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No.170 中国山東省2003―26.済南2 澄んだ泉と黄色い黄河
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●山東師範大学
山*東省博物*館(シャントンシァン ポーウーグァン)と千佛山(チェンフ
ー シャン)から少し歩いたところに山東*師*範大学(シャントン シファン
ターシュェ)がある。裏側から行ってしまったので正門に回ろうということ
になったが、これがでかい。
中国の大学はひとつの都市のようだと書いたが、それを実感する大きさだ。
どこまで歩いても、大学が続いている。
やっと正門へ回ると、*網*[口巴](ワンバ/インターネットカフェ)が並ぶ
大学の門前町だ。
正門はもちろんのこと烟台大学(ィエンタイ ターシエ)よりも立派で大き
い。そこをくぐると、毛*沢東(マオ ツェトン)氏の像が出迎えてくれる。見
上げるような大きさだ。ぼくが見た中では、新疆(シンジャン)ウイグル自治
区のカシュガルで見たものに次ぐ大きさだ。
千佛山のように段になっていて、そこに校舎が立てられている。奥に行くと、
寮になり、学生が生活している。ベランダにかけられた洗濯物の数が部屋の住
人の多さを表していた。
*東: *館: *師: *範: *網: *[口巴]: *沢:
●黄河
*済南(チーナン)でどうしても行きたかったところの一つに黄河(ホヮンフ)
あった。中国を流れる大河の一つ、その河に接しているのが済南だ。
しかし、広い山東師範大学を回っているうちにもう4時半だ。バスに乗って
る時間を考えると、黄河で日没が見れるかもしれない……と言うには微妙な時
間だ。それでも行こう。
バスを乗り継ぎ済南駅を越える高架を通る頃には日没。後は夜になる前につ
けるかどうかだ。
と心配したが、黄河の堤防下について時にはかなり暗くなていた。この堤防
が高い。今まで見たこともないほど高い堤防だ。隣を走っている高速と同じく
らいの高さだ。20メートルくらいだろうか。
そして上にあがると、スポーツグラウンドが作れるほど広い。ぼくにとって
は堤防とはいえない。
実際そこは公園になっていてチケットが必要なようだが、もう遅い時間のた
めか無料ではいることができた。
*済:
●黄河が運んできた土
そこから歩いていってやっと黄河を見ることができた。目の前を流れる川は、
大河といういには狭い。日本でもごくあたりまえにあるような川だ。
色は黄色、薄暗いがまだそれくらいはわかる。流れが速い。そして、川原ま
でが近い。階段があるが、この堤防の上に上がるために登ってきたより距離よ
りも短い。かなり短い。
それもそのはずで、このあたりの黄河の河床は済南市街地よりも高くなって
いる。つまり天井川だ。黄河を流れる土砂の量が多く、長い中国の歴史の中で
も何度もその流れを変えている。
そのため、中国が数千メートルの長さの堤防を築いたのだ。流れを変えるこ
とができなくなった黄河は、ここの土砂を溜めるしかない。だから天井川にな
ったのだろう。
川原に下りてみた。厚く砂がつもっている。黄色い砂だ。黄河と同じ色。手
にとって見ると、とてもきめが細かい。山東省各地で見た土と同じだ。これも
高度高原から流れてきた土なのだろうか。
○黄河
■12月 2日
●*[足勺]突泉公園
済南市街にはほかにもいくつもの観光地がある。古い都市である済南らしい。
山東省は、華中地方とちがい水田をまったく見かけることがない。乾燥して
いるのだろう。
しかし、済南は水が豊富にある。72も泉があるといわれ、市街には湖もある。
それも、山東省一高い泰山(タイシャン)に降った雨が地下を流れてちょうど
済南のあたりで地上に噴出すのだという。
その泉の中で、おそらくもっとも有名なのが、この*[足勺]突(パオトゥー
チェン/ほうとつせん)だろう。あまりにも勢いよく湧き出すのでまるで跳ね
ているようなので、この名前がついたという。
といっても、この公園にあるのは[足勺]突泉だけではなく、いくつもの泉が
ある。正面から入っていくと、それらの泉が出迎えてくれる。
しかし、水の色がにごり、水が沸いているようには見えないものもある。
1990年代には泉が飛び跳ねる姿がみられなくなったという。
そしてついに到着。きれいな水が見える。そして、泉の中央には盛り上がる
水が。まるで地下の配水管が破裂したように3つも盛り上がっている。
茶色い黄河が流れているところから数キロのところで、こんなにきれいな水
が湧き出しているのは、とても奇妙にも思える。
*[足勺]:
○[足勺]突泉
『文字鏡研究会』
●つづく●
Copyright(C), Taki 2003
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