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No.207 中国山東省2003―46.中国の食べ物5 中国とごはん

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●中国のご飯

 日本同様中国でもご飯はよく食べられている。もちろん、中国へ行った日本
人も多くが食べているようだ。
 しかし、そういった人の感想は「まずい」で共通している。「外米はまずい」
「インディカ米はまずい」というイメージもあるだろうが、ぼくは、おいしく
ないご飯が多いと感じる。
 外米の多くはおいしくないのかというと、タイやインドで食べたご飯はとて
もおいしかった。インディカ米でもおいしいのだ。しかし、どういうわけか、
中国のご飯は見た目が短粒種にもかかわらず、まずいものが多いのだ。
 上海によく行く人から、日本のお米と食感や味が変わらないお米があると聞
いていたのだが、残念ながら、香港含む中国では、おいしいというお米に出会
ったことが無い。食堂やレストランでは。
 烟台で世話になった中国人の友人が、ちらし寿司が食べたいというので、日
本からちらし寿司の素を持っていった。
 しかし、ぱさぱさの中国米でうまくおすしができるか、と思っていたのだが
友人が食べていたのが日本のお米と変わらないものだった。おかげで、おいし
いちらし寿司ができた。

●なぜおいしくない?

 聞くところによると、炊飯器の使い方で日本とのちがいがあるという。中国
ではきちんと中釜のメモリを見て水を入れる人少なく、適当に入れる人が 多い
という。
 さらに水につけることもせず、お米を炊飯器に入れたらすぐにスイッチを入
れるという。それだから、日本のような味のご飯はないのだと。
 昔、キャンプをやっていたのでよくご飯を炊いたが、日本のお米なら水につ
けなくても、普通のご飯はたけたし、水が少ないと芯があり、芯がないほどな
ら多少なりともねばりはあった。中国で食べるようなご飯になったことはなか
った。
 上の話を聞いても、やはりお米の種類が違うのか、それとも炊飯器に秘密が
あるのか、疑問が残るだけだ。もしかして、精米度が低いのだろうか。

●ご飯を炊く

 また、適当な水の量で炊き、途中でお湯を捨てて調整するという「湯取り法」
でたいているためだ、と言う話もある。
 ぼくがこれを知ったのは、インド式のカレーに凝っていた友人からなのだが、
タイ族(中国在住に限らず)の本を読んでいるときに出てきた。
 それ以外にもいろいろとアジアの民族の本を読んでいると、インディカ米を
常食する民族の基本的な炊き方のようだ。
 適当にお湯を沸かし、そこにお米を入れて半ば炊き上がったときに、お湯を
捨てて湯量を調節するというのは、なんとも魅力的な炊き方だ。

●お米の種類

 さらに興味深い話としては、今中国で出まわっている短粒種のお米は、元は
日本のコシヒカリを中国に持ち込んだものだという。それも日本の駐在員用に
北京近郊で作られたものとか。
 たしかに、一般的な駐在員は、中国のことを知らず、興味もなかったような
普通の日本人が社命により中国に滞在するようになっただけだ。多くの人は極
力日本でのライフスタイルを守ろうとするだろう。
 しかし、中国で「おいしくない」といわれる米も短粒種だ。だから、話しに
聞いた「短粒種」は、「おいしいお米」と言う意味だろうか。
 ともあれ、日本人が中国で日本で食べるのと同じような味のお米があったら、
駐在員の方々のおかげというわけだ。
 以前、新疆ウイグル自治区から上海に列車で戻ったとき、最終日は車窓から
見えるのはたんぼばかりだった。
 しかし、今回、山東省をいろいろと移動したが、車窓から見える穀物畑は、
トウモロコシと麦だけ。
 日本の水稲は山東省経由という説もあるが、今の山東省を見ていると、そう
はどうかな、という気がしてくる。
 それに、様々な本を読んでわかるように、中国人の主食は、必ずしも米とい
うわけではない。

●長粒種を食べる

 さて、ご飯のはなしのついでに少し脱線しよう。
 日本式のカレーは日本米の方がいいと思うが、インド式はやはり長粒種だろ
う。となると、中国式カレーは中国のお米だろうか。
 おにぎりは、ご飯に粘り気がないと無理だから、日本のお米でないと難しい
だろう。
 チャーハンについても、単純に味だけ見れば日本のお米を使ったと思えるの
でもおいしいかなというのはあるが、食感とかいろいろと総合すると、中国の
2元くらいの炒飯にも及ばないなぁ、と思うこともあります。
 日本のラーメンが中国の拉面とちがうのというのと同じように、このチャー
ハンも中国の炒飯とはちがうものになりつつあるのかもしれない。

●つづく●
                   Copyright(C), Fieldnotes. 2004
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