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#10100 
徹夜城(そろそろひとまずの仕事の結果がでる管理人) 2016/02/16 12:51
「沈黙」は今年にも

>バラージさん
遠藤周作の「沈黙」、僕は小説は未読なんですがあんまり有名なんでだいたいのあらすじは知ってる状態で映画を見ました。しかしフェレイラが丹波哲郎ってキャスティングはどうなんだろ(笑)。ポルトガル人たちは全部「母語」は英語になってまして、丹波哲郎も得意だから、という事情はありそうですが。監督の篠田正浩は最後の監督作「スパイ・ゾルゲ」でもドイツ人役がみんな英語を話してましたが、前からやってたんだなぁ、と思った次第。もちろん海外への売り出しなどでは英語の方が有利、って判断はあるでしょう。
 そしてご存知の方も多いとは思いますが、この「沈黙」はかねてよりマーチン=スコセッシ監督が映画化を熱望していて、昨年ついに実現にこぎつけてなぜか台湾で撮影が行われてます。出演予定だった隆大介が空港トラブルで降板というハプニングもありましたけど…確か今年中には公開のはず。こちらも出演者リストをみるとたぶん英語でしょうね。

 しかしそのジャッキー映画、聞くからにグチャグチャな歴史状況で、話のタネにはなりそうな(笑)。ジャッキーといえば、先日ロンドン市内で二階建てバスを爆破するロケ撮影を行い、「テロか」とちょっとした騒動になったらしいですね。「新作アクション映画の撮影」と説明されていたので結局アクションやめないんだなぁ。

 坊主サムライの話ですが、確かに「太平記」もあんまり史実に忠実にやると坊主頭だらけになっちゃうんですよね。北条孝時や金沢貞顕はまぁそれでも…と思ったけど、個人的には佐々木道誉は坊主頭で出てきてほしかったですね。「どうよ」って法名で名前もクレジットされてるしナレーションでも説明してるんだから…それでいて劇中では一応気を付けてて「道誉」と名乗ったり呼ばれたりする場面は一度もありませんでした。」



#10098 
バラージ 2016/02/15 23:28
ローマが漢にやってきた

またまた映画の話題ですいませんが、最近歴史関連映画の地元公開が続いてまして……。
今回観たのは、ジャッキー・チェンの新作『ドラゴン・ブレイド』。紀元前50年ごろの前漢という非常に珍しい時代が舞台なんですが、2006年というつい最近に発表された学説(?)をヒントに製作された、あくまで「史劇風」のアクション大作です。
で、その学説というのが、パルティアに敗れて戦死したローマのクラッスス(第1回三頭政治の一人で映画『スパルタカス』で敵役だった人)の敗残兵が東方へ逃れ行方不明となった。その後、紀元前36年に漢軍と戦った匈奴の中に、漢人が見たこともない密集戦法を使う明らかに騎馬民族とは違う一団がいて、これがその後のローマ敗残兵だという落武者伝説みたいな話です。なんか眉唾な気がするんですが、まあ映画のほうは史実そっちのけで面白さ優先の娯楽映画になってるんで(クラッスス関係も史実とかなり違う)、細かいことをごちゃごちゃ言っても仕方がない(笑)。韓国映画『MUSA 武士』とか、同じジャッキー映画の『ラスト・ソルジャー』『THE MYTH 神話』みたいなもんでしょう。他に史実関連だと、おそらく匈奴のことと思われる民族が日本語字幕では一貫してフン族と呼ばれている(匈奴=フン族説? ハリウッド俳優も出てて中国語と英語の両方が使われてるんでそのせいかもしれませんが)とか、ジャッキー演じる主人公のフォ・アン(霍安)が史実でも有名な霍去病(字幕ではフォ将軍)に拾われて養子となったフン族(匈奴)の子供とかいったあたり。最後の大合戦シーンにはパルティア軍(なぜか女王)や、中国西域部族連合軍ということでインド人やアラブ人みたいな連中もぞろぞろ出てくる多国籍状態です。
肝心の映画の大まかなあらすじですが、陰謀にはめられて降格された西域守備隊長のジャッキーのもとへ、ローマ敗残兵を率いるジョン・キューザックが現れ、それを狙うローマの悪役権力者エイドリアン・ブロディがやってきて、なんだかんだで大合戦というもの。ただ、監督がアンディ・ラウ主演『三国志』や『項羽と劉邦 White Vengeance』のダニエル・リーなんでねえ。大予算映画のわりに作風がコテコテの香港映画ノリでチープというかB級っぽいんだよなあ。話に唐突な展開や説明不足やいい加減な設定やご都合主義が多くて……。不安的中。残念ながら今一つでした。

>歴史映像名画座
更新ご苦労様です。今回追加されたもので僕が観たのは『花燃ゆ』だけ。『沈黙』は原作は読んだんですが、映画は未見です。元寇の映画には、1937年に作られた『蒙古襲来 敵国降伏』ってのもあるようですね。デアゴスティーニは、たまたまこの間東宝・新東宝戦争映画シリーズのラインナップをちらっと見たんですが、新東宝は変なのいっぱい撮ってますねえ。『静かなり暁の戦場』というインド国民軍を扱った珍しい映画もありました。

>坊さん武士
アニメ『一休さん』で義満が俗体なのは、主人公をはじめお坊さんがいっぱい出てくるアニメで坊さん姿じゃ将軍だか何だかわかりにくいからでしょうね。大河『太平記』でも長崎円喜や佐々木道誉が俗体でしたが、僧形になるとつるつる頭に衣装も似たようなになるため見分けがつきにくいんですよね。



#10097 
徹夜城(近頃歴史映画じゃなくて歴史ドラマ漬けな気がする管理人) 2016/02/15 13:37
かくて神風は吹かなかった

 先ほど「歴史映像名画座」を更新しました。今回はそれほど新規収録は多くありません。一つには先日も書きましたようにただいま中国・韓国・インドなどなどの歴史連続ドラマを並行して見ていてなかなか終わらないからなんですよね。

 さて、今回新規に入れたわけではありませんが、ようやく鑑賞の機会を得たのでちょこっと文章を変えた一本があります。1944年公開の大映映画「かくて神風は吹く」です。長らく鑑賞する機会がなく、一部映像と断片情報で紹介を入れていたのですが、このたびディアゴスティーニのDVD付きムック「大映特撮映画」シリーズでこれが発売されたんですよ。たぶんこれが初のDVD化のはず。

 実際に鑑賞してみると断片情報で得ていた印象はほぼその通りでした。ただ、メインとなる河野家と忽那家の確執にささやかながら恋愛ばなし(ちょっとしたロミオとジュリエット)が絡んでくるなど意外と娯楽色が強いなという印象が追加されました。
 あと、日本の戦中の「戦意高揚映画」って戦後に見たアメリカ人から「反戦映画か?」と言われちゃうほど悲壮感に満ちてることが多いのですけど、この映画は大昔の勝ち戦を扱ったためか全体的に明るい雰囲気なんですよね。まぁ蒙古の使者を斬首に処すシーンが、いちいち一人一人斬られるところを映すあたりには「余裕のなさ」を感じはしますが。忽那氏の敵船体当たり攻撃なんか「特攻」そのまんまでしたし。

 「かくて神風は吹く」というタイトルの通りで、結局は亀山上皇が伊勢神宮で神に祈ったら神風が吹いて敵が全滅、というえらく安上がりなオチになります。ただそこに至るまでに国民みんなが努力はしなくちゃいけないらしい(笑)ことも強調はされてます。
 戦勝後の北条時宗(片岡千恵蔵)の訓示が凄い。勝因は「皇祖皇宗の神霊に加護されたありがたいお国柄」にあるんだそうで、今後も「第二・第三の国難が来ようとも大丈夫」とか言っちゃうあたり、当時の日本の「神頼みしかない」状況が垣間見えてしまいます。で、結局神風は吹きゃしなかったわけで。
 当時大川周明が「敵、北より来れば北条、東より来れば東条」とか言ってたそうですが、アメリカ軍は最終的に南から押し寄せたんで、南条さんを立てるべきだったんでしょうな。周明が東京裁判の冒頭で東条英機の頭をペシッと叩いたのはそのことに怒ったのかどうか(笑)。

 この映画、市川右太衛門が日蓮を演じてるんですけど、さすがに後年の大映映画「日蓮と蒙古大襲来」みたいに博多に現場入りしたりはしないので「おまけ」な感じですけど、この映画の日蓮は「国難」を予想しておいて、それをもたらしたはずの時宗のことは評価しちゃうんですよね。
 本来日蓮は「仏法が正しく行われていないから国難が来る」と言ってたわけで、実は元軍勝利と予想して「疎開」までしています。「神風」のために元軍が全滅したとの情報を最初は信じず、「ちょっと船が何隻か沈んだぐらいで大袈裟に騒ぐな」と書いた書状まで残してます。彼としては不本意な結末だったんですが、この件について後世の日蓮信奉者(全部とは言わないが国粋主義系が多かった)はまったく触れてないようで。




#10095 
バラージ 2016/02/12 22:02
暗く息苦しい時代へと向かう時代の映画"

 映画『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(原題:エルザー)を観ました。1939年にヒトラー暗殺未遂事件を起こしたゲオルク・エルザーという人物を描いたドイツ映画です。
 ヒトラー暗殺計画や未遂事件は数多いそうですが、その中でエルザーの事件はまだヒトラーとナチスが調子良かった時代の、ただの田舎の時計職人による単独犯行ということに特色があるとのこと。ヒトラーや警察・ゲシュタポはそんなことが1人でできるわけがない、イギリスが黒幕だろうと考え、捕らえたエルザーに拷問を加えたんですが、彼は単独犯だと譲らず背後関係も何も出てこなかったため、単独犯と結論づけられたそうです。
 映画は暗殺が失敗に終わりエルザーが捕らえられるところから始まって、回想でナチスが政権を握った1932年に遡り、1939年現在の取り調べ(拷問シーンがなかなかにきつい)と、エルザーが暗殺を決断するに至った回想とが交互に描かれるという構成で、映画の最後に事件については史実通りだがエルザーの私生活についてはフィクションが含まれていると断りが入るんですが、どちらかというとそのフィクションで描かれる1932年からの描写が印象的です。田舎村が徐々にナチズムの熱に浮かされファシズムの空気に侵されていく様子が観ていてなんとも息苦しく、暗鬱な気持ちにさせられます。ユダヤ人や共産党員が弾圧されていき(1939年のシーンでもナチスが精神障害者の処分を検討する描写がある)、人々はそんなナチスを歓迎し、加担し、熱狂していきます。そんな中で平凡な普通の人に過ぎないエルザーはそういう風潮になびかず異を唱え、やがて戦争を防ぐにはヒトラーを暗殺するしかないと思い詰めていくのですが、明らかに「今」に重ね合わせられているこの時代の描写こそこの作品の肝でしょう。第二次大戦中を描いた映画は数多いんですが、それ以前のナチスが政権を握る時代を描いた映画はわりと珍しく、他に僕が観たのは『ブリキの太鼓』と、同時代映画である『チャップリンの独裁者』ぐらい。この映画もそれらの映画に劣らぬ良い映画、力作でした。
 あと、ゲシュタポの局長役の俳優がどっかで見たことあるなあと思ったら、この間観た『顔のないヒトラーたち』で主人公に協力する飄々とした先輩検事を演じていた俳優でした。

 予告編で『サウルの息子』という、アウシュビッツにおけるホロコーストのゾンダー・コマンド(他のユダヤ人収容者の死体処理の任務と引き換えに数ヶ月だけ延命されるユダヤ人収容者)を描いたハンガリー映画をやってました。ホロコースト映画は多いですが、テーマが珍しい(僕はゾンダー・コマンドという存在を初めて知った)。ハンガリー映画というのも珍しいですね。

>歴史映像名画座
 今頃になって気づいたんですが、『葵 徳川三代』の放送回数がおかしいです。それから『春日局』と『山河燃ゆ』の完全版&総集編がDVD化されたようです。



#10093 
アジアのバカ大将 2016/02/12 16:12
忍法の発明者

忍法という言葉は、柴田錬三郎の発明だそうです。
日本の忍者ブームのころ、柴田氏がTV番組で、アナウンサー
から「〜ですよね」と聞かれ、肯定していました。



#10091 
つね 2016/02/10 23:41
史点によせて

>戦争の歴史
なんとなくアイスマン「エッツィ」を思い出しました。彼も最初は行き倒れかと思われたのが、現在では殺人の犠牲者というのが確実視されているみたいです。そういう異状死でないと、埋葬されてしまってミイラにはなりにくいのかもしれませんが。

>記念日
まあ日本では語呂合わせが多いですね。昔、感心したのが「鮭の日」。十一月十一日です。理由はお分かりでしょうが「蛙の日でもいいじゃん」とも思いました。外国ではどうなんでしょうか。「聖人の日」が多いと思うので一応、根拠はあると思いますが。クリスマスはどうでしたっけ?



#10090 
黒駒 2016/02/10 11:03
忍法と忍術

そういえば昔、夏目房之介氏が「忍法」と「忍術」の違いを指摘し、「忍術」は白土三平以来の合理的説明(漫画の上では)のある技を指し、「忍法」は特に説明のない、魔法のような技だと指摘していましたね。「キン肉マン」などは忍者ものではありませんが、両者が混在している作品だとか(笑)。

思うに今日の少年漫画におけるバトル漫画の「能力バトル」みたいな形式の原型を作ったのが白土三平ということなのでしょうか。最近はほとんどそっちになってしまっている気もします。忍法=子供向け、忍術=年齢層の高い少年から大人向け、と見れば、今日の大人が漫画を読む状況を作ったのかもしれませんね。



#10089 
徹夜城(そろそろ人事を尽くして天命をまつ季節の管理人) 2016/02/10 00:54
60年代忍者ブーム

>アジアのバカ大将さん
 「史点」への反応、ありがとうございます。あれも本来は「週刊」だったのに、すでに「月刊化」しても特に疑問をもたれなくなってきたかな(笑)。そのうち「季刊」にならなきゃいいですが。
 僕自身は白土三平劇画で忍者ワールドに首を突っ込んだんですが、おもえば小説&映画の「忍びの者」シリーズも白土劇画と時期的には同じですね。どちらも「階級闘争」な話でもあり、発表当時の時代背景を感じるものがあります。「忍びの者」は原作は「赤旗」連載で映画の監督は山本薩夫という取り合わせですもんね(もっとも映画自体は結構娯楽性高し)。
 「伊賀の影丸」は割と最近になって読みましたが、あれはもはや忍者というよりエスパーなんじゃないかと(汗)。まぁ白土三平の忍者も一見科学的に説明しておいてかなり無茶やってますが。

 こうした日本の「ニンジャ」が海外へ波及したのはいつからなんでしょうかねぇ?ファンタジーRPGの世界ではいつからか「忍者」が当たり前に存在する種族の一つになっちゃってるみたいですし。
 イランの「女忍者訓練」のニュースの時に僕も書いてると思うんですが、確かオーストラリアでも痴漢だったかひったくりだったかを路上でとっちめた通行人が「近所の忍者道場の師範」だったことがあり、ホントに海外では柔道や空手並みの存在として「ニンジャ」がいるようなんです。
 まぁ伊賀市や甲賀市の「ニンジャで地域おこし」自体は面白いとは思いますけどね。下手な世界遺産計画よりは建設的な気がします。


>つねさん
 敵同士の交流、確かにありましたね、三国志の終盤に。ついでに言えば「室町太平記」の企画自体が「三国志後半(終盤)戦」を意識したものでもありました。
 なんか最近、「五丈原以後の三国志」を小説にしたとかなんとかがえらく画期的なことのように報じる新聞記事を見かけましたが、世間的には三国志イメージってまだそんななのか、と驚いたもんです。僕は最初に読んだ岩波少年文庫版からしてきっちり三国統一まで扱っていたもんですから、「その後の三国志」みたいなフレーズがあんなに通用するのかと。

「鳳」はですねぇ…以前から小説もしくは漫画企画なんです。ただこちとら一応その分野の歴史の専門ですから、どうせやるなら史料も見せてしまえ、創作の舞台裏まで見せちゃえ、という方針があったんです。登場人物はすべて実在に限るとか、もちろん史実は完全に変えないとか、その枠内でどこまで物語としてふくらませられるか、とまぁいろいろ考えていたわけでして。
 その前にせめて王直時代の「海上史事件簿」を完成させないといかんのでしょうが(汗)。



#10088 
赤猫 2016/02/09 20:52
歴史修正主義は偏見と憎悪から生まれ、無知と怠惰と無恥を糧とし育ち、無知無恥な憎悪を撒き散らす。

とりあえず、「慰安婦」問題についての初歩的な右翼の間違いについて淡々と指摘させていただきます。


つねさんの間違い
>結局のところ、水と油であってお互いに同意することはないでしょう。

「慰安婦」問題を否認する人と被害者の方々に寄り添おうとする人は水と油です。己の願望を優先するか事実を優先するか。自省できずに差別偏見を優先するか自国の加害を謙虚に見つめ事実を優先するかの差ですから。


>強制連行に関しては、証拠、証言、証人すべてが不確かで特に(廃棄、焼却はあっても)物的証拠が0というのは、歴史的事実と認めるには不十分です。

日本の16の歴史学会・歴史教育者団体が以下の声明を出しています。
http://www.torekiken.org/trk/blog/oshirase/20150525.html
「強制連行された「慰安婦」の存在は、これまでに多くの史料と研究によって実証されてきた。強制連行は、たんに強引に連れ去る事例(インドネシア・スマラン、中国・山西省で確認、朝鮮半島にも多くの証言が存在)に限定されるべきではなく、本人の意思に反した連行の事例(朝鮮半島をはじめ広域で確認)も含むものと理解されるべきである」

つまり、「強制連行に関しては、証拠、証言、証人すべてが」学問的に確かで特に(歴史学的な)物的証拠が確固な歴史学的な事実であるわけです。それでも、つねさんは(進化論を否定するカルト信者のように)学問研究の成果を否定して「強制連行に関しては、証拠、証言、証人」を否定しますか?




案山子さんの間違い
>だいたい「慰謝料」に相当するお金を3億ドルも受け取っておいて、それを着服して、財閥の為に使ったのはボスに大統領の父親ですよね?

その3億ドルは「賠償金」として支払う事を拒んだ日本政府が「独立祝賀金」と途上国支援という形で韓国に供与したものです。しかも、その 3億ドルは生産物及び役務としてですので、現金で渡したものではないのですから「着服して、財閥の為に使』うことは不可能です。そして、生産物や役務を実際に提供したのは日本企業だったわけですから、それらの代金は日本企業に入りました。ODAとかと大体同じ構造ですね。
そして、日韓基本条約は(おそらく今回の被害者を置き去りにした有害な「合意」と同様に)アメリカの強力な圧力の元、朴の父親の軍事独裁政権が反対運動を武力弾圧して結んだものである事実を知らずに暴言を吐く人はその知性と人間性の程度が露呈しています。



アブダビさんの間違い
>強制連行等の「曖昧な事実」「物証の無さすぎ」などについては、既に、つね様が書いてくれたし、無名氏も指摘の通りです。

上記の通り強制連行についての学問的に確かな証拠があります。無い思っとているのはあなたが証拠の存在を知らないだけです。(バイアスの為か怠惰の為かは知りませんが)


>実際、被害者を称する人にも「証言の怪しい人」が含まれますしね。

それ、貴方達のような人たちの難癖ですよ。「数え年」の存在を知らなかったりするような無知と偏見に基づいて、記憶の曖昧さからくるわずかな間違いを針小棒大に拡大して証言をすべて否定するといった印象操作をする知的にも人間的にも不誠実極まりない連中のいつもの手口ですよ。アブダビさんが無知と偏見に基づいてセカンドレイプを行っているという事実を自覚なされることを貴方自身の知性と人格の向上の為に切に希望いたします。



#10087 
アジアのバカ大将 2016/02/08 22:31
「史点」2カ月連続更新ありがとうございました

いつも楽しみにしている者です。
「忍者」で伊賀・甲賀観光振興
の話題が面白かったですね。
日本の一大忍者ブームは60年代半ば。
市川雷蔵主演映画「忍びの者」、
テレビ映画「隠密剣士」、同TVアニメ
「風のフジ丸」、白土三平作漫画
「サスケ」「影丸伝」、横山光輝作
「伊賀の影丸」で盛り上がりました。
 海外では80年代にハリウッド製の
忍者アクション映画が乱造された
時期がブーム期だったと思います。
 日本のブーム期に少年雑誌や
テレビの忍術解説で活躍された
初見義昭師範(伊賀流の一派
戸隠流)がご健在なのにはび
っくり。髪が白くなったのと、
すこし貫禄がついたくらいで、
外見がさほど変わっていない
のに二度びっくり。英ロンドン
の書店の武道コーナーで著書を
みかけました。
 欧米では、忍術は武道の一種と
認知されているが特徴です。忍者
同士の決闘が、向かい合って正座し、
お辞儀してから始まったりします。
 ここまで書いて、たしか以前
「イランの忍術ブーム」という
話題で同じカキコをしたのを
思い出しました。




#10086 
つね 2016/02/08 00:55
追記

敵味方同士の交流と言うのは、後世からしたら美談になるんでしょうね。同時代の関係者からしたら、内通の可能性もあって穏やかではいられないでしょうが。三国志末期の呉の陸抗と晋の羊コでも、お互いに酒や薬のやり取りをしていたという話があり演義でも採用されてます。
管理人さんが清氏を好きだというのは感じていました。解説でも書いていたかな? 太平記の作者もそうだったんでしょうね。このあたりは、田中芳樹が、「司馬遷は項羽のことが好きだったに違いない」と、誰か(有名な中国文学者・小説家だったけど度忘れ)の話を引用していたのと通じるものがあります。好きな人物だと、最期は華々しくしたくなるんでしょうね。

ところで、「徐海ってどんだ人なんだろう?」と海賊のコーナーを覗いて驚きました。「鳳」は実は連載中だったんですね。気づいてませんでした。田中芳樹も「タイタニア」を20年振りで再開して完結させたし、10年間隔なら望みがありそうです。もっとも「タイタニア」は熱が醒めてしまって、手が伸びていませんが。ざっと見たところ、今回は大河形式ではなさそうなのが残念。解説も楽しみだったのに、と思ったら、注釈が膨大でした。

長い間、「鳳」が話題に上ることもなかったでしょうから、管理人さんに書く気を起こさせたら、私の勝ちということで(何の勝負だ?)




#10084 
徹夜城(仕事前にアップ作業を済ませて老いた管理人) 2016/02/05 15:33
「南北朝列伝」アップしました。

つい先ほど、「南北朝列伝」がバージョンアップいたしました。どうもネット環境によっては過去に読み込んだキャッシュを表示してしまうようなので、「変わってない」と思った方は履歴を消すなどの作業をしてください。お手数かけてすいません。

 今回追加されたのは「室町太平記」に登場した「ま」行以後の人たちが中心で、特に山名氏の面々が多いです。ほかに「吉見氏」「結城氏」ついでに「小山氏」も可能なかぎり伝記を追加、細川頼之の母「里沢尼」、頼之に殉じた「三島外記入道」ですとか、明からの使者「無逸克勤」とか(帰国後に官僚になってたとは知らんかったなぁ)、「兼好」とか、変わり種系も交じってます。
 あと、その後分かったことをもとにすでにアップしてある人たちでもちょこちょこと訂正や追加をしてます。

 これで一応「室町太平記」に出した人物はおおむね網羅しました(一部抜けてるのはこちらの事情)。もちろん南北朝時代の人物はまだまだ面白いのがいるんですが、一定の大物ならだいたい網羅したかと。次は古典「太平記」の登場人物を追加していくことになると思いますが、これがまた大変なことになりそう(汗)



#10083 
徹夜城(今日には南北朝列伝をアップする予定の管理人) 2016/02/05 01:06
荘園の匂い

いえ、タイトルに別に深い意味はありません。なんとなく(笑)。

>荘園関係
いやほんt、黒駒さん他の書き込みを読んでて僕もだんだん不安になってきました。つくづく荘園って理解しがたい。そもそも「持ち主」は誰なのか、そこからとれる年貢はいかににして納入されているのか(南北朝にもなると現金やら手形やらもあったようで)。そもそもその「取り分」が複雑なのにどうやって分配してるのか…などなど、考え出すと頭が痛くなります。この辺、ホントのところ日本中世史のプロにお願いしたし。
 下のどなたかの書き込みにもありますけど、有名な「永仁の徳政令」も中学レベルで習う重要事項のくせに実はよく理解できない。よく「借金を帳消しにできる」と説明しますが、正確には「今回のは特別措置だからな!以後御家人は土地を勝手に質入れするなよ!」と釘をさす法令だったという話も聞きます。
 それでいて土地の売買というのも鎌倉時代からちゃんと行われているわけで…今回実は「兼好法師」の項目も書いてるんですが、彼の土地売買証文って残ってるんですね。その売買してる土地の権利関係がどうなってるのか良く分からない。現代中国みたいに建前は土地の私有が認めずその「権利」を売買するような感じなのかなぁ…とおぼろげに考えたことが。


>つねさん
 「室町太平記」の感想、恐縮です(^^)。さすがに発表からずいぶんたちますから、今読むといろいろ直したくなってきますね。
 書き手自身のお気に入りキャラを挙げておきますと、トップが細川清氏、次が楠木正儀、次が佐々木道誉かな。とくに正儀と道誉のあの「ばさら」な名エピソードが書きたかった(笑)。大河「太平記」で道誉を演じた陣内孝則さんもご存じで気に入ったエピソードだそうですが、残念ながら大河の中では時期的に描けなかったんですよね。
 清氏が一位なのは僕の好みの「破滅キャラ」だから(爆)。専門の後期倭寇でも徐海がお気に入りキャラで、こいつも破滅型です(笑)。

 …あ…「鳳」はですねぇ…恥ずかしながらあんな予告を十年以上前に打っといて全然書く機会を得てません。というか、僕がなかなか書く気を出さないからで。
 史料はほとんど押さえてるんで、きっちり読みこんで再構成すりゃいいんですけど、これが手間が半端じゃなさそうで(しかもオール漢文)。それと舞台が日本はおろか中国南部沿岸から東南アジア(カンボジアとフィリピンが出てきます)にまで及ぶため、それこそ「現地調査」が必要ではないか、と思うこともありました。今ならネットで現地を間接取材はできそうですけどね。
 「鳳」はかなり伝記が分かる海賊たちが群雄伝状態、それと明軍の名将たちが絡み、おまけに最後はスペイン軍相手にルソン島で戦うという話になっちゃうんで、面白くなるだろうとは請け合っておきますが…いつ形になるのやら。
 とか、こう書いてると書けそうな気もしてきたような(笑)

>アジアのバカ大将さん
 お気持ちについては理解しますが、書き込みはなるべく冷静に。そもそもこの手の話はそれこそ水と油状態ですから、言葉がきついと単なる罵倒合戦になりがちです。 



#10082 
アジアのバカ大将 2016/02/04 22:21
ここは歴史(事実)を語る伝言板

「案山子」とかいうネト山ウヨ吉が紛れ込んできて、
歴史とは違う、今時秒殺で論破される季節はずれの
「お花畑脳内歴史」をカキコしてから、この伝言板
が荒れたようです。
 管理人さんは、以前から「ウヨッキーは放置プレイ」
主義なので、小生も以前に1回相手にしてやりましたが
今回は黙っているつもりでした。ところが、あらあら、
ネト村ウヨ実やら、ネト川ウヨ介も登場して、脳内歴史
をまきちらし始めちゃいました。安ネト部ウヨ三が
第一次内閣時代、脳内史実を国会でしゃべって、米下院の
慰安婦決議が出てブッシュ大統領に謝罪、世界に
恥をさらしたのを知らない、厨二ならぬ本当の中二
とみられる人が、ここの常連さんにいるのにびっくり。
 事実と脳内歴史の違いをびしっと言ってやらないと
気がすまなくなりました。知的水準の高いこの掲示板を
荒らされ、ファンとして全く迷惑です。
 まず基本的な事実を2つを指摘しましょう。
(脳内歴史)慰安婦は強制連行が無ければ問題ではない
      ↓
(事実)国連人権報告、米国下院決議など国際的に
    問題にされたのは以下の二点
    (1)性奴隷だった
    (2)その性奴隷システムを日本の政府機関(軍)が運営
(脳内歴史)慰安婦問題は日韓基本条約で解決済み
       ↓
(史実) 同条約は慰安婦問題については一切触れていないし、
      話し合いの中でも出ていない。
      そもそも附属文書の日韓議定書で解決したのは
      「財産請求権」。
      日本側は、植民地時代に南朝鮮に住んでいた
      自国民が残してきた財産を返還させようとした
      のですが、これは韓国側がのまず、「相互に
      請求権を放棄する」としました。
>>案山子へ
  韓国がいつ外交カードとして「慰安婦問題」を使ったの?
  「慰安婦に謝罪し賠償しないと〇〇できない」とかいって
  日本政府から、いつ、どんな利益を引き出したの?
  事実の裏付けを教えてほしいね。いってごらん!



#10081 
2016/02/04 20:46
領地は誰の物?

「鎌倉時代中期以降、御家人の生活は窮乏し、領地を売却したり質に入れたりする者が多く現れた」みたいな記述がどこの教科書や参考書にもあると思いますが、そもそも領地を御家人たちが荘園領主を無視して勝手に売却して良いもんなんですかね?御家人たちはあくまで地頭として特定の農地の経営を任されてるだけで、名義上の持ち主は荘園領主なんだから、売る売らないは荘園領主が決めることであって、御家人たちが勝手に土地を売却するのは個人的におかしな感じがするんですよ。荘園領主が持ち主だというの建前に過ぎないことで、実効支配してるのは御家人なんだから、勝手に土地を売却しても文句は言われなかったってことなんですかね。

>黒駒さん
私も以前「院政とはなんだったか」を読みました。大変勉強になりました。まあ、延々と本郷和人氏に対して批判していたところはあまり真面目は読む気がしませんでしたけど(笑)



#10080 
つね 2016/02/04 01:57
そこで室町太平記ですよ

唐突に室町流れに乗ります。実は8月(No.9924)にここで、管理人さんに「室町太平記」をNHKに売り込んでください、と勧めた時には「室町太平記」を読んでいませんでした。興味はあったのですが、文量に圧倒されてまして。勧めておきながらこれではいかん、と奮起して読んだのですが、詳しくない時代だっただけに面白かったです。年末には読み終えました。

二人主人公といっても、義満:頼之の割合は3:7くらいの印象でした。清氏も入れると2:5:3くらいかも。あとは出身の香川県が舞台となる場面が多いのも意外な嬉しさ。宇多津やら坂出やら白峰やらの地名を聞いて、地理感があるのは地元民の特権です。最後まで飽きさせませんでしたが、終盤は予定調和気味に感じました。乱は起きてますが、挑発によるものですから。人物は清氏は見ていて楽しめましたし、山名時氏も老獪に感じました。斯波義将がもう少し目立ってもいいかも。
総合すると「ぜひNHKに売り込んでほしいです」ということになります。ぜひぜひ。

あと「鳳」はどこで読めますか?

ところで南北朝列伝の頼之の項にリンクミスっぽい「ho3.html」という語句がありますので完成版を見たいです。

ネットだと顔が見えないので感情的になりがちですが、実世界に影響がないのだからスルー力も必要ですね。今日の「おまえがいうな」レスです。



#10079 
黒駒 2016/02/04 01:10
荘園制に関して

荘園制に関しては最近話題の網野善彦氏を始め、ある世代くらいまでの日本中世史研究者はみな荘園制の研究に手を染めていますね。網野氏も全集で読むと最初の数冊が荘園制に関する分厚い論考です。戦国時代の研究者も今では政治や外交史のほうがメインになっていますし一般の関心も強いのですが、荘園制それも解体していく終末期の室町期荘園制に関わる村落論も、いまでもほそぼそと研究は続いてますね。「乱世→泰平」ではありませんけど、戦国から近世の時代的転換を理解するのに、やはり土地制度史というのは大きなテーマであるようです。

私は難しい論文をごりごりと時間をかけて読んでいくしかないのではないかなぁと思うのですが、大河「清盛」の年に刊行された岡野友彦『院政とは何だったか』は非常に面白い本でした。いま手に入るのかわかりませんけど。

この本は「院政」とタイトルにありますけど、メインは荘園制ですね。荘園制の確立と展開(そして解体)こそが「中世」という時代であると、そういう本だったと記憶しております。最後に南北朝とも関わる議論がありました。石母田正から安良城盛昭、黒田俊雄の諸氏など、戦後の日本中世史研究のなかで何故「荘園制」がかくも重視されたのかを、マルクス主義歴史学との関わりなど戦後歴史学史のような視点でも書いてますし、中世史研究を通じて近代史の一側面も見えちゃうという、そういう意味でも楽しく読みました。

ただ、私も荘園制はまだまだ勉強中です。石母田正『中世的世界の形成』は一読しましたけど、もう投げ出したいくらい難解でしたし(笑)。



#10078 
徹夜城(一休さんのアニメはほとんど見たことがない管理人) 2016/02/04 00:10
ひとやすみ、ひとやすみ

>バラージさん
 室町時代のイメージ、そもそも映像化の例が少ないわけですが、確かに一番広く知られた映像作品はアニメ「一休さん」かもしれません。僕は主題歌以外は知らないくらいまったく見ていないんですが、あれに出てくる将軍様=義満は金閣にいながら俗体になってますよね。数年前の実写版で東山紀之が義満を演じましたが、あれは結構名君イメージになってました。
 一休は後小松天皇の御落胤、という話にもドラマでは触れてて義満が承知してる設定でしたが、その後小松に義満の「御落胤」(!?)の疑惑があったりするからややこしい(笑)。
 そうそう、「大王の夢」ですが、前に原題を調べた限りでは直訳のようです。


>USBさん
 初めまして。こちらがきっかけで大河「太平記」にハマっていただけたとしたら嬉しい限りです。こうやってずいぶん昔から南北朝教布教につとめておりますんで(笑)。
 荘園制尾ですか…ありゃ、僕もずいぶん頭を悩ませました。ここでは南北朝関連が多いから僕が日本史畑だと思ってる方も多いようですが、僕自身の史学科での専攻は「東洋史」でして、どちらかというと中国史の枠組み(特に明代)で勉強してきたものですから、日本中世の荘園制って初めのうちは「わけがわからん」状態でしたよ。それからいろいろ本を読んで勉強したつもりではありますが、専門ってわけでもないのでうっかり説明すると間違ったことを言っちゃうかもしれません(汗)。僕なりの理解、ってことでよろしく。

 少し前にこの伝言板で話題になってた日本と中国の社会比較に関係することですが、実は村落の在り方ひとつとっても全然違うんですよね。戦時中に日本側の研究者が中国で実地調査やって、「中国に(日本的なイメージの)村落共同体はない」とか結論したってな話をその昔どっかで聞いたような。
 僕自身は海の上が専門で「陸(おか)の上のことはしらん」とか言って農村やら租税やら支配体制やらについてはあんまり深く勉強してこなかったんですが、どっちかといえば中国の村落の方がまだ理解できる…かな。かえって日本の中世以前の村落の方がイメージがピンときていないところもあります。



#10077 
バラージ 2016/02/03 23:53
室町時代のイメージは

 僕の室町時代のイメージはアニメ『一休さん』で形作られたように思います。なのでかなり子供のころから戦国時代・江戸時代(時代劇による)と同じくらい室町時代のイメージはあって、アニメの印象から結構平和な時代というイメージでした。あと、女性の髪形が普通の時代劇(江戸時代)と違うというのも印象に残ってます(ロングヘアというか今の時代の髪形に近いというイメージ)。子供のころに家にあった学習百科大事典みたいなものの冒頭のカラーページに各時代の有名人物が2ページずつ載ってたんですが、その中にも足利義満は載ってたんで(尊氏は載ってなかった)、『一休さん』の将軍様と合わせて強く記憶してますね。まあ、僕の世代特有のものかもしれませんが、今のイメージだとなんでしょうね? やっぱり金閣寺とかなのかな?

>『大王の夢』
 この邦題、最初に聞いたときはちょっと笑っちゃいましたねえ。「なんだよ、大王の夢って(笑)」と思っちゃいました。

>清原とかSMAPとかいろいろ
 今年は年初から芸能関係で暗いニュースが多いですねえ(清原は芸能ではないけど、まあ)。明るいニュースもあるんだけど、暗いニュースのほうが強烈すぎて……。

>ドイツの戦争責任認識
 さんざん紹介してるドイツ映画『顔のないヒトラーたち』(東京では昨年10月ごろに公開されてたようですね)の解説群で紹介されているドイツ首脳の言葉を引用しておきます。
・2015年1月、アウシュビッツ解放70年目の追悼式典でのヨハヒム・ガウク大統領の言葉。「アウシュビッツについて思いを馳せることなしに、ドイツ人のアイデンティティーはあり得ない」。
・同じく2015年1月、ナチスに虐殺された被害者の追悼式でのメルケル首相の言葉。「私たちドイツ人は、恥の気持ちでいっぱいです。何百万人もの人々を殺害した犯罪を見て見ぬふりをしたのはドイツ人自身だったからです。私たちドイツ人は過去を忘れてはならない。数百万人の犠牲者のために、過去を記憶していく責任があります」。



#10076 
USB 2016/02/03 21:55
初めて書き込みさせてもらいますが、よろしくお願いします

初めまして。何がきっかけでこちらのサイトを拝見するようになったかは全く覚えていないのですが、大河ドラマというか時代劇そのものに全く興味がなかったのに、おかげ様で「太平記」というドラマにすっかりハマってしまいました。すごく歴史の勉強にもなって、大変感謝しております。私は今更になって歴史に興味を持つようになって山川出版の日本史Bの教科書を買って必死に読んでるような情けない人間で、教科書を読んでもイマイチ分からないことがいっぱいありますが(特に荘園関係)、もし皆さんがよければいろいろと質問させていただきないと思っています。良く分からないですが、今こちらの掲示板がいろいろ荒れてるみたいで、このタイミングで書き込みし辛いのですが、そこは敢えて勇気を振りしぼって書き込みさせてもらいました(笑)。今後ともよろしくお願いします。



#10075 
徹夜城(なんだかんだで20年はHPやってる管理人) 2016/02/03 10:35
そこまで啖呵を切られますと

 もう来ない、というおつもりなのかな。だとするとこの書き込みもあまり意味がないでしょうが。
 去り際に、のおつもりなんでしょうが、捨て台詞としか言いようのない投稿は消させていただきました。そのほかの片へのお返事は冷静であったのは幸いですが、それだけ僕へのお怒りが大きかったということでしょうね。
 別の話題を書き込んで流そうとした、それははっきり認めます。それを卑劣と言われようが不誠実と言われようが甘んじて受けますよ。こちらはこの伝言板を十ウン年も管理してきて、基本的に伝言板の平和維持の方を優先してますから。この伝言板にもいろんな人が出入りしてますし、求めてる話題だって多種多様です。何か一本の方向に集中しがちで空気がすさんでくるようであれば管理人としては空気の入れ替えくらいはしますよ。
 「えこひいき」ととられるのははっきり言って心外ですが、あなた個人がそうとられたのなら仕方ないでしょう。本音を言えば僕自身今回の件ではどちらの主張にも異論がありましたし、きっかけとなった件については「史点」で言いたいことを全部言っちゃってるんでここに改めては書かない気でいました。そもそもバラージさんの最初の書き込みもむしろ僕の「史点」の文への異論を含んでいたように思います。

 「史点」で書いた話にも触れますと、この合意自体は僕は評価してます。それと、なぜこの合意が日韓双方で電撃的に成立したのか、裏事情をもそっと深く考えた方がいいと。韓国側がせっぱつまって…と巷間ささやかれる言説じゃ日本が乗った(それもあの安倍さんが)ことの説明がつかなくなります。で、結果として日韓どちらも支持率上昇だったりするわけで、韓国内の事情についても当然いろんな勢力や意見があるわけですから、単純にひとくくりしちゃいけません。



#10073 
アブダビ 2016/02/03 08:11
黒駒さん有り難うございました

私もここで遊べなくなるのを覚悟で書いているので、先に貴兄にお礼をお伝えしておきたいのです。
冷静で温厚なお人柄の伺える御返事を何度も頂き、有り難うございました。
黒駒さんの動物考古学は、歴史と科学が密着した話になるので、とても新鮮でした。もっと色々と御教授頂きたかった。

案山子氏は他のサイトで知人で、オフ会で当人に会ったこともありますが、その彼が、黒駒さんが途中で間に入ったから、あの後で拳を振り上げるつもりだったが 止めたよ…と申しておりました。

文の上でしかお付き合いありませんが、
皆に尊敬される長老の風ある方と思います。

今まで有り難うございました。



#10071 
アブダビ 2016/02/03 07:48
全面的につね様を支持します

版を他記事を重ねて、この炎上しかけてる内容を「流そう」という意図が透けて見えます。
だから私も連投させてきただきます。

強制連行等の「曖昧な事実」「物証の無さすぎ」などについては、既に、つね様が書いてくれたし、無名氏も指摘の通りです。
状況証拠ではなく「物証」を!
これは裁かれる立場なら当然の要求で、
きちんとした証拠を提出させずに断罪を「お前らが悪だから、全て呑め!」と押し付けてる部分があります。
実際、被害者を称する人にも「証言の怪しい人」が含まれますしね。

そして被告・原告の立場を分けろ!
と言われましてもね。
政治問題として、世界中で告げ口外交したり、別な日本の計画を問題を絡めて足を引っ張り続けてきたのは韓国ですよ。
今回の件でも、中国への輸出減と中国の追い上げで経済が疲弊して、日韓通貨スワッブの再開を懇願する過程で、「合意」の話が加速してます。

別々に考えろなど、現実には到底に不可能です。

そして、この際だからはっきり書かせて頂くと、管理人さんの態度事態に、明らかに政治的見解の違いによる「えこひいき」が観られますね。
自分と似た意見のバラージさんを暗に認めて、つね様の怒りについてはスルー!
しかも日頃から「歴史修正主義」がどうのと、バラージさんを煽りながら、直接にはバラージさんを庇おうともしない。

そんなもんでないと思うのですけどねぇ…コメントしてますが、だったら「何がそんなもんでない」のか、書いたらどうです?
カキコする気力が無かったとコメントしながら、記事を流すために、同日に二本も長文を寄せてるんですから!

私は、つね様に全面的に賛成ですが、バラージさんのご意見は、ヒトそれぞれとして傾聴いたします。
間に入って宥めてくれた黒駒さんの人柄といい。
だが、今回の件を観るに、管理人たる徹夜城氏は卑劣で卑怯な男だと思う。




#10070 
つね 2016/02/03 01:04


感情的になって未整理のまま書き込んだのは確かですが、結局のところ、水と油であってお互いに同意することはないでしょう(だから政治は掲示板では向かないというのが持論ですが乗りかかってしまいました)。その上で私の考えを述べます。国家と政府と国民を区別するのは一つの考え方であっても、もともと完全に分けるのは無理な側面があります。「謝罪しろ」といっている対象は個々の私人ではなく国家だ、といっても、祖国を「侮辱されて」個人差はあっても不快に思う個人がいるのは不思議ではないでしょう。つまり国に対して謝り続けろ、というのは国民感情を害する恐れがあります。現状、そうなのではないですか。
ただし、謝らなければならない事実が実際にあれば、大半の人はそれを当然とするでしょう。先ほど「侮辱されて」と書きましたが、(無名氏も書かれていましたが)慰安婦の問題は事実関係が曖昧な部分も含めて認めろ、と言われるから解決が難しくなっています。(前回はあえて踏み込みませんでしたが)強制連行に関しては、証拠、証言、証人すべてが不確かで特に(廃棄、焼却はあっても)物的証拠が0というのは、歴史的事実と認めるには不十分です。もちろん当事者が不幸な目にあったことには同情すべきですし、時間が限られてもいますが、「事実かどうか分からないことについて謝罪しろ」というのは違うと思います。ましてや「相手が納得するまで何度でも」はあり得ません。この点で慰安婦の方と合意が得られる見込みがないから政府同士の合意ということになるのでしょう。
あとドイツに関しては、基本的にナチスに責任を押し付けているので、「他人の犯した罪について謝る」ということで心理的負担が軽いのではないでしょうか。思い込みかもしれませんが。



#10069 
徹夜城(このサイトには実は高校野球を扱うコーナーがあるんだと宣伝する管理人) 2016/02/03 00:51
KKコンビも幾星霜

 ついさっき、ニュースで知りました。清原和博、覚せい剤所持で逮捕だそうで。
 う〜ん、清原個人については正直あまり好きではないんですが、その高校時代のスーパースター時代(僕は取手二高の地元ですからね)からリアルタイムで見てきた世代として、いろいろと感慨深いというか、あれこれ思いをめぐらしてしまいます。水島新司ファンとしても残念。


>黒駒さん
 南北朝とつながる話で、室町時代ってのも世間一般ではなじみがなく、これがまた戦国→江戸との比較になってしまうんですよね。南北朝時代が終わっても延々戦乱やってるじゃん、ってイメージが強いと思うんです。室町幕府自体が守護大名が強い、全国政権としては弱体…と何かといわれてしまうのが、南北朝のイメージにも響いてるところはあるかな、と。
 江戸幕府と室町幕府を単純比較されてもなぁ…それぞれに時代背景、歴史的経緯を抱えたうえでああなってるわけで、どちらが上とか下とか言い出す人が結構いるんで困っちゃうわけです。あまつさえ…以前「私本太平記」がコミック化された際に結局打ち切りになっちゃってそのエンディングが「戦国時代へつながる」ってな終わり方(一応連載誌が戦国武将列伝だったとはいえ)だったように、「プレ戦国」くらいに扱われてしまうのがまた哀しいところで(^^;)

 まぁいろいろとっつきにくいのは理解できるんですよね。戦国大名みたいに勢力圏を図示することすら困難ですし。「国」レベルでその中にいろんな勢力がそれぞれに旗印を掲げてそれぞれの都合で旗幟を変えて戦っちゃうし、そうした勢力がなんかのはずみで大軍勢になって戦国期にもなかなかない大移動やっちゃったりするし、公家や寺社勢力もまだまだ強いし…とまぁとにかく複雑です。「国盗り物語」のようにはいかないし、「竜馬がゆく」みたいな志がどうのという人もあまり見当たらない。司馬遼太郎が徹底して敬遠したのもわかります(笑)。それがまた南北朝関連の商売があまり成立しない傾向に拍車をかけたような気も。

 まだアップしてませんが、「南北朝列伝」で今回「山名氏」の面々の列伝を書いたんです。この一族に関していえばのちの戦国大名に通じるところがかなりあるなぁ、と思いながら書いてました。すでにアップしてるのはたった一人「山名時氏」ですが、彼なんか一代で成り上がって山陰を実力で切り従えた「国盗り大名」ですもんね。その息子たちがまた結構つわものぞろいでさらなる領土拡張をするんだけど、かえってそれが一族内の内紛を生み、義満につけこまれてしまう、という筋書きは「山名氏」連中の列伝書いてると涙なくしては書けない気分惟なったりして(笑)。


>バラージさん
 「奇皇后」は完全に面白さ優先ですね。いま半分くらいまで見ましたが、確かに先が気になりますもん(笑)。でも毎回オープニングで断ってるように「素材にした創作であって、実在の歴史人物とは違います」という内容ではあります。東映のトンデモ時代劇映画を大河でやってるような感じかな。
 一方でふくらましもずいぶんあったけど「太祖王建」なんかは結構地道にいい出来でした。僕自身がもともとあの時代にのめりこんでたせいもありますけど、元の史料からあそこまでドラマでふくらますか、と感心もしました。
 いま「大王の夢」も見てるんですが、これは新羅の王になる金春秋が主人公で新羅による統一が成る過程を描いたドラマです。同時代を熱かったドラマは多く高句麗・百済から見たものもありましたが、金春秋を主役にすると面白いのはこの人、日本も高句麗も唐もホントに行っちゃってるという点なんですね。金春秋の目の前で中大兄が蘇我入鹿を殺したりしてましたから(笑)。まぁ数年のタイムラグくらいすっ飛ばしてしまえ、ってことなんですけどね。終盤には白村江の戦いもあるようなんで楽しみにしてるところ(ただ古代日本の美術考証だけはなんとかならんもんか)。

 中国史ドラマは数が多すぎて追いきれないでいる現状なんですが、いま民放BSで「岳飛伝」やってるんで録画してます。いつ見られるかわかんないですけど。「後宮の涙」がようやく見終わりそうな昨今。
 あくまで印象なんですが、明代ものは堅実というか地味なのが多い気がしますbねぇ。




#10068 
バラージ 2016/02/02 22:16
中華圏&韓国の歴史ドラマ

 韓国歴史ドラマについてはあまりくわしくないんですが、中華圏(中国・香港・台湾)歴史ドラマについてはどんなものがあるか多少はチェックしております。観ることはほぼないんですが、レンタル店で新作をチェックするのが結構好きなんで。
 中華圏の時代劇(武侠ドラマなど)にしろ韓国の時代劇にしろ、やはり娯楽優先で時代考証とかは多分あんまり考えられてないんでしょうね。日本における韓国時代劇ブームの先駆けになったと同時に最大のヒット作でもある『宮廷女官チャングムの誓い』も、主人公はほぼ創作で史実的にはおかしなところもあるようですが、まあドラマはあくまで面白さが第一ですし、韓国や日本だけでなく世界各国でヒットしたようですから別にそれでいいんでしょう。それどころか最近では歴史ドラマでも娯楽優先でわりと自由奔放に作っちゃったドラマも多いようで、NHK-BSでも放送されていた韓国ドラマ『奇皇后』なんかは、史実を離れて自由に話を展開させるためか、主人公以外の人物はみんな架空の人物にしちゃってます。
 中国ドラマでも同様で、歴史上の人物や展開を大胆に改変しちゃったもの(『美人心計』『後宮の涙』『蘭陵王』)、主人公を架空の人物にして歴史上の人物を周辺人物にしたもの(『春秋炎城』『二人の王女』『王の後宮』『宮廷の錚い女』)、タイムスリップもの(『宮廷女官 若曦』)などが花盛り。あまりの史実無視ドラマの氾濫ぶりに役所の規制がかかったそうなんですが、テレビ局側は視聴率のほうが大事というわけで規制の抜け穴を狙ったより突飛なドラマが作られることに。『続・宮廷女官 若曦』は前作で清朝にタイムスリップした女性が、戻ってきた現代で輪廻転生した清朝の人々と繰り広げるラブストーリーに早変わり。このアイデアには感心してしまいました。もっとすごいのが『王の女たち もうひとつの項羽と劉邦』というドラマで、なんと項羽も劉邦も出てきません(笑)。彼らをモデルに名前はすべて別人に変えて、自由にお話を展開しちゃうというなんともキテレツなドラマだそうです。

 大人気と言われる日本の戦国時代にしても実は信長以後の安土桃山時代が大半です。一般向け戦国本なんかではそれ以前は応仁の乱・北条早雲・毛利元就・武田信玄と上杉謙信ぐらいで、全体の4分の1程度しか分量を割かれていません。残り4分の3が信長以後というくらいに偏りがあるんですよね。歴史映像名画座も安土桃山が戦国の倍くらいありますし。
 中国の三国志ものなんかは逆に諸葛亮が死ぬまでという三国時代の前半部分がほとんどで、後半部分はほとんど描かれません。全体的にも結構偏りはあって、殷周はほとんどファンタジーの封神演義ぐらいですし、後漢も末期を舞台とした三国志を除けばほぼなく、宋(遼・金・西夏)もほぼ架空の時代劇の水滸伝や楊家将ばかり。乱世でも人気のない西晋五胡十六国南北朝とか五代十国に至っては史実準拠ドラマはほぼ皆無ですからね。



#10067 
2016/02/02 20:08
イスラム・・・

宗教色の強い、世俗化されていない、後進国、つまり、同じ権威を信奉するお仲間を探す他に、今のイスラム国が生き延びて行く道は無いと思います。彼らの国土国境を、先進国である欧米が決めた領域は認めない、というのは、よくよく見れば、世界戦争による人口の減少と、世界の再編を考える権威的教団と同じ主張であって、反欧米の保守が考えそうな主張に過ぎない、と自分は思います。

そうすると、反欧米じたいが、時代錯誤な主張と迷い道に陥るタブーなのかも知れませんね。諸兄は、韓国の事で語られていますが、謝罪を重ねても、時代が下っても、民間の反日の芽は収まらない、と思います。慰安婦問題は、安倍首相が政治利用しているのではなく、フェミニストの拠って立つ砦であって、日韓双方の火種は、インテリが主導しているものなんですかね?いずれにしても、慰安婦問題という蓋があって、日本の行動はウォッチされている、のは事実だと思います。



#10066 
黒駒 2016/02/02 19:13
乱世と泰平と

管理人様。返信ありがとうございます。私もこの問題をその後、詳しくは調べることを怠ってはいるのですが、戦国から近世にかけて、実際にどうあったかは別にしても徳川幕府が、特に家康の神格化に伴い、家康の偉業により泰平の世が訪れたという演出はしていたようですね。

今日の時代劇の前提には近世期の文芸であるとか演劇があって、それらはお上の検閲を受けていたわけですから、乱世→泰平という歴史観が幕府権力により奨励されていた背景があるのではなかろうかと、そんなことも考えました。近世文学への影響はそのうち調べてみたいテーマです。

南北朝に関してですが、やはり尊氏一代記の大河『太平記』で50回、そこから南北朝合一までで50回と、乱世→泰平という構図で語るには時間が足りないのが、この時代をわかりやすい物語として語りにくい要因ではないでしょうか(笑)。

『室町太平記』の時代にしても後醍醐天皇や楠木正成・新田義貞といった著名人はすでに亡く、尊氏や道誉にしても晩年ですしね。戦国は乱世→泰平という物語と信長・秀吉・家康という極めて著名な人物を中心に描けることが、ポピュラーな要因であるのかなぁと思います。

もし仮に「乱世」が家光とかそれ以降の時代まで持続していたら、当たり前ですが今日われわれが知る物語とはかなり異なっていたでしょうね。



#10065 
徹夜城(歴史映像名画座の作業もぼつぼつとやってる管理人) 2016/02/02 00:47
「時代劇」「歴史劇」の時代感覚

 振り返ってみたらここ一か月近く僕は書き込みしてなかったんですね。それで読み返しておりましたら、その時読んでいてレスをついついしそこねた話題がありますんで、今さらですが書き込みます。
 #10028の黒駒さんの「時代劇の時間感覚」という投稿へのレスです。

 実はちょうどその書き込みを見る直前に、ネット上経由で人が紹介してるのを見たんですが、「風雲児たち」のみなもと太郎さんが若い頃に京都の時代劇映画オープンセットでバイトをしていた時期(一部紹介しか見てないんで東映なのか松竹はたまたそれ以外かは不明)、さすがにすでに歴史に詳しかったみなもとさん、そこで撮ってる時代劇が寛永だろうが元禄だろうが天保だろうがみんなおんなじセットでやってるんで「それはおかしい」と思い、そのセットの「主」みたいなスタッフのオジサンに聞いてみたことがあるんだそうです。そしたらその答えが「アホか、おまえ、こりゃ時代劇時代じゃ」というものだった、という逸話で。
 その直後に黒駒さんの書き込みを見て、ああ、この話と通じる者が、と思ったんですね。

 江戸時代を挟む前後でも、戦国→安土桃山ものは戦国が「徳川の平和」へ収斂していく過程、というお約束がある。そして幕末ものも近代国家明治に至るというお約束、というか史実であるわけですけど、それが決まってるんでみんな安心してみていられる、という構図はあるように思います。
 それを言ったら源平も、のはずなんですけど一つには昔ほど源平になじみがなくなってしまった…というのはあるのかな。その昔は全然関係ない芝居で観客が飽きてくると唐突に「義経」が乱入する、ってな無茶があったと聞きますが、それだけ義経がヒーローとして定着してたわけですね。似た話として芝居小屋で忠臣蔵かけるとたちまち盛況、ということもあったらしいですが、今日ではいずれもなじみが薄くなってしまいました。
 そういうこともあって戦国・幕末ループになってしまうのでしょうけどねぇ…知ってる人、知ってる時代を見る安心感というのはあると思うんですが、どーも南北朝マニアサイドからするとグチグチとこぼしてしまう(笑)。南北朝はいろんな意味で『安心感」に乏しいです。まぁ戦前にヘンなゆがんだ形で「誰でも知る定番」になってる状態よりはマシかもしれませんが。

 そこいくと韓国や中国のドラマは幅広い時代をやっててうらやましくなります。もっとも韓国もちょっと前までは李氏朝鮮時代ばっかりで、高麗以前に手を出すようになったのは割と最近なんですよね。中国の場合はそもそもああいう大河ドラマみたいのをバンバン作るようになったこと自体が最近の話であるわけで。中国も三国志や項羽と劉邦みたいな「定番」は飽きずに何度もやってますしね。

 「歴史映像名画座」のために僕もずいぶんネット上でいろんな国のをチェックしてますけど、それこそ一生で見きれるだろうか、というぐらいあっちゃこっちゃで作ってるんですよねぇ。それもどこでもTVドラマの長いやつを作るようになってきたんでチェックが大変。
 いまインドの歴史ドラマ「チャーナキャ」っての見てるんですよ。マウリヤ朝を建てるチャンドラグプタを見出し育てた策謀家(?)、俗に「インドのマキャベリ」なんて言われる人物が主人公の大河ドラマです。アレクサンドロスがインドに侵攻してきたりして、そこらへんは面白いですね。なぜかきっちり英語で話すアレクサンドロス(笑)。


>ここ一連の…
 黒駒さんがすでにお書きですが、僕も少々受け取り方のズレがあるように感じてます。ちと一部に糾弾調ととられかねないものもあるように感じますが、そもそもそういうことだっけ?と僕は思いましたけど。



#10064 
バラージ 2016/02/01 23:53
再び史点

 まず、この手の加害と被害の問題では、感情的になって国と政府と個人とをごっちゃに考えてしまう人が多いように思います。そこは分けて考えることが必要でしょう。
 個人レベルなら、慰安婦の方に対して僕だって安倍首相だって当然ながら責任はありません。責任があるのはかつての「加害国」としての「日本」であって、安倍首相にしてもかつての村山談話の村山首相にしても個人としてではなく、かつての加害国の首脳として謝罪しているわけですし、ドイツの歴代首脳たちにしてもそうでしょう。謝罪し続けなければならないのはあくまで「国」及びその代表としての首脳であって、その時代に産まれていない個人が謝罪し続けなければならないわけではないし、被害者側もそんなことを求めているわけではないと思います。
 また、謝罪を受ける側の韓国についても、政府と慰安婦と一般国民は分けて考えるべきです。だからこそ慰安婦は政府の交渉に納得せず、最初は容認気味だった国民も慰安婦が納得していないならと否定的に傾いているわけです。結局、1番大事なのは慰安婦の方々の気持ちの問題であって、そこが解決されない限りこの問題は一歩も進展しないでしょう。
 そもそも日本が政府レベルで謝罪したのはこれが初めてで、それは前の世代の政府が謝罪してこなかったからであり、その負債が今に及んでいるわけです。ようやくの最初の一歩であって、いきなりこれが最後というのは納得されなくて当然なのではないでしょうか。また謝罪し続けることが回り回って結局は日本のためになるのだと考えます。

>徹夜城さん
 なるほど。「不可逆・最終的」というのはそういう意味での韓国側からの要請という話もあるんですね。つまりは謝罪というか歴史認識の最低ラインとして、それ以上後退させないラインという。それだったら腑に落ちると言いますか、あれくらい踏み込まないと韓国側は合意しないでしょうね。

>後南朝小説
 後南朝を扱った歴史小説だと、安部龍太郎の『彷徨える帝』がおすすめですね。歴史小説というより伝奇小説に近く、作者の心情的にやや後南朝に寄りすぎているような気がしますが、小説としては面白かったです。



#10063 
黒駒 2016/02/01 23:17
あまり言及したくありませんが

あまり言及したくない話題ですが、バラージ様のご発言の趣旨は韓国政府と日本政府の「和解」と、実際の「被害者」である慰安婦との和解を峻別するとの論旨であろうと、私は思います。その上で、ある時期の韓国政府と慰安婦との間の感情的軋轢も指摘されていますし、そういった論旨の上で「被害者が納得するまで謝罪する必要がある」とおっしゃられているわけですから、反論があるにしても、その部分だけ取り上げた批判は、如何なものかと思うところもあります。



#10062 
アブダビ 2016/02/01 22:01
バラージさんへ

韓国の世論は「千年許さない!」との発言が喝采を浴びてましたよ。
我々は1000年、謝り続ける必要があるのですか?



#10061 
黒駒 2016/02/01 15:58
「島嶼化」について

お尋ねがあったので簡単に。日本における家畜ですが、おおむねすでに家畜化された動物が移入されたと見て良いのではないだろうかと思います。日本列島で家畜化が進行した動物の話はちょっと知りません。

日本列島でもっとも古い家畜は犬で縄文時代にはすでにいますけど、犬はかなり資料が豊富にありますね。時代が進むについて体高につれ体高は低くなっていきますから、「島嶼化」は起きているのかもしれません。

ブタに関しては縄文時代にイノシシの飼養ということが行われていて、半飼育状態にしていることはあったようですね。このため日本列島内でイノシシが家畜化されブタになったとする説もあるようですが、ただ弥生時代のブタは明らかに日本列島にいるイノシシよりも大きいサイズとのことですから、ブタに関しては逆にイノシシの島嶼化が起きていないことが、大陸から渡来した根拠になっているのだろなと思います。ブタに関しては完全に議論が決着していないようですが。

馬に関しては古墳自体の馬の体高ってわかってないと思います。歯しか残らないのですよね。中世・鎌倉時代から全身骨格が出て体高がわかってきますから、「島嶼化」はわかりにくいかもしれません。

ヒトに関してはまったく知識がないのでさっぱりわかりません。戦後の日本人の身長が飛躍的に伸びているように、「島嶼化」は起きているのかもしれませんが、食生活とか生活習慣の変化などが影響しているかもしれませんから、単純に「島嶼化」だけでは判断できないのではないか、などと想像します。

ちょうど地球温暖化の議論のように、二酸化炭素の温室効果と地球的な「寒冷化」が同時進行に進んだら、どっちに転ぶかわからないような出来事ではないでしょうか(笑)。



#10060 
案山子 2016/02/01 15:04
もう良いから…と半島が言う保証は?

バラージさんの言われるお話は、日本人が戦争に全く責任のない世代まで、謝り続ければ、むこうは「もう良いよ」と言ってくれるから、それまで謝り続けましょう…という話ですよね?

極論、「もう良いよ」と先方が満足する保証は奈辺に有りますか?
そんなもの何処にも無いのでは有りませんか?

半島、日本人の「人格、品格」の程度は置いておいて、これは「外交問題」であり、国家同士のお話です。
どこの国の政府も、自分の国民を喰わせねばならず、国の自立性を守らねばなりません。その為に権謀術策を用いて、時に相手の寝首を掻いてでも、自国の権益を守らねばなりません。

韓国という国の為政者が、こんなカードを捨てますかね?

だいたい「慰謝料」に相当するお金を3億ドルも受け取っておいて、それを着服して、財閥の為に使ったのはボスに大統領の父親ですよね?
それが慰安婦に全く支払われなかったことが、ここまで拗れた原因ではないですか?
そんな国を信用できますか?

謝り続けて、相手も感動して許してくれた…
それは最も美しいドラマでしょう。そのシーンを前提に外交方針を立てるということは「最良の結末を前提に方針を立てる」ことに他ならないと思います。
外交は「血を流さない戦争」と外交官だった佐藤優氏も言われてます。
「最悪の結果」を前提に方針を立てるのが筋なのでありませんか?
つまり「彼らは永久に自らの都合で、この問題を繰り返す」とみるべきでしよう。

慰安婦の方々にしても、彼女らを交渉の席に座らせる?
戦後、ずっと怨念を抱いてきた人を加えても、話が情念でぶち壊されるだけです。たから両政府が解決すべきなのでないですか?

曰く「世に最も救いがたいものとは、善意の善人という存在である」





#10059 
徹夜城(仕事の時節柄多忙なんだけど南北朝列伝作ってたりする管理人) 2016/02/01 10:16
気づけば2月。

ずいぶんこちらを放置してしまいました。眺めてはいたんですけどね、なかなか面白い話も出ておりましたし。ただこちらが反応書き込みするほど心理的余裕がなくって(汗)。

 国とヤクザとの比較まで組み込んだ「国家論」なんてのは、そもそも「倭寇の海上王国」みたいなのを研究テーマにしてる僕にはすっごく喰いつける話なんですよね。ただそのぶんうかつなことが書けない。なまじ専門の話ってのはフットワークが軽くないんです。
 鄭成功の台湾における政権だって、父親の代から考えりゃ海上ヤクザの延長上にあるわけですしねぇ。それをさかのぼると林鳳、さらにさかのぼって王直まで行きつくと思ってるんですが、しばらく倭寇業界から離れてると語るのにリハビリが必要で(笑)。
 ただいまは「趣味」の方である南北朝列伝の作業にも入れ込んでおりましてね。あとちょっとで「室町太平記」に出た人は網羅できるんです。それに搦めて各一族をまとめてるんで手間がかかってますが、今度の作業が終わると南北朝の「有名どころ」はだいたい押さえられると思います。まぁまだまだ面白い人がいっぱい手つかずで残ってますけどね。


>ひじりさん
反応が遅れてしまい、申し訳ないです。ご紹介の漫画、全然知らなかったのでさっそく注文してみました。
まだ届いてないですけど、作品紹介を見る限りでは「後南朝」ネタのようですね。最近小説でも「吉野太平記」だったかな、そういうタイトルで何だろう、と思ったらそっちの話題だったことがありました。
南朝そのものより後南朝のほうがロマンをかきたてる、ということなんでしょうか。


>アジアのバカ大将さん
 お書き込みの指摘自体は正しいと思ったんですが、細かいところでホームズの件で訂正を。
 ロンドンのアヘン窟が出てくるのは「唇のねじれた男」という作品です。ホームズシリーズでは僕も1位か2位に挙げちゃう一本(確か子供のとき最初に読んだホームズにこれが入ってて衝撃を受けました)。
ワトソンの友人がアヘン窟に入り浸っていて、それを「救出」に行ったらそこにホームズがいて…ということで話が始まるんですよね。確かに当時のロンドンでもアヘンは害は指摘されながらも非合法ではなかったわけです。
ついでにいえばホームズもコカイン中毒でしたよね(笑)。ワトソンは医者の立場で忠告はしてるけど、止めることまではしないと。この辺はさすがに21世紀版「シャーロック」でもそのまんまではやれません。

 麻薬話で連想ですが、映画「ゴッドファーザー」では主人公のファミリーは麻薬には手を出さないようにしてますね。理由は一応「酒や女は人間が求めるものだが麻薬は違う」という理屈で。しかし他のファミリーが麻薬に手を出していくなかで一人孤立してたら抗争になっちゃう。
 各ファミリーのボスの集会で「うちの組は麻薬を売るが、学校周辺は避ける。黒人どもに売るか」なんてセリフもありましたっけ(汗)。


>バラージさん
 「史点」の件、ちょいと補足しておくと、一部報道によれば「最終的・不可逆」という文言は韓国側からの要請だったという話がありました。つまりあちらからすると植民地時代のこととか日本の政治家などでいわゆる「妄言」が繰り返されてややこしくなる、という意識があるようで、むしろそっちに釘を刺したい意識もあったみたいです。
 この件はどうも双方で感情的な反応を起こしやすいのですが、とりあえず日本人としては謝罪うんぬんというより過去に「いろいろあった」という負の面から目を背けずに意識しておくことだけは必須、と思ってます。



#10058 
アブダビ 2016/02/01 09:02
つねさんへ全面的に賛成です

自らの意思選択の及ばなかった事について、責任の所在はないはずです。
子々孫々に謝り続けなければならないなど、私は絶対にお断りです。



#10057 
2016/02/01 08:55
その問題はおやめになったらいかがですか?

バラージさんが半島の被害者もしくは被害者を名乗る人々に対して同情的なこと、道理から話をされていることは解りました。
ただ、この問題は韓国の民間と官が、「この件に関しては…」と、信憑性の疑わしい発言まで、きちんとした証拠を揃えずに「お前らは悪なんだから全部飲め」と押し付けている部分がありますね。それに嫌気がさしている国民も少なからずいます。
客観的に観ても、この問題を盾に圧力をかけてきていた朴政権は、失策に失策を重ねたあげくに、やはり日本の金がいる…、アメリカに見捨てられるわけにもいかない…と、失策の尻拭いの為に解決を進めようとしてるのが歴残です。
少なくとも共感を持てるような展開で、進んでいないですよね?

このスレを政治版にして、炎上させたいのなら止めませんが。
私は貴方の冷静なコメントが割りと好きですので、事態が決着し終えて、熱が冷めるまで控えることをお勧めいたします。




#10056 
つね 2016/02/01 02:28
さすがにカチンときた

私は自分が保守的だと自覚していますし、人それぞれだと思っているからあまり他の人の見解に意見はしませんが、なぜ子孫代々謝罪しなければならないのでしょうか。責任と言うのは、その人の行動によって左右できることに対してのみ生じると思います。いつから連座制が復活したのでしょうか。
(本音を言えば、加害者被害者の立場すら怪しいと思っていますが、そこの議論には立ち入りません)



#10055 
バラージ 2016/02/01 00:07
史点

 安倍首相が慰安婦協議であそこまで踏み込んだ(日本軍の関与を認めた)ことは意外だったし驚きでもありました。もちろん認めて当然のことだし、認めないよりは認めるほうがずっと良いのですが。ただその一方で「最終決着」的な要求はいかがなものかとも思うんですよね。なんだか「ここまで認めてやるから2度と言うなよ」と言ってるみたいで、そういうのは加害者側が言うべきことじゃないんじゃないかなぁ。被害者側が「もういいよ」と言ってくれるまでは謝り続けるのが筋なんではなかろうか。「子孫に謝罪し続けさせないため」というのも、結局被害者のことは何も考えてないじゃん、というように聞こえてしまいます。肝心の慰安婦を蚊帳の外にして、韓国政府との話し合いだけで済まそうとするのもなんだか不誠実に感じられてしまいますし(被害者はあくまで慰安婦であって韓国政府ではない)、慰安婦の不満は韓国国内の話だからと韓国政府に丸投げするというのもちょっと無責任な話です。慰安婦もそう簡単に韓国政府の説得に応じるとは思えません(慰安婦は韓国国内でもある時期までは対日協力者かつ娼婦と見なされて蔑視されてきた歴史があるため、韓国政府や社会に対する不満もあるはず)。
 先日観たドイツ映画『顔のないヒトラーたち』(原題「沈黙の迷宮の中で」)のパンフレットにある解説によると、ドイツではいまだに首相がことあるごとに被害国に謝罪し、犠牲者に追悼の意を表明しており、ナチスの犯罪を批判し被害者に謝罪することが国是になっているとのこと。また、周辺諸国と虐殺の犠牲者数や慰安婦の数で不毛な論争など行っていないとも。もちろん自国の戦争責任の追及というのは、この映画の主人公がそうだったように自らの痛みを伴うものであったでしょう。しかしそれをやったからこそドイツは被害国との関係をある程度修復できたわけです。
 そう考えると日本の取り組みはまだまだ不十分と言うべきで、こちらから「もうおしまい」などと言えるものではないのではないでしょうか。

>月9の歴史ドラマが映画になったよ
 フジテレビの月9で放送されたタイムスリップ歴史ドラマ『信長協奏曲(コンチェルト)』が映画化されて現在公開中です。そんなに視聴率が高かったわけでもないと思うんですが、『トリック』『木更津キャッツアイ』『SPEC』『モテキ』『みんな!エスパーだよ!』など、視聴率はいまいちでもコアにウケて映画化され大ヒットしたテレビドラマと同じタイプのウケ方をしたのかな? 予告編を観たんですが、さすが映画だけあってなかなか大規模な合戦シーンがあるようです。



#10054 
アジアのバカ大将 2016/01/28 22:21
やっぱり権威も合法性もjないでしょう

>>アブダビさんへ
小生宛てのカキコがありましたので、一言。
貴方は多分、「権威のあるヤクザ」「合法性のあるヤクザ」
あるいは政府以外に公認されている「犯罪行為」の例を挙げて
いらっしゃるおつもりのようですが、全部、
「権威も合法性も認められていない」「合法だから問題ない」
ものの話ばかりです。たとえば、
>>>イスラム国
ここの権威や合法性を認めている第三国とか同国民っています?

>>フランチャイズ企業とか
フランチャイズ料って、やくざのショバ代と同じですか?
ショバ代をはらっている店とかは、ある組の代紋を表に
かかげたりできるのでしょうか?
>>>麻薬…北朝鮮は偽札も覚醒剤も〜
北朝鮮は麻薬や覚せい剤を合法化してますか?
>>>アヘン戦争やったのは〜
二重にまちがい。まずアヘン貿易をやったのは英民間貿易業者。
製造業者が半官半民の東インド会社。それと、シャーロック
・ホームズがアヘンを吸う「アヘン窟の男」という小説が
あります。当時の英国では、アヘンが街の薬局で簡単に
買えました。合法だったのです。
>>>売春?オランダでは合法ですね〜
あれはヤクザ、または国家の経営ですか?
管理売春はどの国でも犯罪です。
>>>賭博?日本国もアメリカでも合法的〜
法律の裏付けがあるでしょう。合法的な団体主催以外の賭博が
おおっぴらで行われている日米両国での例はありますか?

最後に、
>>>「道徳・倫理」なのですよ
権威と合法性とは、最後には
警察などを通じて暴力で強制
が担保されている、あるいは
経済力で報奨が保障されていること
をいいます。道徳、論理には
暴力や経済力の裏付けはありません。



#10053 
バラージ 2016/01/27 22:11
どこのドイツだ!

 最近ドイツ映画に良作が多いと以前書きましたが、これまた以前紹介した今週公開される映画『千年医師物語 ペルシアの彼方へ』もドイツ映画だと知ってびっくり。原作は世界で2100万部以上(!)売れてる冒険小説なんだそうですが、イギリスの小説なのでてっきり映画もイギリス映画だと思ってました。内容は完全にフィクションですが、イスラムの医学者イブン・シーナーが出てくるのが珍しい。
 歴史関連のドイツ映画は『ヒトラー暗殺、13分の誤算』やトルコのアルメニア人大虐殺を描いた『消えた声が、その名を呼ぶ』もまもなく公開ですし、ここ数年で観たものが『ハンナ・アーレント』『ジョン・ラーベ 南京のシンドラー』『顔のないヒトラーたち』、さらに歴史と関係ない映画では『ソウル・キッチン』『東ベルリンから来た女』『コーヒーをめぐる冒険』と、個人的にはなぜかドイツ映画付いている今日この頃です。

>アブダビさん
 個人的には、歴史において偶然や運という要素はある程度存在するし、決して無視できないと思っています。また、天下を取る条件というのはかなり漠然とした命題な上に、同じ国(地域)でも時代によって状況が異なるので、一概には言えないだろうと考えます。
 あくまでそれを前提とした上で言うと、中国における王朝交替は実質はどうあれ形式的には禅譲(簒奪、宮廷革命)によるものが多く、それ以外は異民族(北方騎馬民族・遊牧民族)の侵入によるものがほとんどです。日本では異民族の侵入がほとんどなかったのでその部分の条件が大きく異なりますし、王朝交替も起こらなかったので(実質的支配者は交替しているが)そこも違います。朝鮮においても王朝交替は非常に少ないですね。
 また、大規模な農民反乱は確かにしばしば起こっていますが、民間信仰や宗教的要素を伴うことが多く(赤眉の乱・黄巾の乱・太平天国の乱など)、それが集団の組織化に大きく作用していると言えます。朝鮮の東学党の乱(甲午農民戦争)や日本の一向一揆や島原の乱も同様でしょう。
 まあ結論としては最初に書いたとおり、天下を取る条件といっても同じ国(地域)でも時代によって状況が異なっている上に、偶然や運という要素もあるため一概には言えないということです。

 ところでこれはお願いですが、長文投稿を短時間に連投するのは控えていただけませんか? 書き込んだばかりのコメントがあっという間に下に流れてしまうのは、あまり気持ちのいいものではありません。



#10052 
アブダビ 2016/01/27 03:00
ひじりさんへ

腐女子って何ですか?




#10051 
アブダビ 2016/01/27 02:45
追記

そういえば、第二次世界大戦のヨーロッハ戦線で、最大の戦死者と、最多数の受勲章を受けたのは、日系二世部隊でした。私はSF小説好きなのですが、
SFの翻訳家である矢野徹氏が、戦後間もない時期に、アメリカにSF修行に出たときに、「ジャップの癖に!」と白人にカラマレタそうです。
同行していた日系人のSFファンが442部隊の元兵士で、白人であるフォレスト・アッカーマンが、
「彼は442部隊だぞ!」
と吠えると、白人のチンピラが謝ったそうです。
二級市民の奮闘は哀しいものですね。




#10050 
マルクスの恋人 2016/01/27 02:32
もってまっか、革命的警戒心!

近頃は弁護士といえど、油断しないほうがいいですよ。
俺は弁護士だぞ〜難し〜い試験通ったんだぞ〜お前ら素人とは違うんだぞ〜という態度を公然と示した上で、明白に違法な、少なくとも裁判になったら到底通用しないふざけたタワゴトをエラッそうに誇示して威張るならず者に遭遇した経験ありますから。幸い、私自身に知識があったので、撃退に成功しました。大きな書庫がそこになくとも、最高裁判例の有名どころはもちろん関連省庁の指針や通達までどこからでもたちどころに検索できる現代技術に救われました。

弁護士という連中は、たとえ本物であれ、言動を詳細に記録して「本当にそんな法律があるのか」「本当にそんな判断基準を裁判所が採用しているのか」「反例はないか」をしっかり調査しなければいけません。そう、電話詐欺への対応と一緒。過去の先人が築いてくれた信頼を悪用(概して、そんなやつらは先人に敬意など払いませんが)して看板に泥を塗りまくるお仲間への厳正処分を頑として拒否し続ける弁護士会も、残念ながら同罪と見なさざるを得ません。

弁護士なら、違法なことしないだろう言わないだろうという信頼は、残念ながら通用しない時代です。
私はあの連中から間接的に学びました。



#10049 
アブダビ 2016/01/27 02:32
再び黒駒さんへ

博徒が天保年間に反乱に参加したというお話しはすごく面白かったです!
おー天保水滸伝!
平手幹や座頭市がいたのかなーと。

新撰組が荒廃する農村の出であるが故に、滅び行く幕府側について、農村の荒廃を救おうとした…多摩地域で育った私には泣かせるお話しであります。

彼らは二級の市民でないですか?
幕潘体制の武士としては。
でも、戦乱の時代に二級の市民が、旗色の悪くなった体制の側について、一級市民以上の働きを見せて、見返そうとするのは普遍的な現象と思うのですね。
映画「カサブランカ」ではボギーに護られた知識人はさっさと安全なアメリカに逃げましたが、ナチスに反抗して殲滅された初期のレジサタンスは少なからず地元社会のヤクザ者だったそうです。
代表株にアラン・ドロン演じた「ル・ジタン」の原作者である作家がいます。
(名前は忘れたけど、「犬橇」とか「掘った奪った逃げた」の映画監督とか、ノワールの巨匠です)

フランスに嫁いだ従姉妹の親友に元フランス外人部隊の出身者がいるのですが、
カメロン記念日とか、ディエンビエェンフーとか、「負け戦」の自慢をするんですよ!
フランスの正規軍はすぐに降伏するが、
我ら外人部隊(フランスの二級市民)は、
負け戦でも最後まで国に忠節を尽くして全滅したんだ!と。
土方が最後まで戦い、戦士を遂げているのは、二級市民の意地だったのではないでしょうか?




#10048 
アブダビ 2016/01/27 01:57
黒駒さんへ

前に日本馬の話を伺った事がありましたが、あの時に馬格の話をいたしました。
それで…

生物は島しょ化とかいう現象があって、島とか列島とかに住む動物は小型化すると、学校の生物で習った記憶がおります。
日本列島に運ばれてきた動物は、大陸や半島から来たときより小さくなっている現象は動物考古学で見られているのでしょうか?

不思議なんです。
数年前に、どっかのアジアの島で小人族?てくらい小さな原人の化石が発見されまして、小人族の存在が実証された事があります。
その時に「あー、やっぱり!」
と思いました。
でも…同じ島や島伝いに南太平洋に拡がったアジア人種=ポリネシア系は、白人や黒人に負けないくらいにデカいんですね。
マーク・ハントってマオリ族の総合格闘技選手かいますが、彼は骨の太さも密度もどの人種の格闘家より顕著で、ヘビイ級でした。
そりゃ、その人が個体として大きいだけだろ?
ところが…アメリカでプロフットボーラーの予備軍であるアマチュア・アメフト選手のスポーツ奨学金を取るエスニックは、ハワイ辺りのポリネシア系がダントツという調査結果が出ているのです。
ハワイ原住民系にせよ、トンガ系にせよ、アメリカにおいてのポリネシア系の人口はエスニックグループでも最少と言うくらいに少ない!にも関わらず。

島しょ化するのが本当ならば、それは哺乳類全般にわたるはずで、人も例外ではないはずです。
(これは差別とは関係ありません。実際、
現代人の特徴を「ヒトの家畜化」と呼ぶ人類学者や医者もいます!)
ポリネシア系は中国が殷から周に移る辺りの時期に、中国の南岸から海に出た人々が2000年くらいかけて太平洋に拡散した子孫とされてます。
(ただしニューギニア高地人は、氷河期に今のタイ国の大陸棚に住んでいた人達のうち、黒人種の血をひいた子孫が渡ったものとされてます)
なんにせよ、島伝いに海を移動したモンゴロイドの子孫が、他のアジア人種より巨大化するのは、島しょ化の理論に反すると思うのです。

島ではないですが、フィヨルドに囲まれた入り江で、島みたいな感興に適応したはずのバイキングだって、ゲルマン人やアングロ・サクソン七王国が、びっくりしたくらいに立派な大柄人種でした。

島しょ化そのものを私は今、疑っているのですが、
動物考古学的には、我が国に弥生以後に輸入され、適応した動物には、小型化が見られるのでしゃうか?




#10047 
ひじり 2016/01/27 01:20
検索からこちらにたどり着きました。

はじめまして。歴史漫画を検索していたらこちらにたどり着きました。
ひじりと申します。

南北朝関連の漫画リストを拝見していて、
自分が知っている漫画が無いなと気付きましたので
その連絡をこちらでさせていただきます。

雪紅皇子/木原敏江著
http://www.amazon.co.jp/%E9%9B%AA%E7%B4%85%E7%9A%87%E5%AD%90-%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E9%A4%A8%E6%96%87%E5%BA%AB%E2%80%95%E5%A4%A2%E3%81%AE%E7%A2%91-%E6%9C%A8%E5%8E%9F-%E6%95%8F%E6%B1%9F/dp/4091912265/ref=la_B004KY6FA6_1_46?s=books&ie=UTF8&qid=1453824472&sr=1-46

昔雑誌で読んだきりの作品なのですが、こちらだったと思います。
それでは突然失礼いたしました。

PS
連絡先がまったくないのもどうかと思いまして
ツイッターのアドレスを書かせていただきますが単なる腐女子ですのでご注意ください。

https://twitter.com/hijiri_t


#10046 
黒駒 2016/01/26 15:27
博徒と新選組

新選組ですが、実は新選組の母体となった試衛場という農村剣術を生む背景となったのは、確かに博徒を生む背景にもなった農村の荒廃というものがあると指摘されるところです。

天保7年に甲斐国で天保騒動と呼ばれる百姓一揆があって、これは発生当初は純粋な百姓一揆なのですが、そこの「無宿」や「悪党」と呼ばれる武装したアウトロー連中が参加することにより無秩序化してかなり大規模な騒動となってしまいました。甲斐は多摩にも隣接しているわけで、韮山代官の江川太郎左衛門が騒動の波及を警戒して探索を行った話も有名ですね。

先述の通り博徒というのは矛盾した要素を有しているのが私は面白いなと思うのですが、農村の荒廃という事態が博徒のようなアウトロー集団を生み出しているとするのであれば、そういったアウトローから自衛するために武装した農民もまた博徒ではないのかと思うのですよね。

甲斐の竹居安五郎という博徒は兄が中村甚兵衛という村役人で村政に携わる人物ですし、村役人として村の治安を守る立場にありながら、なおかつ武装した子分を有するという存在です。目明かしと博徒の親分を兼ねた人物もいるとは紹介しましたけど、こういう矛盾した二面性というのは面白いものです。

さらに、竹居安五郎の子分に著名な黒駒勝蔵がいますが、勝蔵は尊王攘夷運動に参加して赤報隊に加わります。もちろん博徒がすべて尊王攘夷運動に参加したわけではありませんが、試衛場グループは博徒とは異なるでしょうが、同じ農村における武装集団としてスタートした連中が片方は尊王攘夷運動になり、試衛場グループは新選組として体制維持のほうに身を投じるというのも、非常に面白いなと思います。

新選組の近藤や土方にしてみれば農村の荒廃を知っていて、明治維新という革命ではなく、幕府権力の再建こそが地域の再生に繋がるという問題意識を持っていたのかもしれませんね。



#10045 
アブダビ 2016/01/26 03:30
黒駒さんへ3

すみません。経政会でなく経世会でしたっけ?



#10044 
アブダビ 2016/01/26 03:14
黒駒さんへ2

サラマンサさんへの返事コメントも宜しければ一読を願います。
黒駒さんの専門領域にかぶった話題なので。



#10043 
アブダビ 2016/01/26 03:12
黒駒さんへ

えーと…
足軽=ヤクザ説には驚きました。
まさか本当にヤクザだったとは(笑)
私はヤクザの起源は、戦国大名が戦争をするときに、首化粧をする女衆から、
糧抹を運ぶ馬引き…野戦築城する土木労働者など、非戦闘員の集団があって、
彼らの待遇を武将と交渉する組合委員みたいなのがヤクザの起源では?と思うていました。
実際。親父が大手ゼネコンの技師でして、票田になる下請け業者との仲介役をしていたので、「組」がそもそもは土木業者の寄り合いであることを聞かされてました。
大成建設だか鹿嶋だったかは忘れましたが、どっちかは信長の城奉行を始祖としているばです。確か社史にそう書いてあった。
清水建設は徳川の土木業者ですし。

城山三良だったかな?
「戦いの構図」という小説がありまして、これは戦前に海軍の施設だか港湾施設の建築の請負を、清水建設と他のゼネコンが争って市街戦に発展し、騎兵隊(戦車とかも出てくる)を投入してやっと鎮圧したという「近代日本史上最大の喧嘩」を扱った小説です。
ヤクザも土木建築も、どちらも農村の余剰人口を吸収してきた点では同じで、
アメリカでも労働組合はマファアと密接な付き合いがありました。
ホッファでしたっけ?
マファアを駆使して労働闘争をしてきた全米トラック・ユニオンの委員長が拉致られて死体も出てこない…って事件は僅か数十年前の70年代の事ですよね?

下層の兵士や軍属の委員がヤクザ起源でもおかしくはないと思います。
てか、下層の労働運動とヤクザは切っても切れない関係と思うのです。

為政者がヤクザを利用する点では、「天領」を御指摘されるのは正しいと思います。だって多摩地域の無頼漢から新撰組は出ていますもの。
新撰組の道場って、天領である多摩地域で農民相手に剣道を教えていた訳でしょう?
何で農民が?
というと、代官が大した兵力を持たないから、自衛が必要たったからで。
そこから出てきた怪しい出自の連中を雇うのは、
60年安保や、70年安保で、頂上作戦で監獄にブチ込んだ山口組や稲川会の組長を釈放して、スチューデントパワーに対抗したのと同じ理窟だと思います。
山口組がダントツででかくなった背景には、角栄と福田とかの争いが背景にあって、覇者(経政会)に味方したが、組長釈放に有利に働いた結果であると思います。
現に暴対法が厳しくなって、ヤクザのシノギが厳しくなるのは、
「私が自民党を壊す!」と宣言した某総理からです。
彼は自民党を壊す…というよりも、自民党の主流であった経政会派閥を壊しただけなのですが、そこに力を貸して勢力を拡大した、山口組が、彼以降に徹底的に追い詰められる軌跡は、完全に小泉内閣以後の事ではありませんか?
彼の「壊したい」勢力に与していたからこそ、山口組は分裂に追い込まれたし、
一和会の反乱も起きた。
ヤクザと時の権力は密着してますね。
まあ昨今の半グレの暴れぶりをみるにつけて「本職」が黒社会を制覇していた時の方が、遥かに私ら庶民には安全であった気がするのですが。





#10042 
アブダビ 2016/01/26 02:31
黒駒さんへ





#10041 
アブダビ 2016/01/26 02:05
サラマンサさんへ

中国大陸で覇権を握る王朝は、農耕と遊牧の境界線から出てくる…という指摘に思わず膝を打ちました。
昨年末に「大兵馬俑展」を見に行った時に、ベルトのバックルなどの金細工が、
かつて「スキタイ展」で観た物と意匠が似ているのを見まして、さらにレプリカの兵馬俑の兵士像が、多民族に見える容姿の幅を持っているように思えました。
以来、「実は秦は西戎の王朝若しくは、西戎と混血した夏華の民の国」ではないか? …と疑っていたのです。

仰る事は通りで、隋の文帝も、唐の高祖も漢民族化した鮮卑族の出身ですね。
宋の太宗はテュルク族の「後唐」の近衛士官で、世襲の軍人、果たして純粋な漢民族かどうか怪しい。
明の永楽帝は生母がモンゴル人。

純粋な漢民族が建てた王朝は、漢と晋、明で、劉邦も朱元璋も盗賊あがり。
この国は盗賊と異民族しか王朝を建てないのか?

確かに貴兄の仰る通りに、境界線から覇者は出てきてますね。

これは黒駒さんの得意とされる分野なのでしょうけど、世界の移籍で最も古い家畜の骨は、シリアから出土したガゼルの骨だそうで、初期の農耕地域から出ているそうです。

恐らくは農耕を始めた時に、穀物は畜生にとっても美味い食い物なので、畑を荒らしに来る。(害獣駆除の経験からこれは解ります)その中でトロい畜生が柵の中に取り残されて捕獲され、人は牧畜を始めたのでないかとされてます。
シリアの遺跡で出土されるガゼルの骨が
幼獣や未成熟な個体が多いことから伺えるそうであります。

初期の農耕は粗放農業で、灌漑技術など持たなかったでしょうから、耕作地は限られていたと思われます。
農地を手に入れられない者は、都市で奴隷になるか、他に生業を成す必要があったとしましょう。
その中で奴隷になる気のない人達が、周辺の農耕に摘さない草地で、肉を生産する道を歩んだのが「遊牧」の起源ではないかと思うのです。
ならば、農耕が開始されたから遊牧も始まったわけで、初期に混在していたり、
チベット系の姜族のように半農半牧の遊牧民がいても不思議ではないです。
モンゴル人みたいな完全遊牧民は、乗馬技術と騎射が普及してからの産物だと思うのですね。
騎射を良くする騎兵は、歩兵を数騎で100人くらい相手に出来た…と漢書だか何だかに書いてありましたから、
両方を喰わせて、戦力に出来たリエゾンから覇者が出てくるのは当然かも知れません。三国志も初期の動乱の主役は曹操や孫堅や劉備ではなく、
内モンゴル育ちの呂布や、姜族の騎兵を率いた董卓でないですか?
どっちも農牧のリエゾンの武将でしょう?
貴兄の仰る事は正しいと思います。

私はフィンランドのラップ人について調べた事があり、人一人を養うのにトナカイが100頭必用との計算を何かで読みました。20人のバンドなら2000頭が必要で、
農耕を経由しないで、遊牧がテイクオフするのは不可能だと思うのです。
故に二つの生産方式は同源と見るべきで、古代の帝国の覇者が(西周など)リエゾンから出てくるのは必然な気がいたします。

こっからまた暴論ですが、
私は黄河文明を築いた夏華の民は、氷河期が終わり、気象が安定しない一万年から8000年前に、黄河に進出してきたチベット系が祖先ではないかと思ってます。私は鍼灸師なので、黄帝が中国医学の祖である神な事と、漢方の祖である神農(ヤクザはこの神を崇めますね)は、どちらも生業の神であります。
チベット系が黄河の中流域に進出してきて、経路と到着年代の差で、
神農族と黄帝族に分かれて争い、その結果、農耕を生業とする商(殷)と、草原に追い払われた周に別れたのではないかと思うています。




#10040 
アブダビ 2016/01/25 03:09
一つ忘れてました

民事介入ですが。
弁護士さんは大っぴらにやってますが。法律を使うか、暴力を背景にするかの違いですよ。
力という点では変わらない。
法律に頼る弁護士さんだって、それを破れば警察や自衛隊などの暴力装置に罰せられるからブイブイ言えるわけで、裏づけはちからでしょう?



#10039 
アブダビ 2016/01/25 02:55
先ずはアジアのバカ大将様

皆様、私のバカな暴論に付き合って頂いて感謝いたします。
一度に対応しかねるので、先ずはアジアのバカ大将さんに。

えー、権威と合法性の欠如の御指摘ですが…

例えばの話ですが、イスラム国って国を名乗る集団がいますね。
こいつらは悪い事になってる。実際に悪い奴らなのですが、それを悪いと決めているのって、国連憲章に反する集団だからで、担保してるのって国連を中心にした国際社会でしょう?
でも、ここで食糧や資源の分配問題で、いきなり加盟国の半数が脱退したらどうでしょう?
そんな国連に判断を担保する「権威」があります?
権威ってのは歴史性(よーするに古くて、それが慣性になってるから周りが認める)と力に立脚してるのですね。
山口組だって千年前に天下を取ってれば
自ずと権威が備わっているはずで、
組長と書いて(大和言葉で)スメラギと読むようになっていたでしょう。
天皇制でも何でも良いですけど、よーするに歴史と来歴が古ければ、それが当然となって違和感が無くなってしまうもので、価値観が変わってしまう乱世には何の意味も持たないと思いますね。

シノギの件ですが、
ショバ代…フランチャイズ企業とか、合法企業もやってますね。
麻薬…北朝鮮は偽札も覚醒剤も売ってますが。そもそもアヘン戦争やったのは合法国家である大英帝国では?
売春?
オランダでは合法ですね。
賭博?
日本国もアメリカでも合法的にやってますが?
どっちも税収になってます。
どれも合法的な国家がやってますが?
貴兄の仰る事は「道徳・倫理」なのですよ。私は国家と山口組とを同等に議論の遡上に乗せた時点で、道徳とか倫理を外して考えてます。
正直、回答としては不満足です。



#10038 
黒駒 2016/01/24 23:18
「やくざ」と国家の違い

私も少々。武士=やくざと見れるのであれば、戦国大名を「国家」と見る説が想起されますね。それはともかく。

近代やくざと江戸時代の博徒は若干異なると思うのですが、江戸時代の博徒は確かに「領主」と言えるような側面があったようにも思えます。もちろん税を取り立てることは出来ませんが、領主権力の一部を事実上分与されているとも思えます。

博徒が特に横行したのは天領地域ですが、天領って実はそれほど代官の手代など抱負に人材が配置されているわけではないのですよね。大規模な百姓一揆が発生したり、あるいは訴訟が多発したり、幕末のような対外情勢が忙しくなったりするとすぐに事務量がパンクして、機能不全になる性質があったのだろうと思います。

ですから博徒は村落間の紛争を調停したり、年貢の納入を円滑にする周旋をしたり、あるいは矛盾しているようですが犯罪の世界を最も知っているのは犯罪に関わる博徒ですから、博徒自身が目明かしとなって敵対する博徒の捕縛に協力したりしていました。領主側もこのような博徒の存在を半ば必要としていたため、博打であるとか非合法な部分にも目をつむることはあったようですね。

しかし、江戸も幕末に近づくほど領主は博徒取締を強化していくようです。博徒が百姓一揆に参加したり騒動を激化させたり、あるいは尊王攘夷運動と結びついていくなど、危険視する要素が濃くなっていったのでしょうかね。

江戸の博徒は多くが百姓階級で、それも村役人を務めるような上層百姓の出身者が多いですね。彼らは村役人に近い立場で村政に携わることがあったわけですから、領主的側面を有するのは当然のことかもしれません。

博徒の近代的展開に関しては私も不勉強なのですが、アジアのバカ大将様のご指摘を受けると、江戸の博徒も「民」から発生した一種の権力なのですよね。ところが、近代になると発足した明治政府が普通選挙や政党政治の導入を経ることで公選になり、正当な民から発生する権力が生まれてきてしまったとは言えるだろうと思います。

自由民権に博徒が参加していった背景も、もしかしたら彼らは正当な「民」の政府が産まれることで、自分たちの存在が脅かされる恐れを感じていて、だったら逆にその運動に乗っかってやろうと身を投じていったのかもしれませんね。

今日やくざといえば「山口組」ですが、戦前・戦後から現代の近代やくざは不勉強なので、どう理解して良いのかちょっとわかりません。



#10037 
バラージ 2016/01/24 22:36
訂正&追記

 『顔のないヒトラーたち』に登場する実在のジャーナリストを「トーマス・グルニカ」と書きましたが、「トーマス・グニルカ」の間違いでした。
 映画にはグニルカやフリッツ・バウアーの他に、告発された収容所幹部のロベルト・ムルカやリヒャルト・ベーアなども登場しますが、他にも名前だけ出てくるのがアドルフ・アイヒマンとヨーゼフ・メンゲレ。アイヒマンが南米に潜伏してる情報をつかんだバウアーが、内部の旧ナチスからアイヒマンに情報が漏れるのを恐れて検察の仲間にも警察にも知らせず、イスラエルのモサドに情報提供したことも映画には描かれてます。
 もう1人のメンゲレは収容所で人体実験を繰り返して「死の天使」と呼ばれた医師で、映画の主人公ヨハン・ラドマンは彼を捕らえようと奔走するのですが、結局彼は逃げおおせ南米で天寿を全うしています。メンゲレは映画に取り上げられることが多いようで、他に彼をテーマとした『ブラジルから来た少年』『マイ・ファーザー 死の天使』『見知らぬ医師』などの映画が作られているとのこと。
 また、フランクフルト・アウシュビッツ裁判を取り上げた映画には、他に『愛を読むひと』という映画があるそうです。



#10036 
アジアのバカ大将 2016/01/24 16:33
山口組と国の違い

権威と合法性の欠如ですね。
やくざは暴力装置ですが、大衆の公選によってそれを
認められた訳でも、王家など伝統的世襲権力によって
公認されたわけもありません。権威はまったくないのです。
合法性にいたっては、やくざ一般の主要事業(しのぎ)は
賭博、売春、麻薬・覚醒剤、ショ場代稼ぎ、民事係争介入
と犯罪ばかりです。合法性に完全に背を向けています。



#10035 
サラマンサ 2016/01/24 15:30
アブダビさんへ

天下を取るのに民衆の支持が必要ということは勿論なのですが、最終的に覇権を握って安定的な政権を建てるのは農耕世界と牧畜世界の境界を基盤にした勢力が目立つように思います。
思い当たるところでは秦とか漢の拠点である関中はももとも西戎とよばれる地域と接していました(土地の生産力もかったようですが)。
隋唐は北魏がさらに北方の柔然からの防衛のために置いた武川鎮の出身。
宋は前身である後周から北方異民族圏と境界を接しています。
明は朱元璋は江南勢力ですが靖難の変で甥から帝位を奪った永楽帝は北京が拠点です。
異民族王朝の遼、金、元、清は当然北方です。
三国時代や五胡十六国や五代十国などは私には一概にはいえません。






#10034 
黒駒 2016/01/24 10:45
ヤクザ=足軽説

そういえば武士=ヤクザ説で思い出したのが、2015年ですからまだ最新の研究ですね。ある近世史の先生が提唱したばかりのヤクザ=足軽説というものがあります。これは江戸時代の博徒の起源を、応仁の乱以降発生した「足軽」をそのルーツに求めるもので、両者は共通点が多いとのことです。

例えば博徒も「仁義を切る」場合であるとか、あるいは盗品を言葉巧みに売りさばく(笑)など弁舌が上手い連中でありますが、戦国時代の足軽も「声合戦」と呼ばれる、合戦において相手に罵詈雑言を浴びせる、やはり弁舌巧みな要素があります。

また、博徒の仲間内の制裁行為である「指詰め」も足軽と共通するらしいのですよね。

まだ最新の学説で、これからどのような検証や反論がなされるのかわかりませんが、私はなかなか興味深い説であるなぁと思います。



#10033 
アブダビ 2016/01/24 03:14
管理人さんへ

仁義シリーズ好きな歴史家に尋ねてみたいのですが…
国と山口組って何が違うのですかね?
シマがあって、ショバ代を徴収して、シマに入ってきた外来を排除する。
それに必要な武力を持ち、独自のルールを有する。
山口組と日本国(別にアメリカでも、ロシアでも中国でも良いのですが)の違いって、通貨を発行しているか否かの差に過ぎないのでのいでしょうか?

もう少し若い頃に南米のスラム地域で過ごした事があるのですが、
麻薬を収入源にするマフィアが、寺子屋や診療所を建て、教会建てて、地域住民に感謝されてました。
香港に仕事で行った時(まー私は企業舎弟の経営するフロント企業に4年勤めました)九龍城塞の中に事務所があったのですが、地域を統括する14Kとかの組織はなかなか良心的な部分もあり、治安は保たれて、女子高生が買い物に来てました。
養老院や、託児所まであって、福士もしてましたよ。
もちろん怖い部分はあって、賭場場の外で「眼球」が転がってるのを観たときは
(ヒトのそれか否かは分かりませんが)ビビりますましたけど。
てもヤクザも国家も大した違いはないのでは?



#10032 
アブダビ 2016/01/24 02:01
ふと思うたですが…

幕末とかに日本が欧米列強に蹂躙されず、中国はひどい目にあったのは、この地理的な要因は大きくなあでしょうか?

中国、広いけど耕作に適した地域は限られるし、文明が古いから鉱産物資源も出る場所は限られますね。
てことは、ただでさえ多い人口が、都市やら穀倉地帯に集中する。
だから攻めやすいのでないかと。

一方の日本は、背骨を山脈が通り、狭い平野部は山やら谷やら川やらで分割されてます。
私は若い頃、あちこち仕事で転々としながら、関西、東北、北海道…と狩猟を趣味に鉄砲かついで山野をうろちょろしました。害獣鳥駆除もしてたもので、
田舎は田圃や畑地から里山が続いて、山脈に繋がってるのを観ています。
水を流せば泥沼になる田圃が狭い農道で仕切られ、すぐ手前に里山が迫っていて、里山の向うは山脈が…
こういう地形で、平野で戦争を何千年も続けてきた西欧の軍隊が、どんだけ制圧力があるものか?
騎兵は使えない、歩兵は水田に足を取られて、狭い農道しか行軍できない。
ここに旧式でも鉄砲持った侍が持ち構えたら難儀したと思うのです。
英国とかの艦隊が、回船を次々と沈めたら、江戸とか消費地の都会では餓死者が出るでしょうけど、250年も鎖国してこれたのですから、地方はあまり被害がないのでは?
無理に海兵隊とか上陸させても、ベトナム戦争みたくなるだけ…
米くらいしかないから、多大な被害を出してまで制圧する価値も低いでしょうし…いくら西欧が武器ですぐれていても、やり辛いと思うのですが。
幕末、維新の人達は偉かったのかもしれませんが、実は国土が護ったのでのいでしょうか?




#10031 
アブダビ 2016/01/24 00:59
バラージさんへ

ご丁寧なアドバイスありがとうございました。
鎌倉や江戸の幕府を置いた理由が、偶然性が高い…なるほどと思いました。
歴史って結構に偶然性が作用するものなのですかね?

実は「項羽と劉邦」を読んでいたのですが、へー…と思うことがありました。
日本だと何が天下を取るする理由になるのか解らないのですが、
あの国は圧倒的に「飯を食わせる能力の高い奴が天下を取るような…」
劉邦は戦争が弱いけれど、穀倉地帯や穀物の集積場所を抑えるのが上手い。
似たような事は、劉備が逃げるときに庶民がぞろぞろ就いていったシーンが三国志演義にありましたが、あれが真実なら
就いてけば飯が食えたから…なのでないかと。
小さい100人規模の盗賊は村を襲うしかできないから、食い尽くすと1000人規模の親分の下に走り、そこで官軍の輸送隊を襲い。行き詰まると、10000万人規模の親分に合流して官の穀物集積地を襲う。
そういうのが合流して、ついには都市を狙い、たちまち日本列島くらいの広さの国を作ってしまい…
解りやすいというか、毛沢東まで似たような事を続けてないか?
管理人さんに武士=ヤクザ説を書いたことがありますが、あの国ではそれが極端に甚だしいように思えます。
(そういや劉邦も劉備も朱元璋もヤクザだか盗賊だか出身だったような…)

日本のマスコミ場合、こういう解りやすい「政権を取れる奴の目安」ってあるのですかね?
なんで日本は農民を率いて都を奪うような親分が歴史にいないのですかね?
国土の違いでしょうか?
列島は細長くて山岳で分断されてますから、割拠はしやすいが、中央を取りにくいとか?

中国は北京あたりから南京あたりまで、
真っ平な地形が続きますから、群衆を集めて食わせれば、津波になって都まで攻め上れるのかも知れませんね。

軍事の事はよくわかりませんが、ひたすら平な大陸なら、相手より数を集めて包囲してしまえば、有利なような気がします。不良少年達が数の力で米兵をぼこぼこにするのを見たことが有りますが、
決戦やるなら相手より多い下図で圧倒するのが王道かと。

戦国もの(日本の)を見ると、結構に戦法が大事にされる(「天と地と」とか)ように思えるのですが、
戦法でどうこうできる(小が大を倒す)のは、狭くてゴチヤゴチャした地形の列島だからで、桶狭間とか鵯越とか。
広い国だと、沢山を食わせて、数を集めて、どんどん支配地を拡げた奴が勝ちなのか?
大味ですが、スケールは大きい。

だとすると、日本の国土に合わせた、
天下取りの条件がありそうに思えます。

同僚の中国人は、「日本人は何かの拍子でいきなり団結するように見える。たいりくから観ると、そこが怖い。
天皇がいるからなのか?この団結力は?
私ら中国人は宗族と地縁以外はバラバラだからねえ…」
と申しておりました。
だとすると…単に大量の子分に飯をたらふく食わせる能力だけでは天下を取れませんね?

別に日本人が大陸の連中より精神的である…などとは思いませんが、
中国みたく「乱世の政見の取り方」が目に見えて数値化できるようなものではないような気がいたします。



#10030 
バラージ 2016/01/24 00:51
これはどこの国のいつの時代の話なのか?

 『顔のないヒトラーたち』というドイツ映画を観ました。
 舞台は1958年の西ドイツ。アウシュビッツでのホロコーストに関わった人々をドイツ人自身が裁いて、ドイツ人の歴史認識を大きく変えたというフランクフルト・アウシュビッツ裁判が、1963年に開廷されるまでを描いた社会派歴史映画です。
 まず映画を観て驚いたのは、当時の西ドイツではアウシュビッツやホロコーストがほとんど知られていなかったということ。てっきり戦後すぐに戦争犯罪が暴かれて反省や検証が行われていたとばかり思ってました。多くの戦争犯罪者が素知らぬ顔で市民生活に戻り、過去には口をつぐんで普通に暮らしていたというのです。あるきっかけでそれを知った正義感の強い若い検事(実在の3人の検事をモデルとした架空の人物)が戦争犯罪を追及しようとすると、「今さら過去を暴いて何になる」「あの頃はみんなナチスだった」「若者たちに父親世代を犯罪者だと追及させる気か」などと言われ、協力者であるジャーナリストのトーマス・グルニカ(実在の人物)の家の窓ガラスには何者かによってカギ十字(ハーケンクロイツ)が書かれた石が投げ込まれます。国家機関も米軍も非協力的で検事の中にさえ反対者がいる始末。そもそも国家機関や司法機関にも素性を隠した旧ナチスが多くいたといいます。
 まったくもってこれはどこの国のいつの時代の話なんだと思うくらいいつかどこかで見たような風景ですが、そんな中で主人公の若い検事はフランクフルトの検事総長フリッツ・バウアー(実在の人物。実際には彼が捜査の指揮を取った)の全面的バックアップを得て困難な捜査を進めていき、やがてアウシュビッツ裁判の開廷に到るわけですが、西ドイツはこの時に自らの罪を裁いてドイツ人自身の歴史認識を大きく変えました。ドイツは現在もナチスの犯罪については時効を撤廃しており、自国の過去の歴史の暗部の清算と謝罪を続けています。対して日本はどうなのか?ということを深く考えさせられる作品でした。
 主人公の内面の葛藤や恋愛など、娯楽映画としての質も高く、単純に映画としてもとても面白かったですね。『ハンナ・アーレント』『東ベルリンから来た女』『ジョン・ラーベ 南京のシンドラー』『コーヒーをめぐる冒険』など、近年のドイツ映画には秀作が多いように思います。

>木曜時代劇
 近松門左衛門の『曽根崎心中』誕生秘話を描くという木曜時代劇『ちかえもん』が始まりました。全くの創作エピソードのようですが、目先の変わった話でなかなか面白いコメディ時代劇です。近松役の松尾スズキはBSの連続ドラマ『植物男子ベランダー』でも癖のある脇役を好演してましたが、このドラマでもダメダメな近松を演じて、いい味出してます。



#10029 
バラージ 2016/01/13 23:49
真田丸

 第1回を観ました。予想したよりも面白かったです。僕は三谷幸喜の映像作品の舞台っぽいというか演劇っぽい作風がどうにも苦手なんですが(三谷に限ったことではなく演劇人のそういう作風が苦手)、今回のドラマではそういうところはあまりありませんでしたね。個人的には信之役の大泉洋が良かった。幸村(信繁)と違って映像化されることが少ないので『真田太平記』以来久しぶりの登場ですが、地味なイメージを塗り替えることができるでしょうか? それに比べると主人公の信繁が何か今一つ印象に残らなかったのが難点かな。まぁ、観続けるかどうかは今後次第ですね。

>アブダビさん
 細かい話が不明なのでなんとも言いにくいのですが、関西圏の人の一部には(無意識なのかそうでないのかはわかりませんが)そういう認識を抱いてしまう人もいて、時にそれを露呈してしまうことがあるようですね。僕も東北人ですが、昔のサントリー佐治会長の失言事件を思い出しました。
 ただ、その一方で書き込みの後半では、地方の話と武家の話がごっちゃになってしまっているような。あくまで「東と西(関東と関西)」で考えるなら、武家政権のうち平氏政権・室町幕府・織豊政権は西(関西)の政権で、東(関東)の政権は鎌倉幕府と江戸幕府だけです。しかも鎌倉時代は少なくとも承久の乱までは京と鎌倉の二重政権と言って良く、その後朝廷の権限が完全に武家に吸収されるのは室町幕府三代将軍足利義満の時代と言われています。また、関西の武家政権が比較的能動的に拠点を選んでいるのに対して、関東に拠点を置いた頼朝と家康の場合は前政権時代の流罪や転封といった受動的な理由が大きく、偶然の要素が強いのも事実なんですよね。幕末の動乱でも京都が重要な政局の舞台となっていますし、そういうものが完全に失われるのは天皇が東京に移された明治維新以後ということになりそうです。

>黒駒さん
 うーん、まず大河ドラマを時代劇の一種として観ている人が、最近になって特に増えたとは思えないんですよね。そういう人は昔から一定程度いたと思います。そうでなければ80年代に平均視聴率30パーセントを超える作品が頻出した理由が説明できません。歴史ファンが今よりそこまで多かったとも考えられませんし、近年のテレビ時代劇の衰退と大河ドラマの視聴率低迷が連動して起こっていることからも、それは十分うかがえるのではないでしょうか。
 テレビドラマ時代以前の映画時代の時代劇映画にしても、「いわゆる“時代劇”」と「歴史もの」をそこまで明確に区別してないように思うんですよ。定番の人気ジャンルだった忠臣蔵なんかは完全に時代劇のノリで作られている作品ですし。



#10028 
黒駒 2016/01/11 23:40
時代劇の時間感覚

「真田丸」放送前の番宣を見ていたら、ついでに見てねと東山紀之の「大岡越前」の新シリーズだの、いくつか新しく始まる江戸時代の「時代劇」が紹介されていて、思ったことがあります。

基本的に史実ベースの大河ドラマのような実録ものの「史劇」と、(モデルはあるにしろ)フィクションとしての水戸黄門的な「時代劇」をいっしょに論じることはできないと思うのですが、最近は大河ドラマのファンもあれを「時代劇」として見る層がいるというお話を伺いましたし、なんだか両者は混在してきているのかなと思います。

初歩的に気付くことですが、大河ドラマはたとえば戦国時代を一般的に「戦乱の世が三英傑により終息し、泰平の世の中になった」という歴史観で理解していますよね。妥当性はともかくとして、戦乱→泰平と時間が進行しています。幕末も同様に、明治維新に向けて時間が進行している世界観です。

対して江戸時代は、私は最近「華夷変態」の話を紹介しましたが、江戸時代も長い目で見れば幕府政治の矛盾もあるし社会の変化や身分制の動揺もあるし、対外的に緊張していた時期もあると必ずしも「泰平」の世の中ではなかったろうと思います。しかし「時代劇」においては、水戸黄門も世情に関係なく諸国漫遊してますし、大岡忠相は享保改革という幕府政治の大変革の一翼を担う重要な役目があったはずですが、相変わらず名裁きしてます。遠山金四郎にしろ、天保年間という世の中がいよいよ慌ただしくなってきた時代に、片肌脱いでるわけですよね。

つまり、イメージの上で江戸時代がなぜ「泰平」でなければならないのかと考えると、時間が制止してないと「時代劇」が成立しないのでしょうね。逆に中世(戦国時代)は「時代劇」が成立しないのか?と考えると、けしてそうではないですね。戦国時代も、戦国大名という勢力が出現し、かれらが大勢力に成長し、その中から中央政権が現れてくるという時代の変化や社会の変化を無視すれば、「ずっと戦争している時代」と制止した時間感覚で捉えることは可能だろうと思います。

では、なぜ最近の大河ドラマ視聴者にはあれを「時代劇」として楽しむ層が出てきたのかと考えると、私はやはり戦国・幕末を延々と繰り返しているせいではないかと思います(笑)。何度戦乱の世が終息しても、明治維新が成立しても、数年後にはまた同じ時代を繰り返すことになる。「時代劇」のファンとしては、ここに何か時間が繰り返してあるいみ制止した世界観を感じているのではないでしょうか。



#10027 
黒駒 2016/01/10 15:13
春画

>五葉さん・アジアのバカ大将さん
話題の春画展ですね。私は春画に関してあまり本格的に取り組んだことはないのですが、春画に見立てであるとか、何か文芸的な下敷きがあるというのは別に春画に限らないことではないかと思います。浮世絵は役者絵にしても着物の柄が実在の歌舞伎役者を暗示しているとか、書いてある和歌にもじりがあるとか、そういうものですよね。風景画にしてもそういう要素は多いと思います。

浮世絵師というのは絵に何かひとつでも仕込みをして、わかる人には読み取れるような細工をしているようなものですから、春画に限らず浮世絵はバックボーンがわかってくると読み取れる情報が多くなるということではないでしょうか。



#10026 
アジアのバカ大将 2016/01/08 23:21
「春画は見るにはある程度の教養がいる」

まずは明けましておめでとうございます。さてタイトルの話題ですが、
朝日新書「わらう春画」という比較的新しい本をみると、なるほどと思います。
著者は西欧の有名収集家らしいのですが、江戸文化の基本知識がありません。
歌舞伎の仮名手本忠臣蔵のパロディ春画に無茶苦茶な解説を付けています。
「高師直(吉良上野介)の男色」図に「武士が商人を背後から〜」と、
ひどいものです。校閲をしていないのでしょうか。





#10025 
五葉 2016/01/08 22:29
遅ればせながら新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
博物館の企画展示のお話で盛り上がっていますが、私も、先日帰省した友人から、永青文庫の春画展の話を聞きました。「春画は見るにはある程度の教養がいる」という話だけは事前に聞いており、どういうことかなと思っていたのですが、歴史上の場面や物語を元ネタにパロディ化した作品も少なくないそうで、「そういうことか」と納得。「ただのエロい絵」では無いことを来た人に判ってもらうために、見せ方もかなり工夫せんといけんかったようです。(例:実際の春画には、大人が行為をしているのを子どもが物陰から見ている絵があるそうですが、現代人には児童虐待と受け取られるため展示しないなど)図録も、絵が途切れないような綴じ方をしてたり、紙も印刷の仕方も質が高かったりと、かなり気合を入れて作っているとのこと。細川さんも、首相でいた時よりも良い事をしたんじゃないかなぁ。
それにしても、みなもと太郎さんの展示といい、これといい、東京には見応えのある博物館や企画展示が揃っていて、羨ましい。広島では、今、国芳の忠臣蔵の絵(+美人画)を展示してますが、国芳なんか4,5年前にやったのと同じ絵じゃろ、もう見たよってツッコんでます。



#10024 
黒駒 2016/01/08 20:37
あけましておめでとうございます

今年も宜しくお願いします。

みなもとさんですが、本当にすごい人ですよね。ギャグ漫画家でもあり、近世・幕末史をあれだけ濃密に描いている人であり、貸本・漫画青年世代のの生き字引のような人でもあり、漫画史研究家でもあり、日本映画なんかにもたいへんお詳しい人であり、と。ネットでは最新アニメのパロディやってる程度のことで驚かれているようですが、なかなか底知れない人であるなぁと思います。

「風雲児たち」も正直、漫画作品としてのペース配分としては如何なものであろうとか、濃密な幕末史全体を描こうとせずに、大村益次郎とか勝海舟のような蘭学者系統の人にしぼったほうが作品全体のテーマとしても上手く行くのではないかとか思います。しかし、「風雲児たち」って例えば大村益次郎の修善寺村の農家なんかを精密に描いたりとか、不通に感動できる場面もあったりしますよね。歴史的事実も描きたいが、そういう歴史を題材とした漫画的な場面を描きたい欲求もある作家さんなのだろうなと思いながら読んでいます。

原画を見れば、絵的な拘りもある人なのかどうかもわかるのでしょうね。



#10023 
アブダビ 2016/01/08 01:02
先ずはバラージさん、つねさん、管理人さん

御返事とお礼を遅れながら申し上げます。特にバラージさんの初学者への親切なアドバイスは礼につきません。
お三方に改めて、おめでとうございます。本年も宜しい歳でありますように。
年末から年始にかけて出勤となり、年始に身内の不幸があり、挨拶に遅れた事をお詫びいたします。

ところで…悔しいんですよ!
聞いていたたをけませんか?
私は仙台真田の末裔の一人であり、やはり東北の士族をルーツとしてます。
ある、とてもリベラルなブロガーの方と知り合い、その温厚な人柄にとても感謝をしているのですが、
関東以北について東夷と表現された事に大きな怒りを感じています。
私は父も母も東北の士族をルーツとしますので、夷の末裔とされる事には誇りあれど、卑下するつもりはありません。
しかし、何なんだ関西人は?
天皇を中心にする王朝がそんなに偉いのか?
日本の国号は天武天皇が定めて以来と聞きます!
親政、藤原の関白政治を含めても、鎌倉以来の武家の(夷の)統治の歴史には遥かに及ばないはずです。ぶけは800*年以上、
この国を明治維新までひきいてきました。この国の大半は、関東や東北の東夷の歴史ではないか!
王朝が無力で、非現実的だから東夷の武家が統治してきた訳でしょう?
大変に不愉快な発言です。
信長や秀吉の「中京」や江戸が日本をリードしてきたのでないですか?
和歌を作って遊ぶだけの公卿が何をしてきたのか?
夷で何が悪いと思うのです。





#10022 
バラージ 2016/01/06 00:10
年末年始に歴史映画

 こちらの板でも、あけましておめでとうございます。年末年始にかけて『杉原千畝 スギハラチウネ』と『海難1890』を観てきましたので、その感想を。

 まず去年の年末に観た『杉原千畝 スギハラチウネ』ですが、歴史部分がどうこう以前に単純に映画としてダメダメです。脚本も演出もちょっとどうにもならないくらいひどい出来。はっきり言って久々の駄作でした。
 冒頭がいきなり杉原の満州でのスパイ活動から始まるんですが、いくらなんでもあんな『スパイ大作戦』みたいな最前線でのスパイ活動はしないだろ、というのはとりあえず横に措くとしても、その一連のスパイ・アクションの展開があまりにベタで陳腐な上に、演出のテンポもカット割りもひどくてスリルも迫力もない代物に仕上がってます。その冒頭を観た時点で不安に駆られたんですが、以後の展開もその予感を全く裏切りません。チラッと観た反町隆史主演のドラマでは確かリトアニアを去るところがクライマックスだったような気がしたんですが(ちなみにドラマでは描かれてた、出発する間際まで列車の窓からビザのサインをし続けたエピソードが映画にはありません)、こちらはその後まで話が続き「命のビザ」と諜報活動の両方を追いかけて話がどっち付かずになっちゃってます。悪役はてっきりドイツ軍だと思いきやソ連軍の出番が妙に多く(史実的にそうなのかもしれませんが)、日本軍もきちんと悪役なために杉原が何と戦っているのかがわかりにくい。おかげで話は散漫だし、しかも展開が平板でのっぺりした盛り上がりのない映画になってしまっています。悪役であるドイツ軍・ソ連軍・日本軍の描き方も極めて類型的で薄っぺらい。杉原と奥さんがいつの間にか結婚していたり、独ソ開戦当初からドイツ本土が爆撃されていたり、いざクライマックスでは日本まで逃げるユダヤ人を延々追いかけるお話になり肝心の杉原が全然出てこないなど、映画的におかしなところは枚挙の暇がありません。なにより致命的なのは、役者が下手な人たちじゃないはずなのにすごい大根役者に見えてしまうところ。それもおそらく監督の演出が致命的に下手だからで、素人の僕から見ても「なんでそんな芝居させちゃうの!?」と脱力してしまうところが多すぎて役者たちが気の毒になってしまいます。僕が観た類似テーマの映画では『落陽』や『ムルデカ』に並ぶ脱力映画でした。

 次に年始に観た『海難1890』ですが、こちらは『杉原〜』とは対照的に映画としての質は非常に高い作品でした。
 冒頭でいきなりトルコ大統領の挨拶が始まってどうなることかと心配になるんですが、いざ本編が始まると全てが一流の仕事ぶりで映画に引き込まれてしまいます。夜のシーンはランプやロウソクなどの自然光のみで撮影していると思われ、特に遭難者の救命治療シーンは迫真の出来。役者陣も日本・トルコともに素晴らしく、まあはっきり言って1890年パートは文句のつけようのない出来でした。
 しかし1985年パートに入ると若干のキナ臭さもなくはありません。トルコ側に若干の美化が見られ、話の展開もややご都合主義に感じます。日本人避難民の中に原発技術者がいるのも、日本がトルコに原発を売る予定ということが影響を与えてるんじゃないかと勘ぐってしまいますね。そもそも1985年パートは全体の4分の1程度で映画の大半は1890年パートですし(まあ考えてみればタイトルが『海難1890』なんだから当たり前かもしれないけど)、海難救助の話は1985年パートであまり触れられていない(1人のトルコ人男性が少し言及してる程度)ので2つのパートのつながりが薄く、少々蛇足に感じました。
 とはいえどちらのパートでも、「人を助けるのは人なんだ」というのが基本スタンスにはなっていますし、特に1890年パートは映画的質が非常に高いので観る価値はある映画と言えると思います。

 そういえば、同じトルコ史の映画でもトルコの暗部であるアルメニア人虐殺をテーマとした映画の予告編をやってました。トルコ系ドイツ人のファティ・アキン監督による『消えた声が、その名を呼ぶ』という映画です。アキン監督の映画は『ソウル・キッチン』とオムニバス映画『ニューヨーク、アイラブユー』の一編を観てますが、どちらもなかなか面白かったのでこの映画も観に行こうと思います。

 歴史映画の予告編では他に『千年医師物語 ペルシアの彼方へ』という映画もやってました。イギリスでベストセラーになった冒険小説の映画化だそうで、イスラムの医師イブン・シーナーが出てくるとのこと。シーナー役は国籍不明俳優がすっかり板についた(?)ベン・キングスレーです。

>歴史映像名画座
 『大東亜戦争と国際裁判』のスタッフの撮影と美術の人がなぜかKINENOTEにリンクされています。



#10021 
ひで 2016/01/03 23:56
本年もよろしくお願いします。

元日に暴食した結果(?)、2日に体調を崩して1日寝込み、3日に東京国立博物館や西洋美術館をはしごしてきました。

国立博物館は年末の時期に本館1階が改修にはいり、しばらく見られなかったのですが、新年にはきっちりとあわせてきましたね。伝源頼朝像などなどを見て楽しんできました。あとは、個人で収集していた鋳物の水滴が大量に展示されていましたが、新たに収蔵品として加わったのでしょうか。それ以外にも、ちょこちょこと展示が入れ替えられていましたが、近代美術が万博出品にからんだ美術品が結構目につきました。

それを見たあとに、今度は西洋美術館で、会期終了が近づく「黄金伝説展」を鑑賞。古代地中海世界の金細工品を大量に見てきましたが、まあエトルリアの粒金細工の細かさには驚かされますね。一体どうやってあそこまで小さい粒にして、それを綺麗につけることができたのかと。色々と調査されて、作り方はわかってはいるようですが、あれを現代に作るのは難しいだろうなと。

エトルリアの金細工や近代日本の万博仕様の工芸品を見ていると、採算とかコストといたものを限りなく度外視して全力を投入すると、人間の力で相当なものが作れるのだなと改めて感心します。

http://historia334.web.fc2.com/index.html


#10020 
徹夜城(元旦まで風邪で寝正月だった管理人) 2016/01/03 22:59
謹賀新年

 もう三日で、明日からは仕事始めという時期になってしまいましたが、あけましておめでとうございます。
 みなみなさま、今年もよろしく。

 さて、今日はようやく風邪もぬけたので、東京は深川まで足を延ばしてきました。深川の深川江戸資料館に行ってきたんです。
 その名のとおり、江戸深川の庶民の暮らしの再現展示をしているところで、そう広くはないんですが江戸時代の長屋や船宿を再現した建物群があり、各種資料が展示されています。
 ただ実は、お目当てはこの正月期間中の企画展示のほう。みなもと太郎「風雲児たち」の企画展をやってるんですよ。
 こちらもそう広くはない展示室なんですが、これまで出された各巻から1ページずつくらいの割合で選ばれたページの原画がずらりと公開。漫画の原画をこうもずらりと並べたのを見るのもひさびさでした。カラー原稿なんか、生でみるとなかなかいいもんです。
 ほかにもコミケで販売された「外伝」も読める状態で展示。また、みなもと太郎さんの初期少女漫画、「風雲児たち」連載開始時期の「少年ワールド」など貴重な品々も並べられてました。また「みなもとさんが影響を受けた漫画家たち」のコーナーでは、手塚治虫との初対面の場面が描かれたページが開かれてまして、しばしば伝説のように語られる、「手塚治虫はどんな新人の作品も目を通して細かく知っていた」実例が描かれてました。
 「風雲児たち」ファン、みなもと作品ファンはやはり必見だと思いますよ。11日くらいまでじゃなかったかな。




#10019 
サヤ・オリノ 2016/01/01 00:29
ま、間にあわなかった……

御無沙汰してます。
「どなたかが書きこみをされてから、今年の御挨拶をしよう」と思っていたら
(とはいえ、既に徹夜城さんが書きこみをされていたんですけど)
大掃除の疲れでグースカ眠り込んでしまい、
つい先ほど目が覚めて大慌てであちらこちらに「挨拶」にいっていたら
ここのサイトへの「旧年中の御挨拶」が間に合わなかったサヤ・オリノです。
(徹夜城さん、ごめんなさい。)
今さら「良いお年を」ってのもそれこそ「十日の菊」ですので、
新年の御挨拶のみとさせていただきます。ということで。
新年明けましておめでとうございます。
旧年中はお世話になりながらも御無沙汰をいたしました。
今年もよろしくお願いいたします。
どうぞ皆様にとって今年も良い一年でありますように。




#10018 
徹夜城(出勤前に書き込んでる管理人) 2015/12/29 10:42
年の瀬も大詰めで

 例によって冬の大忙しの最中でして、書き込みが止まってました。

>アブダビさん
 ずいぶん遅れたレスになってしまいますが、武士の定義に関するご質問の件、すでにバラージさんもお書きのように、実はなかなか面白い、というか、学界的にもホットな議論なんですよね。
 「軍事貴族」と呼べるのは源義家などの河内源氏連中には言えるかなぁ。「開拓武装農民」イメージは関東平野の武士たちには結構あてはまるかもしれません。ともかく「武士」と一口に言っても地域や時代によっていろいろいた、ということですね。
 僕が聞いて面白いと思ったのが、「武士=暴力団説」というやつ。暴力を背景に土地に寄生して搾取する、「シマ」をめぐって近隣の「組」と抗争を繰り広げる、大勢力をバックに系列組織ができてるetc…といった具合で、結構あてはまってしまうんですよ。もちろんそれが全部正しいとは言いませんが、武士観の中でもっとも否定的な見方がこれじゃないかな。階級闘争史観では開拓農民説のウケがよかったんですが、いろいろミックスしたあたりに正解があるのではないかと。

 北条氏についてですが、「平氏」ってことにはなってるものの実態は不明、というのが学問的見解だと思います。なにせ北条政子の父・時政から上の世代はもう信用できる史料的には確認できない。鎌倉後半期には明確に「平氏」と認識されてはいたようですが、一気に権力握った割にほとんど謎の一族です。海運関係に従事していた説というのも確かにあるのですが…三浦氏も関東における海の武士団、という話もありますね。
 ただそれと清盛の対宋貿易とはスケールが違うように思うんですよねぇ。


>つねさん
 そうそう、この伝言板の投稿数もとうとう1万の大台を越してしまっていたんですね。過去ログも半端でない量になってしまいました。


>ひろさわさん
 これは懐かしい…お久しぶりです!
「名越太平記」、つい先ほど拝読しました。名越高家も主人公にしてみると気の毒な人ではあり、こういう描き方もあるよな、と感じました。古典「太平記」では完全に道化役にされちゃってましたが…
 大河ドラマ「太平記」でも名越孝家、登場はしてましたよ。「南北朝列伝」で確認してみると合計3話と意外に多く登場してます。もっとも「北条武将大勢の一人」として顔を出してるだけで、戦死シーンもありません。


>アジアのバカ大将さん
 「史点」ご愛読ありがとうございます。ここんとこ書くに書けなくって、2か月間の総集編みたいになっちゃいましたが(汗)。今後もマイペースで続けていきたいと思います。



#10017 
アジアのバカ大将 2015/12/27 14:39
ニュースな史点ありがとうございます

>>管理人さんへ
更新ありがとうございました。
いつも楽しみにしています。



#10016 
ひろさわ 2015/12/26 14:49
あらら

・・・って、どこにUPしたかの情報を忘れていました。

http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=54248381

です。ご興味がありましたら、ご覧ください。



#10015 
ひろさわ 2015/12/26 14:48
名越太平記

ご無沙汰しております。
以前にお見せしたかもしれないのですが、
漫画「名越太平記」をUPしたのでお知らせしておきます。10年以上前に描いたのだと思います。
暴力描写有ります。いつ消すかわかりません。

※大河「太平記」にこの人出てきたかどうか・・・出てきたとしても印象薄かったかな



#10014 
バラージ 2015/12/24 22:02
アブダビさんへ

 手短にですが説明させていただきます。

第1の質問
 僕も特にくわしいわけではないのですが、源平関係の歴史本を読んでいるとたまに出てくる話題です。自衛のために武装した地方領主が武士になったという説は「在地領主論」と言いまして、昔から唱えられてきた古典的な説です。これに対して近年唱えられているのは、貴族(和歌を作って遊んでるだけというのは、いくらなんでもあんまりな認識だと思いますが……)のうち武芸・軍事を家業とする貴族(清和源氏・桓武平氏・秀郷流藤原氏など)を武士の起源とする「職能論」という説で、そのような軍事貴族が赴任先の地方で在地領主を組織化していったのが武士の始まりとする説です(ちなみに平将門は東北の安倍氏や清原氏・奥州藤原氏より100年以上前の人物です)。くわしくはWikipediaの「武士」の項に要領よくまとめられて参考文献も掲載されているようですので、そちらをご覧になられるとよろしいのではないでしょうか。

第2の質問
 こちらはわりと簡単な話ですね。平氏政権というのは平清盛の一族による政権であって、北条氏(関白ではなく執権です)は同じ平氏といっても十代くらいさかのぼった先祖が同じというだけで、清盛の政権とは関係ありません(なお、平家という言葉は清盛の一族を指すので、北条氏は平氏ではあっても平家ではありません)。清盛によって伊豆に流罪にされた源頼朝はそこで北条時政の娘の政子と結婚しており、頼朝と北条氏はともに挙兵もしていますから、頼朝が北条氏を滅ぼす理由が全然ありません。このあたりについてもやはりWikipediaの「治承・寿永の乱」「平氏」「北条氏」といったあたりをご覧になられるとよろしいでしょう。また、関東沿岸の武士たちが水運に深く関わっていたというのも近年の研究で明らかになってきたことで、考えてみれば水運というのは日本全国どこにでもあるわけで平家の専売特許ではなかったということでしょう。



#10013 
つね 2015/12/21 00:12
遅ればせながら

連投になってしまいますが、気づいたので。
黒駒さん、掲示板の10000番おめでとうございます。



#10012 
つね 2015/12/19 02:14
アブダビさんへ

学術的な面は疎いのであまり答えられませんが、北条家は平氏とはいえ、頼朝の妻の実家ですから。そりゃ遠慮もあるでしょう。頼朝は恐妻家とも言われてますし。



#10011 
つね 2015/12/19 02:11
けん坊さんへ

私の書き込みに対する回答でしょうから、応えねばと思いますが、ほとんど管理人さんに代弁していただきました。
とりあえず「絶賛」はしていません(笑)。いい映画だとは思いますが、もう少し別の描き方があったかも、と思っています。

>千畝一人でユダヤ人を救済した訳ではありません。
これは映画でも描かれてましたね。ただし定期連絡船の乗務員や在ウラジオストク総領事代理のことで、いわば現場の人。日本政府といえば、管理人さんもおっしゃるとおり「迫害はしてないけど、積極的に保護もしてない」ということになりそうです。映画でも出てましたが、戦後、助けられたユダヤ人が外務省に「センポ」を当時のビザを持って訪ねてきたときに「いません」と回答したのが日本政府の感情でしょう。残念ながら。



#10010 
アブダビ 2015/12/19 01:40
ついでに教えていただければ

北条氏っていますよね、鎌倉幕府の関白みたいな人達。
これも千葉の郷土史を勉強している御老人に伺ったのですが、
北条って平家だと言うのです。
えー、皆殺ししてないの?
中国じゃ前王朝の子孫は皆殺しが普通てすし、確か豊臣も徳川に殲滅されてますよね?
まー先祖が遠いなら皆殺しもないのかも知れませんが。
で、北条氏は三浦氏はなどと、船を使って水運していた家系と言うのです。
まんま平家じゃないかと(すみません、大河の清盛が宋と貿易したりの描写を鵜呑みしてます私は。流石にNHKも嘘八百は着かないでしょう。時代考証とかしてるんだから)驚く。
じゃ、なんで農本主義の坂東武者の関白になったのだろう?
それ、おかしくありません?
何か御意見とか参考資料の紹介をいただければ嬉しいのですが。
宜しくお願いいたします。



#10009 
アブダビ 2015/12/19 01:26
あのう…

どうもご無沙汰してますアブダビです。
最近は高校の日本史や世界史の教科書も定説があれこれ変わっているようでして。私しは「足利尊氏」…とされてきた馬に乗った絵かありますよね、あれは尊氏でないって説があるの…と思っていましたが、近所の学生の教科書から写真が消えてるのには驚きました。
それで…あの武士の成立についてなんてすが、武装した農民の自警団が大きくなって、まあローカルヤクザ組織が、山口組みたいな大手の広域組織になる。すると、まともりを保つために大将株が必要になって、臣籍降下した天皇の子孫をボスとして奉った…
まぁ…そんな風に習った(35年くらい前)ような記憶があるのてす。
そうしたら「軍事貴族だ!」
隣の学生が言うのです。
日本の貴族って和歌とか作って遊ぶしか能のない人たちだぇたのでは?
それとも、坂ノ上田村麿またいな人が、
兵部省(?国防省ではないよな)とかが閉鎖されたり、リストラされて、東北や関東で武装開拓団を率いたのが武士の起源てことなのでしょうか?
そう言われると納得はいくのてすが。
日本人の25%くらいは縄文人の血だと言いますから、どこで混血したんだろ!それも大量に…と不思議に思うてました。
軍事貴族とかが蝦夷とかと混血して、藤原(金色堂とかの)氏とか清原(?)氏とかになったり、そういう人たちの子孫が将門とかであるということでしょうか?

武装農民が旧皇族を建てて大きな自警団を軍隊にした…の方がリアルな気がするんですけど。
戦前、私の爺様が、旧満州地域で農村自警団(いわゆる馬賊)と商売で付き合いがあって、小日向白郎氏とも戦後、お付き合いがあり、
ああいう組織は大きくなると、官権と衝突さた時の保険や、組同士のあらそい調停の為に清朝血を引く地主の息子とか、
名士の末息子を養子にして、出来の良い奴(頭脳と度胸と人望のある奴)を後継ぎにしたがったそうです。
武装農民が皇族の子孫をボスに立てるのと似てません?
馬賊も初期の武士も似たようなものならば、こっちの方が近い気がするのですが
いかがなものでしょうか?



#10008 
バラージ 2015/12/18 21:29
今頃ですが

 つい先日、DVDで篠田正浩監督の引退作である映画『スパイ・ゾルゲ』を観ました。公開時には見逃しており、ずっと前から観たいと思ってはいたものの3時間と長い映画なんで観るのにちょっと思い切りがいりまして。なんとなく先伸ばししてるうちに、いつの間にやら10年も経ってしまいました。
 歴史映像名画座および栄燿映画徒然草(徒然草のほうの脚本家が間違ってますよ)にも載ってますが、昭和戦前史総ざらいといった感じで有名な歴史上の人物が次々出てくる近年の日本映画には珍しいスケールの大きな作品で、CGを使った当時の壮大な街並みの再現にも目を見張るものがあります。3時間の長さを全く飽きさせないのは見事なんですが、その一方で映画的な盛り上がりにはやや欠けていたような気もしました。山場がないというか。まあ面白かったのは確かなんですけどね。
 ゾルゲ事件についてはそれほどくわしくないんで、ゾルゲや尾崎とスメドレーが親密だったことなんかは興味深かったですね。あと、2・26事件をわりと突き放した視点から描いていて、見物のおっさん(不破万作)が戦車の登場で逃げ出す将校を見て「あ〜あ、しめぇ(おしまい)だな」なんて言うのも印象的でした。ゾルゲの視点から描いたからこそできたことでしょう。不況と絡めて篠田監督の松竹の大先輩・小津安二郎監督の『大学は出たけれど』が出てきたのも思わずニヤリとしてしまいました。
 俳優陣では、まず本木雅弘。個人的に90年代はこの人と永瀬正敏が好きな若手男優でした。また、近衛文麿役の榎木孝明は歴代近衛役(といってもそれほど見てるわけではないけど)で一番ハマってたんではないでしょうか。特別出演?の竹中直人はこの頃はまだ東条英機にはちょっと若すぎるかな。
 あと、この手の日本映画は外国人俳優のレベルがいまいちなことが多いんですが、主演のイアン・グレン以外にも名前こそあまり知らないもののきちんとしたレベルの俳優をそろえていたと思います。ドイツ人やロシア人がみんな英語でしゃべってるのは確かに「あれ?」と思いましたが、外見的には同じ欧米人(白人)なためか、中国人同士が英語でしゃべってた『ラスト・エンペラー』に比べれば違和感は少なく、後半にはほとんど慣れてしまいました。それにしてもグレンとスメドレー役のミア・ユー以外はドイツやオーストリアやポーランドの俳優のようですが、みんな英語ができたんだろうか? それともわざわざ覚えたのか?
 ちなみにゾルゲ事件の映画化は過去にも2回あり、『愛は降る星のかなたに』(1956年。尾崎をモデルとした坂崎秀実という人物が主人公でかなり脚色されているようです)と、『スパイ・ゾルゲ 真珠湾前夜』(1961年。フランス・日本合作)という作品のようです。

>安部龍太郎
 『義貞の旗』『道誉と正成』は読んでませんが、初期の短編集『バサラ将軍』(単行本時のタイトルは『室町花伝』)に収録されている直義が主人公の短編「兄の横顔」では、主人公だから当然ですが全然悪役ではありませんでした。どっちかというと尊氏のほうが悪役でしたね。同じ短編集に収録されている高師直と土岐頼遠が主人公の短編「狼藉なり」でもどちらかというと直義より尊氏が悪役っぽかったので、どこかで認識が変わったのかも。



#10007 
徹夜城(ただいま水木しげる「昭和史」読破中の管理人) 2015/12/18 01:04
南北朝小説をひとつ読み終え

 またまたでありますが、ちょいとこっちではご無沙汰しました。「史点」もなかなか書けなくって。明日上がらないと冬のお仕事に突入しちゃうんで焦ってます。
 ところでその「史点」の参考にと、水木しげるさんの「コミック昭和史」を読み出しました。ご自身の人生と激動の昭和史を並行して描いた大作で、個人レベルの生活や気分と、世界や国家レベルの歴史的なうねりとが一緒に読めるという、意外とありそうでなかった歴史漫画なのだなぁ、と面白く読んでます。当然ご自身が辛酸をなめた太平洋戦争のくだりには特に力が入っていて、日本の軍隊の上から下までのしょうもなさ(というか上に行くほど馬鹿になる説が改めて実感できる)に呆れつつも、その中でひどい目にあいながらもどこか飄々としている水木さんの姿に共感も覚えます。その時代を生きていた当人の実感として、歴史というのは人間にはどうにもならないというか、わけのわからないうねりのような動きがあるのだ、ということも読み取れますね。その意味では日本人にとっては戦争と天災の区別がない、ということになっちゃうかもしれませんが。
 漫画がらみでは、昨日の夜にBS朝日でやってた現代漫画史のドキュメンタリーもなかなか面白かった。手塚治虫やトキワ荘世代を中心に、現代と世界まで視野におさめた番組で、この手の話によく首を突っ込んでる僕にとっては特に目新しい話題はなかったものの、「トキワ荘」住人のうちあまり語られない「よこたとくお」さん本人の姿が拝めたのは貴重でした。ああ、あと「漫画少年」の投稿欄に「伊東章夫」さんの名を見つけたことも。

 打って変わってタイトルに書いた話題。安部竜太郎さんの新作「義貞の旗」、しばし放置してしまったんですが、先ほど一気に残り半分を読み終えました。
 鎌倉幕府滅亡までの前半はすごく面白く読んだんですが、建武政権期以降はグダグダ…というのが率直な感想。新田義貞を主人公にしたこと自体、山岡荘八と新田次郎以来なかったことですし、彼をかっこよく、田舎者ながら義に厚い男らしい武士と描いたのは画期的ではあります。だけど連載の都合なんでしょうか、後半妙に話が飛ぶし、あわただしく幕を下ろしちゃうんですよね。

 南北朝マニアとして注目したのは、足利直義がはじめ史実どおり「高国」の名で登場すること、そして長らく「頼朝像」として知られた肖像画を直義のものと断定したうえで彼を大変なハンサムに描いていることでしょうか(笑)。ただし、本作の直義はかなり悪役まわりで、尊氏に存在感がないのを彼が出てくることで埋め合わせてる感じもします。
 ただ、同じ作者の「道誉と正成」でも直義は悪役回りだったもので…史実でも冷徹な感じはあるんですけど、安部さんの直義描写には、なんというか「こいつ嫌い」感がすごくあるんですよね。
 あとは後醍醐がこれまでになく「男くさい」ことですかね。義貞と一対一で「男同士の対話」をする場面が二度ほどあるんですが、お互いタメ口で語り合うところがユニーク。そうそう、義貞といえば勾当内侍ですが(本作では「房子」)、かなり濃厚なベッドシーン(布団シーン)描写で…えー、なんかバカに力が入ってまして(笑)。「都では男が背中からのしかかる体位が常だった」というのは本当なのかな?「背の君」というのもそっから、とかあったんだけど?
 ネタバレになっちゃいますが、ラストが史実通りではさみしいとでも思われたのか、義貞が北畠顕家の西上軍にいきなり合流して青野原合戦に参加しちゃうのには驚いたなぁ。北条時行も一緒にいたはずですが、その件には触れてなかったな。


>つねさん
 「杉原千畝」、僕は見ようか見まいか迷ってるうちに見逃してしまいそう(汗)。まぁ歴史物としての評価はいくつか見聞きするところではそう悪くないようです。千畝の「諜報員」的な部分は誰かが最近本を書かれてましたよね。まぁ外交官だの駐在武官だのってのは半分スパイみたいなもんですが。
 結構スパイネタ好きの僕はイギリス諜報部員の方の映画を優先してしまいまして…(汗)。


>黒駒さん
 「華夷変態」については大学時代にゼミで習いまして、江戸時代の日本知識人の意識にかなり影響した可能性は感じてます。南明精力が日本に援軍を求めたり、朱舜水が亡命してきて水戸黄門にラーメン食わせたり(笑)してますから、日本の「文明意識」にかなり大きな影響はあったんじゃないかと。「日本型華夷思想」なんてのも出てきますからね。朝鮮でも表向きは清に服属しつつ、一部には崇禎年号を使い続けるなど「こっちがホントの中華」な意識がどこか出てきますし、この点は似たようなもんかも。
 この「華夷変態」、大河ドラマで一度だけ描かれてます。といっても映像がほとんど残っていない「春の坂道」の話でして。山岡荘八が原作、萬屋錦之介演じる柳生宗矩を主人公にしたドラマで、最終回の映像のみが白黒で残っていまして、それを見たら明からの援軍要請に応じて家光が一度は大陸出兵を決めるも、「平和主義者」の宗矩が命を張ってそれを思いとどまらせるという展開だったんです。
 明清交代は庶民レベルでも一定の影響があったことは、近松の「国性爺合戦」が証拠になるでしょう。もちろん内容的には史実と大きく離れた内容ですけど、当時にあっては近い時代の国際的ドラマだったわけです。


>けん坊さん
 指摘を二つほど。
 まず例の映画について「絶賛」まではされてないように僕には読めるのですけど。
 それと、日本政府がユダヤ人迫害に手を貸さなかったのはそうでしょうが、積極的に保護したわけでも決してありません。満州にユダヤ難民と資本を入れてアメリカにアピール、なんて計画があった時期もありますが、杉原千畝の一件のころはドイツとの関係もありますし、その手の話はひっこめてまして、千畝の行動を日本政府の方針ととらえたらそれこそ「捏造」です。最低限ウィキペディアでもこの辺の事情はざっと抑えられますので、目は通しておいてください。



#10006 
けん坊 2015/12/17 01:33
杉原千畝

はじめて書き込みさせて頂きます。
「杉原千畝」の映画を絶賛されておりますが、千畝自身の人間性を描くとは別にして
映画は嘘ッパチです。
日本はドイツと同盟組むに辺り、ナチのユダヤ人迫害には加担しないと
閣議決定しております。当時日本の勢力圏にあった満州国も
ナチスの抗議を無視して難民を通過させていますし、東郷首相もはっきりと
ユダヤ人の迫害には反対しております。
千畝一人でユダヤ人を救済した訳ではありません。
日本がナチのユダヤ人迫害に加担した様に描くのは、悪質な歴史の改ざんです。




#10005 
黒駒 2015/12/16 22:54
「華夷変態」

最近ちょっと江戸時代の本を読んでいるのですが、まだ江戸初期の将軍家光から家綱の時代に、大陸の明朝から清朝への「華夷変態」と呼ばれる王朝交代は、けっこう日本へも影響を与えているのですね。このあたりは管理人様の専門分野ですから私が詳述することは避けますが、面白いなと思うのは幕府の学芸政策なんかに影響しているあたりで、目に見えた動乱ではなくて、社会風潮とか当時の知識人が敏感に大陸情勢に反応している印象がありますね。

共通性があるなと思うのは以前にもここで話した覚えがありますが、松平定信の寛政改革です。寛政改革では系譜・歴史書の編纂など学芸政策が強化されますが、これもそれだけが原因ではないでしょうが、蝦夷地におけるロシアとの外交など、対外的緊張を受けてもう一度、幕府の根本に立ち返り身分・格式による政治的秩序を再建しようとするものであったと思います。

けっきょく寛文期にしても寛政期にしても「早すぎた幕末」にはならなかったわけで、特に家光から家綱の時代にかけては「華夷変態」のような対外的緊張感のあった時代とは、あまり認識されていないのかなと感じました。

大河ドラマなんかでも近世をちっとも扱いませんし、戦国時代でもだいたいラストは関ヶ原から大坂の陣にかけて、これで泰平の世がやってきたと、そういう江戸時代のイメージを見せて締めくくります。戦国好きな人は、例えば島原の乱などもあるわけですし(これも対外情勢が背景にある出来事ですね)、なぜ泰平の世がやってくるとわかるのだと言ったりしますけど。

現代も尖閣情勢や南シナ海問題は確かに危ういと思います。しかしもし日中間あるいは米中間で何らかの政治的な妥協が出来て何事もなく緊張状態が過ぎていけば、後世に平成期の歴史を見たら、あの時代にそんな政治的緊張があったなんて知らなかった、なんてことになるのかもしれません。



#10004 
つね 2015/12/06 22:50
「杉原千畝」

見てきました。
泣き所はあるし、力作だとは感じるのですが、有名な「命のビザ」と優秀な諜報官としての側面と両方を追求して中途半端になったように思いました。もう少し人格者としての一面と戦後の窮状、ユダヤ人の恩返しを展開したほうが感動できたのにと少し残念に思います。映画的に感じ過ぎた部分もあります。ゲシュタポとカーチェイスはしないだろとか。



#10003 
ドバイ 2015/12/03 05:32
黒駒さんへ

日本犬 について、日本狼はいたが、縄文人に飼われたとは解らない!
とのお答えには、はっ!としました。
全く仰せの通りだと思います。
猪については、狩猟人だったアブダビから、「ありゃあ渡来の豚の子孫だぜ」と聞いたことがあります。
豚は生命力が強く、簡単に野生に戻る事が可能な種であるそうです。
今の日本の山林、里山はとても荒れた状況であるらしく、その原因は林業が廃れて放置された事にもあるが、日本狼、蝦夷狼という天敵、生態系の頂点を日本人が滅ぼしたからだと言うておりました。
そんな事を貴兄のコメントから思い出しました。重ねて御礼を申し上げます。




#10002 
ドバイ 2015/12/03 05:23
黒駒さん、管理人さんありがとうございます。

黒駒さん、御丁寧な御返事ありがとうございます。管理人さん、貴重な新知識ありがとうございます。

しかし日本の古代史とは解らない事だらけなのですね。
卑弥呼で知られる三国志の中の倭人伝にしても、それ以後が中国が南北朝の分裂と動乱の時期に入るせいか、日本に対する記述が失せていると伺います。
日本人による文字記録は、日本書紀とか古事記あたりからでしゃうか?
確か、これらは7世紀かそこらの編纂だと思いました。
解らないのも仕方ないですが、今後も科学のメスで、色々な事が解ると良いなと思います。



#10001 
徹夜城(むかし水木しげるの「あの世の事典」を面白く読んだ管理人) 2015/12/01 14:34
永遠のグーグーグー

 黒駒さんがすでに書いておられますが、水木しげるさんがとうとう亡くなられました。先ごろのやなせたかしさんと並んで漫画界の長老的存在でありましたが…まぁお二人とも十分に大往生といっていいでしょう。
 水木作品では「鬼太郎」以外はあまり読んでないんですよね。「ヒットラー伝」は最近読んでなかなか面白く思った一本。「総員玉砕せよ!」は先ごろドラマ化もされましたが、やっぱり原作漫画の方が壮絶です。こうした戦場実体験ものを描ける漫画家はそうそういませんでしたから、非常に貴重な作品だったと思います。
 漫画だけでなく文章の方でもいろいろ面白い著作を書かれていて、自伝「オレはホンマにアホやろか」は僕も少年時代に読んで大いに感銘を受けたものです。あと、古今東西の「死後の世界」ネタをまとめた「あの世の事典」も面白かった。仏教のなにか(往生要集かな?)に出ている「地獄に落ちる条件」を列挙し、どう考えても人類全員があてはまってしまうと指摘、「みんなで地獄とやらに行こうではありませんか」とまとめてたのが可笑しかった。

 長く活躍された方ですからどの世代でもよく知られてるのは事実ですけど、昨日のあの「全国民フィーバー状態」は本音を言えば意外。ライバル的ポジションにいた手塚治虫にも匹敵しそうな「国民的漫画家」状態だなぁ、と驚きもしました。漫画史的には手塚とは別系統の漫画家として論じられるように思うんですが、その妖怪漫画の最盛期には手塚治虫も強く意識して「どろろ」を描くことになったりしてますね。
 …語りだすときりがなさそうなので、あとは「史点」で書こうかな、と。

>ドバイさん
 馬の件ですが、奥州産の馬に実は大陸渡来の血があるのでは…という説は読んだことがあります。引っ張り出すのが大変なんですが、そういう論文を読んだんですよ。
 確定的なことはその論文でも言えないでいたと思いましたが、奥尻島で馬の骨が出たんだったか、馬具が出たんだったか、そんな話もあって、北方経由で馬の持ち込みがあったのかも、という仮説自体はそう無理ではないのかもしれません。



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