□□□□▲旅のフィールド〈メモ〉▼□□□□□□□□□□□□□□□□□□ No.170 中国山東省2003―26.済南2 澄んだ泉と黄色い黄河 ◇◇◇◇▼旅のフィールド〈メモ〉▲◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ ―――――//―――――――――――――――――――――――//――――― ●山東師範大学 山*東省博物*館(シャントンシァン ポーウーグァン)と千佛山(チェンフ ー シャン)から少し歩いたところに山東*師*範大学(シャントン シファン ターシュェ)がある。裏側から行ってしまったので正門に回ろうということ になったが、これがでかい。 中国の大学はひとつの都市のようだと書いたが、それを実感する大きさだ。 どこまで歩いても、大学が続いている。 やっと正門へ回ると、*網*[口巴](ワンバ/インターネットカフェ)が並ぶ 大学の門前町だ。 正門はもちろんのこと烟台大学(ィエンタイ ターシエ)よりも立派で大き い。そこをくぐると、毛*沢東(マオ ツェトン)氏の像が出迎えてくれる。見 上げるような大きさだ。ぼくが見た中では、新疆(シンジャン)ウイグル自治 区のカシュガルで見たものに次ぐ大きさだ。 千佛山のように段になっていて、そこに校舎が立てられている。奥に行くと、 寮になり、学生が生活している。ベランダにかけられた洗濯物の数が部屋の住 人の多さを表していた。 *東: *館: *師: *範: *網: *[口巴]: *沢: ●黄河 *済南(チーナン)でどうしても行きたかったところの一つに黄河(ホヮンフ) あった。中国を流れる大河の一つ、その河に接しているのが済南だ。 しかし、広い山東師範大学を回っているうちにもう4時半だ。バスに乗って る時間を考えると、黄河で日没が見れるかもしれない……と言うには微妙な時 間だ。それでも行こう。 バスを乗り継ぎ済南駅を越える高架を通る頃には日没。後は夜になる前につ けるかどうかだ。 と心配したが、黄河の堤防下について時にはかなり暗くなていた。この堤防 が高い。今まで見たこともないほど高い堤防だ。隣を走っている高速と同じく らいの高さだ。20メートルくらいだろうか。 そして上にあがると、スポーツグラウンドが作れるほど広い。ぼくにとって は堤防とはいえない。 実際そこは公園になっていてチケットが必要なようだが、もう遅い時間のた めか無料ではいることができた。 *済: ●黄河が運んできた土 そこから歩いていってやっと黄河を見ることができた。目の前を流れる川は、 大河といういには狭い。日本でもごくあたりまえにあるような川だ。 色は黄色、薄暗いがまだそれくらいはわかる。流れが速い。そして、川原ま でが近い。階段があるが、この堤防の上に上がるために登ってきたより距離よ りも短い。かなり短い。 それもそのはずで、このあたりの黄河の河床は済南市街地よりも高くなって いる。つまり天井川だ。黄河を流れる土砂の量が多く、長い中国の歴史の中で も何度もその流れを変えている。 そのため、中国が数千メートルの長さの堤防を築いたのだ。流れを変えるこ とができなくなった黄河は、ここの土砂を溜めるしかない。だから天井川にな ったのだろう。 川原に下りてみた。厚く砂がつもっている。黄色い砂だ。黄河と同じ色。手 にとって見ると、とてもきめが細かい。山東省各地で見た土と同じだ。これも 高度高原から流れてきた土なのだろうか。 ○黄河 ■12月 2日 ●*[足勺]突泉公園 済南市街にはほかにもいくつもの観光地がある。古い都市である済南らしい。 山東省は、華中地方とちがい水田をまったく見かけることがない。乾燥して いるのだろう。 しかし、済南は水が豊富にある。72も泉があるといわれ、市街には湖もある。 それも、山東省一高い泰山(タイシャン)に降った雨が地下を流れてちょうど 済南のあたりで地上に噴出すのだという。 その泉の中で、おそらくもっとも有名なのが、この*[足勺]突(パオトゥー チェン/ほうとつせん)だろう。あまりにも勢いよく湧き出すのでまるで跳ね ているようなので、この名前がついたという。 といっても、この公園にあるのは[足勺]突泉だけではなく、いくつもの泉が ある。正面から入っていくと、それらの泉が出迎えてくれる。 しかし、水の色がにごり、水が沸いているようには見えないものもある。 1990年代には泉が飛び跳ねる姿がみられなくなったという。 そしてついに到着。きれいな水が見える。そして、泉の中央には盛り上がる 水が。まるで地下の配水管が破裂したように3つも盛り上がっている。 茶色い黄河が流れているところから数キロのところで、こんなにきれいな水 が湧き出しているのは、とても奇妙にも思える。 *[足勺]: ○[足勺]突泉 『文字鏡研究会』 ●つづく● Copyright(C), Taki 2003 □□□□▲旅のフィールド〈メモ〉▼□□□□□□□□□□□□□□□□□□ |