二度目の香港

2007年7月28日 くそ暑い晴れ

臭豆腐いきなりなんであるが、私はこれまでの仕事歴の中で、今が一番忙しい状況に陥ってしまっている。今までが暇すぎたという説もなきにしもあらずであるが、私にとっては一大事である。私の心のバイブルがつげ義春「無能の人」ということから類推できると思うが、元来、働く気あまりなしの駄目人間である。それなのに、毎日遅くまで働いても仕事が片付かず、何のために生きているんだろうと思いながら悩む今日この頃である。ってことで、不安を抱えながら月曜日だけ休みをもらって、べたな香港に行くことにしました。

今回は楽に豪華で短期間ってことにしました。家から空港まで送迎してくれるMKタクシーのサービス利用(片道3,300円)、ホテルはインターコンチネンタル香港、2泊3日と言うことにしました。ん〜、若干自分の主義とは違うが、仕方がない。でも最近、こんな旅ばっかし。

飛行機は無事、香港に着き、ホテルまで送迎。楽ちん。部屋はゴージャスで、37インチ・アクオスにBOSEのシステムにi-Podドック付き。i-Podを持ってきた私にとっては、これはポイントが高い。素晴らしい。一度くらい外出せずに一日中こんな部屋でパンクを聴きながら、ぼっーとしてみたいもんである。

金魚晩飯の中華も楽に選ぼうということで、「るるぶ」に大きく紹介されている店に行く。「正隆」という店で、客は私達日本人と西洋人ばかり。「Lonely Planet」にも載っているかしらん。どうも地域住民には無視されているっぽい雰囲気が出ている。やっと現地人が入ってきたかと思うと、従業員だったり。北京風煮豚や鶏肉とカシューナッツの炒め物等の味は普通であるが、何となく、違和感が募ってしまう。ネットで調べて来た方が良かったんだろう。「るるぶ」なんてどこまで信じていいのかよく分からんが、掲載料とかもらっているのかと勘ぐってしまう。

食後、腹ごなしに歩いているとチョンキン・マンションが出てきた。チョンキンと言えば、沢木耕太郎が思い浮かんでくるのは、私だけではあるまい。とはいえ、最近は治安もよくなったようで、どうやら彼が宿泊した時代とはどうも違うようであるが、感慨深い。

夜景とりあえず観光っぽいことをしようということで、地下鉄に乗り、旺角(もんかく)駅へ。駅からちょっと歩くと通称金魚街というところに行き着く。その通りは、金魚や熱帯魚を売っていたり、水槽などのグッズが売っている店が集中しており、日本にはない風景が楽しめる。騒がしい香港人が魚好きなんて、意外と寂しがり屋なんだーと思いましたが、どうやら金魚を買うと商売繁盛になるらしく、結局、金儲けなのね。その他の通りを歩くと、臭豆腐の強烈な臭いが鼻を襲ってくる。いやーまさしく中国の匂いやね。いつかは食べたいと思うのだけど、今回も挑戦に至らず。

その後、疲れたので、地下鉄に乗ってホテルに帰ることにする。ホテルに向かいながら九龍半島から香港島と眺めると、香港ならでは夜景の美しさに驚嘆する。まさしく人工的な美しさである。そこで生きている人の悲哀なんかは分からない。暗い夜空の中にただただ明るく輝いておりました。

(写真:臭豆腐、金魚詰め合わせ、夜景)

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