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#8300 
十一郎 2008/11/06 00:23
ペイリン氏の今後が個人的に気になる

どうも、久しぶりです。

米国大統領選は見事にオバマ候補に決まりましたね。
マケイン候補は本来ブッシュと一線を画す政治家と聞いていましたが、オバマ候補が反ブッシュを前面に押し出していたため、対峙するため保守層へ浸透しようと無理していた感がありました。

一方、日本では中山前国交相に続いて、自衛隊幕僚田母神の更迭(形式的には定年)でジミン・レクイエムが発動・・・
・・・すみません、わかりにくいネタはさておき、二人の更迭が早かったところを見ると、麻生政権は安倍政権と違い、無理なところで戦う愚策は取らないつもりのようですね。村山談話および河野談話の継承も明言しました。
お友達内閣と揶揄されたほどの安倍政権と、育ちの良さから考えると信じられないほど派閥が薄い麻生政権の違いかも知れません。ここまで仲間を作らなかったことが逆に見切りの早さへ繋がっている、という可能性。

さて、中山氏は森元首相を越える失言や奇行のの密度でしたが、田母神氏は質の悪さが度を越していましたね。かつて自衛隊向けの朝雲新聞で南京大虐殺否定論を書いたり、高裁がイラク派遣違憲判決を出したことへ「そんなの関係ねえ」とコメントしたり、もともと一部界隈では有名な人でした。
話題の「論文」はネットで公開されていますが、これが凄いシロモノで、おそらく本職の歴史研究家は失笑か激怒するしかないのではないかと。個人的には、例の『マオ』等を根拠に張作霖暗殺はコミンテルンの陰謀と主張する辺りが白眉です(苦笑)。
http://www.apa.co.jp/book_report/images/2008jyusyou_saiyuusyu.pdf
保守全体にとっても足を引っ張る言動でしかありません。事実、著作が都合良いように意味を歪めて引用されたと秦郁彦教授が朝日新聞で怒っていました。保守派の学者ですが、張作霖暗殺はもちろん盧溝橋事件のコミンテルン陰謀論をかねてから批判していますからね。
むしろ中山国交相と同じく言動全てが応援になるので、民主党支持者など本心では更迭を喜んでいないのでは?と思ったりしています(笑)。

>NFさん
>本居宣長によれば同腹兄妹は太古よりタブーだったが異母兄妹の婚姻は問題なかったそうで。

ちょうど伝言板ログを読み進めているのですが、ちょうど似たような話をlog54.htmlで読みました(笑)。
古事記における近親相姦は、母を同じくする兄妹が恋心をおぼえ、周囲から危険視された逸話が印象に残っています。ええ、当時でも禁忌な愛が扱われていたのです。
その逸話をふくむ日本文学の兄妹愛が下のページで紹介されていました。
ttp://www.h3.dion.ne.jp/~moeoka11/bungakugairon.html



#8299 
徹夜城(史点をサボってるうちに新美国総統が決まってしまった管理人) 2008/11/05 23:16
小浜市大騒ぎ

 史点がなかなか更新しないうちに、アメリカ大統領選が終わっちゃいました。
 まぁ歴史の予測なんぞは難しいので、これからオバマ時代がどうなるのかは今後を見るしかない。しかしこういうマイノリティでも一気に大統領になっちゃうんです!ということでは「アメリカ精神」の復活といえるかもしれません。などと思ってたら、オバマさんの勝利演説には「人民の、人民による、人民のための」というリンカーンの演説が引用されていたのでした。
 「アメリカの○○を知らない日本人」というタイトルの著作をやたらに書いてる日高義樹氏、今回の選挙を10月段階でマケイン勝利と断言し、「黒人が大統領になるにはあと一世代30年はかかる」などと言っておりましたが、ざまぁみやがれ、と(笑)。
 ただオバマさんはいわゆる「アフリカから連れてこられた黒人奴隷の子孫」とは違うんですよね。しかし逆にケニア留学生が白人女性と結婚して生まれた混血移民二世、政治家としても経歴的には新人同然とも思える人がいきなり大統領になっちゃうということにアメリカの懐の広さも感じちゃうわけです。


>奥野さん
 こちらこそ、ご無沙汰しております。
 僕は南北朝史跡巡りはしたいしたいと思いつつ、近場でも全然していません(汗)。関東地方ぐらい、せめて足利や新田は見物してきたいもんだとは思ってるんですけどね。
 戦前の一時期とはいえ「南朝忠臣」たちがやたらに顕彰されたため、地方史研究でも南朝武将の記述や資料ばかりが並んで、北朝側の人のはほとんど抹殺状態だった、という話を南北朝研究者の海津一朗さんが書かれていたような…

 新田といえば、マガジンGREAT連載の南北朝漫画「山賊王」、ようやく最新回が掲載されました。まさに鎌倉攻防戦まっただなか!少年漫画らしいまとめかたではありますが、なかなか読ませます。やっぱり赤橋守時はカッコよく描かれますね(戦死は次回かな)。


>巫俊さん
 おお、この掲示板からそのようなご縁ができていたとは…
 伊賀も面白そうなところだとは思うんですが、関東すら回れない状況では(汗)。むかし吉野は行ったことがあるんですけどね。
 若狭小浜といえば、いま日本でもっともホットになってる町かもしれません(笑)。オバマさん来日したら挨拶に行かなきゃいけないんじゃないでしょうか。
 



#8298 
巫俊(ふしゅん) 2008/11/03 00:34
谷川健一先生、伊賀で講演

以前から管理人さまや皆様から温かいレスを頂いておりますが、いつも真っ当なお返事が出来ず心苦しく思っております。
太平記関連では、管理人さまから伊賀国の南北朝に関する情報を頂き、故郷の伊賀で一般の住民の人たちに太平記関連の話題を勧める際に大変役立ちました。

大河ドラマの話題で、尊氏と正成の出会いのシーンのネタが面白いと話すと、伊賀者の頑固なご老人も表情がコロッと笑みに変わりまして(笑)
倭寇研究の話題なども内陸の伊賀にはない海の話とあってウケが良いです。


さて、倭寇関係で民俗学系の著作(『甦る海上の道』)を出されている文化功労者、民俗学者の谷川健一先生が、再び三重県伊賀市で「海の民」と「山の民」をテーマに講演されることになりました。
(谷川先生伊賀講演会の正式な講演タイトルは「木津川と杣山」)
私が参加しています、伊賀市、名張市、山添村(奈良県)のメンバーから成る「伊賀の國地名研究会」が主催しての、伊賀地域振興の歴史イベントなのですが、
開催日が11月8日(土)と迫っておりまして、近隣の府県にお住まいの方で、太平記の国の伊賀に関心がある方はご連絡ください。
(イベント紹介のポスターを私の下記ブログの方に貼っております)

当日はスライドで伊賀の写真を80枚ほどお見せし、その中には伊賀でも有数の鉱脈とされる名張郡夏見郷滝の原地方の「高座山」の高座神社における「観阿弥祭り」に関する話題も提供するつもりです。

谷川健一先生は中国中世史の谷川道雄氏の実兄ですが、その研究の主題は役行者や八百比丘尼といった芸能民、山の民や海の民でして、当日は九州水俣のご出身の谷川先生が西南日本の島嶼を長年歩かれてきた体験など、沢山語っていこうと思います。

かく申します私巫俊が、当日谷川先生に何を具体的に語って頂くか先生と相談する責任者でありまして、今のところ東京と大阪から古代史ファンを中心に3名の方からご参加の連絡を頂いていますが、他県からの参加者がもう少しいらっしゃれば、倭寇などの広いアジア単位の話を用意することができます。


それから若狭小浜で谷川先生が主催された全国地名研究者大会に私が参加しました際、ここの掲示板で知り合いました若狭さんとお会いし、若狭の国の名物を紹介して頂けるなど大変お世話になりました。
改めて、若狭さんと掲示板運営という形で機会をつくって頂いた管理人さま、皆様にお礼申し上げます。

http://uruseiyatsura.blog62.fc2.com/


#8297 
奥野 2008/11/02 22:14
新田氏巡礼

またまたご無沙汰しております。

ちょっとした史跡巡りということで、群馬県の太田市まで行ってまいりました。目的地は由良氏の居城であった金山城で、関東の戦国城塞としては珍しい石造りの遺構が非常に見応えのあるお城だったのですが、城山の麓のお寺もなかなかの拾いものというか、興味深いところでした。
まず大光院は徳川家康が「先祖」の新田義重を祀るために建立した寺院で、そこここに大中黒と三葉葵の紋が仲良く並んでおります。そういえば徳川氏ってそうだったんだよな、と。子育てにまつわる呑龍さまの信仰でも有名なお寺で、この日は特に七五三の参拝客で賑わっておりました。
もう1つ、新田氏ゆかりのお寺として金龍寺にも行ってきました。こちらでは金山城主由良一族と新田義貞の供養塔を見ることができます。面白かったのは墓所の入口にあった「義貞公殉節六百年」の石碑で、建立者は「鉄道大臣 中島知久平」と麗々しく書いてある。太田は中島知久平の出身地でもあったのですね。「同郷の英雄」たる新田義貞を顕彰しようとしたのでしょうか、南朝が唯一絶対の皇統とされていた戦前の雰囲気が伝わってくるようでもあります。
同じく金龍寺にはもう1つ別に新田義貞の碑があったのですが、こちらの題辞は「徳川家達書」となっていて、これまた興味深い物件でした。新田顕彰の動きが強まる中、明治政府との関係で肩身の狭い思いをしていた徳川氏が少しでもイメージ回復を狙ったのかな?などと考えてしまったりして。いずれにせよ、神社仏閣の境内の石碑はよく見ると意外な発見が多く、なかなか油断できません。

http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/6218/


#8296 
徹夜城(今日は貴重なものが拝めた管理人) 2008/10/25 22:56
本能寺の変記録フィルム(笑)。

 今日の午前に、緒形拳さん追悼企画で大河ドラマ「太閤記」の現存唯一の回「本能寺の変」が放送されました。
 緒形さん追悼企画なのではありますが、話の都合上、緒形さん演じる秀吉は冒頭と終盤しか登場せず、40分の時間の大半は信長周辺に費やされてます。伝説的とまで評される高橋幸治さんの信長がたっぷりと拝めました。
 それにしても古びた白黒映像になっただけでこんなにリアルに見えちゃうもんなのか、という感想も抱きました。なんか「本能寺の変記録フィルム」な感じなんですよ(笑)。大河ドラマ一作目「花の生涯」もクライマックスの桜田門外の変のシーンの映像が保存されてますが、これもまた実際の襲撃の記録映像に見えちゃうんです。
 

>世界史資料集に歴史映画
 そういう使われ方もあるんですねぇ。これまでも歴史雑誌や書籍で歴史映画やドラマのスチールが「こういうのもあるよ」という感じで掲載されることは多いと思うのですが、教材という例はあまりないんじゃないかと思いました。しかしひでさんもお書きのように「三国志」のドラマ版の画面写真が使われたケースがあるとは…
 まぁ教科書に載ってる歴史人物の「肖像画」だって大半は怪しいもんですしね。「聖徳太子像」だって本人の死後100年ぐらい経ってから書いてるもんですし、「頼朝像」だって足利直義像説が有力になってきちゃってるようで教科書から消えそうな気配ですし。「三国志」の登場人物たちもいろんなところから画像が使われてますが、いずれも同時代のものは皆無なのでドラマの映像使ってもたいして違いはないだろう、という考え方もあります。

 三国志といえば、「レッドクリフ」の宣伝が大々的に行われてますね〜。これに便乗してでしょうが先日NHKの「その時歴史が動いた」は三国志特集で、中央電視台版「三国演義」、中国ドラマ「曹操」、そして「レッドクリフ」などがゴチャマゼに使われてました。



#8295 
ひで 2008/10/24 19:23
分かりやすくなるのかどうかはさておき、

歴史の資料集を見ていると、そう言うのって結構ありますよ。
世界史資料集で映画のワンシーン(「スパルタカス」とかあったような気がする…)のほか、コラムのような形で三国志の時代がまとめられていたときには、昔BSでもやっていた中国のテレビドラマ版「三国志」の写真が大量に使われており、劉備・曹操・孫権・関羽・孔明といったあたりはそのまんま顔写真が貼られていました。

まあ、あれくらい古い時代だと顔写真なんて物はあるわけ内ので、ネタとして十分すみますが(笑)、現代だと確かに紛らわしいですよね。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#8294 
mozawa 2008/10/24 18:09
山川出版社の中学生向け歴史資料

 の資料に、映画からの引用写真がかなりあります。
 エヴァ・ペロン(エビータ)って本当に綺麗な人だったんだなあと思って注釈を見たらマドンナだった、という。。。。。
 まあ、よほど歴史が好きな生徒じゃなければ読まないと思うので良いんですけど。

 藤原京が平城京より大きいとか、富本銭とか、遺跡捏造事件とか、薬子の乱は「平成太上天皇の乱」という、とか、新しいネタが載っていて面白かったです。



#8293 
景虎 2008/10/24 14:58
うひょ〜

釣りキチ三平と言えば、昔からそういう事をしていましたね。
私の記憶が確かなら、マタギと熊の話をやった事があるはずです。
三平の単行本には、矢口高雄とアシスタントが茸狩りに行く話が収録されていた事もあったような気がします。

ふと思ったのですが、釣りっていつ頃からあるんでしょうね?文明成立以前からの技術だとは思うのですが。



#8292 
徹夜城(久々に矢口漫画を読んだ管理人) 2008/10/24 11:13
「釣りキチ三平」で

 更新も止まってるし、しばらく話題が止まっておりますので、ひとつ近況を含めた話題を投下。

 矢口高雄さんの「釣りキチ三平」の最新作が久しぶり(一年?だっけ)に発売されてました。雑誌スタイルですが、「三平」長編しか載っていません。実写映画の製作も始まったのでそれに合わせた発売でもあるようです(撮影模様の取材記事あり)。
 しかし、漫画の方はといいますと「釣り」なんてまるっきり出てきません。三平くんにしても最終盤に寝顔が出てくるだけですし(笑)。前の号の時にもここで話題にしましたが、最新作の「三平」は「カムチャツカ編」と題してカムチャツカ半島での釣りばなしを進めているうちに、あの「高田屋嘉兵衛」の物語を始めてしまい、ほとんど歴史漫画の様相を呈してしまったのです。いや、個人的には喜んでおりますが(笑)。

 高田屋嘉兵衛については司馬遼太郎が小説「菜の花の沖」で描き、それを原作に竹中直人主演でスペシャルドラマ化されたこともあります。だから話自体に新鮮さはそれほどなかったんですが、矢口さんの手にかかるとより熱血・友情ばなしになって実に読ませます。司馬の小説も下敷きにしたと思われますが、より細かいところで話が具体的で、「海の男」の物語という印象が強くなっているように思います。
 読んでいて改めて思いましたが、嘉兵衛が持っていた、鎖国中の江戸時代人としては信じがたいほどの国際感覚、ある意味で西欧近代国家型ともいえる国家感覚に驚かされます。あまり使いたくない用語ですが「健全なナショナリズム」と表現したくなる。それが一番イヤミでない形でマンガで表現されたかな、という気もします。そうした嘉兵衛の感覚は海に生きる交易商人(日本は小国家寄り合い所帯みたいなもんでしたから貿易商人ともいえた)であり、ロシアとも接触する北方交易にかかわっていたことが大きいのだと思いますが。
 やはり漫画は視覚的に表現するためによけいに目についたのだと思いますが、嘉兵衛がロシアとの交渉で「個人」と「国家」、「私的」「公的」な立場を巧みに使い分ける時に衣服でそれを表現するのが面白い。現在でもそうですが国家間の交渉は人間個人同士のやりとりであると同時に国家を代表するやりとりであるわけです。倭寇なんて海賊連中を研究対象にしてる僕ですが、どうもこういう公的な外交交渉というものの面白さにひかれるところが前からありまして、実に面白いと読んだ次第です。

 この高田屋嘉兵衛の話は、みなもと太郎さんが「風雲児たち」で描こうとして実質果たせなかったものなんですよねぇ。「風雲児たち」が「早く幕末へ行け」と編集からせっつかれて「爆走」を余儀なくされたときにゴローニン事件は強調はされながらもさらりと処理せざるをえず、嘉兵衛も印象的に登場しながらそのエピソードは泣く泣くバッサリカットされました。みなもとさんも悔しかったようで、その部分を読むとかえって無念さが伝わってきます。
 それを「釣りキチ三平」という意外な作品が、まったくの「道草」(矢口氏本人がそう言ってる)で漫画化を実現してしまったというのも面白いめぐりあわせです。


>歴史映像もの
 前から見たい見たいと思っていた韓国大河ドラマ「太祖王建」のレンタルリリースが始まりました!さっそく第5回まで見ましたが…
 うおおお〜面白い!ってか、以前から「朝鮮史で一番面白いのは後三国時代」という持論を抱いていた僕ですから、面白いのは当たり前なんですが。「後三国」はむかし「三国志」にハマっていたときに百科事典で「三国時代」をひいて偶然知り、その後「三国史記」やら「高麗史」やら読んでハマってしまった経緯があるんです。マジな話、朝鮮史で「三国志」に匹敵できるのはこの時代しかないと思ってます(日本では南北朝…と主張しちゃうのですが、どっちもマイナーなんだよな)。
 事前知識がないとちょっと辛いか?とも思いますが、序盤は王建の主君となる弓裔(クンイエ)の波瀾万丈すぎる人生を見てるだけでも楽しめると思います。「これドラマの創作だろ?」とツッコみたくなる話が、実はちゃーんと正史に書いてあるんですよ。それをほぼそのまんまドラマ化してくれたのでたった5回で感動しちゃいまして。弓裔をしいて日本史でたとえるなら、斎藤道三のように出世し、織田信長のように覇を唱え、明智光秀のように死んだ、というところでしょうか(これじゃ「国盗り物語」だな)。
 後三国の「三傑」も第5回で一同に会しまして、これから200話もどう展開させる気なんだ、と気をもんでおります(汗)。

 なお、主役王建を演じてるのはチェ=スジョン。このドラマのあとに新羅時代の大海商・チャン=ボゴをドラマ「海神」で演じてます。僕は出演順を前後してみてるわけですが。
 第1回で王建が父親から「チャン=ボゴを知っているか」と問われるシーンがありまして、「おいおい、当人に聞くなよ」とツッコミをいれておりました(笑)。確かに王建の一族は海商勢力だったとは言われていて、チャン=ボゴの精神的後継者といえなくもない。このドラマですと王建は少年時代に日本に貿易にいったことにもなってました。



#8291 
相良義陽 2008/10/15 15:14
うは。失礼しました。

うわ。ジョン・アダムズとジョン・クインシー・アダムズって親子だったんですか。
これは失礼いたしました。
てっきり親戚だろうと……



#8290 
徹夜城(昨日の深夜は大変だった管理人) 2008/10/14 22:17
YAHOO恐るべし

 何の話かといえば、昨日出先で我がサイトのアクセス解析を見ようとしたら全然反応がない。ヘンだな、と思って帰宅して確かめたらアクセス解析の記録データが通常の30倍ぐらいという異常なアクセス状態にあることだけが判明。なんだこりゃ?と思って0時直後に解析してみたら「史点」の8年も前のページに異常に殺到してることがわかりました。アクセス元がYAHOOニュースの記事。
 インドで「サティ」があったんですよ、あの「寡婦殉死」ってやつ。で、以前から気づいてたことなんですけど、「サティ」を調べようと検索かけると「史点」の2000年の記事が上位に来ちゃうんです。それで調べてる人がときどきいるのがわかっていたんです。YAHOOニュースの記事にはそのニュースに関連するサイトなどにリンクが出ますが、ばっちりそのトップに出てしまってて。しかしあの「史点」記事だけでさして参考になるとは思えんのだがなぁ…
 さすがにYAHOOニュースとなると見ている人の数が半端じゃない。真夜中の0時台の10分間に2000アクセスきましたからねぇ…(^^;)おかげで今日は「史点」関係が大繁盛で。

 史点がまたズルズル遅れてますが(ちょっとルパンの方に力が入っておりまして)、「史点」登場人物がまた一人思わぬ形で世を去ってしまいました。オーストリアの極右党首ハイダー氏です。70km制限の道路を140kmでトバして自損事故死。「暴走気味に右に寄りすぎた」かな?これもダイアナ並みに陰謀疑惑がささやかれそうだなぁ。
 疑惑といえばロス疑惑の三浦さんも思わぬ死を遂げてしまいました。有罪無罪は別にして、最後の最後まで「話題の人」ではありました…


>相良さん
 僕も以前間違えたことがあるんですが、アメリカの親子二代大統領はアダムズ親子の例があります。息子の方はスピルバーグの映画「アミスタッド」でアンソニー=ホプキンズに演じられて登場しておりました。やっぱり「父の七光」みたいに言われていた、というセリフがあったような。
 



#8289 
相良義陽 2008/10/13 13:20
「超人」と聞いてキン肉マンを思い浮かべる人間にニーチェを語る資格はあるか

話題に乗り遅れた感はあるのですが、例の産経の記事を見まして、
「本当にニーチェこんなこと言ってるのかよ」
と思ったんですが。うちの本棚にあったはずのツァラトゥストラがどっかいって、いまじゃCDしか見つからない有様。引っ越し以後ろくに片づけてないからなあ。
私はこういうところで古い本を出してくる人間は眉唾だと思ってまして、見ると必ず原典あたることにしてます。
だいたいニーチェがなんで「ノーブレス・オブリージ」なんて英語くさい言葉吐くんですか。ていうね。

まあ個人的には「選良」って言葉にも引っかかるわけなんですけど。

DNAなんてあてにならんって、歴史見たら気づかないかなあ……
エンリケ不能王とイサベラは兄妹なんだけどなあ……
リチャード獅子心王とジョン欠地王も兄弟なんだけどなあ……

>まぁあのアメリカでも大統領が親子二代でやってますがね。
アメリカで親子二代は今回が初なんですよね。親戚ということなら何例かあるみたいですけど。
って、日本で総理大臣親子も福田元首相が初。でしたね。

http://www.h3.dion.ne.jp/~jtpage/cy/


#8288 
孟きょう 2008/10/07 22:15



>徹夜城様

 いや、なんともはや、緒形拳氏の訃報を受け、ファンだったので衝撃とともに頭が私自身フリーズしております。信じたくはありませんでしたが本当にびっくりしました。 1991年頃、ドラマ「太平記」放送時にて足利貞氏にインパクトと好印象を持って以来、最も好きな俳優でした。「仕事人」は別格にしても「太閤記」「峠の群像」等、大河ドラマの要所に出演され、「ミスター大河」のイメージもありました。また80年代の中国紀行もののナレーションも印象に残っています(他にも色々名作映画に出ているんですけど・・)。 またいつか南北朝ものか室町ものの大河に出演してほしいなあなどと勝手に期待をしていたのですが・・



#8287 
徹夜城(起きぬけからショックを受けた管理人) 2008/10/07 09:49
尊氏にさらなる災難?

 足利貞氏役の緒形拳さん死去…ああ、「太平記」の第10回がかぶる…折から株価1万ドル、一万円割れで、「動乱の足音を間近に聞きながら世を去った」というナレーションまで聞こえてきそう。
 ま、動乱のほうは困るんですけど。
 「太平記」出演者も物故者が増えてきました…。大河完全版BOXもいきなり追悼商品になっちゃったような。


>電洋斎さん
 中国のミルク騒動ですが、日本だと「ヒ素ミルク事件」があったんですよねぇ…一概に比較できるものでもないですけど、高度成長期の日本もずいぶんいろいろありましたから。中国で暴動がどうのと騒ぐ人もいますけど、日本の成田闘争とかだって他の国から見たら…ああ、あれを「ごね得」とか言って辞めさせられた大臣もいましたがね。
 株価に関してはアメリカ発でとんでもないことになってまして、金融対策法案の通過に中国政府がアメリカ政府の対応を評価するなんて表明するなんて、冷戦以来の経緯を知ってると何やら時の流れを感じてしまいます(笑)。ベネズエラのチャベス大統領にいたっては「レーニンの政策じゃねぇか、アメリカは社会主義国になるのか」とか騒いだそうですが、この人がスターリンになる可能性の方も高い気もするんですがねぇ。

 そういえばチンギスハーンの武将達は「4匹のイヌ」でしたね。北方遊牧民にとっては犬はやはり人間の忠実な友ということなんでしょうか。
 日本語では「犬」というと「国家のイヌ」だの「警察のイヌ」だの、「かぎまわる」ことからか「手先、スパイ」といったマイナスイメージでとらえることが多いような…ということを誰かの文章で読んだことがあります。



#8286 
電羊齋 2008/10/05 17:34
食のタブーその他

 お久しぶりです。
 北京オリンピックも終わり中国もようやく落ち着いてきたなと思いきや、今度は粉ミルクやら株の暴落でまた大騒ぎになっています。
 でも考えてみれば、いま中国がぶち当たっている難局は日本も大なり小なり経験してきたことなんですよね。中国がこの難局をうまく切り抜けられるかどうか、現地でしっかり見守りたいと思います。 

少し遲れレスですが。
>食のタブー 愛新覚羅
 愛新覚羅氏と満洲族では犬の肉はタブーでした(現在もそうです)。ただ漢人には強制されなかったようです。
 満洲族の民間伝説では、ヌルハチが敵に追われたとき一匹の犬が自らを犠牲にしてヌルハチを助けたので、以後満洲族は犬を食べないことにしたということですが、実際には北方民族にとって犬が非常に大切な生き物だったということだと思います。
 「犬」という言葉は、北方民族の間ではあまりマイナスイメージがないようでチンギス=ハーンの「四狗」という例もありますし、清代の満洲人の人名にも「インダフン(満洲語で犬)」という名前が散見されます。
 あと少し話がずれますが、雍正帝は皇位争いのライバルだった弟二人を「アキナ」、「サスへ」と名付けましたが、「アキナ」が「犬」、「サスへ」が「豚」という意味だというのは俗説です。どちらも罵倒語ではあるようなのですが、意味については学会でも諸説あって不明です。
 
>等持院の尊氏像
 う〜ん、まさかジョジョ第4部の吉良吉影みたいに手首が大好きな人とか?
わけのわからん事件ですね。


http://honin.spaces.live.com/


#8285 
徹夜城(ひとつ次回史点ネタが確定してしまった管理人) 2008/10/04 23:29
等持院の尊氏像、二度目の災難

 幕末のさらし首事件に続いて二度目。140年も経ってからまぁ…
 今度は首じゃなくて「手首」だったようですが、どういうイタズラなんだか。静岡あたりで仏像盗難は相次いでおりましたが、手首なんてあまり価値があるとも思えないし、といって「政治的意図」もあまり感じませんし。
 それにしても一緒に義晴なんてえらくマイナーな将軍の木像も被害にあっていたのが不思議。


>NFさん
 「難色」は単なるダジャレですので、お気になさらず。まぁほどほどに…(^^;)
 管理人自らネタを放り込むと、藤原頼長の話とか、藤原実資が「小右記」に藤原頼通とベッドインしちゃった妄想夢を書いてるとか、確か「増鏡」でも一つだけこの手の話があったはず。
 異母妹を側室に迎えた例は平城天皇あたりで最後ですか。平安期に入るとやっぱり儒教思考が浸透したということになるんでしょうか。もっとも平安以降でも儒教的観点から言うと信じられないぐらい濃い血縁関係と、男女関係の乱脈ぶりが皇室レベルでも見られるわけですが…


>小覇王さん
 世襲議員といえば、今日の仕事先周辺には選挙近しと見てポスターが貼られておりましたが、バカに若い人だな、と思ったらこれも「三世」でありました。
 僕の地元で自民党議席を守り続けたお方は娘さんに官僚出身の婿を迎えて「婿養子」による世襲になってます(当人は世襲を否定してるらしいけど、姓がおんなじであるだけで十分強みあり)。

 池田屋跡がパチンコ屋と化しているという光景、僕は香取慎悟の番組での「近藤処刑前夜スペシャル」(笑)で見ました。近藤役の当人がその光景に「ふつうに寂しいですねぇ」とボヤいてましたね。



#8284 
NF 2008/10/03 01:05
追加

一つ言い忘れました。
異母兄妹間の婚姻は平安前期辺りで見られなくなるので、おそらくはその辺りで社会慣習として一応のタブーになったのではないかと思われます。だから平城天皇辺りが最後ではないかな、と。それでも、「増鏡」でも異母妹に懸想する(忍ぶ恋だったようですが)兄の話が会った記憶がありますから「日本精神」恐るべし(苦笑)。

http://www.geocities.jp/trushbasket/


#8283 
NF 2008/10/03 00:56
面目ないです(汗)

やっぱり男色話はきつかったか(汗)、すみません。…やってしまったものはどうしようもないので少しだけ補足すると、日本では弘法大師以来と伝承されている(「記紀」でも皆無ではないらしいですが)ように平安初期に大陸から伝わった習慣ですが、中国では「黄帝の時代に始まった」と豪語(?)する向きもあるようで。

口直し(?)にまじめな話に移りますと、「貴族主義」のその議論は一般論としてはまあ分からなくもないのですよ。まあ、「権力意志」と「権力欲」を実際問題としてどう区別するのだ、という一般的なツッコミを入れておきますが(もっとも、結果が多数にとってOKなら権力欲であっても僕は一概には否定しません)。ただ、一般論として肯定するにしても、今の日本の彼らに当てはまるのか、というのには個人的にかなり疑問。「貴族」の正当性を多数に納得させる所以は「彼らが積み重ねた歴史(実績)」であり「その時間をかけて継続され熟成され洗練された彼等自身の精神・思想・文化」だと思うのです。今の日本の「貴族」たちにそれがあるのやら。明治維新・敗戦といった転換期を契機として(高度成長が最後の止めだった気がします)日本社会全体においてそうした「伝統」は捨てられ、一方でその代わりとなる「貴族文化」が根付いたわけでもない。西洋文化を導入するにしても千年単位で育て熟成させ髄まで身にしみこませている本場に敵うわけない。年季も熟成度も何もかも足りない。おまけに、周囲の提灯持ちがせっかく「貴族精神」を掲げてヨイショしても、肝心の彼らが「平等」を免罪符に「ノーブレス・オビリージ」を放り出しているように見える。年季の入った伝統も思想もない状況で、むしろ「本当の伝統精神」を尤もらしい「道徳」を振り回して弾圧に走り偽善者や自称知識層・自称市民の機嫌取りに汲々としている。「やんごとなき方々」の伝統が、感性が本当に分かっているならできるはずのない事を平気でしているように見える。
というわけで、僕自身は「日本」をこよなく愛する保守のつもりなのですが、今の「日本国」は僕が愛している「日本」と何かが違うようなそんなもどかしさがぬぐえないのです。
>「侏儒國」「女人国」
何だかガリバー旅行記みたいですな、これだけ見てると。清代の風刺小説にもガリバー旅行記のような話が合ったらしいですし、この手の空想は東西を問わないんでしょうね。

http://www.geocities.jp/trushbasket/


#8282 
小覇王 2008/10/03 00:42
どっちも長男ですね。

 ども、前回の史点の感想書こうと思ってたら更新されちゃいましたね。

>太郎対一郎
まあ、名前からしても二人とも世襲議員ですからねえ。政治家は子供にあんまり難しい名前はつけずに長男だったら太郎、一郎、次男だったら次郎、二郎みたいに選挙で覚えやすい名前をつけるそうですよ。だから政治家の子供でそういう名前を付けられた人はもう生まれたときからある程度将来を決められているみたいですね。
 そういや、小泉さんとこの後継者も名前から見ると最初から世襲させるき満々だったんでしょうね。タレントやってる長男は太郎が付くし。
 ほんとに世襲議員が多くなって貴族院化してますが、いっそのこと正式に貴族院を復活させて、選挙でなくそちらに入れてしまったほうが害がないのでは?などと思ってしまいます。勿論、きちんと選挙で選ばれた衆議院が優先されるとして。

>寺田屋
 池田屋のほうには学生時代よく通っておりました。いえ、パチンコ屋のことですがね。

>「伊毛」「乃古」
 これ見た瞬間、「妹」「子」で小野妹子のことなのかなあ、と思ってしまいました。
しかし、妹文化っていうんですか、そういうのも神話の時代までさかのぼれるんですね。
 
 乱文失礼しました。

http://burebure.blog.ocn.ne.jp/burebureblog/


#8281 
徹夜城(あと一息で吉野朝太平記を読み終える管理人) 2008/10/02 23:39
けっきょく政治構造って

 …昔と変わんないのかも、と思うんですよね。「室町太平記」書いてる時にちょうど小泉首相時代だったこともあって意図的に室町幕府政界模様を自民党派閥抗争的と重ねて描いてみたんですけど、書いてるうちに「実際、あんま変わらんのじゃないか」と思ったんですよね。だから康暦の政変のところであんなパロディやったわけで。あれだと南朝勢力が共産党のポジションだったりします(爆)。ま、北畠親房みたいのはともかく、後醍醐は極端な革新、「前衛」だったという側面はありますからね。


>NFさん
 毎度、ご感想ありがとうございます。
 太郎VS一郎の構図も、もとをたどると自民党内の田中派VS福田派による主流派争いの延長上にありますから(麻生さん個人は河野グループ経由だったと思うので、単純には分けられないけど)持明院統と大覚寺統という例えが適用できなくもないんですよね。
 ただ小沢一郎って政治家はかつての田中派の実力者、日本政界の中の多数派である自民党の、その中の多数派である田中派の実力者として幹事長の立場で力をふるい、自民党を抜けた後もしばしば影の実力者になった人ですから、鎌倉幕府の執権家の北条氏の中の中心の得宗家の、そのまた執事であるところの内管領の長崎氏が一時日本の最高実力者だったという故事を思い出しちゃうのですね。権力を握る人物がどんどん下に下がっていくという日本政治史によく見られるパターンでもあるかと。

 それにしても世襲議員が多いと批判が出たら、こんなことを言い出したお方が。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/081001/stt0810010343001-n1.htm
 …ああ、こういう論理で貴族政治は正当化されたんだなぁ、と思って呆れるやら、必死だなぁと笑ううやら。実際何年か前に政治評論家の櫻田淳が同じ欄で「高い道徳性を持つ貴族政治」を主張してて、やっぱりどこか世襲議員に期待するようなことを書いてまして、いきつくところはおんなじなのかよ、と。
 単なる世襲というだけでなく、「家柄」ごとに地位が独占されていくというのも平安以来江戸時代まで見られる現象で、北畠親房なんてその血統主義の権化みたいな主張をしておりましたが(それでいて自分は明らかに破格の待遇を受けるわけで)、どうも現在の政界・官界もそれほど変わってないのでは、という気もしてきちゃうのです。
 まぁあのアメリカでも大統領が親子二代でやってますがね。それにしてもブッシュさんって最後の最後まで厄病神を演じる気なのか。

 本居先生、そんなことまで言ってたんだぁ(笑)。まぁ生粋の日本を求めて漢風を排除していくとそういうことになっちゃうのかな。異母きょうだいなら結婚対象にしてしまうという例はどのへんまで時代をくだるんですかねぇ。
 インカ帝国だと皇帝の正妻は実の妹にする習慣があったとかいう話をどっかで聞いたような…結局は側室の産んだ子が跡を継いでるらしいんですがね。

 男色の話にはちょっと難色を示したりして(笑)、まぁこれも歴史の一つには違いないですからな。坊さんたちが稚児をめぐってなんとやらいう話は「徒然草」あたりにもあったはずですし、「太平記」でも稚児を討たれた僧兵たちが怒り狂って…なんて場面が。確か「稚児草子」ができたのも南北朝期だったような。
 武士たちも普通にたしなみにしていたようですし…いま鷲尾雨工の小説「吉野朝太平記」(第二回直木賞)をあと一歩で読了というところまで来てるんですが、尊氏の周囲にも命鶴丸とか、フツーに寵童が出てきてます。北方謙三の小説でもそのへんサラリと書いてたな。


>景虎さん
 レスが遅れてしまいましたが、「侏儒國」の話はいろいろ想像をふくらましてしまいますよね。実際にそういう骨も出てくるとなると…?
 明代には倭寇対策のため実際に日本調査も行われたことからかなり正確な情報が書籍化されるようになってますが、その直前でも日本の向こうに「女人国」だの怪物が棲む国だの、大航海時代初期の世界地図みたいな世界が展開されてる地理書があったりします。



#8280 
NF 2008/10/01 23:30
王朝末期やら聖地やら

御無沙汰してます。何度かの「史点」更新やら時代区分やら面白そうな話題があるのを横目に見ながら忙しかったりしんどかったり。
>新内閣誕生
何だかんだで皆さん、戦前からの「貴族」が多いですなあ。麻生さん本人には期待したい気はあるけど、周囲がなあ…。民主党も似たようなものなのを考えると、ホントに持明院統と大覚寺統の対立みたい。…ん?すると公明党が北条氏?なんだかなあ。
>王朝の末期
大丈夫です、ローゼン閣下。首相は皇帝というより摂関や執権みたいなもん(形式的にもう一人上がいる)ですから胡錦濤主席のたとえは必ずしもあてはまらないかと。で、執権が短期に入れ替わった例といえば高時から貞顕、守時とあわただしく交代したあの時期。…やっぱり末期やないか。
でも確かに、自民党の動きを見ても王朝末期みたいではありますね。麻生さんを担ぎ出すなら前回の方が効果は大きかったと今考えると思うのですが、無難な福田さんに走ったあたりからしても。「治世」の世ならその原理でよいのでしょうが、「非常」つまりこれまでのやり方(自民党時代の方式)が通用しない事態になると逆に泥沼になる。個人的には、逆に今こうした形で首相になったことで麻生氏が惜しまれてならないですけどね。「自民党をぶっ壊し」「戦後レジームの総決算」が近いのかも(苦笑)。
しかし、「最後の君主」って案外暗愚なばかりでなく個人としては才能のある例がある印象を持ってしまいます。それまでの流れで彼一人ががんばってもどうにもならなかったり、その才気や意欲が空回りして逆効果だったりというような例が結構あるイメージが。
>跡地
池田屋だけじゃなくて近江屋もパチンコ屋かなにかになってたような。今は石碑が残るのみで。
>治療地
僕が連想したのは、熊野本宮がハンセン病など皮膚病の治療効果が期待できると伝えられていた事例。温泉があって、その治癒効果が経験的に知られたためだろうといわれています。有名なところでは(確か徹夜城様の地元だったと思いますが)小栗判官の伝承がありますね。しかし、東西を問わず聖地には「石」が不可欠だという話がありますね。石に神聖な意味合いを感じ、巨石がある場所を神聖視するだけでなく神聖な場所に神域を設けるため「石」を外部から持ち込んだりとか。
>「古事記」「日本書紀」の世界では本物の妹に対して恋愛感情をもつ話がある
本居宣長によれば同腹兄妹は太古よりタブーだったが異母兄妹の婚姻は問題なかったそうで。そういや、宣長先生は「直毘霊」で異母兄妹の婚姻は神が定めた真の法のひとつであり、それを禁じるのは大陸から渡ってきたさかしらな偽善だと熱く吼えておられました(苦笑)。神話で兄妹(または姉弟)婚があるのは珍しくないですが、日本では平安前期にも平城天皇が妹を側室にしていたり小野篁が異母妹と恋愛したりといった話がありますから、ホントうちの国はどうしようもない。あ、「伊勢物語」にも妹に恋歌を送る話があったそうで(汗)。
>「あらいい男!」
「ウホッ!いい男!」だと若干ニュアンスが変わります。…ちなみに男色が社会風習として持ち込まれたのは弘法大師という伝承があり、女性から切り離された山岳仏教の僧侶によって本格的に稚児愛好が受け入れられたのは少なくとも間違いないそうで。

 …って、いつもながら掲示板の品位が下がるような話をいくつもしてしまうのはどうにかならんものか、我ながら。

…最後にお下品な話を続けてしてしまったのをお詫びしつつ、失礼します。

http://www.geocities.jp/trushbasket/


#8279 
船頭の孫 2008/09/26 00:16
鯉のルーツ

徹夜城さま

>>なるほど、鯉の養殖は稲作や養蚕ともども大陸からもちこまれたという説は以前からあったんですね。

日本の鯉がどういうルーツなのかは、まだ未解明の部分が大きいんです。鯉は古い時代から移植と養殖が盛んだったので、ヨーロッパから東アジアまで非常に広く分布しています。1903年に欧米の研究者が日本の鯉のルーツを中国からの移入であるとする論文を出しているのですが、第三紀の地層から化石が出ているので自然分布が定説になっていきました。

しかしその一方で、関東平野、琵琶湖淀川水系、岡山平野、四万十川あたりに全国に広く分布している体高の高い鯉とは異なる体高が低くてスリムで、体の赤みが強い鯉がいて、性質も水深の深いところを好んで警戒心も強いことが知られていました。もちろんこうした水域には通常の鯉も分布しているのですが。

このスリムな鯉が遺伝解析で体高の高い鯉とかなり異なっていて、別種としたほうがいいんじゃないかという議論が出てきたのが去年ぐらいですね。体高の高いほうの鯉は、完全に大陸の鯉と同じグループに入っちゃうので、人為的に移入された線が濃厚になってきたわけです。

ただ、この移入組の方の鯉がいつ、どういうプロセスで移入されたのかはほとんど明らかになっていないはずです。朝日遺跡の研究には在来のスリムな鯉が別種となることを明らかにした研究にかんでいる、滋賀県立琵琶湖博物館の方もかかわっておられますので、そのうちこのあたりがリンクした研究も出てくるんじゃないでしょうか。



#8278 
景虎 2008/09/25 10:11
邪馬台国話

史点で邪馬台国の話があったのを見て思い出したのですが、魏志倭人伝に
「また侏儒國その南にあり。人の長三、四尺、女王を去る四千余里」
という国が出てきます。

当時の一尺は約23cmという話をどこかで読んだような気がしますが、非常に背が低いので、誇張だろうというのが常識ですよね。ところが、2003年にインドネシアのフローレス島で身長1mほどの人類の化石が発見されました。

発見されたと言っても約18000年前なので邪馬台国以前の話ですが、今年になってパラオでも小人の骨が出ています。こちらの方は1400〜3000年前、大きな個体は940〜1080年前という事です。
フローレスの方は、諸説あってまだ決定打がないようですが、原人の可能性が高いのに対して、パラオの方は現生人類の小型化だそうです。

パラオの小人族は邪馬台国の時代と一部が重なっている事を考えてみると、邪馬台国はともかく、侏儒國はパラオ辺りの事かもしれませんね。まあ、発見されていないだけで、日本にも小人族がいたのかもしれませんが。



#8277 
徹夜城(採点のバイトに追われる管理人) 2008/09/24 23:47
あの映画に登場した「首相」がまた一人…

 本日をもちまして、映画「小説吉田学校」に登場した首相経験者がまた一人増えることになりました(笑)。
 出てくるんですよね〜子ども時代の「太郎」君が。母親がなんと夏目雅子で(笑)。この映画製作以後に首相になった登場人物は海部俊樹・宮沢喜一ぐらいだったと思います。
 さいとう・たかをによる劇画版(「大宰相」と改題して文庫化)ですと小沢一郎さんも1コマだけ登場してます。
 それにしても今日の国会は中3公民の格好の素材ですね。衆議院と参議院で指名が食い違った場合どうするかという典型的な衆議院の優越の例です。昨年の参院選以来、「衆議院で出席議員の3分の2以上で再可決」とか今まで教えててなかなか実例が見れなかったケースが続々出てきてちょっと楽しい(笑)。「太郎」と「一郎」の対決になるわけですねぇ(笑)。そこへ山本一太が乱入したりして。
  二世三世がますます目立つ閣僚人事でしたが、どこぞのニュース番組では中曽根新外相のプロフィール紹介で「中曽根康弘」のほうの映像を出しちゃっておわびをしていたとか。康弘さんの方もその気になっちゃうかもしれないじゃないですか(笑)。
 

> 時代区分
 日本史は「古代」「中世」「近世」「近代」という社会制度的な時代区分が割合ケンカにならずにうまく行っちゃう気がしてます。特に「武士」の出現と、中央集権が実質消滅してしまうこととで画期が作れてしまう。これが西欧的な意味での「古代」「中世」と同列に論じられるかどうかは全く別の問題ですが、そういう「見立て」が結構うまく行ってしまったのは確かです。
 政治組織の位置による時代区分の話ですが、最近田中義成「南北朝時代史」を読みました。明治の末に行った講演をまとめたものですが、ちょうど直前に「南北朝正閏論争」が大騒ぎになって「吉野朝時代」という呼称が公式見解になってます。しかしあえて田中は「南北朝時代」という呼称にこだわります。「どの時代の名称も当時は呼ばれず後世の呼称じゃないかと言われるが、“南北朝”についてはそうではない。同時代や直後の人々は“南北朝”と認識していた」と強く主張してるところも面白い。

>船頭の孫さん
 なるほど、鯉の養殖は稲作や養蚕ともども大陸からもちこまれたという説は以前からあったんですね。佐倉の歴史民俗博物館では弥生の生活の再現で豚を飼育していることになってまして、「なんだか古代中国みたいだ」と思ったものですが、どうもその方面でもあちらから大量に人が移住してきたと考えるのが自然なのかな…
 それにしても「李」姓が皇帝だと「鯉」食べちゃだめなのか(^^;)。明代だと「朱」で何かタブーがあったんだろうか…?清なら「愛新覚羅」だから何の心配もなさそうですが。




#8276 
船頭の孫 2008/09/24 00:39
鯉の養殖

史点の弥生時代の鯉の養殖の話ですが、中国ではかなり古い時代から鯉の養殖を養蚕とリンクさせてやっていたようですね。桑の葉で蚕を飼い、蚕の糞で養魚池を富栄養化させて鯉の餌になる底生動物をたくさん発生させたり、蚕の蛹自体を餌にしたりし、養魚池の底にたまった鯉の糞は桑の肥料につかったそうです。ただ、唐の時代になって「鯉(リ)」の音が皇帝の姓の「李(リ)」に通じるので食用にするのを禁じられ、養殖対象が草魚や&#39985;魚(ハクレンやコクレン)にシフトしたようですが。

また、日本の在来の野生鯉と、養殖されてきた系統の鯉が実は別種なのではないかという話が、遺伝子解析で出てきています。もともと琵琶湖や霞ヶ浦のような大きな湖の鯉は、深いところにいるスマートな鯉と、浅いところにいる体高の高い鯉がいて、前者が日本在来の鯉で、後者が大陸から有史以前に導入されて養殖されていたのが野生化したものではないかとささやかれてはいたのですが、遺伝子解析でどうやら互いに別種レベルに縁の遠いものであると判明してしまったのですね。



#8275 
黒駒 2008/09/23 01:52
すべてシリーズ。

そういえば、前に「武田信玄のすべて」も新編が出ていました。

旧編は先日お亡くなりになられた、大河「武田信玄」を監修していた磯貝正義さんで、新編は「風林火山」を監修した柴辻俊六さんが編集。作家の雑文などは排除され、手堅い研究者の論文で主要な論点が押さえられ、新出史料を踏まえた家臣団辞典や逐一出典情報のついた詳細な年譜など、従来の「すべて」本イメージを覆し、確かに現時点での研究水準を一般向けではあるが最大限に反映させた本であるなと思いましたね。たぶん、尊氏のすべてもこの路線なのではないでしょうか。



#8274 
相良義陽 2008/09/22 13:30
時代区分は普遍性を放棄した方がいいと思う。

お久しぶりです。じゃけえ人教育係をやっている相良です。

時代区分についてなのですが、
「○○年に××時代突入、という考え方を止める」
というのが最重要なのかな、と思います。

西洋の時代区分はまず
・美術史(ルネサンスから近代〜)
・経済史(つまりマルクス主義史観、市民の登場から近代〜)
という2通りがあるわけですが、この観点のどちらからみても、ルネサンス期の北イタリアは近代と言っていいと思います。
ですがそれは、ミラノやフィレンツェでそういう芸術、経済、政治的環境が現れたというだけのことで。ヨーロッパでもそれ以外の地域では別の時代が画期になるはずです。
たとえばブルゴーニュやスイスなどでは、やはりスイスの市民傭兵がブルゴーニュ軍を圧倒しシャルル突進公を破った1476年ということになるでしょう。北ヨーロッパでは市民の登場もルネサンスの波及ももっと遅いですから、近代に入るのも遅いということになるはずです。

それに、言うまでもないことかもしれませんが、ある場所で使えた尺度が他の場所では全く役に立たないのが歴史学というものです。
セルビアで市民階級の登場って言われても、ねえ。とか。ルネサンスの波及……まあ、アドリア海沿岸なら。とか。そんなところで上述の尺度を使ってもしょうがない。
だから西欧や日本以外ではあまり「中世」とか「近代」とか言わないのだと思います。
西欧でも国によってちょっと時代区分が違ったりするみたいですし。「初期近代」って使うのはドイツ史だけなのかな?
「古代」「中世」「近代」という言い方するよりは、「○○王朝時代」とか「○○王時代」とか言った方が穏当かつ適当だと思います。

http://www.h3.dion.ne.jp/~jtpage/cy/


#8273 
景虎 2008/09/21 23:33
中世?

中世と言えば、

「中世」との時代区分は、おかしいのでは?
http://homepage2.nifty.com/hj-hiyama/060406.htm

というサイトが中々面白いですね。
ヨーロッパ中心ですが、中国や日本に触れている部分もあり、参考になるかもしれま
せん。

しかし、時代区分ってよく分からないなあ・・・というのが正直な感想ですね。
基本的に歴史学は政治史で、政治によって時代区分しているようですが、『ルネサンス』や『安土桃山』になると、政治以外の要素が強いように感じられます。日本の美術史では、寛永頃までが『安土桃山』になるそうですが、そうすると政治史とは数十年ずれてきます。
政治史とその他の歴史は別物と考えればいいのかもしれませんが、実際は政治だけが分離している訳でもなく、関連しているのですからややこしいですね。

さらに政治史限定でも、『鎌倉時代から中世』、『保元、平治の乱から中世』、『院政期から中世』などと言われると頭が混乱してきます。
まあ、それが面白いとも言えそうですが。



#8272 
徹夜城(また書き忘れがあった管理人) 2008/09/21 23:07
尊氏論、追加。

 下の投稿を書いてる最中には書くつもりだったのに、ついつい書き忘れたまま投稿した話を追加しておきましょう。実はこれをかなり言いたかったんです(笑)。

 清水克行さんの提示した「尊氏は日陰者の庶子で、まったくの偶然・事故により足利家という名門を継ぐことになった」という仮説は、同時代に生きたある人物のことを連想してしまうのです。
 そう、後醍醐天皇、その人です。

 後醍醐は生母が父から祖父に乗り換えちゃった女性であり、父・後宇多からは疎まれたと推測されています。本来天皇なんてなれるはずもない立場でしたが兄・後二条の不足の早世により、皇室の両統抗争の事情もあって皇太子に立てられ、33歳という異例の高齢で即位します。しかも父・後宇多からは「お前は一代限りのピンチヒッター。お前の子孫は兄の子孫に仕えるのだ」と言い渡されちゃうという屈折した青春期を送ってまして、それが討幕の原動力になったなんて言われるお人。そういえば若い時に「誘拐結婚」をしてるあたりも、「一夜の関係」ばなしのある尊氏と通じるものがあります。

 しばしば後醍醐と尊氏は個人的には親愛の情があった、とする指摘がなされます。佐藤進一さんなんかは尊氏を「おもに躁状態を示す躁鬱質」として「新し物好きの後醍醐はそんな尊氏に興味をもったかもしれない」としてましたが、上記のようなことを考えていきますと、実は二人は「似た者同士」だったから心が通じちゃったのでは…なんて妄想も浮かんじゃうわけです(笑)。



#8271 
徹夜城(昨日は隠し砦の三悪人を横目に作業していた管理人) 2008/09/21 22:51
足利尊氏のすべってころんで

 まぁタイミングよくといいますか、もしかして大河「太平記」完全版発売に合わせたつもりもあるんでしょうか…
 新人物往来社の「〜のすべて」シリーズの最新刊は「足利尊氏のすべて」でした。10月発行ですが、もう書店に置かれてました。
 「すべて」シリーズで南北朝関連では「楠木正成のすべて」「後醍醐天皇のすべて」「ばさら大名のすべて」「北条高時のすべて」が既刊ですが、大河ドラマ放送当時でもやらなかった「足利尊氏のすべて」が今頃出たことに驚き。足利尊氏研究を主力としてこられた故・佐藤和彦先生(2006年没)の足利尊氏論文が冒頭に3本も掲載されてます(いずれも再録ですが)。

 この「すべて」シリーズ、名前ほど「すべて」ではなく欲求不満になることも多いんですが(笑)、この「足利尊氏」は尊氏個人の専門書としてはかなりのボリュームです。「すべて」シリーズ全体の中でもかなりの分厚さではないでしょうか。

 いろんな論文が載ってますが、個人的に注目したのは清水克行さんが書かれた「足利尊氏の家族」という論考です。これ、尊氏の家族、とくに一般にはほとんど知られていない尊氏の兄・高義の問題を大きく取り上げ、「これまで大名の御曹司のイメージで語られた青春期の尊氏は実はかなり不安定な立場だったのではないか?」という仮説を提示しています。
 「太平記大全」に最近補足情報としてこの件を追加したんですが、大河ドラマ「太平記」に足利高義なる人物は登場はしないものの、その母親は出てたんです。そう、第1回にちょこっとだけ登場する貞氏の正室、金沢貞顕の妹です。二人の間に生まれたのが高義で、確実に成人まで生きて家督も相続しており、子供も少なくとも二人いたことがわかっています。しかしふっつりと消息が途絶え貞氏が惣領に復帰するため早世したものと考えられてるわけです。
 尊氏(高氏)は上杉清子が産んだ子ですが、清子は「家女房」つまり側室です。尊氏は清子の故郷の丹波で生まれたとする説が以前からあり。大河ドラマではドラマ中では鎌倉で生まれたことにしつつ「ふるさと」コーナーでその説に触れました。網野善彦なんかも尊氏の気質の西日本性(?)の根拠にこの説を挙げたことがあります。この論考でも丹波出生説をかなり有力とみており、しかも清子が36歳という当時の感覚では高齢で尊氏を産んだという証拠を提示しています(これは直義の出生年を従来説より一年遅らせるものでかなり注目です)。
 高義が不測の早世をしたために尊氏が相続者に…とは簡単にいかなかったんじゃないか、と清水さんが推理してるところも面白い。高義には明らかに男子がおり、その成長を待つまで中継ぎとして貞氏が惣領に再登板するためです。結局尊氏が貞氏の後継者と正式に認められたのは赤橋登子と結婚した嘉暦年間の時期ではないかというんですね。傍証として尊氏が登子と結婚する前に家臣筋の加古六郎の娘と結婚して竹若を生んでいることも挙げてます。あと「又太郎」という尊氏の名乗りは足利惣領歴代の「三郎」から外れるもので尊氏は本来足利宗家を継ぐ資格がなかったのではという指摘も興味深い。
 総じて青春期の尊氏は実はかなり不安定な庶子の立場であり、それが後年の彼のどこか冷めた、時々すべてを投げ出しちゃうような情緒不安定さに影を落としているのではないか―というわけです。高義の問題は僕もこれまでにいろいろ考えたことがあったのですが、ここまで「尊氏は実は日陰者だった」と言い切った論考は少々衝撃的でもありました。
 もちろんこの見解、この本に載ってる他の論考でもちょこっと書かれてますが、若干の疑問点もあります。「高氏」というその名乗りなんですね。「高」が北条高時からもらったものなのは明らかですが、「氏」は足利惣領が「家氏」「頼氏」「貞氏」…と歴代名乗った名前です(「家時」のような例外はありますが)。これは「高義」の名でも問題となりますし、高義が高時から一字をもらってるかどうかも時期的に問題があるようです(高時が幼児に元服をすませてればいいらしいですが)。あと高義の男子はなぜ後継者になれなかったのか、という問題もあります。
 系図によると高義の息子は建武の乱のときに奥州で戦死してるというのですが、他資料にまったく事績が伝わらず、父親ともども謎だらけです。まぁ尊氏からして「一夜の関係」で直冬を作っちゃったり謎な話がありますけど。

 その他、直義・師直・後醍醐・正成・義貞など尊氏周辺の人物についての最新評論、尊氏というとどうしても話題になる後世の評価の変遷など、読みどころは多いですね。
 凄いと思ったのは巻末にある尊氏関連の参考文献の列挙。単行本から論文、軽めの雑誌に載ったものも含めて(「WILL」までありましたぜ(笑))おそらく全部網羅、その多くに紹介・評論つきという恐ろしいリストがあります。これだけでも3800円出して買う価値はあると思います。


>ちょっとしたニュースネタ
 一時「史点」ネタ候補にしかけた先日の「領海侵犯潜水艦」ですが…え?クジラ?野坂昭如の戦争童話じゃないんだから(爆)。シーシェパードがなんか変なこと言ってこなきゃいいんですが(汗)。
 もちろん断定はできませんけど、どっちにしても「あたご」はまず監視員の能力を高めた方がいいんじゃなかろうか。



#8270 
徹夜城(南北朝本をまだまだ発掘中の管理人) 2008/09/19 00:06
比較的最近の南北朝小説

 新聞の書評欄で紹介されてたので関心を持ってたんですが、図書館にあったんで借りて読んでみました。

○賀名生岳「風歯」(新人物往来社、2008)
 「歴史読本」の歴史小説賞受賞作に大幅に追加をした一冊。著者は本職が歯医者さんなんだそうで、この小説も「南北朝歯科医小説」という異例きわまるものです(笑)。
 歯科医・丹波兼康は将軍・足利尊氏の虫歯の治療を命じられる。傲慢な権力者・尊氏は抜かずに治せと命令し、愛する娘も人質にとられて兼康は苦悩する…とまぁそういうお話で、「ひょっとして尊氏悪人説の方なのか?」と書評を読んだ時は思ったものです(なんせペンネームも「賀名生」ですし)。まぁ実際に読んでみると尊氏なりの孤独感や娘に対する親バカぶりも発揮されてて読み終えればそう悪い人ではないですし、この時代限定の技術によるブラックジャックばりの治療法もありまして面白いのは確か。
 なお、作中時期は直義毒殺のあと。それも話のなかに微妙な影響を与えてます。
 ところで最近、田辺久子「関東公方足利氏四代」(吉川弘文館)という本を読んだんですが、直義は「毒殺」というより「覚悟の自殺」ではないのか、という見解もあるんですね。状況証拠からすると思いのほか現実味がありそうです。また、僕自身もイメージする直義ってそれをやりそうな気もします(師直の命日と合致するのも別の解釈ができそう…)。確か杉本苑子さんの「風の群像」は直義自殺説だったような。

 ところでこの「風歯」、表題作の短編のあと物語の続きが2編書かれまして、一冊の長編小説になってしまいました。第2話の患者は佐々木道誉、第3話の患者は北畠親房という、南北朝マニアには驚きのラインナップであります(笑)。


○黒須紀一郎「日本国王抹殺」(作品社、2006)
 以前にも紹介しましたが、作者の黒須さんは「婆沙羅太平記」という文観を主役にした大長編があります。これはその続編というか後日談になりますね。文観は登場こそしないものの名前はちょこっと言及されます。
 タイトルみればお分かりのように足利義満がテーマです。しかもハナから暗殺説。でもひねりが入ってて面白く読めました。個人的には「室町太平記」と取材ソースがおんなじなもんだから、創作過程もよくわかって楽しめました。それにしても細川頼之の妻にして義満の乳母になった女性は「玉子」で確定しちゃったのか。あれは平岩弓枝さんの「獅子の座」で創作した名前だと思うんだけど、黒須さんの作品以外でも見かけた記憶が…
 この時代、よほどのことがないと身分がある程度高い女性でも実名ってわかんないんですよねぇ。正成の妻も多くの作品や歴史本で「久子」ってことになっちゃってるんだけど、これだって限りなく根拠薄弱。戦前に観心寺の過去帳の調査から割り出したことになってるんだけど、父親の名前も息子の年齢もはっきりしない正成の妻だけに分かる方が不思議。

 あと、小説じゃなくて漫画なんですけど、「人物日本の女性史」というシリーズで「阿野廉子」があるのを知りまして、このたび入手いたしました。いや〜期待にたがわず(!?)想像を絶する内容。そのうち「漫画で南北朝!」コーナーで紹介させていただきたいと思います。


>黒駒さん
 ほう、焼酎の変…これじゃ事故米問題になっちゃうな、正中の変にもそんな新説が出てくるんですか、それは面白い。詳しい話が分かりましたらお教えください。
 王直は誕生じゃなくて没後450年です(^^;)。彼の誕生年は残念ながら分かりません。 




#8269 
黒駒 2008/09/18 01:40
増補版大全

うーむ、ますます情報が充実していくのはめでたいことなれど、あれを全部読み返すのもしんどいです(笑)。わたしは最近一年送れての風林火山ブームで、原作本を読んだり、最近の武田関係本(武田は実証的研究でも商売になるらしく本が手に入りやすいので有り難い)や論文などを読んでおりまして、いろいろ意外な元ネタを発見できたりして楽しいです。

風林火山や太平記のように「研究」できる大河が量産されれば良いのですけどね。南北朝は最近何か新見解は無いのかなと思ったら、詳細は知りませんが正中の変に関してあれは本当に倒幕計画であったのだろうかと、新説が出ているようですね。

時に、ニュースな史点99年10月10日記事によれば、来年は王直生誕450周年だそうで(笑)。



#8268 
徹夜城(神保町へ遠征してきた管理人) 2008/09/11 22:34
太平記完全版をちょこっと宣伝(笑)。

 夏期講習は終わったけど、定期テスト対策なんてものもありまして、バタバタしていたんで、書き込みもおろそかになりました。まぁこういうサイトの掲示板はどっかコーナーの更新がないと動きませんよね。
 「史点」は書く題材だけ決まって書く暇が…いや、暇はあるんだけど、今日みたいに他のことに使っちゃったりするわけで(笑)。うかうかしてるとあらたな大ニュースも来ちゃうかもしれません。

 大河「太平記」完全版DVD、ようやく先週入手しました。第壱集・第弐集のBOXをアマゾンでセット購入しまして、第壱集だけ届いてます。第弐集は今月25日でしたっけ。
 BOXで買っての付加価値は同封パンフレットぐらい。和綴じ本にみせかけた12ページの簡単なものです。ドラマ紹介の煽り文句、各回の簡単な内容紹介および各回ごとの名セリフ表示、巻末に登場人物関係図、とまぁそんなところです。
 ちょいとその煽り文句を引用してみます。

 大河ドラマ史上初にして唯一、
 激動の南北朝時代を描いた壮大な作品!
 この南北朝時代は、日本史上まれにみる乱世である。
 中央政権が鎌倉幕府、新政府、室町幕府と、
 わずか6年あまりで激しく移り変わる
 治乱興亡ただならぬ時代である。
 その激動の時代を太平を願って生き抜き、
 やがて室町幕府を開いた武将、足利尊氏。
 複雑に絡み合う人間群像を中心に、
 愛憎渦巻く動乱の時代を生き生きと活写!
 第壱集は、中盤のクライマックスである北条氏の
 鎌倉幕府滅亡までを、壮絶かつ華麗に描く。

 …だ、そうです。「史上初にして唯一」ってのは「現時点で」ってことにしてほしいもんですが(汗)。
 各回の内容紹介にその回の名セリフが選ばれてるんですが、以下のような調子。
第二回「足利の稲穂は、なかなか刈り取れぬわ…」(長崎円喜)
第五回「救うてみよう。このまま北条の敵とするには惜しい男よ…」(赤橋守時)
第八回「北条は割れた。先は見えたぞ…」(佐々木道誉)
第18回「使者を走らせよ。足利が総力挙げて戦をいたすと」(足利高氏)
第22回「鎌倉あっての北条、鎌倉あっての高時ぞ。わしは動かぬ」(北条高時)

 全部書くときりがないんでやめます(笑)。僕が選んだら好きなセリフもっといっぱいあるんですけどねぇ〜。
 以前「太平記大全」連載中に大河ドラマファンBBSで更新宣伝書き込みをしていたものですが、そこでも僕が勝手に「名セリフ集」をやってたのを思い出します(^^)。
 DVD−BOX発売後、明らかに「大全」訪問者が増えました。あたってみるとあっちゃこっちゃで紹介されてるようで、嬉しいことです。
 ただいまこの勢いを生かすべく、「大全」の修正・加筆をこっそりチビチビとやってます。以前確認できなかったことがいろいろと確認できるようになりまして…調べれば調べるほど脚本家・スタッフがいかに「初の南北朝ドラマ」制作に緻密に挑んでいたかがわかってきて驚きます。「あのドラマの場面はこれが元ネタか!」とわかることがいくつも出て来まして。
 それと並行して、ただいま南北朝がらみで新企画(またかよ)を構想・作業中。まぁ一応のところまでいったら公開しますので、お楽しみに。



#8267 
EN 2008/09/08 16:23
総裁選

最近この掲示板の書き込みがあまり多くありませんね。僕自身もまたしばらく書き込み滞っていました。さて少々話題がおくれましたが、福田さんも結局総理辞めちゃいましたね。無責任なのは言うまでもないですが。辞任会見の最後の記者に向けての発言が妙にネットで反響を呼んじゃいました。それで行われる自民党の総裁選ですが、これも候補者乱立で騒いでおります。だれがなっても同じという感じもしますけどね、僕なんかは。それから徹夜城さんがやっているコーナー「太平記大全」今更ながら愛読させてもらってます。最近南北朝にも興味を持ち始めていますので。



#8266 
ひろさわ 2008/09/03 04:54


徹夜城様、どうもご無沙汰しております。
名越高家主役の漫画をウェブ上に発表してから2ヶ月・・・

自分の漫画のコーナーに、あと4本、歴史漫画(か?)が増えました。

http://sawasige.hp.infoseek.co.jp/manga/index.html

登場人物ですが、時代順に・・・

名越高家
雪舟等楊
安芸三郎左衛門・(土佐)新之丞
円空
土佐の与市

と、マイナー人物を取り揃えております。
(まあ雪舟は有名ですが・・・円空のほうはどうでしょうね。
 ひょっとして地縁的に、千葉では与市は有名かもしれませんね)

特徴として、長い旅をした人が多いですね。
ページ数が短い関係で分かりにくい話になっていると思いますが、
鋭いツッコミ、ダメ出しをお待ちしております。
(いえ、当然、無理にとは申しません)


○関連して・・・
蔡倫を描いた小説の中に「猫に鰹節」という表現があったのですが、
その当時(あと地理的にも)に鰹節は無いと思う・・・
紙の改良者・蔡倫を主人公にした小説があること自体が快挙なんで、
ツッコミいれるのは気が引けますが・・・

こういう場合、西部劇で「おれは畳の上では死ねないんだ」という吹き替えが出てきたときのように、
「これは意訳なんだ、もののたとえを分かりやすく翻訳してくれたんだ」
と、考えるのがオトナの対応なのでしょうか・・・

ではでは。PCエンジンのほうにも書き込んでおきます。



#8265 
徹夜城(今日の授業で「内閣総辞職」を教えていた管理人) 2008/09/01 23:33
今日の授業は公民、ズバリ「内閣」で…

 記者会見始めたのが9時半ごろだそうですから、僕の中3公民の授業が終わるのを見計らっていたものだと思われます(爆)。
 それがまぁ、うまい具合に「内閣」の授業でして。「内閣総辞職」のケースまで教えていて、昨年の安倍内閣の例も話していたんですが、その授業の直後に現首相が辞任表明とはまぁ、なんと出来すぎな(笑)。
 とりあえず定期テスト用の「時事問題対策プリント」の作成前で助かりました(学校の先生は間に合ってないかもしれないな〜)。

 姫井さんネタで「史点」記事にするのは決定していたんですが、まさか首相退陣までつながってくるとは思わなかった。恐るべし、「姫」!?(笑)。

>mozawaさん
 帰宅後に会見の様子を見ましたが、「安倍さんは病気で辞めたんですが…」との一言もありましたねぇ。
 今度ばかりは順当に麻生さんだとは思うんですけどねぇ…昨年のあの段階では「福田」という名前が浮かんだ僕ですが、今回はあまりほかの候補の名前が浮かばないです。あえて言うとまさかの「小池百合子」ですが、どちらにしても選挙向けにあまりインパクトはないかもしれないなぁ(ほかの名前だともっとない、ってことですけど)。



#8264 
mozawa 2008/09/01 23:03
福田辞任

 安部辞任も9月だったよなあと、史点過去ログを確認したら9月12日でした。
 
 安部以上に無責任というか周囲のせいにした会見だったなと。自己弁護に充ち満ちていた。

 今度こそ麻生氏ですかね。前回は麻生で決まりそうだったのが(漫画の株が上がったりして)急転したんですよね。




#8263 
巫俊(ふしゅん) 2008/08/28 04:01
B29

三重県名張市の青蓮寺地区というところは、紀伊山地の山系と接する伊賀地方の南端の渓谷地帯なのですが、
神戸を空襲したB29集団中の一部少数機が名張上空に西側から飛来し、そこで東側から飛来した少数の零戦と遭遇、会戦、
一機のB29が被弾して青蓮寺地区というところの山林に墜落したそうです。

青蓮寺地区の村民は、集落のすぐ上をかすめた火の玉のB29を見て、「熱気」を体感したらしく、
熱い風が吹いてきたと語っているとか、
B29の機長と目される人が黒こげになって水田に落下したとか、
密かに近くの「福典寺」に亡き骸が埋められたのですが、墓石が逆さに立てられ、供養の文字も逆さになっているとか。

極め付きは、今でも渓谷の斜面を掘り起こせば、B29の破片が出てくるらしく、先日ジェラルミンで出来ているという採取された破片を見せて戴きました。
これらの破片は市が所蔵しているというだけではなく、個人蔵になっているものもしばしばあるようです。
小さな破片に似合わぬ、ブッといボルトがとても印象的です。

>管理人さま
>古代、中世

名張や伊賀の地域史の立場としては、10世紀に「変化」への兆候が見られるということが、おおよその筋書きのようです。

すっかり言い尽くされたことだと思いますが、
中国の古代(仮に後漢か三国までとして)と日本の古代の間に横たわっている年代の差は最低でも600年間はある訳で、
この差を何らかの発展段階の差と見なして『詩経』と『万葉集』を共通の古代歌謡と見なす、(白川静説など)
といった技法がやっぱり古典的だと感じますが、

歴史学の編成上の要請と割り切っておいて、日中の歴史比較をする際は時代区分に一応触れるが、それ以上深く関わらない。
という方法がどちらかというと、新しく保身的な身のこなしであると感じます(笑)

「中国は近世で進んでいたが、日本はまだ古代」といった文明差別的?な割り切りは、(日本の一地域で活動する身として)とても危険な言葉だなぁと感じています。
何というか、できれば私自身も「古代」とか「中世」を思想的に論じてみたいと思うんですけど、
やっぱり黒田荘とか郷土史とかに目が向いている方にとって、中国というのはとても遠い国で、
私がちょっと比較したところで、比較を聴く地元の方にとっては、名張を題材にして日中の歴史を比較するなんて頭の回し方はできないだろうなと思っています。

別に「中国は近世で進んでいたが、日本はまだ古代」なんてことを私自身信じている訳でも無いんですが、
自国と他国の時代区分を比較する前に、「名張」という場所が中国史や東ユーラシア史との絡みで話す上でとても使いにくいということを感じています。

倭寇とか元寇とか、そういう直接的な関係というのも、これといって「名張」をテーマにしていては語るネタが無い訳で、
そういう意味では、光化学スモッグが時折中国から流れてくる九州の市町村なんかは、中国やアジアとの関係を語る上で豊富な材料が転がっているんだろうと思います。

とかく、上田信先生のように「東ユーラシア」を語りたいと思っていましても、全然その機会が来ないというのが、名張や伊賀で地域史を研究していて思う悩みです(笑)
とりとめもない文章すいません。



#8262 
小覇王 2008/08/27 22:58
模擬爆弾

今日のNHK,「その時歴史が動いた」。原爆の模擬爆弾の話でしたが、冒頭に出てきた福島の渡利に落ちた爆弾。
 あれ、地元です。あの寺に先祖が眠ってるので、僕も小さい頃は、あの爆弾を力比べ代わりに持ったことがあります。
 確か、福島市に落とされた爆弾はあれ一発きりで、郡山市に比べて少なかったはず。県庁所持地なのに・・・
 犠牲者は畑仕事をしていた人、一人だけで、確か親戚だったような・・同姓なだけだったかな。
いきなり出てきたのでちょっとビックリしました。

http://burebure.blog.ocn.ne.jp/burebureblog/


#8261 
徹夜城(「太平記」完全版DVDをちょいと遅れて注文した管理人) 2008/08/25 23:26
「太平記」完全版はちょっと不完全

 どーも、レスがすっかり遅れてしまい、すいません。ここんとこ多忙なもので(夏期講習クライマックス)「史点」は遅れるわ、掲示板にはついてけないわ…
 奥野さんもお書きですが、確かにこういうタイプの「伝言板」(掲示板)は少なくなってきてますよね。ブログ隆盛で、記事投稿、コメントやレスがつけやすいというのはわかってるんですが…まぁここぐらい「老舗」で続けていくのもよかろうと思ってます。こういうタイプの古い伝言板って変な宣伝書き込みも少ないですし。
 ブログが出てきたときは、「史点」はそ出現以前からブログみたいなもんだったんだな、と思ったりしたものです(笑)。

>「太平記」完全版
 いちおうこの話をしておかないと。無事「第壱集」が発売になりました。1〜27回まで収録してるそうです。そうです、というのはまだ注文しただけで(多忙のため発売日を忘れていた)現物を手にしておらず、入手した方から連絡をいただいたためなんですが。
 やはり「太平記のふるさと」コーナーはカットされてるそうです。これはほかの大河DVDもそうなので予想はしてましたが、「ふるさと」コーナーでフォローしていた話も多く、まさに全国スケールで展開するドラマであることが実感できる好企画だったんですが、残念。逆にわが「太平記大全」コーナーの価値はまだまだ高いぞ、と(笑)。


>靖国関連
 まぁそういう事情を聞いていきますと、やっぱり「合祀」しちゃったのが神社としての失敗の始まりだったんでしょうな。昭和天皇なんて絶対寝覚めが悪かったろうし(笑)。
 合祀といえば、台湾と中国の金門島戦闘に巻き込まれて亡くなった日本人記者が台湾の「忠烈祠」に勝手に合祀され、問題になる可能性も…なんてニュースが昨日ありました。


>昔の戦争
 ベトナム戦争のみならず第二次世界大戦もカラー映像が一部にあって、僕らでも結構驚きますよね。第一次大戦ではカラー写真が存在しており、これがまたかなり鮮明で驚かされます。「白黒の世界」の話ではなく、まさに「現実」であったことがカラーになっただけでこんなに迫力をもって伝わるのかと驚いたもんです。


>巫俊さん
 「中世」…うーむ、日本史専攻の方だとかなりうるさいことになるんでしょうかねぇ、やっぱり。一般論としては院政時代あたりから「中世」扱いするらしいのですが。もちろん簡単に線引きできるもんじゃないんでしょうけどね。
 中国史もそのむかしどこまでが古代か中世か近世かで大論争があったもんですが…


>終戦工作
 日本はそもそも戦争始めるときに「終わり方」を明確に決めてなかったですからねぇ。で、ズルズルと敗北していくうちに軍人連中は「負け」を認めたくないからさらにズルズルと…それでいてソ連を介した「有利な終戦」に見苦しいまでにヘンな幻想を抱く連中もいて、そのつどそのつど「思いつき」行動が目立つのも日本的集団的光景という気がしちゃうんですよね。まただからこそいざ敗戦となったときにみんなケロッとしていたのかな、と。


>奥野さん
 おりしも今日はTVドラマでソ連軍進攻時に自決した樺太の女子交換手たちの悲劇をやってました。いや、僕は見なかったんですけどね。
 僕の祖父もビルマ戦線で九死に一生を得る凄まじい極限状況を体験したそうですが、直接聞く機会がなかったのが悔やまれます。いまNHKで盛んに元兵士たちの証言を集める番組を作ってますが、まさに今が最後の機会となってるんだと思います。聞かれる側も「今のうちに語らねば」と今まで家族にも黙っていた体験を語り始めているようです。
 
 それほど前の人ではありませんが、あの「鉄の女」サッチャーが認知症で…というニュースには改めて時代の流れを感じてしまいます…



#8260 
奥野 2008/08/24 20:02
去り行く世代

ご無沙汰しております。
最近のネット世界ではどこもかしこもブログだらけで、掲示板が減少の一途を辿っているように感じられます。僕の知っている歴史系サイトでも、掲示板を閉じてしまったところが少なくないですし。そんな中、史劇的伝言板の健在は嬉しい限りですね。こちらのように広く歴史に関する情報・意見交換の場を提供されている場はとても貴重なものだと思いますし。

最近は仕事の関係でサハリン州に関するニュースを追いかけることが多いのですが、先日、クリル諸島(千島列島)に住む最後の第2次世界大戦参戦軍人が亡くなったという話を聞きました。91歳だったそうです。
確かにそれほど人口が多いところでもないのですが、それにしてもロシアで「あの戦争」を戦った人が1人もいない地区が現れたというのは、ちょっとした衝撃でした。僕自身、元兵士であった祖父を、やはり今年になってから亡くしているので(年齢もほとんど同じ90歳でした)、余計に大きな感銘を受けたところもあります。
考えてみれば、第2次世界大戦を戦った兵士たち、そして戦争を経験した人々自体が、1人残らずこの世を去る日がいつか必ずやって来るのですよね。しかも、おそらくは自分が生きている間に。そう考えると何か空恐ろしいというか、奇妙な心細ささえ感じてしまいます。「あの戦争」が、日露戦争などと同じくらいにリアリティの薄い大昔の出来事になっていくかと思うと…

http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/6218/


#8259 
景虎 2008/08/23 20:28
終戦工作

戦争関係の書き込みを読んでいるうちに、「そういえば歴史雑誌で終戦工作の記事を読んだ事があったなあ」と思い出して読み返してみましたら、興味深い・・・というか恐ろしい事が書いてありました。

講和派の日記や発言が引用されていましたが、その中には「国民と米英を納得させる為の敗北がなければ講和を実現できない」という意見がみられるんですよね。

岡田大将の場合「例えば飛行機の教官とか練習機などを総動員すれば、一通りの戦力になると思う。それをやれば国民も諦める」

木戸内大臣の場合「誠に申し訳ないが、一、二度爆撃を受けるなり、本土に上陸されて初めて国民もその機運に向かうだろう」

近衛元首相の場合「これは英米の戦争目的を十分認識せざるものなり。彼らの目的は日独の戦争力を剰す所なく撃破して、再び第一欧州戦争の轍を踏まざらんとするにあり。故に余力あるを頼みて条件の緩和を図らんとするは甘き考えなり」

負けるための決戦が必要となってくると、戦う側はたまったものではありませんが、そうしないと戦争が終らないとすれば、ある程度は仕方がなかったのかな?という気もします。

ミッドウェー海戦で講和の機運が生まれ、講和派の計算通りマリアナ、レイテなど負ける為の決戦は実行されましたが、すべて中途半端に戦力が残った事が、講和派の失敗につながったようです。そう考えてみると、継戦派にとっても講和派にとっても不幸な事です。

近衛はレイテ戦の後、一気に講和を実現しようとしましたが失敗に終ります。
政権を投げ出した近衛は信頼されていなかったと言われていますが、近衛にしてみれば投げ出したのではなく、撤退だったのでしょう。しかし、賢いだけの人は信用されないというのは、関ヶ原の石田三成を彷彿とさせる話です。
近衛の工作から一ヶ月もしないうちに日本の主要都市が無差別爆撃を受けますから、やっぱりこの人、頭が良かったんでしょうね。

>小覇王さん
靖国もややこしいですよね。
旧植民地やクリスチャンの中には分祀希望の人達もいますが、分祀は嫌だという人達もいる訳で、分祀したらしたで問題が起きそうですし。



#8258 
巫俊(ふしゅん) 2008/08/23 07:04


お久しぶりです。

今『倭名類聚抄』に出てくる地名(伊賀)について文章を書いているのですが、
『倭名類聚抄』(938年までに成立)が書かれた時代が中世なのか古代なのか分からなくなりました(汗)
ここの掲示板さまで「日本時代」という荒っぽい時代区分を提示したのが悔やまれます(^^;

藤原純友の乱も起こっている時期らしいので、私的には中世かなぁという気もするのですが、私の住んでいる伊賀は戦後歴史学で「中世的世界の幕開け」の中心のひとつになった黒田荘ですので、うかつなことは書けません(汗)



#8257 
小覇王 2008/08/22 22:20
神様の意思

>マルクスの恋人 さん
>東条英機でさえ、陸軍大臣名義で、戦時動員中でも単なる事故死は靖国神社に祀ってはいけない
 
そう考えると、東条英機が靖国に祭られてるのは本人の意思に反していると考えていいんでしょうか。靖国の一番の問題点は、政治家の参拝とかより、分祀はできないとの理由で、本人の意思に反して祭られていることだと思っています。せめて、旧植民地の人や、クリスチャンは何とかできないんでしょうかねえ、と思う今日この頃。
 
 全然関係ありませんがジャマイカっていつから陸上王国になってたんでしょうか?

http://burebure.blog.ocn.ne.jp/burebureblog/


#8256 
マルクスの恋人 2008/08/22 21:07
戦死と戦没

戦死とは、軍人が敵との交戦で結果的に命を落とすことです。
軍人でも、敵と遭遇したわけでもない事故死の場合は殉職とは言っても戦死とはいいません。
東条英機でさえ、陸軍大臣名義で、戦時動員中でも単なる事故死は靖国神社に祀ってはいけない、あれは飽くまで戦死者への皇恩だ、という旨の公文書を出しているぐらいです。

「戦没」は範囲が広く、戦死は勿論含まれますが、戦争に起因する死は全て含まれます。だから、餓死病死はもちろん、一般市民や文官の空襲犠牲者はこっちです。

武道館でやる政府主催の(つまり公費で運営し首相も天皇も公務として出席する)式典や、国立千鳥が淵墓苑が「戦没者」という表現を使っても、決して「英霊」などと言わないことにご注意下さい。



#8255 
相良義陽 2008/08/20 15:37
史上最初の「中継」

ご無沙汰しとります&初めまして。

>ベトナム戦争
ベトナム戦争は史上初めてカラーで中継された戦争でして。東京を経由してその日のうちに戦争の映像がアメリカに届いてたそうです。そら反戦運動も起きますわな。
南ベトナムの将軍が路上でベトコン射殺する映像とか流れちゃったからもう。

>生徒に、何故戦争を記念するのか?と訊かれ、困ってしまいました。「国のために戦った」人を称えているんだよ、と言いくるめたのですが(苦笑)、そんな感覚今の日本の子は持てないですよね。
やってることは原爆ドーム詣でと同じなんですけどね。国のために死んだ人を記念する。「戦没者」が主に戦死した兵士ではなく戦死した一般市民を指すという点で、日本はちょっと特殊なのかもしれません。

http://www.h3.dion.ne.jp/~jtpage/cy/


#8254 
mozawa 2008/08/19 22:17
カルチャーショック

 お盆休みも終わり、塾が再開しました。
 国語の題材がベトナム戦争だったため、補足説明しようと歴史の教科書を見せたところ、カラー写真であることに生徒が驚いていました。
 歴史で習う戦争は、すべて白黒写真の世界の出来事(63年以上前)と思っていたようです。「ベトナム戦争が終わった年には、私も産まれていたよ」と言ったら更に驚いていました。
 時間が経つほど歴史は圧縮されていくのだと改めて感じました。今の子供からしたら「昭和時代」は太平洋戦争時も大阪万博時も一括りの時代なのでしょうね。江戸時代300年を一括りに捉えてしまうように。
 国語の一環とはいえ、歴史を教えるのって面白いなあと改めて思いました。(社会は試験前しか教えられないので寂しい思いをしています)

 もう一つ考えさせられたのが「(アメリカの)戦争の大義」。作中に「ベトナム戦争の記念碑」というものが出てきます。生徒に、何故戦争を記念するのか?と訊かれ、困ってしまいました。「国のために戦った」人を称えているんだよ、と言いくるめたのですが(苦笑)、そんな感覚今の日本の子は持てないですよね。いや、持たなくて良い、と私は思うのですが。



#8253 
よう(YOU) 2008/08/15 00:20


>徹夜城さん
お久しぶりです。
ヘンテコ歴史本は本屋に結構多くて、困ったものに感じます。うちの妹が図書館司書
なんですが、高校卒業してから歴史に興味持った人が読む時にまともな本が本屋に少なすぎるのが
一番の問題と指摘してました。
本の購入でヘンテコ歴史本は購入対象に極力入れないようにしているそうだけど、
良心的な運用って難しいみたい。(希望者がいるとどうしても・・・・)

次のニュースな史点に使えそうな東条英機の手記は日経新聞に掲載されてたので
読みましたが、責任転嫁、無責任さ、戦争継続の無謀さが解説されてました。
日経なんで、ダメな経営者という反面教師的な指摘に感じましたね。
読んで手戦争継続に固執するひっこみつかない所など国民ではなく国体重視な戦前思想が伺えます。
 手記が出てきたのが、遅すぎたと感じました。
数年前の首相の靖国神社参拝の前くらいに出てくればと思いましたね。


http://tiarayou.sakura.ne.jp/tia/


#8252 
あがたし 2008/08/14 17:48
それでいいのだ

>赤塚富士夫とソルジェニーツィン

合掌・・・  ですが,徹夜城さんならきっとカップリングしてくれると期待していました(笑)

>ベルギー

ここはその内情を知れば知るほど,「国家とは何か?」という命題を深く考えさせてくれる国で,The Economistが半ば茶化しながらも深い考察に満ちた論説記事を書いていますね.山形浩生氏が興味深く取り上げて翻訳・解説しています.

http://cruel.org/economist/economistbelgium.html

しかし「違う内容の(下手すると違う数の)国」になってしまったら「ベルギービール」というブランドはどうなるんだろう,とビール党のわたしは考え込んでしまうのでした(笑).




#8251 
NF 2008/08/14 06:00
つかの間の夏休み

仕事が忙しいのですが、ようやく数日間の休みが。
>タイとカンボジア
隣同士といい、兄弟といい仲が良いのが当然みたいに言われるけど実際には寧ろ対立関係の定番ですね。しかし、「寺」という性質上、元来は両国間の中立地帯として緩衝的な役目を果たしていたのは容易に想像できるのですが(前近代の国境についてはよく知らないので自身はないですが)、それが逆に近現代では曖昧さから争いの火種になるあたりが皮肉な話。特に今は資源が絡んだりと余計に話が難しい。この辺りもどこかの国のどこかの地域を連想してしまうところです。スペイン・フランス国境にあり両国に属したアンドラみたいにいっそそこだけ独立するのも手かも、なんて思ったり。
>ベルギー
デビッド・スーシェ版のポワロ、どうやら全作品を映像化するみたいですね。あのハマリ具合を見て、あの俳優は他の役ができないんじゃないかと余計な心配をしたりしましたが、どうやらスーシェ氏は「ナンバー・フォア」顔負けの演技派だったらしく脱帽。
ベルギーのイメージは他にドイツ軍の通路、チョコレート、小便小僧、フランダースの犬…。連想ゲームみたいに思い浮かべると結構があるものですが、民族問題を抱えて王家が繋いでいるのはルクセンブルクも同じでしたっけ?民族問題が絡んだ政争に悩まされた国王がクリスチャンとしての良心と国王としての責務との板ばさみになりながらも非常手段を決意し…という話を「ゴルゴ13」で昔読んだ覚えが。

>赤塚不二夫
…そうでしたか、数年前から植物状態だったとは。しかし、横山光輝先生といい、惜しい人が酒やタバコで身を滅ぼすのは何とも残念です。ロシアともども、戦後も「歴史」になっていくのを実感させられますね。

http://www.geocities.jp/trushbasket/


#8250 
徹夜城(お盆休みで一息入れてる管理人) 2008/08/13 22:55
やっと更新

 諸事情により完成がズルズルと遅れましたが、「史点」を先ほど更新しました。ここんとこは週刊どころか月刊状態です。今回もそういう執筆事情のためネタの鮮度がかなり落ちてしまいました。
 その後mozawaさんがお書きの東条英機手記の話ですとか、グルジアでの紛争ですとか史点ネタがぞろぞろとわいてきまして…それはこのお盆休み中になんとか書いてアップしちゃいたいと思っております。


>mozawaさん
 半藤一利・保阪正康の毎度おなじみ昭和史研究者お二人がまたまた対談本を出してたんで買ってみました。『「昭和」を点検する』(講談社現代新書)という本です。
 昨年行われた公開対談をもとにしてるようですが、このお二人だけになかなか面白い。ちょうど瀬島龍三が亡くなった直後だったので彼についても語っています。何度も顔合わせしてるお二人なので他の本との重複も多いですけどね。

 で、その中に出てきた小噺。四字熟語のスローガンをやたらに作った戦中には「鬼畜米英」ともども空襲が始まってからでしょうか、「米機撃滅」というのもあったんだそうです。しかし「英機撃滅」というのはなかった。イギリス軍機が飛んでこないからというのもあったんでしょうが、「反東条派とみられて憲兵隊にしょっぴかれるから」というのが答え(笑)。冗談なんでしょうけど、「ぜいたくは素敵だ」みたいな話ではあります。

 そのヒデキさんの敗戦直前の手記ですが…まぁ当時の陸軍軍人上層部の平均的な考え方だったんじゃないでしょうか、あれは。本土決戦にあくまで固執して玉音放送を阻止すべく8月14日深夜にクーデター起こした連中もいますからねぇ。しかしいざ終戦・占領となるとあれだけ大騒ぎしていたのがウソみたいにケロッと占領を受け入れ、抵抗の一つもなかったというのが皮肉なところです。大半は表面的に強がってただけなんじゃないかなぁ。


>よう(YOU)さん
 これはお懐かしい!ゲームのほうはこちらも思い出したようにチビチビやってますんで、そちらもよろしく(^^)。
 ヘンテコな歴史本については僕も笑う前に怒りたくなるか呆れるのが多いんで、よほど「独創性」に満ちたやつでないととりあげないだろうなぁ…と思ってます。いくつかネタは仕入れてるんだけど、実行に移すのはなかなか大変です。
 ちょっと観点は違うんだけど、直木三十五の「太平洋戦争」(昭和7年ごろ)なんかもとりあげてみると面白いかな〜と思う昨今。




#8249 
よう(YOU) 2008/08/13 01:09
お久しぶりです

ゲームサイトではお世話になりました。
あまりに久々だったので歴史関連のコンテンツをゆっくりと読んでますが、なかなか読み進めず、3ヶ月ほど挨拶カキコする暇ありませんでした。

 私自身、本屋で出ている妄想歴史本は、読むと怒りが出てきそうで読む気がおきないというか、 自分の車サイトでネトウヨから非国民と非難され殺害予告されるような人なんで・・・(苦笑)
そんな訳でコンテンツ楽しく読ませていただいてます。

オリンピックネタ
各競技の図が漢字の原型である象形文字に近くて各競技中継でアイコン見るのが楽しみです。


http://tiarayou.sakura.ne.jp/tia/


#8248 
mozawa 2008/08/12 20:30
東条英機の日記

が出たそうで・・・・。
ポツダム宣言受諾を非難し、国民は無気力とこきおろしているそうで。
あまりにも巷間伝わる通りだったので笑うしかない感じ。





#8247 
景虎 2008/08/12 18:16
ああ、なるほど

>オリンピック
最近テレビを観ていないので、オリンピックもまったく観ていませんでした。
終るまでには観るつもりですが、オリンピック関係の事件が起きている事を考えてみると、無事に終るんだろうか?と心配になってきます。

>KMnO4さん
アインザッツグルッペンさんの書き込みを読んで一瞬混乱しましたが、二人いると考えれば納得できますね。

>#8243のアインザッツグルッペンさん
映像史料に興味があるのでしたらここで聞くよりも、日本武道館の出版広報課、日本古武道協会、振武館黒田道場、その他映像業者、旧富山藩関係などの組織に問い合わせてみてはどうでしょうか。



#8246 
mozawa 2008/08/10 09:16
オリンピック雑感

 開会式の演出は、ちょっと国威発揚が鼻についてしまいましたけど。
 カウントダウンで漢数字が出てきたときは、「これ、日本人と中国人しかわからんだろ」と夫が突っ込んでおりました。
 
 入場行進は、長いですね。正直飽きます(笑)。
 登場ごとに図示されたりしたら、勉強にさらに効果的でしょうね。

 確かにスポーツも地理の勉強の取っ掛かりになりそう。あるサッカー部の生徒が、ブラジルの位置と日本人移民については知らないけど、公用語が何であるかは知ってました(笑)



#8245 
徹夜城(ひとまずお盆休みに入った管理人) 2008/08/09 10:27
閉会式みたいな開会式

 仕事も早めに終わったんで、北京五輪の開会式をまるまる見ることができました。
 開会式のドハデなマスゲームはロス五輪から目立ってきたものだと思うのですけど、中国ということもあってなおさら国威高揚な派手さではありました。鄭和ネタもやっぱり出てきたか〜という感じでしたね。1時間がかりの演出でしたが、少々くどいかな。TV的にはちょうどよかった、というところでしょうか。
 入場行進はやっぱり面白いですね〜塾の生徒にも「地理の勉強になるから入場行進ぐらい見ろ」と日頃言っておりまして。204の国と地域が入場行進を終えるのに2時間近くかかっちまいまして忍耐が必要でしたけどね。
 中国ということで「漢字画数順」というのは面白いアイデアでした。どこが次に来るのかわからないんですもん(笑)。アイスランド=「氷島」とかモンテネグロ=「黒山」とか意訳表記もありますし、「英国」「法国」「美国」「韓国」のように省略形にしている国もありで、バラエティに富んでました。それぞれの国の要人が来てるとカメラがそこに向きましたが、確かにサミット並み、いやそれ以上の顔ぶれになってましたねぇ。ドタキャンしたのは弾劾されそうになってるパキスタンのムシャラフさんぐらいで。今になってみるとあのチベット騒動ってなんだったんだろう…
 で、ロシアからはプーチン首相が来ていたわけですが、何やら周囲と相談したりしてる様子が意味深。この開会式の最中にグルジアと全面戦争状態になっちゃいましたから。そういやグルジアも参加してるのかな?

 タイトルに書いたようなことは多くの人が思ったんじゃないでしょうか。かの東京オリンピックの閉会式の入場行進が和気あいあいとしたいい雰囲気だった話は先日も出ましたが、今度の開会式の入場行進はそのノリに近い。夜にやってるせいもあるのかな…もちろん演出側の意図でそうさせてるとは思うのですけど。デジカメやビデオで周囲を撮るまくったり、携帯かけながら歩いてる選手たちの姿に「近頃の若いもんは」と嘆いてる人が世界中にいそうです(笑)。アラブのどっかの選手があの民族衣装で携帯片手にしゃべりながら歩いている光景には「日本だけじゃないんだな〜」とちょっと安心したりして(笑)。
 見ていて気づくことですが、西アジアからアフリカ、あるいは東南アジア・太平洋諸国といった国々の人たちは民族衣装で行進しますね。一方で日本が紋付き袴や振袖、韓国がチマチョゴリつけて更新したりはしないもんです。


>源氏物語だけでなく…
 古典作品ってのは長く親しまれているうちにだんだん改変が加わっていくのは常識というもののようですね。僕が愛読する「太平記」なんかもまさにソレ。バージョンによって全然違う話が載ってますし、実質「室町幕府公認史書」であったことから(その割に南朝びいきなんですけどね)武士たちが功名書きを盛んにおこなっちゃいましたし。また後世の受容のうちに楠木正成人気が高まると「太平記読み」の連中がさらに勝手に話を書きくわえてしまうし(よく引き合いに出される赤坂城落城時の「泣き男」の逸話がこのたぐい)、古本では正成が湊川に行く直前に痛烈に後醍醐らを批判してるくだりがあとのバージョンではカットされちゃったりと、変遷がいろいろとあります。



#8244 
KMnO4 2008/08/09 10:17
源氏物語千年目

>>#8242 アインザッツグルッペンさん ( 2008/08/09 08:03 )
>景虎さん、私は小野なにがしがどうの柳生がどうのとは、ここでは書いてませんよ
>私をどこかの人と誤認してませんか、迷惑なんですが

実は,

>>#8213 アインザッツグルッペンさん ( 2008/06/29 10:30 )
>小野次郎右衛門忠明は柳生新陰流に道場へ呼ばれて腕前を見せろと言われて
>柳生の相手を全員一人で倒した、という話ですが
>これが本当なら恥ずかしくて柳生は徳川公認道場を返上されかねなかったのでは
>ないでしょうか?それとも小野に報復して落とし前をつけた、とかですか。

なので,アインザッツグルッペンさんは少なくとも二人いるのでしょう.

複数史料間において同じ名前の人が矛盾したことを言って(書いて)いることが相互の矛盾するという例はいくらでもあり,そのあたりのもつれた糸をほぐしていく過程が史料読みの醍醐味のひとつでもあります.

===
偶然ながら,配偶者が中世日本における源氏物語の変容と受容(と,まさに二次創作)の歴史を追っかけている専門家ですので,今回の史点は興味深く読みました.多くが別本記事によると雲母刷り信夫草文様で保存状態良好とのことですから,実物もいつか見てみたいものですね(国立新美術館の展示は見逃しました).

さらにその後TVニュースで知ったのですが,大沢本も出てきたみたいですね.国文学研究資料館の館長さん(ギョーカイでは知らぬ人のないビッグネームだそうです)が画面に出てきて,配偶者が「あれ何で出てるの伊井先生」と驚き,ニュース内容を聞いて「こういうヲタでマニアなネタが全国ニュースに流れるのか・・・」と感動しておりました.




#8243 
アインザッツグルッペン 2008/08/09 08:10
追伸

あまりに昔の人は確認のしようもないので
下記の人とか最近の人では?

>現実に昭和40年代に亡くなられた黒田鉄心斎泰治という方は、抜き付けで(つまり>抜刀即斬で)大の大人が一抱えするような柿の木を両断したといいます。

まぁ、これもかなり?ですが、昭和のころなら映像で残っていたりするのでしょうか。




#8242 
アインザッツグルッペン 2008/08/09 08:03


柳生のことは全然きょうみないですね
景虎さん、私は小野なにがしがどうの柳生がどうのとは、ここでは書いてませんよ
私をどこかの人と誤認してませんか、迷惑なんですが



#8241 
景虎 2008/08/08 16:49
あ〜つ〜い〜

毎日暑いですねえ。
夏ですから暑いのは当たり前ではありますが、70〜80年代よりも90〜現在の方が暑い日が多いような・・・と思って検索してみると、このような結果が。
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/temp/an_jpn.html
暑いはずですね。

>アインザッツグルッペンさん
>リボルバー拳銃を持っていたが撃つヒマを与えず半次郎は斬った
これは本当のようです。
半次郎の日記に詳しく書かれていますから。
ただ、だからと言って特別速いとは限りませんが。

>柳生の相手を全員一人で倒した
確認した訳ではありませんが、恐らく作り話でしょう。
小野忠明の逸話は、後世の創作が多いと言われているようです。
柳生宗矩が同門の丸目に挑戦された時も、試合を避けたといいます。
勝っても世を騒がし、負ければ恥ですから当たり前ですね。この事件から考えると、小野と立ち合う等という軽率な行動はありえないでしょう。

それと細かい事ではありますが、正確には柳生新陰流という流儀はありません。
柳生本家では一々訂正を求めたりはしていないようですが、正式名称は新陰流です。
本家系以外では、現代の名称として柳生新陰流、又は新影流を名乗る系統もあります(九州系など)。ただ古流の場合、現代では本来の名称とは別に、便宜上の別名を名乗る場合も多いので、それが正式名称かどうか不明ですが。

小野忠明に興味があるのでしたら、
http://homepage3.nifty.com/pro/makom/siryo/ronsou.htm
などがネットでは一番読み応えがあります。
専門用語が多くて面白くないかもしれませんが、武芸というのは真面目に調べるとこういう物です。最強は○○だ!!という娯楽格闘技のような話とは世界が違います。
一般受する話がまったくないという訳でもありませんが、歴史学と歴史小説以上に違いますね。

明治以前で強さを競わせる格闘ビジネスに最も近いのは、江戸時代の商業相撲のはずですが、何故かそちらは話題にならないですねえ。



#8240 
アインザッツグルッペン 2008/08/07 12:42
五右衛門か

どこかの掲示板スレットで日本史上最強の剣客は誰かというのをやってまして
自分も書き込んだりしましたが、最強といっても抽象が、あいまいなので
たとえば、ガンマンでいう早撃ちならぬ早斬り、剣のサバキのスピードが速いのは
誰だろうというのになっていき、するとあるひとの回答で
薩摩示現流の中村半次郎だろうというもの
理由は佐幕の要人・赤松?だかを中村がつけ回して暗殺したさい
赤松はリボルバー拳銃を持っていたが撃つヒマを与えず半次郎は斬ったから、というそうで、ちょっと劇画がかった話ですが本当なんでしょうか。



#8239 
NF 2008/08/07 01:40
お久しぶりです

お久しぶりです。リアルでの仕事が忙しくてなかなか覗きにこれず、来ても書き込む気力もわかないでいました。
>ジャンヌ・ダルク映画
まあ、原作者バーナード・ショーが劇作家ですものねえ。しかし、それにしても近代に入るとジャンヌものの文学作品が多いですね。フランス人であるジュール・ミシュレやアナトール・フランス(「ジャンヌ・ダルクの生涯」)、ジャン・アヌイ(「ひばり」)、ミシェル・トゥルニエ(「聖女ジャンヌと悪魔ジル」)らはともかく、アメリカ人のマーク・トゥエインやドイツ人のシラー(「オルレアンの少女」)に英国人(スコットランド人)のショーまで。後者二人は、本来敵国人のはずなのに(笑)。我が国にも浄土真宗大谷派の大谷暢順氏みたいに自らジャンヌ関連の著作をものしたほか、安彦良和氏にジャンヌものの漫画を描いてもらってたりした人もいて、宗教も国境も越えるのだな、と。…やはり「戦う乙女」というのは萌えるのか。…白状しますと、最後を別にすると本田透「世界の電波男」からの抜粋です。この本田氏の本は内容がどこまで適切かは微妙な気もしますが、読物としては面白いし「虐げられた者」の救済を本気で考えようという「志」というか「魂の叫び」がビンビン伝わってきて個人的には割と気にいってます。

で、一ヶ月遅れの「史点」感想を。
>人間としてのヒトラー
「ヒトラー〜最期の十二日間〜」、ネットのMAD動画でしか見た事がないんですがヒトラーの進行したパーキンソン病というのをよく意識した演技になっていたなという印象です。しかし、「人間ヒトラー」が描けないのでは、水木しげる御大「劇画ヒットラー」もしんどそうですね。水木氏はヒトラーを飽くまで一人の「奇人・変人・ダメ人間」として描き場面によってはどこか共感(?)すら寄せているようにも見受けられましたから(もちろん、序章でナチスの暗部を強調しているのを始め異常性も描いていますが)。敗戦直前にシュペーアがヒトラーの焦土命令を実行しなかった事を告白した際にヒトラーが涙しながら「きみはりっぱだ…」と呟く場面は(個人的には印象的ですが)アウトなんでしょうねえ。残念。
>そういう人間がああいう怖い結果を生み出すことがある
秋葉原の加藤容疑者を飛躍的に大規模にして集団化したようなもの、という見方もできなくもないですからね。
>足利将軍木像斬首事件
首謀者の一人が徳島藩出身で、倒幕への流れが明確化した際に徳島で反幕の意志を示して活動していた大物がいなかったので藩はあわてて彼を上士扱いにして世間に顔を立てようとしたという話を司馬遼太郎氏の作品で読んだような気がしますが記憶が定かではないです。

>ワシントン
ワシントンの父親がなぜワシントンを許したか、については定説があるそうで。勿論、「ワシントンがまだ斧を手に持っていたから」。やはり、力を持っている奴は強いという事で、アメリカの父にふさわしい逸話と言えなくもありませんな。

>ゲバラ
南米一体化の英雄元祖といえばシモン・ボリバルなんでしょうが、やはり全世界的知名度ではゲバラにかなわないんでしょうねえ。「語り部」が健在だったり男前なのが大きいのか。そのうち、SNKも「どきどき魔女神判」、じゃなかった「ゲバラ」のリメイクに手を出したりして。

>源氏物語
そもそも「物語」は公然と後世の人間によるリメイクがなされていたようですしね。源氏物語の凄いところは、徳川時代中期になっても二次創作に手を出す強者がまだいた点だったり。

>贋作サミット
やはり何だかんだ言って中国は強い。…やはり金になる所は強い、ということか。

例によって例の如くとりとめのない話をしてしまいましたが。

http://www.geocities.jp/trushbasket/


#8238 
徹夜城(夏期講習で連日ヘロヘロの管理人 2008/08/06 23:36
外国史を扱った日本映画

 いやぁ、みなさん、夏バテ気味でしょうか(笑)。僕も含めてすっかり書き込みが止まってしまいました。こちらは夏期講習まっさかりということで史点もろくに書けません。なんとか明日には、と思ってるんですが…赤塚先生の葬儀の日に更新ってのも手だろうと。

 忙しいはずなんですけど、たまたま近所のTUTAYAの更新時期が来たのでDVDを三本ほど借りてきてしまいました。先日テレビで放映してるのを見かけて意外に面白そうだったジャッキー=チェンの「シャンハイ・ヌーン」「シャンハイ・ナイト」の2部作、そして溝口健二監督作品「楊貴妃」です。

 溝口健二監督の「楊貴妃」の存在はだいぶ前から知ってはいたんですけど、これが初鑑賞。溝口監督の代表作の一つである「新・平家物語」の直前に製作された「総天然色映画」です。楊貴妃役は京マチ子、玄宗役は森雅之…とくると「羅生門」とかぶりますね。当時の大映の看板でありました。
 あくまで楊貴妃の映画なのでスペクタクル性はほとんどないですね。安禄山の乱は出てくるには出てきますけど…わざとやってるとも思えますが、ほぼ全編がセット撮影で、舞台劇に近い映画になってます。建築・衣装などの時代考証はおおむね正確らしく安っぽさはあまり感じません。
 ただ史実関係はかなり自由に改変。田舎から出てきて飲食店の炊事係で働いていた楊貴妃が安禄山にその美しさを見出され、高力士の策謀で玄宗に見初められ…という展開になってます。また玄宗と楊貴妃がお忍びで長安の祭の人ごみに繰り出すなんて場面もありました。
 楊貴妃というと「温泉」イメージがどうしてもつきまとうわけですが、この時期の日本映画としてはかなり大胆なお風呂シーンが見られます(笑)。この当時、京マチ子って「羅生門」でもそうですが「肉感的美人」の代表だったのでありますね。

 日本映画として中国史ものを作っちゃった例は戦中に「成吉思汗」があるらしいのですけど、戦後ではこの「楊貴妃」あたりが先駆なんでしょうか…とくに大映にはこうした「外国史もの日本映画」の系譜が連綿とあり、勝新主演の「秦・始皇帝」とか本郷功次郎主演「釈迦」、時代が下って「敦煌」があります。「敦煌」のあと「三国志」も脚本までは書かれていたんですけどね…確か天安門事件でお流れになったはず。大映ではありませんけど、昨年の「蒼き狼・地果て海尽きるまで」もこの系譜に連なるとみていいでしょう。
 まぁハリウッドなんかじゃさんざん外国史映画を作ってきたわけですし…そのうち中国か韓国の映画界が「日本史映画」を作っちゃうんじゃないか、って気もするんですよね(韓国の「壬辰倭乱」なんかは半分日本史ドラマみたいなもんでしたけど)。



#8237 
民本主義者 2008/07/26 23:58


http://jp.youtube.com/results?search_query=Tokyo+%2764+&search_type=&aq=f#
上記のURLで市村昆の「東京オリンピック」は全編(!)観ることができます。
フランス語字幕の版がYoutubeにアップされています。
中華人民共和国が不参加だったり、南ベトナムが参加していたりといったところが面白い発見でした。キューバの選手団全員が小さいながらも「正規の」日章旗(旗棹が黄と黒の縞模様)を振りながら行進するシーンには理由抜きに感動しました。誰がしかけたんだろう?それから、このころはどの国の参加者も実に生真面目に入場行進をするのですね。だからこそ、閉会式の渾然一体振りのすばらしさが際立つのです。



#8236 
徹夜城(HDDレコーダーの中身の整理に追われる管理人) 2008/07/22 23:21
こんなジャンヌ・ダルク映画もあった

 夏期講習直前のちょこっとヒマな時間がありましたので、HDDレコーダーやら、VHSテープやらに残っている映画などを整理しておりますと、ずいぶん前に録画したっきりすっかり見るのを忘れていた映画に出くわしました。
 1957年製作のアメリカ映画「聖女ジャンヌ・ダーク」です…ジーン=セバーグ主演ということだけでしか語られないんじゃないかという映画ですが。以前この映画については朝日百科「世界の歴史」連載の「映画の中の世界史」で紹介していたので存在だけは知ってたんですが、見るのをすっかり忘れてた次第で(汗)。で、本日初鑑賞してみました。

 う〜ん…「ジャンヌ・ダルク」という素材はしばしば映画にされてるのですけど、事前の印象よりかなり地味な映画です。カネがかかってない!ってのが丸分かりで(笑)。
 バーナード=ショーの原作、グレアム=グリーンの脚本、と無駄に豪華な顔ぶれですが、もともと戯曲だったんでしょうか、全体的に舞台劇的です。合戦シーンもごくあっさりで、映画のかなりの時間は異端審問裁判に割けられてます。
 しかも映画は、老いたシャルル7世の夢枕(?)にジャンヌが現れ、シャルルと対話・回想していくという構成。おまけにだんだん夢枕に立つ人物が増えて行き、最後にはディスカッション状態に。地獄に落ちたという登場人物の一人が、地獄に落ちてきた時空を超えた連中のことを話すのですが、「近頃じゃフランスがドイツ軍に侵入され、アメリカ軍がそれを追い払ったそうだ」などと第二次世界大戦の話までしちゃいます。それを聞いたシャルルが「なに、我が王国がまた侵略されると!」と驚くと、「いや、“共和国”だ」ってな答えがきたり、「そのアメリカ軍とかいうのは何語を話すのだ」という問いに「あれで英語のつもりらしい」との答えが来るなど、ジャンヌ・ダルク映画からものすごい脱線をしてる気もします。

 英語といえば、この映画、アメリカ作品ですから全編「米語」です。しかし異端審問のシーンで「神の声は何語だったか」と聞かれたジャンヌが「フランス語でした」と答え、「ラテン語や英語じゃないのか」といったやりとりが全部米語で話されてるのがよく考えるとヘン。まぁハリウッド映画じゃ世界中の歴史映画で米語が話されちゃうんですけどね。

 とまぁ、いろいろと困惑を呼ぶ映画で、実際あまり評価も成績もよくなかったみたい。しかし唯一語り草になっているのが、この映画のジャンヌ役に大オーディションの末に抜擢された“アイオワの田舎娘”ジーン=セバーグです。なんでも「丸刈り頭が似合う」という基準で選ばれたそうで、なるほどまさにドンピシャ。このセバーグのハマり度はかなりのもので、それだけがこの映画の収穫といえるかもしれません。で、その後同じ監督がこのセバーグをおんなじ髪型で「悲しみよこんにちは」で主演させ、「セシールカット」を世界的に有名にしたりするわけです。
 ウィキペディアで調べてみると、ジーン=セバーグはその後の人生までジャンヌ=ダルクを彷彿とさせるような気もします…


>mozawaさん
 アルベール・カーンの映像コレクションの番組は以前見て録画もしてあるんですが、第3回だけ見逃したんですよ。今回再放送を知ったのですが、日中ということもあってまたも見逃してしまいました。NHKの傑作「映像の世紀」なんかもここからずいぶん拝借してるんじゃないですかね。

 「東京オリンピック」は市川監督逝去直後にレンタルして見たんですが、また衛星で見ました。ソ連ありしころはアルファベット順だと「USA」「USSR」で冷戦両陣営親分同士が続いちゃっていたんですね。東西ドイツがドイツ三色旗に五輪マークをあしらった旗を先頭に統一して入場行進する様子も「時代」を語ります。台湾は出てるけど中国は出てない、北朝鮮もインドネシアも不参加、客席に現役まっさかりの長嶋と王が映る(笑)、などなど貴重な歴史記録にもなってますね。



#8235 
mozawa 2008/07/22 07:46
歴史映像三昧

 4連休、何もすることがなく家でごろごろしております。(あ、塾の夏期講習はあるな)
 で、以前見逃した「アルベール・カーン 奇跡の映像」の再放送を視聴。 カラー写真というのは、すごく現代性があるのだと実感。ヨーロッパの写真は映画のワンシーン、アフリカなどの現地民の写真は今撮った、と言われても信じてしまいそう。(アフリカの部族長は、ボビーのお父さんかも?って)

 で、夜には東京オリンピックを視聴。東洋の魔女、マラソンの円谷幸吉など競技シーンのカラー映像は新鮮でした。(開会式は見慣れていたけれど)
 もう一つ驚いたのは行進順。アメリカの次がソ連だったのですね。超大国の大選手団が続いて行進する姿は、冷戦時の象徴に思えてしまいました。



#8234 
tomohiro 2008/07/21 16:35
rpg-7の事ですが、

1961年に、ロシア軍に小隊向けの対戦車兵器として大量に配備された。
とwikipediaに書かれていました。
クリスタルスカルの時代は登場が少し早いかなぁと
思うのですが・・・。



#8233 
アインザッツグルッペン 2008/07/21 07:50
成形弾頭

>rpg
ロシアが開発したといわれる一人で肩に担いで発射できるロケット砲
ただし、従来の対戦車砲と違い初速スピードベクトルで戦車装甲を貫通させるのでは
なく、命中後に装甲に吸着して熱噴射で装甲を溶熱貫通して戦車内部を高熱にして
戦車搭乗員を焼き殺す方式の弾頭「成形ロケット砲弾」を世界で最初に実戦投入した
のは独ソ戦時のドイツ。そのドイツを負かして、その手の捕獲品から
速攻でrpgを開発したソビエトですので、1950代にあっても不思議では
ないでしょう。



#8232 
徹夜城(夏休みとは多忙な時期の管理人) 2008/07/20 23:08
顕子ちゃん結婚記念企画(笑)

 で、「太平記大全」の加筆・修正バージョンを本日付で公開しました。特に前半を中心に、その後知ったことなどを含めていろいろ加筆してあります。
 当初は「完全版DVD発売発表記念」だったのですけど、たまたま本日は顕子役の小田茜さんの結婚発表と重なってしまいました。このドラマじゃ二つしかセリフなかったですけど(笑)、ちょいと不気味なお人形さんみたいなメイクは、高時周辺の退廃的ムードを見事に醸し出しておりました。


>モーグリさん
 ソ連がとくに宇宙開発でアメリカを大きくリードし、それに慌てたアメリカが必死に追い上げる様子は映画「ライトスタッフ」で描かれてましたね。ソ連はどんどん成功するのに次々と打ち上げ失敗するアメリカ…という構図がややドタバタ的に描かれます。
 子どもの時分はなぜか宇宙開発ものの本を読みふけったもので、「ライトスタッフ」「アポロ13」は大好きな映画でして…「歴史映像名画座」に入れたものかどうかまだ迷ってるんですけどね。



#8231 
tomohiro 2008/07/20 21:37
戰國時代大嫌い人間として・・・。

私は日本の歴史の中で一番嫌いなのは戰國時代なのですが、
大方の人間は、やはり戰國時代が好きだから
南北朝時代をツマにしないと駄目だと思うと悲しくなります。
私は戰國時代は見ただけで辟易します。



#8230 
モーグリ 2008/07/20 19:53
1950年代

インディ・ジョーンズの新作見てきました。
時代考証は正確です。前作から時代が経過した分、敵の火力が上がってる。ソ連軍は有名なカラシニコフ使用してるし。ただ当時RPG−7(ソ連製肩撃ちロケット)はなかったような?

>ベトナム戦争とWW2の狭間でいまいち印象の薄い時代
50年代ってあんなものですよ。別にそれほど変な設定ではありません。
ポイントは1957年です。この年、ソ連で世界初の人工衛星「スプートニク」が打ち上げられ、宇宙開発でソ連がリードしてアメリカがショックを受けた年です。これを「スプートニク・ショック」といい、その後の米ソの激烈な宇宙開発へとつながっていきます。ですから、物語のオチはむしろ当然なのです。
#そのへんが日本人には分かりにくい可能性はあります。「ALWAYS・三丁目の夕日」や「となりのトトロ」の常識で世界を見たらとんでもないことになります。

50年代の世界情勢は現代のそれとは相当違います。当時はソ連の「黄金期」で、ソ連は急激な経済発展を遂げ超大国になっていた時代です。50年代末にフルシチョフは「あと20年でアメリカを追い越す」と豪語しており、実際、当時のアメリカではスプートニク・ショックも加わって「冷戦はソ連の勝利で終わるだろう」と本気で危惧されていました。現在からは信じられませんが当時はそれが常識だったのです。
下のサイトを見れば50年代のソ連の躍進ぶりがわかると思います。
http://www.eurus.dti.ne.jp/~freedom3/cccp-usa-coldwar1947-1991-sai-axx.htm



#8229 
徹夜城(二か月ぶりに「史点」を更新した管理人) 2008/07/17 21:41
恒例行事もありましたので

二か月ぶりに「史点」を更新しました。久しぶりに書くとなかなか調子に乗れない(汗)。4月バカと並ぶ恒例行事の贋作サミットもやってます(笑)。

>劇画・私本太平記
 「コミック乱TWINS」最新号を買ったら…あららら…いきなりの連載終了ですよ。護良親王逮捕のところでいきなり終わりです。一応「第二部」をコミック乱別冊の「戦国武将列伝」に移して12月から再開予定、だそうですが、あまりに唐突。どうせ「第一部完」にするなら(こういうフレーズでそのまま終わる漫画って多いよなぁ)鎌倉幕府滅亡のところでやるべきだったので、今回の連載終了は急に決まった気がします。人気がなかったのか、やっぱり。つくづく南北朝は不遇だなぁ。
 連載終了の最終カットが南北朝動乱と室町幕府を「戦国時代へのプロローグ」的にまとめているのは、移転先が「戦国武将列伝」のせいもあるとは思いますが、結局「南北朝」は戦国がらみでないと大方の歴史ファンには興味をもたれない…という現実を突きつけられた気もして、暗澹たる思いもします。
 このまま続きも立ち消えにならなきゃいいんですが…イヤな話をすると、楠木正成を主人公にした今東光の「太平記」も護良親王逮捕で執筆を辞めちゃってるんですよね。

 気を取り直しまして(笑)、ただいま「完全版DVD発売記念企画」として「太平記大全コーナー」の訂正・補足作業を進めてます。登場人物事典も作ってやれと思ってるんですが、いざ始めるとこれが面白いけど大変なことになってまして…しかしこういう簡単な「列伝」みたいのがあると南北朝入門にいいかな〜とも思っております。



#8228 
今井欣一 2008/07/15 10:49
日本語の源流/地名考古学

 はじめまて投稿いたします。地形図に載る地名を収集・分析して、いま私達が使っている「地名」の大多数が、縄文・弥生時代に命名された史実を立証して、日本語の源流の探索と古代史の復元に取り組んでおります。現在、HPに『縄文・弥生の地名』『地名考古学』『倭語の法則』『温故知新・川名の起源』『地名の由来(大阪環状線・山手線の駅名、山名の起源)』『律令時代の日本』の全文を公開しております。日本語の起源や古代史に関心をお持ちの方のご来訪をお待ちしております。  

http://www.imaken.biz/


#8227 
徹夜城(土日も仕事で疲れた管理人) 2008/07/06 22:17
摘発対象の消滅から…

>マルクスの恋人さん
 レスが遅れまして、すいません!ご紹介いただいたサイト、さっそく見てまいりました。うまいぐあいにズバリ昭和7年の検閲基準が掲載されていて大いに参考になりました。ありがとうございます!
 やはり皇室関係で問題があるととられると内容はどうあれ削除、ってことだったみたいですね。しかし「足利尊氏」というテーマを選んだ時点でそうなることは予想できたとも思うのですが…それとも直前まではそこまではされないだろうという読みでもあったのかな?この小説が打ち切りなのかどうかは判然としないのですけど、あそこまで削除されまくっちゃ作者としては書く気をなくすのは間違いないでしょうね。

>検閲や秘密警察の何が悪いって、権限・予算・人員などを削られたくない一心で、自分が仕事しているというアピールのため、対象物がいなくなってもわざわざ生け贄を探してまで弾圧するという点

 この話で思い出したのが、いしいひさいちが新選組をネタに書いた4コマシリーズ。
 その最終回で「時代は大きくかわっている。新選組この先どうなる」と言う近藤勇に、土方が「ハンナ・アレントは言っている。『秘密警察の恐怖はその摘発対象の消滅とともに始まる。』と」と答え、「不逞浪人という敵のいなくなった新選組は任意にその敵を指定して組織の維持を図る。新選組の脅威はそれから始まるのさ。オレたちの敵はオレたちが決める」と言っちゃって、近藤をあきれさせる、というものだったんですね。
 この漫画の土方、「左翼から右翼への転向者は身のあかしを立てるため昔の仲間の前でことさら居丈高にふるまう」とか、「ヒトラーを最後まで守っていたのはヨーロッパ各国から応募した非ドイツ人の武装SSだった」とか、格言(?)が妙に多い(笑)。

>ひろさわさん
 漫画、拝読しました。貴サイトの掲示板に感想を書かせていただきましたんで、よろしく。
 こっちもなんか短いの描けないかなぁ、と思っちゃいますねぇ。最近「太平記大全」の感想いただいた方から「南北朝時代の入門書ってないんだろうか」という質問を受けまして、確かにそういうのってなかなかないよなぁ、ないならオレが書くしかないかなぁ、とかいろいろ考えちゃってるのであります。



#8226 
マルクスの恋人 2008/07/04 22:15
検閲の実態

戦前の軍国主義時代を(楽しく)研究しているサイトをご紹介します。
http://www.warbirds.jp/heiki/190000.htm

検閲や秘密警察の何が悪いって、権限・予算・人員などを削られたくない一心で、自分が仕事しているというアピールのため、対象物がいなくなってもわざわざ生け贄を探してまで弾圧するという点(それで一般国民から怨まれると、独裁者は秘密警察を粛清して不満を逸らし、「いい指導者」を装って終わり。スターリンの走狗を忠実に努め、最後に裏切られたエジョフ内相が典型)にあるのですが、そのような点をちょっとだけ指摘してくれた(昭和15年の第7版を18年になって発禁にした件)のも興味深いところです。



#8225 
ひろさわ 2008/07/04 02:04
出来ました〜

二日遅れましたが・・・

http://sawasige.hp.infoseek.co.jp/manga/nagoe/frame.html

ぐわ〜たかだかデジタル化して台詞打つだけに、こんなに時間がかかるとは思いませんでした。
というわけで、名越高家主人公の漫画をお楽しみください。

当方神戸在住なので、湊川神社には行き放題なのですが、一回しか入ったことがありません・・・・



#8224 
徹夜城(しばらくぶりに国会図書館に出かけていた管理人) 2008/07/03 23:58
1950年代と1930年代

>小覇王さん
 「インディ・ジョーンズ4」の原爆描写については、その後何かでルーカスのインタビューを読んだところではそのシーンと直接は言ってないものの、「50年代のB級映画のチープさを出そうとした」と言ってたので、わざとやってる可能性が高いんじゃないかという気もしてきました。
 1957年といえば、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で最初にタイムスリップするのが1955年でしたね。


>1930年代の話
 今日、国会図書館で調べごとをしに行きまして。雑誌「改造」の昭和7年1月〜6月のものをチェックしに行ったんです。雑誌現物ではなくリールに巻かれたマイクロフィルムでの貸し出しで、読み取り機にかけ拡大投影し、手回しハンドルでグルグル巻きながら読むという経験を初めてしました。フィルムそのものですから、ページの頭出しもできませんし、目的ページまで延々とハンドルを回さなきゃいけません。しかし目的記事以外のところでもなかなか面白いのです。昔の新聞や雑誌を読むのって、ちょっとしたタイムトラベル気分が味わえるものですね。
 しかし昭和7年といいますと、かなり暗い気分にさせられる記事が多いです。「改造」はこの時代もっとも左派な雑誌だったといってよく、同社の「マルクス・エンゲルス全集」の広告が大々的に打たれ、昨今またベストセラー作家になってる小林多喜二が現役でプロレタリア小説を連載してます。その一方で満州国建国の直後ということでその関連の記事が多く、基本的には満州建国を支持する声が多いことがわかります。
 政界情報で井上準之助の名前が出てきて「ああ、この人あとで暗殺されるんだよな」と思いつつ次の号を読んだらまさに彼が暗殺された直後で、日本近代史におけるテロリズムの伝統を「これでは文明国ではない」と厳しく批判する論説が載ってました。そしてこの年の5月、犬養毅が暗殺される「五・一五事件」が発生、6月号で重大事件として緊急論説が取り上げられています。ただ井上暗殺のときほど暗殺実行者に対する批判トーンが薄いような…5月16日、事件の翌日執筆の論説なので事件の全貌が不透明だったということもあるのかもしれませんが。

 本来の目的はこの「改造」に連載されていた直木三十五「足利尊氏」の最終回の確認だったんです。昭和9年に出た「直木三十五全集」収録のものだと皇室関係、あるいは天皇に弓引く関連の部分は伏字だらけで訳がわからず、また尊氏が出家の意思をひるがえして建武政権に対して挙兵するところで唐突に終わるので、連載雑誌ではどうだったのか確認しようと思ったんですね。
 で、確認したところ雑誌掲載もまったくおんなじ伏字状態でした。この時期、検閲ってどんな感じだったのか詳しい方がおられましたらご教示願いたいのですが…昭和7年という段階でこんなに厳しい検閲があったのか、あるいは雑誌側での自主規制?なのか、判断がつきにくかったものですから。

 国際情勢の記事ではヒトラーの台頭期のドイツ情勢紹介の記事が目を引きます。「ファシズム」という言葉もごくふつうに登場してますが、少なくとも「改造」のメインの論者は批判的に扱ってますね。日本国内における右翼的動きも「ファシズム」とこの時点でとらえていることも目を引きました。なお、直木三十五はこの年「一年限定ファシスト宣言」なんて妙なことをしているんだそうで…もっとも一種の「シャレ」だった可能性が高い気がするんですがね。その「足利尊氏」だって基本的には尊氏再評価な内容ですし。
 満州事変がらみでか、反米気分が高まった時期だったようで、直木はこの時期にズバリ「太平洋戦争」と題した日米戦仮想小説を書いてるそうです(「直木三十五伝」を読んで今日初めて知りました…晩年にはSFも書いてたそうで)。そして「足利尊氏」最終回が載った「改造」昭和7年4月号には谷譲次(=林不忙)による「日米戦争は斯うして」という、やはり日米戦争をテーマにした仮想小説が掲載されてます。これ、アメリカ政府の陰謀により日本が戦争に巻き込まれていく…といういろんな意味で怖い内容でして、「関東大震災の写真を日本軍の満州での行為の写真とする」という陰謀まで登場します。最近フランスの新聞が関東大震災の写真を広島原爆投下直後の写真と誤報したことがありましたが…現在でも時々噴き出す「写真陰謀説」がこんなところで出てきたことに驚きましたし、「改造」に小林多喜二と並んでこんなのも載っちゃってるというのが新鮮でもありました。



#8223 
小覇王 2008/07/02 23:08
1957

>監督は06年1月、イタリアの史跡を巡る団体ツアーに参加。
>大聖堂近くのペンの売り子から「書くと幸せになる」と勧められ、
>購入して書いたという。
 
 本当なら、責任はイタリア側にあるような・・・いや、もちろん安易に書いてしまった観光客も悪いですが・・・
 そもそも、この話、最初に騒いだのは誰だったのですか。徹夜城さんの紹介していた毎日新聞の記事を読むとイタリア側から出たのでは無いようですが。
 後は少し関係ない話ですが、解任された(解雇じゃない)野球部の監督ですが、高校の野球部の監督ってものは普段、教師をして放課後は監督って言うのとは違うのでしょうか。専門の監督ってのがいるのか。ちょっと疑問に思いました。
 
 やっと、「インディ・ジョーンズ4」を観て来ました!1957年という時代もああやって見ると面白いかもしれませんね。ベトナム戦争とWW2の狭間でいまいち印象の薄い時代だったのですがちょっと興味が湧いてきました。
 原爆実験のシーンですが、確かにあれは少し無理がある描写です。が、僕はあれは分かっていてわざと入れたのではないかと思っています。その前に「アトミック・カフェ」という看板が出てきますが、「アトミック・カフェ」は40,50年代のアメリカの核兵器に対策の民間向け映画などを集めたドキュメンタリー映画で、机の下に隠れれば大丈夫(地震じゃないんだから)等、当時の能天気な映像が流れます。スピルバーグはこれらを再現したのでは、と思ったわけです。真実は分かりません。勿論、いまだにあの程度の認識、という可能性もあります。僕も劇場であのシーンを見たときは笑えませんでしたし。
 
>ヒットラー・ユーゲント
 僕も徹夜城さんにほぼ賛同します。公式に迫害に参加したかどうかは分かりませんが、あの当時はドイツ全体が国を挙げてユダヤ人迫害を行っていたような時代ですし、大なり、小なり関わっていたと思いますよ。


http://burebure.blog.ocn.ne.jp/burebureblog/


#8222 
アインザッツグルッペン 2008/07/02 06:10
自殺マシン

知人の宇宙マニアのものがよく言ってましたよ、日本人宇宙飛行士が
スペースシャトルに乗る予定の報道が出るたびに自殺マシンにのる同胞のために
オペレーションが終わるまで奇跡が起きて生還できることを祈り続けたと。
あるみかたでは、あの手の方法で、よく、これまで2回の死亡事故だけなのは
奇跡であり、もはやナサは奇跡に頼るスペースシャトルを退役せざるを得ない
ということで。
もともと米軍の開発していた宇宙機をサタァンタイプからシフトアップを目論んでいた
ナサが大パトロンだったアメリカ軍に押し付けられたかたちで発足したみたいですね
スペースシャトルは。



#8221 
徹夜城(あとからよく付け足しを書く管理人) 2008/07/02 00:38
もしかして商売になっていた?

 例の落書きの件ですが、毎日新聞(茨城版?)記事には興味深い話も。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080701-00000109-mailo-l08
>監督は06年1月、イタリアの史跡を巡る団体ツアーに参加。
>大聖堂近くのペンの売り子から「書くと幸せになる」と勧められ、
>購入して書いたという。

…これが本当だとすると、あのハートマークやら「本当の愛を探しに行く」といった落書きに納得がいくものがあります。



#8220 
徹夜城(いまだにベストアニメが劇場版999の管理人) 2008/07/01 23:50
ゴダイゴが歌う

さあ行くんだ その顔を上げて
新しい綸旨に心を洗おう
古い先例は 置いて行くがいい
ふたたび始まる 親政のために
資朝俊基は 思い出だけど
君を遠くで 見つめてる

そうさ 君は気づいてしまった
御和談よりも 素晴しいものに
笠置山に消える瞳には
いつしかまぶしい男の光
定房の目がうなずいていたよ
チクリも愛のひとつだと

↑2chの日本史版で南北朝ネタをあさってたら、はるか昔にこんな投稿があったのを発見。誰も反応してないのがさびしかったので転載させていただきました。個人的にはかなり爆笑したんですが(笑)。
 笠置籠城までの段階なので、このあとこの調子で吉野までやってみたかった(笑)。

 あの「ゴダイゴ」が実際に「後醍醐」にひっかけた名前なのは南北朝マニアのあいだで時々話題になりますが、後醍醐天皇のどこにどう惚れ込んだのやら。英語表記では「GODIEGO」としてますが、中国語ではやはり「后醍醐」と表記していたそうですし。まぁ名前の響きがいいのは間違いないですけどね。
 「太平記」に出てくる聖徳太子未来記のなかに「猿のごとき者が天下をかすめる」と出てくるのは「モンキーマジック」のことかな、などとゴダイゴつながりで連想しちゃうのであります(笑)


>落書き騒動
落書き行為そのものよりも、慌てて監督解任という事態になるのはいかにも日本的風景だと僕は思っちゃったのですよ。そしたらこれが地元でも報じられてしまっているようで。

毎日新聞「落書き:伊紙『ありえない』日本の厳罰処分に」
http://mainichi.jp/select/today/news/20080702k0000m040123000c.html
もちろんイタリア人の落書きも戒めてるようですが、日本の「集団心理」を逆に批判的に突かれた形でもあります。他の事件でもまま見られることですが、ひとたびワッと騒ぎに火がつくと連鎖を起こして叩きまくる、それに対応して自粛して嵐の過ぎ去るのを待つ(今度の解任だって1シーズンのみでしょう)といった「よくある光景」と思えちゃうのですね。
とかなんとか言ってたら新幹線にアート落書きした猛者がいましたな(汗)。


>mozawaさん
同じ県内ということもあり、この監督の落書き行為自体はほめられたもんじゃありませんし、不用心なと思うところもありましたが「写真の名前からネットで個人特定→集団リンチ」の流れにも感心できなかったところです。
私立の学校ですし、世間体は気にするので一時謹慎といったあたりだと思いますよ。「解任」といっても今夏の大会のみで嵐が過ぎ去るのを待つ(すぐ忘れますよ、世間は)といった作戦なのだと思われます。また素早く先手を打つことで騒ぎが大きくなるのを防いだという面もあるかと思います。


>かどきちさん
 話には聞いていたのですが、やっぱりあるんですか、ピラミッドのてっぺんにも落書きが。それも1800年代からとなると…
 ちょっと違うケースではありますが、大英博物館にあるメソポタミア文明、アッシリア時代の城門石像の一つには「当時の落書き」があるのです。落書きといっても何かゲームをした跡らしいんですね(正確な形は忘れたけど五目並べみたいだったような…)。


>アインザッツグルッペンさん
 NASAといえば、僕は見逃しましたが今日某TV局の歴史ミステリー番組(なぜか最近やたらに多い)で「アポロ陰謀論」がとりあげられていたそうで。他が「謙信は女だった」とかなんで、作り手も軽いノリなのでありましょうが、中には本気にしてる人もいるんで、注意してほしいなとも思うところです。
 ロケットのことはよくは知りませんが、スペースシャトル方式ではないソユーズが最近の宇宙開発のメインになってる観があるのを見ていると、スペースシャトルも80年代夢のように語られたほどの画期にはならなかったのかもしれませんねぇ。もちろん成果はそれなりに大きくあるとは思うのですけど、今後その方法がとられるかどうかはわからないようで。
 有人月探査も結構ですが、有人火星探査をやるって話はその後どうなったんでしょう?


>ひろさわさん
 どうも、おひさしぶりです。
 漫画、楽しみにしております。それにしても名越高家とはマニアックな(笑)。僕もなんか短い話で描けないかなぁ、と思ってはいるんですけどね。
 「山賊王」は湊川で終わるんじゃないかなぁ、と僕はにらんでるんですけどね。少なくともそこまでいかないと決着がつけられないと思います。案外鎌倉陥落からあとは一気にすっとばすかもしれませんがね…そうでもしないとあと10年はかかるんじゃないでしょうか。


>ヨハネスさん
 僕自身はナチスドイツ関連は詳しくはありませんし、手塚治虫「アドルフに告ぐ」も日本部分はともかくドイツ部分では現地の人が読むとおかしいところはあるかもしれません。ですが、ヒトラーユーゲントが「ユダヤ人迫害」に全く関与してないとまで言い切れるのかなぁ?と素人考えとしては思うのですが。ナチス政権下では一般市民も参加して「迫害」をやってるわけで、ナチス幹部になるよう思想を叩き込まれてる少年たちが大なり小なり「迫害」に関与するのは不自然ではないような気がします。
 ちょこっと調べてみるとヒトラーユーゲントも時期によって違いがありますし(やがて全員参加義務になりますがあの主人公アドルフは最初から幹部養成コースのようですね)、「ユダヤ人迫害」にしても状況の変化があり「絶滅政策」が実行されるのは割とあとのことです。また作中でアドルフ・カウフマンがユダヤ人虐殺に直接的に関与していくのはユーゲントを出て幹部将校になってからだったはずで(ユーゲント時代に「度胸試し」のように極秘のうちにユダヤ人処刑をやらされるシーンはありますが)、すでに戦況が悪化してる段階になっていることも考慮したほうがよいのでは。



#8219 
かどきち 2008/07/01 17:17
落書き・・・

以下の件は、基本的に公序良俗に反すると思いますので、気が引けるのですが、事実として書きます。
今から10年以上前、私がエジプトへ旅行した時に、クフ王のピラミッドに3度登りました(そして3度逮捕?されました)。
頂上では、無数の落書きがあったのに、驚きました。
私は、落書きをしませんでしたが(一緒に登ったメンバーにも落書きしないことを約束して登りました)、日本人だけでなく、欧米人と思われるものも多数ありました。
もう落書きで頂上の石が埋め尽くされてる状態です。
古いもので1800年代がいくつもありました。
さすがに1700年代は見つけることが出来ませんでした。



#8218 
アインザッツグルッペン 2008/07/01 07:27
フォンブラウンは世界一ぃぃぃ

ナサは、どうやら有人月探査をマジで計画中みたいですね。
ただ、今度の推進機種オリオン(米語だとオライオン?)の想像図を見るかぎり
フォンブラウンの最高傑作サターンロケットとフォルムが、そんなに変わらない、
その関係のマニアに聞いたところ、こと宇宙ロケットに関する限り
いまのレベルは、フォンブラウンのころと、大差はない。
画期的に効率の良い推進機関エンジンを未だ登場させられない現状だそうです。
スペースシャトルは結果論ではあるが人類の宇宙技術の進歩に、あんまり
貢献は、していなかったぽいようです。




#8217 
mozawa 2008/07/01 07:19
世界遺産落書き監督クビ

にされちゃいましたねえ。
茨城の学校なんですが。

やり過ぎ、というか学校の対応が稚拙な気がします。
県大会前というのが大きかったかも。

飲酒運転したとか、暴力とか、セクハラとか(某甲子園常連校でありましたな)と違うし。

なんか、マスコミにたたかれる前に処分して県大会と学校のメンツに響かないように、という意識が見え見えの気が。




#8216 
ひろさわ 2008/07/01 06:11
漫画で南北朝

久しぶりに来ました。
「乱Twins」のほうには以前、名越高家を主人公とした漫画を投稿していますね。
今投稿していればタイミングばっちりだったかもしれないっす。
・・・・よし、約束しましょう。今日明日中にその漫画をUPします。

山賊王のほうは・・・鎌倉陥落の後、どうなるんだろうと思っています。
星を持つものが二つに分かれて争いあうわけですが・・・
小夜叉が「ガビチョンすね」とか言いながら主人公と刺し違えるラストになるのかと、
完結もしていないのに物悲しい思いでいっぱいです。
円心がカッコええので、この漫画は好きです。

http://sawasige.hp.infoseek.co.jp/index.html


#8215 
ヨハネス 2008/06/30 17:10
以前、間違いを書いてしまいました

最近、第三帝国を扱ったサイトに行ってきました。
そこで聞いて驚いたのですが、以前私がこの掲示板で書いた「ヒトラーユーゲントが
ユダヤ人迫害に参加した」という事実は一切ないそうです。ヒトラーユーゲントは
ナチスが将来の軍人を教育する目的で設立した組織で、ホロコースト関係のダーティーワークは
全然やってないそうです。ナチスはホロコーストは国民には隠蔽していました。ですから、
ヒトラーユーゲントはユダヤ人を射殺するどころか、ユダヤ人の商店を破壊したり、
ユダヤ人を強制収容所に連れて行くのを手伝ったりした事実もないそうです。そのサイトの
管理人によると、日本でこの間違った俗説が広まったのは手塚治虫の「アドルフに告ぐ」の
せいだそうです。
以前私は間違いを書いてしまいました。すみません。

そのサイトでは歴史系サイトでこの俗説が無批判で信じられたことにショックを受けてました。
そして「フィクションでも影響力を考えれば批判を入れるべきだ」と言われました。
フィクションに批判を入れることは野暮なのでしょうか?わかりません。



#8214 
徹夜城(大英博物館でメソポタミアの落書きを見てきた管理人) 2008/06/29 22:16
建武らくがき帖

↑吉川英治「私本太平記」の建武の新政の混乱を描く章のタイトルは上記のようになっています。二条河原の落書を「らくがき」と重ねたタイトルなんですね。そういや二条河原の落書を吉田兼好が書いたことにしたのは森村誠一「太平記」だったかな?まぁかなりありうる線とは思えますが。

 フィレンツェの大聖堂の落書きの件ですが、共同通信記事によると全体の1割ぐらいが日本語だそうです。もちろん全世界からの観光客の中では多いと思えますし、日本人でもアルファベットで落書きするケースもありえますから「日本人が多く書いてる」こと自体は間違ってないかもしれません。でもどう見ても半分以上は他国の人でしょ。
 いえね、この件で妙にしたり顔で「日本人論」かまし始めた人たちを見てると逆にツッコミを入れたくもなってきまして。産経新聞がコメントとった一人は「自己愛の暴走、『世界に一つだけの花』と思い込む人間」とか勝手なこと言ってますし(自分の胸に手を当てて…とか言いたくなる方なんだな、これが)、もう一人の社会評論家は「外国では宗教が教育の中心にあるが日本は違う。かつての日本では『修身』が、モラルを示していた。勉強だけできればいいという現代社会の歪みがこうした問題を起こしているのかもしれない」とか言い出しますし。この人が宗教が教育の中心にあると思ってるらしい英語圏やイタリア語圏など日本語以外も半分以上あることをどう説明するんだ、と。あと『修身』教育受けてた世代がそんなに模範的だったとは僕はかなり懐疑的ですね(笑)。アンコール・ワットの落書きをした江戸初期日本人の場合はむしろ信仰心の強さゆえ、って面もあるわけですし。
 ま、結局自分のいいたい話に勝手に結びつけて論じてるだけなんだな、と自戒も含めて思うのでした。


>景虎さん
インディ・ジョーンズの映画版だと実在人物ではヒトラーだけしか登場してませんね。インディとばったり出くわし、サインしちゃうというシーンがありましたが、考えてみりゃTVシリーズはそのあと作ったので、実在人物とのリンクはあれが最初だったわけです。
今度の映画のパンフレットにインディのプロフィールが詳しく出てるんですが、ほんとにTVシリーズでは有名人と顔を合わせてばかりいますね。アラビアのロレンス、ドガ、ピカソ、プッチーニ、トルストイ、パンチョ=ビリャ、セオドア=ルーズベルト、レーニン、ドゴール、マタ=ハリ、ケマル=アタチュルク、ワイアット=アープ、ジョン=フォード、エリオット=ネス…と目についたところを挙げただけでこれだけ出てきます(笑)。
 この名前のリストを見ていて思ったのが「アルセーヌ=ルパンも同じ時代の人だなぁ」ということで。どっかで出くわしてないかと(笑)。マタ=ハリとルパンが会ってるのではないか、と検証したルパン本が実際にあるんですが…
 だいたいインディ=ジョーンズもアルセーヌ=ルパンの影響が見え隠れする、という見方もできるんですよ。あれを「墓泥棒」とみなせば(笑)やってることはそう変わりません。
 南洋一郎による贋作「ピラミッドの秘密」のルパンの活躍ぶりなんてまさに「インディ・ジョーンズ」そのまんまですから…(笑)ま、ああいう一昔前に流行った未知の世界への探検・冒険ものを現代風によみがえらせたのが「インディ」シリーズですから、似てくるのは当然といえば当然なのです。



#8213 
アインザッツグルッペン 2008/06/29 10:30
武蔵より強いんじゃ?

小野次郎右衛門忠明は柳生新陰流に道場へ呼ばれて腕前を見せろと言われて
柳生の相手を全員一人で倒した、という話ですが
これが本当なら恥ずかしくて柳生は徳川公認道場を返上されかねなかったのでは
ないでしょうか?それとも小野に報復して落とし前をつけた、とかですか。



#8212 
景虎 2008/06/28 16:17
vocaloid

最近は初音ミクで有名になった「vocaloid」の歌をよく聞くのですが、歴史的な歌が結構あるものですね。

例えば「太平洋行進曲」
http://jp.youtube.com/watch?v=eSsGQMR_FVA
爽やかであまり軍歌っぽくないですね。

「天津祝詞」
http://jp.youtube.com/watch?v=8tNR734aqKk
本物の神職はこういう節では奏上しませんが、これはこれで好きですね。

「アヴェ・マリア」
http://jp.youtube.com/watch?v=66h0KNl_0Dc
宗教つながりでアヴェ・マリアです。

「青い山脈」
http://jp.youtube.com/watch?v=AhMNGSBQ9SI
戦後の歌ですが、これも歴史になりつつありますね。

「やまとしうるはし」
http://piapro.jp/content/peazr3q7kaqosvnk
古事記、日本書紀に出てくる国思歌に節をつけたもの。
作者は君が代より国家に相応しいと主張していますが、確かにそうかもしれませんね。


>徹夜城さん
「若き日の大冒険」は結構観てましたが、フロイトやユングが出てきましたね。
第一次世界大戦では、「そんな知らない国のために戦うのか?」というセリフがあったりして、意外と歴史的な話なんですよね。
映画版よりそういう部分を重視していたような印象がありますが、観たのは何年も前なので、実はうろ覚えだったりします。

>かどきちさん
どこで読んだか忘れましたが、田舎から来た武士の中には、大坂城の中で迷子になる人がいたとか。大きな城では無理も無い話ですが、迷子の武士というのは何だか笑えます。



#8211 
小覇王 2008/06/28 01:26
落書(ガキと読むかショと読むか)

 ココしばらく、とあるゲームにはまっていたので、こちらも久しぶりです。

>フィレンツェの大聖堂の落書き
 「周りにも書いてあったからついやってしまった」というようなことを書いた学生は言っていましたね。確かに写真を見ると周りにも落書きがありました。日本語だったのかどうかは分かりませんでしたが、他国の人もああいう観光名所で落書ってするんですかね。

>日本人はつい、落書をしてしまう?
 ある番組では、鳥取砂丘や珊瑚礁の件も出して日本人はなぜ落書きをしてしまうのか、と検証してましたが、アンコールワットや法隆寺の落書きは出てきませんでしたね。あれらは今や重要な史料になってますから、今回の件で出すと都合が悪いのでしょうか。
 後はルーツとして落書から発生したんだ、というようなことも言ってましたが、これは「二条河原の落書」で有名なあれのことですが、さすがに壁の落書き等と一緒にするのは無理があるような気がしました。まあ、語源としては確かにそうなのでしょうが。

http://burebure.blog.ocn.ne.jp/burebureblog/


#8210 
徹夜城(久々に劇場に映画を見に行った管理人) 2008/06/26 23:17
水晶髑髏の王国

 いきなり映画の話ですが、「インディ・ジョーンズ」19年ぶりの新作を見てきました。ここではもちろん歴史がらみで。
 今度は1957年という時代設定なのでナチスではなくソ連の特殊部隊が敵になってます。もっとも同時にアメリカで「赤狩り」の嵐が吹き荒れていたこともさりげなく描かれ、大学でも反共デモが行われ、成り行きで「アカ」と疑われてFBIにマークされたジョーンズ教授がそのために大学を追われる展開にもなってます。
 時代、ということでは原爆実験が描かれるのですが…それはかなり無理があるのでは、という描写があります…やはり日本人としてはあちらの映画の核がらみの描写にはひっかかるものを感じざるを得ませんね。

 中盤、「マヤ語(だったかな)を誰に習った?」と聞かれたインディが「パンチョ=ビリャに教わった」と答えて「ウソだろ〜!」と言われる場面があります。これ、映画版ではなく「若き日の大冒険」と題したTVシリーズ中での話なんですね。僕は第一回以外ほとんど見てないのですが、このTVシリーズは実在人物がゾロゾロ出てくるちょっとした「歴史映像もの」だったのであります。
 今度の映画の内容はいっそうオカルト史観というかトンデモネタ大集合の感がありましたが、まぁ作り手も娯楽と開き直ってやってるわけでしょう。


>ちょいとニュースネタ。
 「史点」がなかなか更新できないんで、こっちに書きますが。
 フィレンツェの大聖堂の落書きの件、次々出てきましたけど写真をみるとどうやらそもそもいっぱいあるらしいんですな、日本人の落書きが(笑)。しかし身元がはっきり分かるように書かんでもよかろうに、と思っちゃう。
 まぁ五百年もすればあれも立派な「遺産」になるわけですよ(笑)。アンコール・ワットにある江戸時代の日本人の落書きの例もありますからね。


>アインザッツグルッペンさん
 鼻毛の一件は前田利常ですね?彼は孫ではなくて「孫みたいな息子」というところですか。家康が死ぬ間際に枕頭に呼ばれて「以前からお前を殺そうと思っていたがやめにした」と言われたという話が「殿様の通信簿」にも出てました。

>かどきちさん
 おっと、「その時」は見逃してしまいました。戦国のゲルニカがどうとかいうタイトルにはちょっと気をひかれたんですけどね。

>KMnO4さん
 小田原…とくると、やはり後北条家。そしてそれを代表する英雄となると「北条早雲」ってことになっちゃうようですね。「北条氏康」だと通好みではあるけど目を引かない、というところですか。
 大河ドラマになるなると噂され続けているのがこの早雲ですが、また司馬遼太郎「箱根の坂」あたりが原作にされちゃうでしょうか。ただお書きになっていたように北条早雲の前半生については90年代に研究が進み、だいたい明らかになってまして、一介の素浪人から大出世というシナリオはほぼ否定されてるようです。実際には幕府の要職を務めた官僚武士といったところだったようですね。



#8209 
KMnO4 2008/06/26 08:39
北条早雲杯

小田原の競輪はWWWサイトをみるとかなり日本史を意識したイベント演出を行っているようです.極めつけが,8月に行われる

「北条早雲杯」
http://www.nikkan-pro.co.jp/G3/2005/0816_odawara/

ですね.東海道線の車内広告にも出ています.

大器晩成型の中年男性再チャレンジ物語として描かれることが多かった(近年の研究では別のようですが)北条早雲ですから,ヲヂサン乗客に向けてのアピールなのかもしれません.

#でも小田原だからなあ,何人かで集まって車券を買おうと相談したとき,小田原評定(ことわざの方の)になってしまわないか心配ですが・・・

公営ギャンブルにはいろいろなレースに○○杯や○○ステークスなどの名前が付いていますが(個人的に大受けしたのが,ばんえい十勝の「とかちつくちて杯」.もちろん場内では十勝ラーメン販売ありですが,大盛りかどうかは未確認),それらの中から歴史ネタを探すのも面白いかもしれません.既出ネタでしたらごめんなさい.




#8208 
かどきち 2008/06/26 00:24
大坂城の土塀

6月25日のNHK「そのとき歴史は動いた」で、大坂の陣やってましたね。
今回初めて知ったのですが、大坂城の市街地の外側は東西を堀、南側を土塀で囲うというふうに、CGを使って説明されていました。
てっきり堀だけで囲っていたとばかり思っていましたが、土塀もあったんですか!
でも「城壁」で無いのが、ちょっと複雑な気持ちです(^_^;)



#8207 
アインザッツグルッペン 2008/06/25 12:49
前田利家の孫?

馬○殿様の伝説の元祖は、おそらく加賀藩前田の3代目の殿様なんでないですか。
幕府から警戒されないように間抜けをしていた、鼻毛のび放題にしていた殿様の話が。
無能で国を滅ぼした権力者という範疇なら、それ以前にもあると思いますが
いわゆる、笑い話ていどに間抜けで国を滅ぼすようなシャレにならないバカでなくて
シャレになっている馬○殿様は。



#8206 
徹夜城(少しずつ外国大河ドラマ鑑賞を片付ける管理人) 2008/06/24 21:53
「海神」鑑賞終了。

>「海神(ヘシン)」
 昨年9月から録画だめしてチビチビと見ておりましたが、ようやく2日前に全51回を見終えました。実に9か月かかってしまったわけです。
一回あたりおよそ45分で51回ですからほぼNHK大河ドラマと同等の長さ。先日見えおた「太王四神記」がその半分ぐらいでしたが、正直このぐらいにしてほしいという気も(^^;)

 「海神」は新羅時代、日本で言うと平安初期に実在した大海商にして独立海上武装勢力(まぁ見方によっては海賊かもしれません)である張保皐(チャン=ボゴ)の生涯を描いた大河ドラマです。
 僕もこの張保皐という人物については興味は持ってたんです。大学のゼミで王直と後期倭寇について熱く語っておりましたところ、在日韓国人の恩師から「チャン=ボゴを知ってるか」と聞かれたのがこの名前を知ったきっかけだったと思います。もっとも深入りはしないで朝鮮通史本でざっとプロフィールを知った程度でした。
 張保皐は唐・新羅・日本をまたにかけた大海商で、独立した軍事力も持つことからやがて新羅王族の争いに巻き込まれ、最後は陸上権力の手により悲劇的な最期を遂げた、とまぁそういうアウトラインしか知らなかったわけです。それにしても700年もの時を隔てて王直とやってることがよく似てる(悲劇的末路も含めて)のには驚いたもんです。

 そんなわけでドラマ化は耳にはしておりまして、それが昨年BS朝日で放映されるのを知り、録画し始めたわけです。ネタばれがいやだから見終えるまでは史実の確認は封印しましてね(笑)。
 上記のようなプロフィールの人ですから資料なんてほとんどありません。そのためドラマは全50回の大半を純然たるフィクションで作り上げています。もちろんアウトラインはだいだいわかってるので、その範囲内で思いっきりふくらませるというやり方でした。
 彼が最初「弓福(クンボク)」と名乗っていたのは史料に記録されてるので、ドラマの前半は「クンボク」で通してます。ドラマでは奴隷階級の出自ということにし、海賊に襲われて肉親を失い、自らも奴隷として唐に売り飛ばされ、ここで奴隷遣唐使、もとい奴隷剣闘士として命を張って闘う展開になります。どーみても「グラディエーター」だな、唐でそんな古代ローマみたいな悪趣味見世物はないだろうと思っちゃうわけですが、力押し(笑)で描いてます。
 奴隷剣闘士から這い上がって唐の新羅人社会(これは実際にかなりの規模だったみたい)で軍人兼商人としてのしあがっていく。この過程でも次から次へと信じられないほどトラブルに見舞われ、なおかつ強運でうまく処理するという繰り返しで、「重厚史実ドラマ」がお好みの方には敬遠されそうだなぁ、という展開ではありました。飽きさせないのは確かなんですけどね。
 あとストーリーのメインは結局のところ「恋愛三角関係」です。これもアジア系歴史ドラマでは定番なのか。弓福と架空のメインヒロイン(女商人になったりする)、そして史実では張保皐の暗殺犯としてだけ名前が伝わるヨンジョン(ドラマ前半では「ヨンムン」にしてました)が全51回にわたって延々とくっついたり離れたりを繰り広げるわけです(笑)。このウジウジとすれ違いが続く愛憎友情ドラマにはイライラしなくもなかったですが、思えば吉川英治「宮本武蔵」もそうなんですよね。一昔前の日本の時代劇に似てるのかもしれません。

 前半は唐での大活躍、中国ロケを大規模にやってましたが、やたらに砂漠の場面ばっかり出てくるのは韓国でも日本の中国イメージと似た感覚があるのかなぁ、と(笑)。あとで調べてみたら張保皐が唐の軍人としても活動していたことは事実らしく、そう無茶な創作でもないんだな、と思わされました。もっとも香港・中国映画ばりのワイヤーアクション炸裂の剣劇で大将個人がやたらに強い合戦シーンは個人的には苦手であります。あと、「海神」ってタイトルの割に海での活躍がなかなか出てこないのには欲求不満。
 中盤ようやく大海商になってくれますが、日本の大宰府に来たエピソードがあっさりカットされてたのが残念。日本との交易もしているし、日本へ行ったことにもなってましたが日本ロケの手間をかけたくなかったか、「日本から帰国」の場面だけになっちゃってました。う〜む、やはり三国をまたにかけてほしかったのですが。

 ラスト10回ぐらいでようやく新羅王族が登場、新羅宮廷・貴族の内紛に張保皐が関与していくことになりますが、前半に比べるとえらくあわただしい展開になってしまったのが残念。いざ「歴史ドラマ」になったら作り手もやりにくくなっちゃったんですかねぇ。張保皐は史実の通り暗殺され、彼が築いた独立貿易王国は見事なまでに抹殺されるという、歴史的事実ではありますがかなり救いのないラストになります(ネタばれではありますが、史実ですので書いちゃう)。ただそうなる予兆というか、シナリオ的にその必然性を語るような方法があったんじゃないかなぁ、といきなり一気にたたんでしまう終盤に不満もありました。
 それでもなんだかんだで50回楽しめたんだからヨシとしましょう。このドラマで主人公のライバルであるヨンジャンを演じたソン=イルグク(宋一国)は主役をしのぐ人気だったそうで(確かにマジメ一辺倒で完全無欠だけど要領の悪い主役よりずっと魅力的な屈折キャラだった)、これが「朱蒙」の主役抜擢につながったそうです。同時並行で見てたくせにしばらく同じ人だと気付かなかったぐらい印象が違いますが。

 個人的には新羅末期、実は中国の三国時代並みに面白い後三国時代を描いた「太祖王建」が見たいんだよなぁ、と思ってたら、ようやく9月に国内版DVD発売になるようですね。もっとも全200回というとんでもない長さなので…(汗)。同時期に「太平記」完全版も出ちゃうし、困ったもんだ(笑)。CSの韓国ドラマチャンネルでは放映したらしいですが、BS民放でやってくれないものか。
 先ほどyoutubeで「太祖王建」ほかいろいろと韓国歴史ドラマの映像を漁っておりましたら、「大王世宗」なんてのも今年放送してるんですね。オープニング映像の背景はやっぱりハングル(笑)。


>アインザッツブルッペンさん
 志村けんの「バカ殿様」は少なくとも将軍のつもりはないんじゃないでしょうか。
 しかし考えてみると「バカ殿」というネタは志村以前にもあったように思うので、そのイメージの源流はどこにあるんだろう?という疑問もわいてきました。本当に「馬鹿」だったかどうかはともかく、やたら女好きの殿様がいたことは磯田道史「殿様の通信簿」でも紹介されてますね。
 「篤姫」は「しりとり」の縁でチェックした調所自決後ほとんど見てないんですが(←全然見てないに等しいな)、放送前から注目されていた堺雅人さんの家定は名演ですね。大河史上では中村梅雀さんの徳川家重役の名演を意識してるんじゃないかなぁと。
 「太平記」だと北条高時、足利義詮など、実は「バカ殿」役というのは俳優さんにとっては腕の見せ所、出世作となることが多かったりします。



#8205 
アインザッツグルッペン 2008/06/23 19:07
あの上様は

さいきん、初めて今年のnhk日曜の大河ドラマを ちらっと見たが
将軍・徳川家定が妙な声を出しているので、うけた
志村けん の定番キャラ〜殿様は、ひょっとして徳川家定がモデルなんですかねぇ





#8204 
徹夜城(少年漫画月刊誌なんて久々に買った管理人) 2008/06/21 21:31
パート2どころか

 「マガジンGREAT」の「山賊王」ですが…「鎌倉陥落パート2」どころか、六波羅探題すら落ちてません(^^;)
 新田義貞のほうは分倍河原合戦まで。そして史実から言うと明らかに間違っているのですが、この漫画では足利高氏の六波羅攻めも義貞の鎌倉攻めと同時進行で描かれています(もちろん意図してやったことでしょう)。今回のページ配分はむしろ高氏の六波羅攻撃のほうが長かったような…?
 足利家臣・大高重成(大河でも「側近」として顔だけはしょっちゅう出てきた)が六波羅軍の河野氏相手に大奮戦するくだりが古典「太平記」そのままに詳しく描かれていたのが意外。高師直らしき顔も見えましたが、相変わらず直義の姿が見えないような…?
 今回は微妙にページ数が少ない印象もあったのですが、さらに残念なのは「作者取材のため次号休載」のお知らせ。次回が読めるのは10月発売です(汗)。鎌倉陥落は来年だな、こりゃ。




#8203 
tomohiro 2008/06/19 19:55
板東市

たしかに、板東市という場所がどこかに出来れば
大問題ですね。
關東といっても、私の住む神奈川県と北関東では
まったく馴染みがないのですよ。
どちらかといえば、馴染みの度数から言えば
伊豆・駿河>北関東といった雰囲気です。
板東のイメージが強い北関東に板東市が出来れば、
対岸の火事でミルだけです。



#8202 
徹夜城(自分の住む市は名前が変わってない管理人) 2008/06/19 00:00
鎌倉陥落その1

 本日発売の「コミック乱Twins」七月号掲載分の岡本賢二「私本太平記」、予定通り(?)鎌倉は陥落いたしました。
 吉川英治原作がベースということで、大河でも一応やった「太刀投げ込み」は描かれず、陽動作戦をミックスして稲村ケ崎を突破する展開のみになってました。潮がまた満ちてきてやや緊迫する演出があるのが岡村流といったところでしょうか。
 大仏様みたいな顔でバカ殿イメージの強い北条高時でしたが、さすがに最後はカッコよく描かれました。吉川原作をベースにはしていますが、かなりコンパクトにまとめており、バサッとまとめる切れ味は、こういうのもアリかな、と思わせるものがありました。
 そういやこの回、主役の高氏は全く出てこず、義貞の独壇場です。

 タイトルに「その1」と書きましたのは、20日発売の「マガジンGREAT」の「山賊王」もぼちぼち鎌倉陥落と予想されるからです。もっとも次回一回では陥落せず、あと2〜3回はかけるのではないかな、と予想しております。


>mozawaさん
 栗原市も凄いですが、やはり被災地となった「奥州市」ってのもスケールでかいですよね。お前のところだけで「奥州」を代表するなよ、と東東北各地から言われそうです(笑)。「琴欧洲」みたいですな(笑)。
 茨城県内だと「筑西市」なんてのはまだマシなほうで、「坂東市」というスケール雄大な地名には関東各地から批判はないのかと(笑)。まぁ地元では「新皇・将門の王都」だったからいいのだ、ということでのネーミングらしいんですがね。
 そもそも茨城県南部しか走ってないのに「関東鉄道」とかありますから、この地方は(笑)。



#8201 
mozawa 2008/06/18 07:37
栗原市ってどこ?

管理人様、ご親戚は無事とのこと、良かったですね
友人が北上市にいるのですが、震度5弱で被害も無いそうです。60qくらいしか離れていないのに、こうも違うものか、と言ってました。

ところで、栗原市って、そんなに大合併だったのですね。
合併以降、新市名ではどの辺りなのか分からなくて。(つくばみらい市、筑西市がどこにあるか分かっていなかったりする)
旧胆沢、衣川と聞けば、わかるのですが。。。
報道でも、旧○○町と言ってくれた方が親切な気がします。






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