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No.199　中国山東省2003―42．中国の食べ物３　中国人とつめたい食べ物

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●中国の外食

　中国に来たからはほとんどが外食だが、中国は日本以上に外食が当たり前の
ところなので、困ることはない。
　食堂は人の住んでいるところには必ずあるし、商店もある。一食が数十元
（約数百円）の店もあるが、５元（約67円）もしない店もある。
　ちょっと気のきいた店で二人で食事しても食べて500円もしないし、安いとこ
ろだと二人で200円しない。
　そうやって中国人と食事をする機会がが多いと、いろいろな発見がある。た
とえば、中国には室温、つまり冷たい食べ物が結構あるということだ。
　べつに店がいい加減なので料理が冷えたというわけではない。そういう店も
ないことはないが、普通の店には「冷菜」というメニューがあるのだ。

●中国人とつめたい食べ物

　中国に関することでよく言われることの一つに「中国人は冷たい食べ物を食
べない」というのがある。
　ちょうど、中国人と一緒にいる。そこで、この「中国人は冷たい食べ物を食
べないのか？」という疑問を投げてみた。
　いろいろと話し合った結果は、以下の通り。

１．「冷たい」食べ物は中国人は嫌いではない。
　アイスクリームなどよく食べる。
　気温が10℃を切った今でも、屋外でソフトクリームが売られている。

２．室温の食べ物も食べる。
　実際、レストランには「熱菜」と一緒に「冷菜」がある。
　冷菜は、調理後（一度加熱したものも少なくない）、室温で食べる。

３．しかし、冷えたご飯は食べない。または、食べても不快な思いをする。
　つまり、中国人は冷たいものを食べないといわれるのは、これのことではな
いだろうか。

　この、冷えたご飯と中国人の関係は、冷えた味噌汁と日本人の関係と同じで
はないだろうか。味噌汁を冷やして食べる習慣がある地域もあるが、多くの地
域では冷えた味噌汁が食事時に出されたらいい印象は受けないだろう。

●本当に冷たいものを食べない？

　さて、以下の文章に登場する「中国人」は、単純に量的な、「中国に住む多
くの人」というような意味で使っている。
　もちろん、中国には多くの民族が住み、多くの文化があり、それらは質的に
はほかの文化と比較して劣ることはまったくない。
　しかし、今回は、一般論としての、単純な量的概念の「中国人」を使うこと
にしている。
　さて、「中国人は冷たいものを食べるのか？」についてだが、これは単純に
結論が出せるだろう。
　それは、「中国人は冷たいものを食べる」ということだ。なぜなら、「無い」
ことを証明するのは、すべての「ある」という可能性をつぶしていかなければ
ならないにもかかわらず、「有る」ことを証明するのは、たった一つの一般的
な例だけでかまわないからだ。
　ということで、「冷菜」の例でもわかるように、中国人は冷たいものを食べ
るのだ。
　ただ、冷たいものを食べると同時に、室温以下に冷やしたものを嫌う傾向や、
本来加温して食べるものが室温になってしまった場合は食べなかったり食べる
ことを嫌う傾向がある、という風に感じる。
　しかし、いろいろ聞いた話しやぼくの経験から、ぼく個人としては、「中国
人は冷たいものを食べない」とはあまり感じなかった。

●旅伝説

　つまり、以上の事柄をまとめると、一般的に中国人は、

１．室温以下に冷やしたものは食べない飲まない傾向がある。
　（最近は崩れてきている）
２．特定のものに限り、室温に冷まされた食べ物を食べる習慣がある。
３．加温された状態で食べるものは、室温になった場合は食べることを嫌う。

ではないだろうか。

　これから結論を導き出すと、どういういきさつかはともかく、中国人は、習
慣づいた食べ物の食べごろの温度に対して敏感である。ということではないだ
ろうか。
　しかしこれは特に不思議なことではなく、味噌汁の例でわかるように日本人
も同じだ。
　おそらく、おにぎりや弁当のように、日本人が室温になっても平気で食べる
ことができるものの中に、中国人が室温で食べることを嫌うものがあったから
ではないだろうか。
　つまり、「中国人は冷たいものを食べない」というのは、都市伝説、旅行者
の間で語られるのならば、旅伝説ではなかいのだろうか。

※中国の通貨「元」の日本円への換算は、旅行中の私の両替率の平均から概算
しています。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　１元＝約13.3円

●つづく●
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Copyright(C), Fieldnotes. 2004
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