□□□□▲旅のフィールド〈メモ〉▼モバイル▲□□□□□□□□□□□□□ No.168 中国山東省2003−24.烟台04 中国烟台の蓬莱閣へ ◇◇◇◇▼旅のフィールド〈メモ〉▲モバイル▼◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ ―――――//―――――――――――――――――――――――//――――― ●蓬莱市へ 蓬莱閣(ポンライ グ)は、烟台市(ィエンタイ シ)の有名な観光スポッ トのひとつだ。しかし、市街から離れている。中心部の芝罘区のとなりのその またとなり、蓬莱市にある。 市の中に市があるのは変に思うかもしれないが、中国の行政区分の体系は日 本とは少し違うので、こういうことも起こりうる。 「市」といっても、烟台自体は、日本で言うと都道府県クラスの自治体にな るだろうか。蓬莱市は、日本の市に相当するように感じる。 というわけで、烟台市内だが、市街からはちょっと遠いので、長距離バスタ ーミナルから行くことになる。 市街にはいくつか長距離バスターミナルがあるが、それぞれによってバスの クラスや値段が変わってくる。 今回は、安そうな北馬路(ペイマ ルゥ)のターミナルから出発することに なった。といっても、ここのバスは2種類。いわゆるミニバスと呼ばれるクラ スの小型のバスと、大型のバスだ。それぞれ値段は10元(約130円)と14元(約 190円)。あまりちがいは無いが、安いほうで行くことにした。 ●10元バス チケットを買うとすでにバスは待機していた。車内はちょっと狭いが、近距 離で荷物もほとんど無いので大丈夫。 時間は、地図の上から1時間ほどと思っていた。ところが、蓬莱市に入って から、バスは街道からそれて未舗装の道を走り始めた。どうも客を途中で降ろ しているようだ。このように融通の聞きミニバスは、地元の人々の足となって いる。 中国のバスのシステムはいまだによくわからないが、どうも、乗務員の給与 体系が月給制と出来高制に分かれているように感じる。 烟台の場合、市内を定期的に走るバスは月給制のような感じで、運行時間通 りに走っているようだ。 それにたいして、今回乗ったミニバスのようなタイプは、出来高制のようで、 とにかくお客を拾いまくる。だから、出発の時点で客が少ないと、市街を流し 客を探す。その結果、目的地の到着が遅くなるのだ。 そんなこんなで、2時間近くかかって蓬莱市に到着した。 ●しつこい客引きに遭う 蓬莱閣は蓬莱市街の近く、海に面したところにある。まずは、長距離バスタ ーミナルで地図を買ったが、とてもしつこい3輪バイクの客引きに遭ってしま った。いらないといっても無視してもついてくる。おかげですっかりペースを 崩されてしまった。 いままで、こんなしつこい客引きなどいないところばかり回っていたのが原 因だからだろう。それだけ、ここが観光地ずれしているということだ。これか らどうなるのか。 ●蓬莱水城 ペースを崩されたがなんとか城壁にたどり着いた。そこでチケットを買い、 中に入る。が、この城壁の中は無料だった。結局、有料なのは、城壁の中にあ る各種博物館と、蓬莱閣を含む一体だけだった。 入場料は、蓬莱閣と各種博物館のセットで70元(約930円)。決して安くない 金額だが、はたして、それだけのものなのだろうか。なにしろ、北京(ベィジ ン)の故宮博物院(グゥゴン ポーウーユアン)よりも高いのだ。 城壁の中を歩いていくと、大きな入り江のようになっていて、そこに何艘も 船が並んでいる。 この城が築かれたときは明代、古代水軍基地で、ここで訓練された水軍が倭 寇を撃退したという。しかし、今は漁港となっている。 その前の通りは土産物屋の屋台が並び、もちろん多くが海産物を売っている。 この漁港で水揚げされたものだろう。 水城という歴史的建築物を前にして、道は海産物市場になている。そこには、 人々の生活がある。なんとも、アンバランスなところだろうか。 この城の中にはいくつもの博物館があるが、水族館のように地図に記載され ているが、現実には無いものもある。 機能している博物館には、この蓬莱水城(ポンライ スイチャン)の海底か ら引き上げられた遺物が多数展示されている。なかには、漢代の土器などもあ り、フジツボがついたりと必ずしも状態はよくないが、なかなか古いものも展 示されている。 ○蓬莱閣から見た見た蓬莱水城 ●蓬莱閣 蓬莱閣は、古代中国四台名楼の一つといわれ、海に面しているだけあって、 天后宮(ティェンホウ ゴン)がある。天后は中国の民間信仰の神で、主に海 の守り神とされている。 関帝(グァンティ)とともに海外へ行く華僑の信仰も篤く、関帝廟(グァン ティ ミャォ)に一緒に祭られていることも多い。また、台湾の沿岸部の都市 や、香港(シャンガン)などでも信仰を集める神である。 ここは、海に突き出した小さな半島の、さらに高くなっている丘の上に作ら れているので、あたりがよく見渡せる。だから倭寇撃退の基地になったのだろ う。 海は遠くまで見え、正面には渤海と黄海を分ける廟島群島(ミャォタオ チ ュンタオ)が見える。そして、後ろを向けば、水城の入り江を漁船が行き来し、 細い水路を抜けて海へと出て行く姿は、まるで明代に戻ったような錯覚を覚え る。 しかし、北京の故宮博物院よりも高い70元。比べてしまうと、損をしたよう な気がしてならないのであった。 ○海岸から見た蓬莱閣 ●帰りは14元バス 行きはケチってしんどい思いをしたので、帰りは気前よく14元で帰ろう。青 島行きのようなきれいなバスというわけにはいかないが、広い車内は快適、VCD を上映するモニタも新しい。 もちろん、未舗装の道は走らず、街道をどんどん行く。途中給油でどういう わけか10分くらい停車されたが、行きよりは楽に烟台のバスターミナルに到着。 しかし、時間はあまり変わらなかった。 中国のバスの移動は、どうなるかは行ってみるまでわからないのだ。 ●つづく● Copyright(C), Taki 2003 □□□□▲旅のフィールド〈メモ〉▼□□□□□□□□□□□□□□□□□□ |