□□□□▲旅のフィールド〈メモ〉▼□□□□□□□□□□□□□□□□□□ No.223 中国山東省2003―54.中国考14 中国人と日本人と ◇◇◇◇▼旅のフィールド〈メモ〉▲◇◇◇◆◇◇◇◇◆◇◇◇◇◆◇◇◇◇ ――――◇――――◇――――◇―――――◇――――◇――――◇―――― ●中国人と日本人 中国を旅しているので、日常的に接しているのはもちろん中国人だ。彼らと 接していると、日本人との違いが目立つ。歴史も文化もちがうのだから、当然 だ。 日本で中国人と一緒に仕事をすることが時折あるのだが、そのときによく感 じるのは、日本人細かすぎるということだ。 商品の傷とか見た目とかいちいち細かいのが日本人だ。中国人はそこまで細 かくはない。 書店に並ぶ本の装丁をみれば、このちがいががわかりやすいかもしれない。 きっちりとした装丁の日本の書籍に対して、結構いいかげんなものが平気で並 んでいる中国。 とはいえ、簡単にあきらめるのも日本人の特徴だ。相手に言うのが悪いとい ういうのだろうか、意外と簡単にあきらめてしまう。中国人は、徹底的に主張 をする。 こういう日本人と中国人が一緒にいるのは、大変だ。もちろん、中国人と一 緒にいる日本人はストレスがたまるが、日本人と一緒にいると、中国人もスト レスがたまる。 近くてもまったく違う国だ。 ●西安事件 ちょうどぼくが烟台に滞在しているときに、西安で事件があった。西安の大 学学園祭で、日本人留学生が中国人を馬鹿にしたと言う理由で暴動が起こった のだ。 死者は出なかったものの、西安に滞在している日本人が避難するなど、そう 簡単なものではなかったようだ。 先に日本に戻った友人がこの報道を見て心配してメールをくれた。しかし、 烟台ではまったくなにもなかった。暴動もないし、日本人だからと暴行を受け たことはない。友人は大学で日本語を教えているが、まったく話題にも上らな かったという。 この事件の後に大学生の前で日本の話をしたが、この事件に関する質問は一 切なかった。 それだけでなく、街頭で売っている新聞の1面でも、気付いたことはない。 ということは、あれは中国人の間に普遍的にあるものではなく、何かの事情に より、西安では強い反日感情があったのだろうか。 ●烟台と韓国 烟台というと、渤海と黄海を沸ける分ける山東半島にある中国の港湾都市だ。 しかし、意外と街の中にはハングル文字が多く、韓国の歌が氾濫し、ぼく自身 も韓国人と思われるほど韓国が浸透しているのにはおどろいた。 友達が働く烟台大学も、古い校舎には台湾人が出資した校舎もあるようだが、 新しい校舎は韓国の出資によって建てられたものもあるという。韓国の資金が 烟台に投入されているのだ。 それだけでなく、大学の外国語教育の中でも、韓国語が英語よりも重要視さ れているという。 たとえば、中国一般での外国語に対する重要度を大型書店の棚で見ると、英 語が圧倒的でその次が英語の数分の一の量で日本語、あとはどんぐりの背比べ でロシア語ドイツ語韓国語フランス語など。 さすが、対岸に韓国がある港町だけのことはある。 ●チャイナドレス 日本ではセクシーな服と思われているチャイナドレスは、中国の日常で着て いる女性を見かけることはほとんどない。あるのは、外国人向けのレストラン やそのような店くらいだ。 むしろ、日本のほうがチャイナドレスを着ている女性を見かけることが多い かもしれない。 そんな中国でも、赤いチャイナドレスは結婚式の正装でもあるそうだ。実際、 町ではおめでた色である赤いウエディングドレスとならんで、赤いチャイナド レスもよく見かける。これは日本の白無垢と同じような意味なのだろう。 しかし、もとは騎乗する北方民族の民族衣装で、スリットは、乗馬のための ものということだ。 だから、ワンピースではなく、下にはズボンをいていたのだと何かの本で読 んだ記憶がある。 ●つづく● Copyright(C), Fieldnotes. 2004 □□□□▲旅のフィールド〈メモ〉▼□□□□□□□□□□□□□□□□□□ |