明日を夢見て

2003/04/09 JBCJ-6001

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  1. 明日を夢見て
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  3. 明日を夢見て(Instrrumental)

全体的な印象

 ZARD約10ヶ月ぶりのシングル。この時点で,日本のCDシングルのセールスは97年頃に比べると半分程度まで減ってしまっており,2002年に至ってはミリオンセラーが僅か1曲,それもかなり強引な形でのギリギリミリオン達成であった。さらに3/3付けオリコンチャートはオリコンウイークリーに50位までしか掲載されないという事態になった(抗議多数につき翌週から元に戻った。)。

 ビーイングでは女性ヴォーカルのエース,倉木麻衣でさえ累計10万枚程度になってきていた。こんな中,年に1作程度の寡作になってしまったZARDは忘れられた存在になりかけており,マーケットに受け入れられることはかなり難しい状況にあった。しかし,フルサイズプロモーションビデオの制作や現在の姿の写真の大量露出に見られる変化の兆しは有り,この曲は再びZARDがマーケットに挑戦していくきっかけになるかもしれない。

 前作は「ZARD第2章スタート」といったキャッチフレーズが付いて,型番もリセットされて3001番だったが,本作では早くも再度型番がリセットされて6001番になっている。サイズこそ12センチで同じだが,収録曲数が8センチ時代と同じであり,マキシではなく通常シングルという扱いになったために型番の採番体系が変わったのだろうか?

 タイアップは,現時点で最も良い部類に入るビーイングの指定席「名探偵コナン」のエンディングだった。そのため,CDケースの上にコナン仕様のカバーがかかっている。

 表題曲以外の収録曲は未発表曲の「探しに行こうよ」と「明日を夢見て」のカラオケ。8センチCD時代と同じ曲数。価格も8センチCDと同じ(というか少し安い)税込み1,000円。

 

明日を夢見て

 作詞:坂井泉水 作曲:大野愛果 編曲:小林哲

 静かに始まり,徐々に盛り上がっていく曲だが,かつてのような派手さはない。このへんは今の泉水さんの好みなんだろう。間奏でハードロック調のギターソロが入るものの,注意しなければそんなものがあったなんて気付かないくらい,泉水さんの声が主役になっている。泉水さんのヴォーカルはかなり生々しく録音されている。ちょっと前に出過ぎかなと思えるくらい。

 泉水さんの手による歌詞は,別れつつも以前の恋人に想いを寄せ続ける女性の姿を描いている。タイトルやサビのリフレインからして励ましソングかと思ったらそうじゃない。ラブソングだ。今回の歌詞は抽象的すぎて理解困難みたいなことはなく,ある程度すんなり理解出来る歌詞だ。

 編曲は初登場の小林哲。GIZAレコードのミュージシャンの曲の編曲を担当している人のようだ。

収録アルバム
「止まっていた時計が今動き出した」(Album Mix Version)

 

探しに行こうよ

 作詞:坂井泉水 作曲・編曲:徳永暁人

 多重録音による一人ユニゾンが新鮮な曲。これ,とても気持ちがいいので,これからも使って欲しい手法だ。

 歌詞はずばりRPGのテーマソングのよう。いきなり「君の死を決して無駄にはしないよ」なんて出てくるが,これは本当に「君」が死んだって事なのか?日常生活を冒険活劇に例えて歌った曲のように解釈することも出来そうだが,本気でそのまま冒険の歌なのかもしれない。

収録アルバム
※アルバム未収録

 

ジャケット・ブックレット

 ジャケット写真は最近撮影されたもののようだ。大変美しく,別に10年前のネガを掘り起す必要はないのだということが良くわかる。だた,この作品の発売発表直後には古い写真を使ったジャケット写真がマスコミに配付されており(一時期のオフィシャルサイト,発売告知直後の雑誌やアマゾンなんかではこっちのバージョンが使われていた),ちょっと嫌な感じがした。最終バージョンが間に合わなかったのか,評判が悪くて今のバージョンに差し替えたのかはわからない。「古い写真バージョン」にはちゃんとロゴまで入っているものが有り(雑誌掲載版はそれ。),本気で使うつもりだったのかもしれない。

 

セールス

  • オリコン最高4位
  • 登場週数8週
  • 総売上6.2万枚

 珍しくプロモーションビデオを作成し,過去の作品とともにBSやCSで放送されたが,肝心な地上波では殆どオンエアされず,効果は薄く,結局前作を下回る総売上となった。
 

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