中東の遺跡


イラン パサルガダエ
ペルセポリス
ナクシェロスタム
アタシュガーフ
シリア パルミラ
カラート・アル・ホスン
ヨルダン ジェラッシュ
ペトラ

砂漠の地平線を見たくはありませんか?
文化的にも地理的にも日本と大きく異なる中東の国々では遺跡のスケールも違います。

パサルガダエ

キュロス王の墓

アケメネス朝ペルシアの最初の首都が置かれていた場所ですが遺跡として残っているものは少なく、現在はキュロス王の墓がぽつんとある他、広い荒野に宮殿跡やゾロアスター教神殿跡が散在しています。 壮大な遺跡の景色というのは望めませんが、宮殿跡では楔型文字の刻まれた柱や魚の皮を被った人の足のレリーフなどを見ることが出来ます。
多くの観光客が訪れるシラーズからは135Kmほど離れているので訪れる人は少ないのですが、イランはタクシーが安いので1日貸し切りにしてしまえば25USドルくらいでペルセポリスやナクシェロスタムなど他の遺跡も合わせて自分のペースで見て廻ることが出来ます。
(99年6月)
行ってみる!

ペルセポリス

アパダナ宮にそびえる柱

兵士や各地からの朝貢者、ライオンや牡牛など様々なレリーフに埋め尽くされた基壇の上にそびえる十数本の柱がとてもかっこいい遺跡です。何十本も林立していた石柱のほとんどは失われていますが、わずかに残った柱からでもかつてのアケメネス朝ペルシアの強大な権力と高度な建築技術を想像することが出来ます。現在、東側の階段には屋根が付いているので日陰でゆっくりとレリーフを見ることが出来ますが、遺跡らしい景観が損なわれてしまっています。基壇の上にに立ち並ぶ柱の姿を見るなら北側の階段の方からということになります。手前のレリーフにちょうど日があたる夕方近くに見るのがお薦めです。
(99年6月)
行ってみる!

ナクシェロスタム

岩山に彫り込まれた巨大な墓

ペルセポリスから6Kmほど離れた岩山の壁面にアケメネス朝ペルシア時代の4人の王の墓があります。それぞれの墓は巨大な十字型に深く彫り込まれていて、窪んだ壁にはゾロアスター教の神アフラマズダや王の姿が刻まれています。王墓の下の岩壁には後のササン朝時代に造られた騎士の姿を描いたレリーフも見ることが出来ます。騎士を描いたレリーフは間近に見ることが出来ますが、王墓の壁のレリーフは見上げるような高い位置にあるので、双眼鏡があると便利です。
(99年6月)

アタシュガーフ

アタシュガーフからの眺め

イスファハン郊外の小高い岩山の上にある遺跡です。炎の山とも言われるように山の頂上にはゾロアスター教の神聖な炎が灯されていた小さなほこらが残っています。すぐに登れてしまう小さな岩山ですが、ここからはイスファハンの緑の広がるとても美しいパノラマを見ることが出来ます。
山のまわりには柵があって入口にチケット売場がありますが朝早い時間や夕方遅く訪れると入口は閉められています。ちょっと先まで回り込むと柵が無くなっているので頂上まで登っていくことは出来ます。チケット売場が開く前に登ってしまっても帰りに入場料を払えば問題ありません。
(99年6月)

パルミラ

パルミラと背後にそびえるアラブの城塞

シリアの首都ダマスカスからバスで4時間ほど、砂漠地帯の奥のオアシスに隣接してパルミラはあります。これほどロケーションのいい遺跡もなかなかありません。砂漠地帯の一角に広がる大規模な遺跡です。倒れた柱が無造作に散乱していてほとんど手着かずに放置されています。遺跡の背後にある山の上にそびえるアラブの城に登ると遠くに広がる遺跡やオアシス農園、パルミラの町がよく見えます。
ベール神殿

遺跡はかなり広い範囲に分布しているのでパルミラの町で3輪バイクのタクシーなどをチャーターするか自転車を借りると便利です。ベール神殿や列柱街路くらいまでなら歩いても行けます。パルミラの町には宿も何軒かあるので泊まりがけで数日かけて見学することをお薦めします。遺跡に行く時は帽子と水をもって行きましょう。
(95年6月)

カラ−ト・アル・ホスン

シンプルな外観のカラート・アル・ホスン

別名クラーク・ド・シバリエ。シリアとレバノンの国境に程近いところにある十字軍の建てた城です。きれいな装飾などはないのですが、迷路のように部屋が入り組み、探検気分で城内をまわれます。階段を見つけて山頂に建つ城のてっぺんまで行ってみましょう。パノラマのひろがる気分のいいところです。
明かり窓のある通路

交通の起点となるホムスの街のバスターミナルからカラ−ト・アル・ホスンまではバスが出ています。ホムスのバスターミナルにあるビルの上階はホテルになっていましたがちょっと高めのホテルです。しかし、この町で他に安いホテルを探してみると意外に大変で、ほとんどの看板がアラビア語でかかれていてどこがホテルなのかわかりません。事前に町の地図くらいはあった方がたすかると思います。
(95年6月)

ジェラッシュ

列柱の並ぶ石畳の道路

ジェラッシュの列柱の並ぶ石畳の道路にはかつて盛んに行き来したであろう馬車の轍が今も残っています。円形劇場もきれいに整備されていて今でもイベントに使われることがあるそうです。他にも床に残ったモザイクなど見て楽しめるところがいろいろありますが、ここで面白いのがアルテミス神殿にある揺れる柱です。隙間にコインをはさむと動いているのがよくわかります。指を入れてみると揺れているのが感覚で伝わってきます。
ジェラッシュはヨルダンの首都アンマンからはバスの便もたくさんあるので日帰りで行けます。
(95年6月)

ペトラ

エル・カズネ神殿

狭い谷底の道を歩いて行くと突然目の前に姿を現すピンク色の神殿。それがエル・カズネです。神殿と人の大きさを比べてみてください。人がその前に立つと想像以上に大きいことがよくわかります。さらに奥まで歩いて行くとエド・ディル神殿があります。規模はこちらもかなり大きなものです。
エド・ディル神殿

この神殿は左側の岩山から上まで登って行くことができましたが99年現在は地元で生活するベドウィンしか登ってはいけないようです。神殿の上から下を見下ろすと足がすくむほどの迫力で、実際かなり危険な所だし、許可されない限りは遺跡保護のためと思って我慢しておきましょう。遺跡を全部見てまわるにはかなり歩くことになります。疲れるのがいやな人は馬やロバを借りることも出来ます。遺跡の入場料はかなり高めで95年の春で1日20JDでした。ただし日数が増えると、2日券で25JD、3日券だと30JDと割安になります。99年秋も2日券で25JDという話を聞きましたので値上がりはしていないようです。
ペトラ遺跡の近くには安宿も何軒かあります。遺跡から数キロ離れたところにもムーサススプリングホテルという宿があります。一番安いドミトリーの部屋は値段相応でした。遺跡から遠いので少し不便ですが、このホテルの近くにはモーゼの泉の湧き出るほこらがあります。ここの水は飲むことが出来ます。ジュースにしてもアンマンの1.5倍はするのでただで手に入る由緒ある水は貴重なものです。また、この辺のみやげ物として砂絵の瓶詰が売っています。宿のとなりのみやげ物屋では少年が自分でこれを作っているというので、実際に作るところまで見せてくれました。どやって砂のラクダや鳥が出来るのか知りたい人は訪ねて行ってみてください。
(95年6月)


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