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No.152 中国山東省2003―08.中国到着、移動の連続

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■10月14日

●まずは塘沽駅へ

 日程が一日狂い、時間までおかしくなったが、これも可能性のひとつに考え
ていたからどうにかなる。
 中国は10月にダイヤの改正があるので気になるが、去年のデータでは*烟台
(ィエンタイ/えんたい)行きは15時30分発だ。途中、天津西駅を通るが、中
国の列車は始発から乗るのがいいし、北京で買い物をしたいので北京に行く。
とはいえ、天津新港から北京まではいくつかのステップがある。
 まずは、塘沽(タングゥ)駅まで行かなくてはならない。が、これは、フェ
リーターミナルの隣にバスターミナルがあるので乗るのは簡単だ。ここから102
路で1元(約14円)。ぼくは大荷物を持っているので荷物が1元プラスされ、
計2元(約28円)だ。
 しかし、塘沽駅は終点で無いので降りるタイミングが難しい。一度、塘沽駅
から新港まで行ったことがあるので何とかなると思っていた。
 ところが、予想よりも走る時間が長い。以前はもっと短かったように思う。
それに見たことの無い景色だ。もっとも、以前はずっと立ちっぱなしだったの
で風景は見えなかったのだが。
 それに、駅が見えるであろう反対側に座っているので、満員の乗客に阻まれ
通過してもわからない。それに、このあたりでは列車通勤は少ないだろうから、
駅で大勢降りるとは限らない。腹をくくって情況がわかるまで乗ることにした。
タクシーで戻ってもたいした距離ではないだろう。
 そうこうしているうちに乗客が減り、見慣れた建物が見えてきた。塘沽駅だ。
時間はぼくの勘違いだった。乗り続けていてよかった。
 数人の乗客混ざりぼくも降りたが、まだまだ問題は残っていた。

●天津駅へ

 次のステップは天津駅だ。塘沽駅から天津駅へ行くバスは、ここが始発でな
いようだ。どこにもそれらしいバスは止まっていない。しかたないので「歩き
方」コピーで天津駅へ行くバス調べてみると、早速やってきたので飛び乗った。
ぼくと荷物で10元(約140円)。以前天津から塘沽へきた時は人と荷物で8元
(約110円)だったと思うが、今回はミニバスなので高いのだろう。たいてい、
ミニバスは同じ路線でも高い。
 バスはすぐに走り出す。道端で客を拾いながらも全速力だ。もちろん、高速
は走らない。客を拾いながら次第に1時間ほどもすると街が大きくなってくる。
天津市街に近づいたのだろう。
 そうこうしているうちに、見慣れた景色が見た。天津駅だ。駅前のバス乗り
場に止まったとき、ぼくは飛び降りた。前回は、駅の横のターミナルの始発だ
ったが、ともかく、降りれるときに降りるのだ。それが安心。

●北京へ

 天津から北京へはどう行こう。いき方はいろいろある。天津と北京は1時間
おきに直通列車があるから、早くて安いのを選ぼう。
 とりあえず、時刻表がほしいので駅に向かって歩いていると、男性から声を
かけられた。北京まで50元(約700円)だという。車のようだが、タクシーだと
高すぎ、バスだと安すぎるように感じる。よくわからないので駅へ。
 すると、駅の入り口で北京行きの切符を売っていた。もちろん、駅員だ。値
段は30元(約420円)。即買った。出発時間までしばらくあるので、時刻表を買
った。
 中国の列車時刻表は、毎年4月と10月のダイヤ改正にあわせて同じ時期に発
売されているが、よくみると1年前の時刻表を売っている。どういうことだろ
うか。
 中国での鉄道旅行は何度か経験があるから大丈夫。日本とちょっと違うとこ
ろは、飛行場と同じように、中に入るためには荷物のX線検査があることだ。
ただし、大きな荷物だけで、デイバッグやセカンドバックなどは大丈夫。いた
って簡単だ。
 船から下りるときも、センサーに手をかざしたが、駅ではカメラの前をゆっ
くりと通る。体温検査のようだ。
 そのあと、電光掲示板に表示される列車の待合室で待機、時間が来たところ
で改札を受け、ホームに下りる。つまり、飛行機と同じようなものだ。これも、
不審者の侵入を防ぐためだろう。
 ぼくが乗るのは天津と北京を結ぶ列車、2階建てだ。今回も2階に乗った。
座席は、通路を挟んで3席と2席という新幹線と同じタイプだ。
 ただ、すべて向かい合っているところがちょっと違う。全席指定なので、チ
ケットを買えば必ず座れる。1時間半ほどで30元。マクドナルドのセットが
17.5元(17元5角/約250円)なので、安いだろう。日本の鉄道で、250円ほど
で乗れる距離はどれくらいだろうか。

●北京に到着

 早速車内で時刻表をチェックした。やはり、インターネットで調べたとおり
の時間だ。乗り換えは煩雑なので、直通で行く。北京駅に着いたらすぐ買おう。
 2547次 北京発 烟台行。北京を15時30分に出発、烟台へは翌朝6時26分到
着、14時間54分の旅だ。
 どこまでも続く畑を見ながら北京の到着。さっそくチケット売り場に行く。
と、狙っていた硬*臥(2等寝台に相当)の真ん中がなかったので、残っていた
上にした。当日なので買えないかと思っていたのだが、よかった。202元(約
2800円)。
 まだ朝の10時過ぎ、出発までには時間があるので、予定通りに、本屋で買い
物だ。
 予定通り山東省のガイドと買い、久しぶりに中国のマクドナルドで食事をし
た。以前よりも、店員のユニフォームがおしゃれになっている。店内には中国
人ばかりなのは、前と同じだ。そのあと、天安門も見ないで北京駅前に戻る。
 しかし、列車に乗る前に買出しだ。中国の長距離列車には食堂車があるが、
特定の時間しか開かない上に、車内放送で知らせるのでいつなのかわからない。
そのうえ高い。それ以外にも車内販売のお弁当もあるが、買えるかどうかわか
らないし、これも高い。
 最後に、駅売りの駅弁もあるが、うまい具合に食事時に駅に止まらないとい
けないし、必ずあるともいえない。ということで、夕食用にカップラーメンを
買うのだ。各車両ごとに給湯器があるので、お湯の心配はない。

○北京駅
北京駅

○王府井
王府井

●北京から烟台へ

 買出しも終わると、荷物と体温の検査を終えて、駅構内へ。掲示板から待合
室を知る。そこにもお湯の出る水道があり、お茶を作れる。
 ぼくもそこでお湯をもらっていると、なにやら駅員が叫び、人が集まり始め
た。烟台行きが出発するのにはまだ時間があるのだが、気になってみてみたら、
烟台行きのようだ。
 ホーム外が違うようで、別の場所までいき、改札が始まる。30分以上早い乗
車だが、早いに越したことはない。車内で早く自分の場所の確保だ。ぼくのベ
ッドは車両の端。もしかしたら、ほとんど無かったのかもしれない。よかった。
 時間通り列車は出発。延々と続く畑を見ながら進んでいく。中国のまったい
らな大地には、トウモロコシやヒマワリが植えられている。そして日没。あた
りは暗くなる。すると、外はまったく何も見えなくなる。
 考えていた最悪のパターンで、どこの駅にも駅弁は売っていなかった。さら
に、車内弁当は15元(約210円)もした。高すぎる。ということで、カップラー
メンを食べることにした。
 食事が終わるとすることは無い。外を見ても暗くて何も見えない。だから、
寝ることにした。

※中国の通貨「元」の日本円への換算は、旅行中の私の両替率の平均から概算
しています。                      1元=約14.0円

●つづく●
                       Copyright(C), Taki 2003
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