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#4300 
尾鳩と久保田七衛 2003/09/09 16:07
香港から

尾鳩

管理人様、香港で小さなオフ会があったことをご報告致します。
実は、今久保田さんが香港にいらしてまして、隣に立っているんです。
SARSで知り合って以来、電話連絡などはしていましたが、お目にかかるのは初めてということで。とりあえず、ご報告まで。

久保田
 お久しぶりです。帰国後にまた医学史ネタでも書けたら、と構想中です。
 今後ともよろしくお願い致します。

とりあえず共同作品と言うことで。



#4299 
徹夜城(またネタを書き忘れてまた書いてる管理人) 2003/09/07 23:16
あの人の墓発見?

中国からのニュースですが。
女真族出身で12C初に「金」王朝を建国した完顔阿骨打(ワンヤンアクダ)の墓らしいものが発見されたそうです。この人、妙に名前にインパクトがあるんで世界史の授業で覚えちゃう人が多いんですよねー。
 この阿骨打さんですが、先日読み終えた陳舜臣の小説「桃源郷」にもチラリとではありますが、登場していました。

 ずいぶん前になりますが大学院で「高麗史」本紀の読解ってのをしばらくやってまして、そこでちょうど契丹族の「遼」が滅んで「金」が勃興するあたりを読んだんですね。
 遼と宋が共存状態だったときは高麗は両者に服属しつつ遼を上位に置いていて両国の使者を微妙な差をつけて扱うという面白いところがあったんですが、遼が滅びそうな段になると遼との交渉を絶って急に文章上の扱いが悪くなります。ところがそれまで高麗に「朝貢」してくる存在だった女真が一気に勃興、阿骨打ははじめ高麗と同等ぐらいの対応をしてきて協力を求めたりしてきますが、金が完全に遼を飲み込むと、いきなり「なんじ弟高麗国王」なんて弟呼ばわりした国書を送ってきたりします。まぁとにかくこの半島の国家は昔から周囲の情勢にふりまわされて、何かと大変だなぁと思ったものです。それだけにこの国の外交史はめっぽう面白いんですけどね。
 …以上の話題はだいぶ前にも書いたことです、念のため。



#4298 
徹夜城(明日「金髪座頭市」を見る予定の管理人) 2003/09/07 22:53
子音と母音

>民本主義者さん
ご紹介のサイト、非常に興味深く読ませていただきました。けっこう、自分もこういうの好きなんだよな、と思いつつ眺めてました。
この「五十音」の話題は、今は閉鎖した「ヘンテコ歴史本掲示板」でもとりあげられたことがありました。明石散人さんの「日本史鑑定」で「いろは歌より五十音が早い!」ということをネタにして「漢字到来以前に"ひらがな"はあった。これこそが神代文字。サンスクリット語とも関連がある云々」といったトンデモ説が展開されている箇所があったからです。僕もそのことで初めて五十音の由来を調べたものです。
 以前ハングルを習ったとき、その構造がローマ字同様の「母音+子音」であることに、「日本人はそういう感覚を持たなかったんだろうか?」と疑問を持った覚えがあります。ハングルやるとわかるんですが、母音・子音ともに日本語より幅がありまして、日本語ってどんどん単純になっていっちゃったのかな、などと思ったこともあります。
 そんなこともあったから、尾鳩さんの奥様の「おはようございます、の"す"は子音」ってな話には「ほう」と目を見開かされるものがありました。

>「英雄」のこと
 ひでさんもご覧になったそうで。確かに「絵」という面ではよくまぁこんなのとるよなぁ、と感嘆しちゃうデキなのは確かですね。ムチャクチャ、という場面も多いけど(笑)。
 どっかでもツッコミ入れられてたけど、武侠小説の大御所・金庸の「観客に嘘を教えている」という「英雄」評は、「あんたが言うな」ってなもんですよね。チラッとだけどチンギスハーンガ絡んだムチャクチャな話見かけたことがあるんで、つくづく思う(笑)。「小説と映画では重みが違うのだ!」という観点なのかな、ひょっとして。



#4297 
ひで 2003/09/07 01:32
「英雄」

昨日、見てきました。
秦王(始皇帝)の髪型なんかは、兵馬俑ににてるな、とか映像はキレイだなとかそんなところです。章子怡、最初は「初恋の来た道」だったのがいつのまにかアクション女優になってますね。
ぁ、何か映画板になってしまった。

ちょっと違うネタでも。
随分前(というか1ヶ月前)になりますが、東京国立博物館にて現在開催されている「アレクサンドロス大王と東西文明の交流展」を見てきました。前半はギリシアの美術を見せて、それからアレクサンドロスがらみの物を少し見せ、そしてヘレニズム美術を見せるという構成になっていました。ヘレニズム美術を見せて、ギリシアの影響だとか、アレクサンドロスのおかげ、というところは、まぁいえるかなってかんじです。個人的にはヴェルギナ王墓の財宝を持ってきて欲しかったし、実物大のマケドニア密集歩兵などの復元でも並べて欲しかったですが(笑)。

で、問題は後半、ガンダーラ美術あたりまでは、まぁなんとか我慢しましょう。でもその後が問題です・・・・。ありゃちょっと強引です。いきなり風神雷神図があって、そのあと日本の仏教美術の作品が色々並んでいるのですが、ギリシアのヘラクレス像から矢印でインドのヘラクレス像につなげてさらに日本の執金剛につないだり、ヘルメスが大黒天と毘沙門天に分化したといった説明を付けたりといったぐあいで、ちょっと単純化しすぎの感じがしました。間にある様々な要素のことを考えなくて良いのだろうかとか色々心配になってしまいました。

まぁ、ガンダーラの仏教美術を発展させたクシャン人が図像に表すときにギリシア系の文化から色々取り入れたと言うことなんだろうけれど、日本の仏教美術とギリシア・ローマ文化の結びつきは仮にあるとしてもかなり細いものだろうとおもいます。

というわけで、個人的には後半はほとんど削っていいからマケドニア軍の復元でもしてくれと思っているのでした(笑)。あ、それじゃ東西文化の交流にならないか・・・・。




#4296 
尾鳩 2003/09/05 11:44
ヒンターランドの宿命?

>パプア

確かに、ここでパプアの話しというのも、妙と言えば妙ですね。
ななさんの友人の方がおっしゃるように、人は相変わらず本当に素朴で親切です。
少なくとも、かつてインドネシアを旅したときに体験したような、しつこすぎるほど友好的で且つ世間ずれした態度とは、ほど遠い純朴さが残ってました。
実は、偶然パプアの首相に会ったんです。本当に(笑。確か、マーカスマリーとか、そんな名前だったような。この首相、Wewakの出身らしく、たまたま地元に来ていたそうで。この人、オーストラリアを訪問したときに、何とパスポートを忘れてしまったそうです(!)。入関事務所で止められてしまい、運転免許証と新聞の写真を使い、何とか入境したとか(笑。首相からして、なんちゅう国やねん・・・と、半ばあきれはしましたが。

しかし、世界とのリンケージが確実に増え、また都市化が進むにつれて、犯罪が増えてきているのは事実みたいです。我々のよく知っているこの資本主義経済システムと言えばいいのか、「世界システム」とあっさりと言えばいいのか、とにかくこの体制は、他の歴史上存在した体制と比べて遙かに伝達力が強く、また一種の強制力を持って「伝統」や「地域」を体制に組み込む側面を持っていることは、事実ではないかと思ってます。

また、ななさんと同じで私も「秘境」巡りが好きな方なので、いろんな地域を渡り歩いてきましたが、目の当たりにしたのは、ほぼ揺らぐ伝統、地域的特色、マネー経済の浸透と貧富の差の誕生とその拡大だったような気がします。インドネシアに属するインド洋上の孤島を訪れた際、そこでは伝統的な経済社会の崩壊と麻薬カルテルの進出が進んでいましたし、チベットでは、小規模ながら確実に資本家の形勢が始まっており、宗教と資本経済の矛盾がいろんな形で吹き出しているのを見てきました。
チベットの人達が、私の使っているナイフ等の道具をゆずってくれ、その防寒着をくれないか、なんて言ってくるのを聞いて、まさに今自分がチベットの伝統的な生活スタイルの崩壊に加担しているんだよなあ、チベット侵略しているのって、中国じゃなく俺なんじゃないか、なんて思っていましたからねえ。
のちにかみさんになる女性が、「言い商品を欲しがるのは、当たり前でしょ」とあっさりと言ったときには、なるほどこれが伝播の強さの元なのかなあ、なんて妙に納得したのを覚えています。
パプアでも、いずれ巨大資本が誕生し、あるいはマクドナルドをはじめとした外国資本の進出が今以上に盛んになってくるんでしょうね。

パプアとイリアン・ジャヤの国境に関しては、いまだに両国の国境を行き来する民が存在していると聞きました。但し、子供の教育など将来性を考えた場合、いずれかの国家に属した方が得だと言うことで、国籍取得が進んでいると聞きました。
国家意識の浸透も確実に進んでいるなあ、という気がしました。「インドネシア政府は、パプアの併合を考えているようだが、地理的にも歴史的にもイリアン・ジャヤはパプアに併合されるべきだ」なんて言うパプアの方が多かったですし。
ここにも、国境紛争か。なんか、暗い気持ちになってきますが、国家の果たした正の側面を正しく評価しつつ、それが引き起こした負の側面とどのように向き合い、解決するのか、というのが我々の世代だけでなく、将来相当長い期間における課題になるように思います。口で言うのは、簡単ですけどね。



#4295 
なな 2003/09/05 01:40
あ゛

やっちまった。名前を書き忘れました。ごめんなさい。



#4294 
2003/09/05 01:39
今はもう秋〜♪

いつのまにか秋の虫が鳴いている…。

>徹夜城さん
あ、冷静なご指摘ありがとうございます。
「倭」と「倭の方角」の話って、そう言えばもうずいぶん昔に教えて下さいましたよね?
中世のことを調べるのに神話的・説話的な部分を安易に断じてはいけなかったですね。反省。

先に書いた軍人は金シン(人偏に先)という人で、文永の役では上司が(大河ドラマにも出た)金方慶(キムバンギョン)だそうです。金シン自身も「韓国歴史人名辞典」のような検索サイトでヒットするほどなので、やはり原典は一地方史ではなく高麗史のような気がします。
金シンが信任を得た元の皇帝とは、今から思えば当然フビライのことでしょうが、その韓国自治体サイトのページではまったく名前は書かれていませんでした。ところ変われば人物の重要度も変わるものですね。

>パプアニューギニア
ここでこの国のお話が聞けるとは…。
もう15年ほど前になりますが、知人が一人旅で行って来まして、ご存じの通り私は秘境大好きなものですから(笑)目を輝かせて土産話を聞きました。その時の印象では、道路も飛行機も不便だけど人心は素朴で治安はいいようでした。チンピラみたいなのはいるけど、親切な地元の人が先に注意を促してくれるのだそうで。
数年前にはネットの知人の韓国人ビジネスマンが数年間の出張で行くことになりまして。すごく懐かしく思って外務省の渡航情報など最近の情報を集めたんですね。そうしたら、首都ポートモレスビーなどでは"機関銃を持った強盗グループ"が現地の外国人宅を襲う事件が多発していると知り、びっくりというか寂しい気持ちになりました。今では日本から直行便も出てるのに。

インドネシアとパプアの国境線を見るたび痛々しい感じがするんですけど、外国人はともかく現地の人は自由に国境を往来できるんですかね〜?
あの島の東西の原住民が近代的な教育を受けて「民族」「島全体」「国家」を意識するようになったら、あの人工的な国境線をめぐって新たな抗争が起きるような気がするのですが。インドネシアやオーストラリアはイリアンジャヤやパプアの人々にあまり文明化してほしくないんじゃ…。



#4293 
民本主義者 2003/09/04 15:19
「悉曇」とか「貝葉」とか

「あいうえお」配列は、仏教と共に日本に入ってきた悉曇学(サンスクリット語の音声学)
を学んだ僧侶が日本語の音を分析して出来たものです。
http://homepage1.nifty.com/forty-sixer/50onzu.htm
この「五十音図の配列は、どのように決められたか?」というサイトでは、サンスクリット語のデーヴァナーガリー文字の配列表を掲げて、説明しています。しかし、「わずかながらいろは歌より前に成立した」とは、意外。しかし、よく考えてみると、いろは歌は室町時代に流行した「今様」の節で(だから源氏物語のマンガ版のタイトルに『あさきゆめみし』とつけるのは本当はおかしい。今様は和歌に比べれば格が低い芸術だから、下品なタイトルだと評価されるおそれもあります)、悉曇学は奈良時代から盛んでしたから、不思議でもない。五十音図は空海が作ったなんていう伝説もあります。
渡辺照宏著『日本の仏教』(岩波新書)によりますと、古代日本の仏教は、中国・朝鮮の仏教と比べて、インドの資料を直接研究したいという欲求が強かったそうです。中国なんて、一旦仏典が漢訳されていまうと、原典を軽視する傾向が強く、おまけに翻訳自体も異民族にやらせてしまうことも多かった。クマーラジーヴァ(鳩摩羅什)なんかがその役ですね。



#4292 
尾鳩 2003/09/04 12:31
浅き夢見じ 酔ひもせず

>いろは歌
同僚と「いろは」と「あいうえお」について、たまたま話していたんですが、「あいうえお表記」が辞書などで主流になってきたのが明治以降であり、漸次移行してきたとみるべきであって、政府が「正式に導入」し、その後一斉に「あいうえお」になったということはなかったのではないか、ということでした。

まあ、何故「あいうえお」の話しを同僚としていたのかと言えば、パプアにいた時、米国の宣教師の方で、日本語を少しかじられた方がいらして、「日本語は難解だけど、発音は極めて単純で、子音だけの発音というのはないのではないですか」とおっしゃったわけです。表記上は、確かにそうですよね。
そしたら、うちのかみさんが「おはようございます、と言えますか」とその米国の方に聞くわけです。その方は、早速「おはようございます」と言ったのですが、「す」に強烈にアクセントを置くわけです。そこで、かみさん「日本語では、おはようございます、の『す』は、ほとんど子音だけの発音に近いですよ。表記上は、子音と母音の組み合わせだけですけど、日常会話では、よく子音だけというのも、たまにあるみたいですよ」と言うわけですね。
ああー、外国人ってのは、そんな風に子音と母音を聞き分ける耳持ってんだ、と妙に感心してしまいました。同僚にその話をしたら、「関西では、『おはようございますー』って、『すー』にやたら力を入れるんじゃないの」と言ってましたが。

>「英雄」
映画版で話すべき内容かもしれませんが、とりあえず。
評価が、完全に分かれているようですね。
チェン・カイコー監督「中身がない」。むむむ・・・。
金庸「観客を騙している」。あんたが言うな、ってとこですね(^^;。
私としては、チャン・イーモウ監督の作品が結構好きなので、どうしてもひいきめになってしまうんですが、単純に娯楽なんだと割り切ってます。
始皇帝を讃えすぎだ、独裁体制を擁護している、という批判もあるようですが、歴史上の人物の評価というのは、それこそ人それぞれでいいと私は思っています。始皇帝なんて言う人物は、史上悪者扱いから英雄扱いまで両極端の評価を受けている人物で、そこが魅力なんだろうなあ、とも思いますし。
独裁体制うんぬんですが、独裁体制擁護だからいかん!なんて単純に評価できないと思ってます。そのような政治的評価をあっさりとしてしまう方が、何だか嫌だなあ、自分としては。

私は、映像美としては素晴らしい、と思いましたね、単純に。
最初のドニー・イェンとリー・リンチェイのアクションは、さすがだなあと感動しましたよ。「ワンス・アポン・ア・チャイナ」で共演して以来、やはり息あってますねえ、この二人。「上海ナイト」のジャッキー・チェンとドニー・イェンのアクションと比べると段違いだなあ、なんて。

それにしても、章子怡、似たような映画に続々出てますよね。「グリーン・ディスティニー」もそうですし、あと「武士」なんて言う中国明代を舞台にした似たような映画にも出演してますね。ワイヤーと巨大セットとコンピューター・グラフィクスをフルに使い、舞台は中国大陸、俳優は武術の心得あり。マトリックスともちょっと違う「東洋的高技術大型歴史活劇」専門の女優さんと言ったところかな。



#4291 
15番 2003/09/04 01:07
「いろはにほへと」と「あいうえお」

ひら仮名についてなんですが、「いろはにほへと」が「あいうえお」の順に変わったのはいつなんでしょう?二次大戦の時アジアの植民地で日本語を教えるため漢字簡略化などが行われたというのは聞いたことがあるのですが、あいうえおに変わったのもこのときだったのか確認が取れなくて・・・
あいうえおの順の五十音表は13世紀の物が最古らしく、調べてますます分からなくなってしまいました。
どなたかおしえて頂けませんか?



#4290 
徹夜城(ネタは分けて投稿している管理人) 2003/09/04 00:03
首相列伝&新平家

本日、書店で学研の「歴史群像シリーズ」で「首相列伝」なるものが出ているのを発見、即購入しました。ちょっと前に出ていたらしいですが夏期講習のせいか気がつかなかったなぁ。
表紙は大きく吉田茂(やっぱり「総理」というとこの人なのかな…)、そのまわりを伊藤博文、田中角栄、近衛文麿(なんで?)が囲んでいます。内容は全歴代首相の評伝だけでなく新旧首相官邸や国会議事堂の詳細な紹介、SPや専用機など首相周辺の知られざるウンチクがばらまかれていてなかなかに面白いです。
前から気になってたんだけど、ダブりのある代数ではなく首相になった人の数って何人なんだろう?という疑問がこの本で氷解。伊藤博文から小泉純一郎まで全部で56人だそうで。
自民党総裁選が近づいてますが、まぁ今のところどんでん返しはなさそうな雰囲気ですなー。


そして日中に、先日BS2で放映されビデオにとっておいた1955年の大映映画「新・平家物語」(溝口健二監督・市川雷蔵主演)を鑑賞。吉川英二の小説が一応原作なんですが、2時間弱の映画で描けるわけも無く、清盛の青春日記みたいな映画になってます。クライマックスは神輿をかついで押し寄せる比叡山の僧兵たちを追い返すところですからね。
まーそれにしても映画界が力のあった時代、というのをしみじみ感じます。冒頭からクライマックスまでしばしば出てくる大群集シーン、大規模なセット、作りこまれた衣装や甲冑など小道具や美術、当時はまだ少数派だったと思われる総天然色映画ということもあってか気合がやたらに入ってます。

その一方で、先日あの「郡上一揆」がようやくDVD化されているのを発見、即購入しました。50分ほどのメイキング映像(神山監督のコメントつき!)がおまけでついてきます。僕も見に行った「ワープステーション江戸」でのロケの様子も「ああ、こういうふうに撮っていたのか!」とわかって楽しかったです。



#4289 
徹夜城(夏期講習が終わってちょっと暇ができた管理人) 2003/09/03 23:40
ためこみレス

ちょいとバタバタしておりまして、レス返すのが遅れておりました。

>ななさん
その文永の役で溺死した人の話ですが、まぁ地方レベルの記録や伝承だともう一つアテにならないところはあるでしょうけど…元ネタがどういうものなのか気になるところですね。
倭寇に親を殺された云々のくだりは確かに定番な感じもするので全面的には信用できないですけど、「倭寇」を単純に「倭」の方面から来る侵略ととる(字面どおり)と時代が少々前でも「倭寇」ってことはありえます。実際「三国史記」あたりでもしょっちゅう「倭」が攻めてきてますし。もっともソレを言い出すと「倭寇」の初出は広開土王碑文(おお、これ一発変換するんだ)にまでさかのぼってしまいます(笑)。「親のあだ討ち」だって儒教に限ったことではないからありえないとは言い切れません。後世それを儒教的に美化したということは絶対あるでしょうけどね。
 文永の役の実態については僕もよく分からないし、学界でもまだまだ定説はつかみがたいのでないでしょうか?モンゴル史の杉山正明さんなんかはモンゴルがよくやる「威力偵察」ぐらいにとらえているようですが…

>piroさん
返事が遅れてすいません。
映画「英雄」の書道教室シーンがなぜ赤…ということですけど、確かあの部分が情熱や色恋沙汰に関係しているからじゃなかったかな?あの映画は「事実」が二転三転してそれぞれのイメージカラーで統一される仕掛けになってますから、あの部分はそうなんじゃないかと。ネタばれしない程度にお返事でした。

>モーグリさん
その後の情報によると、大量のウィルスメールについては僕も関係する某大学のコンピューターが感染したため怒涛のメール攻勢になっちゃったものと判明しました。

>KOUさん
HP立ち上げおめでとうございます。
リンクの件、了解しました。こちらからもリンクさせていただこうと思います。
とりあえず倭寇・海賊関係コーナーに入れさせていただこうと思います。

>尾鳩さん
おお、お久しぶりです。そーですか、パプアニューギニアへ…。多くの日本人にとってぜんぜん実態を知らない比較的近い国の一つですね。
それでいて14万人も日本兵が死んどるんですねぇ…太平洋戦争における兵隊の死者の大半が餓死・病死であるとは聞くところなんですが、実際ひどいもんだったようで。それじゃあ玉砕もしたくなる、ってそりゃ暴言ですが、そのくらい無茶な戦争をしたもんだということでもありますね。
確認はしてないですけど、水木しげるさん、確かニューギニアだったような。ある程度転戦してるかもしれませんけど…あの人、見張りに立っているときに部隊が彼一人を残してほとんど全滅したりしてますもんね。ロープで引くいかだを組んで二人一組で川を渡った際、水木さんの後ろに乗っていた兵隊がいつの間にか消えていて、目撃していた兵隊の話だとワニに引きずり込まれていたとか…って気が付かないあたりが水木さんらしい(^^;)
ニューギニアだった…と思うんだけど、まるで理想郷のような現地人の村で水木さんいたく気に入られて(本人も気に入って)「嫁さんやるから残らないか?」と誘われたりもしたそうですね。残っていたら数々の妖怪漫画は生まれなかったわけで…



#4288 
尾鳩 2003/09/01 15:07
パプア・ニューギニア(2)

連続かきこ、すいません。

日本とパプアの関係なぞについて、もう少し。
今回訪れたパプアのWewakという場所は、第2次世界大戦でパプア戦線の日本軍が降伏した場所なんです。と言うわけで、現地の方の協力もあり、当地に2つ存在している戦争記念碑を訪れて参りました。一つは、オーストラリア軍戦死者を追悼したもの。もう一つは、日本軍戦死者を追悼したもの。ちなみにオーストラリア戦死者は、約500人。日本軍の戦死者は、西ニューギニアだけで最大14万人と言われています。そして、そのほとんどが病死か餓死。やりきれないですね。
日本軍の記念碑は、日本のカソリック教会と笹川財団によるもの。
遺品である機関銃やヘルメットが無造作に石碑の上に置かれていました。それを現地の子供達が、時々頭にかぶり、機関銃で遊んでいる。妙な光景でした。
ところで、漫画家の水木しげるさんが戦役にかり出された場所で、毎年訪れているというのは、パプアでしたっけ。お隣のソロモン諸島の方かな。管理人さん、ご存じないですか。
とにかく、家も景色も、水木先生が好んで書く楽園のイメージなんですね。妖怪ポストがその辺にあるような錯覚に陥ってしまいました。

現在のパプアにとって、日本は5本指に入る援助国のはずです。
最大の援助国は、オーストラリアだったかな。当地の新聞を見ていたら、オーストラリア首相が援助の全面打ち切りを示唆したことが一面トップで載ってました。理由は、どの程度社会・経済発展に貢献したのかわからず、用途先が不透明であるとのこと。援助国の憂いというのは、どこも同じなんでしょうね。
パプアでは、日本車がほぼ独占状態。そして、ほとんどが日本からの中古車。国分寺子供センターと書かれたバスが、そのまま使われてました。韓国系、中国系のビジネスマンの姿をちらほらと見かけました。宣教師にビジネスマン、人が住んでいる限り、地球の果てにでも出かけるというのは、やはり本当でした(笑。

日本の援助による学校も多く、JICAの専門家の評判も良く、その点では親日的なんですが、肝心な点は、日本そのものの知識が足りないという点ですね(^^;。宣教師の方に頼まれて、学校で授業を受け持ったのですが、日本の言葉は日本語であると言うことに非常に驚いてました。パプアでは、日本も結局は白い肌の人間、つまり白人なんですね。白人は、全て英語をしゃべるものだと思っていたようなのです。白か黒かという区別だけというのも、何だかなあ。ちなみに、私のオフィスの香港人女性も「パプアって、黒人の国でしょ」の一言で済ませてましたけどね(^^;。
まあ、日本も、右見て左見て、しっかり確認してから進みましょう、の社会ですけど。

さあ、仕事、仕事。長文、失礼致しました。
ところで、管理人様の旅行記の方は、今如何?




#4287 
尾鳩 2003/09/01 15:06
パプア・ニューギニア(1)

お久しぶりです。
15日から、2週間ほどパプアに行って来ました。場所はパプア北西部の街のWewak。

ちょっと、旅行記のようになってしまいますが、どうかご容赦を。
いやあ、すさまじい国ですね。人口は、500万人足らず。それに対して、言語は800以上。共通語はトップ・ピジンという英語やマレーシア語やドイツ語をミックスさせた人工の言語。
かみさんのお姉さん夫婦が宣教師として当地に住んでおり、また現地で教育者の育成に当たっているので、訪問に行ったわけです。で、この夫婦何をしているのかと言えば、トップ・ピジンで教育できる教師を育成しているわけですな。
時期的に卒業時期に当たると言うことで、卒業式に参加してきました。そこに来賓として来ていたのが、国の文部省相当の省庁で言語関連専門の政務官の方。この方が強烈な方でした。パプア人よ、パプア人たる誇りを持て、そしてこれから教師となる卒業生達よ、国は君たちの双肩に掛かっている、リーダーたる誇りを持つのだ、とこのような内容の演説をまるまる1時間(!)、トップ・ピジンと英語の両方でやってくれました。
手を振り上げて、叫ぶように演説する様に、私は孫文等、「映像の世紀」で見た歴史人物の影を重ねていたような気がします。
この人と個人的に話す機会を得たのですが、世界銀行とIMFを痛烈に批判するんですね。「奴らは、プロジェクトしかくれない。それも既に完成されたものを。パプアには大学を建設する必要はない、ブレインはこちらで君たちはそれを素直に実行すべきだ、とそればかりを繰り返す、やりきれん・・・。」新古典派開発経済学者と地域密着型開発学者の間における論争を目の当たりにした気がしました。一方で、日本のJICAや欧米のVP(ボランティア・プログラム)を非常に誉めるのですね。これらは現地人参加型であり、米の育成の仕方や漁の仕方を教えてくれる、と(ちなみにトップ・ピジンで米のことはコメオと言います)。
パプアには7000年前から人が住んでおり、独自の文化を築いていた、この地のことはパプア人が一番知っている、なんていう風にも言ってました。こう書くと、排他的な強烈なナショナリストのような感じもしますが、厳格なキリスト教徒でもあるのですね。

しかし、正直、パプアが安定した国民国家形勢を成し遂げ、順調に世界経済に参加するのは前途多難であるとしか言いようがないです。何と言っても800以上の言語に隔てられた言語統一から始めないといけない。つまり、これまで統一国家が存在したことがないわけです。要の言語統一事業を、キリスト教宣教師が担っているところが皮肉なところですね。パプアが近代国家としての様相を深化させるにつれ、人工物としての国家と歴史に基づく地域の矛盾が次々と吹き出してくるのではないでしょうか。

また、経済的にも多難な前途が待ち受けていることだと思います。
国内経済の整備に関して、「商人経済論」という経済史における社会工学に従う限り、産業革命の前提として商業資本の発達を挙げています。つまり、市場経済の進化は商業から製造業をたどることを説いているわけですが、パプアにはそのような発達した市場経済など存在していないからです。
国際経済への参加に関しても、日本が参加を果たした明治期と比べると、国による経済保護政策が非常に取りづらい状況になっていると思えます。何せ、自由貿易、低関税、市場開放から民主主義まで「普遍的価値観」のオンパレードですから。

元IMFのエコノミストである大野健一さんがおっしゃるように、経済離陸を成し遂げ、世界経済とのリンケージを無事成し遂げるには、一時的にでも強力なナショナリズムが必要なのかもしれませんが、宗教から制度まで全てを外来受容することになると極言してもいい状況にあるパプアは、今後生じて来るであろう矛盾とどのように向き合うのか。
統一パプアとしての文化的土台も少なく、商業資本も史上存在することのなかったというパプアの将来は前途多難ですが、機会があれば、是非もう一度訪れてみたいと思います。

ちなみに、パプアは、マクドナルドが進出し、撤退を余儀なくされた世界で唯一の場所なんです。我々の知っている世界とは少し違う世界を創造してくれるかもしれない、そういう希望はあるかもしれないですね(笑。




#4286 
KOU 2003/08/31 23:04
リンクはらせていただきました

徹夜城さま、こんばんは。以前、一度書き込みをさせていただきましたKOUです。今度、南九州の歴史や文化、自然を紹介するHPを作りました。まだまだ完成には程遠い内容ですが、九州の南北朝(島津氏関連)などもアップする予定です。現在は私の働いている町の文化財の紹介と、珍しい動植物の紹介をアップしています。リンクを張らせていただきましたので、報告した次第です。

http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Forest/6167/


#4285 
2003/08/31 23:04
リンクはらせていただきました

徹夜城さま、こんばんは。以前、一度書き込みをさせていただきましたKOUです。今度、南九州の歴史や文化、自然を紹介するHPを作りました。まだまだ完成には程遠い内容ですが、九州の南北朝(島津氏関連)などもアップする予定です。現在は私の働いている町の文化財の紹介と、珍しい動植物の紹介をアップしています。リンクを張らせていただきましたので、報告した次第です。

http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Forest/6167/


#4284 
モーグリ 2003/08/31 22:03
ウィルスメール

>ウィルスメール
ああ、やっぱり。そちらにもウィルスメールが殺到しているんですね。

僕がのぞいている他のホームページでもほぼ同時期に一斉にウィルスが多数メールで送信されてきた所が何ヶ所かあって、「どうしたんだろう?」と思っていたところだったんですが。やっぱりここにもウィルスが送信されてきていましたか。大変でしたね。

どうもウェブ上でここ最近一気にウィルスが発病・感染したようです。自分の加入しているプロバイダーからも「ウィルスメール急増注意」の警告メールが送信されてきました。



#4283 
piro 2003/08/30 00:08
英雄映画の事で知りたい事があります

分かる方が居ましたら、教えて下さい。
何故、書道教室の色が赤なのかどーしても知りたいのです。
宜しくお願いします(..)




#4282 
なな 2003/08/29 00:40
文永の役

韓国の地方自治体のサイトを見ています。
多くのサイトで時代別に「我が郷土の有名人」を紹介しているのですが、大田(テジョン)の南にある、ある自治体のサイトで「文永の役で九州にて暴風雨のために死んだ人」を発見…。

日本人が読むとクラクラする半生記です。↓
「生年未詳。科挙に合格して高麗朝廷に仕える。国王元宗の信任を得、元宗が元に行く時に随行した。元の朝廷でも皇帝に信任を得て、帰国の際には書を与えられた。彼が帰郷する直前、故郷は倭寇に襲撃され、母親が殺され財産を略奪された。数年後に高麗が元と力を合わせて日本征伐を決めたと聞き、復讐を誓って自ら志願した。壱岐対馬を攻め筑前に上陸したが、暴風雨にあい、神に祈って部下の助命と引き替えに海へ入水した。すると嵐は止んだ。高麗でもその忠孝をたたえて忠簡という諡号を与えた」

時代から言って最初期の倭寇はこんな内陸まで行ってないし、正史にもないでしょう。
親の敵討ちで出征というのが、儒教思想が根づいた後世の後付けに感じられます。
倭寇は後世につけ加えられた説話かもしれません。
没年は確かに文永の役ですね。この人物伝のもともとの出典も高麗史のような気がしますが(確認できず)、やっぱ暴風雨はあったのかしらん〜と思わせる話です。
韓国サイトを見ると、韓国では今も「一回目の日本遠征暴風雨壊滅説」で通ってるようです。
日本ではもう完全に「文永の役暴風雨否定説」に塗り替えられたんでしょうか?

それにしても自治体サイトの「我が町紹介」のページで、ふつーに「倭寇に親を殺され」とか「力を合わせて日本征伐」とか書いてあるんですもんね〜…。他にも任辰倭乱で抗戦した人の説話とか。これはしょうがないですね。
去年と比べて(W杯以後)、観光客や企業誘致のために日本語のページを設ける自治体が増えてるんですが、この自治体が日本語のページを作る時(日本人の目に触れることを意識した時)に韓国語ページの記述も変えるのかどうか興味があります。



#4281 
徹夜城(ウィルスメールがあっさり減ってホッとした管理人) 2003/08/28 22:42
生みなもと氏、見ました。

>ひでさん
昨日、途中からだったんですが「BSマンガ夜話」見ました。みなもと太郎氏が動いてしゃべっている様子、しっかり目撃しました(笑)。なるほど、自画像の雰囲気が確かにありますね。もそっと若くしたら一瞬宅八郎とか?(^^;)

>ビデオタイトル
まだ借りてみてないんですが(新作扱い中はあまり手を出す気になれない)、ビデオ&DVDで「クイーン・オブ・エジプト」ってのが出てました。クレオパトラかと思ったらパッケージ説明によると旧約聖書の「ソロモンとシバの女王」の話ですね。シバの女王がメインの話らしく、先ごろボンドガールもやっちゃったハル・ベリーが演じているようです。
シバってイエメンとかそこらってことになってるんじゃなかったかな…?少なくともエジプトは全然関係ないような気がしますが。まぁビデオのタイトル、特にB級扱いのものはとかくいい加減でもあります。

>ウィルスメール
火曜・水曜と凄まじかったウィルスメールの嵐、昨日の夜からパタリと消えました(それでも数通来るけど)。二日間で絶対200通以上来ましたね。あー凄かった。
パタリと消えたのは、やはり警告を見た方が対策をされたのではないかと。歴史のところよりもスポーツページに出した警告が効果があったかもしれません。アクセスはあっちの方が多いですし。



#4280 
ひで 2003/08/27 23:12
BlasterもSobigも

無関係な私は一体・・・。

いくつか下の投稿にあるトウの字、ちゃんと読めてます。
でもかけないんですよね、これが・・・。
なんでだろう?

「BS漫画夜話」にゲストでみなもと太郎がでてますね。

>福岡アジア美術館
近現代のアジア芸術を中心にしたところのようですね。
しかし、それだけじゃお客さんが来ないのでしょう・・・。
何か客寄せをしよう、ということでろくに検証もせずにそういう展覧会を開催してしまったのではないかと思われます。専門にしている物と全く違うジャンルの物だけにチェックも何もまともに行われていないのでしょう・・・。
ちなみに、現在東京都美術館で開催されている「トルコ三大文明展」もここで開催予定になっています。




#4279 
徹夜城(やっと一休みがとれた管理人) 2003/08/27 13:20
ウィルスメール多発につき

windows新ウィルスの「sobig」が猛威を振るっております。
ご注意ください、も何も現時点で凄まじい勢いでウィルスメールが飛び交っておりますので、各自ご自分のPCのウィルスチェック、およびwindowsのアップデートをなさってください。
とにかく昨日から凄まじい量のウィルスメールが僕のところに来てまして…ちゃんと数えてはいませんが一日100通は軽くいっていると思われます。HPなんぞやっているとウィルスメールは日常茶飯なんですが、これだけの量はさすがに初めてです。
 僕自身さすがに感染を疑ってあれこれ三重に調査したんですけど、とりあえず僕のPCは感染してないとの結果でした。やや疑っているのが学校関係でして…大学はもちろん、どうも僕のHPは学校から見ているというケースが一定数あるらしく(実際さる教育サイトなどで紹介されてもいるので)先入観からいうと一部の学校のウィルス対策は甘いのではないかと気にしてるんですが。


>ハンコック様監修展覧会
凄いですねぇ(^^;)
まぁ僕自身も覚えがあるんですが。以前高校時代の友達と再会した際に「史学科に入ったんだ」と言ったら「最近『神々の指紋』読んだよ!」と言われてしまって言葉に詰まった経験があります。世間的には「歴史研究」なんてのは結構そんなもんだと思われているようでして。
 その福岡の美術館ですけど、企画者がまずハマってるんでしょうなぁ。吉村教授はよくわかんないうちに講演など引き受けちゃったんじゃないのかな。まぁそれと吉村教授はタレントという一面もあるわけで、そうそう学術的に突っぱねたりせず折り合いをつけているところがあるかもしれません。

>鵺さん
僕は総武線については完全に常習者でございます。
ただ仕事先が曜日ごとに違うんで乗るルートも日ごとに違います。両国付近を通るのは月曜の夕方ごろだけですね。
交通博物館は小さいころからヒマがあれば行っていたなぁ(笑)。最近はさすがに行ってないですけど(たぶん3年ぐらい)、0号新幹線とデゴイチが置かれている目の前はしょっちゅう歩いて通っています。
あそこは交通関係ってよりも模型マニアが行って楽しいところだという気もします(笑)



#4278 
原田 実 2003/08/25 23:40
これはたしかに・・・

民本主義者さま、今見てきました。
すべての項目が誤っているか、偏っているというのはすごいですね。
目元にモンゴロイド特有のひだがあって、メキシコ原住民の顔であることは
まちがいないとされるオルメカの石頭像に、いまどき黒人の像とみなす解説を
掲げているのにはあきれました。唇が厚くて目が大きいから黒人と決め付ける、
それが人種的偏見にすぎないことを理解できない人が公の場にいるのですね。
ペルーの葦舟が外洋船には不向きな構造であることや、モアイの配置と天体との関係は
証明されていないことくらい、ハンコックの本以外で少し調べればわかるのですが・・・
すぐには間に合わないにしても本当に何か行動を起こすべきかも知れません。


http://www8.ocn.ne.jp/~douji/


#4277 
民本主義者 2003/08/25 16:57
こりゃあ、アカンわ

秦太さま。「謎の古代文明展」で実物の古代遺物の展示が一つも無いというのに笑いました。
「語るに落ちる」という奴ですな。
しかし、福岡アジア美術館のサイトを見ていて笑えなくなりました。
http://faam.city.fukuoka.jp/faam/j/contents.htm
「謎の古代文明展」で展示されている「メキシコ マヤ・カレンダー(レプリカ)」の説明には
「マヤ文明が使用していた暦。マヤ・カレンダーではこの世の終わりは2012年と予言している。」とあり、「ホピ族 カチーナ人形」の説明には「アリゾナのホピインディアンに伝わる古代の予言では、人類は2013年12月23日に滅ぶとされている。」とある。
お〜い〜。勘弁してくれ〜。オウム事件から何にも学んでないようだな。
「ペルー共和国大使館、ボリビア大使館、エクアドル大使館、ブリティッシュ・カウンシル、福岡県、福岡県教育委員会、福岡市、福岡市教育委員会、(財)福岡市文化芸術振興財団」が後援しています。ちゃんと内容を把握しているのだろうか?
それとも博物館じゃなくて、美術館なのだから、フィクションでもかまわないと思っているのだろうか?マジで原田実様の出番かもしれませんよ、これは。



#4276 
景虎 2003/08/25 05:29
吉村さん

>秦太さん
吉村氏といえばテレビ番組の中で、与那国島海底地形を遺跡だと断言していました。
何でも、岩を切り出す時に開ける矢穴と呼ばれる穴が、海底地形から発見されているのだから、あれは遺跡なんだとか。そのあたりが関係しているのでしょうか?

しかし、ハンコック氏のような例について考えると、世の中というのは目立った者が成功するように出来ているんでしょうかねえ。ハンコック氏の本はかなり売れたと言いますし、有名人でもありますから、富も名声も手に入れちゃっている訳で、専門家には評価されなくても、一般社会での評価は決して低くはないんでしょうね。



#4275 
2003/08/24 08:14
あら。。。

管理人さんは総武線常用者なのでしょうか・・・f(^^;)
知らずに邂逅してる可能性大。

電車内で見かける展覧会関係の広告も結構目移りしちゃいますよね(笑)
企画展ではありませんが、訪ねたいと思いつつ、果たせないのが神田(最寄は秋葉原?)の交通博物館。

東京都美術館のHPを覗いてみたら、10月からは創立250年記念で「大英博物館展」をやるそうで。。。
例の略奪品の数々ですね・・・(^。^;)。
前に史点で大英博物館は経営難だなんてネタを書かれておりましたっけね。

興味はありますけど、時間とお金と、ナニより人ゴミがね。。。



#4274 
徹夜城(仕事先で試合結果をこまめにチェックしていた管理人) 2003/08/24 00:05
木内監督、有終の美

同じ県内にいて母校が長年のライバル高だった僕からすると、常総学院および木内監督っちゅうのは素直にほめにくい存在なんですが(笑)。
いやもう、手放しでほめて差し上げます(^^;)。あんたは凄いよ、と。
 今年で引退と聞いていたので「木内最後の夏はどこまでいくのか…」などと言いつつ横目で見ていたら規定路線のように茨城代表になり、あれよあれよと言ううちに甲子園全国大会優勝。「最後の夏」が最高の締めくくりになっちゃいました。野球人生でここまで幸福な引退を飾った人も珍しいんじゃなかろうか。
 茨城弁丸出しだったこのお方、今日の新聞サイトの記事見てたら自分のことを「ゴジャッペだな」と言っておりましたな。これ、茨城人以外には理解不能のニュアンスなんであります。
 同じ取手市内に住み、高校の同級生には「木内の怒鳴り声を聞いて育った」という人もいたりして、取手二高の全国優勝に熱狂し(相手は桑田と清原がいたPLですぜ)、高校時代は常総学院を「仮想敵高」として応援練習していたりと、僕の人生のちょっと横っちょに木内さんはいたりしたんですよねぇ…。ともあれ、お疲れ様でした。
 ちなみに常総学院野球部監督の後任は僕の高校の元野球部監督で、日本史担当の先生だったりします。日本史の授業だけでなく教育実習の際にもお世話になっちゃっていたりして、茨城高校野球と僕の縁(かすかなもんですが)は当分切れそうにありません(笑)。


>ひでさん
あらま、トウ小平、MACでも出るようになってるんですか。MACでもOSのバージョンで違いがあるのかな?新聞サイトの記事などではまだ使ってないようですが…
「ケ」
↑この字ですけど、読めない方おられます?

>鵺さん
江戸東京博物館は目の前を電車ではよく通り過ぎてます。一度のぞいてみようと思いつつ果たしておりません。
その展示会も面白そうですね。先日、テンノーコウゴーリョーヘイカが見学している様子がニュースで報じられてました。



#4273 
秦太 2003/08/23 23:56
総監修:グラハム・ハンコック

展覧会の話題に便乗します。
 今日、福岡アジア美術館で9月7日まで開催中の「謎の古代文明展」を見学してきました。これ、監修者が『神々の指紋』のグラハム・ハンコック氏でして、多分に恐いもの見たさで行ってみたんですが、いやはや予想以上に困ったシロモノでした。
 アメリカ大陸とエジプトが中心の古代文明展なのですが、終始ハンコック氏の主張(スフィンクス像は紀元前一万年頃に作られた、等々)が展開されていました。与那国島海底地形はもちろん、人工の遺跡とほぼ断定です。
 まあこれは予想通りと言えば予想通り。呆れたのは、古代文明の実物の展示物が全く無いということです!展示の大半はハンコック氏の解説文(内容がアレな上に訳がまずくて読みづらい)、写真(多くはハンコック氏の奥さんが撮影した遺跡の遠景)、VTR(ハンコック氏が世界各地の遺跡を訪問するドキュメンタリー)で、立体物は遺物のレプリカと遺跡のジオラマ(説明書きが無い物が多くオブジェ感覚)ばかり。唯一「本物」の遺物は、人の加工痕跡があるとされる漬物石くらいの与那国の石、1個だけ!
 ただし吉村作治教授のエジプト発掘を紹介する独立したコーナーがありまして、ここには少しだけ発掘品の展示がありました。ハンコック氏の主張をかねてから批判していた吉村氏が、どうしてこの展覧会のスーパーバイザーとして関わっているのか、不思議です。
 福岡アジア美術館はアジアの近現代美術を扱ったユニークな美術館で、私はお気に入りなんですが、こんな展覧会を開催されると見識を疑います。主催のテレビ局や新聞社、後援の大使館・自治体・教育委員会なども、きちんと内容を吟味して関与しているのでしょうか?
 土曜日で盛況の会場を見回し、この展覧会のおかしさを意識している人はどれくらいいるんだろうと考えると、ちょっと本気で恐くなりました。



#4272 
ひで 2003/08/23 18:29
おお、同士が(笑)

>モーグリ様
同じ日に同じ場にいらっしゃったとは。世の中狭いものですね(笑)。
そうですね、コーラン逆さまのあと、有田焼も左右逆にうつして、これで勘弁してもらえるでしょうか(この辺ちょっと記憶がアヤシイ・・・)というようなことを鈴木先生がいって笑いが起きる、って展開でしたね。講演会の内容自体は、講演会図録の鈴木先生のお話とほとんど同じでしたが、展覧会には持ってこられなかったものもスライドで上映されていたと言うことは違うところですね。あ、あとは詩人としてのスレイマン大帝は推敲が足りん、なんてこともいっていたかな(笑)。



#4271 
モーグリ 2003/08/22 22:52
トルコ三大文明展

>「トルコ三大文明展」講演会
その展覧会と講演会には僕も行って来ました。講演会は人気があったらしく2時公演開始、1時から整理券配布なのに12時頃から行列が出来ていました。夏なのに霧雨が降って妙に肌寒い日だったです。

>スライドでコーランを上下逆さまに映して
その後のスライドによる展示品の説明で日本の磁器のスライド写真(有田焼だった気が?)が横倒しになって投影されていましたね。その時も会場から笑いが起きました。

>ビザンツについてはあまり物がなく
ビザンティン帝国時代の宝物が少ないのは、第四次十字軍のコンスタンティノープル略奪でかなりの宝物が略奪されからだと以前聞いた事があります。



#4270 
2003/08/21 03:48
江戸東京博物館

上野ですか〜、今年の春に「ヴェルサイユ展」を見ましたね。その後にやってた「ロマノフ展」の方はココの管理人さんが見てたようで。。。

僕は両国の江戸東京博物館を見てきましたよ。建物自体は江戸情緒も明治風情も感じられない近代的な馬鹿デカいものでしたが(笑)。
企画展で「徳川将軍展」ってのをやってましたが、常設展だけ見てきました。
近世以後は残ってるものも多いらしく、ナカナカ良かったですよ、これで600円なら少々おトクです(笑)。

都市のミニチュアから一般庶民の暮らしのミニチュアから、経済、金融、出版、交通日用品等学校で習った記憶のあるものは一通りありましたね。
実物はこんなんだったのかい、関心されられました。菱垣廻船の模型なんかもありましたね。
「風雲児たち」読んでエピソードを知っておりましたので、「解体新書」やら「蘭学事始」やら「海国兵談」などの原本は少々感慨深かったです。
「海国兵談」なんて現存は5部でしたっけ?
チト文句を言えば、一揆打ちこわし、岡場所の類関係の展示はありませんでしたね、まあ子供が多かった印象もあるのですが。

面白い所だと、江戸蕎麦屋番付けとか、歴代将軍を風刺した講釈本なんかもありましたね、当然名前は変えてありました。
実際に担いで重さを実感できる千両箱なんかもありました・・・担ぎませんでしたが(笑)
外交文書なんかはチト注意を払いませんでした。。。


明治編は少々弱かったような気がしますねぇ。浅草十二階のミニチュアしか思い出せない(笑)。
ラストは昭和編。戦中戦後、風船爆弾の模型やスバル360、新三種の神器の変遷(笑)などありましたね。




#4269 
ひで 2003/08/20 23:33
とうしょうへい

一応Macユーザー暦7年ちょいのものとして、これはコメントせねば(笑)。

え〜っと、一応ブラウザでは表示されるんですよ、「とう」の字。でもワープロで文章を作るときには外字で作らないと出てこないんで非常に困ります。しかもosXに対応する外字作成ソフトがない現在は特に辛いです・・・。

以上、一Macユーザーの嘆きをお送りしました。


ってだけじゃしょうがないんで、この夏みた展覧会の紹介でも。

上野の東京都美術館では「トルコ三大文明展」、東京国立博物館では「アレクサンドロス大王と東西文明の交流展」が開催中です。どちらも2度、トルコの方は講演会も聞いてきましたが、講演会ではスライドでコーランを上下逆さまに映して笑いが起きてました・・・。トプカプの短剣やスルタンの日常使っていた品々などが展示されているほか、ヒッタイト、ビザンツ関連の展示物もあります。ただ、ビザンツについてはあまり物がなく、ヘレニズム、ローマ帝国時代の遺物もかきあつめて何とか増やしてるって感じがしましたが(笑)。



#4268 
徹夜城(夏期講習でまた一日中仕事している管理人) 2003/08/20 21:18
肝心の漢字がない

>15番さん
漢字の問題は中国史関連サイト経営者は特に悩まされるところですね。実際、「なんでこの字がないんだ!?」と言いたくなることがよくあります。
また自分のPC内であったところでいわゆる「機種依存文字」というやつでネット上では汎用性がないということもありますね。「トウ小平」の「トウ」なんかがこれで。たまにネット上で使っている人がいますが、MACなんかでは読めなかったように思います。この「トウ」の字は中国人の名前ではよく出てくるんで一番泣かされるところなんですよね。報道機関のサイトでも中国人政治家などは日本語読みのカタカナ表記が多用されてますが、こうなってくるといっそ現地音でカタカナ表記にしたほうがいいのかなーという気もしてきちゃいます。

 執筆中の倭寇小説でも人名・地名で結構「ネットでは表示できない字」が存在します。ブザマにカタカナ表記にするとかあるいは「絵」で表示しちまうかということになるんで、こういう字を持つキャラクターがしょっちゅう登場すると困ったことになるんですよね。幸いレギュラーキャラにはそういうのは今のところいないんで助かってますが。



#4267 
15番 2003/08/18 21:19


ごめんなさい。文字ばけしてます。
そういうことだったんですね。(汗)



#4266 
15番 2003/08/18 21:18


>管理人さんへ
とうとつなんですが、「朱&#32008;」という字がちゃんとPCで変換されることを発見しました。変換するとき、候補の字の中に「人名地名」・「単漢字」というのが出てきてそこを選んでエンターを押すと複雑な漢字が出てきます。他にもこの方法で変換できる字はあると思います。ぜひ試してみて下さい。



#4265 
徹夜城(それにしても今年の盆は寒いと思う管理人) 2003/08/16 23:55
また映画見てきました

本日から公開の映画張芸謀監督「HERO(英雄)」を見てきました。
中国映画ということになるんだろうけど(北京語だし)プロデューサーなど香港製作という面もあり、それでいて配給がワーナーだったりと国籍不明な感もある映画でした。
以前に公開された陳凱歌監督「始皇帝暗殺(荊軻刺秦王)」もそうだったですけど、製作体制だけでなく内容のシチュエーションまでが似ています。

 いわゆる「武侠もの」ってことになるんでしょうね。こちらも始皇帝を暗殺しようとする刺客たちのお話なんですが、「始皇帝暗殺」が一応歴史劇であったのに対し、完全なフィクション&荒唐無稽なアクションが売りです。アカデミー賞とった「グリーンディスティニー」ってのがありましたが、あれと同様ワイヤーアクションを駆使した、ほとんどSFの領域に入りそうな格闘アクション(実際「マトリックス」っぽい箇所がかなりある…というか「マトリックス」がむしろそれを取り入れたわけですけど)が展開されています。主演は今やハリウッドで売れっ子のジェット=リーであります。

 当初この映画制作の話が持ち上がったとき、「張芸謀がジェット=リー主演でワイヤーアクション時代劇を撮る!」ということで「大丈夫か?」という声もあがったもんです。日本映画でいうなら山田洋次がいきなり「魔界転生」を撮るとか言い出すようなもので(笑)。
 しかしさすがは張芸謀。ずいぶんと正攻法なワイヤーアクション時代劇に仕立ててしまっています。映画中何度も出てくる決闘シーンはワイヤーアクション、CG、スローモーションを駆使しまくってとにかくファンタジックで綺麗。「んなわきゃないだろ!」とツッコミまくっているうちに結構ハマっている自分に気がつきます(笑)。もうとにかく美しい決闘場面の数々。これだけでも見る価値はあります。
 それでいて一方で芸術映画くささもあるんですよね。分かる人にだけネタばれさせていただきますと、「羅生門」なんですよ、構造が。
 まぁそれに始皇帝が暗殺されては一大事ですので(実行した場合「柳生一族の陰謀」など東映時代劇の系譜か…)結末はある程度見えてます。そうなんじゃないかな、と思っていたのですが監督自身「9.11」以後の世界に対する意識も込めていたようです。
 ただ歴史描写としては中国でも批判が多いとの新聞記事も出ていました。ネタがかぶっている「始皇帝暗殺」の陳凱歌監督なんか「中身がない」と一刀両断にしちゃったそうで(それは言い過ぎと思うが)。また始皇帝がわりと肯定的に描かれていることにも批判の声もあるようです。歴史評価がなんだかんだと作品評価のネタになるのはこのお国の伝統かもしれませんけど。
 そもそも始皇帝がおんみずからワイヤーアクションしちゃったりすると拒否反応起こす人もいるでしょうねぇ(笑)。

 それにしても映画で一番印象に残るのはジェット=リーの抑えまくった演技ですね。なんかじっとそこに座っているだけなのになんとも言えぬ迫力を醸し出してます。
 「始皇帝暗殺」とはネタ的にかぶるだけでなく始皇帝がいる大宮殿セットがまったく同じものなんですよねぇ。同じ始皇帝の宮殿なんだからいいって言えばそのとおりなんだけど。まぁあんなにでっかいの作っちゃって一作だけじゃもったいないのは確かですね。



#4264 
15番 2003/08/15 18:40


>管理人さん
丁寧なレスありがとうございます。義満が国書を二通用意したくだりは、どこかでよんだことがあります。
>歴史教育について
私の塾では、個人指導でなおかつ毎回生徒が変わるので最近あまり歴史をあつかっていないのですが、教科書の記述に一言申したいときもありますね。ただやはり教科書のもとめる答えをかかないといけないし、どこまで裏事情というか「こんな話もあるよ」という話をしていいのか・・・
教科書の記述が外交については良くなってきた、というのは私も思いました。中学の教科書に、秀吉が東南アジア諸国に朝貢を迫ったという話が載っていてすこしびっくりしました。






#4263 
民本主義者 2003/08/15 11:53


管理人様へ。
丁寧なご回答を有難う御座いました。なるほど、一つの枠組みの中に複数のストーリーの線を入れて、どの線を選ぶかは学生の自由にすれば良いのですね。(って、そういう理解で間違ってないか?>自分)かつて良懐が話題になっていた過去ログを読みましたところ、明史日本伝の翻訳はないのか?という質問がありましたので、一応書いておきますと、私が読んだのは学習研究社の「中国の古典」シリーズの『倭国伝』という巻に収録されていた日本語訳です。
これは明史までしか収められていませんが、国書刊行会から出版された『訳註中国正史日本伝』という本には清史(稿)日本志までの日本語訳があります。
http://shopping.yahoo.co.jp/shop?d=jb&id=02761387
清の時代になりますと、日本の台湾出兵や日清戦争がありますから、王朝正史(なのか?)と言えども散文的な記述が多く、それまでの日本伝の牧歌的な味わいが薄れてしまっています。



#4262 
徹夜城(ややあって間違いにきづいて書き込んでる管理人) 2003/08/15 00:12
永楽帝ではなく…

すいません、先ほどの書き込みに一つ訂正を。

明による足利義満の「日本国王」冊封は永楽帝ではなくその前の真の第二代皇帝・建文帝によるものでした。建文帝は洪武帝の孫ですが、この冊封の最中にも叔父である後の永楽帝と「靖難の変」と呼ばれることになる内戦を戦っていました。明からの冊封使が来日している間に情勢が変わり、建文帝は自殺(?)し永楽帝が即位して建文帝時代は「なかったこと」にしちゃうんですね。
 義満は戦乱の情報だけは得ていて冊封に対する返書を建文帝に対するものと永楽帝に対するものと二通用意して渡海させるという、なかなか戦略的というか二股な作戦をとっております。
 このあたりのことは拙著「室町太平記」の最終回あたりをご覧ください(^^;)



#4261 
徹夜城(DVD2本を借りて翌日返した管理人) 2003/08/14 23:31
話が多岐にわたります

>まず歴史映像関係。
ナポレオン伝記映画「キング・オブ・キングス」の第二部のDVD借りて見終えました。まぁほんとに教科書通りになぞっていくといいますか…歴史好きとしては見ていて退屈はしなかったけど、やっぱり出来が良くない。主役の俳優さんもさることながら(晩年なんかはそれなりに熱演なんですけど)ドラマの盛り上げどころを勘違いしているようなシナリオと演出がいけません。
 ターニングポイントになるロシア遠征がえらくアッサリで驚いてました。モスクワ大火はロシア軍の捨て身作戦ってなことになっていましたな。アレクサンドル1世も何度か出てくるわりに肝心のロシア遠征でまったく登場しないのも謎です。
 エルバ島に島流しになってから復活する「百日天下」のあたりは全編中もっとも面白かったような(笑)。本土に上陸・進軍するナポレオンを迎え撃ちにいったネイ軍がナポレオンの勢いに圧倒されて味方についちゃうシーンなんかはやっぱり面白い。以前「ワーテルロー」って映画でも同じシーンがありましたが。
 セントヘレナの最期はなんだか毒殺?とも思える描かれ方になってました。そこに少年時代の回想が入ったりするのもよく分からない演出でしたが…
 全体としては金もかかったおおがかりな大作なんだけど(背景などはCG処理が多かったですが)印象はどうも安っぽいという作品。久々に完全に作ったナポレオンものなんですけどねぇ。

>カラー映像昭和史
 本日さきほどNHKでやっていたものをしっかり見てました。太平洋戦争中のカラー映像(米軍側の記録)はこれまでにもいろんなところで目にしたものですが、日本の昭和ヒトケタ、十年代の日常を映したカラー映像はかなり新鮮なものがありました。
 当時日本ではなかなか入手できない高価なものだったカラーフィルムですが、手塚治虫のお父上が入手したことがあるそうなんですね。大変貴重なものだったので何を撮ろうかと考えてなかなか使用せずにいたところ、南京だか武漢かの陥落の際の祝賀提灯行列が行われ「これこそカラーの価値がある!」とついにカラー撮影に挑んだんですね。で、その結果はといいますと、夜の撮影でございますから露光(でいいのかな)が足らず、上映してみたら暗闇の中をヒトダマのようなものが並んで浮かんでいるだけだっとか(笑)。お父上は「高い浪費をした」と激怒していたそうです。

>15番さん
 明が懐良親王を「日本国王」と認定した件については「まるっきりの誤解」という見方と結構日本事情を分かっていてやったもの(倭寇対策には最適の相手と思った)という見方とがありまして、完全には決着はつけられないところです。最近は割と分かっててやったんじゃないかという意見が強いかもしれません。
 「洪武実録」見ると「良懐」と対立している「持明」(持明院統=北朝)という存在があることは明もある段階では知っていたようですし、さらには「征夷将軍・源義満」なるものから使者も来たりしまして、次第に事情を理解していったのは事実のようです。ただ、ここらが中国的お役所仕事といいますか(笑)、いっぺん「良懐」を「日本国王」と認めちゃうと撤回するのは容易じゃないんですね。だから島津氏とか北朝が「良懐」名義で使者を送って来ちゃうわけで。
 なお、永楽帝の時に「日本国王」と正式に冊封されるのは北朝ではなく足利義満その人です。その後も基本的に明や朝鮮にとっては日本国王とは室町将軍を指すことになっています。戦国時代に入ると大内家を日本国王扱いしたりしてますけどね。

 戦後に現れた南朝の子孫というのは、「熊沢天皇」という人ですね。この人が一番有名なのは一時GHQが関心を持って同行者をつけたりしたからですが、他にも雨後の竹の子のように「自称天皇」が出現していたのだそうです。この辺の話は昭和史研究家の保坂正康さんの著書「天皇が十九人いた」に詳しいです。


>民本主義者さん
 いやぁ、結局のところ今でも日本史(僕がやってるのは中学生の歴史なのですが実質的に日本史ですね)ってのは「国民史」的なところが多いと思います。ただ、一本筋の通ったストーリーは作られていないというところでしょうね。それを一本の物語にして自らの考える「日本」に都合の良い展開だけピックアップしていくと怪著「国民の歴史」みたいになるわけで(だからこの本は日本の栄光の歴史を語りながら戦後日本については急転直下絶望的な記述になる)。中国や韓国の歴史教科書も実は姿勢的には「つくる会」とソックリなところがあったりするんですが、この手の自国史観は結局聞こえの良いことしか教えなくなるおそれがあるんで僕などはかなりイヤなんです。「自慢」すべきところは大いに自慢していいんですけど(僕だって結構授業では日本お国自慢的な雑談は結構やってますね)、ともすれば事実のほうをひん曲げる傾向もありますし…。
 それとは別に「唯物史観的発展段階論」によるストーリーの組立もあったわけですけど、これも今やほとんど崩壊状態で(といいつつ教科書にも部分部分には残ってますね)。

 さてと僕の専攻と仕事現場のかねあいですが、実のところ「まるっきり無関係」になっちゃっているのが実態です。これは一つには塾産業、受験産業であるからしてテスト対策的なことしかやらないということも原因なのですが…
 例えば一番直結するものとして足利義満の勘合貿易の問題があります。「勘合」は何に使うものなのか、という定番の質問があるのですが、答えは「正式な貿易船と倭寇を区別するため」という風に倭寇対策に焦点をあてるのが正解なんですね。でも僕自身は内心「違うんだよな」と思っていたりするわけで。でも受験対策としては言えませんので、「実際のところ倭寇ってのはねぇ…」と軽く民族雑居状態を説明してフォローするのみにとどめてます。深入りすると大変ですし(笑)。
 実のところ「勘合貿易」の件で歴史教育で決定的に欠けているのはこれが「朝貢貿易」であることの指摘でしょうね。倭寇をからめているのは僕に言わせると戦前以来のごまかしでしかないんじゃないかと。この他にも少なくとも中学の歴史授業の分野では特に外交関係でまだまだだなぁと思うところが専攻的はいろいろとあるんです。
 ですが、これまたここ数年で教科書記述もだいぶ変化してきたなとも思ってます。江戸時代史で琉球王国、朝鮮通信使、アイヌとの戦争・交渉などオランダ以外の「外交」面もだいぶ記述が多くなりテストや参考書でも定番化してきました。まぁやっぱり学界動向が教科書に反映されるには十年以上はかかるのかなぁとも思ったりしますね。
 と、いろいろとこの件では思うところが多すぎまして、まとまらなくなってきましたんで、ひとまずこんなところで止めておきます。



#4260 
みーむ 2003/08/14 18:33
最後の石油危機

管理人様、原田実様、タミル語起源説に付いて御教示ありがとうございました。ところで以前私が言っていた石油の話ですが、これですね。書いた人はナイジェリアの油田を開発した人らしいです。直接歴史の話ではありませんが、現代史と石油は関係が深いと思うので、書いておこうと思います。いわば、未来の歴史です。

(和文による要約)
http://www.nikkei.co.jp/pub/science/page/honsi/9806/wadai-oil.html#1

(英文による本文)
http://dieoff.org/page140.htm

2004年が石油生産のピークであると予測していますが、イラク戦争と案外関係あったりするのかなあ。この論文は今後再び中東への依存が強まるとも予測しています。再びOPECの力が強くならないうちに先手を打ったとか。

安井氏のページを見る限り、別に否定された訳でもないようです。受け入れられた訳でもないようですが。

http://plaza13.mbn.or.jp/~yasui_it/

安井氏のページにはロンボルグの本の詳しい書評もあります。



#4259 
民本主義者 2003/08/14 16:07
実証史学VS国民史

今回の管理人様のご回答を読んでつくづく思い知らされたことは、近現代の日本人の多くは、過去の歴史を解釈する際に、ついつい「日本人」という主体が構築されていく過程として歴史をみてしまうものなのだなあ、ということです。明史日本伝にある良懐の国書は「日本人」としての私にとって実に痛快な文章で、なぜ高校の世界史の教師はこういう面白い物を教えてくれなかったのかと不満に思ったものでしたが、なるほど、実証主義的歴史学の観点から見て、真実性が相当程度低いのですね。明史の下敷きになっている文書を用いてテクスト・クリティークを行われるあたりがいかにも実証史学ですね。管理人様は「日本人」とそれ以外のその他もろもろとの境界に位置する倭寇を専門になさっておられるだけに、歴史を「日本人」成立の物語として捉える見方に対して敏感でいらっしゃるのではないかと推察いたします。
しかしねえ、すべての高校生が歴史学者になるわけではありませんし、日本史という授業をある程度までは「日本人」成立の物語としての一貫したストーリーを伴わせて行うことは不可避ではないでしょうか?倭寇を研究しつつ、受験生に日本史を教えておられる管理人様の見解をお聞きしたく思います。この話は例の『国民の歴史』や『新しい歴史教科書』とも関連していますね。



#4258 
15番 2003/08/14 00:03


>民本主義者さん
トルコと日本の起源の話は私もロマンとして捉えています。
学術的には無茶な話でも、そういった話を考え出す人間の心理がおもしろいと思ったのです。

日本国王良懐についてですが管理人さんの話と同じことを大学の授業で聞きました。
洪武帝は南朝の懐良親王を日本の国王と思っていて、義満は北朝の正当性をアピールするために明に使者を送り、永楽帝のころに北朝が日本の正式な政府と認められた、と。

南朝といえば、昭和の時代に南朝の天皇を名乗って昭和天皇に譲位を迫った人物がいたらしいですね。




#4257 
徹夜城(007の最新作をレンタルDVDで見ていた管理人) 2003/08/13 20:44
ダジャレ言語学と懐良親王と

>原田さん
そーですか、大野先生、「カレーがかれー」と…はぁ(^^;)。
その気になれば何語とだってこじつけはできるってな話がありますよね。かの金田一春彦氏がそれを立証するために「万葉集は英語でも読める」という冗談証明をやってみせたことがあるとか「と学会」の本のどなたかの文章で読んだ覚えが。
もう十数年前になると思うんですが、「日本語は英語である」と主張する人物が参院選に立候補して、その政見放送をたまたま目撃したことがあります。あの「Name」と「名前」とかね(笑)。「そうです!その"so"が同じなのです!」と力説していたのをよーく覚えてます。この時の参院選は他にも日本UFO党(政見放送で「SDI計画はUFO対策!」と吠えていた)も出ていて妙に賑やかだったのを覚えています。


>民本主義者さん
懐良親王と明の話題は昨年にもしていたなーと思って過去ログ確認してみたら、3220番台あたりでやってますんで、ご参照ください。
その時中根東竜さんが、良懐の文章にある「天下の天下にして一人の天下にあらず」うんぬんのくだりは古典「六韜」などからの変形引用であることを指摘されてました。
また実際にこうした手紙が書かれたのかどうか自体、僕は結構疑ってます。一つにはこの文書は「明史」日本伝にこそ書かれてますが、原本となるはずの「洪武実録」の同年記事にそのことが一切触れられてないんです。この「明史・日本伝」の良懐の文とほぼ同じ(一部文言が異なる)ものが他の史料では一つだけあるらしいので、まったくの「明史」の創作ではないとは思いますが…。そもそもこの「良懐」の使者が懐良親王からのものであったかどうかかなり疑わしいので、この問題の手紙について言及されている学者さんもあまりおられないように思います。

 ご紹介のサイトに出ていた、内藤湖南の講演(大正11年)、流し読みですがなかなか面白く読みました。確かに北畠親房のことにしても「神国日本」という意識の確立と中国から文化意識的に自立してきている、ということはあるかもしれません。ただやっぱりその捉え方は大正の当時のノリだなぁ…と思うところはあります。
 湖南の講演の中で洪武帝が「不征国」15カ国の筆頭に日本を挙げている、と湖南が自慢げに言って聴衆が大いに沸いている箇所がありましたが、「不征国」ってのは別に軍事的に強い国だから攻めないでおこうという発想ではないはずなんですけどねぇ(よっぽど強いモンゴルなんかは入ってませんもんね)。国を疲弊させるからそこへ軍隊を出すのは止めようというものでして、調べてみたら筆頭には「朝鮮国」が挙がっていたんですが(もっとも僕が見た奴はあくまで地域順に挙げている可能性もある)。以下、日本、大琉球(現沖縄)、小琉球(現台湾)、そしてジャワ、チャンパ、カンボジア、ボルネオなど東南アジア諸国が続いています。
 要するに海の向こうへ兵を出すのはやめよう、ってことみたいなんですけどね。恐らく私貿易を一切禁止した「海禁政策」との関わりで指定されたものだと思われます。大湖南センセイも半ば分かってて聴衆受けを狙って言ったのか、それとも本気でそう思っていたのか…。



#4256 
民本主義者 2003/08/13 15:56
明史日本伝+タミール語

管理人さまへ。
ご回答有難う御座います。
「日本国王良懐」名義で行われた対明朝貢とその顛末についてはこんなサイトがあります。
http://www002.upp.so-net.ne.jp/shikado/muromachi/ryokai.htm
「日本国王良懐」と足利義満
このサイトのラストに「実は『明史』にはもう一つ別に、1381年に使者がやってきて倭寇禁圧をしないことを非難する洪武帝に堂々と抗議するものがあるのですが、それについてはまたの機会に…。」とあります。この抗議の国書の原文と大意は、インターネット電子図書館「青空文庫」に収められた内藤湖南の講演「日本文化の独立」で読むことができます。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000284/card3036.html
こちらです。底本は『内藤湖南全集 第九巻』(筑摩書房)だそうです。

作家の丸谷才一氏も大野晋氏の「タミール語、日本語起源説」のファンのようです。
タミール語にはAVAREN(綴りに自信なし)という単語があり、これが日本語の「あわれむ」とよく似た意味である(と大野晋氏から聞いた)。日本語にとってこんなに基本的な単語が共通するのだから、タミール語起源説を真剣に考慮しなければならない、とエッセイに書いてました。
丸谷先生、それって「循環論法」って言いませんか?



#4255 
原田 実 2003/08/13 14:05
カレーはかれー

大野先生はその昔(1980年ごろ)、『週刊朝日』誌上で、日本語「辛い」の語源はタミル語「カリ」(つまりカレー)であると主張したことがあります。もっとも、「カリ」という語は本来、スープ状の料理もしくはその具(どちらが原意かについてはタミル語学者の間でも決着がつかないようですが)を意味するもので、形容詞「辛い」の意味はなく、大野先生もその後はあまり積極的にこの説を持ち出すことはなかったようです。
 誰でも子供の頃に口走ったことがあるような下手なダジャレを、大野先生が語源説として堂々と説いていたのには呆れたのを覚えています。
ただ、日本語・国語学では語源研究というのは労多くして成果が上がらぬものと敬遠される傾向はあって、大野先生がそこに果敢に切り込んだ勇気は評価されてしかるべきでしょうね。

http://www8.ocn.ne.jp/~douji/


#4254 
徹夜城(久しぶりに映画を立ち見した管理人) 2003/08/12 23:28
タミル語説

>みーむさん
日本語=タミル語由来説は国語学者の大野晋さんの看板とも言える説ですよね。
日本語本もベストセラーになり支持者の多い大野氏ですけど、実のところそのタミル語起源説については疑問符を投げかけている人が多いのが実態だと思います。僕自身はタミル語説そのものに首を突っ込んだことがないもんで何ともいえないんですが、さる方の批判文(あくまでついでに触れるという感じでしたが)を読んだことはあります。それから得た印象ですと、大野氏は「タミル語説」に確信をどんどん深めるうちに辻褄あわせというか「単なる語呂合わせ」をしているんじゃなかろうか、というものでしたね。
大野氏自身がなかなか面白い人らしく、ファンが結構おりまして「だからタミル語説も支持する」と言っている人も相当数はいるようです(例:井上ひさし氏)。だけど言語学の世界ではどうなんでしょうかねぇ。なんだか騎馬民族説のケースとよく似ている節を以前から感じてます。騎馬民族説の方も江上さん自身が相当に面白い魅力的な人であったようで、「だから支持する」という人も専門外では結構おりました(例:司馬遼太郎)。

>今日映画館で
映画館に行く楽しみの半分は予告編を見ること、という僕ですが(笑)。
「陰陽師2」の予告編やってました。敵役は前作の真田広之さんに続いて中井貴一さんですか。なんだか大河ドラマ主役リレーみたいな(笑)。
やはり予告編でやってましたが、「エリザベス」を撮ったシェカール=カプール監督の新作はどうやら19世紀のスーダン戦争ものなんですかねぇ?インド人監督がイギリス帝国主義時代のものをどう描くのか、その面では興味あり。



#4253 
みーむ 2003/08/12 19:22
あぅ

>徹夜城様

ちゃんと史点で触れられていたんですね、アルタイ語族の話。どうも失礼致しました。

ところでタミル語起源説はどのくらい真面目に受け取られているんでしょうか。



#4252 
徹夜城(休みになると冷房がなくって暑さに参る管理人) 2003/08/10 22:09
定説なんです

…というフレーズもそろそろネタにされずに使えるようになってきましたかね(^^;)。

>民本主義者さん
「日本国王良懐=懐良親王」は定説なのか?とのご質問ですが、「ほぼ定説」という扱いになっているかと思います。ただしある程度の保留つきです。
 まず建国間もない明が倭寇問題の解決も兼ねて日本に使者を送り、その相手が「良懐」である、その時の日本の九州の支配者=倭寇に一定の影響力を持つ人間が「懐良親王」だった、ということからすると両者は同一人だったと思わざるを得ないんですね。少なくとも字が逆とはいえ偶然の一致ということはないでしょう。
 ただなぜ逆なのか?は未解決の問題であるのは事実。漢文世界ではよくある書写ミス(これは「史記」あたりからも見出される)という可能性もあるんですが、その後もたびたび交渉が続くにも関わらず一貫して「良懐」と書かれているので単純ミスとはちょっと考えにくいんですね。一つの解釈として明に朝貢するのはいいけど、南朝の皇子である彼が外国に臣従したとなると体面上問題があるというので懐良自身がわざと字を逆にして名乗った、という考えもあります。
 その後日本国王に封じられた「良懐」と明の交渉が何度か記録されているわけなんですけど、そのかなりの部分がホントに懐良親王の使者だったのか怪しいんですね。今川了俊の登場で大宰府を失い肥後に逼迫していたころに何度か「良懐」の使者が来ていたりしますし。このころ島津氏も独自に明に使者を送って追い返されておりまして、これが「良懐」の使者を騙って来ていた可能性が大です。おまけに北朝(明側では「持明」と表現されていたりする)までが「日本国王・良懐」名義で使者を送っている事実があるようでして(義満が無関係とは思えないところなんですが)、明側の資料に出てくる「良懐」ははなはだ心もとないものでもあります。
 また洪武帝の時代にいわゆる「胡惟庸の獄」「林賢事件」といった謀反疑獄事件があって多くの粛清が行われてるんですが、これらには「日本と共謀した」という疑惑がとってつけたように加えられています。これらの粛清は洪武帝が皇帝権力強化のために計画的に起こした「でっち上げ」事件というのがほぼ定説(笑)でありまして、これに懐良が絡んでいたというのも到底考えられないところでもあります。当時の日本が「倭寇」の震源地であり今で例えるなら北朝鮮みたいなダークイメージでとらえられていたためにこうした事件に名前が利用されたんだろうな、と思ってます。

 「明史・日本伝」は僕なんかには魏志倭人伝級に面白い資料なんですが、残念ながらその記述自体はあまりアテになりません。もともと「明史」じたいが「実録」を編修して大急ぎで作ったものですので資料的評価はかなり低いのが実態です。元になる「実録」がすべて読めるだけにそれがよく分かります。さらにその「実録」すらも実際に倭寇の被害にあった地方編纂の記録にはまるで遠く及んでません。
 前にも書いたことなんですが、明代・清代など正史以外の資料がやたらにある時代をやっていると、それ以前の中国史の「正史」って結構いい加減なこと書いてるんじゃなかろうかと背筋が寒くなることがありますね。
 「明史・日本伝」で面白いのはやはり秀吉が日本の支配者となる過程の記述ですね。でたらめのようでいて何となく正確、という妙なものでして。

>みーむさん
僕が「最近聞かなくなった」と書いたのは「アルタイ語族」のことではなく、「ウラル」と「アルタイ」を結びつける論のことです。もちろんそれだって全否定はされてないのでしょうけど。
 僕が学んだ大学の先生にハンガリー史の方がおりまして、ハンガリー行くと「同じウラル=アルタイだ!」となんやかんやで仲良くしてくれるんだと話してました。ご本人は内心「学術的にはそうでもないんだがなぁ」と思いつつ気を悪くしてはいけないと黙ってるんだそうで(笑)。
 ハンガリー人ってもともと東方から来た遊牧民マジャール人が先祖だということで周辺の国々・民族からやや「よそ者」扱いされているところがあるみたいなんですね。そういう日ごろの鬱屈が日本人らに対して出ちゃうこともあるみたいで。
 ヨーロッパになりたいけどアジアでもあるトルコの人たちにもどこか共通する気分があるような気がします。



#4251 
みーむ 2003/08/10 21:07
アルタイ語族

>近ごろじゃとんと相手にされなくなった観のあるウラル=アルタイ語族のことでは、
>ハンガリー人がなんだかんだと日本と先祖が一緒だ、みたいなことを言い出すことも
>あったようです。

この話、けっこう難しいみたいですよ。sci.langあたりで定期的にケンカになります。言語学の専門家ではありませんが、私の理解では、アルタイ語族という組分けにも、日本語をアルタイ語族に帰属させるという考えにも、一定の支持は今でもあります。聞かないような気がするのは、支持しているのが主に旧ソ連系の研究者だからでしょう。

ちょっと古いですけど以下を御覧下さい。(あと sci.lang FAQ とか)

http://linguistlist.org/issues/5/5-908.html

注意しなくてはいけないのは騎馬遊牧民というのは生活形態であって、言語集団とは関係ないということです。スキタイは印欧系ですし。



#4250 
民本主義者 2003/08/10 19:37
ショボーンと訂正

15番様へ
そのトルコと日本の起源に関するハナシは『ケマル・パシャ伝』ではなく、大島直政氏のほかのエッセイにあったような気がしてきました。記憶曖昧すみません。



#4249 
民本主義者 2003/08/10 18:28
トルコ、共産主義、日本国王

15番さんへ
>「中央アジアにいた騎馬民族が東西分裂を起こし、西に行ったほうがトルコに住み着き、東に>いったほうは日本に住み着いた。」
これは「だからトルコの国旗は月で、日本の国旗は太陽なのだ」と続く話で、『ケマル・パシャ伝』( 大島直政著 新潮選書)に出てきます。 ま、ロマンを味わうための話で、実証的に検証するのは野暮というものかと。

>「共産主義は万民平等を目指していて、平等を達成するための規制がある程度必要。その規制>ばかり強めて失敗したのが、ソ連と中国だ」
これはオーストリア出身の経済学者、後哲学者のフリードリッヒ・フォン・ハイエクの『隷従への道』(東京創元社)と同じ見解ですね。この発言の「平等」を「経済的平等」と限定的表現に改めると、より明快な見解になると思います。

管理人さまへ
学習研究社「中国の古典」シリーズの『倭国伝』の巻に収録された「明史日本伝」に「日本国王良懐」という人物が出てきて、訳注によるとこれが懐良親王のことなんだそうですが、これは日本史学的には定説になっているんでしょうか?「日本国王」を名乗るためにわざわざ名前の漢字をひッくり返す必然性が理解できず、私はいまだに半信半疑なのです。
この「明史日本伝」は「日本国王良懐」が明に朝貢を決意するに至った劇的な事件、良懐が明の皇帝に送った劇越な国書など、まこと「史劇的」であります。



#4248 
KOU 2003/08/10 00:02
こんばんは

2日続けて書き込みさせていただきます。
鹿児島では、戦国時代と島津斉彬・明治維新の研究者はたくさんいますけど、中世は割りと少ないです。南北朝をやってるのは20代では10人足らずですね。卒論で選ぶのは3年に1人くらいです。鹿児島の人たちは島津氏はず〜っと強かったと思われてて、不安定だった南北朝・室町前期にはあまり目を向けていないようです。
僕は薩摩半島のほうに住んでいるので(ちなみに知覧町の隣の川辺町というところです)、大隅の方はそれほど詳しくないのですが、高洲のことは調べておきます。大隅半島の志布志や種子島などには、北条氏との関係が深い西大寺系律宗のお寺が多かったようです。

戦国時代に、豊臣秀吉の海賊禁令を犯して、知覧から移動させられた佐多久慶っていうのが蟄居させられた佐多城(高田城)というのがうちに町にあります。ちなみにその後に知覧に入った種子島氏は、もともと肥後氏といって北条氏の被官の子孫です。

また、中世の港湾としては坊津が有名ですが、それより少し北にある加世田市と金峰町という町の境に持対躰松(もったいまつ)遺跡というのがあります。ここでは平安末期から室町前期にかけての交易遺跡で、中国製の陶磁器や愛知県の常滑焼、奄美諸島のカムィ焼などが大量に出土しています。このあたりは大宰府の直轄領で島津氏の力が及ばず、平安末期には源為朝の舅・阿多忠景(あたただかげ)、鎌倉前期には鮫島氏、後期には二階堂氏が所領としています。鮫島氏は駿河の海岸部の出身、二階堂氏は鎌倉幕府の中国交易に携わっていたので、この遺跡は大宰府へ向けた交易船の一時荷上げ場として性格付けられるようです。鮫島氏は小泉首相の先祖です。
戦国時代に朝鮮出兵で活躍した鮫島兄弟というのも、戦後に海賊から商人になり、中国との密貿易をしていたようです。

このように鹿児島はわりと倭寇に関連のある史跡や文書が残っていますので、色々と情報提供できたらと思います。



#4247 
徹夜城(夏期講習がそろそろ一息つく管理人) 2003/08/09 23:18
陽炎の旗

>KOUさん
初めまして。実際に大学・大学院で南北朝を学ばれた方に「太平記大全」を楽しんでいただけたとは嬉しい限りです。
僕自身は専攻は東洋史なんで「南北朝」はあくまで個人の趣味だったりするんですけど(笑)、倭寇なんざ専攻した遠因は南北朝趣味にあったりしますからねぇ。

それにしても北方謙三さんにお会いできていたとはうらやましい。僕はいまちょうど「陽炎の旗」を読んでいるところでしてねー。北方さんのお話はタイムリーでした。
「陽炎の旗」は今さら読んでいるわけなんですが、あの懐良親王を主役にした、北方南北朝の処女作「武王の門」の続編なんですね、これ。懐良親王の孫を主人公に、日本はおろか東南アジアまで視野に納めたスケールで展開する(あくまでバックグラウンドとしてみたいだけど)お話で、倭寇ファンとしてもいろいろと面白い世界設定です。
 まだ最初の方しか読んでないんですが、足利直冬の息子は出てくるわ、細川頼之、楠木正儀、今川了俊+仲秋、斯波義将など、僕が書いた「室町太平記」のレギュラー陣がゾロゾロ登場しておりました(^^;)。いやー、今まで手を着けてなかったのが恥ずかしい。最期の地が不明となっている晩年の楠木正儀が頼之の庇護のもと淡路島にいることになっていたり、「ほう」とうならせるものがあります。

 ぼちぼち公開が近いのですが(といってずいぶん経ちますが)、今度このサイトで倭寇小説の連載する気なんですが、第一章は大隅の高洲(高須=現鹿屋市の一部)から始まるんですよ。暇があれば現地取材したかったんですけどね。どんなところだか、もしくは何か情報がありますればおうかがいしたいところです。


>15番さん
夏期講習、僕もだいたい同じ時間帯でやってますね。一日に7、8時間も授業するともうヘロヘロでございます(^^;)。
社会主義のソ連と中国における失敗はその方の説明でだいたいあっていると思います。文化大革命についてですが、あれは「大躍進政策」に失敗して事実上の隠居に追い込まれた毛沢東とその一派(妻の江青など)が権力を奪回するために開始した政治運動だった、というあたりが一般的見解かと思われます。


>東西民族諸説
近ごろじゃとんと相手にされなくなった観のあるウラル=アルタイ語族のことでは、ハンガリー人がなんだかんだと日本と先祖が一緒だ、みたいなことを言い出すこともあったようです。戦時中には枢軸国どうしということもあったのでその手の同族論が一部の団体で熱心に説かれたりもしたようですが(ずいぶん昔の過去ログにこの辺の話があります)。
トルコのその手の話もこれと似ていて、というかこっちが「元祖」のようですね。



#4246 
みーむ 2003/08/09 21:56


>騎馬民族説について、トルコの人は「中央アジアにいた騎馬民族が東西分裂を起こし、西
>に行ったほうがトルコに住み着き、東にいったほうは日本に住み着いた。」と信じている
>らしいです。

日本語もトルコ語も同起源のアルタイ語族に属するという説はありますよね。完全に受け入れられた訳ではないらしいですが。



#4245 
15番 2003/08/09 04:16


>管理人さん
参考になりました。ありがとうございます。
夏期講習はそうとうきついですね。朝8時半から夜10時すぎまで・・・
家に帰ってから「大地の子」を見てます。中国語聞けるし。ただ文化大革命って、
結局何だったのかよくわからないんですよね。ある人いわく、「共産主義は万民平等を目指していて、平等を達成するための規制がある程度必要。その規制ばかり強めて失敗したのが、ソ連と中国だ」ということらしいんですが。???
(ちなみに毛沢東語録は図書館でみたことあるんですが。)

こんなで塾で教えていいのやら。

騎馬民族説について、トルコの人は「中央アジアにいた騎馬民族が東西分裂を起こし、西に行ったほうがトルコに住み着き、東にいったほうは日本に住み着いた。」と信じているらしいです。要するに日本人とトルコ人は兄弟だと。だからトルコ人は親日家が多い、という話をワールドカップのころに聞いた覚えがあります。メジャーな話かもしれませんが。




#4244 
KOU 2003/08/08 22:34


はじめて書き込ませていただきます。

私は、鹿児島県南部のある町で文化財の仕事をしています。大河ドラマ「太平記」がきっかけで、大学・大学院で南北朝を専攻しておりました。南九州における島津氏・畠山氏・南朝方の各地頭御家人の動向について研究しました。
太平記大全はとても面白かったです。はるか遠い記憶が呼び起こされるような感じです。真田さんの尊氏、陣内さんの道誉は本当に好きでした。

話が変わりますが、7年ほど前、北方謙三さんが鹿児島にいらっしゃった時に、懐良親王が九州の最初の拠点にした谷山城と御所跡を案内いたしました。確か当時、「悪党の裔」の文庫本を読んだばかりでしたので感想を申し上げ、色紙にサインをしていただきました。懐良が主人公の「武王の門」発表後でしたが、これが谷山に訪れた最初の取材だったようで、懐良と島津氏の拠点間の距離などは想像で書いていたようです。
ダンディな方だと思っていたのですが、Tシャツにトレーナーのズボン、無精ひげで普通のおじさんだったのでショックを受けました。

懐良が肥後へ北上する際、鹿児島湾に海賊が現れ陽動作戦を取ったことが古文書にありますね。また、俊寛が流されたことで有名な硫黄島には熊野水軍の建立した板碑が残されています。最近、鹿児島では中世の港湾跡などが見つかり、水上交通を研究する人が増えてきました。また何かよい情報が入ったらお知らせします。



#4243 
徹夜城(連日の夏期講習でへばってきている管理人) 2003/08/07 19:01
暑中お見舞い申し上げます

…などとようやく言えるような暑さになった、と思ったら下手すると台風が去ったら秋になるんじゃねぇかとの予想もあるようで。

>アール・ケイさん
「藤谷美和子・坂下門外の変」といえば、夜中にいきなり「紀宮さまは妹。会わせて」と訪問しちゃったという前代未聞の事件ですな。皇室にとっては虎ノ門事件以来の衝撃でしょうか(笑)。プッツンでは有名なこのお方ですが、ここまで来ると完全に…(^^;)。
チラッとですけど笠原和夫氏が「昭和天皇の兄弟はみんな父親が違う」などと言っていた話を思い出してました。

>民本主義者さん
おお、直接確認どうもです。僕も確認しておこうとは思ったのですが、時間が…(^^;)
へー、北朝鮮で「騎馬民族説」の映画をねぇ。やっぱり日本の天皇家が半島経由(あくまで経由にせよ)であることには北朝鮮的にも惹かれるものがあるんでしょうかね。

それにしても冒頭に微笑む金日成…(^^;)。まぁあちらの映画は題材がなんであろうと「偉大なる領袖」をからめないといけない部分があったみたいで(その伝で行くと「プルガサリ」は例外になるかな)。
以前北朝鮮の「安重根と伊藤博文(原題は「安重根、伊藤博文を撃つ」)」をビデオで鑑賞したことがあるんですが、意外にも(?)韓国で製作された安重根ものほど彼を絶賛はしないんですね。安の行為はあくまで個人テロであり、問題の解決にはなんにもなんなかったということをきっちり指摘していたりします。そして「朝鮮民族が真に解放されるにはある人物の登場を待たねばならなかった…」ってなノリで終わるわけです(笑)。


>余談。
小泉首相、甲子園で投げちゃってましたな。山なりとはいえしっかりストライクで届いておりました。もちろん歴代首相で初の甲子園始球式。
以前、東海林さだおのマンガで、高校野球地方大会で敗れたピッチャーがそれから猛勉強して東大に入り、官僚になり、政界に打って出て、ついに文部大臣となり、甲子園の始球式で投げて「こうして彼は夢を果たしたのであった…!」ってな遠大な話(といっても2頁)がありました。今後は文部科学大臣だけでなく首相もめざさなきゃならないのかしらん。

一方でカリフォルニア州知事選にターミネーター・シュワルツェネッガー氏が出馬表明。前から政界入りは噂されておりましたが、今回は出ないんじゃないかとの予想が出ていただけにちょっと意外。本人はレーガンに続く俳優大統領を目指しているとも言われますが、オーストリア出身の彼には憲法の規定で大統領候補になれる資格はないんですってね。「改正すべきだ」とコメントしているのを先日見てまして、野心じたいはあるようです。



#4242 
民本主義者 2003/08/07 16:28
金日成ネタを追加します

その話(昭和天皇から電話をもらったと江上波夫が証言したという田中克彦の記事)、岩波書店『図書』2003年7月号22−25ページにある「騎馬民族説と江上波夫の思い出」で読みました。
本当に「ちかごろよく天皇から電話がかかってくるんだよ、さびしいって。」と書かれてます。著者の田中氏の言いたいことは「老年のさびしさ」らしいのですが・・・。
この記事の末尾によると、北朝鮮で江上説にもとづいて「騎馬民族国家」をテーマにした映画が製作され、江上さんもこの映画撮影のためにしばしば北朝鮮を訪れたそうです。そして、できあがった映画の冒頭には、「咲きほこる桜の花のそばで、キム・イルソンがほほえんで登場するシーンがある。」なんでじゃ〜!?
「朝鮮科学教育映画撮影所との合作にあたった自由工房から発売されたヴィデオ・テープが今でも手に入るはずだ。」とあります。 



#4241 
アール・ケイ 2003/08/05 09:39
江上さんも藤谷美和子級だった?(笑)

管理人さま、書中お見舞い申し上げます。
例の件はメールでお返事ください(すみません、やや私事で)。

さて、『週刊文春』のその記事は読みましたが、江上さんボケてらっしゃるのかなと思いましたネ。
昭和天皇と江上氏はたぶん面識はあったでしょうし、ひょっとして一度ぐらいは電話で会話したことがあるかもしれませんが−また天皇自身騎馬民族説に少なからず興味を抱いていたように思えますが−だからといって、天皇“職”って結構忙しいらしいし、「寂しい」だなんて弱気な電話を親族でもない臣民(笑)に気軽にするとは到底思えません。
天皇(皇族)って今でも「象徴」という意味を超えて「アイドル」なんですな、
…と思ってしまったのが例の藤谷美和子・坂下門外騒動(笑)なのですが、
江上氏も「プッツンきてた」のでしょうか。

http://homepage1.nifty.com/arukei/index.htm


#4240 
徹夜城(ここんとこちょっとした昭和ブームだった管理人) 2003/08/03 11:04
騎馬民族と昭和天皇

話題を「北方遊牧民」に変えまして。

 週刊文春に連載されている高島俊男さんのエッセイ「お言葉ですが…」を読んでいたらビックリするような話に出くわしました。いえ、高島さん自身も岩波の「図書」でその話を読んでビックリした、というお話で僕自身は「孫引き」なのですが…
 故・江上波夫さん、といえば「騎馬民族説」のあの人です。大和朝廷は騎馬民族による征服王朝である、と説いて戦後ちょっとしたブームになった説でありまして「火の鳥・黎明編」もモロにこれの影響を受けているし、司馬遼太郎などファンが結構いたのでありますが、実のところ学術的にはあまり相手にされなかったというものでもあります。
 この江上さんの思い出を言語学者の田中克彦さんという方が「図書」に書いているそうなんですが、その中で思いっきりビックリする暴露話が出ているそうです。

 なんでも20年ほど前にお二人は一緒にモンゴルに行く機会があり、その草原でいっしょにしゃがんで大の用を足しながらおしゃべりをしたのだそうです(こーいうところからしてすっごくシュールな光景であります)。その最中、唐突に江上氏が、
「田中君、ちかごろよく天皇から電話がかかってくるんだよ、さびしいって。天皇はぼくよりちょっと年上だからね。江上、ちょっと話をしたいんだがと。そうすると宮内庁から車が迎えに来るんだよ。(中略)それは騎馬民族説でね、天皇家は馬に乗って朝鮮半島を通って日本にやって来た、って申し上げるんだ。すると天皇はとても興味をもって聞いてくれるんだよ」
と話したのだそうであります。
 この話に高島さんもビックリしているわけですが、聞いた田中さんも「なぜよりによってこんな時に」と驚き、「何か他の人には言っては成らないような気がした」そうでずっと黙っていたのですが、昭和天皇も江上氏も亡くなった今となって騎馬民族説の思い出として言い残しておくべきではないかと「図書」に書いたのだそうです。

 …この話、面白いんだけど面白すぎて(尾籠ながら草原の野糞と騎馬民族と天皇という取り合わせの妙が凄い…)どこまで信用していいんだか分かりません。いえ、田中さんが書かれていること自体は事実なのでしょうけど、江上さんの話がどこまで本当だったのか。高島さんも、さらには書いている田中さんも半信半疑といった風にも見えますね。田中さん自身「江上さんは天皇のことを話しながらご自身の心境を語っていたのではないか」などと書かれているようですし。
 このエッセイで高島さんは恐らく江上さんが昭和天皇に呼び出されて話したことはあったのではないか、だが電話したのと「さびしい」という話をしたのは侍従あたりではないのかという推測をされています。それならありえなくはない、と。天皇自身が「もしもし、天皇である。江上はおるか」などとやっていたとはとても信じられないというんですね。

 まぁ僕も100%は信用しないほうがいいんじゃないかと感じる話ですね。ただ、昭和天皇って2.26事件の際に都内の交番に直接電話をかけて警官に「今、どーなっておるか」とあの独特の抑揚で質問して警官を面食らわせたというエピソードがあるらしく(これとても事実かどうか確認はしてませんが、猪瀬直樹氏がそんなことを書いているのを読んだ)、案外自分で電話ぐらいかけたかもしれない、と思うところも。
 もし本当に昭和天皇が騎馬民族説に興味をもっていたとするとそれはそれでものすごく面白いことになるんですけどね。



#4239 
徹夜城(昨日は一日中授業をしていて疲労困憊の管理人) 2003/08/03 10:41
同業者でございます

>15番さん
塾の講師をなさってるんですね、僕も同業者です。夏期講習のこの時期はお互い大変ですよねぇ。
 「室町幕府」のことですが、実際まともな本でも一部で「室町幕府は義満が開いた」としているものもあったりしますので、生徒さんの「誤解」も必ずしも誤解とは言い切れないのです。まぁ単純に場所の問題なので幕府そのものはもちろん尊氏が創設しているわけですが。
 とりあえずご質問にお答えしておきますと、室町に「花の御所」が開かれる以前、幕府政庁兼将軍邸宅は京都の「三条坊門」にありました。ここは義満、さらには父・義詮の邸宅が置かれていたんですが、さらにさかのぼると尊氏の弟で実質的に幕府創設者といえる直義がここに邸宅を構えていました。尊氏自身の邸宅は京都の北、室町にやや近いところにあったみたいですが、直義がいたころから「幕府」そのものは三条坊門にあったとみていいようです。
 義満が「花の御所」に引っ越してからこの邸宅が「室町通り」に面していたため将軍を「室町殿」と呼ぶことが定着し、のちに歴史用語としての「室町幕府」が出来た、という流れになりますね。
 吉川英治の「私本太平記」には尊氏がうっかり(?)「室町幕府は…」と口走ってしまうシーンがあったような。



#4238 
15番 2003/08/03 08:26
宿題じゃないです

私バイトで塾講師やってるんです。「足利義満が室町というところに幕府をうつしたから、室町幕府っていうんだよ。」みたいな説明をしたら、生徒が室町幕府を開いたのは義満だと誤解してしまって・・・じゃあ移転前はどこだったんだろうと私自身も疑問に思いまして、塾にある参考書じゃ限界だったんでかきこんでみました。
ヒントありがとうございます。調べてみます。



#4237 
15番 2003/08/03 08:17
宿題じゃないです





#4236 
なな 2003/08/03 00:47
ヒントだけ

>15番さん
↓ご自身の投稿文中の単語をいくつか組み合わせてネット検索するだけでも、ちゃんと出てきますよ。掲示板に質問を投げかけて答えを待つより、もう一手間かけて自分で調べた方が結局は早いです。
掲示板で解答をもらうなら、それが「学校の宿題」だと分からないような書き方をしませう。(←悪知恵^^;)



#4235 
貧乏神 2003/08/02 20:09
等価原器

西遼建国の経緯のダイジェストは、「耶律楚材」の中でも滅亡した西遼からやって来た
耶律塔列という人物の口から語られてますね。当然、耶律大石の名前も出てきます。(^^)
いや、私は尾鳩さんのような北方民族マニアじゃなくて、いち陳舜臣ファンなんですが。

しかし、宋江が隠れマニ教徒だと、方臘討伐戦はどうなるんでしょうか。方臘も
マニ教徒のはずなんですが。
ファンだったら聞く前に読めよ、って言われそうですが。(^^;;




#4234 
15番 2003/08/02 19:36


下の書き込みは「そこ」じゃなくて、「どこ」でした。



#4233 
 15番 2003/08/02 17:42
はじめ

「足利尊氏が北朝を立てて北朝から征夷大将軍の位をもらって幕府を開いた。
 3代目の義満が南北朝を合体させ、京都の室町というところに通称花の御所
 という新しい御所を建てて住んだのでこの幕府は室町幕府と呼ばれるように
 なった。」と日本史の参考書にあります。では移転前、つまり尊氏が建てた
 御所はそこにあったんでしょう?
 愚問かもしれませんが、どなたか教えてください。



#4232 
15番 2003/08/02 17:30






#4231 
民本主義者 2003/07/30 13:38
イエメン人と諸王の王

みーむ様へ。
ヤマニのその台詞は、純粋に科学的に予測した後に出した結論というよりは、OPEC内部の石油減産派に対する警告、あるいは皮肉でしょう。極めて政治的な発言です。『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書)では、もっと「皮肉」らしく翻訳されていました。
「石器時代が終わったのは石が無くなったからじゃないでしょう?」みたいな文体でした。
関係ないけどヤマニはアラビア語っぽく表記すると「ヤマーニー」で「イエメン(ヤマーン)人」という意味です。日本は「ヤーバーン」で、日本人は「ヤーバーニー」。
ウダイとクサイはどういう意味になるのかな?

管理人様へ
出ましたよ!「キング・オブ・キングス」完結篇が。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00009WL3A/qid=1059538893/sr=1-1/ref=sr_1_2_1/250-8356685-9548235
「キング・オブ・キングス EPISODE 2 帝国の崩壊」ってスターウォーズのパチモンSFみたいなタイトルですね。



#4230 
徹夜城(連日夏期講習で過酷な日程を送る管理人) 2003/07/29 23:10
今ごろ気づいた…?

えーと、本日ようやく書店でみかけたのですが、ひょっとして号数からいうともっと前に出ていたのでしょうか?「別冊宝島」の「この歴史モノが最高!」。同じ別冊宝島のあとの号数の「仁義なき戦い」も本日同じ書店でみかけたもので。
すでに気づかれていた方もいたかもしれませんが、この「歴史モノが最高!」には実は当「史劇的な物見櫓」が協力サイトとして巻末に掲載されております。単にアンケートに答えただけなんですけど、文中の数カ所に私のコメントが大幅に省略して掲載されております(笑)。割と気合いを入れて書いていた映画・ドラマ関係での採用がほとんどなくて、なぜか「竜馬がゆく」とか「真田太平記」あたりで採用されているのがこっちとしては残念なんですけどね。あ、北方謙三の「武王の門」コメントは載ってましたな。
大河ドラマ「太平記」は他の方の文章が採用されておりまして、かなり悔しい(笑)。それにしてももともとマイナー指向の僕なので戦国・幕末とかで特集されちゃうと本来出る幕がないんですよね。それとそもそも歴史映像もの、ということなら明治よりあとや世界史ものが最初から排除されていたのでかなりお奨め品が限定されてしまったきらいもあります。
歴史物関係に関わってるライターの方々、ぜひ次は世界史ネタでやってくださいませ〜。んで、その際は協力させてくださいませ。

>尾鳩さん
尾鳩さんの主張、実は昨今宮崎駿が作品製作にあたってスタッフに向けて出すコメントにすっごくよく似てるんですよね。グローバルな時代にあって、おのれの「根」をちゃんと持っていない者は消えゆくしかない、とかそんなことを「千と千尋の神隠し」のパンフで書いていた覚えがあります。
僕自身はといえば民族主義・国家主義大嫌いのくせに文化的には結構頑迷な「ナショナリスト」だったりしますが(笑)。

>陳舜臣作品。
とりあえず「桃源郷」の上巻は読み終えました。続きは市立図書館に行く暇がないと読めない(汗)。
それにしても尾鳩さん、この「西遼」のネタだけで「耶律大石」の名前がすぐに出てくるとはさすがですな。僕はこの本読むまで知りませんでしたよ、こんな人(笑)。海のほうばっかり見ていたもんで、北方遊牧民関係にはかなり疎いです。
この「桃源郷」ですが、2001年出版で陳氏の作品としては最近作なんですね。まぁとにかくいろんな要素がゴッタ煮のごとく出てくる作品でして、陶淵明の誌に出てくる伝説の「桃源郷」やら、詩人として有名なオマル=ハイヤームやら暗殺教団などイスラム関係、完顔阿骨打はもちろん「水滸伝」の宋江まで出て来るというサービスぶり(笑)。そしてこれをつないでいく影の要素として「マニ教」が前面に打ち出されているのも大きな特徴です。ずいぶん前の作品ですが「秘本三国志」なんかでも中国に入ったばかりの仏教が描かれたりして、どうも宗教ネタ好きの傾向も相変わらずおありのようです。しかし宋江まで「隠れマニ教徒」にしちゃったのには驚いた。



#4229 
みーむ 2003/07/26 22:50


> サウジアラビアの元石油大臣ヤマニの言葉を御紹介いたします

ヤマニが何を言っているかは知ってます。彼がそう言う根拠が知りたいわけです。組織のトップと言うものは、技術情報に詳しいとは限りません。単純に鵜のみはできません。

前回私がふれた記事では、90年代に相次いだ楽観的な予測に付いて、さまざまな統計上の誤りがあること、産油国が公表する埋蔵量は誇張が多く信用できないこと、が指摘されています。その後楽観的な見通しが修正された形跡はないので、この悲観論は論駁されたのであろうと思いますが、どこが間違っていたのか知りたいのです。

> 石器時代は、石が枯渇する前に終わりを告げた。

石器時代は金属器が発明されて終りました。一方、化石燃料に代わるエネルギー源はいまだ存在しません。たとえ利潤が大きく上がる産業ではなくなっても、安全保障上の重要さは変わらないでしょう。この点からもヤマニの発言はよく分かりませんね。OPECが政治力をふるった時代を懐古しているだけではないかと感じてしまいます。





#4228 
尾鳩 2003/07/26 17:48
休日中の書き込みははじめて

休み中、コンピューターとなるべく向かい合わないようにしているのですが、今日はちょっとした事情により、電脳世界を訪れることになったので、ちょっと立ち寄らせていただきます。

貧乏神様

いえいえ、こちらこそ今読み返してみると、ずいぶんと気負った書き方をしているなあと(^^;。
特に「日本国民の義務」。
憲法では、納税、労働、教育の3つが定められているんでしたっけ。
誤解のある書き方でした。このような書き方をすると、まるで日本国に従順に忠誠を誓うという風に意味を取られる方もいると思います。
まあ、言いたかったのは、日本人として生まれたことに嫌悪を感じるとか、外国人から「お前は日本人らしくないよ」と言われ、得意げになっている方を見ると、嫌気というか吐き気を覚えるんですよ。そこまで、さげすむ必要ないだろうって。
国家なんて糞食らえ、って言ってる方は、国家を愛せよと言っている方とたいした違いはないんですよ、私にとっては。国を過剰に意識している点で。
ここの「国家」ってところに、「宗教」とか「軍事力」とか「平和」とか「人権」という言葉を入れても意味は通じると思います。

ただ、何にせよ、一般社会、国際社会において、信用のある人間とは、所属先や自らのアイデンティティーをはっきりさせている人だと思ってます。それ故、心持「世界市民」の意識を持つ必要性がある事柄が存在するにせよ、「世界市民」それ自体は、現代において国際社会で堂々と宣言するには、未だ確固とした実体を持っていないものであると思っています。そうである以上、国家というものが前面に出てくる問題で「世界市民」や「地球市民」という立場は、未だアイデンティティーの隠れ蓑としてしか使われないことが多いのではないでしょうか。
というわけで、「世界市民」のみをアイデンティティーの拠り所としている人間は、どうしても信用ならないんですよ。まあ、現在において、そんな人間滅多にいないとおもいますけどね。かつてヒッピー、今○○○かな。○の中には、好きな言葉を入れてください。○が三文字なのは、特に意味はないですよ、とりあえず。



#4227 
貧乏神 2003/07/25 23:35
尾鳩様

丁寧な説明、ありがとうございます。書かれていること、特に軍事力に関する見解に
ついてはおおむね同意します。
読み返してみると、ちょっと私が不躾な書き方をしてるのですが、どうかその辺は
ご容赦願います。

>軍事力なしで平和を
いや、経済、文化的に繁栄することが周囲の利益になるようならば、手を出される
ことはない気がするんですが。軍事力なしは難しいかも知れませんが。

>降伏すればいい
自由と公正と繁栄が保証されるんだったら、別に火星人の支配を受けたっていい、
とは思うんですが、その前提が難しいですからねぇ。

>架空人物
陳舜臣の架空人物というと、阿片戦争、太平天国あたりで連氏という豪商が登場
しますが、あれも完全な架空の人物なんでしょうか。時代が近いだけにモデルが存在
するんじゃないかという気もするのですが。




#4226 
尾鳩 2003/07/25 12:30
台風シーズン到来>香港

香港の台風ってのは、凄まじいです。
本気で吹っ飛ばされそうになりました(^^;。

>陳瞬臣
 確かに、かの御仁の小説では、架空人物の取り入れ方が巧みという以上に、実在の人物以上に歴史に影響を与えている傾向がありますね(笑。それも、技だと私は思います。
 また、管理人さんの言うように、世界史的な空間で、地域史劇を描いているのも特徴ですね。描き方によっては、世界的な空間の広がりを感じるよりも、世界が妙に小さく感じてしまうこともありますけど。「チンギス・ハーンの一族」では、サラディンが最初に登場してますね。まさに、光栄の「蒼き狼、白き牝鹿」マニアなら、たまらない世界ですね(笑。
 耶律大石の西遷の話を書いた小説があったなんて知らなかったなあ。遼朝滅亡後、西に逃れて建国したというこのエピソードには、北方民族マニアとしては、ものすごく想像力をかき立てられるんですよ。
 この人がササン朝の軍隊を破り、ホラズムを属国化したことと、当時モンゴル地方に多かったキリスト教徒(ネストリウス派でしょうね、ケレイトのオン・ハンがそうですね)の噂が西方に伝わった結果、伝説のプレスター・ジョンが俄に現実味を帯びて語られることになるわけですよね。実際に欧州にやってきたのは、プレスター・ジョンという救世主よりは、アッティラを彷彿とさせる「悪魔の軍隊」、あるいは「神の災い」だったわけですが。

>湖南省のラジオD.J.
前にこの掲示板で書いた湖南省のラジオに関するニュースが、Yahooで報道されてました。日本人を自称し、中国を侮辱する青年とD.J.の番組内での会話が国家間の問題にまで発展しそうになったというこのお話。
香港の新聞によれば、現在、青年は二年間の労働改造を受けているという・・・。怖いなあ・・・。まあ、公開処刑よりはましですけど。

>世界市民
世界市民を自称されることに、何の異議もないです。
世界の一体化がすすみ、一国だけでは解決できない問題が増加した現代においては、そのような視点を持つのは、大事だと思います。
但し、国家という存在を現実的に眺められる視点を持っている限りにおいては、という「」つきですが。
この言い方はちょっと雑ですが、「近代国家」は確かに歴史産物であり、ナショナリズムを発揚し、「国民」という概念を形成することにより、世界のほとんどの人間を「一方的に(この言い方にも語弊はありますが)」その中に取り込んでいったこと、結果として戦争の規模がそれ以前とは比較にならないくらい大規模な損害をもたらすものになったこと、このようなマイナスの側面を持っていることは事実でしょう。
 しかし、そのような強力な警察権と軍事力を持つ国家の存在により、世界の秩序がやはりそれ以前とは比較にならないくらい保たれているのも事実です。この両方を前提に国家を語ることができるのであれば、世界市民を自称することが害悪をもたらす結果になるとは思いません。
 日本を攻めてくる国がない、それは当然ですよね。日本の軍事力は世界有数のものですし、バックにはアメリカの強力な後ろ盾があるわけですから。私が、大学の後輩の言葉に疑問を感じたのは、「軍隊があろうがなかろうが、日本を攻めてくる国なんてない」「攻めてきたって、降伏すればいい」「軍隊の存在が戦争を呼ぶ」と軍事力の存在を単純化しているところだったんです。
 世界史的に、軍事力無しで平和を保った地域ってあるのかな。軍事力を無くすことよりも、まずは軍事力とどのように付き合うか、を考える方が、現実的で将来性もあるように思うんです。それが、世界市民として持つべき視点の一つだと考えるのですが。
まあ、私はとりあえず「世界市民」としてよりは、まずは「日本国民」としての義務を果たそうと思います。

とりあえず、朝から政治の話しは疲れます・・・。
自重、自重。



#4225 
民本主義者 2003/07/25 02:51
石油の利用可能年数について、思いっきり歴史っぽく

ロンボルグの著書や、講談社現代新書『現代アラブの社会思想』に引用されている、サウジアラビアの元石油大臣ヤマニの言葉を御紹介いたします。
「石器時代は、石が枯渇する前に終わりを告げた。石油時代も石油が枯渇する前に終わるかもしれない。」
彼は1970年代にサウジアラビアを中心とするOPEC(石油輸出国機構)に原油の値段を4倍に高騰させ、日本や欧米など石油消費国にオイルショックをもたらした張本人なんですが、結局オイルショックは産油国の利益にはなりませんでした。砂漠の真ん中でドルの札束を持っていてもしようがありませんから、産業に投資しなければならず、自国で近代産業を起こそうとすると、資本家・労働者階級が必ず政治的に台頭し、王族を中心とする自分達の政治的権力を侵蝕するからそれもできない。結局大量のオイルダラーは先進国に還流し、おまけに先進国では省エネが進み、石油の資源としての重要性を低下させてしまいました。
現在サウジアラビアは、自国の原油の採掘コストが低いので、OPECによる減産には反対の立場です。自国の国益を擁護するために、人類史全体を用いた壮大なるレトリックです。



#4224 
みーむ 2003/07/24 23:51


ロズボルグ はうろ覚えで書いたので、民本主義者さんのロンボルグが正しいのだと思います。訂正します。



#4223 
みーむ 2003/07/24 23:47
利用可能年数

隣鉱石の利用可能年数の話ですが、

この利用可能年数というのはけっこう、曲者な数字らしいです。一般には埋蔵量を年間の消費量で割った数を使っているようですが、埋蔵量が減少すれば採掘が困難になるため生産量は減少します。結局利用可能年数に来ても生産量は減るものの採掘が続いていることになります。逆に、利用可能年数に達するずっと以前から、生産量の減少や採掘コスト上昇などは始まり、社会への影響が出るかも知れません。

結局、利用可能年数というはごく大雑把な目安にすぎません。90年だとか、180年だとか議論しても意味がないと思います。問題は、実際の経済に影響が出るかどうかでして、それを考えるには、価格変動まで考えた精密なモデルを立てる必要があります。

**

というのは以前、日経サイエンスで読んだ石油に付いての記事の受け売りです。あの記事、2010年以降石油の生産量が減少すると予測していて、ちょっとセンセーショナルですが、私の理解できた範囲ではなかなか説得力がありました。ちょっと古いのでその後論駁されたかも知れません。どうなったかご存知だったら教えて頂きたいです。

関係ないですけど、こういう議論は、どうも実際の根拠よりもその時々の市場動向に左右される気がしますね。石油に関していうと、OPECが強かった時代は石油危機が叫ばれ、消費国が優位な現在では楽観論がばらまかれるといった具合です。

歴史と関係なくてすいません。> 管理人様
そう言えば、鉱物資源の減少が歴史にインパクトを与えて例というと、何かあるでしょうか。

そいからロズボルグというと、山形浩生がロズボルグの紹介でオゾンホールは最近できとらんとか書いているのを見て、浩生氏もトンデモになったかと思いました。これは浩生氏の間違いかも知れませんが、私はああいうやたらこうかん(字が出ません)な本は信用できないですね。



#4222 
貧乏神 2003/07/24 23:15
Ξ、謡

管理人さんがああいうタイトルを書かれた以上、受けて立たないわけには行きます
まい。(←なんか違う)

>民本主義者さん
どうも情報ありがとうございます。
ちなみに、ご存知かも知れませんが、私が挙げた「静粛に…」の方は単行本化されて
います。っていうか、私はそれを読んだんですが。

>秋山真之
そのころの秋山氏はかなりの厭戦家になってたみたいですから、多少は割り引いて
考えた方がいいかもしれないですね。

>工作船の展示
いろんな意見が出てますが、私は展示のニュースを見たとき、「これって、北朝鮮が
やりそうな展示だよなあ」という印象を受けました。

>尾鳩さん
実をいうと私もかなりの「世界市民」気取りの人間なんですが、それはおくとして、
現実問題として日本を攻めるだけの力を持ってる国は米国以外に存在しないだろうと
思います。
さすがに「どこの国の統治になろうと」とは思いませんが。

>「桃源郷」
最近はそんなの書いてましたか。なんか、耶律楚材の外伝みたいな感じですね。
時代は微妙にずれてますけど。
個人的には陳氏が馮道で長編を書かないものかと期待してるんですが。




#4221 
民本主義者 2003/07/24 15:01
名前を入れ忘れた・・・ので告知

#4220を書いたのは民本主義者です。



#4220 
2003/07/24 14:59
おお!生きておられたとは!皇帝万歳!

秦太さま。情報をありがとうございます。『青年ナポレオン』の続編が連載中とは知りませんでした。ロンボルグの『環境危機をあおってはいけない』も肥料による海中の富栄養化が問題であることは認めております。今、この本を読んでる最中で、オゾン・ホールに関してなんと書いているのか、楽しみにしております。すべての論点に注がついているので、疑問に思ったら、自分で調べる事ができることができます。
パリの凱旋門のレリーフには建設当時の政府がナポレオン神話を上手に利用して民衆を自分達の側に取り込もうという意図があらわれており、しかしナポレオン神話は独り立ちして民衆を駆り立てていく、という話は
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4634490609/250-8356685-9548235
『ナポレオン伝説とパリ―記憶史への挑戦 historia』杉本 淑彦 (著) 山川出版
第4章 「暴走するモニュメント」で読むことができます。
(あ!ナポレオンねたと工作船展示ネタが融合した!歴史って面白いなあ。)





#4219 
秦太 2003/07/23 23:55
英雄は死なず

民本主義者さまへ。

 ご紹介の本は未読なので、訳者の概略文を読んだ限りの感想なのですが、全体的に環境問題に楽観的過ぎるように思われます。また、オゾン層についての記述は明らかに間違いです。
 しかし本書の中心である、センセーショナルな報道や非理性的な環境保護運動は有害無益である、という主張には、その現場に多少かかわりのある私も全く賛成ですね。
 少し話がずれますが、リンについては、肥料や家畜のし尿などに含まれるリンが環境中に排出され、水域の富栄養化を引き起こすという問題もあります。この点でも、鉱物中に固定されているリンを消費せず、環境中のリンを回収・再利用するとりくみは重要です。

 『青年ナポレオン』は、トムプラスがつぶれて、『雲竜奔馬』と同時期に打ち切られた作品ですね。
 作者の長谷川哲也氏は、掲載誌を『ヤングキング アワーズ』に移して続編の『ナポレオン〜獅子の時代〜』を連載中です。こちらは単行本も発刊準備中だそうですよ。
http://www.shonengahosha.co.jp/ours/index.html(掲載誌公式サイト)



#4218 
徹夜城(明日は一日中夏期講習の管理人) 2003/07/23 23:35
臭い…?

変なタイトルですいません(^^;)。
サダム・フセイン元大統領の息子二人、ウダイ氏とクサイ氏の二人が銃撃戦の末死んだそうですが、ここまでの展開が展開なので「ホンマかいな?」という気がしちゃうのも事実(実際父親ともども何度も死亡説が出た)。なんか絶妙にタイミングがいいし(このところの情報操作疑惑やら連日の襲撃やら)、イラク人の通報で、しかも賞金36億円とかアメリカ側が騒いでるのも例の「リンチさん救出劇」を連想させてしまうところがあります。それにあんな目立つところにいて今までわからなかったのか…?

>尾鳩さん
まぁ現在の日本にはすでに半世紀以上前に外国の軍隊が攻めてきて占領されちゃってますから、ずっと(笑)。そりゃまー結果から見ればソ連とか中国に占領されたよりはマシではあったのでしょうけどね。

中国とインドといえば、先ごろインドの首相が中国訪問をしてあれこれやっておりましたが、中印紛争以来なぜか40年も捕虜になっていた中国兵士二人がようやくお里帰りしたとか。

陳舜臣といえば、今この人の小説を電車の中で読んでます。「桃源郷」って長編なんだけど、主人公たちは「遼」の人間であるというのが面白いところ。金と宋に攻められて滅亡する契丹族国家・遼が西方へ逃れて「西遼=カラ・キタイ」を作っちゃうというあたりのお話で、東は日本から西はセルジューク=トルコ、ファーティマ朝まで出てくるというユーラシア全土を舞台にした、なんだかコーエーの「蒼き狼と白き牝鹿」シリーズみたいな舞台設定です。時代的にはモンゴル勃興のもっと前、というところですか。
 陳舜臣さんの小説、特に長編小説では小説用の架空人物と有名な実在人物がひょいひょい絡むという傾向がありまして、本作も例外ではありません。しかもそれをユーラシア大陸スケールでやっちゃうもんですから、稀有壮大には違いないが全体的にウソっぽい話になっちゃうというところもあります。
 ただ、こういう多民族・多文化が入り乱れるお話というのは僕自身も大好きなんですよね。この小説の序文で陳さんも書いてますけど、学生時代にこの人ペルシャ語やってて、その知識をもとにこうしたお話を書いてるんですよね(司馬遼太郎は同じところのモンゴル語学科だった)。傾向としては僕も陳さんと似た関心の持ち方をしているところもあります。
 …というか、実際陳氏の「戦国海商伝」読んだときはゲンナリしましたもん(笑)。僕が構想していた小説の、世界観のかなりの部分が共通しちゃってまして。さすがに資料関係の調査がもう一つだったのでストーリーはだいぶ違っててホッと(笑)しましたけどね。

 今論文も書いてるんですけど、合間を縫って新規連載小説の執筆もぼちぼち始めてます。7月中に予告編ぐらい打てればいいなぁ…と思ってるところです。
 しっかし史料を追えば追うほど新発見があったりして、うかつにキャラクター設定ができなくてヒヤヒヤしながら書いてます(笑)。



#4217 
尾鳩 2003/07/23 11:52
家の外はサウナ、家の中は冷蔵庫、これなーーに?

香港政治が急展開を始めたもので、忙しさにかまけて、しばらく掲示板参加を控えておりました。

>北朝鮮工作船の展示
政府の洗脳とか、有事法制をにらんだ動きとか、そんなことは背景にないでしょう。
工作船がどんなものなのかっていうのは、結構皆の興味あるところだと思いますし、単純に訪問客増による採算をにらんだ経営的側面からの決定だと思いますよ。
民本主義者さんのおっしゃるように「日本国民にとって現実に脅威だったのは確か」なんですから、私も展示しておくことそのものには反対ではないです。
「過ぎたるは及ばざるが如し」で、過剰に危機意識をあおるのも問題だとは思いますが、国防意識が全くないのもやはり問題だと思いますから。
かつて、友人の一人が「今の時代、軍隊が日本に攻めてくるなんてありっこない。攻めてきても、日本なんてなくなってもいいじゃないですか。どこの国の統治になろうと、同じですよ。」とのたまわったのを聞いて愕然としたのを覚えてます。
「世界市民」ごっこも大概にしろよ、と。
国、国、と意識しすぎ、極端なナショナリズムに走るのも問題ですけど、意識しすぎないのも問題なんだけどなあ。正直、北朝鮮や中国政権の統治下で生きたいとは思いませんから。

軍事関連の展示物と言えば、インドではパキスタンとの戦闘で奪った中国製の戦車が展示されているという話を聞いたことがあります。陳瞬臣さんの本でだったかな。
「坂の上の雲」では、日露戦争の際、コサック騎兵が奪った日本の戦旗などが旧ソビエト領のどこかに展示されていると記されているように記憶しています。
そのような展示品は、当初は国威を高めるなどの目的があるにせよ、いずれ単純に軍事展示品として性格を強くしていくんだと思います。凱旋門も今となっては、歴史を語る遺物にすぎませんし。
工作船も壊す必要ないと思いますよ。いずれ歴史遺物になってくれるはずですから。そのように期待してます、とりあえず。


タイトルの問題の答えは、ずばり香港です。
気温は30度以上、湿度は100%近く、しかし冷房大好きの香港人、設定最低温度が5度なんていうのもあるくらいですから、レストランや映画館の中なんかはほとんど冷蔵庫なんですよ。
何故、冷房をかけまくるのか。
冷たい空気を綺麗な空気だと思っているとか、そんな話を聞いたことをありますが、友人は「冬服が着られる滅多にないチャンス」だと言ってました。
おしゃれのための資源の無駄使い・・・、もちろん冗談ですけどね。



#4216 
民本主義者 2003/07/23 01:14
連続書き込み。今度はナポレオンねた

4168の貧乏神さまへ。遅くなってすみませんでした。「イタリアの橋での激闘シーン」が史実として描かれている歴史マンガは「コミック トム プラス」に連載されていた長谷川哲也の『青年ナポレオン』という作品です。検索してみましたが、単行本化されることなく打ち切られたようです。
http://www.usio.co.jp/magagine/tom9911/napo11.html
こちらのサイトで絵柄を偲ぶことができます。



#4215 
民本主義者 2003/07/23 00:47
リン+「敵」の船の展示+ハリボテ凱旋門

『環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態』(ビョルン・ロンボルグ著 山形浩生訳 文藝春秋刊)242ページに「リンの埋蔵量は消費年数にして約九〇年分だが、燐灰石はよくある頁岩や石灰岩と似ていて専門家でも区別がむずかしいだけに、今後の技術の向上とともに大規模な鉱床の発見が期待される。アメリカ地質調査部は先頃、フロリダ沖合の大陸棚でリンのかけらやかたまりが見つかったことを発表し、これだけでリンの利用可能年数は約一八〇年へと倍増した。だからリンの有無が食料の生産を制限する見通しはない。」とあり、
Craig, James R., David J. Vaughan and Brian J. Skinner 1996 Resources of the Earth: Origin, Use and Environmental Impact. Upper Saddle River, NJ: Prentice Hall.307−10、を注にあげています。訳者のサイトで本書の梗概を読むことができます。
http://cruel.org/reading/skeptenv.html
こちらです。

北朝鮮は朝鮮戦争の際に拿捕したアメリカの情報収集船プエブロ号を大同江に展示して、修学旅行の生徒や外国人訪問客が案内される定番スポットになっています。
ただ難しいのは、こういう「敵」にとって屈辱的な展示は、いつまでも続けていてはいけないということです。第一次世界大戦でドイツがフランスに対する降伏文書に署名した列車のコンパートメントをフランスはパリ近郊に展示していたのですが、第二次世界大戦で電撃的にフランスに侵攻しパリを占領したヒトラーは、ドイツに対するフランスの降伏文書調印を、ほかならぬこの展示されていたコンパートメント内部で行わせました。この場合はもちろんヒトラーの方が悪いのですが、旧敵国人の恨みを買う展示をいつまでも続けてはいけないという教訓を我々は引き出すべきでしょう。
この伝言板でも多く話題になった司馬遼太郎の『坂の上の雲』の主人公である海軍軍人、秋山真之は『軍談』という講演集(国立国会図書館にあります)に収められた講演のなかで、第一次大戦で青島のドイツ軍に勝って「凱旋」してきた日本軍を迎えた凱旋門がハリボテであり、これではみっともないからパリの凱旋門のような永続的建築物を建てようという世論に対し、とかく世界は昨日の敵は今日の友であり、一時の敵に対する勝利を記念する建築物を建てることには反対し、「凱旋門などというものは、杉の皮で作って、一寸経ったら倒してしまうのが本当だと思う」(記憶より引用)と述べています。やはりこの人は並みの軍人ではありませんでしたなあ。
お台場の工作船は、いつの日か北朝鮮と日本が「昨日の敵は今日の友」となった段階で(まず確実に金正日政権の終焉が前提でしょうが)、日本と新生北朝鮮の政府代表が出席する慰霊祭を開いてから、再び日本海に沈没させるのが良いと思います。
 それまでは、船の科学館前で展示しておくことに反対ではありません。日本国民にとって現実に脅威だったのは確かなんですから。



#4214 
徹夜城(七月にしちゃ異様に寒い気がする管理人) 2003/07/22 22:41
カウンター、久々に吹っ飛びましたな。

>ななさん
ご報告どうも…朝気がついて予測数値で修正しておきました。
この現象、一度CGI書き換えて対策とったつもりだったんですけど、時おり発生しますね。どうも二人以上が同時にアクセスした際に発生する?ものらしく、最近一日に3000アクセス以上を記録するスポーツコーナーなんざしょっちゅう吹っ飛んでおります。
いいかげんCGIを変えるべきか…以前は掲示板のデータも吹っ飛んでたしなぁ(^^;)

>おやかたさん
「日本財団」ってのはホンモノの右翼だった笹川良一(ついでながら「海の日」実現に尽力したのもこの「戸締り用心火の用心オジサン)が作った「日本船舶振興会」が衣替えしたものですしね。現在の会長の曽野綾子女史だってそっち方面では有名な方です。フジモリさんかくまったりもしてましたっけね。
ってなわけですから不審船展示にこの団体が一枚かんでいたとなると、まぁある程度の狙いはあるわけでしょう。首相自ら見学したりもしてましたし、「有事法制」との絡みは明白にあったでしょうね。ただし奇怪?なことに有事関連法の「武力攻撃事態」には不審船やらテロは対象外とされていたりします。なんかダシに使われたような気はしなくも無い…

>楓さん
海上保安庁の位置付けですが、以前あの尖閣諸島での騒動のとき香港の新聞などで「日本海軍軍艦」などと勝手に書かれた事もあったようですが(笑)、あれはあくまで「沿岸警備隊」と呼ぶべきものでしょう。香港-沿岸警備隊とつながると「プロジェクトA」
が思い出されますねぇ、って変な連想をしてすいません(笑)。
 「海軍」的ポジションにいるのはもちろん海上自衛隊ですが、縄張りがぶつかることもあって海上保安庁とはいろいろと仲が悪かった、という話も聞きます(今はどうだか知りませんが)。双方で同じ名前の船を持っていたりしたとか。かつての陸軍、ひいては陸上自衛隊も警察と仲が悪いらしいとの話もあります。少なくとも戦前はそうだったみたい。


>文明と言えば。
先日近所の書店で、あの太田龍氏が「縄文日本文明一万五千年」のなんとやらいう本を出版していることに気がつきました。とうとう来ちゃったか、御大(笑)が「縄文文明」に、という思いで(笑)。
まだ買ってないですが目次を見ると「爬虫類異星人の攻撃」といったSFものも目に入り(この人前にもこの手のこと書いてましたなぁ)、縄文から現在まで日本通史をやっちゃってくれてるようです。裏表紙には御本人のお写真(?)も入っていたりして…まぁ思い込みの激しい人というのはすごいというか何というか。



#4213 
2003/07/22 20:23
工作船の展示

たしかに 日本人の感覚からいくと えげつな〜と言いたくなるような 生々しさがありますね  しかし これが日本ではなく その他の国だったら 展示は当たり前のことでしょう  自国に害を成す疑いの塊のような舟だし 相手は戦争をしかけてきたんですから 海軍(海保)の反撃の正当性をアピールする為にも展示は自然な成り行きだと思います  逆に立場が中国 韓国 朝鮮だったら 圧倒的なプロパガンダが添えられ 修学旅行必須コースになるはずです 日本は冷静な対応だと思います



#4212 
民本主義者 2003/07/22 16:18
資源+グローバル化

秦太さま、原田実さま。ありがとううございました。
リン鉱石や硝石も鳥糞関連物質だったとは知りませんでした。歴史的にも結構重要な役割を果たしてきた資源だったのですね。今まで見くびってきて済まなかったな>鳥糞。
ナウルの話は『銀河鉄道999』に出てきた「かじられ星」のエピソードを地で行ってるみたいですね。土が美味なので他の星からきた商人に土を売りつづけ、かじられたリンゴみたいになってしまう星の話です。産油国を諷しているようだとは思ってましたが、まさか本当に表土を売り払ってしまった国があるとは・・・。日本にはほとんど地下資源がないので、他山の石にしようにもできないのは幸福なことです。
ナウルは外貨獲得のためにアフガン難民を受け入れたそうですね。
「南太平洋の小島の浜の椰子の木陰で、故郷を偲ぶヒゲ面のアフガン難民」・・・。
嗚呼、グローバル化ってこういう事だったのね・・・。



#4211 
おやかた 2003/07/22 08:21
工作船の展示

歴史ネタとは違うのですが。。

船の科学館で北朝鮮の工作船が展示されています。このおかげで船の科学館の入場者数は激増したそうなのですが。
でも、一般公開されること自体「何か変じゃないか?」と私は思うのです。
財団法人海上保安協会が日本財団の助成を受けて主催しており、協力が海上保安庁、船の科学館、日本財団とのことなのです。
この主催団体がどういう組織なのか不明ですが、不特定多数の人の半ば好奇の目にこういうったものを晒してしまうということが、なんだか薄気味悪く思えるのです。
船だけではなく、積まれていた武器類も展示しているそうで。
有事法制をにらみ、国民に北朝鮮の危険性を知らせ、国防意識を高めているのではないかと・・。
そういう洗脳や情報操作はごめんです。




#4210 
なな@19番目の来訪者 2003/07/22 02:12
寝る前に一言

またもやトップページのカウンターがふっとんでます。



#4209 
徹夜城(実はこっそり二箇所ほど更新している管理人) 2003/07/21 23:34
「文明」ネタが多いですね。

>ひでさん
僕もNHKの「文明の道」ローマ帝国編、その前日の「トルコ・文明の十字路」のオスマン帝国編、両方とも見ました。
シリーズ「文明の道」はモンゴル帝国までですので、オスマン帝国編はちょうどその続きと見れなくもないですね。さまざまな民族・文化・宗教が入り混じって融合して…っていうのが基本テーマという点で共通してますから。
「文明の道」後期シリーズではイラクもとりあげられるようですし、「9.11」以後の情勢の中で過去の「文明」の歴史をふりかえってみる…という狙いということみたいで。
 それにしてもメフメット2世の子供時代の落書きは面白かったなぁ。実際、かなり上手いじゃないですか、あれは。

 「史点」は依然として推敲中(ホントです)なんですが、その他でちょこちょこ更新作業しました。
 相互リンクすることになった武田勝頼サイト「大の旗印」様方をリンクに加えてあります。
 あともう一つ、実に三年ぶりに更新したコーナーもあったりします(^^;)



#4208 
ひで 2003/07/20 12:19
昨日のNHK

この夏の東京国立博物館および東京都美術館での展覧会がらみと思われる
番組が2本もやってました。まぁ、タイアップといってしまえばそれまで
なのだと思うけれど、歴史物の番組が見られるだけでもありがたいです。

一本はNHKスペシャル「トルコ・文明の十字路」というやつで、2回連続、
一回目はオスマン帝国でした。話しの中心はメフメト2世で、コンスタン
ティノポリス攻略の話しなどなど、いろいろありました。スルタンの財宝
の数々も出てきました。子供の頃のメフメト2世の落書き帳なんてものも
番組には出てきていました。
次回はヒッタイトだそうな。

で、もう一本は教育テレビで深夜にやっていた「アレクサンドロス大王と
東西文明」という番組でした。こっちは見ている途中で眠ってしまった(笑)
ので、後半はあまり覚えてないですが、アレクサンドロス以前の話しに30分
使っていて、ヴェルギナの財宝とかもちょこっと取り上げられてました。




#4207 
徹夜城(失念に気づきあわてて書き込む自称歴史映像マニアの管理人) 2003/07/20 01:17
おっと

先ほどの書き込みで一つ失念していたことを自称歴史映像マニアのつまらんプライド(?)からわざわざ書き込みます(笑)。

石原裕次郎の時代劇出演、といえば有名作品で「幕末太陽傳」がありました。フランキー堺主演の落語原作のやつ。裕次郎はあれで高杉晋作役でしたね。



#4206 
徹夜城(更新作業を進めているつもりの管理人) 2003/07/20 01:12
殺しのライセンス

…ってのが本当にイギリス情報部員にあるのかどうかは知りませんが。
イギリスで国防省顧問をつとめ、「イラク大量破壊兵器疑惑でっちあげ?疑惑」を報じたBBCへの情報源とされイギリス政府から名指しで攻撃され議会でも召喚を受けた科学者デビッド=ケリー博士が変死体で発見されるという事件が報じられていますね(自分で書いていてもややこしい)。
左手首を切った失血死で遺体のそばにはナイフと鎮痛剤があったとか…「自殺」ということになるわけですが(少なくともこのところのドタバタでストレス気味ではあったらしい)さまざまに疑念を呼ばざるを得ない変死です。来日中で原宿の英国系チェーン店のピザを食うパフォーマンスなんかしているブレア首相に「即刻帰国すべき」との声もあがっているらしい。
 一方のアメリカでも一部の世論調査でブッシュ不支持率が支持率を上回ってしまったものもあるそうで。イラクでは昨日もアメリカ兵が爆弾踏んで死亡してましたし、なんだかんだと「イラク戦争」は終わってませんな。

>ひのきさん
「城を取る話」の確認情報、ありがとうございます。わざわざ映画原作を頼みに行くとは、裕次郎が司馬遼太郎に入れ込んでいたという事情でもあるのかな?
先日17回忌とやらで相変わらず大騒ぎされてる石原裕次郎ですが、時代劇ってあんまりないんじゃないかなぁ。未見だけど「人斬り」なんかに出ていたような。あと三船プロ製作の「風林火山」で上杉謙信役でノーギャラ出演(だったと思う、確か)してましたな。セリフ無し、顔もチラッとしか見せないという出演でございましたが。

>原田実さん
「グアノ」の話は小学生時代に「学研まんが・ひみつシリーズ」の「鳥のひみつ」で読んだことがありました。ほとんど忘れちゃってたけど、原田さんの書き込みで思い出しましたよ。
それがイースター島の件にもつながってくるんですねぇ。コハウ・ロンゴ・ロンゴのことはつくづく残念であったと思います。

>鵺さん
「反逆児」ですが、あのラストは「痛い」ですよねぇ、ホント。あれだけ手間かけた切腹シーンもなかなかお目にかかれないです。
一文字に腹を切って、家臣の一人が介錯しようとするがどうしても振り下ろせず、何度も躊躇して結局果たせない。見かねた二人目(確か服部半蔵)が駆け寄って振り下ろすが一回は手前の刀を置く台(なんていうんでしたっけ?)を斬ってしまい、再チャレンジは首筋のあたりをかすってちょっと斬っただけで「あわてるな…!」などと首筋を押さえた信康に言われてしまう。それからようやく三度目にとどめをさしてました。
あー、やだやだ、こういう死に方は(^^;)介錯が慣れない人だと切腹するほうも大変です。これに懲りた徳川幕府はプロの「公儀介錯人」を設置し…ってそれは「子連れ狼」だって(笑)。



#4205 
秦太 2003/07/19 16:02
燐をとる話

 リン鉱石は、海鳥の糞の成分がサンゴなどの石灰質と反応してできる鉱物です。グアノも広い意味ではリン鉱石の一種になるようです。
 化学肥料の時代とはいっても、大気中の窒素から無尽蔵に合成できる窒素肥料と違い、リン酸肥料は今も生物起源のリン鉱石が原料なんです。あと100年くらいで枯渇すると言われています。
 このリン鉱石の採掘も、時として問題のある産業です。かつて太平洋の島々でリン鉱石が産出していましたが、一時の繁栄の後に残るのは、全島ボタ山と化した不毛の土地だけという事態が繰り返されてきました。日本最大の産地であった沖大東島も、終掘後は荒涼とした無人島になっています。
 何年か前に報道されて知ったのですが、ナウルという南太平洋の小国が今この危機の最中だそうです。良質のリン鉱山で潤っていた頃は、納税も労働もせず生活できるおとぎの国だったナウル。資源が枯渇し始めた今、国土は鉱石カスの山、国を挙げて慣れない財テクに活路を求め、失敗。最近は豪州の難民を肩代わりしたり、外国人に有料パスポートを発行してアルカイダに利用されたり、いよいよ混迷を深めているようです。

>鵺さん
 残念ですが、『風雲児たち』のBSまんが夜話登場は当分ないようです。夏目房之介氏によれば、あの番組は一作家一作品の原則があるので(既に『ホモホモ7』で取り上げた)みなもと作品は選ばれないとのことです。夏目さん自身は是非やりたいようですが。
 ちなみに8月27日放送の杉浦茂作『少年西遊記』の回には、みなもと太郎氏がゲスト出演されます。今年、本作の連載時(昭和31〜32年)の原稿を使った初の単行本が刊行されたのですが、みなもと氏は刊行に尽力された経緯があります。



#4204 
2003/07/19 06:29
NHK話。。。

管理人さま及び受験生の皆様、夏期講習頑張ってください。

前々から衛青映画劇場のラインナップにはナニモノかの意思がはたらいてると思ってました(笑)
妙に西部劇とか多いような気がするんだよなぁ。。。どうも今月から来月にかけてはSF映画特集のようですね、、、夏休みというコトでしょうか。 
昼間、8時、深夜とちょっとリアルで観にくい時間帯ではあります。

「反逆児」は観ましたよ!錦之介特集で「武蔵」の一挙放映とかしてた頃でしょう。
信長の前での舞のシーンと、ラストの壮絶というか痛々しいというか、な切腹シーンが印象的でした。

鄭成功が出てくるという作品は「大盗禅師」だそうです。コレも復刊されたようで。。。
由比小雪まで出てくるとか、、、どんな内容か察しがついちゃうんでしょうか(笑)
しかし「坂の上」映像化といい、作家の遺志というのは悉く無視されてますなぁ。

「その時」。NHKも硬派な番組の割には長く続いてますね。戦国と幕末と昭和史ばっかのような気もしますが(~ヘ~;)
「知ってるつもり」も法律番組に代わってしまったし、
「ふしぎ発見」なんかも昔はもっと硬派だったんでしょうけど、歴史系番組ってホントに少なくなってしまいました。

「その時」って番組HPがすごく詳しいのですよね。番組で紹介したエピソードの典拠とか、しっかり書いてあります。
http://www.nhk.or.jp/sonotoki/

最後に「風雲児たち」をBSマンガ夜話で取り上げてくれ!と贔屓目にしておきます(笑)



#4203 
原田 実 2003/07/19 00:05
「グアノの効き目は強く、しかも恐ろしく早い」

民本主義者さま、子供のころ読んだファーブルの子供向け理科の本(あの方の一般向けの本は、昆虫記だけではないのです)で、グアノのことをこのように賞賛しておりました。グアノは肥料としての用途こそ廃れましたが、化学工業原料としての受容はあり、南米チリでは今でも国家経済の柱となる資源です。そもそもヨーロッパでは農家の自給自足だった肥料が購入の対象となり、農業システム全体が貨幣経済・商品経済にくみこまれたのはグアノの普及によってでした(化学肥料はその後に続いたというわけです)。
 また、チリが誇るもう一つの資源・チリ硝石も一説には風で内陸に運ばれたグアノの塵から生じたといわれています。そのチリ硝石が旧世界に輸出されることによって、火薬の安定生産が可能になった、というわけでチリの鳥の糞は近代史・現代史を変える原動力の一つとなったといえましょう。
その影には悲劇もあります。西欧人との接触時、すでに衰退期を迎えつつあったイースター島の文明にとどめを刺したのは、島民の大多数がチリのグアノ採掘のための奴隷として島から引き離されることによってでした。これで神官や首長たちはことごとく異郷の空の下で死に、モアイ像を作る意義やコハウ・ロンゴロンゴ(文字らしきものを刻んだ木板)の読み方などの伝承は永久に失われてしまったのです。というわけで、グアノ、特にチリ産のものが歴史に与えた影響は、たかが鳥の糞、と片付けるわけにはいかないようです。

http://www8.ocn.ne.jp/~douji/


#4202 
ひのき 2003/07/18 15:29
「城取り」

管理人さん、こんにちは。
映画「城取り」、小説「城をとる話」ですが、
文庫本の解説によれば(当時を知るプロデューサーが執筆)、石原裕次郎自身が司馬家に訪問の上、原作を依頼して、それにこたえての作品だそうです。ただし、都合か事情で数人の登場人物と短いプロット構成だけだったとか。原案って感じでしょうか。

>主人公は石原裕次郎を想定して書かれているのだとか
読んでいての私個人の感想ですが、もろ、小説の主役の人物描写に石原裕次郎を感じました。笑顔の描写なんかにとくに。若い頃の石原裕次郎の顔。

映画の掲示板に書き込んだほうがよかったでしょうか(^^;)。すいません。



#4201 
民本主義者 2003/07/18 12:59
鳥の糞の効用

社会学者が書いた経済の入門書(たしか小室直樹『日本人のための経済入門』)で、植民地経営が経済的に結局は割に合わないというアダム・スミスの学説を解説する際に「南洋諸島も鳥糞以外は赤字だった」という趣旨の文章がありまして。「鳥糞?ウグイスの糞の化粧品か?南洋にウグイスなんていたっけ?」と思い、調べてみたら、「鳥糞肥料」のことでした。人里離れた無人島などには渡り鳥の糞が堆積し、風雨にさらされた後にも肥料として使えたのです。
『グアノ肥料 : 本社精製肥料原料南鳥島産鳥糞燐礦』という題名の著書が1904年に出版されています。化学肥料の発達によって廃れました。
日本帝国は石油ではなく、鳥の糞を植民地から供給されていたという、ちょっとトホホな話でした。



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