□□□□▲旅のフィールド〈メモ〉▼□□□□□□□□□□□□□□□□□□ No.182 中国山東省2003―33.中国の食べ物01 中国のケーキを考える ◇◇◇◇▼旅のフィールド〈メモ〉▲◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ ●中国のケーキ 中国というと日本ほど西洋風の食べ物が入ってないようなイメージがあるが、 確かに日本ほどではない。それでも、ケーキ屋が中国にはある。 *済南(チーナン)では、「*愛里蛋*[米羔](アイリ ダンガオ/別に「A・ 里蛋[米羔]」と言う表記もある)」と「好利来(ハオリライ)」と「大三元蛋 [米羔](ダーサンユェヌ ダンガオ)」の3種類を見た。 同じチェーンでも店舗によって多少ちがいはあるが、一番ケーキ屋として好 印象なのが「好利来」。 売ってーケーキの種類も多いし、女性が着ている赤いドレスのような服もかわ いい。 店内はどこも似たような感じで、ケーキは売り場の1/3から多くても半分。残 りは菓子パンだ。 とはいえ、ぼくが見た感じでは、どの店でもそこでデコレーションをしてい た。作りたてのケーキを売っているのだ。頼めば、その場でデコレーションを やってくれるようだ。見本で置いてあるデコレーションの種類も豊富だ。小さ なスーパーにある小さなケーキ売り場ですら、その場でデコレーションしてい るのだから。 そう、中国のケーキの楽しみ方は、味や種類じゃなくて、デコレーションな のだ。なぜなら、ケーキの種類が極端に少ない。チーズケーキもスフレケーキ もモンブランもない。 いや、あるかもしれないが、恐らくは外資系の高級ホテルの喫茶室くらいだ ろう。少なくとも、上の三店にはなかった。 *済: *愛: *[米羔]: 『文字鏡研究会』 ●クリームを食べる、スポンジを食べる ただ、デコレーションといっても、すべてはクリームだ。いろいろな色をつ けたクリームで様々なおめでたいデザインがデコレーションされている。 日本人の感覚で「ケーキ」として見てしまうと「なんだかな〜」というのも 多いが、単純にクリームによるデコレーションとして見ると、けっこう面白い のも多い。 ただ、買って食べるとなると、結局は普通のスポンジと大量のクリームだけ なので、少々残念だが。 それに、見た目が楽しいデコレーションだが、クリーム以外のものももっと 積極的に使ってほしい。 とはいえ、中国のケーキはまだスタートラインのように感じる。今後、中国 の伝統的なお菓子やセンスを取り入れて独自の発展を期待している。日本のよ うに、ヨーロッパの真似ばかりでなく。 ●好利来 ぼくが出会った3つのケーキ屋のうち、もっとも高く評価をするのは「好利 来」だ。 なぜかというと、他の店はクリームのデコレーションのバリエーションしか なかったのに対して、好利来はケーキ自体のバリエーションもあったからだ。 スポンジ自体を工夫したり、チョコレートでコーティングしたりと。 スポンジの上にクリームをかけただけのケーキばかりの中で、オアシスに出 会ったような気がした。 それでも日本のデパ地下に日参している日本のOLだったら、気絶しそうな 品揃えですが。 現代の日本の洋菓子は、デパ地下とOLのカップリングで発展したようなも のだから、これからは中国のOLに期待だろうか。 しかし、ケーキ屋で見たのは大学生くらいの女の子たちと、大学生くらいの アベック、小学生くらいの子供とその親だった。ということは、中国の洋菓子 は大学生がけん引役なのだろうか。 △好利来蛋[米羔]世界(中国語簡体字GB2312) デコレーションされたケーキの画像があります。 ●タンタオとシュークリームと ケーキ屋で売っているそういったケーキ以外にも、「CAKE」と書かれた食べ 物はいろいろとある。スーパーのお菓子売り場に行けば、袋に入ったケーキが いっぱいある。しかし、そうでないケーキは、すでに書いたとおりだ。 とはいえ、スーパーには必ずケーキ売り場があるのだから、今後はどんどん ケーキは発達していくだろう。 今は、やっとパンの種類が増えてきたって感じなのでこれからだろう。とは いえ、個人的に気なるパンはまだまだ見つからないが。 このように洋菓子の種類が少ない中国だが、さすがにマカオ名物のタンタオ (タルト、蛋*達、蛋塔)は定着しているみたいだ。スーパーなどの大きなパン コーナーでは必ずと言っていいほど見かける。 個人的には、リエージュタイプのワッフルと、ぱりぱりシューがはやく定着 してほしいと願っている。 一応、シュークリームのようなものは見かけた。ためしに、と買って食べて みたのだが、見た目はぱりぱりシューっぽいんですが、皮はクッキーのように 固くて、中は生クリームだけ。カスタードクリームは入っていない。 期待はしていなかったとはいえ、がっかりした。 *達: 『文字鏡研究会』 ※中国の通貨「元」の日本円への換算は、旅行中の私の両替率の平均から概算 しています。 1元=約13.3円 ●つづく● Copyright(C), Fieldnotes. 2003-2004 □□□□▲旅のフィールド〈メモ〉▼□□□□□□□□□□□□□□□□□□ |