東北ツーリングその2

2005/04/30〜2005/05/04

 

2005/05/03 八甲田〜北山崎

出発前

 今日は弘前を出発して東に向かい,R394から八甲田へ。酸ヶ湯温泉に浸かり,傘松峠を越えて三本木原台地へ抜け,八戸から海岸沿いを南下,宮古まで抜ける。
 昨夜泊まった実家で両親と朝食,次に実家に来るのは盆だ。

 


今日のルート(前日と同じ地図,これの日本海側)

 

城ヶ倉大橋

 実家を出て,黒石方面へ東に向かう。
 天気は快晴。今回の旅は珍しく天気に恵まれている。R102で後ろを振り返ると岩木山が綺麗に見えていた。

 浅瀬石川ダムの手前でR394に入る。ここから先は,かつては渓谷の底を走る砂利道を通ってようやく酸ヶ湯方面に抜けることができる秘境だったのだが,城ヶ倉大橋ができて,様相は一気に変わり,津軽から八甲田に抜ける格好のルートとなった。道も広く,快適だ。
 城ヶ倉大橋手前でバイクを停め,渓谷を眺める。遥か下に川が流れている。城ヶ倉大橋がかかる前に一度この下の道を走ったことがあるのだが,ひたすら続くヘアピンと砂利道に果たしてこの先にゴールがあるのか不安になった記憶がある。その時,城ヶ倉大橋は建設中で,巨大な橋脚がかかりつつあるのを眺め,一体何の役に立つのかと思ったが,本日こうやって通過してみると実に意義のある工事だったことが実感できる。

 


城ヶ倉大橋から遥か下の渓谷を眺める。

酸ヶ湯温泉

 城ヶ倉大橋を抜け,しばらく走るとあっさりR103とぶつかる。この道を道なりにいけば酸ヶ湯温泉,そして八甲田である。

 酸ヶ湯温泉にはすぐに到達。駐車場は満杯である。バイクを停めるのすら苦労する。さっそく千人風呂へ。

 中に入って愕然。湯船の縁はびっしり客で埋まっており,広々とした浴槽の中央部付近で湯に浸かるしかない。一応混浴のこの風呂だが,入口は男女別で,湯船も中央付近で男女別の境界がある。アベックらしき男女がその境界を挟んで会話をしている。
 湯船の中心で長い間浸かっているってのも疲れるモノで,湯船の縁があくなりそこに滑り込んだ。あまり客が多いと,千人風呂といっても窮屈な思いはするものだな。

 千人風呂を出て,ジュースを一杯飲んで体を冷まし,汗が引くのを待って出発。酸ヶ湯温泉を出てすぐに傘松峠。雪の壁の高さが一番高くなる地点だ。

 しかし,ゴールデンウイークになると雪の壁も排ガスや埃で汚れており,あまり美しいものではない。このままR102の雪の回廊を抜け,三本木原へ。

 


八甲田付近

 

十和田市〜八戸市

 八甲田からのワインディングが一段落し,広々とした平地が見えてくる。三本木原台地だ。
 日本の広々とした田園風景ってのは大抵は大変な苦労の末に生まれているものであって,ここも例外ではない。平地でありながら水の便が悪く,不毛の台地だったのだが,新渡戸伝が開拓を開始し,その後長い時間をかけてようやく広大な農地が生まれた場所だ。私は青森県の小学生だったので,社会科の授業でこれを習った。新渡戸稲造のあたりでできあがったと習った覚えがある。
 まっすぐ突き進むと十和田市街地。ゴールデンウイークだというのに,人気の少ないゴーストタウンのような商店街が見えてきた。シャッター街の典型のような町だ。ここまで凄いとは思わなかった。しかし,この風景は不況とは全く関係なく,変化に対応できなかった,もしくは対応する気がない商店街サイドに原因があると私は思うのだが。
 R102をひたすら東に向かい,R45にぶつかったところからR45を南へ。八戸へ向かう。八戸市街地には特に見るべきものはないので,八戸の外れ蕪島へ向かう。ここはウミネコの繁殖地として有名だ。前に来たときには季節はずれだったので,ウミネコは全く見ることができなかったのだが,今回は果たして…

 


三本木原台地
 

蕪島

 蕪島に近づくにつれ,鳥の数が増える。果たして,凄い数のウミネコによって蕪島神社は占拠されていた。
 バイクを停めて神社に向かう。駐車している車のガラスに糞が。神社の鳥居の前には無料で貸し出される傘が。

 蕪島神社のある丘はウミネコの巣でびっしり埋まり,ウミネコの巣は頂上の神社へ向かう階段にまであった。

 人には完全に慣れてしまっており,多少近づこうが逃げない。海に近い駐車スペースでは人が餌を与えるのを待っており,風に乗って空中に止まっている奴までいる。

 


蕪島神社


まさに繁殖期まっただ中。

 

種差海岸〜小袖海岸

 蕪島を後にし,県道1号線を使って太平洋沿いを南下する。青い空,真っ青な海が左手に広がりとても美しい。海岸線が遥か遠くまで見える。

 私は成人してから青森市に4年間住んでいたことがあるが,この辺は一度も来たことがなかった。住んでいる近く(といっても青森市からはかなりの距離だが)はちゃんと走っておいた方が良いなあ。
 階上駅付近で一旦R45に入る。R45は海岸線を走っていないのであまり面白くない。このあたりで昼になったので,近くの食堂に入る。ウニ丼があったので注文してみるが,卵とじになっており,全然ウニ喰っている気分にならなかった。失敗。
 久慈を越えて,小袖海岸に入る。絶壁と海に挟まれた道。見通しはとても良くて,種差海岸同様楽しめる。こちらの方が荒々しい印象。

 


八戸〜種市

 

北山崎

 R45を南下,普代村から県道44号に入り,北山崎へ。断崖が重なる有名な観光スポットらしい。
 北山崎展望台への枝道を走り,展望台駐車場へ。そこから北山崎の眺望を楽しもうと思ったのだが,欲を出して波打ち際まで下りようと思ったのが間違いだった。

 北山崎は確かに素晴らしい眺望だった。断崖は遥か遠くまで続き,手前の海の深い青から水平線付近の淡い青までのグラデーションが美しく,水平線は空ととろりと溶け合っていた。しかし,遊歩道で波打ち際まで下りていくと,客観視点が失われて手前の風景しか見えず,せっかくの美しさが台無しである。

 やはりこういう雄大な風景はちょっと引いて眺めるのが良いのだということがよくわかった。
 苦労して到達した波打ち際から駐車場までは800段もの地獄のような階段登りであり,息を切らし,汗を流し,足がくがくになりながら登り切った。

 


北山崎付近


北山崎付近を南に向かって眺める

 

末広館

 今日の宿は宮古市のYH末広館。少し迷う。途中で見かけたオフロードバイクも一緒に到着。やはり迷っていたようだ。
 旅館が兼業しているが,旅館としては少しくたびれた感じ。ユースとしてはフツー。宿泊客はライダーが多く,旅館の外にはバイクがずらりと並んだ。
 夕食はいたって普通だった。風呂はもう少し大きい方がよさそう。


YH末広館

 

本日のまとめ

 本日の走行距離266キロ。
 総走行距離1,330キロ。
 走行距離は意外なほど短かった。青森県横断して,海岸沿いかなり走ったつもりだったのだが。しかし,景色は最高!東北の景観の良さはもう少し見直されて良い。

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