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No.225 中国山東省2003―55.中国の食べ物9 コーヒーとタコヤキ

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●中国茶

 まだ多くの日本人の間では、中国人は皆、烏竜茶やプーアル茶を飲んでいる
という都市伝説が信じられているのかもしれない。
 しかし、実際は、烏竜茶を飲んでいる中国人はほんのわずかだ。ぼくのまわ
りも、日本に来てはじめて烏竜茶を飲んだという中国人ばかりだ。
 実際、中国全体のお茶の生産量でも、最も多いのは緑茶だ。
 中国は広い。その中でも、お茶を生産しているところは限られる。経済作物
ではあるのだが、その自然環境が栽培できる地域を限定してしまうのだ。
 お茶つくりがさかんなところというと、烏竜茶で有名な福建省やその対岸の
台湾。またお茶のふるさととも言われる雲南省。そして、緑茶の産地で有名な
華中地方。
 その華中地方の北に位置するのが山東省。お茶の産地の江蘇省に接する南部
には茶園があるようだが、中心となる山東半島にはお茶産地は無いようだ。実
際、お茶の栽培に適している環境ではない。
 そういう茶栽培に適さない地域の特徴に、飲まれるのお茶はジャスミン茶が
多いということがある。
 烟台はそういう地域なので、上海のように茶葉店があちこちにあるというわ
けには行かないが、台湾系の天仁茗茶がところどころにある。もちろん、すべ
てが観光客向けというわけではないだろう。
 中国でも中国茶ブームが起こっているようだ。

●インスタントでないコーヒー

 中国でコーヒーというといい思いをしていない人は少なくないだろう。実際、
ファーストフード店のメニューにコーヒーがあるので注文してみたら、インス
タントコーヒーが出てきたこともある。
 それ以前に、中国でインスタントでないコーヒーを飲めるところは五つ星の
レストランくらいだった。
 というのは、スターバックス以前の話で、都市部に限れば、スターバックス
に行けばとりあえずコーヒーが飲める。
 まだまだマクドナルドのように大勢の中国人が訪れるという状況ではないが、
徐々にインスタントでないコーヒーが広がってきているように感じる。
 実際大型スーパーなら挽かれたコーヒー豆はわりと見かけるようになってき
ている。豆自体はめったに見かけないが。
 とはいえ、スターバックスでは、コーヒーが10元(約130円)以上するので、
ファーストフード店でインスタントが出てくるのも納得できる。マクドナルド
も吉野家も、セットは20元(約270円)しないから。

●タコヤキ

 タコヤキというと、大阪名物。最近は日本中に広がっているが、中には大阪
のデフォルトから離れた、丸いお好み焼きのようなものも少なからずある。
 そして、中国にもタコヤキは広まっていた。今回は、済南と天津タコヤキを
食べた。もちろん、タコヤキのような伝統的な食べ物は中国にはない。
 ぼくが食べたのは、見た目は丸く、上にソースがかかり、見ためはタコヤキ
だが、どちらも上にチューブのわさびがかかっていた。まだ日本では見たこと
も聞いたこともない。
 和風というイメージでわさびだろうか。しかし、わさび好きのぼくにとって
癖になりそうな味だ。日本でも流行ってほしいと思うくらいに。味も、おおむ
ね大阪のものとよく似ている。
 といいつつも、キャベツのような野菜が生地に入り、地方でよくある丸いお
好み焼き状態なのは、大阪人としては許せないことだが。
 しかし、どちらのタコヤキ屋も看板に「小丸子」と書いてあったので、ちび
まる子ちゃん(「桜桃小丸子」)のグッズでも売っているのか、と思った。冗
談抜きに。

※中国の通貨「元」の日本円への換算は、旅行中の私の両替率の平均から概算
しています。                      1元=約13.3円

●つづく●
                   Copyright(C), Fieldnotes. 2004
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