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No.211 中国山東省2003―48.中国の食べ物6 永和と豆乳

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●豆乳

 中国の食べ物のなかで、人気のあるものの一つに豆乳があるだろう。ただ、
「豆乳」というのは日本での呼び方で、中国では「豆*漿(トゥジャン)」と呼
ばれている。
 味のほうも少し違うような気がする。日本のほど粉っぽさがない。だからわ
りと飲める。
 この豆乳と、ねじり揚げパンの油条(ヨゥティァォ)というのが、中国の定
番の朝食ともいえる。ただ、これらを家で作るというのではなく、通勤や通学
の途中で、屋台や店で食べるのだ。これが、中国の町での朝の姿だったりする。

*漿:
今昔文字鏡

●永和豆漿

 この豆漿だが、それを名前につけている飲食のチェーン店がある。それが
「永和豆漿(ヨンホ トゥジャン)」。
 山東省では、それほど多くの店に行ってはいないのだが、この永和豆漿は2
種類ある。正確には、CI(企業のイメージマーク)がおじさんの「永和豆漿」
と、子供の「永和豆漿」だ。
 おじさん系は青*島(チンダォ)の家福*楽(ジャフルァ/カルフール)内で
遭遇、子供系は烟台(イェンタイ)と*済南(チィナン)で遭遇。メニュー心な
しかちがうようだが、非常によく似ている。しかし、同じものでもまったく同
じというわけでもない。その差がとても微妙だ。個人的には、子供系CI店の
ほうが好きだ。
 ところが、天津に来るとおじさん「永和豆漿」によく似た、おじさん「永和
大王」がある。こちらは、「永和豆漿」とのちがいは大きいように感じる。
 「永和」には、謎が多い。

*島: *楽: *済:
今昔文字鏡

●「永和」のCI

 中国に詳しい人の話によると、この「永和豆漿」は、店によって看板の色さ
え違うという。これは、それだけ多くの店が同じ屋号を使っているのか、それ
ともCIというものにこだわりがないのか、そのどちらかだろう。
 とはいえ、山東省で見た「永和豆漿」のCIはしっかりしていたようにも思
えるので、単純に言うことができない。
 なんでも、中国では省や大きな都市ごとに会社を登録するということを聞い
たことがある。そうすれば、同じ「永和」でも、青島市と山東省の会社がある
と言う可能性も指摘できる。
 ということは、「永和豆漿」自体も複数のCIがある、または複数の会社が
あるのか。
 さらに、中国人の「細かいことは気にしない」によって事態はいっそう複雑
な方向に行くようだ。
 しかし、今になって思えば、今まではノーチェックだった「永和○○」も、
次回からはしっかりとチェックしようと思う。とても興味がわいてきた。
 この「永和○○」の問題は、意外と面白そうで、現代中国の一面がみえてき
そうだ。

●永和を求めて

 それで、この「永和」に気になる。なぜなら、なぜ、どうしてここまで「永
和」と言う屋号にこだわるのだろうか。「永和」にはどんな秘密があるのだろ
うか。
 それは、台湾市の南に、永和市があり、そこの豆漿が有名になった、と言う
話があるそうだ。
 台湾では豆漿といえば永和というイメージが出来上がっているようだ。中国
の「永和○○」のどれかは、台湾系の企業だと聞いたことがある。
 どうも、台湾経由で、「永和=豆漿」と言う図式が広がり、中国にも定着し
たのだろう。

●中国とCI

 去年、中国でマクドナルドのフランチャイズ1号店が開店したという話を聞
いて驚いた。つまり、日本とちがい中国のマクドナルドはアメリカのマクドナ
ルドの直営店ということになるからだ。
 そういう理由も、「CIを気にしない」ということにあるのかもしれない。
そうすると納得できる話になる。
 アメリカの企業はCIなとにとてもうるさい。だから、中国には任せて置け
なかったというのは納得できる。
 実際、VCDでもディズニー物はゴテゴテいろいろ書いてあった。日本のア
ニメなんかは製作会社の名前すら書いてないというのに。

●つづく●
                   Copyright(C), Fieldnotes. 2004
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