンサンブルが 優しく、コンコードらしく(笑)響きます。 リズムセクションがオミットするアンサンブルパートが 随所に散りばめられているのですが、 この時スイングせずイーヴンで奏されている為に ジャズビッグバンドとブラスバンドの中間って雰囲気がします。 |
TOGETHER
AT CHRISTMAS / HOUSTON PERSON & ETTA JONES (HIGH NOTE) |
★★★ |
古くからの仲間同志、ヒューストンパーソンとエタジョーンによる 息の合ったアーシーなソングブックです。。 ヒューストンパーソンってジーンアモンズ系の太く暖かい音色。 彼自身もアモンズに憧れているらしいので、 この場合の"似てる"は悪い喩えではありますまい。 一方のエタジョーンズも見た目の品の良さからは想像できない コテコテな味わいを持った女性ヴォーカルですので、 この二人の相性は抜群です。 全体的にミディアム以下のテンポが殆どですから (早いのは"サンタが街にやってきた"くらいです)、 じっくりとその黒さを味わえると思います。 こんなに黒い"ホワイトクリスマス"って初めて聴きました(笑)。 またパーソン抜きで唄われるの"きよしこの夜"は 本当のゴスペルの様な崇高さに溢れています。 これは一聴に値します。 |
DECEMBER MAKES ME FEEL THIS WAY / DAVE KOZ (CAPITOL) |
★★★ |
普段はもっとフュージョンな人なんでしょうが(良く知らないので)、 このアルバムはタイトルにもありますように 12月になるとこんな感じになっちゃうのだそうです(笑)。 亡き父への思いを込めてクリスマスの記憶を綴ったアルバム。 それゆえバックのアレンジに懐かしさを感じさせる工夫が 随所に施されています。 エレクトリックな楽器も多く使用しているのですが、 アコースティックギター(ボトルネックなんかもやってます。)や マンドリンやアコーディオンの音色を活かしているのが効果的。 ジャズ的な味わいは希薄ですが、面白いアルバムです。 この手のを取り上げたらそのうちケニーGにも手を出すか?!(笑) |
HOLIDAY / RUSS FREEMAN (GRP) |
★★ |
フュージョンついでにラスフリーマンを(笑)。 この手のモノにコメント書くの苦手だなぁ…。 うーん。 どう聴いても爽やかなフュージョンで耳にひっかからないのですが、 アコースティックギターで何曲かトラディショナルソングを テーマだけ素朴に奏でてるのが良かったりしました。 |
SNOWBOUND / FOURPLAY (WARNER BROS.) |
★★ |
フュージョンついでにもう一枚っ。 フュージョンが苦手な私でも知ってるFOURPLAYの '99年のクリスマスアルバムです。 全くの余談ですが去年CDNOWで11月6日に買ったら 1月の半ばになって送られてきました。こらこら〜(笑)。 これまた汗一つかかない爽やかなサウンドで 耳のどこにもひっかかる事なくスルリと抜けて行きます。 考えて見たらクリスマスアルバムってそう云う性格のモノで 良いのかもしれないですね。 |
ELLA FITZGERALD CHRISTMAS / (CAPITOL) |
★★★ |
エラフィッツジェラルドのクリスマスアルバムです。 「ELLA WISHES YOU A SWINGING CHRISTMAS/(VERVE)」が 楽しくジャジーな仕上りだったのに対して、 こちらのアルバムはもっと厳かな唄声を聴くことができます。 ストリングスオーケストラとコーラスによる歌伴なので ジャズのテイストは希薄ですし、スタイルの古さは否めませんが、 彼女の若く張りのあるヴォーカルはやはり美しいです。 |
CHRISTMAS SONGS / MEL TORME (TELARC) |
★★★ |
ジャズヴォーカルの大御所をもう一枚。メルトーメです。 メルトーメと云えば世界中で唄われ演奏されている "THE CHRISTMAS SONG"を作曲した事もあって クリスマスとゆかりの深いシンガーなのですけど、 意外なことにクリスマスアルバムは1992年録音の このアルバムが初めてだったんですね。 ビッグバンドをバックに、時にはスインギーに、時にはしっとりと、 円熟のヴォーカルを聴かせてくれます。 "THE CHRISTMAS SONG"の他にも、彼のオリジナルソングの "CHRISTMAS WAS MADE FOR CHILDREN"や "JUST LOOK AROUND"を聴けるのも貴重です。 |
OSCAR PETERSON CHRISTMAS / (TELARC) |
★★★ |
大御所を更にもう一枚。今度はオスカーピーターソンです。 とは云え1995年録音なので御歳70と高齢な上、 病気療養明けと云う事もあって衰えは隠せません。 でも多少精彩を欠いていたとしても "JINGLE BELL"や"サンタが街にやってきた"あたりの 溌剌としたコンボ演奏は聴いてて嬉しくなってしまいました。 ギターやフリューゲルやヴァイブを加えてピーターソンの負担を 軽減する必要はあったみたいですけど…。 それにしても何曲かでストリングスオーケストラを加えて 甘い仕上げにした辺りがテラークレーベルの趣味の悪さだなぁ。 |
SIX-STRINGS SANTA / JOE PASS (LASERLIGHT) |
★★★★ |
ピーターソンとくれば、ジョーパスも取り上げましょう。 これはパスが1992年に録音したアルバムであります。 アフターアワーズな感じのくつろいだプレイが まさにクリスマスソングにぴったりです。 テクニック的にはきっと凄いんでしょうけど、 気負いが全くなくてフレーズが本当に良く歌っています。 ソロ、ギターデュオ、+ドラム&ベースの3つのフォーマットで 演奏されていますが、個人的にはデュオのトラックが好き。 "HOME FOR TH HOLIDAYS"と"サンタが街にやってきた"がそれ。 60歳を超えて更に円熟の極みと云った風合です。 しかしこの2年後にお亡くなりになってしまうのです(合掌)。 |
WINTER NIGHTS / AL DI MEOLA (TELARC) |
★★★★★ |
ギター繋がりでアルディミオラの1999年のアルバムを。 これはテラークレーベルらしくない正にアルディミオラのサウンド。 既存のクリスマスソングすらアルディミオラのカラーに染め上げられ ジャケットイメージの様に冬の夜の空気の冷たさまでが 伝わってくる感じがします。 安直にクリスマスソングを並べて売れ線を狙っているモノとは 一線を隔する素晴らしいアルバムだと思います。 オリジナルを中心とした研ぎ澄まされた演奏に じっくり耳を傾けたいですね。 |
SPIRIT OF THE CAROLS / THOM ROTELLA (TELARC) |
★★★ |
それにしてもテラークはクリスマスアルバムを仰山出しますな(笑)。 これもギターによる演奏なんですが、ジャズゾーンシリーズでの ラインナップの癖に全然ジャズじゃないです。 このギタリストが誰なのか全然知らないのですけど、 曲によってはヨーロッパの古楽系の香りが少しします。 確かにその分、良く知られたクリスマスソングを取り上げてても 神聖な感じが漂ってくる感じがします。 殆どがソロによる演奏ですが(アコギ、エレキ、マンドリン)、 2曲でTIERNEY SUTTONって女性ヴォーカルが参加し、 1曲でPHIL AYLINGって人のリコーダーが加わります。 |
CHRISTMASTIME IS HERE / LAFAYETTE HARRIS,Jr. (AIRMEN) |
★★★★★ |
ラフェットハリスJrってピアニストのソロアルバムです。 但し数曲でゲストが参加していますが(タップダンサーまで!)、 全体としてドラムレス&ベースレスの落ち着いた感じです。 有名ドコロではテナーのチコフリーマンも顔を出してます。 クリスマスのBGMにあまりにも最適なアルバムなので 聴き流されてしまいそうな感じですが、結構このピアノ、 個性的な音使いでなかなか味のあるフレーズを弾きます。 基本的にはメロウな響きなんですけど、 時々聴き手をはっとさせる様な解釈が入ってくるのが面白い。 "赤鼻のトナカイ"なんてサラッと演奏してますけど、 Aメロが7拍子でBメロが5拍子だったりします。 |
A
CHARLIE BROWN CHRISTMAS / CYRUS CHESTNUT & FRIENDS (ATLANTIC) |
★★★ |
サイラスチェスナットの2000年のクリスマスアルバムは、 前作のソロとは違い、沢山の参加ミュージシャンと一緒に 楽しくパーティをやってる様な感じであります。 ビッグネームだけ書き並べて見ても実に壮観です。 CECIL McBEE,STEVE GADD,DON ALIAS,HUBERT LAWS, KENNY GARRETT,PAT MARTINO,GARY BARTZ, MANHATTAN TRANSFER,MICHAEL BRECKER, VENESSA WILLIAMS,WALLACE RONEY,etc...凄いでしょ。 個人的に"LINUS AND LUCY"が楽しみだったんですが、 ちょっとウキウキ感が足りないかな?(この曲のクレジットには、 ケニーギャレットが入ってる事になってるけど、ミスですね。) もともとサイラスチェスナットってガンガン弾く人じゃないので どちらかと云うと静かな曲の方が味わいが深くて良いです。 |
CHRISTMAS IN SAVANNAH / BEN TUCKER (DOLPHIN) |
★★★ |
1950年代に活躍した渋いベーシスト、ベンタッカーのアルバム。 録音年代が書かれていないのですが、おそらく1990年代。 ベンタッカーがフロントに据えたピアニストは、ジョンコリアーニ。 テリークラークに見出され、ライオネルハンプトン、メルトーメの下で 活躍した人みたいです。 この遍歴を見てもおわかりの様に基本はスイングジャズ。 やや小ぶりではありますが楽しい雰囲気の出たアルバムです。 ドラムのテディリンダーって人がやや粗いのが惜しい。 最近クリスマスソング扱いになってきた"LINUS & LUCY"を 演ってるのは嬉しいです。 3曲ほどジーナレニーって女性ヴォーカルが入りますが、 この人も少しテイストが粗い感じです。 |
BONEY'S FUNKY CHRISTMAS / BONEY JAMES (WARNER BROS.) |
★★★★ |
フュージョン系は苦手なのですが、 このアルバムは確かに気持ち良いです。 流れとしてはケニーGの系統でスムースなサウンド(とのこと)。 今、一番売れ線だと思われます。 個人的には、初っ端の"JINGLE BELLS"が面白かったです。 なんとテナーとパーカッションのデュオ。 様々な音色でカラフルにアレンジの施された演奏と比較すると 線画の様なシンプルさですが、聴き手がイマジネーションで 補う部分が多くて実に刺激的であります。 |
CHRISTMAS COOKIN' / JIMMY SMITH (VERVE) |
★★★ |
これは笑いますよ〜。 ジャズオケバックにジミースミスのオルガンが炸裂。 ジミースミスのオルガンもクサイが、オケアレンジは発酵してます。 いきなりの"GOD REST YE MERRY GENTLEMEN"では、 ティンパニーのデンドンデンドンで幕を明けますが、 こんな身も凍る様なクサイオープニングは、今まで "365歩のマーチ"か"愛のしるし"でしか聴いた事ないです(笑)。 半分くらいは小編成でのファンキーな演奏なんですけど、 やっぱり大編成のダサかっこいい感じが面白いです。 |
BOAS FESTAS / 小野リサ (TOSHIBA EMI) |
★★★★★ |
むせ返るようなジミースミスの後は、小野リサを(笑)。 今年は冬場も働くのですねー。 これがまた素晴らしいアルバムなのです。 ボサノヴァとクリスマスソングの相性の良さを再発見できます。 小野リサのアルバムが20世紀中にもう一枚聴けるなんて まさにミレニアムなクリスマスプレゼントであります。 |
THE
CHOIRS OF CHRISTMAS / JOHN TESH PRESENTS (GTSP RECORDS) |
★★★ |
全くジャズではないのですが、コーラスによる美しいアルバム。 取り上げている曲も18世紀〜19世紀の古い賛美歌が中心。 お祭り騒ぎになって久しいクリスマスがキリスト教徒にとっては 今も変わらず神聖なモノである事を感じながら聴いて見ると 仏教徒の私でも心が洗われる気がします(笑)。 なんせ西暦2000年の終わりに五山の送り火をするくらいですから 宗教もクロスオーヴァー(死語)してもバチはあたらないでしょう。 これを聴いてて思ったのですがクリスマスの夜には、 ヤンガルバレクの「オフィチウム」や「ムネモシネ」あたりを 聴きながら過ごして見るのも良いかもしれませんね。 |
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