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#10300 
つね 2016/07/09 20:26
ジャンプの歴史漫画

「影武者 徳川家康」は楽しみに読んでいたのですが、サークルの友人に「あれを楽しみにしているのはお前だけだ」と言われてしまいました。案の定、「第一部 完」でしたが。
続編っぽい「SAKON」を目にすることがありましたが、第一印象は「家康(次郎三郎)が全然違うじゃん」。歴史漫画では同じ人物でも敵味方で絵柄が全く異なることは「漫画的表現」としてありうるのでしょうが。
あとは「るろうに剣心」は歴史漫画にならないかなあ。ドラマの「坂の上の雲」でも感じたのですが、変革期というのは羨ましさを感じます。もっとも同時代に生きていると感じにくいもので、今の時代も百年後から見るとけっこうな変革期に見えるのかもしれません。

>「メタルK」
タイトルだけだとピンときていなかったのですが、「美少女」「復讐」「エログロ」から記憶が蘇ってきて検索したらやはりあれでした。きちんと「美少女が全裸になって相手を硫酸で溶かす漫画」と言ってくれないと(笑)。機械の骸骨がチェーンソーを持って動き回るというのは、ターミネーターを思い起こさせますが、どちらが先だったかな。子供だった当時は第一話で一コマだけあったベッドシーンすら印象的でした。第一話ラストシーンの「頭蓋骨が指輪を見つめる」というのが一番印象的なのですが、意外と検索で引っかかりません。



#10299 
徹夜城(ジャンプは80年代でも毎号は読んでなかった管理人) 2016/07/09 20:04
少年週刊誌に歴史漫画は難しい

 先ほど「史点」をようやくアップしました。EU離脱ネタは二週間も経っちゃうとかなり新鮮味が落ちますね。他のネタも少々古くて…実はネタ不足だったりするわけですが、昨日に名ttw「足利義満が金閣のそばにたてた大塔の遺物発見」という格好のネタが飛び込んできました。そちらは次回にでも(これでまた新鮮味が薄れてゆくなぁ)。


>バラージさん
 実のところ、バラージさんがお挙げになった作品群、僕は本宮作品くらいしかちゃんと目を通してないんです。毎号読んでたわけでもなかったですし…そうそう「飛ぶ教室」ってったなぁ、と思い出しました。「北斗の拳」とは別方向ですが80年代まで隆盛だった「核戦争後の地球」ものの一作ですね。
 去年ヒットした「マッドマックス」もそういった作品群の一つであるわけですが、今となっては当時の気分を説明する必要が出てきます。僕の仕事である中学社会の授業でも歴史は少なくとも冷戦終結まではやんなきゃいけなくて(教科書は21世紀初頭まで書いてある)冷戦末期時代の状況説明に「マッドマックス」をネタにしたりしてます(笑)。

 それにしても新田義貴さん…ねぇ。新田一族、ことに義貞の直系は絶えてることになってるはず。ただし息子だか孫だかの一人が同族の岩松氏にひそかに養子に入ったという話もあったりしまして子孫がいる可能性を全否定はできないんですよね。
 なお楠木正成の子孫と自称してる人もいるにはいるらしい。大河「太平記」放送当時、正成訳の武田鉄矢さんが子孫に会ったとか発言してましたし、最近「南朝の直系子孫」を自称してる竹内さんというかなり怪しげな人も正成子孫が同級生にいた?とかいう発言をしてるのを動画で見かけてます。ただ明治政府が「南朝忠臣」の子孫を探し出して爵位を与える作業をした際にはそんな人は一切出てこなかった(あるいは認定されなかった)はずなんですけどね。


>水師提督さん
 ファミコン時代はもうなんでもあり、というか、ジャンプ連載作品なら売れるだろう、という程度で企画されたゲームソフトが結構あったように思います。RPGにまでなってたとは不覚にも知りませんでしたが、カプコン製作のアクションゲームの方は知ってます。あれもなんで今頃ゲームに?と思うようなタイミングでしたが…
 アクションゲームの方はPCエンジン版が出てまして、それでプレイしてます。もっとも1994年だったか、そんなころに発売されてまして、PCエンジンCD−ROMではアーケード版を再現するには荷が重く、かなり簡略化されたように思います。アーケード版の方は台湾や香港で意外と当たっていた、という話をどっかで見たような。続編も出てますしね。



#10298 
水師提督 2016/07/09 08:21
天地を喰らう

漫画としては、成功したとはいえない作品ですが、
妙にゲーム化の機会に恵まれていて、
ロールプレイングゲームと格闘ゲームで、各2作が出ています。

私がプレイしたことがあるのは、RPGの2作目ですが、
なにしろ原作が董卓討伐軍の解散で実質的に終わっているため、
大半の状況説明と台詞が『横山光輝三国志』のコピーという、すさまじい作品でした。
90年代は、著作権関連がおおらかだったんだなあ、と思わせるものがあります。

もっとも、原作未出のキャラクターはさすがに新規にデザインしたようで、
そういう意味で貴重な作品なのかもしれません。



#10297 
バラージ 2016/07/08 00:08
いろいろな話

>週刊少年ジャンプ
 やはり前置きの『天地を喰らう』『赤龍王』に対する反応ばかりで、本論の『メタルK』『マッド・ドッグ』についての反応はなし。ま、予想してましたが(笑)。まあ、数十週続いたし本宮ひろ志だしで前者のほうが有名でしょうからね。
 とはいえ本宮の週刊少年ジャンプでの全盛期はもっと前の『男一匹ガキ大将』とか『硬派銀次郎』なんでしょう。僕が読んでた頃は前期2作品と『ばくだん』しか掲載されてませんが、これが週刊少年ジャンプでは最後の連載になったようです。僕もそこまで夢中になって読んではいませんでしたし、正直言って当時は(ジャンプ漫画家としては)過去の人という印象でした。
 一方、『メタルK』の作者・巻来功士が打ち切り後に描いた次作が『ゴッドサイダー』。また、『マッド・ドッグ』の原作・武論尊が打ち切り後に描いた次作がかの有名な『北斗の拳』、作画・鷹沢圭(ひらまつつとむ)が打ち切り後に描いた次作が『飛ぶ教室』。『飛ぶ教室』は核戦争後の世界をサバイバルする小学生たちを描いた作品で、これまた数十週で打ち切りになりましたが、これも印象に残っている読者が結構いるみたいです。
 ちなみに僕が当時のジャンプ漫画で特に熱心に読んでたのは『キャッツ・アイ』『風魔の小次郎』『聖闘士星矢』といったあたり。

>ロジャー・フェデラー
 1つ補足ですが、「史上最強」と表現しましたが文字通り「史上」であって、現時点ではフェデラーは3位です。彼の絶頂期は10年ぐらい前。まさかあれから10年後もトップクラスにいるとは思いもしませんでした。

>イギリスのEU離脱
 僕が連想したのは、首都と地方の経済的格差に対する不満という意味での昭和初期の日本との相似ですね。2・26事件の犯人たちの動機にもそういう面があったと言いますし。暗い気持ちになっちゃう連想ですが。

>『真田丸』
 数ヶ月前にまた観始めたと書いたのもつかの間、またも観たり観なかったりになってしまいました。というのも4〜6月期には他に面白い連ドラが多く、優先順位が下がっちゃいまして(笑)。雑感としては、北条氏政がクローズアップされるのは珍しいなあってことと、あれ?前田利家がまだ出てきてない?ってことでしょうか。

>あら、こんなところに
 先日、地方紙の人物ミニコラムに新田義貴という方が載ってました。史上最大の原発事故を起こした日本が再稼働にこだわるのはなぜか?という疑問を描いたドキュメンタリー映画『アトムとピース〜瑠衣子 長崎の祈り〜』を撮ったんだそうです。その記事自体も興味深く読んだんですが、その記事の最後にさりげなく「北条氏を討ち鎌倉幕府を終わらせた武将、新田義貞の末裔」とあって、おやまあなどと思っちゃいました。



#10296 
徹夜城(史点更新がまたずるずる遅れている管理人) 2016/07/06 23:46
いろいろ順調に遅れています。

 ここ一週間ばかり多忙になってしまい、史点も先週更新緒つもりがズルズル遅れ、こちらの伝言板にもレスが滞りました。そうこうしてるうちに一番忙しいシーズンに突入してしまう…(汗)

>EU離脱ばなし
 これは「史点」でいま書いてる最中なんですけど、書きたいようなことはマスコミはじめあっちゃこっちゃで言われちゃってて、特に目新しい話も書けなくなってきちゃったなぁと執筆遅れを嘆いてます。もう2週間近くたったわけですが、世の中その現実を受け止めて少し落ち着いてきちゃったかな?とか言ってると今日も日本の株価が落っこちてますが。

>阿祥さん
 台湾の動きとイギリスのEU離脱を並べて論じるのはそう言えば見かけませんでしたね。香港との比較論は昨日どっかで見かけたような。
 ただイギリスの場合、若者層は残留支持であるのに対し(そのくせ投票率が悪かったみたい)、台湾・香港では若者層がむしろ中国からの離脱志向ということになりますか。離脱志向というより明らかに言論政治の自由度が低い体制に飲み込まれるのを恐れているというべきなんでしょうが。ヨーロッパにおける反EU志向はむしろEUの方が人権重視・グローバル・人道的理想論で、それへの反発という面が強いように感じます。


>バラージさん
 これはまた食いつきたくなるネタを(笑)。
 本宮ひろ志のジャンプ連載中国史もの「天地を喰らう」「赤龍王」の二作はどちらもほぼリアルタイムで読みました。「天地を喰らう」はすでに一つの三国志ブームが来ていた時期で、漫画だと横山光輝版が定番化していたころ。それへの対抗としておもいっきりファンタジーな三国志をやってみようとしたんでしょう。いま序盤を読むと狙いは結構当たっているように思うし、その後の諸作品を考えると先駆けていたところもあるように思います。でもジャンプ読者層には受け入れられず、作者もやる気をなくしたんだろうな、と。

 そのリベンジが「赤龍王」というわけでしたが、こちらは明らかに司馬遼太郎「項羽と劉邦」が下敷きになってます。「原作」…と言っちゃってもいいんじゃないの、というくらい影響があちこちに見られますが、劉邦とその仲間たちのキャラがもともと本宮キャラ的であったこともあって、それなりに独自の世界を作れていたと思います。
 ただこれも連載時、僕の周囲でも評判よくなかったんですよ。すでに中国史ネタに強かった僕だけが必死に弁護して先のストーリーの説明をしたりしてました(笑)。確か週刊少年ジャンプでの連載は項羽が宋義を斬ったあたりまでではなかったでしょうか。その後スーパージャンプとかその他でなんとか完結まで持ち込んでそこそこ完成度は高くなってます。
 本宮ひろ志はジャンプ草創期の「功臣」ということもあるしその門下からは多くのジャンプ漫画家が出てましたから、初代編集長の意向でかなり特別扱いではあったらしく、それで「赤龍王」もあそこまで連載が続けられたようですね。

 ジャンプ連載の歴史物というと原哲夫の隆慶一郎ものもありますが、あれの連載時はほとんど読んでなかったんで、いまだに通しては読んでないんですよねぇ。「花の慶次」なんかはかなりあのあたりの武将たちのイメージを広めるのに貢献してるようですが。


>黒駒さん
 「真田丸」、とうとう折り返し点を越えましたね。時代考証を担当してる方が放送直後にツイッターでネタばらし解説をいろいろなさっていて、おもしろく読んでいます。結構いろいろ元ネタありなんだな、と驚く話が多かったです。
 前回は昌幸の母「とり」の死去のシーンが「掟破り」なやり方で話題になってました(笑)。いいのか、それ?と思っちゃったものですが、そういや「新選組」ではまるまる一回コント状態にしてたくらいですから、あの程度は(笑)。


>最新南北朝本。
 つい先日、洋泉社「歴史新書」から「南朝研究の最前線」という本が出ました。いちおう「南朝」と銘打ってますが広く南北朝が扱われてると思っていいです。「最前線」のタイトルに恥じず、各分野で現在の専門研究者たちによる議論の最新状況が提示され、当然ながらそこにいたる研究史もまとめて読めますから、一般向け書籍としてはかなりお得な内容。
 南北朝マニアやってて専門書もチョコチョコ覗いてる僕だとそれほど新鮮な話は出てないのですけど、一般の方なら読んでみて南北朝の「通説」イメージはかなりくつがえされちゃうんじゃないかな、という内容ですね。特にやたらに出てくる合言葉が「『太平記』史観からの脱却」ですか(笑)。
 建武政権の再評価、その前後の政権との連続性、後醍醐天皇・足利尊氏・新田義貞・楠木正成ら南北朝人物たちの実像の再検討、などなど読みどころは多いです。個人的には「尊氏と登子の結婚はもっと早いはず」という議論が面白かったかな。あと、これ自体は前から言われてることではありますが義貞は少なくとの鎌倉幕府滅亡までは「足利一門」に一員にすぎない存在で「足利・新田の宿命の対立」なんてのは「太平記」の創作だという意見もいろいろ考えさせるものがありました。



#10295 
黒駒 2016/07/06 14:45
「真田丸」第26回より


「真田丸」第26回「瓜売」の回。個人的には非常にツボで楽しませてもらいました。「新選組!」でも江戸から近藤の妻が訪ねてきて、みんなで近藤に愛人がいることを誤魔化そうとする大コントをやっていたものですが、調べてみるとあっちは34回だったようです。若干ずれてはいますが、中盤過ぎにやっているわけですね。朝鮮出兵はやはり詳細には描けないことはわかっていますから、どうするのかと思ったら仮装大会の逸話を膨らませるという。

しかし、こうして見ると、管理人様は三谷氏は歴史マニアと指摘されていたものの、私はどちらかと言えば歴史といっても歴史学や最新の学説ではなくて、三谷さんの領分である演劇の世界と地続きである、どちらかと言えば二次史料で解釈された庶民の知っている「歴史」のほうがお好きなのだろうと思うところはありますね。

今年は特に時代考証面で最新の学説を取り入れる方針であるらしいので、なおさら『太閤記』にあるようなおなじみの逸話を脚色するほうが、筆がいきいきとしている感じがしました。

最新の学説のほうはまだ普通のドラマを見る層にはなかなか浸透していないでしょうし、三谷さんがやりたいのは、一度周知されて、それをもう一回ひねった脚本であるのかなと思います。若干、そのあたり不自由な脚本であるかもしれませんね。



#10294 
アジュマーン 2016/07/06 04:48
バラージさんへ

操作ミス失礼いたしました。
どちらも記憶に残ってます。
劉邦が何の取り柄でもない男で、しかし、「何者にも怯えない肝が欲しい。その度胸を持って世の中を自由に生きてみたい」との台詞に震えました。
私が柔道整復師、鍼灸マッサージ師、理学療法士の資格を取り、今じゃ経営者なのは、その台詞のお陰です。
そもそも人を治そうなど思ってませんでした。ただ何事にも怯えない度胸を手に入れる為に、東洋医学に学んだのです。それが今では経営者になって、日々の金勘定。 仕方ないとは思いますが…
経営で息詰まる日々でした。
子供も自立しました。嫁も亡くなりました。仏教かシステマか肥田式強健術か知りませんが、 腹を鍛える術を学ぼうと思います。院は近く他人に譲渡する予定です。そこそこ資産を得ましたが、後は、ガキの頃からの、何者にも恐れない腹を造る事に使いたい。
私的な話で恐縮ですが、貴兄のお話は私にはタイムリーでした。感謝をいたします。




#10293 
アジュマーン 2016/07/06 04:29
バラージさんへ





#10292 
アジュマーン 2016/07/06 04:28
バラージさんへ





#10291 
バラージ 2016/07/04 16:46
週刊少年ジャンプの歴史(ネタ)漫画

 またも大変な事件が起きてしまいましたが……気分を変えて(?)それ以前に頭に浮かんでいた話題を。

 僕も人並みに子供〜学生のころには週刊少年ジャンプにハマっていた時期がありました。80年代のころの話です。ジャンプ漫画の中には長期連載となった大ヒット漫画もあれば、10週打ち切りとなって人知れず消えていった漫画もあります。そんなたくさんの漫画の中で10週打ち切りでありながら個人的に妙に印象に残っている漫画がありまして、考えてみるとどちらもちょっとだけ歴史ネタが織り込んであって、それがその歴史事象とのファーストコンタクトだったりします。そんな「ちょっと歴史ネタ」な漫画の話を少々。

 その前に、これはもろに歴史漫画で10週打ち切りでもないジャンプ漫画だと、本宮ひろ志の『天地を喰らう』と『赤龍王』がありました。
 前者は三国志漫画なんですが普通の歴史漫画ではなく、天界や魔界も舞台となる史実とはかなり違った展開のファンタジー漫画とでもいうべき内容でしたね。当時、僕は三国志を知り始めたばかりだったので、歴史漫画を期待してたら全然違ったんで「なんだ、こりゃ?」となりましたが(本宮ひろ志もよく知らなかったし)、三国志を散々知った今になってみるとネオ三国志というか先がわからないだけに漫画としては面白いのかもしれません。でもこれも数十週で打ち切りだったけど(笑)。
 それに比べると後者は「項羽と劉邦」を題材とした普通の歴史漫画。僕はこれが「項羽と劉邦」もの(楚漢もの)とのファーストコンタクトだったので、「項羽と劉邦」というとどうしてもこの作品のイメージがいまだに強いんですよね。これも数十週で打ち切りだったと思いますが、他誌か増刊でむりやり完結させてました。

 ここからが本題。10週打ち切りだったのに妙に記憶に残っている、ちょっとだけ歴史ネタが入った漫画。一つ目は『メタルK』という漫画です。印象に残っている理由としては、ジャンプ漫画には珍しく女性(もちろん美女)が主人公だったり、お話がその主人公の復讐譚だったり、エログロ描写が結構あったりと、いろいろな意味で大人向けの漫画で個人的には新鮮ですごく面白かったからです。しかし友情・努力・勝利の週刊少年ジャンプでは(予想通りというべきか)ウケず、残念ながら10週打ち切りでしたが、印象に残っている当時の読者も結構いるようです。で、歴史ネタは何かというと、主人公が復讐を進めていくうちに悪の背後に闇の組織があることに気付くのですが、それがナチス(ヨゼフ・メンゲレだったかな?)と日本軍731部隊の生き残りが創設した秘密結社(改めて調べてみると「薔薇十字団」という名前で、これも歴史ネタ・笑)という設定。僕はこれで731部隊を初めて知りました。そういえばそのちょっと後に、製薬会社のミドリ十字の重役に731部隊の生き残りがいるなんて言うルポも読んだなあ。

 もう一つは『マッド・ドッグ』という漫画。こちらは実はタイトルは全く忘れておりまして、ただ内容がポル・ポト派時代のカンボジア現代史を舞台としていて、主人公が傭兵で、かつての親友が今はポト派の幹部になってポウ・ローニアと名乗っている、というストーリーだけを覚えていたんですよね。当時は歴史ネタというよりほとんど同時代を描いた漫画だったと思うんですが、僕はこれでシアヌーク、ロン・ノル、ポル・ポト、ヘン・サムリンといったカンボジア現代史を初めて知りました。『メタルK』同様に漫画としても新鮮で面白かったんですが、大人向けのハードな傭兵ものはやはり週刊少年ジャンプではウケず、これまた10週打ち切りに。でもこちらは一応物語として完結しています。



#10289 
阿祥 2016/07/02 19:42
台湾の総統選挙とイギリスのEU離脱問題

巷ではあまりこの二つの事象を比較している記事は見かけませんが、ふと思いつき、そんな視点もあるかなと思うので投稿してみます。

台湾の総統選挙で国民党が負けた主な理由は、この8年間の政策があまりに大陸との経済交流を重視し、台湾の独自性を軽んじたこと、大陸からの経済的・人的攻勢に危機感を覚えた若者たちが、身近な問題として国民党の政策にNOを突きつけたこと、そしてそれをうまく民進党が吸い上げ、党是である台湾独立を封印し、現状維持を基本政策として国民の安心感を得たこと等だと思います。

これらのテーマは今回のイギリスの国民投票での議論とよく似ている点があると思います。

まず、イギリスとEUとの経済的な結び付きが大切だから、そのメリットを論拠に与党がEUに参加することを説得したこと。国民党政権も、中国大陸との経済交流のメリットを根拠に政権運営を進めていましたが、それに対して国民感情としては、経済よりも台湾としての独立性の方が大切だという意見の方が多数だったと思います。
また、EUからの移民に対してイギリス国民が危機感を持ったこと。台湾での大陸からの移民はまだそれほどは多くありませんが、去年まではすさまじい数の観光客が来ていました。それに引き続き、中国とのサービス貿易協定が結ばれると、移民や会社の登記が解禁され、自らの就業機会が奪われると学生たちが危機感を持ったのがひまわり運動の発端だと聞いています。

それらに加えてヨーロッパ大陸に対してのブリテン島、中国大陸に対しての台湾という地政学的な位置関係、また、アメリカにシンパシーを持つ国際政治的環境もよく似ているように思います。

これらの動きは、経済活動の場をグローバルに広げようとする考え方に対して、もっと国内の、自らの国民に対してのケアというか、自尊心を満足させなければいけないという点でよく似ているように思うのです。台湾の国民党の8年間の政策も経済的な面では非常に成功していたにも関わらず、それでも台湾人はNOをつきつけました。経済的な成功よりも、国民としてのアイデンティティの方がもっと大切だということが今回の台湾の選挙で読み取れることなのだと考えています。

イギリスの国民投票の今回の結果は、EU離れの潮流の初めの一歩であるとか、そうではなく政治家の政策の間違いが生んだアクシデントだとか、いろいろな意見が聞かれますが、このように、期せずしてユーラシア大陸の西と東で同時期に現れたよく似た政治的現象だと考えると、やはり、アクシデントなのではなく、大きな時代の潮流の表れなのではないかという気がしてなりません。
結局のところ現状維持しかイギリスのとる道はないとの意見も聞かれます。その考え方も民進党の現在の政策と一致します。白黒はっきりした明確な指針は示せないが、大陸とはつかず離れず、しかし国民を満足させる独自性は維持しなくてはならないという難しい政権運営を求められます。



#10288 
初心者 2016/07/01 02:32
良いサイトですね

歴史好きで同僚に教わって観ると、いきなりウィンブルドンです。
でも気持ちの良いコメントでした。このサイトは幅が広いのですね。
バラージさんのコメントは楽しかったです。また寄ろうと思っています。



#10287 
通行人 2016/07/01 01:23
失礼しました。

内容をすっ飛ばして投稿になってしまった。失礼しました。
良くは解らないけど!テニスに詳しくない私もワクワクしました。
暗い記事ばかりの今に、バラージさんは有り難うございます。
英国というと私は冒険小説が好きなのですが、マクリーンのナバロンの要塞も、
ヒギンズの鷲は舞い降りたも、ライアルの深夜+1も、競馬シリーズの興奮も、
一度は地べたに叩きつけられて、尾羽を打ち枯らした人間の復権ドラマです。
アメリカ型の派手なアクションとは違う重厚な味わいがある。
今回のお話、世界レベルから堕ちた元選手の復帰談で、凄く読んでいて気持ちが腫れました。
バラージさん有り難うございました。



#10286 
通行人 2016/07/01 01:15
バラージさんの記事面白い!





#10285 
バラージ 2016/06/30 23:02
ブリティッシュ・ドリーム

 EU離脱の話ではございません(笑)。ウィンブルドンのお話。昨日までウィンブルドンはその話題で持ちきりだったのです。

 その男の名はマーカス・ウィリス。地元イギリスの選手で世界ランキングは772位の25歳。これまでグランドスラムはおろかツアーレベルの大会にも出場したことはなく、普段は地元の小都市ワーウィックのテニスクラブでコーチをしており、子供たちにテニスを教えています。
 ジュニア時代はウィンブルドン・ジュニアにも出場するなど期待されていた時期もありましたが、怪我やモチベーションの低下でその後は低迷。「正直、人生の負け組のようだった。体重も増えてしまった。鏡を見ながら お前はもっと出来るはず と語りかけていた」とそのころの心境を語っています。
 プロ選手としての生活をあきらめ、より条件の良いフィラデルフィアに移ってコーチ業を続けようと考えていたところ、新しくできた恋人に選手を続けてほしいと言われて翻意。地元イギリス選手を対象とした予選出場権をかけたプレーオフで3試合を勝ち抜き、予選も3試合勝ち抜いて本選出場。1回戦で世界ランク54位のベランキスをストレートで破り、ついに2回戦で史上最強のロジャー・フェデラーとセンターコートで対戦するというまさに夢物語のような展開。アメリカン・ドリームならぬブリティッシュ・ドリーム!

 フェデラーとの2回戦は、まあ予想通りストレート負けに終わりましたが、予想以上に面白い試合となり大盛り上がりでした。いやぁ、面白かった。
 フェデラーは本選の組み合わせが決まる前から彼のミラクル・ストーリーを知っていて多大な興味を持って見ていたそうです。対戦が決まった後に、「彼(ウィリス)の物語には多くの素晴らしいことが含まれている。正直なところ、どこから始めたら良いかも分からないほど」と語っていたフェデラーは試合後、「あのランキングから這い上がって来るなんて、いまのテニスではあり得ないことをやってのけた。テニス界の奇跡と言っていいと思う。試合後にも祝福してこれからも頑張るように言ったんだ」「試合をしながら思っていた。この試合は忘れられない試合の1つになるだろう」と語っています。
 フェデラーという人はこういう巡り会わせにも非常に恵まれた人で、こういうエピソードも枚挙のいとまがないんですが、史上最強のプレイヤーは幸運もまた史上最強なのかと思っちゃうほどです。

 暗い雰囲気に包まれたイギリスのちょっと明るい話題でした。



#10284 
留蔵 2016/06/30 06:31
黒駒さんへ

なるほど自分で調べるのが基本ですね?
これは失礼!
でも私が離脱問題に拘るのに辛辣な御意見をお持ちのようですが、これって現代史であり、みらいに歴史となる素材ではありませんか?
別に政治的問題を語る気はなく、歴史の一つとして書いているつもりですが?
まだ「歴史」とはなってないですが、そうなる分岐点と思ってます。
それがダメならば、そもそも現在進行形の話は書くなと、最初に提示して欲しいものですね?
そういうのは「後出しジャンケン」だと思います。南北朝とか中世の話題が出せなくて済みませんでした!




#10283 
黒駒 2016/06/30 01:19
質問にはお答え致しかねます。

興味がありましたらご自身で調べてみてくださいね。ここはまったりと、自分に関心のある話を歴史とかあるいは南北朝や歴史映像に絡めて持論を展開し、ちょっとだけ投稿者同士の軽い絡みがあると、そういう場だと認識しておりますので。私はつかず離れず、ときどき投稿というスタンスでやります。



#10281 
留蔵 2016/06/29 04:33
ところで国衆ってなんですか?





#10280 
留蔵 2016/06/29 04:14
本当に恐慌になるの?

ポンド下落にユーロも…で、恐慌になるとかマスコミと政治家が騒いでます。
本当なんですかね?
円高不況とか騒ぐけれども、そもそもバブルが来たのは円高が契機でしょう?
バブル再びは無理としても…
騒いでいるのはアベノミクスが株高と円安による輸出産業(大手企業)に頼ってきたからですよね?
円高になれば、当然ですが輸入原材料は安く仕入できます。ですよね?
日本の輸入原材料の3割〜4割弱は、実は国内消費に使われています。
日本の企業の7割強は、輸出とか関係のない中小企業です。カレーのCoCo壱番も吉野屋もUNIQLOだって基本は仕入輸入組。
原材料の3割以上が国内消費に使われるのならば、原材料を安く仕入る円高はチャンスではありません?
アベノミクスが高い評価されるけど、公務員と大手企業の社員以外に益がどんだけありました?
日本企業の7割は「輸出なんか関係のない中小」です。アベノミクスで利を得られなかった「グローバリーゼーションは益をもたらさない組」です。
悪いけど中国なんかと違い、国民が割と均質化して、庶民による内需が高い我が国では、円高で仕入れた安い原材料を、国内消費に使える!
アベノミクスが益をもたらさなかった中小企業や消費に、分配するチャンスでは?
庶民が潤えば、私のようなサービス業者は助かります。
アベノミクスって、上からの役人と大企業向けの政策ですよね?
これまで益を得られなかった中小企業の労働者には、「円高好況」となるチャンスでは?
マスコミも政治家も大きい所にしか目線を当ててないと思います。
歴史的にみてどうなのでしょう?
大企業と役人が困っても、庶民が助かるという前例はないですか?
誰も円高好況の可能性を言わない!
政治家もマクコミも上から目線で、騒げば金や票になると思ってるとしか思えません!




#10279 
中年猟師 2016/06/29 02:45
里山の荒れ果てはひどいものです

始めまして。愛読はしてるのですが筆無精で投稿など考えたことはのいのですが、黒駒さんが熊について書かれておられるのを先程に読みまして。下手な文章ですが書きたくなりました。
黒駒さんと言われると何人かの投稿者さんに応えて、南部馬とか、馬銜の話や獣骨の話など、興味ある話題を書いてらしたのを読んだ事があり、その黒駒さんも昨今の里山の荒廃は気にされているのかと思いました。
酷いものですよ。林業が成り立たなくなってから、手入れが成されなくかってますので。杉の山は行くと解りますが、鳥の声も聴かず、虫や蛇など小動物も少ないです。食べ物となる植物が育たない為に緑の砂漠となってます。そこを手入れをしないものですから、環境は悪化するばかりです。下生えは育ち過ぎる。
都会の皆さんは鹿やカモシカは雑草を喰うと思われている方が多いのですが、それは誤解でして。
羊や牛もそうですが、草食の獣は膝丈より高く育った草を食いません。消化に難があるからです。それは北海道で見掛けるサイロが何の為にあるのかを考えれば
理解できると思います。あれは草を発酵させて分解し易くした「発酵食品」なのです。育ち過ぎた草は鹿も食いません。
新芽を喰う奴らも、荒れた杉林では喰える餌がなく、里に降りてくるのですね。
本土で最近に騒がれる月ノ輪の目撃も、そうした里山の荒廃が原因と思われます。連中は草を食いませんが、植物7割くらいの雑食ですので。
自然薯や筍掘りの人と里山で遭遇するのは無理ものいのです。
マスコミも酷い。体長130pとか過少評価するような報道をする。130pといっても熊のそれは人間の「座高」であり、小さくはないです。70キロの雌とTVは言うけれども、それは土佐犬やシェパードの成犬と変わりません。猛獣の範疇です。
ついついヒグマと比べて侮るのでしょうか?
亡くなられた方にはお悔やみを申し上げますが、月ノ輪でも猛獣です。
私はヒグマも月ノ輪も仕留めた事があり、確かにヒグマとは桁違いですが、タフで危険な獣である事は替わらないと感じました。
ただ…昨今の報道に疑問を感じる部分があります。
本当にいわゆる「人食い」なのか?
人を襲撃した個体と、食べた個体が本当に同じなのか?疑問を感じる部分があります。
ヒグマが捕食獣(プレデター)の側面がつよいのに対して、月ノ輪は基本的にスカベンジャー(屍肉喰い)でして。
彼らは人でも鹿でも屍肉なら何でも喰います。昔、土葬が少なくなかった昭和30年代までは、地元でも山の墓を掘り返して食べた事が有りましたから。
それで人肉嗜好になったと言う話を古老からも聞いた事がありません。
人を餌として襲うのは、体に生肉の消化しかできない肉食獣(消化酵素がないので植物を消化出来ない)の、それも病や老化で狩りが出来なくなった個体の特徴です。襲って自信をつけたのは間違いがありませんが(四足獣は人間を観ると二本足獣でなく、ケンタウロス型の大型獣と認知する。実際の質量より3倍くらいの動物に感じるので基本的に攻撃しない)、
だからと言って、短期間に味をしめたというのは早計な結論です。
餌として人を襲うならば、それは山の食物が不作な年に、蓄えた脂肪が少な過ぎて、冬眠中に目覚めてしまった個体かつ、人肉を喰った経験のある奴だと愚考するのです。
山の筍や実が豊漁な今年に、しかも夏を迎える時期に、わざわざ人を襲って喰うとは疑問の余地があります。
襲った月ノ輪と、食べた月ノ輪は別な個体ではなかろうかと疑うのです。
とは言え、人を襲撃して殺した熊は人を怖れなくなるので、射殺はしなければなりません。
悠長な事を言わずに、知事は災害出動を自衛隊に依頼して、入山を禁止した上で
包囲して射殺するべきです。
手負いの獣と人を襲った獣を嘗めてはいけません。




#10278 
黒駒 2016/06/29 00:22
平成の羆嵐

ところで今年は例年に増してクマの人里への進出や獣害が甚だしい年です。クマ(ツキノワグマとはいえ)が人を喰う事に驚きの声もあるようですが、地方に住んでいると正直、そういう話はちらほらと聞きます。

私もこれまで見なかった大量のシカ糞などを見ることがあって、山村の衰退に伴い、里山環境が激変していることを思い知らされつつあります。クマもそのうち、人事ではなくなってくるかもしれません。

クマによる獣害というと、やはり吉村昭氏の『羆嵐』が想起されますね。私も読んだことがあるのですが、諸読の印象が「これは誤解されて読まれるのでは?」というものでした。確かにとても凄惨なノンフィクションではあるのですが、吉村さんはスプラッタ・ホラーとしてこの事件を書くことを思い立ったわけではなかろうと思います。

冒頭に北海道の貧しい開拓村の生活が描かれ、彼らは三毛別に入植し、その土地で生きて死ぬことで先祖を弔い、大地と一体化することで本当にその土地に定着したと言えるとか、そういうくだりがありました(それがヒグマによる事件で村落を放棄することを余儀なくされるのですが)。

私はこのあたりを呼んでいて、これは一種の「農民文学」みたいなものではないかな?と思いました。その後、吉村さんのエッセイで関連するものを探してみると、やはり吉村さんはあの小説でまず描きたかったテーマは「土」であると記していて、やっぱりなと思いました。

ところが、どうしても猟奇趣味的な小説として読んでしまう人はいるのでしょうね。本の読み方に間違いはないのですが、なんだかなぁと思います。



#10277 
黒駒 2016/06/28 14:45
一言だけ補足

中世史においては、戦国大名を一つの「国家」とみなす地域国家論と呼ばれる理論があります。「真田丸」は時代考証面においてはおそらくこれに基づいているわけで、それを念頭においた連想です。



#10276 
徹夜城(イギリスは二つしか行ってない外国の一つの管理人) 2016/06/28 12:50
ダイエー帝国

…と書くと、今や不吉な表現に(笑)。気がついたらソフトバンク帝国に変わってたりして。
などというネタを考えていたらサッカーのユーロ大会でもイングランドが格下のアイスランドに敗れる番狂わせが起こり、あちらでも「英国が週に二度もヨーロッパ離脱」とネタにされてるようで。なんだか象徴的なことが起こってしまいました(まぁアイスランドもEUに入ろうとして踏みとどまってる国なんですが)。
 その後もあれこれとイギリスに関していろんな報道が流れてますが、総じて世界中に迷惑をかけてる、あるいはイギリスの自滅といった感じで報じられるのがほとんど。離脱をあおった政治家たちもあっさり前言ひるがえしたり、EUに対して「今までと同じに」と虫のいいことを言ったりしてるのをみるとどこまで本気で離脱する気だったのかと思っちゃいます。


>留蔵さん
イギリスの知人お二人のケースは大変興味深く拝読しました。「総中流」な意識の日本と比べると(最近はそれも怪しくなってきてるか)、英米、あるいはヨーロッパ全体では上流階級とそうでない階層との意識のギャップ、お互いに対する不信意識というのはかなりのものがあるように思えます。
それでもお二人とも実際にEU離脱ということになるとそれはダメだ、ということになるわけですね。

移民の件にしても、今回離脱票が多かった地方に実際どれだけ来ているのか気になるところ。一部で見た評ですが、「実際に移民が押し寄せてない地方の人たちが移民が来るといやがって離脱に投じた」という声もあるみたいで。ここ十年で特に東欧からの移民が急増したのは確かなようですが、彼らが果たしてそういう地方へどれだけ行ったんだろ?と僕も疑問には思ってます。最近の中東やアフリカからの難民の話とイメージがごちゃごちゃになってる人も結構いたんじゃなかろうか…とも。実際に独立党なんかそういう恐怖をあおる宣伝をしたようですし。

あと、「黒駒」さんがEU離脱ネタを真田丸ネタと結びつけてるのは、実はツイッターなどでは一つの流行になっていたりします。戦国から統一に向かう時期の日本が、いわば独立国家が巨大な権力のもとで強引に統合されていくという点でEUの状況に似ていなくもないからです。実のところ戦国ごろの日本人は現代人とは「日本」の位置づけ、意識がずいぶん違っていた気もしますし、江戸時代の幕藩体制だって「連邦制」みたいなもんでもあります。
 ですから大坂の陣での浪人の話を「難民」に例えているのは別に異民族だと言ってるわけではなく、当時の日本の地域分立状態を現在の国際社会に例えているものと、理解すべきでしょう。



#10275 
留蔵 2016/06/28 03:57
あのう…

真田丸と英国の離脱に関係があるとは思えませんが?
大阪城に浪人がいくら集まっても、それは均質な日本人であって、異民族の移民が大量に流入してくる話とは別次元なお話と思いますが。
当時は交易とか海賊とかいたのでしょうけど、大量の移民が日本に来たという話は聞いた事がありません。
本質的にまるで違う話な気がしますが?



#10273 
黒駒 2016/06/27 23:12
同時期のことは重ねて考えるもので

なんだか、英国情勢と「真田丸」で展開されているような国衆論を重ねて考えてしまいます。史点に出てくる話かもしれませんが、英国のEEC加盟の際にド・ゴールは「英国はアメリカのトロイの木馬だ」と、ヨーロッパとアメリカに片足ずつ置く英国のスタンスを批判し、EEC加盟に強く反対していたらしいですが、今回もEU諸国は英国に対して「速やかに撤退を」と、まったく残留させるように周旋することをしないのにも、相当な英国不審が噴出している印象もあります。

大戦前後の英国が徐々にアメリカへの従属を強めていくことは指摘されますし、私も先述のブレア政権期のことが想起されます。「真田丸」に出てくる真田などの国衆も大勢力間を「両属」の立場でなんとか生き残れるように揺れ動く存在ですが、英国も今やそういう存在なのだなぁと痛感しました。

かつて移民を送り込む側だった英国に、逆に移民が押し寄せている現象も含めて。大坂の陣も、なんとなく豊臣政権をただの大名にして統一国家に組み込もうとしていたところに、牢人衆という難民が大坂城に終結し、独立を求めたような経緯にも思えてしまいます。



#10272 
留蔵 2016/06/26 02:33
参考になるか解らないですけど

例のEU離脱のニュースで、現在40くらいの二人の友人の在ロンドン談を思い出しました。
二人とも15〜20年前に同じ時期にロンドンに住んでました。どちらも5年はロンドンに滞在しているはずです。
ですが、まるで英国感が真逆なんです。
一人は英国の税理士資格を持ちCITYで働いてまして、後に国連高等難民弁務官事務所に勤めた後で帰国。住んでたのは郊外の閑静な街。
もう一人はダウンタウンでセルフディフェンスの道場を経営していた格闘家。
こちらは英国の団体に所属するキックボクサーでもあり、所属のジムもダウンタウンにあったそうです。
前者の話を聞くと、その友人が大卒が多いせいか、英国人はリベラルな人が多いのかな?と思えます。
しかし後者の話を聞くと、街には白人も移民も悪い奴だらけ…に感じます。
仕事にあぶれた白人の若者も、移民の若者も堅気の市民に暴力犯罪する人が多くて、移民もロンドンっ子も餌食にする。だから怯えた人にセルフディフェンスを教えて商売になるんだよって!
(ちなみに後者は英国籍を持ち、ANAみたいな名称の部隊に所属して北アイルランドで爆弾処理していたそうです)
ちょいと乱暴なデモや暴動が起きると、
軍隊や警察のヘリがサーチライトを照して一晩中、飛び回っているとか。
でも前者は「そんなヘリは見なかった」という。
これはどちらも嘘をついているのでなく、ダウンタウンとアップタウンは別世界という事なのでは?
そう感じたことがあります。
前者のような高等教育を受けて有能な人は、まぁ移民の流入によるスラム化や犯罪の危険に遭遇する機会が少ない。
一方でダウンタウンに住む人は、そうしたら危険に晒される。
それが…社会階級の差が鬱積した怒りを呼んだのではないかと思います。
辞任した首相はパナマ文書に名前が載っていたそうですし。
サンダースやトランプの躍進を観ていても思うのです。
随分と前ですが「やらせ」を告発したジェシカ・リンチって女性がいました。
この人は女性兵士でしたが、小学校の先生になる為に大学に行きたくて、奨学金の為に軍に志願して兵士になったと聞きます。クリントン元大統領の娘のチェルシーさんは第二子が産まれたニュースを聞きましたが、すでにクリントン財団のトップで、一生を食うに困らない人ですよね。一方で若い女性が大学に行くために戦争に行く。
とんでもない不公平です。
そういう事が積み重なると、庶民の武器は「投票権」だけですね?
英国もアメリカも、ヨーロッパ大陸も、
もうエリートの言葉には騙されない!
感情と言われようと、俺たちは怒りを表明する為に投票権を使う!
そういう人が無視できぬほど増加したのではないでしょうか?
でなければ、離脱もトランプ旋風もサンダース善戦も、極右の欧州での台頭も説明がつかないと思うのです。
でも…前述の二人に電話したのですが、
二人とも呆然でした。
住んでた所も経歴も違うが、酷い事になるから離脱はすべきでない!
この点で一致してました。

これは元格闘家で元軍人の彼の弁ですが、「誰も離脱に決まると思ってなかったのでは?離脱に投票した人も」
彼は離脱にはならないだろうけど、エリートの思い通りにはならない事を表明する為に離脱に入れた人は少なくないのでは?
入れた後で結果がこうなって、結構に困惑してる離脱派の人も多いのでは?
そう言ってました。
この間、ヒトラーが台頭する時期にドイツでそれを見物したアメリカ人の証言をあつめた洪を読んだのですが、何となく不気味な「似た感じ」を受けてます。

ところで北アイルランドやスコットランドでEU離脱を原因とする分離独立が成されたら、まさかケベックやバスクや沖縄に飛び火しませんよね?
バスクはともかく後者はEUには関係ないのですから。
どっちにしても半数は反対の人がいる状況で決定したのですから、怨恨は残ると思います。このまますんなり二年後に離脱できると思わないのは私の愚考でしょうか?



#10271 
つね 2016/06/25 02:57
歴史教育

私はもう20年以上、歴史教育からは離れているのですが、受験勉強といっても「歴史は物語」のように捉えていました。年号語呂合わせもやはり節目節目を押さえるためですが、20年以上たっても覚えているものがあるので、効果を感じています。
南北朝の時期だと
いになよ(1274)、いぬわい(1281)、元寇
いちみさんざん(1333)、鎌倉幕府滅亡
いさんでさんしん(1334)、建武の新政
いざくに(1392)、ひとつにまとめよう
あたりは記憶に残っています。室町幕府成立の年号は覚えていないのですが、まあ建武の新政の翌年か翌々年あたりだろうという感じです。
反面、文化史や美術史が、「物語」を感じられずやや苦手でした。どうしても教科書では代表作だけ覚えることになりがちで。興味の有無というのも大きいでしょうが。



#10270 
つね 2016/06/25 02:45
ブレグジット感想

私も今日は職場でリアルタイムでインターネットを覗いていました。日経新聞その他では「ブックメーカーのオッズでは常に残留派が圧倒」とか「イングランド以外では話題にもならないくらい残留一色」とか言われてましたし、議員殺害事件も同情論に結びついて、「騒いでいても結局はスコットランド独立みたいに落ち着くんじゃないの」と思っていました。テロは(少なくともテロリストの思う方向には)歴史を動かさない、ということを示してほしかったところです。

ただ、今回の結果を短絡的な離脱派による扇動みたいに捉えるのではなく、理想に対する現実の手痛いしっぺ返しのように見ています。私も印象論になりますが、イギリスは階級社会なので、「残留派は上流中流層で経済的に豊かで教養もある」(=理論派)、「離脱派は下層で教養がない」(=感情派)という見方も一部で見たのですが、そもそも移民難民で仕事の取り合いや負担の増加など直接影響を受けるのが下層労働者なのだから、移民難民受入反対→EU離脱に傾くという面があったと思います。残留派から上から目線で経済的な影響を説かれても説得力はなかっただろうと思います。近年のEUの拡大・深化も、もともとのEU諸国の市民の意向はどれくらい反映されていたか疑問です。

一般論になりますが、理想と現実の舵取りをして中道路線を探るのか、右に左に大きくブレながら進んでいくのかということになり、最近の国際政治を見ていると前者の道の困難さが窺えるようです。



#10269 
黒駒 2016/06/25 01:01
EU軋轢の経緯

私はふだん、国際情勢などほぼまったく追っていないので、印象としての記憶で語ります。私が思い起こすのはアフガニスタン・イラク戦争のときで、ブレアが国民世論の反発があったにも関わらず対米追従を選択し、思えばあのときからドイツ・フランスとは距離がありました。

我が国でも小泉政権が同様に対米追従を頑として宣言していました。この点は賛成反対あるでしょうが、私は今思えば、英国にしろ日本にしろ、あの戦争に追従するかどうかでアメリカに干されることがあったら、致命的なリスクを負いかねなかったのだろうなと思っています。

その後のEUというと、ブレアをEU大統領にどうだろうという案がありましたが、けっきょく白紙になりました。そして、確かフランスであったと思いますがEU憲法の草案も否決され、なんとなくEUの地域統合のステップには暗雲が、あの頃からあったようにも思えます。

最近の情勢というとまったく不案内なのですが、指摘されるようにまず加盟国の経済が危うくなり、それに移民問題・テロが加わり、致命的な分断を引き起こしてしまった、というところでしょうか。

私はなんとなく「真田丸」の時代を思い浮かべます。「真田丸」は時代考証の先生方の御説からして、戦国大名を「地域国家」として見る歴史観に基いているだろうと思いますし(大名間交渉は「外交」)、ちょうどいま、地域国家が比定され、豊臣・徳川政権という地域統一に進んでいて、その中でいろいろすんなりとは行かない事態が起きていると。



#10268 
徹夜城(今日は自宅でリアルタイムで英国国民投票開票を見ていた管理人) 2016/06/24 23:41
「やっちまった」感

 いやはや…イギリス、ホントにEU離脱を決めちゃいましたね。開票直前までなんとか残留が勝ちそうという見方が多かったのですが、各方面で予想外の結果となりました。
 思うところは近日中に「史点」でも書きますが、最悪の流れをとった場合、後世に「あれが分岐点だった」とか言われる歴史的な日になっちゃったりするのでは…と。
 変な流れができちゃうと、トランプ当選だってありうるからなぁ…



#10267 
徹夜城(記憶違いをよくやらかす管理人) 2016/06/21 13:28
訂正を入れました。

>バラージさん
ご指摘ありがとうございます。僕の記憶違いでした。アップ前に確認した方がいいかな…と思ったのですが、すぐにチェックできなかったもので(ずいぶん前にBS放送時に録画したVHSテープがどっかにあったような…)。



#10266 
バラージ 2016/06/20 23:54
史点

 映画『マルコムX』に出てきた、チンピラ時代のマルコムらが「黒人ボクサーが白人ボクサーに勝った」と喜んでるシーンで、勝ったプロボクサーはカシアス・クレイ(モハメド・アリ)ではなくて「ジョー・ルイス」ですね。“褐色の爆撃機”と呼ばれたチャンピオンだそうで、マルコムやアリよりもずっと年上です。確かマルコムが徴兵逃れ中の第二次大戦中のシーンだったはず。クレイ(アリ)については映画では全く言及がなかったと記憶しています。映画『アリ』は観てないんですよねえ。



#10265 
徹夜城(しばらく書き込みを怠ってしまった管理人) 2016/06/20 14:12
気がつけば今年も半分

 …この時期になるとついつい上記のようなことを言ってしまいます。この半年、何やってたかなぁと思い返してしまう。HPの更新作業は停滞気味の方でしょうか(汗)。というわけで、先ほど「史点」を更新しております。

 史点ネタからはタイミング的にとりこぼしましたが、昨日フジテレビの「Mrサンデー」で上海ディスに―ランドを取り上げたところ、会場内のパレードに「ディズニーとは関係ない三国志の武将が…」とやらかし、「そりゃ、れっきとしたディズニーアニメの『ムーラン』だ!」と抗議も結構きたそうで。番組の最後に一応のおわびはしたらしい。しかし「ディズニーキャラを中国風にアレンジしたもの」とさらに勘違いの訂正をしていたため知ってる人はさらに呆れたそうで…

 僕はあの番組、その直前まで見てたんですが上海ディズニーの話になった途端に消したんですよ。だってここ数日の日本のワイドショー、ニュースショーで上海ディズニーをとりあげると決まって何か「くさす」ネタをやるんですね。それも「アラさがし」」のレベルで見ていて見苦しい。それが視聴率をとるという面も否定できないんでしょうけど、そういう卑しい心理がイヤですな。
 以前に中国政治学の人の本で読んだことですが、日本の中国ネタ報道、とくに何か「クサそう」という意図をもってるものは、報じる側の中国史・文化に対する無知もあってとんでもない恥をさらしてるものが見受けられます。ホント、注意が必要で。


>つねさん
年号の語呂合わせ、僕も社会科講師ですからネタとしてチョコチョコやるんですが、バラエティがいろいろありますし、生徒たちが悪乗りして勝手に作ったりしまして、結局のところ暗記にはあまり役に立たないような…とも感じます。実のところ、僕自身歴史の年号なんて全然覚えてませんでしたし。節目節目は分かってた方がいいんですけどね。
 「いいくに作ろう鎌倉幕府」がやたらに有名ですが、「なんと(710)大きな平城京」(これ「南都」もひっかてるんですよね)「鳴くよ(794)ウグイス平安京」「白紙(894)に戻す遣唐使」「ひとつやろーや(1868)明治維新」なんかは傑作ではないかと。他はかなり無理矢理なのが多くて。


>黒駒さん
 「宮本武蔵」のお杉さんというと、僕は役所広司主演のNHKドラマで演じた鈴木光枝が強烈で、いまだにこのイメージですねぇ。当時あまりの怪演に、「武蔵がかわいそう」との声がNHKに殺到知っとか何とか報じられてた記憶があります。
三國連太郎といえば、稲垣浩監督の三船敏郎版の一作目では又八役でした。


>バラージさん
 モハメド=アリの追悼記事は僕も「史点」で書いてみました。確かに、現代においてはむしろスポーツ選手の方が「歴史的存在」になるのかもしれません。まぁアリの場合は特に時代を象徴していましたね。
 ウィル=スミスが主演した映画「アリ」はレンタルビデオで見たはずなんですが、内容を完全に忘れております(汗)。



#10264 
バラージ 2016/06/16 00:50
追悼モハメッド・アリ

 彼の現役時代をリアルタイムでは知らないのですが、その存在は物心ついたころからすでに伝説でした。「蝶のように舞い、蜂のように刺す」の言葉はすでに慣用句と言っていいほどに有名でしたし、スポーツ以外の人生の部分でももはや歴史的な存在だったと言っていいのではないでしょうか。
 ご冥福をお祈りします。

 ときどき思うのですが、現代、特に第二次大戦後の時代においては、政治家や王族などではなくスポーツ選手や芸術家・芸能人こそが本当の歴史的存在なのではないでしょうか。



#10263 
黒駒 2016/06/15 22:18
内田吐夢版「宮本武蔵」を見て

ふと浪花千栄子の演じるお杉ばあさんが見たくなり(どういう動機だ)、内田吐夢版「宮本武蔵」をとりあえず第一作だけ見ました。ずいぶん久しぶりに見ますけど、なんだか三國連太郎の沢庵の存在感が極めて強い映画ですね。

今回気がついたのが、お杉がまだ又八が死んでいると思っていた頃に、お通さんに本位田家と婚約した以上、うちに来てともに暮らしてくれぬかと言うシーンです。

吉川英次は創作であるとはいえ、どうも江戸時代には後家になっても婚家にとどまるというケースはあったみたいですね。介護の問題とも関わるのかもしれませんが。吉村昭の『間宮林蔵』でも同じ話があって、林蔵が北方探検をしている頃に、両親は林蔵の妻となる娘を間宮家に迎えていた。ところが林蔵は北方探検中に音信不通となり、死んだこととされていた。林蔵の「妻」はその後も間宮家に留まり、ついに林蔵の顔を見ることもなく病死した、という話ですね。

ちょっと、江戸時代の婚姻の事情に興味を持ちました。



#10262 
つね 2016/06/06 22:57
視点感想

ちょこちょこと思ったことを。

>遺跡発見?
こういうのを見ると私は子供のころの夢をかなえてトロイを発掘したシュリーマンを思い出すのですが、あまり世間的には連想されないみたいですね。シュリーマンもかなり胡散臭い一面があったようです。

>巨人の星(笑)
直接確認したわけではありませんが、三日月の欠けている部分に光っている星があるそうです(笑)


>語呂合わせ
私はコロンブスのアメリカ到達は「いよ、くに見つけた」だったのですが、色んなパターンがありそうですね。最近は「見つけた」という言い方は正しくないとされるそうですが。そういえば鎌倉幕府成立も「いいくに」ではないという説が有力のようですが、教科書でも守護・地頭の任免権を承認された1185年ということになっているのでしょうか。ちなみにこの年の語呂合わせは「いいやこれなら壇ノ浦」だったと記憶しています。



#10260 
ろんた 2016/06/03 22:41
おくればせながら……

みなさん、レス、有難うございます。最近は、なんだか古い本を引っ張り出してきたり、昔見た映画やドラマを見直してばかりいるような気がします(笑)。


>水師提督さん
自分の屋敷に逃げ込んだって方が通説なんですね。しかも、あれからまた『武将列伝』をパラパラ見ていたら、佐竹義宣が三成を女乗り物で屋敷に送り、その後、家康の屋敷に出かけて嘆願した、という話がちゃんと書いてある。いったい、何を読んでいたのやら、情けない……。(この話題、徹夜城さんへのレスに続きます)

三成のカウンタークーデター、なんだか「柳生一族の陰謀」時代の東映だったら飛びつきそうです。最後、事敗れた三成が、秀頼と淀君を道連れに大坂城天守閣ごと爆死したりして(笑)。あと、家康−利家が和解した頃、小西行長の屋敷にシンパを集め、家康の宿所の藤堂家屋敷を襲撃しようとしたという話もあるそうです。小西行長が賛成、前田玄以と増田長盛が反対、どっちつかずの長束正家が偵察すると、警戒厳重だったので断念したとか。


>つねさん
とーとつですが、「ワーテルロー」と聞くと無念の涙が……。あれがこけたせいで、キューブリックが「ナポレオン」を撮れなくなっちゃったんですよねぇ。ということで「ワーテルロー」は未見なのですが(汗)、監督さん、「戦争と平和」と同じく人海戦術を駆使しているようですね。

で、もう一つ。ワーテルローで働くガイドさんは、全員、関ヶ原のことを知っていて、世界史の最も大きい戦いはワーテルローと関ヶ原だとか、午前中に優勢だったところがナポレオン方と石田方は似ているとか、当日の天候も似ているとか、観光客に解説しているそうです。司馬の「関ヶ原私観」にある話で出典はないけれど、岐阜県知事に聞いた話っぽいので大丈夫……かな?(笑)


>バラージさん
『真田丸』は割と好意的に見てます。三成の第一印象「人を不快にする何かを持ってる」には笑いました。伊達政宗の眼帯とかは、長い時間かけてイイカンジになっているはずなので、あまりいじらない方が良いとは思うんですけどね。そして第三クールの見所は、ぶっ壊れていく秀吉とそれを持て余す三成、吉継、信繁?

「影武者」ですが、見直すと「風」は速度重視の軽騎兵、「林」は歩兵というより長槍部隊(槍を立てると林みたいに見えるから?)、「火」は破壊力重視の重装騎兵、「山」は親衛隊というように見えます。このうち「林」は記憶からゴッソリ抜け落ちていて、各隊の名前も忘れていました(汗)。あと「林」が、「火」「林」「風」の順番で行軍してます(笑)。歩速をあわせなきゃならないから、撮影も大変そう。そして突撃ですが、勝頼役のショーケンが、自信たっぷり→怒り→パニック→茫然自失、と演じ分けていて意外と不自然さを感じませんでした。あと「山」は突撃していないみたい。

偶然ながら、ショーケンが勝新降板の真相を語っていましたね。なんだよ、迎えに行ったら部屋が×××臭かったって(笑)。


>徹夜城さん
わたしも三成の逃亡先について初めて読んだのは学習漫画でしたね。で、またまた思いついて中公文庫版の『日本の歴史』を引っ張り出してみると「伏見に逃れ……家康に保護を求めた」と微妙な言い回し。一方、平成の学術文庫版は「笠谷和比古氏によれば、逃げこんだのは通説のような家康の屋敷ではなく、三成自身の屋敷で……」としています。疑問が持たれていた「通説」が、ここ20年ほどで否定された、ということでしょうか。

メッケルの話を「創作」とか「捏造」とか言ってるというのは、もちろん一部のアンチの話です。あの話って「日本史探訪」だよなぁ、と調べ始めたら、その手の話を知って、根拠が書かれていないので、ホントかな、とさらに調べた挙げ句にいい加減嫌になって、主張をするなら根拠ぐらい書けや、ボケ!……という気分が出てしまったのかも(汗)。

司馬の史料蒐集については、トラック何台という単位で買い付けていたとか、司馬が新作の準備を始めると古書の値が上がるとか、生前から伝説があったようですね。あと創作を事実と誤認したというのでは、司馬が創造した人物を人名辞典で一生懸命調べていた人の話があります(笑)。教えてあげても、司馬さんがそんなコトしますかねぇ(<まるで悪いコトしたみたい)、と半信半疑だったそうで。

義満の「日本国王」がまずいというのは、秀吉が明に「日本国王にしてやる」と言われて激怒したという伝説と同じく、「冊封」ということの意味が分からなくなっているんでしょうね。それは東アジアにおいては国際感覚の欠如ということになるわけですが。あと、字面的に「天皇」(天帝+皇帝?)の方が偉そうなんで「国王」で問題ない気がします(笑)。まあ、そんなこと言ってると勤皇の志士に斬られちゃいそうですが。

幕末における開国や神戸開港の勅許の問題は最重要課題ですが、鎖国の時は勅許とか得てないですよね。だったら理論的には開国の時も必要ないと思いますけど(笑)。まあ、そんなこと言ってるとジョーイ・ローニンに……。


>アジュマーンさん
幕藩体制では、ほとんどの大名が外交どころか幕政に関与できません。特に老中になれるような大名は譜代でも限られていて、井伊家などは直弼以外に何人も老中、大老が出ている反面、水野忠邦などは老中になるのにかなり無理をしているはず。例外的に柳沢吉保とか田沼意次など将軍のお気に入りや、将軍の縁者である松平定信や保科正之のような存在もいますが。阿部正弘の方針もあって、ペリー来航以降は大名が発言するようになるけれど、本格的になるのは桜田門外の変以後でしょうか。

あと、これも例外になりますが、外交に関わっているといえば、朝鮮国との取次役である対馬の宗氏。宗氏が朝鮮国王に臣従したから対馬は韓国のものだ、などというトンデモの根拠になった約定を結んだり、大量の偽国書を朝鮮国王に送っていたりと室町時代から色々やらかしてますし、江戸時代になってからも国書の偽造事件を起こしてます。まあ、宗氏には宗氏なりの事情があるんですが。朝鮮との国交が回復したのも、宗氏の偽造国書のお陰ですしね(笑)。<これを見つけたの、近藤重蔵らしいです。

それから、もうあらゆるメディアで使われているので今さらなんですが……。「血税」って本来は徴兵制のことなので、こういう場面では使わない方が良いかな、と個人的には思います。



#10259 
CBー8 2016/06/03 04:00
人類の品種改良は可能か?

フリードリヒ・ニーチェの妹が南米に開拓した「ゲルマン村」を訪れた報道人の本を読みました。
ゲルマンの血を濃く残すために、近親婚を繰り返し、長身、金髪、碧眼の特徴は強く残るものの、遺伝病の罹患率が高すぎて村は衰退していたとか。
皮肉と思うのは、英国主導で行われたジャマイカにおける「ヒトの改良」は成功したと思えるからです。
新大陸に運ぶ奴隷船は、極限まで黒人奴隷を密集させていて、隙間なしに詰め込まれた奴隷の三割は死亡したそうです。
だから西インド諸島に渡った奴隷は、免疫の強い子孫を残したとか。
その中でもジャマイカはブルーマウンテンのコーヒー豆の名産地てすね。
コーヒー豆は急峻な山岳で取れますから、足腰の強い奴隷を交配させて、「品種改良」したと言います。
その結果か、ウサイン・ボルトやベン・ジョンソンなど、世界陸上のトップ選手にはジャマイカにルーツを持つ人が多くて、他にもブラザーの選手が現アフリカ系よりも優位ですね。
これって人為的な「人類の品種改良」だと思います。
人が家畜を品種改良してきたならば、同じ哺乳類であるヒトにも可能な訳なはずです。生物学的に。
悲惨な過去はさて置いて、ナチスに援助されたニーチェの妹のグループが医学的に衰退の道を歩んで、黒人奴隷の子孫が優生学的にエリートになっているのは、歴史の皮肉と思いました。




#10258 
通行人 2016/05/31 03:03
通行人より別の通行人さんへ

ハンドル名を変えましょうかね(笑)紛らわしいですから。
一読して、あっさりと納得いたしました。どれも常識の範疇で説明がつく事なのですね。ついつい信長の死というドラマがあるので陰謀説とかを考えたくなってしまうのです。それだけ信長の死は大激震っぇたのでしょうね。



#10257 
別の通行人 2016/05/30 13:10
通行人さんへ

>道々に駅伝制度があったと思えないので
このエリアは織田領だし、信長、あるいは秀吉の本拠地である近江国長浜と秀吉の現在地をつなぐルートですから、整った伝馬制はなくとも、似たものはあってもいいでしょう。
本能寺の変ほどの大事件でなくとも、急いで連絡を取らなければならない状況は想定しているのではないでしょうか。

>二万人の兵士が行軍したら地平線の向こうまでの行列になりますよ。身長160pの平地における地平線は1.4q
地平線までの距離は4kmくらいらしいですよ。
また、状況しだいですが、複数のルートを通れば当然列を短縮できます。

ちなみに高松城と姫路城の間、約100kmを平均時速3kmで移動すれば33時間ですね。
現代人より長距離・長時間歩くことに慣れた当時の人なら、可能なのではないでしょうか。
軍の100%が到着したとも限らないでしょう。

そもそも軍を急いで戻さなければならない事態というのは、有能な将軍なら想定していてもおかしくないのではないでしょうか?
事実として全軍が引き返したから大事件ですが、織田軍にとって、押さえの兵を残してまとまった軍を率いて東西に急行する、というのはありうることです。



#10256 
通行人 2016/05/30 02:34
大返しの不思議

太閤記の中の話ですが…恥ずかしながら小説や映画や大河からの元ネタ知識なので、この板に書いて良いものか迷いましたが、まぁフイクションでも構わぬと徹夜城さんが言っておられたので書いてしまいます。
きちんとした文献に当たってないので、嘘混じりなら御指摘の程をお願いいたします。

たしか天正10年か11年頃で、秀吉は毛利征伐で高松城を水攻めとかしてたのですよね。
それが6月2日に信長が光秀に殺されてしまう。翌日に秀吉は知ると、4日には城将清水宗?が切腹して和解。
毛利方が訃報を知ったのが4日の夕方と聞きますから秀吉の間者は200キロの京都ー岡山間を30時間ちょいで駆けた事になりますね。道々に駅伝制度があったと思えないので、変え馬の手配もままならないはずで、当時の道は悪路でしょうから、仮に3分の一を徒歩としても凄い速さだと思います。スマホも高速道路もないわけですから。
それで翌日に和解して、五日の夜半には
全軍を姫路城にむけて撤退!
それも水攻めの堤を切って、毛利の追撃を警戒しながら。そして80キロ先の姫路に7日には到着したとか。
二万人の軍勢で、自衛隊みたくヘリもトラックもないのに、暴風雨の中を二日で到着とは。
手際が良すぎませんか?
常識はずれの戦後処理と強行軍が出来たからこそ秀吉は天下を握る訳ですけど…
私は早すぎるように思うのです。
だって二万人の兵士が行軍したら地平線の向こうまでの行列になりますよ。身長160pの平地における地平線は1.4q。そんなもの引き連れて嵐の中を二日で二万の大軍の引っ越しできるのですかね?
予め秀吉がこの事を予測していた?と疑うのも仕方ないではありませんか。
私の論拠はまた曖昧な情報なんですが(済みません小説や大河からの知識なので)、
姫路城に戻った時に、城に残されていた金子なんですね。
金子が1000枚くらい。まあこれは良いでしょう。本拠地なんですから。
銀子が1000貫目くらいに米が十万石くらい…おかしくありませんか?
戦争を長期戦で水攻めやってるくらいだから米は貯蔵してる意味が変ですし、
それに銀子です。
兵士の給料は信用払いとしても、水攻めやるくらいならば、土木業者とかの労賃や馬子への支払いで、小口の銀子は沢山必要なはずでしょう?
万札の札束は置いていっても千円札や小銭は大量に必要だったと思うのです。それを戦争中に残しているのは、「いざ鎌倉」を予測していたとしか思えません。
別に信長暗殺を秀吉がしたとは思いません。さすがに。しかし、「誰かがクーデターやるかもな?」という信長勢の中にあって、「何かが起きる」くらいの予測をしていたのでは?
かように疑うのですが、如何なものでしょうか?







#10255 
黒駒 2016/05/29 18:00
追記

五葉さんの指摘ですが、最近の日本中世史というか、特に戦国時代の研究は昔よりも実証性を厳しくしているなと感じます。「真田丸」でも史実関係もそうですが、人名など通俗的な戦国時代の知識をお持ちの方からすると、違和感を持つことが多いのだろうなと思いますが。ですから大谷吉継のハンセン病問題の否定も、そうした流れにあるものなのでしょうね。

ただ、一方で同時代の史料ではない軍記物などでも考証の結果、信頼性が高ければ使用することは可能であると、田中義成博士の時代のような史料・史実の抹殺とは異なる状況であると思います。いたずらに史実を否定しているわけではないのでしょうね。



#10254 
黒駒 2016/05/28 16:40
歴史的人物の病名

大谷吉継はハンセン病とされていますが、どうもその根拠が薄弱なようですね。史料には皮膚病を意味する「悪瘡」とあるらしく、いつの間にかハンセン病と解釈されてしまったようですが。中世のハンセン病は某所で話題になっていましたが、近代医学的な病ではなく、前世の悪行が祟ったものと俗信的な解釈をされてしまっているので、なおさら断定することは難しそうですね。

歴史的人物の病名というと幾つか例はありそうですが、吉村昭さんは『桜田門外の変』で関鉄之介の処方されている薬から「蜜病」=糖尿病であった可能性が高いと指摘しました。

あとはやはり、大正天皇の例が思い浮かびます。大正天皇も「精神病」と理解する向きがあるようですが、古川隆久『大正天皇』を読む限りでは、病弱で正常な君主としての修養が少々遅れていたことと、またそれによるコンプレックスのためか性格に若干屈折したものがあったのかなと思いました。大正天皇が晩年に悪化した症状は、どう理解していいのか難しいようですね。



#10253 
五葉 2016/05/28 12:36
広島市民から見たオバマ大統領訪問

ご無沙汰しております。
直接、歴史に関する話ではないので失礼しますが、いつか歴史になるかもしれない話としてお聞きいただければ幸いに思います。

昨日は広島市のかなり西の方にある私の職場では、テレビでオバマさんの位置を把握しながら、みんなして空を見上げておりました。「そろそろ(ヘリが)来るで!」と色めき立っていたのですが、あにはからんや、はっきり見えたのは取材のヘリコプターだけで、オバマさんが乗ってたヘリはその前後のオスプレイともども、飛行機雲しか見えずという状況でした。
広島市民はもともとミーハー気質の人が多い上に、「天皇さんより見る機会がない」(by私の上司)人なので、原爆うんぬんもあるけれど、まずは「一目見てやろう」という気持ちが先立ってた人が多かった気がします。「歓迎モード」というよりは、あれは「好奇心モード」と解釈して頂いた方が良いのではないかと思います(笑)。
原爆投下に関しては、市民の中には謝罪を求める声もありますが(いつか「謝罪しろ」と叫んでた街宣車を広島市内の某デパート前で見たことがあります)、「謝罪云々はさておいて、とにかく来て、原爆の実相を見てくれ」という声の方が多いのではないでしょうか。私自身も、これで何か情勢が変わることは全く期待してないですが、大統領を辞めてからのオバマさんの活動に、何かしか影響を与えることなら期待しても良いのではないかと思っています。(カーターさんのように)


あとは、皆さんの投稿を読んだ感想をちょこちょこと。
>「殿、利息でござる」
話も面白そうだし、殿役の羽生君も気になるし(笑)、観に行くかどうか迷っておりました。映画館に行くかどうかはお財布との相談になりますが、何らかの手段ではきっと観ようと思います。
>伊達政宗の眼帯
え?政宗は実際には眼帯をしてなかったんですか?言われてみれば「政宗=眼帯」って、映像による刷り込みが強いですね。
>大谷吉継の病気
従来はハンセン病という説が有力だったと思うのですが。ただ、歴史上の人物の病気や障がいの話になるたびに、私はいつも「本人が目の前にいて検査やらできる訳じゃないのに、これこれの病気だってよく言えるよな」って思うんですよ。骨に病相が出る病気なら、法医学的アプローチで判断できると思いますが、それだって本人の遺骨が必要でしょう。そうじゃないのに文献だけで言い切るのはどうかと。ひどい話になると、「坂本龍馬や織田信長が発達障がい」ってのもありますから。




#10252 
徹夜城(久々に映画館まで行ってきた管理人) 2016/05/27 00:48
「殿、利息でござる」見てきました。

 こちらの掲示板も含め、ネット上複数の線からいい評判を聞いたので、映画「殿、利息でござる」を今日見てきました。
 これ、全然事前知識なしで見たのですが、なるほど、ほぼ史実に沿った話なんですね。仙台藩の宿場町の商人たちがカネをかき集め、それを仙台藩に貸し付ける。その利息によって宿場の負担を軽減する(つまり商人たち自身はもうかるわけではない)というお話で、映画中でも描かれるように実際に詳しい記録が残っているようで。パンフレットが品切れだったので詳しい話がわかんないんですが、金集めのすったもんだのあたりには創作が多いんじゃないかなぁ。前半はコメディ調、後半に行くと感動話になるというシナリオの妙はあります。日本映画にありがちなウェットさもそこそこ控えめにしていたような。

 個人的に興味深く見たのは、多くの時代劇ではあまり描かれない、百姓・町人層の動向が詳しく描かれる点でした。宿場の「肝煎」(いわゆる名主・庄屋に相当)がいて、その上にさらにそれらをたばねる「大肝煎」がいて、それが武士層と百姓の中間・仲立ちをしている。この大肝煎は名字を許され「傘をさす」ことが認められている、という目に見えた身分差があったというのもこっちゃ知らなかった話で(僕の先祖は同じ宮城の名主だったらしんですがね)。
 それと主人公になる造り酒屋の商人の家での倫理教育が描かれる点。陽明学の流れを汲んでるらしいんですが、江戸時代にはこれ以外でも心学とか、町人層の教養・道徳がいろいろ出てきますよね。
 これはそのうち「歴史映像名画座」入り確定。武士層がメインでない歴史映画としては「郡上一揆」に通じるものもあるな、と思いました。


>ろんたさん
 詳しいご説明ありがとうございます。
 すでにフォローも入ってますが、「石田三成襲撃事件」が架空という話ではもちろんなく、「家康ならかえって殺すまいと大胆にも家康の屋敷に逃げ込んだ」という話がどうも怪しい、という話なんです。僕はこの逸話、小学館の漫画「日本の歴史」シリーズで初めて知ったのですけど、あまり俗説的なことは載せない傾向のある(と思う)この漫画でわざわざ描かれているのは当時はほぼ史実認定されていた、ということなんでしょう。出典がどういう史料なのか知らないんですが…
 メッケルの話も、もちろん司馬遼太郎が創作したと思ってるわけではありません。司馬遼太郎はムチャクチャ資料集めをして驚異的な記憶力で頭にぶちこんでいたようですが(ページ数まで記憶してたという逸話が)、よくも悪くも集める材料が幅広く、歴史資料としてはとっと、というのも混じっていた様子。まあ「歴史小説」であるからにはそれでいいんですけど、どうも司馬作品に書かれると一般では「事実認定」されちゃうケースが多いようでして。
 メッケルが関ヶ原の視察をして、なにがしかのことを言った、それに尾ひれがついて「伝説」となっていった…って辺りなのかもしれません。」史学科界隈における「昔、『忠犬ハチ公は忠犬ではなかった』という素晴らしい卒論を書いた学生がいた」という伝説に似てるような…って知ってる人しか分からない話かな?(笑)

>水師提督さん
 ほほう、石田三成側のクーデター計画、なるほどありそうな気はします。
 大谷吉継といえば、もちろん今年の大河でも重要人物として登場してますが、この人の動向、あるいはかかっていた病気についてもこれまで通説として広まっていたのとは異なる諸説出ているようで、この辺も今年どうするのか注目したいところです。


>つねさん
 ソ連版「戦争の平和」、「ワーテルロー」ともに映画史上空前絶後の人的動員をしたスペクタクル史劇でありますが、戦闘の経過がとっちらかってるというか、見る側に分かりにくい、というのは感じてます。でも黒澤明の「影武者」「乱」は映像美優先で迫力というのとは…と思ったものです。
 まぁ黒澤明としては「戦争と平和」は自分が撮りたかった作品なので、ボンダルチュク監督をクサしていたフシもあります。仲代達矢さんによると最晩年まで「戦争と平和をやりたい」と言ってたそうで、もし実現してたら日本史に置き換えたものになってたのかな、と。


>バラージさん
 そうですか、政宗、眼帯じゃないんだ。ちょうどそんな話を読んだ直後だったので驚き。
 隻眼・眼帯という話では「三国志」の夏候惇に眼帯をつけさせる例がありますが(横山光輝など)、シナノ企画・東映動画製作のアニメ「三国志」出は眼帯にしてませんでした。
 「影武者」、僕は個人的に好きな黒沢作品に挙げてるんですが、ラストの長篠の戦いのシーンはやはりいろいろツッコミたくなっちゃいますね。ストーリー的に「自殺突撃」なのは明白なんですけど、どうも見ていてしっくりしない。武田軍団が狙撃されて崩壊していく映像がいっさいなく間接描写なのも当時から批判されてるようですが、単に技術的に難しかったのかも…。僕はあの映画の戦闘シーンでは長篠よりも、中盤クライマックスになる「高天神城の攻防」の方が好きですね(あれも間接描写ではあるし、およそ考証的に正しくないけど)。


>アジュマーンさん
 舛添さんですが、確かにセコい話が問題になってるわけで(そこらへん庶民的に入りやすい)、むしろ都知事になる前の政党助成金の流用が問題なんですよね。その、「都知事外交」なんて特に問題になってるようには僕は思いませんが(別に日本政府の意向に反したことはしてませんし)。産経とかネット上の一部の韓国ネタだと騒ぐ人たちが反応してる程度でしょう。
 歴史的に見て外交は…というご質問ですが、ひとまとめに書くのは難しいですね。一応日本の場合、中央集権体制ができていれば中央政府が外交権をもつわけで、建前では中世も近世も変わらな火tらはず。ただ朝廷に外交処理能力があるかどうかが問題で、元寇のときとか、南北朝〜室町の中国・朝鮮半島のとの外交では幕府側がやるしかなかったということかと。
 ただ足利義満にしても一応は朝廷の一員として、「准三后」の肩書で外交をしているし、何かといわれる「日本国王」にしてもあくまで対外的なものとして国内とは完全分離したものだったとの見解も出ています。「日本国王 臣源」について、「日本国王の臣・源」と読めなくもない、なんて意見も出てましたが、そこまではどうかなぁ、と思ってますけど。
 江戸幕府も将軍が「大君」として朝鮮との外交をやってますが、これも建前としては外交は朝廷が握ってることになっていたはずで、だから幕末になるとその建前が噴出してきてしまいます。
 ただ現在は一応地方自治、各地方の首長は住民が直接選ぶわけで、そのレベルでの「外交」じたいはありでしょう。もちろん国レベルと齟齬をきたすとややこしくはなりますが、政権だって変わるものなんですし、地方レベルでできる範囲の「独自外交」なんてたかが知れてますから特に問題視しなくていいと僕は思ってます。まぁ都知事ともなるとその財政規模は一国なみとはよく言われますけどね。



#10251 
アジュマーン 2016/05/26 03:06
歴史家の皆様に御意見を伺いたいのですが

お久しぶりです。アジュマーンです。
予め申しますが、私はこの板から勝手に暴れて離脱したアブダビの親族ですが、彼とは政治や歴史への見解は真逆でして、親族というだけでパッシングを受ける覚えはない事を先に申します。

質問をするのは騒がれている舛添都知事の公私混同の騒ぎについてです。マスコミにあれこれ叩かれて、納税者としても腹が立つ話なのですが…

どんなものでしょう?
セコい政治資金の流用は腹立たしいとは思うのですが、矛先がブレている気が私はいとします。
問題は血税を使った事が第一義ではなく、「地方自治体の首長が勝手な外交を国に無断でやっても良いのか?」という点にある気がするのですね。
外交は国防などど共に「国家レベル」の問題であって、いかに国家並の人口と財源を背景とする都知事であっても、口出しすべき事とは(私は)思えないのです。
知事は地方自治体でも外交を行うべきとの論で、豪華な外遊をしてきました。
私もエコノミークラスを利用して都知事がエコノミー症候群で死亡したりしたら日本の恥であると考え、ファーストクラスの使用ぐらいは…と思ってます。
問題は待機児童を抱える新宿区で、韓国学校に都有地を優先的に借与した問題で。そもそも外国人学校で施設地に困っているのは韓国だけなのか?
良い悪いは別にして、勝手に韓国の政府首脳と約束をして、都有地を借与するのは日本国としての国益に叶う事なのでしょうか?
これは「地方自治体の首長に本来は中央政府のやくわりである外交を何処まで許すべきか?」
という問題を内包していると思います。
日本は明治維新より「中央集権国家」としての歴史を歩んできており、近代の日本史を見る限り、知事の勝手な外交は僭越な行為と感じます。
またドイツやアメリカなどの連邦制度の国でも、外交や軍事は中央政府の管轄であり、地方自治体の領分では無いと思います。

日本の中で例えば親中国の 自治体と、親米の自治体があって、それが対立したら
どれだけ日本国として迷惑であろうかとも思うのです。

ただし、中央集権国家に日本がなったのは律令制の時期を除いては、わずか150年チョボチョボですね。
かつては幕府の将軍が「日本国王」として中国に接した事もあると聞きます。

南北朝や戦国などの日本の統一政権がない時代も日本にはあります。
そういう時代に日本人は中国その他の国々と、どのような外交を行ってきたのでしょう?
疑問に思うのです。

私は知事(ローカル権力)は「行政職」であって、日本の行方を定めたり、国家としてのデザインを決める(立法)立場(政治家)ではないと思ってます。
つまり地方自治体の首長に過ぎない知事が、勝手に外交を行う事には反対の意見です。知事は行政職で、都民の代表であっても、日本国民の代表ではありまさんから。
しかし…地方自治体が外交に口出しするのは250年に渡る幕藩体制の影響もあると思うのですね。
歴史的に地方政権の長が国政に口出しするのが日本の伝統なのであれば、それはそれで日本固有の伝統であり、無視は出来ないとも思うのです。

この辺り、私にはない日本史の知識人として、徹夜城さんやコメンターの方に、
歴史的に観て、そもそもはどうなのか、
御意見を戴ければ…と書き込みました。
御返事をいただければ幸いであります。





#10250 
バラージ 2016/05/25 18:06
史実では違う話

 先日『真田丸』のガイドブック後編を立ち読みしたんですが、これから出てくる伊達政宗(演じるのは長谷川朝晴)は眼帯ではなく布を顔に巻いてました。その辺、リアリズムというか新感覚を狙っているドラマという感じはしますね。ただ正直言って、見た感じはなんか怪我して顔に包帯巻いてるように見えちゃうんだよなあ(笑)。眼帯じゃないとやっぱり感覚的にしっくりこないというところはありますね。
 主役はあくまで信繁(幸村)なんでどこまで描かれるかわかりませんが、三成も結構出てきてるので、忍城攻防戦や三成襲撃事件・小早川の裏切りなんかも新解釈で描かれるかもしれません。

>『影武者』
 最後の長篠の戦いに関しては、史実と比べてどうこうというより一般感覚的・常識的に変に感じちゃいましたね。
 例えば、風・火・山が騎馬軍団で林だけ歩兵部隊ですが、騎馬武者=偉い人、徒歩=足軽という感覚なんで、「林だけ下っ端部隊かよ」とか「徒歩で他の騎馬3軍団についてくの大変だな〜」とか思っちゃいました。絵的な面白さ優先なのはわかりますが、だったら4部隊全部違う種類にしろよとも思うんですよね。僕は風が騎兵で林が歩兵というところまではわくわくしたんですが、火も騎兵で「あれ?」と思い、山も騎兵で「芸がないなあ」とがっかりしちゃったんですけど。
 あと、もっと変なのは勝頼が1部隊ずつ投入して4部隊全滅させちゃうところ。普通、2番目の林がやられたあたりでダメだと気付くでしょう。半分やられちゃったんだから。残りも突撃させるにしても何か別の作戦を立てるのが普通。何の策もないまま3つめも4つめも同じように全部突撃させちゃうって、常識的に考えても変ですよ。



#10249 
つね 2016/05/24 23:28
敵味方の識別

ろんたさんの書き込みを見て思い出したことが。
ソ連版「戦争と平和」のボンダルチュク監督による「ワーテルロー」は、基本的にフランス軍は青、イギリス軍は赤、プロイセン軍は黒に分けられていて分かりやすくなっています。ディテールにこだわってそうな映画なので、別に黒澤監督の指摘に従ったわけではないでしょうが(笑)。
ところで、この映画、激戦の最中に遥か東方から近付いてくる軍勢が出現し、ナポレオンの司令部でもウェリントンの司令部でも「プロイセンの黒かフランス軍の青か」と色めき立つシーンがあります。このシーンで流れるBGMがプロイセン国歌の編曲。「ナポレオンもウェリントンも色が分からなくてもBGMを聞けばどちらの軍勢か分かるだろ」という突っ込みがありました(笑)。



#10248 
水師提督 2016/05/24 14:31
石田三成襲撃事件

横レス失礼いたします。

この事件については、さすがに否定説そのものはありません。

石田三成が襲撃を避けて、伏見城の屋敷に逃げ込んだところ、
徳川家康が調停に入り、石田三成を引退させることで収拾した、
以上が現在の通説でしょう。

しかも、石田三成はどうやら伏見屋敷でカウンター・クーデターを画策しており、
毛利氏に依頼して大坂城を占領させ、逆に徳川家康などを追い落とすつもりだったとか。
ところが、秀頼傅役の小出秀政・片桐且元が家康を支持したために実行できず、
さらに与党のはずの増田長盛・大谷吉継なども三成を見捨てて家康に加担して、
どうにもならなくなり、一方的な引退案(襲撃側はお咎め無し)を呑むハメになった、
というのが実情のようです。

これはこれで、生々しく、おもしろい展開ではありますので、
そのうち映像作品で見てみたいところではあります。




#10247 
ろんた 2016/05/24 08:21
メッケルの関ヶ原漫遊記(笑)

>徹夜城さん

『戦国の陣形』、著者の乃至氏には申し訳ないですが、立ち読みで済ませました。見たところ、軍学なんか当てにならない、という話のようでしたし、軍学で役に立ったのは忠臣蔵の山鹿流ぐらい、と思っているので、購入するほどのことはないかなぁ、と。それに、現代新書にはその昔、某氏の『ニーチェ』という駄本をつかまされた苦い思い出もあるもので。お陰でこの人の悪口ならなんぼでも言えます(笑)。


>映像と考証
あれではロシア軍とフランス軍の区別がつかない、という黒澤明のソ連版「戦争と平和」の感想を思い出しました。事実はどうだろうと観客が区別しやすい軍服を着せろ、というわけです。調べぬくのも大事だが、調べたうえで嘘を吐くのも大事。黒澤も「影武者」ではシッタカさんどもに叩かれて辟易したらしい。


>家康(森繁の声で)「金吾めにだばかられたか!」
金吾中納言こと小早川秀秋の裏切りについては原作でもドラマでも、黒田長政を通じて約束していたが、西軍優勢の状況を見て動揺した、ということになっています。もっとも、開戦前夜に三成から、関白太政大臣と秀頼の後見役の座を約束され、「勝ちそうな方に味方しよう」と小ずるいこと考えるんですけど。で、三成が何でそんな約束をしたかというと、大谷吉継に言われて裏切りの噂が流れているのに初めて気づいたから。そして三成が訪ねた小早川の陣内には、徳川方のお目付の姿が……(笑)。ということで、裏切り問題についてはクリアできているかと。

あと、武断派の三成襲撃未遂事件で、逃げ込んだのは家康の屋敷ではなく自邸だという説があるのは承知してますが、ひょっとして事件の存在自体、否定されてしまっているんでしょうか?


>メッケルの関ヶ原話
この逸話が有名になったのは、ネットで指摘されているように、NHKの「日本史探訪」(1970.4-76.3)で司馬遼太郎が紹介してからでしょう。司馬は談話「関ヶ原私観」(文春文庫『歴史と風土』所収)でもこの逸話に触れていますが、こちらは初出が全集(第一期 1971.9-74.4)の月報なので、コアなファン以外は読んでいないと思われます。ただこの談話が重要なのは、昭和30年代初め頃にこの逸話を知り、興味を持ったのが『関ヶ原』の執筆動機だ、と明かしている点です。もう一つ、こちらもネットで指摘されているのですが、海音寺潮五郎も史伝「石田三成」(文春文庫『武将列伝』所収)で、明治年代にドイツの有名な戦術家が日本に来て……、とこの逸話を紹介しています。しかも『武将列伝』は、1959年から1963年にかけて発表されていて、司馬の紹介よりも全然古いのです。以上、考え合わせると、一部アンチが主張しているような、司馬の創作とか捏造というのは考えにくい。司馬と海音寺の関係を考えると、司馬から話を聞いた可能性もあるけれど、時期的には逆の可能性の方が高い。それに史伝は海音寺が相当に力を入れていた仕事であって、裏付けなしに書いたとは思えません。それでも出典が示されていないのが弱いところ。


>乃至氏の批判
これは批判になってませんね。陸軍作成の地図がなかったのは司馬も承知していて、徳川期には既に配備地図があった、としています。それに、日本語ができないメッケルが、徳川期の配備地図を読めないのは分かり切った話であって、そのせいか海音寺の記述では、同行の参謀から説明を受けた、としていて地図は見ていません(笑)。地図を読まなきゃだめだというのなら、読める地図を作ればいいだけの話です。あらかじめ元図をトレースして、東軍と西軍を色分け、地名や人名をローマ字で記入して一丁あがり。大した手間はかかりません。

わたしが考えるに、この逸話で一番おかしいのは、メッケルが関ヶ原に関してまったく予備知識を持っていない点です。航空機はおろか東海道本線すら開通していない時代に、参謀たちを引き連れてワザワザ東京から関ヶ原まで出かけてるんですよ。チョットは下調べするのが常識ですよ。仕事だぞ、お抱え外国人には高い給料払ってるんだ、物見遊山気分でいるんじゃねぇ、って話です。

素人考えですが、これって参謀本部や士官学校で先輩から後輩に語り伝えられてきた「伝説」で、だからこそプロの歴史家まで紹介しているのに出典が分からないんじゃないでしょうか。さらに、この逸話に「元ネタ」としての事実があっても、かなり劇的に脚色されているのは間違いないと思います。まあ、わたしとしては面白いので、まったくの創作でもOKですが(笑)。



#10246 
帰宅部 2016/05/23 03:17
アジアのバカ大将さまへ

色々と苦言しましたが、アジアのバカ大将節を捨てないで下さいね。
毒気の抜けた貴兄など読みたくありませんから。管理人さんとしては頭が痛いでしょうが、それを期待する読者もいますので。



#10245 
帰宅部 2016/05/23 02:44
追記

アジアのバカ大将さん、通行人さんはジャッジが出て貴方に対する攻撃は止めてますよ。管理人さんの説明に納得してると返事を出しています。
その点はファンとして苦言いたします。
読んでいて自分の話題が政治的な荒れを防ぐ為に必死に連発投稿していた事が読み取れます。
恐らく…ですが、必死に板の後方に流そうとしている所で、タイミング悪く貴兄が参戦した事に、「俺が火消しに一生懸命なのに、なんでベテランが蒸し返すのか?」と感情的になったのでないですかね?
それと通行人さんが追及していたのは「ルール」です。怠け者さんが追及していたのは「モラル」です。怠け者さんも少しフライングしてる気配は有りますが、ルールとモラルは別物と思います。
現に怠け者さんは管理人さんにジャッジを求めてませんね。それは通行人さんがルールブックを話題にして、怠け者さんがモラルを話題にしていたからでは有りませんか?混同はいけないと思います。
私はアジアのバカ大将さんのファン歴3寝んですが、公平なファンでありたいので、あえて苦言いたします。



#10244 
帰宅部員 2016/05/23 02:24
この種の事は何度でも起きます

初めまして。常連「読」者でクラブ活動には参加してない帰宅部員と申します。
似たようなスタンスで楽しむ人が他にもいるのだなと投稿いたしました。
怠け者さんと同じスタンスなんですが、私はどちらかと言うとアジアのバカ大将さんのファンでして。乱暴に見えるけれども。おかし味があって悪くないと思うんですよね。管理人さんが言われるように「芸風」ですから。
ただ私のように面白がる人ばかりとは限らないという事を感じました。
確かに通行人さんも怠け者さんも、アジアのバカ大将さんにことばの刃を突きつけられた人手はなく、第三者が投稿までしてきたと言うのは「芸風」を不愉快と感じる人も少なからずいるという事でないかと思います。その点は考える余地はあると思います。
でもですね、それではアジアのバカ大将さんが芸風を軟化させれば良いのかというと、それは彼の芸風を楽しんできた立場の読者はどうなるのだ!?
という事にもなります。
また軟化させても気にする方は気にするでしょう。誰にでも満足できるルールやモラルなど存在しませんから。
結局のところ解決策はない…としか思えないのです。管理人さんとしては頭の痛いところでしょうし、クラブ活動に参加しているメンバーとしても。
結論としてイタリア半島の都市国家だったローマが、帝国になってしまたごとく、このサイトのファン層が拡大され、私や怠け者さんのような帰宅部が増えてきたという事ではないでしょうか?
これは管理人さんやコメンターの方々には頭の痛い問題でしょうが、一面でめでたい事なのかも知れないと思いました。

それで何か解決策があるのかと言えば、申し訳ないのですが思い付きません。
幸い我々の管理人さんは公平で、しかし遊びの解る方です。
これからも差配に期待を寄せると共に、我ら帰宅部も時には参加して、通行人さんが奮闘されたように色んな話題で書き込みを送り、荒れそうな時には後方へ流すように協力する。
それしか思い付きません。
アジアのバカ大将さん、沈黙の理由はファンとして嬉しかったです。都知事はアジアのバカ大将さんの爪の垢でも煎じて飲め!




#10243 
バラージ 2016/05/22 22:16
実はマジメな歴史映画

 『殿、利息でござる!』という映画を観ました。
 18世紀、仙台伊達藩の重い年貢や労役に苦しむ宿場町で、商人たちが藩に大金を貸し付けその利息で町を復興させることをひそかに計画し、見事それを成功させたという実話を描いた時代劇、というか歴史映画です。
 タイトルやポスターデザインを見るとなんだかふざけたコメディ映画みたいですが、実際には多少コメディタッチなところもあるものの基本的にはごくごくマジメな時代劇でした。序盤こそちょっともたつく感じでしたが、途中からはどんどんお話が載ってきて、なかなか面白かったです。役者たちも芸達者がそろっていてテンポよく快調に見せてくれますし、殿様役でゲスト出演のフィギュアスケート羽生君も意外にもなかなかの演技でしたね。難を言えば、ちょっと泣かせというか美談すぎるような気も。あと夜のシーンが暗くてちょっと見づらかったですね。

>こんな歴史映画も
 映画板のほうにも書きましたが、先日物置を整理していたら雑誌『ロードショー』の付録についてた1988〜90各年の公開洋画チラシ全集が出てきました。その中にあった「あ〜、こんなのあったな」「へ〜、こんなのあったんだ」という歴史映画の話。

『チェド』……17世紀の西アフリカを舞台として、イスラム教への改宗を拒む非改宗者(チェド)の姿を描いた1976年のセネガル映画。架空の小国を舞台とした話なので歴史映画ではないんですが、こういう時代が題材になるのは珍しい。まあ、そもそもアフリカ映画が公開されるってことが珍しいんですが。ビデオ化のみでDVD化はされていません。

『クラレッタ・ペタッチの伝説』……ムッソリーニとともに殺された愛人クラレッタ・ペタッチを描いたイタリア映画。1984年の映画奈ですがペタッチ役はクラウディア・カルディナーレで、他にもカトリーヌ・スパークにジュリアーノ・ジェンマと微妙に盛りを過ぎた配役。これまたビデオ化のみでDVD化はなし。

>史実では違う話
 『のぼうの城』の忍(おし)城攻防戦も実際には映画と違って、現地を見た三成は水攻めは無理と判断したが、秀吉の厳命でやらざるを得なかったという説がありますね。それを推測させる書状があるうえに、三成は総大将でもなかったので独断で水攻めを行うとは考えられないとか。



#10242 
アジアのバカ大将 2016/05/22 00:10
怠け者さんへ

 ここは徹夜城さんのウェブサイトであり、我々は「遊び場」を
ご提供いただいているにすぎないと、認識しております。つまり、
サイト管理については、我々は何もいう権利はない、との認識
です。
 小生の書き込みが、このサイトのルール違反であれば、削除
いただき、それに従うだけです。この場のプレイヤ―の一人
である小生は、「審判」の判定を黙って受け入れます。
 貴方や通行人氏から、「ルール違反ではないか」との指摘が
あり、これに対し審判から「ルール違反はない」との判定が
でたのです。プレイヤーとしての小生が、それ以上いうのは
余計なことだと判断しました。
 審判の判定が出た後、プレイヤーが審判や他の競技者に
いつまでも、とやかく言い続けるという場面は、「スポーツ」
の場でみたことはありません。
以上、小生より一言だけ申し上げます。



#10241 
2016/05/20 19:33
歴史捏造とまで言われては

こちらもここに書き続ける理由はありませんね。歴史とはいえ、事実に対して、疑問を差し挟んで書く事が悪い事だとは思いませんが、質問形式で書くべきだったとか、色々改善すべき事はあったとは思います。ですが、不毛なやり取りには、辟易しましたので、これで最後にさせてもらいますね。



#10240 
徹夜城(先日本棚を新たに買って少し部屋の仲が整理された管理人) 2016/05/20 15:52
「戦国の陣形」

 話題になってた新書、購入してざっと読みました。序文のところで著者も書いてましたが、とくに映像作品における日本の合戦シーンの考証はツッコんでるとキリがないかも。まぁそれは知識ウンヌンということより映像作品だけに「絵」を優先してるから、ということであって外国の作品でも言えることではあります。その一方で映像作品のイメージが流布しやすい、という指摘も確かで、一例として伊達政宗、山本勘助、柳生十兵衛といった「隻眼キャラ」たちが眼帯をつけてるのは本来はありえないのだそうですが、すっかり浸透してますよね。

 この本、実際の戦闘における「陣形」の問題をとりあげていて、古代から関ヶ原の戦いまで駆け足で俯瞰してるわけですが、ざっと読んだ感想としては「そんなにきっちり陣形なんて組んで合戦してない」というかなりアバウトな実態だった、ということになるのかな。武士の時代になってから源平合戦や南北朝も、基本的には個々人の勝手参加の連合体みたいな状態なのできっちり陣形を組むような指揮系統がとれたかどうかすら怪しいような、という話になるみたい。「太平記」で陣形らしきものがチョコチョコ出てくることにも触れてますが、それだって「文学的」なお決まり表現を使ってる可能性もありますしねぇ。

 戦国時代から関ヶ原までは話のタネが数多くあり、小説や映画ドラマで繰り返し描かれてイメージが流布してるわけですが、元ネタの多くが江戸時代の軍記ものや通俗史書だったりするので実は信用できない話が多いんだよな、と改めて思いました。
 この本を読んで僕も「ほう」と驚いちゃったのが、関ケ原の戦いの「小早川秀秋の裏切り」の実態です。合戦の最中まで迷っていて家康に催促の射撃をされて大慌てで…という定番描写がありますが、この本ではいくつか史料から「合戦開始時点で寝返りは両陣営に明らかだったはず」と論じてます。そうなるとTBSの名作ドラマ「関ヶ原」なんて根本的なところで台無しになっちゃいます(笑)。そのドラマの見せ場であった「暗殺されかかった三成が家康の屋敷に逃げ込んだ」というエピソードも最近は否定されてるそうですしね。
 これまた同ドラマで紹介されている「メッケルが関ヶ原の布陣図を見て即座に西軍の勝ちと断じた」という話についても検証されていて、実は出典が全然明らかになってない話であり、そもそもメッケルが日本にいる間に関ヶ原の近代軍事的な布陣図が作られた形跡がなく、敵味方も書いてない古来の布陣図を見てメッケルが分かるはずがない、ということが書かれてました。


>アジアのバカ大将さん
 元朝が終盤にはかなり「中国化」してたとしても、ロシア方面のモンゴル国家はまた違ってたと思うんですよ。それにネフスキーはまだまだモンゴル時代の初期段階の人ですし。たぶんロシア人のイメージとしてはそれこそ契丹が「カタイ」で中国とイコールになってるように東アジア方面は全部ゴチャゴチャなんじゃないかと。エイゼンシュテインとしてもモンゴル=元=中国ということで明代ごろの中国官僚の服装を忠実に再現しちゃったんじゃないかと思ってます。

 チンギス・ハーンの人種がトルコ系かどうかは、疑いだしたら史料的には肯定も否定もできないところでしょうか。よくある肖像画なんかは今のモンゴル人にもよくいる雰囲気なんですけど、あれがいつ描かれたものか分からないし…
 モンゴルかトルコか、という話では匈奴についても両説あったような。


>怠け者さん
 書き込みはしないけど読んでる、って方は案外いるのだなぁ…と思い知らされる昨今です。歴史に絡むならお気軽にいろいろお書き込みくだされば幸いです。
 今回お書き込みの件については管理人としてはもう応対を求められるものではないと思うのですけど、アジアのバカ大将さんの書き込みの「芸風」にはこっちも慣れちゃってるということもありまして、僕は特にそれでどうこう感じていることはありません。ハタから見ていると…ということはありましょうけど。ただ武道うんぬんのことをお書きになるのは余計だったのでは。そのあとに別の方が(この方についてもいろんな人が読んでるんだなと思いましたが)武道関係で追い打ちのように書いてるのがありましたが、僕の基準から削除させていただきました。



#10238 
怠け者 2016/05/20 01:07
アジアのバカ大将さまへ

初めまして。始めて投稿するけれども読者歴6年の怠け者です。
始めての投稿で人を責めるのは嫌なのですが、ちょっと筋が通らないと思うので投稿をいたします。

通行人さんがアジアのバカ大将さんに公開質問状を出してましたね。同時に徹夜城さんに判定を委ねてました。
結果として徹夜城さんが弁解をして、通行人さんは元々が争いがお嫌いなようで、徹夜城さんの説明に納得しておられたようです。
そもそもは隆さんの歴史捏造話にアジアのバカ大将さんが反応されたのが原因。

つまりは「第三者」が不愉快に思って追及した事件ですよね。
それなら私も「第三者」として書きます。

一言も釈明せずに、徹夜城さんに謝らせておいて、ほとぼりが冷めたら復帰ですかね?

その前に変わって弁明してくれた徹夜城さんへの感謝や謝罪の言葉はないのですかね?

徹夜城さんは大好きなルパンや史点を提供して、労働や家庭のあれこれの間に楽しみを与えてくれる方です私にとっては。こういう皆が会話できる場を設けてくれています。
はっきり言って、兄貴と呼びたいような好漢ですよ。

その徹夜城さんに釈明していただきながら、復帰に際して「ありがとう」とか「すみません」の一言はないのですか?

あなた武道家ぶるけど、偽物でしょう?
筋を通して礼節を重んじないなど、武道家を標榜するのならば恥と思います。

書き込みをする前に、徹夜城さんに一言あるのが人としての筋ではないのですか?





#10237 
アジアのバカ大将 2016/05/18 23:40
元人、遼人は中国人

>>モンゴルというよりはモロに明代の中国人
ロシア語で中国を意味する言葉は「キタイ」(契丹)です。
契丹族は10世紀に中国北部に、中国式王朝を建て、200年
支配しましたから、官服などは中国風だったはずです。
元も末期には、中国化して科挙を復活したり、宋・遼・金など
の歴史を編纂しました。官服も中国風になっていたのでしょう。
ところで、
元朝初期のモンゴル人は、現在のモンゴル人と同じ人種でしょうか?
ジンギスカンは「身長2メートル、灰色の髭、灰色の髪」で
トルコ系のように思えます。元々少数だったモンゴル人は、絶対数が
圧倒的に多い漢族と混血がすすんで、現在の容姿になったのでは
ありませんか?



#10236 
徹夜城(今頃になってイリーン「人間の歴史」の完読を開始した管理人) 2016/05/15 23:39
「丸」と「太平記」

 …真田さんの話です(笑)。どうしても僕は「真田太平記」直撃世代なのであれこれ比較しちゃうんですよね。また作り手が結構それを狙ってたりするし。 
 黒駒さんがお書きだった、「松」の記憶を取り戻そうと昔話をやるくだりは確かに爆笑もので、三谷さんの味がよく出てた場面だと思いました。あの「松」にあたるキャラは「真田太平記」では存在しなかったのですが、ちゃんと史料的に確認できる人で、一時行方不明になっていたというのも元ネタありだというから驚きます。
 「真田太平記」も三谷さんとは違う空気でしたがコミカル演出は多かったですね。とくに丹波哲郎演じる昌幸の女クセと恐妻ぶりの描写とか。

>「戦国の陣形」
 ネット上で間接的に内容をちょこっと目にしました。南北朝も絡んでるとなるとやはり買わなきゃいけないかな。
 メッケルの件ではあの「関ヶ原合戦の布陣図を見て即座に西軍の勝ちと言った」という流布話(特に司馬遼の影響)を完全否定してるらしいですね。この話、以前から疑問視する声は聴いていたんですが軍事史関係者の間では常識だったのかな?この手の広く流布してる話って、よく調べると発生源が怪しかったりすることがままあって、危なっかしいんですよねぇ。



#10235 
2016/05/14 23:22
モンゴルの幸福度

>中国映画のモンゴル帝国

遊牧民は、小説にもなるし、ドラマ、特に、「映画という産業」での商品化は、最大の尊敬の表れではないかと思います。モンゴルの優位性は、部族政治が長く行われて来た歴史があって、社会的には後進的ですが、家族関係や部族、などの、氏族統治は、優れたものがあり、アジアでスローライフを体現する数少ない国だと思います。個人の幸福度は高くないですが、こうした、聖域とも呼べる理想化された生活を伝統として護持して行く国と、ITインフラの開発による、自由度の希望の拡大は、相対峙する問題だと思いますが、ネットやユーチューバーなどの幸福のデザイン化こそが、幸福の切り売りとグローバリズムを促進するものだと、私は思います。

>チンギス・ハーン映画のご多分に漏れずモンゴル統一で終わっちゃう

覇権を打ち立てる戦いは、国境を超えた互いの国々との利害であったり、規模が大きすぎるので困難かも知れないですね。逆に、戦闘だけではなく、統一された、と想定された帝国の領土内を、行脚するようなストーリーがあっても良いと思いますが、
貴族階級の行き来然り、モンゴルはロシアとは長く蜜月関係だったのでしょうか?
そうであれば、ロシアへの留学とか、馬上にあって、自由に生きる人間の生活を描けると思いますが。



#10234 
バラージ 2016/05/13 23:34
また、いろいろ歴史映画&ドラマ

>アレクサンドル・ネフスキー
 アレクサンドル・ネフスキーの映画だと『アレクサンドル ネヴァ大戦』というロシア映画も『オルド』や『ライジング・ロード』と同じころにDVD化されてましたね。なぜかその時期にはマイナー史劇がやたらとDVD化されてました。これまた僕は未見ですが、『アレクサンドル・ネフスキー』よりちょっと前の時代のネヴァ川の戦いを描いたものでモンゴル帝国は出てこないみたいです。

>中国映画のモンゴル帝国
 栄耀栄華伝言板にも書いたんですが物置を整理した際に昔の映画のチラシが出てきて、その中に東京で行われた中国映画祭のチラシがありました。その頃に東京に行った記憶がないんでなぜ持ってたかの記憶もないんですが、見たら上映作品の1つに『草原の覇者・ジンギスカン』という映画がありました。「おお、また知らない映画か」と思ってよくよく見たら、監督や出演者が以前ちょこっと紹介した『蒼き狼 チンギス・ハーン』という映画といっしょでした。どうやら劇場公開されないままDVD化されたようです。これまた僕は未見ですが、内蒙古製の映画なんで言語もモンゴル語みたい。チンギス・ハーン映画のご多分に漏れずモンゴル統一で終わっちゃうようです。
 チンギス・ハーンの生涯を余すことなく描くなら時間的には映画より連ドラってことで、『チンギス・ハーン』という中国の連ドラもDVD化されてます。金やホラズムとの闘いなんかも詳細に描かれてるみたいなんですが、でもこれレンタル店では見かけたことないんだよな(当然僕は未見)。主演は『北条時宗』ではフビライを演じてたバーサンジャブ。上記の映画『蒼き狼 チンギス・ハーン』にも脇役で出てるモンゴル史映画&ドラマの常連です。
 モンゴル史連ドラだと、つい最近『フビライ・ハン』も全話DVD化されました。ただ、このドラマもアリクブカを倒すあたりで終わっちゃうようで、多分元を建国で終わっちゃうんではないかと。なので元寇やマルコ・ポーロは描かれないようです。これまた僕は未見。

>ヴラド・ツェペシ
 これも以前ちょこっとだけ紹介しましたが、ヴラド・ツェペシが主人公のファンタジー・アクション映画『ドラキュラZERO』は予告編だけ観たんですが、ちょっと歴史ものっぽい味付けもしてあるようです。オスマン帝国の侵攻と戦うためにヴラドが悪魔に魂を売って吸血鬼になっちゃうという映画でした。敵に攻撃されそうになると肉体を数百羽のコウモリに分裂させて身をかわし、またコウモリが集結合体してヴラドに戻るという演出はなかなか面白かったですね。



#10233 
黒駒 2016/05/11 17:53
真田丸話と『戦国の陣形』

>管理人様
私の観点は時代考証とはやや異なるのですが、ちょうど前回の「上洛」でも記憶喪失になっている信繁の姉・松(村松殿)が皆の思い出話で記憶を取り戻すシーンでも、何故か珍エピソードばかり披露されるというくだりがありました(笑)。やっぱり意図していることは「笑い」と「シリアス」の融合なのかなと思ってしまいます。苦手な方は、シリアスな場面でふざけないで欲しいと考えるのでしょうね。

>『戦国の陣形』
すでにチェック済みかもしれませんが、今年の1月刊行の講談社現代新書の乃至政彦『戦国の陣形』で南北朝時代の軍事について一章が割かれていますね。私は別の部分を目的に買ったのですが。関ヶ原における有名な「メッケル少佐」の逸話の真偽などにも触れられていて、面白い本です。しかし、本当に戦後歴史学において「軍事」は空白であったのだなと痛感します。



#10232 
通行人 2016/05/11 02:11
有名なのに本名が解りません

ルーマニアのブラド・ツェペシュです。
彼と彼の親父の通り名であるドラクルは神聖ローマ皇帝から貰った爵位に由来していて、いわばアダ名です。
ツェペシュは串刺し公の意味で、これもニックネーム。するとブラドが名でしょうが、実はこれも洗礼名であるとか。
洗礼名とはカトリックが洗礼式で坊さんに貰う名ですよね。例えがアレですが坊さんに貰うといえば、戒名みたいなものでないでしょうか。本名ではない。
すると彼の本名と姓はほかにあるはずですが、それがとんとどの本にも載ってないのです。
ワラキア公というのは大公で、公爵ではないですよね。つまりは条件があったとしても君主であったはずです。
15世紀のドイツ、ハンガリー、トルコの文献に載っている君主でありながら、アダ名と洗礼名しか解らない何て事があるのでしょうか?





#10231 
徹夜城(GW直後から急に忙しくなった管理人) 2016/05/10 14:18
今回は歴史映画ドラマネタに絞り

ちょっと間を開けてるうちにいろんな話題に乗り損ねました。少し前の多岐にわたる話題、乗りたかったところではありましたがタイミングを逸しております(汗)。それらについても追々書き込みたいと思います。
今回は歴史ものの映画・ドラマネタに絞ります。

>ロシア映画におけるモンゴル支配
 これはもう、古典中の古典、エイゼンチュテイン監督の「アレクサンドル・ネフスキー」が挙げられます。まだモンゴルの支配を受けている段階であることが冒頭で明白に示されています。ただ「歴史映像名画座」にも書いていることですが、そこに登場するモンゴル人支配層の描かれ方がモンゴルというよりはモロに明代の中国人官僚の姿でして…向こうからみるとイメージとしてはモンゴルも中国も一緒くたなんだろうな、と。

>バラージさん
 いやぁ、いろいろあるもんですね。どれも興味をそそられる作品。探してみようっと。
 ロシア史ものの映画でファンタジーものを装った邦題やパッケージになってた例としては「バトル・キングダム」というヤロスラフ賢公けの映画がありました。このほかにもマイナーな国の歴史映画は一見すると何のジャンルだか分からないような売り方をしてることがありますね。

>黒駒さん
 「真田丸」、なんだかんだで好評で話題になってるようですね。NHK側も情報の流し方がうまいというか、今のところ特に悪評が聞こえてきません。同じ三谷脚本の「新選組!」の時はいろいろとヘンな批判も目についたのですけど。
 当時ヘンな批判というか、いいがかりとしか言いようのないものとして、近藤勇のいる剣道場に「香取大明神」の神名が大きく書か柄れているのを「香取慎吾にひっかけたつまらないギャグ」と批判したのがあったんですよ。知ってる人には道場に「香取大明神」とあるのは普通のことだと分かるんですけどねぇ…
 今年の「真田丸」にも言えることですが、三谷さんはご自身が歴史マニア・大河マニアなので資料調べは相当な厚みがあります。そこに巧みにフィクションを織り交ぜていく、ということでは近年の大河でも上等な部類になってるのは間違いないですね。歴史を扱いながらどう納得するようなウソをつくか、というのが小説でもドラマでも漫画でも腕の見せ所、見る側の楽しみどころであると思ってます。



#10230 
2016/05/09 19:48
>ロシア映画のモンゴル帝国

小説版は読んでいないのですが、「戦争と平和」でも騎兵が出て来たと思います。騎兵は、貴族階級とか富裕層の中で、兵役に参加する勇猛な人々が担ったのですが、ロシアでは、騎馬民族を出自とするコサックがある分だけ、国民国家の時代になっても、騎兵が特権階級の兵力源だったのではないですか。

ロシアが、モンゴルを畏敬したのは分かる話だと思いますし、元の版図からして、ユーラシアへの拡張というのは、覇権による経済圏の拡大に加えて、前近代の特権階級である、軍人達の混血を進めたのではないかと思います。ここに思考停止があると問題は厄介なのだと思いますが、軍人が貴賤を問われなかったのは、戦争がある時代が為だと思います。

ロシアのコサックは、戦争史の主役であって、欧州の騎士階級に引けを取らないものでしょう。モンゴルでは、遊牧民として、馬上にあるのが当たり前だった時代。コサックもまた、遊牧民としての生活様式を引き継いだのでしょう。奴隷農民とか、流浪の民が、ウクライナなどの中央アジアを基盤として、共同体を作り、遊牧した、というのは、近年流行のスローライフからすれば、理想的なシェルターに思えてなりません。



#10229 
バラージ 2016/05/08 22:26
熊本城

 一昨日、NHKで朝に『真田丸』関連の番組をやってたのをたまたま見たんですが、その中で石田三成役の山本耕史さんが熊本城を訪れてるコーナーがありました。2月にロケをしたそうですが、今となっては貴重な映像となったなあと思いながら眺めておりました。



#10228 
バラージ 2016/05/05 15:32
なんかいろいろ歴史映画

 ここしばらく出てた話題で、ちょいと映画関連の話を。

>ロシア映画のモンゴル帝国
 以前にもちょっと紹介したんですが、キプチャク・ハン国末期という珍しい時代を舞台とした『オルド 黄金の国の魔術師』というロシア製歴史映画があります。邦題にしてもDVDパッケージの絵柄・文字デザインにしても完全に『ホビット 思いがけない冒険』のパクリみたいな作りで、裏にある解説(や公式サイト)にも「歴史ファンタジー・アクションの大傑作」なんて書いてあって思いっきりファンタジー映画に見せかけてますが、同じく裏にあるあらすじを読むと明らかにファンタジー要素はないんだよなあ。合戦などのスペクタクルシーンもないようで、文芸映画に近い出来なんではなかろうか。何でもモスクワ国際映画祭で監督賞と女優賞を受賞したそうなんで、それなりの出来の映画ではあるんじゃないでしょうか。なんでまた思い出したかというとコンビニによく並んでる安売りDVDの中にあったからなんですよね。売れないんだろうなあ。ホビットみたいなファンタジーものに見せかけようという販売会社の戦略もまあわりとよくある話で、僕なんかは微笑ましい気持ちになっちゃいますね。ま、観てはいませんが(笑)。ちなみにそんな販売会社の涙ぐましい努力にもかかわらず、レンタル店ではちゃんとドラマ映画のコーナーにあったりします(笑)。
 ロシア製モンゴル史映画というと、これまた以前にも紹介したチンギス・ハンの生涯を描いた『ライジング・ロード 男たちの戦記』という映画もあります。正確にはアメリカ・ロシア・モンゴルの合作のようですが、映画内で使われてる言語はロシア語とヤクート語とのことなんで実質ロシア映画でしょう。まあ、チンギス・ハン映画は米国・日本・中国・本場モンゴルと世界各国で作られてるんで、そこにロシアも加わったってことですかね。でも邦題はこれまた『ウォーロード 男たちの誓い』のパクリだよなあ。原題にはちゃんとチンギス・ハンとあるようなんですがね。ちなみにレンタル店ではドラマ映画コーナーにあったりアジア映画コーナーにあったり。やっぱり観てはいませんが(笑)。

>ノストラダムス
 そういえばフランス映画に『ノストラダムス』ってのがあるとか。伝記映画で予言にはあんまり触れてないみたいですが(これも未見)。

>植芝盛平
 安彦良和のマンガ『虹色のトロツキー』に、大本教関連のエピソードがちょこっと描かれてましたね。

>『トットてれび』
 NHKで黒柳徹子さんのNHK入社時代のエピソードを描いた連ドラ『トットてれび』が始まりましたね。同じものをテーマとした大森一樹監督の『トットチャンネル』ってのがあったようなあと思ったら同じ原作とのこと。個人的には現代史、特に戦後史においては、文化史というのが政治史・社会史と同等かそれ以上に重要だと思うんですよね。同時代史的にと言いますか。『トットてれび』は第1話を観たらいろいろ工夫はしてるようですが、やはり映画には及ばないかなあという印象です。ただし、映画は主人公(黒柳さん)も仮名で実在の人物は登場しないんで、実在人物が出てくるドラマのほうが歴史ものっぽくはありますが。



#10227 
水師提督 2016/05/05 03:04
極西の海賊

レコンキスタを経て、イベリア勢力(スペインとポルトガル)がアジア・アメリカに進出していく、という流れはよく協調されますが、
じつは宿敵のバルバリア海賊も、イベリア半島における協力者を失ったことで、帆船技術の導入をはかり、かえって地中海から外洋に行動範囲を拡大している模様ですね。

イングランドでは、このバルバリア海賊との取引に従事する「バーバリー商会」が立ち上げられ、かのウィリアム=アダムス(三浦按針)は長らくこの商会で勤務していたと、本人の書簡で述懐しています。

最近は、倭寇の交易商人としての一面が協調されますが、同じ論理は地中海でも適用できそうです。



#10226 
黒駒 2016/05/04 12:15
真田丸は奥深い!?

大河ドラマ「真田丸」ですが、個人的にはどうもあまり乗り気ではなかったのですが、最近ちょっとこれは面白いかもなと思いつつあります。そう思ったのは時代考証面ではなくて、三谷さんの脚本のほうです。

聞けば三谷さんは主にネットにおける反響というか言葉遣いに違和感があるという趣旨のことを連載で書いていたようですね。「突っ込みどころ」は本来、作品を否定するニュアンスで用いるとか、「小ネタ」は意味が違うとか。

例えば高嶋政伸演じる北条氏政が飯に汁をかけるシーンが何度かありましたが、これは笑わそうとしている「小ネタ」ではなくて、まじめな人物の性格付けであるとおっしゃるのですよね。

私はそう思って「真田丸」を見てみると、確かに「ギャグ」と「真面目」が混在している演出が目につくなぁと気がついて、面白くなってきました。例えば西村雅彦演じる室賀正武が、大泉洋の真田信之に向かって「黙れ小童!」と怒鳴りつけるシーンも、話題になってますよね。

これも、考証家の先生によれば信之が若輩で、国衆の当主同志の軍議に参加する資格がないことを示す、真面目なシーンであるそうです。

また、その真田信之が、真田が窮地に陥るたびに昌幸が「面白い!」と発言すると「ちっとも面白くない!」とツッコミを入れるシーンもありましたし、これもやはりギャグの効果を生んでしまっていることは否定しがたいと思います。でも、後にこの親子が袂を分かつことを考えると、心のずれを示す真面目なシーンであるなぁと思います。

先日の、清水ミチコ演じる旭姫が無言で侍女に耳打ちし、家康と会話するシーンがありましたけど、これも家康と旭姫の関係であるとか、当時の貴人女性のあり方などを考えると、必ずしもおふざけでないように思えます。

これらのシーンが「ギャグ」でないとは、そりゃ三谷さん無理でしょうとは思うのですが、「ギャグ」と「真面目」と、両方を仮託している、なかなか高度な演出に仕上がっているのではないかと思えてきて、それで「真田丸」が面白くなってきました。三谷さんにしてみれば、片方だけの意図しか汲んでくれない反応に違和感がおありなのかな、と思います。



#10225 
通行人 2016/05/04 03:30
失礼しました

ロイドでなくロイズですね。
話を聞いたのが20年前なんで。



#10224 
通行人 2016/05/04 03:17
湾岸戦争での海賊

これはロイドに勤める知人からのネタですけれども。
湾岸戦争中に戦争の行方とは関係なく海賊の海戦があったそうです。
フセインの戦闘機がタンカーや貨物船を狙うでないですか。
すると船主とロイドとの間に深刻な利害関係が生じたそうです。
船主は船が沈んでくれれば保険で損害をカバーできる。対してロイドとしては船に沈まれると、船舶だけでなく積み荷の保証までしなければならない。

そこで両者はゲリラだの傭兵だのを雇う訳だそうです。
船主は沈みかけた船を撃沈してくれる魚雷装備のシンカー(沈め屋)に頼む。
ロイドはシンカーと戦って船をサルベージしてくれるサルベージャーに頼む。
それで傭兵やゲリラが海戦をしたそうです。戦争は勝敗の行方に関係なく動く狼やハイエナを産むのですね。



#10223 
通行人 2016/05/04 02:39
現代の海賊と自動車メーカーと自動車窃盗団の不思議な関係

とある所から仕入れたネタなんですが、高圧ガス切断機の危険物取扱い講習に出かけた方が、現代の海賊は日本の自動車メーカーと中国系の爆裂団と海賊に関係あると講習で知り驚いたそうです。

高圧ガス切断機の講習で、それまでは危険物取扱いの講師は消防官でした。
それが最近は警官が来るのだと。
何故、ここに警官が来るのか?

実は日本の自動車のエンジンは非常に優秀で、そのエンジン目当ての自動車窃盗団が後を絶たないそうです。
では、そのエンジンの売り先は?

これがですね何と海賊。
フィリピン沖のタンカールートに出没する海賊や、エチオピア・ソマリアから出撃する海賊達は、空母のような母船を用いて獲物がレーダーに移ると、戦闘機のような高速ボートで襲撃する。
その外洋を突っ走る戦闘機のエンジンには日本製の自動車のエンジンが最適なんですって。
自動車窃盗団は映画「タクシー2」のような盗んで即解体、パーツを売り払うそうでして、 迅速な解体には高圧ガス切断機が欠かせないですと。
その為に技術面を勉強した警官が、危険物取扱い講習で、消防官に代わり講師を勤めるようになったそうです。
グローバリーゼーションですね(笑)



#10222 
通行人 2016/05/03 02:08
サラマンサさん、もう一つ

銀と海のお話で。
幕末の頃に日本と外国の金と銀の交換率の差を利用して、ハリスは大儲けしたと聞いた事があります。
確かに金が流れ出てしまいますね。
ジパング(笑)は遥かに昔になりにけり…の江戸の後期には、少し前に浮遊な町民は襟に一両小判を隠してお伊勢参りの旅に出る…行き倒れた時の葬儀をしてもらう為に。そういう話は古典落語にも出てきます。庶民が小判を持ってるならば、かなりな額のゴールドが日本にあつたはずてすね。それが何で「坂の上の雲」の日本はあんなに貧乏なのか?

私は日本のゴールドが流出して、それが南北戦争の北軍の戦費に消費されたと疑っているのです。
あの戦争を徴兵暴動が起きる辺りまで調べてみたところ、戦争開始の時は連邦政府は軍資金の用意をまるでしてないみたいななのです。それがあっという間にか資金を集めて軍事力を高めます。
時期的に銀と金の交換率格差を利用して、日本から集めたゴールドで戦費を賄ったのではないかと思うのです。
裏づけは弱い話ですが。




#10221 
通行人 2016/05/03 01:35
サラマンサさん、隆さん、水師提督さん

皆さん面白いお話ありがとうございます。この板の読者の方は水準が高いな、私も聞いてばかりでなく、自分で勉強しなければ…と思いました。

サラマンサさん、
相続法に目をつけられるのは慧眼と感心いたしました。確かにそうなのですよね。人種や民族の交わり方は、一見してゲノム解析の21世紀には立証し易いように見えて逆ではないかと私は考えてます。これだけ人の移動が全地球的になってしまうと、交婚は当たり前で、地域から隔絶した血を引いている人は必ずどの国にも一定数が暮らしてます。
歴史を謎解きするアイテムとしては心もとない。
しかし相続法の変化は、どのように集団が交わってかたかを現してますものね。
アメリカのミステリを観ると検屍官が捜査に口出しする権限があるのが解ります。日本の検死医より遥かに権限が大きいのです。これ、実は相続に関する事から始まっているそうです。
キリスト教では自殺は大罪ですので、自殺者と認定されると財産は国庫に没収されてしまう。中世は教会だの領主だの王家たのと複数の権力が存在しているので、領地を持つ財産家で変死が起きた時に、それが自殺であるか否かは大問題でした。そこで国(国王)側と領主の間で、第三者として 地域の修道院から医学知識のある修道僧を招いて検屍させた。
「薔薇の名は」とか修道士カドフェルの世界ですね。こうした経緯が検死制度の背景にあるので、検屍官は検死医を遥かに越える権限があるのだそうです。
西欧の医学がルネサンス以後に発展してゆくのは、戦争と相続問題で解剖学が発展し、それが外科技術に継承されたからなのだそうです。
この話は知人のマッサージ師から聞いたのですが、さらに面白い事が有ります。
実はイタリアで解剖が学問として始まった時期の少し前、13世紀の前半に中国でも法医学書が出ているんです。
「洗冤集録」という本で雄山閣という版元から翻訳されてます。これが平冤録→無冤録と発展してゆき、江戸の元禄辺りで河井甚兵衛尚久が翻訳して明治初年まで刑史のマニュアルになったとか。
一読すると解剖をしない中国医学なのに実は解剖の知識がある事が解ります。
(秘かにやっていたのでしょう)
で、これも宋の時代に経済が発展して、相続問題が出てきたからなのなようなのです。現に現代医学とは齟齬がありますが、滴骨の法とか合血の法とか、親子を決める血液鑑定法が(東洋医学書としては)初めて扱われているのが、その論拠であります。
話が逸れてしまいましたが、相続法の変化を持って、民族と文化がどう交わったのかという貴兄のご指摘は大変に簡明を受けました。

隆さんへ、
記載が流れましたけれど、モスクワ公国が対外的にはモンゴルの威光を用いて、内政にはビザンチンの権威を用いたという説は面白いですね。
清朝は新疆のムスリムや、モンゴル、チベットや青海省の統治は遊牧帝国の汗として支配し、長城の内側には中華帝国の皇帝として二重の支配をしていたと、例の噂の学者先生が書かれていたような。
私は発想は面白いと思います。
ただし、あえて苦言しますが他の方の御意見に対して、その論の裏づけが弱いようにお見受けいたします。
これは私も貴兄の事をいえないのですが、論を張るのならば、やはり複数の文献に当たり、それなりの論拠を以て主張される事を勧めます。

水師提督さん、
勉強させて頂きました。実はモンゴルがユーラシアを東西に結んだのは事実と認識していましたが、それでも本当に世界史が一つになって胎動し始めるのは、植民地支配からだと思っていたのです。
ロシアや東欧、ここでのアジアとヨーロッパのぶつかり合いが、実は世界史に凄く影響していたのを改めて認識させて頂いた気がいたします
皆さんありがとうございました。



#10220 
サラマンサ 2016/05/02 23:08
皆さんの話題に乗じて

皆さんがおもしろいお話をなさっているのでなかなか入りずらかったのですが、私もいくつか便乗させていただきます。

北方民族と中華文明との関係は私も以前書き込ませていただいたのですが、件の岡田氏も含めて民族や混血の方に話がいってしまうので扱いづらいテーマです。
 実際どれくらいの混淆があったかはとりあえず措くとして、そういった異文化が接触した場合はどういった相続法が採用されていたかといつも気になります。ヨーロッパ王朝ではサリカ法などの法典がありますが、こちらではどうだったのでしょうかね。相続法のいかんによっては集団間に不公平感が増したりパワーバランスが崩れたり習慣も変わって来そうですが。自分がどの一族に属しどういった人間関係の中にあるのかといったアイデンティティーにも影響しそうです。

>北の十字軍
十字軍とはちょっと違うのですがコロンブスがスペイン王室とパトロン契約した1492年はレコンキスタ史でいうグラナダ陥落の年なんですよね。接触自体はもっと以前からあったのでしょうが、アメリカ大陸への支配拡大もレコンキスタの延長だったりするのでしょうか。アフリカやアジアへの進出にもキリスト教の普及が伴っていることをかんがえますと、十字軍のような活動や精神は変容しつつも近代まで続いているのかもしれません。

>海からのアジア史
アジアの海域の勢力図を変える出来事、というよりヨーロッパ勢のアジアへの参入をささえたものはやはりアメリカ大陸産の銀でしょうか。軍事力・工業力・生産力ではアジア勢に敵わなくともマネーでは対抗できる程度の力になりそうです。




#10219 
2016/05/02 20:29
勢揃いで

体制には、それに相応しい権力層が、形成すると思いますが、引き続き、ツァーリの起源の件、
モンゴルのルーシ支配期に、貴族層の受容が起きたようで、これを観ると、体制に近い貴族が、
敵国への従順というのは、国家が解体する事によって、損耗を喰らう権力層が主導するのは、
今も昔も変わらない、と思います。友好的に見れば、これは、モンゴルとのデタントとも
言えるでしょうが、ロシアは、宗教の後進性、改革との隔離から、中流層の形成に失敗している
ところを見ると、軍隊が発展の要であったといえると思います。ロシアの軍隊とは、独立性が強いのは、即応性がある事、つまり、政治判断が出来る、高度なテクノクラート
である事だと思います。だから、現ロシアでも、戦争において、ロシア軍というのは、
敵国の要衝を抑え、また、強力なのだと思います。だから、ロシアが抱える汚職とか、
官僚の問題というのは、彼らの草莽期に、国家を主導したという経験と伝統が深く関係している
と思うのですよ。

>北の十字軍

十字軍は、中東だけでなく、スペインのレコンキスタは知っていましたが、北にもあり、
それは、ヨーロッパ内部の戦争を起こした、というのは、興味深い事象ですね。
東欧を舞台とした、という事は、ロシア正教とか、ビザンティンのギリシャ正教との
確執も、カトリック軍は考えねばならない時代があった、という事でしょう。
ポーランドには、ドイツ移民が移住し、それが、後々の大戦の大ドイツ主義の根拠となる
領有権の名分となった事や、そもそも騎士団とは、そのイデオロギーである騎士道に
おいて、神国としての国家への忠誠を誓うもの。つまり、国家統合は、ローマを前身とした
ヨーロッパでは、比較的寛容に、内部での移動が許容された、という事だと思います。

>海からのアジア史

素晴らしいですね。通行人さんと管理人さんの発想力の賜物でしょう。戦国時代に
山田長政が、シャムに移住したというのは、教科書にも載っている事ですが、
日本の内向性に対して、武士が外征を強行した、というのは、モンゴルが騎馬を駆って、
男たちが、発見と拡張を進めた事と何ら変わらないし、モンゴルに至っては、海上の旅路より、
遥か遠くに遠征していますから、海洋国家の利というのは、産業革命による技術革新を
待たねば、どうにも、大陸国家には対抗できなかったのでしょう。革命後のヨーロッパの
躍進というのは、大陸の力に苦しめられ、近場ではフランスの軍事力に対して対等でしかなかった
国際情勢を逆転したと思います。人の力、人力の艦船技術を超える、騎馬の力を掌握した
大陸国家があり、騎馬の力を超えた蒸気の力を発明するまでが、ヨーロッパ人のルサンチマンによる、
革命後の真の大航海時代だと思います。



#10218 
水師提督 2016/05/02 13:28
ドイツVSスラブVSモンゴル

ドイツ騎士団の「十字軍」については、ドイツ人の東方植民や、異教・異端の征服などが複合した事業でありまして、これに対抗するスラブ勢力の結集に、ジュチ=ウルス(キプチャク=ハン国)の動揺も合わせ、きわめて「カオス」な状況が成立します。

ロシアでは、モスクワ大公国がジュチ=ウルスに従属して、北方十字軍に対抗しつつ、ジュチ=ウルスの分裂に乗じて叛旗を翻すも、再統合されたジュチ=ウルスに敗れて再従属などという経緯を辿りますが、
さらにポーランドやリトアニアでも、ジュチ=ウルスと同盟を結び、モスクワ大公国やドイツ騎士団に対抗する一方で、動揺を繰り返すジュチ=ウルスから流入するモンゴル人を受け容れており、「北の十字軍」に終止符を打ったとされるタンネンベルクの戦いでも、モンゴル騎兵がかなり重要な役割を果たしています。

極論すれば、ロシアのみならず、ポーランド・リトアニア連合も、広義のモンゴル帝国の後継者ということになります。
東欧においては、まさに多民族・多文化が混淆しており、ヨーロッパかアジアか、という二者択一論を適用できない地域かと存じます。



#10217 
通行人 2016/05/02 02:24
追記

もはや通行人が居座っていますが。
お二人に聞き忘れました。私が餓鬼の時分には「ウラル・アルタイル語族」という説がありました。
今でもあるのでしょうか?
確かにトルコ語は一見して日本語と文法が似てる気がします。
しかし…天皇が電話するまでボケてしまわれたお方(中学の時に熱中した方なのに)
の話ではあるまいし。偶然としか思われないのですが。
でも戦前の北に関わった方は信じている方が多かったようです。
私の怪しい祖父は晩年、「馬賊戦記」の小日向白朗氏と御近所付き合いしていまして、伝説の馬族王に遊んでもらった事が有ります。その時に小日向氏が、その話を聞かせてくれました。



#10215 
通行人 2016/05/02 01:42
徹夜城さん、水師提督さん

徹夜城さん、ご丁寧な回答をありがとうございます。納得いたしました。
ありがとうございます。
蛇足ですが、「海からのアジア史」という発想には凄いと思いました。
シーカヤック漕いでた事が若いころにあるのですが、東京湾を一周すると陸から見た東京とは一変するのです。海からのアジア史あって良いはずですよね。
狄判事シリーズという東洋学者で、在日本領事だったオランダ人の書いた唐代ミステリがあるのですが、その中に唐代にはすでにムスリムの海商人が貿易町を江南に作ってた話が出てきます。
海洋の歴史はまた別にあると思います。
それと海から歴史を見た徹夜城さんが、
北方に拘る歴史家が、おかしくなる率が高い…この御指摘も面白かったです。やっぱりアレでしょうか?
海は風とか燃料とか、水や食糧などの補給とか、諸条件の計算が必要だから、断片を集めて冷静に推理してゆかねばならない。対する陸は地続きにどこまでも行けそうな気がするから、学者さんも妄想がどんどん拡大してしまうのでしょうか。そんな事を考えました。


水師提督さん

岡田氏のお話ですが…漢族は東夷南蛮北狄西戎とされた人達がぶつかり合って産まれたハイブリッドだと、この方は言われてた気がします。
確かに純粋アーリア人的な妄想より説得力があるように私には思えるのです。
けれど大将さんの実体験をお聞きすると、教育者としては??な方のようですね。残念なお話です。

ところでお書きになっておられたドイツ騎士団とは、ポーランド王国と連合軍を組んで全滅したあれですか?
このときに彼らが負けて、ポーランドが焼け野原になったせいで農民が足らなくなり、ドイツ系を移民させたのが、何百年もしてヒトラーのポーランド侵略の原因になったと聞きます。
不勉強で「北の十字軍」て初めて知りました。その十字軍の連中が東欧に騎士団領とか作っていたわけでしょうか?
面白そうなので、その本を探してみます。東欧やロシアと遊牧民の繋がりは面白いですね。
シベリア鉄道で、三里塚以来の腐れ縁の友人とハバロフスクまで旅した事があるのですが、途中に欧亜境界線てのがあるのですよ。一緒したロシア(ソ連でしたけど)兵が教えてくれました。
そう考えると「モンゴル帝国の婿殿」の例えは秀逸な気がいたします。
しかし…私から見るとロシアはヨーロッパなんなですが、西欧から見るとアジアなんですかね?
だから十字軍とか送った訳では?
十字の横棒の切り方が右→左なだけ…くらいにしか当時は思わなかったのですが。




#10214 
徹夜城(大河ドラマは「太平記」が一番と言って譲らない管理人) 2016/05/02 00:30
なにせ「太平記」しか例がないですからねぇ

>水師提督さん
 大河ドラマ「太平記」は現時点で南北朝時代を熱かった唯一の大河ドラマであり、また大河以外での映像化例もほとんどないため、南北朝時代の人物の映像的イメージはこれ以外にないため「刷り込み」もやむをえないところではあります。
 夢窓疎石の登場シーンをその年代で覚えてらした、というのはさすがです。僕は当時すでに南北朝マニアでしたから「わっ、こんなところ出てきた!」と喜んじゃったりして(笑)。ドラマでは親しみやすそうなフツーのオジサン、って感じの人が演じてましたね。

 
大河「太平記」の足利直義、高嶋政伸の熱演は光るのですが(最期の毒殺シーンは語り草ですね)、南北朝史に詳しい向きからは「あんなの直義じゃない!」と不評でもありました。当時僕が属していた史学科の日本中世史とってる女性で直義ファンがいましてねぇ、やはり怒ってました(笑)。あとで知ったことですが当時すでに湯口聖子さんが漫画で直義を美形青年キャラで思い入れをこめて描いていたせいもあって女性ファンがすでに多かったみたい。湯口さんも「高嶋政伸」というキャストを聞いてがっくりしたとかあ漫画で描いてます(笑)。
 あのドラマでは尊氏が陰にこもるタイプ、慎重なタイプなので、熱血漢の弟がけしかけていくというか、そういう人物配置からああいうキャラになったのではないかと推察してます。脚本家の方も関連資料は目を通したはずで、それをそのままやったらああいう直義にはならんだろうと。

 その直義の大ファンと言われているのが、南北朝史の大権威・佐藤進一先生で、中公文庫「日本の歴史」の「南北朝の内乱」は南北朝史入門書として今なお定番扱いさっれる名作です。その佐藤先生が網野善彦氏らとの鼎談で大河「太平記」の話に及んだことがあり、「大河ドラマには大変不満でね、あんな直義がいるわけがないという…」とドッキリ発言をしたことがあります(ちゃんと書籍化もされてます)。確か網野さんはそれを受けつつ俳優の熱演はほめてフォローしてましたけどね



#10213 
水師提督 2016/05/02 00:01
刷り込み

じつは、夢窓疎石とのファースト・コンタクトが、大河ドラマ「太平記」の終盤だったりします。
当時は小学生でしたが、「おいおい、直義をけしかけていないか、この人」と思いながら、視聴していました。

夢窓疎石に限らず、南北朝時代に触れたほとんど最初の機会でありまして、その「刷り込み」効果で、今でもあの時代の人々に関するイメージは大河「太平記」基準で再生されてしまいます。
先日も、知人に「足利直義はあんなに喧しいキャラではない。もっとこう理知的で謹厳な・・・」と力説され、意外に感じた次第でありまして。

>岡田英弘氏のこと

著書によっては、ちょっとクセは強いものの、学ぶものは多いのですが、
奥方と同じく、右向けの文章の方が売れるものだから、どんどん妙な方向に突っ走っていってる印象です。
あるいは奥方の「暴走」も、岡田氏の意向によるものか、と邪推したくなるモノがあります。



#10212 
徹夜城(「〜している管理人」という肩書を延々と十ウン年も続けている管理人) 2016/05/01 14:03
多岐にわたる書き込みを

 実際いろいろレスしたい話題はあるし、新規に書きたいこともあるし、管理人として応えなきゃいけないこともあるし、と多岐にわたる書き込みになってしまいます。

>昨日の「ブラタモリ」
 いきなりなんですが、昨日の「ブラタモリ」が京都の嵐山編。例によって地形を観察、断層を確認するくだりがありましたが、その場所が天竜寺の庭園と関係していて、その開山であり庭の作者である夢窓疎石がクローズアップされて南北朝ファンとしてはちょっと嬉しかったりしまして(笑)。そもそも天竜寺じたい、後醍醐天皇の霊をなぐさめる(というか怨霊が怖い)ために足利尊氏が創建した寺なんですよね。
夢窓が断層のことなんて知っていたとは思いませんが、地形を巧みに庭園にとりこんだというのはホントなんでしょう。「南北朝列伝」でいろんな僧侶の列伝書いててよくわかりましたが、この当時夢窓ってまさに「当代随一」という言葉がふさわしいほど幅広い尊崇を集めた禅僧なんですよね。どこらへんがそんなに凄いのか逆に分からなくなるんですが、北条高時、後醍醐天皇、足利尊氏と政権を越えて権力者の尊崇を受けてるのも面白いところです。大河ドラマ「太平記」でも1シーンだけ登場してましたが、覚えてる人が少なそうな。

 なお、その前日に放送された「タモリ倶楽部」ではこのたびオープンした京都鉄道博物館にタモリ一行がオープン前訪問していて、もしかして同時期に収録したんじゃないか、と思っちゃいました(「ブラタモリは3月8日収録と特定できました)。京都鉄博ではオープン前の整備中ということであの梅小路の扇形車庫からSL軍団がみんな引っ張り出されてそばの線路に「すし詰め」で並べられていて、むしろその光景にタモリたちが興奮、という場面がありました(笑)。SLもなんだかんだでいつまでも人気があるもんです。


>「アンゴルモア」
 かなり下に流れてしまってますが、漫画「アンゴルモア・元寇合戦記」につきまして。これ、単行本で5巻までは読んでます。連載雑休刊も乗り越えて続いてるそうですね。
 まず読んでみての印象なんですが、いい意味で「マンガマンガ」してます。つまり歴史的事件を素材にしつつも、かなり「遊び」といいいますか、歴史小説だったら恥ずかしくて書けない(?)ような思い切ったフィクションギミックがいっぱい入ってるんですよ。例えば主人公(元御家人の流人設定)は源義経由来という「義経(ぎけい)流」という武芸を使いますが、なぜか元軍側にも同じ武芸を使う者がいる(義経=成吉思汗説」?)。安徳天皇が実は対馬に逃れていたという設定が出てくる(その子孫どころか本人まで登場する)。白村江の戦い以来対馬を防衛する防人の子孫である「刀伊祓」という謎の集団が登場する…などなど、時代考証うんぬんというよりは面白さ優先で「ネタ」を仕込んでるところが多い。また、実際の戦闘の経過を参照しつつも次々と襲い来るシチュエーションを主人公が知恵と勇気(?)で乗り越えていくという熱血少年漫画的パターンも繰り返されます。読んでいて沢田ひろふみさんの「遮那王義経」とか「山賊王」に似てるな、と思いましたね。

 一方の元軍側も、モンゴル、高麗、漢族、女真族の民族混成状態であったことを描いていて、多民族が入り乱れるネタ大好きの僕は大喜びでした(笑)。この漫画、どこまで描かれるのか分かりませんが、単行本5巻まで使って文永の役の対馬戦のみなので、案外対馬の話だけで終わるのかな、という気もしてます。僕自身実際に行ってみたところなので読んでいて実感がわくところもありました。

 元寇ネタということで、通行人さんもお書きのような「キナ臭さ」を感じる人もいなくはないでしょうが、読んでみた実感としてはそこまでの印象はないです。多民族混成のゴチャゴチャした歴史ドラマ、という形で読んでみるのが面白いかと。あと意外と鎌倉幕府関連の話も多いんですよ(時宗がかなりブラック)。僕自身は倭寇専門なんで対馬人の帰属意識は現代人とはまた違うんじゃないか、という考えを持ってるんですが、この漫画ではそういうこととは別に結構日本側に内通者が出る展開になってますね。

 元寇ネタの大河ドラマが「北条時宗」一本しかないのは確かですが、そう何本も作れるネタではないでしょう。製作発表当時も何やら国威昂揚的なキナ臭さを懸念する声があったし、逆にそういう面からヘンに期待する声もあった記憶がありますが、ドラマ自体の出来が…ということで特に問題にはなりませんでした。
 以前も書いたことですけど、太平洋戦争の敗色濃厚な段階で「かくて神風は吹く」という蒙古襲来映画が製作されてて、つい最近ようやくDVD化されて鑑賞できたんですが、この映画の「国威昂揚」は現代人からするとツッコミまくりというか精神論的というか…逆に「我が国のありがたい国体」のおかげで神風が吹いちゃうんだと時宗がノー天気演説するところに、当時の「もう神頼みしかない」ムードが感じられたりもするわけです。


>学者先生たちのお話
 岡田英弘氏については大学時代の恩師が「変なことを言ってる人」と評していたのを聞いているだけで著作を直接読んだことはないんですが、中国史を相対化したからか日本の右翼系に妙に人気があったのは事実で、中国憎しのトンデモ歴史本に推薦文を寄せたりもしてたのは知ってます(中身読んでないんじゃないかと思いますが)。それでもその北方民族の観点から見た史観には一定の価値を見出してもいいでしょう。
 奥様の宮脇淳子氏については…以前「最後の遊牧帝国・ジュンガル部の興亡」という本を面白く読んだだけに昨今の言動には「歴史家もダメになるととことん堕ちてくな」とため息をつくばかりです。韓国歴史ドラマに考証的ツッコミを入れた本を出してるあたりまでは許容範囲でしたが、中国や韓国の歴史を「かわいそうな歴史」と題する本まで出してしまっては、歴史学者として恥というものをしらんのか、と言いたくもなります。
 僕自身は海の上の東アジア史なんで、陸の上の中国史をやってる人とはまた一線を画すつもりですが、どうも北方遊牧民の歴史をやってる学者さんは暴走のケが多いような…という印象も持ってます。モンゴル帝国史ではすっかり権威の杉山正明氏にしてもモンゴルを評価するあまり「ひいきの引き倒し」になってるという感想を以前ここに書いたことがあります。特に明朝をモンゴル帝国の出来の悪い後継者とボロクソに書くのはどうなのよ、と。
 さかのぼれば江上波夫氏の「騎馬民族説」なんかもありますしねぇ…江上さんが亡くなった直後、一緒にモンゴルに行ってた研究者の方が、江上氏が「天皇(昭和天皇)から電話が来るんだよ」とモンゴルの草原で用足ししながら話していたという逸話を暴露してましたが、さすがに昭和天皇が直々に騎馬民族説を電話で聞いたとも信じがたいので、そう思い込んじゃってたんじゃないか…という気がしてるんですが。
 最近ネット上で知って「そりゃまた」とたまげたケースが東大の中国古代史のセンセイの研究で…史料豊富な明清時代研究の立場から見ると資料が激しく少ない古代史の研究者は「天才」と半ば揶揄をこめて言ってたもんですが(笑)、やはり天才とナントカは…ということがあるのかな、と思ったばかりです。


>通行人さんはじめ当伝言板をご利用の方へ
 ここから管理人モード。
 僕はこの伝言板の冒頭に挙げているように、基本「歴史に関すること」ならなんでもありで書き込んでいいという態度です。僕自身がやたら関係ない雑談をやってるのはご存知のとおりで実は歴史でなくてもある程度は許容します(ま、なんでも歴史につなげられますよね)。
 困るのは特定の個人や団体をいわれなく誹謗中傷するとか、犯罪を助長するとか、あるいは議論する気などない明白な「荒らし」行為です。そういうのには問答無用で消すという警告はしてます。まぁ幸いにしてそこまで踏み切った例は多くはありません。意見の違いや立場の対立はあろうが冷静に文を書き込むのなら僕が内心「困ったな」と思いつつも消去などの措置はとらないことにしてます。

 アジアのバカ大将さんについてはこちらも長いおつきあいなので失礼ながら「芸風」を承知しているというか慣れてまして…先日の書き込みくらいはおとなしいほう、と思ってしまったくらい。先日は別の方でもっと罵倒的な書き方をしてた人もいましたから。もちろん伝言板の平和維持のためにはあまり激した書き方はしてほしくはないのですけど。
 アジアのバカ大将さんとしては「ここは歴史の真実に基づく話題をするところ」という表現を使ったのは書き込むな、というより書き込みの内容に対する批判の表現として使ってるのだと判断してます。「真実に基づく」というのはフィクションの話をするなとか、そこまでは踏み込んでないと受け止めます。今度の場合もふくめ「歴史改竄」のような話題が出てくると強く批判したくなる、という気持ち自体はわかるんですが、他の方から見れば上から目線の罵倒と見えてしまうこともあるでしょう。実のところ罵倒で相手が納得した試しを見たことがないので批判の仕方としても効果的とは思ってません。むしろこういう議論のときは第三者を気にしてね、と近頃僕は思うようになってますね。
 通行人さんが当サイトを気に入ってくださって伝言板の話題が荒れた方向に向かわないように、と気を使って下さったのもよくわかります。僕自身話題を多岐にふって方向を散らすといったことはしてますので。ただ話が「政治的」になることも歴史を扱う以上避けて通れないところもあると思います。むやみに荒れるのも困りますが、節度を保ったうえで政治的な議論が出てくること自体は忌避しなくてもいいと思ってます。
 う〜ん、自分で書いてても思うところをだらだら書くだけで話がまとまってない気がしますが、とりあえず思うところはこういったところです。



#10211 
水師提督 2016/05/01 05:32
ロシアの「野蛮」

通行人さんと隆さんへの返信を兼ねさせていただきます。

ロシアの「野蛮」については、過酷な自然環境や、外来勢力の影響などが複雑に絡み合って形成されたものでおりまして、とても一様に語れるものではないと認識しています。

いわゆる「タタールのくびき」によって、西欧やビザンツと切り離され、相対的に「野蛮」になったという説明がなされることは、たしかにあります。
ですが、ロシア(や東欧世界)にとっては、ドイツ騎士団に代表される「北の十字軍」も十分過ぎるほどに「野蛮」であって、それ故に十字軍を(いちおう)退けたアレクサンドル=ネフスキーは伝説的英雄とされ、ピョートル大帝もネフスキーを信奉するわけです。

モンゴルとの関係も、これまた一様ではなく、イワン雷帝がシメオンを擁立した1570年代には、まさにクリミア=ハン国との死闘が進行中であり、モスクワが焼き討ちされる局面すらありました。
それこそ、クリミア=ハン国の脅威が克服されるのは、エカチェリーナ二世の時代を待たねばなりません。

また、モンゴルの本家ともいうべき北元や、オイラトの勢力も、17世紀からロシアの勢力圏と接するようになり、ロシアは彼等との外交に相当気を遣うことになります。

何度か話題に出た宮脇淳子氏などは、このあたりの展開に造詣が深く、一般書として『最後の遊牧帝国』(講談社)も出しているのですが、近年は右派に迎合した小遣い稼ぎに転向してしまっており、それを容認している岡田英弘氏と合わせ、非常に残念です。



#10210 
通行人 2016/05/01 04:05
徹夜城さんにも回答をお願いいたします

明日も早いのに…と思うのですが、看過しかねる話題と思いますので。
事実と認定された事しか書いてはいけないのですか?
投稿者が他の投稿者の方に、書くことの自由を(徹夜城さんの認める範囲でですが)制限されねばならないのですか?
私は板の頭の前提を信じて投稿しましたもので、大将さんのコメントには賛成しかねます。主催者として公平なジャッジをお願いいたします。



#10209 
通行人 2016/05/01 03:23
寝る前に大将様へ

誤解はされたくないので、はっきり申しますと、私は貴兄が格闘技に明るいようなので、ソ連とサンボと柔道の関係などをお尋ねしたい立場なのです。
過去ログを観ても古くからの常連コメンターさんのようで、恐らくは体育会の御出身と思われるので、先輩として新規投稿者に対して教育的指導として、きつく当たられたのでないかと推察してます。

しかしながら、この伝言板には、
一、歴史に関わる事ならば何でも有り
二、誹謗中傷でなければOK

の旨が頭に書かれています。
歴史(事実)を語れ…そう言われましては、
バラージさんと話が出来た映画の話や大河ドラマの話も出来なくなります。
例えば私が真田丸の話を書きたいとします。あれは21世紀のドラマで、映像化した戦国じたいがフイクション(虚構)であります。誰が何と言おうと「事実」ではありませんね虚構なんですから。
ムー大陸の話もアトランチスもロマノフの黄金も書けなくなってしまいます。

そもそも他人に迷惑をかけないなら何でも有りと徹夜城さん前提条件を出しておられます。
それに従って投稿する人に、書く内容の制限を求めるのは公平な在り方でしょうか?
それとも徹夜城さんから公式に選ぶ権利を許可されているのでしょうか?
それならば全員が古参の投稿者でないのてすから、その旨を予め明言すべきでないですか?

徹夜城さんの公的な許可がないのならば、一投稿者である貴兄に、他の投稿者の書く内容を指定する根拠は何なのでしょうか?

私はバラージさんの御返事や水師提督さんの御返事を読んでいるので、水準の高い板と思いますし、その水準を守る為に、教育的指導が成されるのも仕方ないとも思ってます。
ならばもう少し当事者や他の読者への配慮をされて、穏やかな言葉で指摘したら如何なものでしょうか?






#10208 
通行人 2016/05/01 01:36
水師提督さん、バラージさん

深夜移動中の投稿ゆえ手短に失礼いたします。
バラージさん) なるほど私の先走りですね。御意見を伺うと。映画を見直す事ができないのが残念ですが、言われてみればプロ・アマチュア問題など他に対比する点は多く、スコットランド出身であることについては主役ほど追及されてなかったような気がします。

水師提督さん)
申し訳ないのですが、実はロシア史には詳しくないのです。
正直、アンリ・トロワイヤのピョートル大帝伝を過日に読みまして、にわかに興味を持った次第です。
あの次々と斧で家臣を手打ちにする(斧が好きですねピョートルの殿様は)人物が、
ロシア最初の解剖学習した医学の恩人で、後進性を克服しようとした開明君主なのが不思議で、その残虐さと合理性はどこから来たのだろう?
そこでモンゴルに飛び付いたのです。
ロシアがオーソドックスになるのは、確かバイキングが建てた王朝の君主が、ギリシァ正教に改宗した事から始まると習った(宗教学で歴史学ではありません)記憶があるのですが、バイキングの影響は残って無いのでしょうか?

それにしても東ローマにバイキングにモンゴルと、とんでもない歴史の国ですね。何か一般人にも読める教養書がありましたら教えていただけませんか?



#10207 
2016/04/30 18:37
水師提督さん、一つだけ補足させてください

ロシアの見識、仰る通り、モンゴルとの関係はとても重要と思います。
貴族であったり、交易も利権として掌握していた事を思えば、貴族、つまり、指導層から
モンゴルの親近筋が形成されていった、という観方は十分できるでしょう。

そして、国家改革において、右も左も、おそらく彼の指導層の認識の中にはなかったであろう事、
親政による独裁を必要とする世論があった事も、指導層のイニシアチブの下に、号令下にあった
ならば、納得が行きますね。モンゴルの体制を取り入れるにあたっては、モンゴルが彼の地を
もう侵さないという、確約があったか、情報として、策源地である中国領を失った事から、もはや
モンゴルが、外征を起こせないであろう事は、予想出来たでしょう。



#10205 
水師提督 2016/04/30 16:38
岡田英弘氏と宮脇淳子氏

このご夫婦(とくに宮脇氏)については、清朝史叢書の刊行を何年も遅延させてまで、
右派に歓迎される書籍の刊行に精を出すなど、聊か困った御仁であるのは事実ですが、
それを理由として、中国史やモンゴル史に関する研究を全否定することもできない、
というのが、歴史畑における最大公約数的な認識ではないでしょうか。

また、ロシア帝国の形成をモンゴル帝国の継承という観点から論じることも、とくに岡田氏独自の見解というわけではありません。
ロシア史やより広く東欧史について、モンゴルやその後継国家(ティムール帝国など)の動向と関連付けて論じることは、相応に重要な課題かと存じます。



#10204 
通行人 2016/04/30 12:34
とり急ぎ 大将様

丁寧な返事ありがとうございます。岡田氏が嫌韓本の奥方を持つとは思いませんでした。確かに眉唾かもしれません。

そして私は大将さんにお会いした事は無いはずだと思われます。師範どころか私は武道の経験は皆無ですから。
御指摘される師範の方と別人である事は、その方に御迷惑をかけてはいけないので慌てて投稿いたします。

祖父が大東流の心得があったのは事実ですが、実は「話し半分」のまま書いています。ほんねを言えば私が振った他愛の無いネタが政治的な論争に発展するのが嫌で、とにかく量を書き込み周辺記事を過去ログへと流そうとしたのです。
私自身は祖父の話を信じてません。祖父が中国大陸で怪しげな軍の活動に従事していたのは事実なのですが。肝心な部分については誤魔化してしまう人でしたので、この話だけ具体的な人物名まで明かすのは疑わしいと思われるからです。

それから事実だけ…ではアトランチスも書けなくなってしまいませんか?
現に徹夜城さんもお書きになってますし。主催者がダメと判断なさらぬ範囲ならば可と思われます。僭越ながら、その判断基準を決めるのは貴兄ではなく徹夜城さんだと私は思います。
急な出張ゆえ、慌ただしい書き込みで申し訳ありません。では。




#10203 
アジアのバカ大将 2016/04/30 01:05
「歴史(事実)の話をしましょう」と最初から言ってますが?

>>通行人さん
汗→ツァーリ?
高校の教科書では、ツァーリ(Tsar)は、ドイツ語のKaisar,
同じくローマ皇帝を意味する「Caesar」が語源と説明されて
います。字面から見て、そうでしょう。
 岡田英弘のいうことは信用しない方がいいですよ。学生時代に
彼の講義(一般教養・歴史学)を履修しましたが、休講ばかり
の上、たまに来ると雑談ばかり。とても歴史学を体得して
いるようにも、それを学生に説こうという気があるようにも
みえませんでした。彼の学説が学会で主流になったという話
も聞きません。嫁さんが、ネトウヨ受けする嫌韓本を書いて
良識のある人に鼻つまみになっているのは知ってます。
 最後に、貴方は植芝師範のご親族のようですが、もし東京
の某放送局の合気道部の師範でしたら、20年ほど前に同局の
道場(空手部および柔道部と共用)で一度ご挨拶したと思い
ます。




#10202 
徹夜城(GWはHP更新作業にいそしむ予定の管理人) 2016/04/30 00:38
与那国からロシア、プリンスまで

 丸一日ぶりに覗いてみると、えらい書き込み量で…(汗)。まぁ話題豊富でにぎわっているのはいいことです。
 それにしてもどの話題にレスした者やら。とりあえず、一つ一つ、ゆっくりとお返事していきたいと思います。

>与那国海底「遺跡」
 これ、もう十ウン年前に僕も興味を持ちまして、両方の主張を読んでみるかと思い立ち、遺跡だと主張している木村政昭氏の写真豊富な著作を購入して読んでみたんです。読んだ結果、「こりゃ自然物だな」という、著者の主張とは真逆の結論に達してしまったんですが(笑)。
 なんでそう思ったか、という理由はいくつかあるのですが、一番大きな理由は著者である木村氏の「学問的態度」に大いに疑問符がついたから、ということなんです。

 そもそもこの木村氏、「ムー大陸説」をかなり大真面目に論じています。これ、ちゃんと調べて見ればかなり出所の怪しい話とわかるはずなんですが、どうもロマンを先に求めてしまう傾向がお強いような。そうしたムー大陸ばなしと琉球列島の「古代文明」を結び付けた議論をしちゃうわけですが、この方、地質学・地球物理学などが御専門だと思うのですけど、考古学的素養はまるでないとしか思えなかったです。そしt実際今日に至るまで「遺跡」と主張しながら考古学的なアプローチをまともにしてる気配がない。

 その後この木村氏の与那国以外の著作を並べてみて、ますますかなりお騒がせタイプの学者さんだなぁという思いを強くしたものです。以下にここ10年の著作のタイトルを並べて見ましょう。

「新説ムー大陸沈没 沖縄海底遺跡はムー文明の遺産か?」(2006)
「大地震の前兆をとらえた!―警戒すべき地域はどこか」(2008)
「邪馬台国は沖縄だった!―卑弥呼と海底遺跡の謎を解く」(2010)
「「地震の目」で予知する次の大地震」(2010)
「富士山大噴火! 不気味な5つの兆候」(2011)
「富士山の噴火は始まっている」(2012)
「超巨大地震は連鎖する」(2012)
「東海地震も関東大地震も起きない! ~地震予知はなぜ外れるのか」(2013)
「「巨大地震が再び日本を襲う!噴火の目」で予知する富士山噴火のXデー」(2014)
「巨大地震が再び日本を襲う!」(2014)

…とまぁ、こんな調子。地震関連本の宣伝文句をみると「阪神淡路大震災」「東日本大震災」も予測した、ということになってる(おそらく自称)のがよけいにいかがわしさを感じさせてしまいます。富士山噴火も結局当たってないですし。そりゃまぁ地震も噴火もいつかはあるものだから年じゅう言ってりゃいつか当たるんですが(「地震予知」をやたら喧伝する人はたいていこのパターン)。

 木村氏の研究者としての問題はおいといて、与那国「海底遺跡」についての科学的な謎解きについては以下のサイトが読みやすいかと。
http://www.nazotoki.com/kaiteiiseki.html




#10201 
バラージ 2016/04/29 15:25
王子の死

 80年代を代表する米国の歌手プリンスが亡くなりましたね。僕は特にファンではなかったのですが(当時、洋楽にはほとんど興味なかった)、王(キング・オブ・ポップ=マイケル・ジャクソン)の死からさほど経たないうちに、王子(プリンス)の死とは……。2人ともまだ若いというのに天…。そういやどちらの時も聖母(マドンナ)がコメント寄せてたなあ。それにしても80年代はどんどん遠くなっていきますね。

>通行人さん
 さすがにそれはややうがちすぎた見方かと。確かに主人公のエイブラムズはユダヤ系、そのコーチのムサビーニはイタリアとアラブのハーフ(英国人ではない)、もう一人の主人公リデル(エイブラムズの親友ではなく、あえて言えばライバルですがそれも英国内での試合だけで五輪では同僚となるものの、この2人は映画内ではあまり絡まないのです)はスコットランド人ですが、それは事実としてそうだからそう描かれているというだけであろうと思います。エイブラムズとムサビーニのエピソードでは当時の大英帝国陸上界の純血主義に対する批判も描かれていますが、それはアングロサクソンと非アングロサクソンという側面とともにプロとアマチュアリズムという側面も描かれているように思いました。また、リデルに関してはスコットランド人という側面はほとんど取り上げられておらず、もっぱら神に仕える宣教師としての側面がテーマとなっていますからね。



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