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No.155 中国山東省2003―11.臨[シ畄]に到着
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■10月18日
●中国火車、硬座の旅
青*島駅近くのホテルで一泊。翌朝、ホテルの朝食を食べて駅へ向かう。
青島駅は見た目は大きく立派だったが、2階の待合室はひとつだけだった。
いや、このほうが間違わなくてもいい。
しばらくすると、改札が始まる。これから硬座の旅がはじまるのだ。
中国の列車、それも最も下のランクになる硬座の旅は評判が悪い。人が多く
て狭い、そこらじゅうにごみを捨てるので汚い、挙句の果てには、そこら辺に
子供におしっこをさせる、など。
これを体験しなければ中国を旅したことにはならないといわれながら一度体
験するともう二度と乗りたくないといわれるほどのもの。それにこれから乗る
のだ。
などという緊張はなかった。何しろ、全線でも半日程度の近距離の旅、大丈
夫だ。それに、北京からの列車旅で、柔らかい硬座を見たこともある。
果たして、ぼくたちの座席は、柔らかかった。もちろん、硬座はその名の通
り、昔の国鉄ローカル線以上の直角で硬いシートと聞いている。しかし、そこ
にあるのは、体にあわせたカーブを描く、柔らかいシートだった。まるで軟座
のようだ。
いやいや、これでいい。ある程度旅は快適ではなかったら。ましてや、初め
ての中国旅行二日目の友人にKOパンチを食らわせるわけにはいかない。
ともあれ、中国旅行経験があるぼくと、中国初めての友人、そして中国人の
3人は列車に揺られていった。
*島:
●臨[シ畄]に到着
見渡す限り延々と続く畑。ひたすら畑。地平線しか見えない畑。日本では、
北海道以外では見られない風景だ。
ぼくにとっては興味のある風景だが、友人はそれほど気にならないようだ。
4時間も続く列車の旅にあっという間に飽きてきたようだ。
列車で3泊、バスでも2泊の経験があるぼくにとっては、4時間の移動など
短いのだが。友人は、4時間というと大阪から新幹線では東京を越えてしまう
といっていたが、ここは中国。こんなものだ。
ぼくにとっては適当な時間、友人にとっては恐らく死ぬほど長い時間、列車
に乗ってついに*臨*[シ畄]に到着した。
思っていたよりも臨[シ畄]は大きな駅だった。もっと小さなローカル駅を想
像していたぼくにとってはほっとした。
なぜなら、これならホテルも多く、当然安いのも見つけやすくなるからだ。
*臨: *[シ畄]:
○臨[シ畄]駅
●新しい町に着いたら
ほぼ定刻どおり13時過ぎに到着。最近の中国の列車はそんなに遅れない。実
際、5年前に上海−ウルムチ間4000キロ走って1時間ほどの遅れでしかなかっ
た。
駅を出ても客引きらしいものとはほとんど出会わない。のんびりとしている
が、それだけここが観光客が少ない町ということだ。
中国の旅で新しい町に着くと、まずは駅前で地図を買うこと、そしてホテル
を決めることがはじまりだ。
大抵、長距離バスターミナルや駅付近で地図は売っている。地図はかならず
しも等縮尺で描かれているわけではないが、観光地も含めて重要な施設は載っ
ているし、バス路線が書かれているのでとても役に立つ。
もちろ、あからじめ中国語のホームページでいろいろと情報を集め、北京で
山東省のガイドを買ってはみたが、今までの経験上、公式ホームページと言っ
ても情報は当てにはできない。
もちろん、故意に誤った情報を流すことはないだろうが、更新が遅れて古い
情報のままだったり、情報が錯綜することはよくある。
だから、基本的に情報はすべて間違っている可能性があると考え、複数の情
報からどれが正しいかを決めるのがぼくのやり方だ。
●華夏賓館
しかし、今回はぼくの友人の中国人のメルトモさんがいろいろと探してきて
くれたというので、まずはメルトモさんに従おう。
メルトモさんは、あらかじめ調べたリストを見ながら、駅前からはじめる大
きな道を歩き始めた。そして、目と鼻の先、2ブロックほど行ったところの角
に1軒のホテルが。夏*華*賓*館。
このホテルは、ぼくが探したホテルのリストにもあったが、値段がわからな
かった。
まずはメルトモさんを先頭にホテルに入り、カウンターでいろいろと話して
いると、ツイン1泊100元(約1300円)が連泊するので90元(約1200円)に。1
人45元(約600円)。安い。いとも簡単に安ホテルが見つかった。
これでいよいよ、観光の始まりだ。
*華: *賓: *館:
○華夏賓館
『文字鏡研究会』
●つづく●
Copyright(C), Taki 2003
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