南京→蘇州 11月15日(月)晴れ
目覚まし時計が鳴るかどうかは不安ではあったが、無事5時に鳴り、6時にチェックアウトをしようとする。若い男がいかにもいやそうに仕事をする。客を客と思っていない。しかし慣れてしまったので怒る気にもならない。私がJCBカードで752元支払うこととする。
ホテルの前で止まっていたタクシーに乗る。運転手は助手席に同僚か友人を乗せている。我が友人は「メーター」というと運転手は倒した。不安だったが、17元ほどですむ。
南京駅で驚いたことはX線検査があったことである。私たちは慌ててフィルムを鞄から取り出して、ポケットにつっこんだ。電車に乗るためにX線検査とは。何かおかしい。
335次列車に乗る。私たちは一等車である軟座だ。列車は走り出す。私は南京駅で買っておいたパンと何かの種を食う。この種がやっかいで、殻をとるのは難しいわ、実は小さいわ、美味しくないわ、失敗だった。
車窓は霧というか、もやというのか、そういうものが立ちこめていて、時には視界ゼロの時もあり、列車は汽笛を鳴らしていた。無錫を過ぎると私たちだけになり貸し切り状態になってしまった。3時間半の旅。
蘇州駅に着く。三輪車の親父が「日本、中国おともだち」といいながら、しつこくついてくる。たまらん。やはり、ここ蘇州は観光都市なのか。上海駅を降りることを考えると辛くなってくる。
すぐに外国人切符売り場で2階建て電車の軟座をとる。「没有」かなと思ったが、あっさりとれた。そして、30分ほど歩いて、新華飯店(「飯店」とはホテルのこと)に行く。「ツイン」「OK」「2天」「300元」先払い制だ。金を払い10階に上る。各階にフロントがあり、そこで鍵を握っている。部屋でお茶を飲み、一服して、蘇州見学を兼ねて中国銀行を探しに出かける。地図に書いてあった銀行は中国農業銀行でどうにもならない。次に中国銀行の出張所みたいのがあり、そこに行ってみるがダメだった。そこの若い女性は中国人には珍しく、やたら愛想が良かった。また、何十分か歩くと中国銀行が見つかり、行こうとするとマネーチェンジ屋がたむろしていた。友人は以前の経験からか、相当嫌っているようで、「じゃかましい」「ポリよんだろか」など日本で言っていた。トラベラーズ・チェックを現金に換えてもらい、帰る途中、私はたまたま、おばはんが放ったツバをジーパンにつけられるという悲惨な状況に陥ってしまった。泣きそうだった。まあーどうしようもないので、アンマンとインスタントラーメンを買って、部屋に戻る。夜はみかんとりんごを各1個食べた。
(写真:運河の街である蘇州)
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