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No.156 中国山東省2003―12.臨[シ畄]02 太公望に会いに行く

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●太公望に会いに行く

 ここ*臨*[シ畄](リンズ/りんし)は、日本のガイドブックで紹介されてい
ない。さらに、日本語のホームページでも具体的な紹介があるのは極めてまれ
だ。にもかかわらず、ここを選んだ理由は、友人の希望だった。
 彼は、古代中国*斉(チィ/さい)国の宰相の姜太公(ジャンタイゴン/きょ
うたいこう)、つまり太公望(タイゴンワン/たいこうぼう)に興味があった
からだ。ここは姜太公の縁の地、姜太公祠(ジャンタイゴン ツ)がある。さ
らに、姜太公旅游中心(ジャンタイゴン リュゥヨゥ チョンシン)もあると
いう。
 事前の調べでは、両者が同じものなのかちがうものかはっきりしなかったが、
はっきりしなかったが、ここにきた以上、あとはなんとかなるだろう。
 まずは、中国のガイドブックに載っていた大まかな地図の記憶を頼りに歩き
始めた。ぼくとしては、まずはここの地図を勝手からにしたかったが、まあ、
いいだろう。
 中国人と一緒ということで、メルトモさんが道を行く人に聞いてくれる。ホ
テルからまっすぐ東へ進めばいいらしいが、途中で道がなくなった。
 3人で旅をするときの主人公であるぼくの友人の一言で、タクシーで行くこ
とになった。この町のタクシーは初乗り5元(約67円)だから、日本人の感覚
では高くはない。
 そしてタクシーは走り始める。大通りの標識に何度も、姜太公祠は右という
表示が出るがタクシーはどこまでも行く。道行く人に聞いたときも、歩いてす
ぐの距離のようだったが、まあ、なんとかなるだろう。

*臨: *[シ畄]: *斉:

●管仲墓

 市街から出て、川を渡って料金所を通らず右折。細い道を行くと、あった。
管仲墓(クヮンチョン ムゥ)が。
 管仲は中国春秋戦国時代の有名な政治家で、斉国の発展に貢献した。今回も
予定に入っていたが、もちろん太公望とは別人だ。
 どういういきさつがあったのかわからないが、運転手は間違えたようだ。そ
れほど姜太公はここでは有名でないのだろうか。
 ともかく、順番が変わったのだけだから管仲墓に行ってみようと思ったのだ
が、なんと工事中で近寄ることはできないらしい。
 周りを通りかかった人と運転手、メルトモさんなどで協議の結果、どうやら
姜太公祠の位置がわかったようだ。さあ、もどろう。

●姜太公祠

 やはり、姜太公祠は街の中にあった。中国の道観などでよくある平たい門が
待ち構えてくれる。そこをくぐって券を買う。8元(約110円)。
 中は、割と大きな道観となっていた。中国の伝統的住宅の四合院にも通じる
中庭を建物が囲むブロックがいくつも続いている。
 そして奥には大きな塚が。これが姜太公の墓だろうか。前には石碑が建てら
れているが、新しい。最近のもののようだ。
 その裏には落書きがされていて、友人はいたく残念がっていた。その程度の
ことで残念がっていては、中国の旅行は大変なものになるのだが。いや、彼の
姜太公に対する信仰の篤さなのかもしれない。
 そして、ホテルまで帰ろうと道を歩いていると、さっきタクシーに乗ったと
ころまで数分の距離だった。タクシーを使うまでもない距離だ。
 ここは中国、タクシーがぼったのか、と思ったが、メーターを倒していたに
もかかわらず、半額しか受け取らなかったことや、メルトモさんが運転手が間
違っていたと言っていたので、それが真実だろう。

○姜太公墓
姜太公墓

●中華料理ではない中国の料理

 一度ホテルに戻って、街の中心部に向かってぶらぶら歩く。到着初日なので、
どこに何があるのかわからない。
 街を東西に走る大通りのひとつ、桓公路に出る。そこは、「超市(チャンシ
ー)」と書かれた大きなスーパーがあるところだ。
 そこを歩いて一軒のレストランを見つけ、そこで食事をした。中国はじめて
の友人はともかく、ぼくもそれほど中国の食べ物を食べたわけではない。とい
うことで、メルトモさんに2品選んでもらい、ぼくは大好きな西*紅柿炒*鶏蛋
(シーホンシィ チャオジータン)を選んだ。
 中国で食べる料理は、日本の中華料理店で食べ料理とは別物と考えたほうが
いいだろう。たとえ料理人が中国人であっても。
 しかし、山東省の料理は割と日本人の口に合うのか、友人もおいしいといっ
て食べてくれた。
 友人が海外旅行で困ることのひとつ、料理がクリアできたことで、ほっとし
たぼくであった。

*紅: *鶏:

『文字鏡研究会』今昔文字鏡

●つづく●
                       Copyright(C), Taki 2003
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