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#5400 
 原田 実 2005/01/09 09:14
銀英伝の世界では

『銀河英雄伝説』に、13という数字が不吉とされる理由について、「すでに滅びた宗教」で、13人目の弟子が教祖を裏切ったという話があったからだ、という説明がありましたので、キリスト教が滅びていることは確かです。作中に出てくる教団宗教は『地球教」のみですし、それも内実は宇宙支配をもくろむテロ集団ということになっています。全般的に田中作品の中では教団宗教というのはあまりいいイメージは与えられない傾向はありますね。

http://www8.ocn.ne.jp/~douji/


#5399 
徹夜城(ようやく冬期講習から解放された管理人) 2005/01/08 13:25
書き込み急増ですねぇ。

正月も終わったということなんでしょうかね。アクセスも増えましたし(やっぱり学校からのアクセスが多いみたい)、こうして書き込みも続々と。立て続けにレスです。

>景虎さん
 結局見なかったんですが、加藤茶の秀吉というキャスティングにはちょっと興味を引かれたんですよね。
 加藤茶の時代劇というとNHK「武蔵坊弁慶」に忍者みたいなキャラで出ていたことがありますね。それとは別に「全員集合」のDVDに収録されてた「忠臣蔵・松の廊下」のコントでまず浅野内匠頭役で(吉良は仲本)「殿中でござるぞ!」と駆けつけてきた志村に何度も突き飛ばされ、「役を変えてくれ」と吉良役に入れ代わってもやっぱりどつかれ続けるというやつが爆笑ものでした。
 「時空警察」、なんだかんだで人気のようで気がついたら第五弾ですね。昔から「歴史推理」というのは洋の東西を問わず根強い人気のある分野で日本でもひところ「歴史法廷」なんて雑誌も出てました。バカにしてみてるぶんにはいいんですけど、塾の教え子の中学生なんかも結構見てまして、変な史観にハマらんといいがな、などと思ってます。
 その番組じゃないけど先日も「ヒトラーって自殺じゃなくて殺害されたんですよね?」と生徒に聞かれ、話を聞いてみると元ネタは「アドルフに告ぐ」で(笑)。しかし考えてみると「ガンダム」映画版でもデギン公王が「ヒットラーは身内に殺されたのだぞ」と言ってましたから根強いものなんでしょうなぁ、ってこの話は前にも書いたか(汗)。


>NFさん
 ほほう、西郷と尊氏の共通性は司馬以前にも数人が指摘してるんですね。これはなかなか面白い。
 「変人」の尊氏ですが、人間的な弱みもしっかり見せる人でもあり、僕もむしろ近づきやすい人という印象を持ってるんです。単に大盤振る舞いしていたからというだけではなく、やっぱりどこか人をひきつけてしまう魅力があったんだろうなぁ、と。
 ところで西郷といえば、いま日本テレビが昔作った大型時代劇「田原坂」を借りてきて見てるんですよ。小説「翔ぶが如く」もようやく終盤にさしかかったところなのでタイアップで(笑)。放送当時これは見逃していたんですが、里見浩太郎の西郷も意外とサマになるもんだ、と思いつつ見てます。近藤正臣の大久保利通はそのまんまハマり役ですなぁ。西郷従道を「西郷輝彦」が演っているというのはちょっとお遊びか(笑)。


>モーグリさん
 「銀河英雄伝説」の銀河帝国はゲルマン神話信仰になってるようですが、この未来世界ではキリスト教やイスラム教はどうなったんでしょうかねぇ、と思っちゃうところでして。アシモフの「銀河帝国」だとこうした宗教は全滅してる設定になっていて、英語の感嘆詞である「GOD!」がわざわざ「Space!」「Galaxy!」などと変えられています。ま、そもそも地球の存在すら忘れられてる未来なんですけどね。
 その一方で似たような銀河帝国的宇宙を舞台にする「ハイペリオン」などダン=シモンズの未来史SFだとこうした宗教が依然濃厚に残っていてキリスト教、イスラム教、仏教から儒教・道教までちゃーんと銀河系じゅうに信者団体があることになってました。これは著者の衒学趣味が影響してる気もしますけど。


>ブッチャー3世さん
 討ち入りした赤穂浪士たちが吉良の顔を知らなかった…というネタをうまく利用した「必殺仕事人」の特番がありましたよ。赤穂浪士たちが殺した吉良は実は影武者で、本物の吉良は事件のほとぼりがさめるまで隠れ家に潜んでいて、それを知った大石が中村主水に吉良暗殺を依頼する、というお話でした。


>電気羊さん
 そちらでは大河は「漢武大帝」ですか〜。しかし「大帝」ってつけちゃうあたり、一昔前の階級闘争史観の中国から言えば権力者英雄史観になっておりますなぁ(笑)。
 漢の武帝をドラマにしてしまうと、やっぱり匈奴の描き方が大問題になりますね。「悲劇」と語り継がれた王昭君の話も「民族和解のシンボル」に美化されちゃうぐらいですから武帝の話も「民族融合」の話にされちゃうわけでしょ。しかし無理ありすぎますわなぁ…。
 日本の歴史だとかつて「討伐」の対象だった東北の「蝦夷」が「侵略に抵抗する人々」として高く評価されるようになり、アテルイが教科書に大きく取り上げられて多くの中学生が「英雄」として覚えるようになったという変化があるんですが、中国もだんだんにそういう傾向が出てくるでしょう。ただ今も支配・被支配の民族関係があるのも確かなので微妙な問題ではあり続けるのでしょうが。
 「武帝が出てくるのが遅い!」という抗議があるという話で連想したのが、かつて韓国で大河ドラマ「壬辰倭乱」(秀吉の朝鮮侵略戦争ネタ)を放映した際、前半日本軍が連戦連勝であることに抗議の声が上がり(史実だからしょーがねーだろ)、後半の「逆転勝利」にかえって視聴者が熱狂、なんて報じられたことがあります。誇張はあるでしょうけどねぇ。僕もこれの総集編を見たことがありますが、意外に冷静でナショナリスティックでないつくりだったと思いました。


>奥野さん
 この掲示板ではお久しぶりです。
 そうですか、ロシアはまだまだ年中行事では「旧暦」が生きてるわけですね。この点、日本はあっさりと旧暦を忘れ去った感がありますねぇ。周辺の中国・韓国・ベトナムなどは「旧正月」を濃厚に残してるとこなんかを見ても、日本ってよく言えばこだわりがなく変わり身が早い(悪い意味にもとれるな)ってことなんでしょうかねぇ。
 ほほう、プーチンさん、イスラムの祝日にもコメント出すんですか。なるほど、こちらも中国と似た問題を抱えてますもんね。実はいま書いてる「史点」のネタにアメリカのクリスマス事情があるんですが、こちらもいろいろな宗教の人がいるので気を使わねばならなくなってるようです。その点日本人はクリスマスを祝い、寺と神社の区別もなく初詣に押しかけ、というよく言えばいい加減な(それは悪い意味か?)年末年始を送っております。



#5398 
奥野 2005/01/07 16:13
クリスマス

あけましておめでとうございます&ご無沙汰しております。このところずっと、皆様の書き込みを読むばかりになっていましたが、年が改まったのを契機にご挨拶をと思いまして。今年もよろしくお願いします。

ロシアでは今日1月7日がクリスマスです。ご存知の方も多いかと思いますが、ロシア正教会はユリウス暦を使い続けているので、キリスト教に関連する行事は全てそれに従って行われているのです。
で、6日から7日にかけての夜には教会で特別な祈祷が行われるのですが、モスクワの救世主キリスト大聖堂で総主教アレクシー2世が行った儀式は、テレビでも中継されていました。しかも準国営の局で。この辺りは、ソ連時代には考えられなかったことでしょう。しかし、一応は政教分離を標榜しているはずなのに、いいんかいな…

ちなみにプーチン大統領も、クリスマスを迎えるにあたってアレクシー2世に会い、その様子がテレビのニュースで紹介されていました。しかし一方でプーチンは、イスラム教の祭日にも常にお祝いのコメントを出したりしており、この辺りは「多民族国家」を統治するにあたっての苦労が透けて見えます。ソ連時代に無神論を押し通したのは、宗教政策という面では却って楽だったのかもしれません。

http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/6218/


#5397 
さかな 2005/01/07 04:45
明清實録

はじめまして。新参者です。以前、台湾中央研究院というところのサイトから、漢籍全文資料庫で有料なはずの實録がなぜか閲覧できたのですが、今では見れなくなってしまいました。もう閲覧は不可能なのでしょうか‥。また、日本国内において閲覧できる機関をご存知の方いらっしゃいませんでしょうか。最後にもう一度見たいです‥‥。失礼いたしました。



#5396 
電気羊 2005/01/06 23:33
新年好

遅ればせながら明けましておめでとうございます。
>徹夜城様、景虎様
「大化改新」に「時空警察」ですか。お話を聞いているとなかなか面白そうですね。
中臣鎌足のギャグですが、「ナカナカノバカタリ」というのも聞いたことがあります。
あと、加藤茶の秀吉は見てみたかったですね。17日から帰国するので、再放送しないかな。

歴史ものですが、こちら中国の中央電視台では、漢の武帝の生涯を描いた大河ドラマ「漢武大帝」が始まりました。全58話で、毎日2話ずつのペースで放映されています。

第1話オープニングで、これは漢と匈奴の「民族大融合」を描いています、という取ってつけたような字幕が出たのにびっくりしました。中国は「統一的多民族国家」を標榜しているので、この手の問題には神経質なようですね。

それから、今日現在、第10話まで放映されましたが、まだ先代の景帝の時代で、武帝はまだ幼児です。「呉楚七国の乱」や立太子の争いなどを長々と描いてます。
それで、視聴者から「早く武帝を出せ」「ストーリーが遅い」などの抗議が出ているようです(6日付『瀋陽晩報』)
自分としては、これまであまり映像化されてこなかった景帝後半期〜武帝初期のエピソードがじっくり見られて面白いのですがね。特に個人的に好きな周亜夫や「飛将軍」李広のキャスティングが絶妙で、うれしい限りです。
それから「HERO」をもろに意識した妙に現代的な音楽や赤い房がついている兜などが見物です。
というかそのまんまですが(笑)





#5395 
ブッチャー3世 2005/01/06 22:46
顔を知らない相手を探すのは結構、大変でしょうね。

>時空警察
これに関しては細かい突っ込みは意味無いでしょうね(笑
ようは面白いか面白く無いかで判断したほうがいいかもね。
で、今回の天草衆〜豊臣残党説、なかなか新鮮な説ですね、今まで
聞いたこと無かったです、たしかに島原の乱は幕府がやった大虐殺の規模が
ちょっと異様で謎だとは言われてるみたいですね。あと、一揆側の
資金も何処から出てたのか不明だという向きはあるみたいですね。
ま、天草四郎が秀頼の落胤というのは、アレですけど(笑
歴史有名人が記録の通り死んだかどうかというのは、明智光秀の例を見ても
100%記録や通説の通り、死んでたかは分からないですよね。
あの忠臣蔵にしても47人の中で吉良上野介公の顔を知っている者は誰も
いなくて、薪小屋にいたボケたよな爺さんを槍持ち浪人が誤って
突き殺したのが明け方になって、ようやく上野介公であったと分かるまで
吉良殿は何処だ〜?と吉良邸を必死こいて探していたって話を聞いたし
織田信長だって、生前の今川義元の顔を知らず、織田家中でも義元の顔を
知ってる者はおらず、桶狭間の合戦直前に駿河から来た浪人が義元の顔を
知っていて慌てて召抱え、その男が居たので今川本陣の中から義元を
識別できたんだとか。




#5394 
モーグリ 2005/01/06 22:39
明けまして

遅ればせながら明けましておめでとうございます。

>「銀河英雄伝説」の帝国側の宗教
帝国の首都のある惑星の名前がそのものずばり「ヴァルハラ星系第三惑星オーディン」という名前でした。あと「フレイヤ星系」も登場していたはずです。
作中で、帝国軍の司令官や大貴族達が「大神オーディンに・・・」と言っているシーンがあるので、帝国領内では北欧神話は上流階級の人間まで広く信じられているようです。

北欧神話をモチーフしているのは、やはり、話にしやすいからでしょう。ワーグナーの歌劇の影響もありますし、ゲルマン系=北欧神話ということになるのでは。

>史点
北京原人の話題が登場していますが。
北京原人の遺骨が登場するのは、以前ちょっと触れた『ズッコケ財宝調査隊』ですね。話は、戦前、北京郊外で発見された北京原人の骨が太平洋戦争勃発によって行方不明になってしまうところから始まります。(ここからがフィクション)大戦末期、日本陸軍が極秘裏に北京原人の骨の入ったトランクを偵察機に積んで内地に持ち運ぼうとします。しかし、途中で米軍機に攻撃され、偵察機は中国山地に不時着します。
数十年後、北京原人の事など何も知らないズッコケ三人組が、ある出来事から墜落した陸軍の偵察機に財宝が積まれているという噂を聞きつけて探しに向かう、という話です。

ラストは読んでない人のために書きません。単純なハッピーエンドではなくかなりひねってます。



#5393 
NF 2005/01/06 21:21
追加

何か↓で尊氏について結構めちゃくちゃ書いたけど、個人的にはこの人は他人な気がしないといいましょうか、割と自分とダブるところがあるといいましょうか。「謎の行動」といわれる部分もなんとなくわかる気がしてしまうんですよね。



#5392 
NF 2005/01/06 21:16
遅くなりましたがあけましておめでとうございます

本年もよろしくお願い申し上げます。
新年のTVはほとんど見れてないです、少々トホホな気分。
>徹夜城様
尊氏ですが、よく考えると確かに一般的とは言いがたいキャラクターですね。幕府を開いた直後、田楽(当時の最先端の娯楽でした)に耽溺して直義にたまには政治を見るよう諫言されてます。その際、尊氏は「政治はお前たちに任せてある、私はもはや人生も半ば過ぎたのだから(この頃、彼は30過ぎたばかりだったはず)、余生を楽しんですごしたい」と答えたそうです。直義に「それなら小さなことは我々に任せ大きなことのみ見るようにしてください、田楽は日を定めて楽しんでください」と言われその通りにしたとか。尊氏の無欲さを示すエピソードとして語られますが、なんだか「ゲームは一日一時間以内にして勉強もしなさい」と母親に言われている小学生と同レベルに思えてしまうのは私だけでしょうか。現代に生まれていたらオタクになっていたかもと思われます。あと、何かといえば引っ込みたがるところから悪くすれば引きこもりになる危険性も…。「一般人」の代表でなく「逸般人」代表であったか。
ところで、尊氏と西郷隆盛の類似性については直木三十五や菊池寛も指摘していたことがあります。私が考える二人の共通点は
@時代を代表する巨人として当時からも後世からもいわれますが当人が直接何をしたか、なぜ偉大だったかは案外はっきりしない。
A性格的に隠遁・自殺願望があった。
B天皇を報じた新政府樹立に功績があったが、強権的な新政府への不満分子からそのカリスマゆえに担ぎ出され反乱(一方は一応成功しもう一方は失敗するという違いはありますが)。
といったところでしょうか。長々と書き連ねてしまいましたが、改めて本年もよろしくお願いいたします。



#5391 
景虎 2005/01/06 11:06
加藤茶

あけまして、おめでとうございます・・・って、この挨拶もいつ頃から使われていたのか、ふと気になってしまった、そんな新年でした。

>時空警察
昨日、この番組を観ていたら、島原の乱に豊臣秀吉(加藤茶)が乗ったヘリコプターが現れ、それをみた一揆衆が「天狗様じゃ〜!!」とか言って喜ぶという迷場面に、度肝をぬかれました。その帰りに、豊臣家滅亡後の家康に会って、喧嘩してからもとの時代に帰るという・・・何というか、ドリフのコントのようでした。
とんでもない番組ではありましたが、加藤茶の秀吉というのは、中々よかったです。

>大化改新
残念ながら観れませんでした。
まあ、聖徳太子のように再放送があるでしょうから、そのときにでも観ます。



#5390 
徹夜城(短い正月はホントに寝正月だった管理人) 2005/01/04 23:19
オオバケの改新

 昨日放送されたNHK大型ドラマ「大化改新」、今日になって録画で見ました。脚本は「太平記」の池端俊策さんですが、前回の「聖徳太子」と違って「太平記」出演組はほとんどいませんでしたね。いずれも端役に近い(といっても場面はさらう役)出演者として六平直政さんが出てましたけど…
 主役の中臣鎌足に「V6」の岡田准一。「ナマゴミノカタマリ」などとギャグにされる歴史上の有名人に意外なアイドル系キャストで来たわけですが、なかなか存在感ある演技だったかと。強いて言えば理想的に善人すぎる嫌いはありましたが。
 その鎌足の友人であり最終的には鎌足に倒される蘇我入鹿に渡部篤郎。その前日放送の「国盗り物語」では明智光秀で、大河「北条時宗」における「赤マフラー時輔」以来すっかり屈折的性格の悪役(?)まわりが板についてきた感じがします。この入鹿役も「マフラー」していてなんだか心配になったのですが(笑)。ヒロインが木村佳乃で「時宗」とカブってるしな〜。

 他のキャストでは蘇我毛人に原田芳雄、南淵請安に仲代達矢、宝皇女=皇極女帝に高嶋礼子、軽皇子=孝徳天皇に吹越満(そういやこの人も「時宗」組だ)、蘇我石川麻呂に伊武雅刀と脇はしっかり固めた、という感じ。時代的にも近いから「聖徳太子」とキャストがかぶるのを避けたってこともあるでしょうね。
 注目していたのは大化の改新のもう一人の中心人物である中大兄皇子(天智天皇)。小栗旬という聞かない俳優さんが演じてましたが、結構それっぽかったかと。ただメインは鎌足と入鹿の愛憎劇なので中大兄はおまけ的存在になっちゃってました。

 時間枠の問題もあったのでしょうが、鎌足と入鹿と与志古の三角関係愛憎劇がメインでほとんどの時間をそっちに割いているため、歴史的事件は割と駆け足。入鹿による山城大兄皇子一族殲滅の背景推理(皇極がそそのかしたものとされ、父の毛人が非難したことともつながってくる)なんかは面白いところでした。
 中大兄が蹴鞠をしていて靴を飛ばし、それを鎌足が拾うところ(もっともドラマではそれ以前に会っていた事になってた)。入鹿暗殺の直前に上奏文を読んでいた石川麻呂が震えだして入鹿に不審がられるところなど、歴史的名場面は少ないながらも入っていて、「おお、この場面が映像で!」と喜んじゃったりするところは歴史映像オタクならでは(笑)。
 次はぜひ「壬申の乱」を大河枠でやってもらいたいもんです。



#5389 
ひで 2005/01/02 17:02
謹賀新年

本年もよろしくお願い申し上げます。

新年最初の1日は「新シルクロード」第1部を見たり(第2部はどうでも良かったのでとばしました)、たけしのエジプト番組を見たりしながらごろごろと1日を過ごしてしまいました。シルクロードに関しては、外国のテレビ局が入って良い場所には色々と制限があったり、移されているものは一面にすぎないのだろうとはおもうけれど、前のシリーズ放映から20年以上の年月を経た今、どうなっているのかを比べるとずいぶんと変わったところもあるのだなということを実感させられました。鉄道がディーゼルになっていたり、車が増えたり、人々の服装の種類が増えていたり・・・。一方で玉の採掘があそこまで大規模になるといつまで石が取れるのかなどよけない心配もしてしまいましたが。2日に第1回放送および、25年前の旧シリーズも続いて放送されますが、どちらも楼蘭を扱っています。25年前のものと新しいもので何か変わったところがあるのか、その辺を比較しながら楽しもうかと思います。

たけしのエジプト番組の方は、まあこんなものなのかなあという気がしました。でも、あれでいいんだろうか?個人的に興味を持ったのは、ラムセス2世のミイラをフランスで修復するために調査したとき、鼻に胡椒が詰められているようすがレントゲンに写ったという話題です。胡椒というとインドが原産地ですが、インドの胡椒がエジプトに入るルートというと、陸路で入ってきたのか、はたまたインド洋交易で入ってきたのか、その辺のところが何か分かると面白いかななどと思いました(番組では全く触れられることなく終わってしまいましたが)。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#5388 
不肖δ 2005/01/01 22:24
タッキーかっちょええ(笑

あけまして、おめでとうございます今年もよろしくお願いします。
さて、
予告編を見た限りでは期待できるのではないでしょうか2005年
NHK大河の義経。五条大橋の決闘が、もう映画キルビル状態(笑
あ、元々、飛んで刀の上に人が乗っかる案って弁慶と義経の対決の
伝説がオリジナルというか元ネタなのでしょうか?(笑
NHK大河って時代考証重視でチャンバラは軽視気味な感じがしますが
(その考証もズタズタですけど)予告編、見た限りでは近年まれに
見るような力の入れようって感触がしました、チャンバラが。
タッキーがかっちょええですね(笑
きむたくサンを超えたんじゃないですか、じゃにーず も世代交代か。



#5387 
徹夜城(正月三日から出勤の管理人) 2005/01/01 13:25
謹賀新年

 あけましておめでとーございます。今年も皆様、よろしくお願い申し上げます。
 元旦の朝方から茨城地方はいきなり地震。よく地震のある地方とはいえこのところ大地震ニュース続きのせいもありイヤ〜な初目覚めでした。妙に長い震動でしたし。

>NFさん
>恵まれた条件で育ち強運で、性格に甘さがあり、寛大で気前が良く大らかさな
>一方で夢想的で小心で迷信深く投遣り・内弁慶
 おお…見事に尊氏の特徴をまとめておられますね。まさしくこのとおりなんですが、「日本人らしい日本人」はどうでしょうか。確かに信長なんかと比べるとフツーの人という気はするんですけどね、少々言動に普通じゃないところ、常人(当時の人を含む)の理解を超えたところがあるのも事実のようで。
 彼の「出家or自殺願望」を含むヘンな言動のいくつかは「太平記」が記しているわけですが、「太平記」の原型本は足利直義らが「検閲」し修正を施させたという逸話がありますね。欠本となっている一巻は細川頼之が焼き捨てたなんて噂話もあったりしますから室町幕府関係者も「太平記」をチェックしてはいたらしい。それでもああいう尊氏の変人言動がそのまんまになっているというのは実際にそうだったから、ということかなぁ…と思ったりもしています。

 今年はCSで大河ドラマ「太平記」全話の放送があるわけですが、それで我がHPの「太平記大全」を見に来る人はどれほどいるのかなぁ…とちょいと注目しています。なんとなく年末あたりから太平記コーナーのアクセスが多いような気はするんですけどね。
 今年の大河ドラマは「義経」ですが、予告編&番宣を見て、さらにドラマストーリー本を買ってしまったらなんだか期待できそうな気がしてきて困った(笑)。「義経」という素材に新鮮味がなくて敬遠していたんですが、なかなか豪華な顔ぶれと平家側の描かれ方に見てみたい気がかなり増大。戦国ものではないきらびやかな鎧の合戦シーンに見入ってしまうあたりは「太平記」症候群でもありますかね(笑)。


>galleryさん
 漫画「ナウシカ」ですが、確かに「ヴァルハラ」のセリフがありましたっけね。まぁ戦士たちが赴くあの世ということで持ち込んだんでしょうが(他の漫画・アニメでも例がある気がする)、総じていろんなものをあっちこっちから持って来てブチこんでいるということなんでしょうね。

 話を少々強引に僕の個人的趣味の領域に持ち込みますが(笑)、北欧神話ネタをふんだんにブチこみつつ独特のSF世界を創造してしまった傑作ゲームに「虚空漂流ニルゲンツ」(マイクロキャビン製作)というのがございます。「虚空世界アスガルド」を舞台に飛行機ばかりが乱舞する、思えば宮崎駿が好きそうな内容でもありました。PC−FXという超マイナーマシンに特化した専用ゲームゆえに移植もされず(NECの3Dボード専用としてパソコンに移植されたことがありますが…)世間的にほとんど知られていない逸品で、「信者」の僕などはついついこうやって機会をとらえては宣伝につとめたりしています(笑)。
 北欧神話ネタといえば「銀河英雄伝説」の帝国側の宗教はゲルマン系ということでなのかソレっぽいものみたいですよね。



#5386 
NF 2004/12/30 01:44
ああっ…!

>gallery様
お名前のスペルを間違えてました、大変失礼しました。申し訳ありません。



#5385 
NF 2004/12/30 01:40
尊氏

>徹夜城様
僕も一応今日で仕事納めです。尊氏は確かに向う受けしにくそうですね。政治は直義がやってるし、戦では大事なところでは勝ってはいるもののどう勝ったかがいまいちはっきりしない(しばしば運で勝ってる)、天下取りに邁進してるのにさほど野心家というわけでもない(むしろ個人レベルではやる気のなさ・覇気のなさが目に付く)。「結局、この人自身は具体的には何やったの?」というのが判然としないわけで。山路愛山「足利尊氏」ではほとんどを時代背景の描写に費やし、尊氏本人については最後に申し訳程度に「いい人でした」で終わってたくらいで。でも考えてみれば恵まれた条件で育ち強運で、性格に甘さがあり、寛大で気前が良く大らかさな一方で夢想的で小心で迷信深く投遣り・内弁慶、というのは日本人一般にもあてはまるかも。ひょっとすると「誰よりも日本人らしい日本人」かも知れません。
>近親婚
遺伝性疾患などは近親婚だと出現しやすくなるとはいいます。遺伝的に近いと遺伝的共通点も多いわけで、遺伝性疾患の遺伝子も子孫に伝わる危険がそれだけ高くなるわけですね。まあ、全体の比率の中でどれだけ影響が出てるかはわからないですが。
>gallary様
撲針愚の解説はどの出版社でもないようです。調べてみるまで民明書房と思い込んでました(笑)。歴史バカマンガですか…。候補になりうる中に「KYO」のようなメジャーなのがあるのがなんだかなあ…。楽しみにさせていただきます。



#5384 
gallery 2004/12/30 00:49
風邪のための治し方

>『風の谷のナウシカ』
原作漫画(徳間書店)では、戦死した兵士たちに、クシャナが「ヴァルハラ」で先に待ってるよう叫ぶシーンありますし、ナウシカが「黄昏の世界」、神聖皇兄ナムリスが「黄昏の王国」と世界を称しております。更に、世界最終戦争が「火の七日間」でありますから、こりゃ北欧神話ではないかと。
…と、いうことはつまり、アニメでの「世界で最も邪悪な一族の末裔」たる巨神兵とは、巨人族「火の巨人スルト」ということになりましょうか。

ストーリーはともかく、世界観のモチーフは、【『エッダ』の「ラグナレク」後の世界】…ではないかと推測するのですが。

http://www.chukai.ne.jp/~gallery/baka-manga.html


#5383 
徹夜城(年内の仕事は一段落した管理人) 2004/12/29 23:14
仕事納め

 厳密には明日も仕事があるんですけど、一応今日でほとんどの仕事が終わりました。とか言いつつ年明け三日にはもう仕事なんですけど…
 昨日で仕事納めのところが多かったようですが、思わぬ「仕事納め」を見つけて驚きました。産経新聞一面コラム「産経抄」を35年間も担当してきた石井英夫氏が唐突に昨日付けでコラム執筆を降りたのです。前触れはまったくなく(前日のラジオで発言していたらしいですが)、ある意味「看板」でもあったわけでなんかあったんかいな、と思ったりもして。
 「ゴンドワナ大陸」をムー大陸と同列に扱い、「えひめ丸事件」で必死に引上げ作業に反対し、アフガン攻撃では「米英軍にノーベル平和賞を」とのたまい、イラク戦争では「大量破壊兵器の存在」を理由に開戦をとことん支持し、それが崩れた途端「そもそも戦争に大義は無い」と開き直り…とツッコミどころ満載のコラムで「史点」でもずいぶんネタにさせてもらい(笑)ひそかに「愛読」していたりしたわけですが、いきなりの降板には一抹の寂しさもあります(笑)。


>ひでさん
 私なんか年賀状ぜんぜん書いてないんですよ(^^;)。もともと早く書き出すほうではないですし、そうこうしているうちに冬期講習で忙しくなっちゃうし…家族に頼まれて毎年恒例の干支のイラスト(「多趣味の城」トップページに一年載せるアレ)を描いた程度です。「酉」は基本的にニワトリのことなんですが、キャラクター化しにくいですね、こいつは。


>ななさん
 「継体天皇エフタル説」はあの小林惠子さんでしたか、なるほど…お知らせくださり、どうもです。


>NFさん
 あ、そうでしたか。僕はずいぶん以前にその「日本史探訪」を読んでいたんですが、すっかり記憶違いというか、司馬遼太郎が言ったものと思い込んでいたという事ですかねぇ…だとしたらこの件、今まで何度かあちこりで言いふらしており申し訳ない限り。
 それとは別に、尊氏ってどうも一般歴史ファンにも人気が出そうな要素があんまりないのも確かですね。もともと北条氏の次に権勢があった家のお坊ちゃんだから下剋上的面白みは全然無いし、怜悧な陰謀家というわけでもなく政治的には甘ちゃんで失策も目に付く。戦争だって特に強いわけではないし。弟や息子と争い、なんだかんだで布団の上で死んでますが家康みたいに全てを成し遂げて…というわけではなく中途半端なところで終わっちゃってる。
 大河ドラマ「太平記」はこの点でも相当に苦労してましたね。演じた真田広之さんも役作りではいろいろと考えていたようで「なまじ使命感があるからカッコ悪い部分をみんな背負ってしまったのでは」という分析には「脚本家の先をいってる」と脚本の池端俊策さんにも感心されていましたっけ。

 手塚漫画における兄妹の擬似恋愛関係…というのは初期の名作「ロストワールド」のラストの件ですね。あれはもともと「夫婦」とするところを子供向け(むろん時代性がある)ということで控え「僕たち兄妹になろうよ」としたわけですが、それでいて「僕たちは王様と女王様」とか「アダムとイブ」といった例えがそのままである上、その二人が上半身ヌード状態であるためかえって背徳的淫猥に見えるというヘンな効果を生んでおります(笑)。
 赤塚不二夫氏はじめ多くの漫画少年達に衝撃を与えたというこのラストシーンはそういう要素が意図せざる隠し味になっていたかとは思えます。ついでに言えば続く「メトロポリス」の「ミッチイ」の両性具有的キャラクターにもどこか似た「エロティシズム」を感じちゃったりした漫画少年達は多そうです(矢口高雄氏が当時このミッチイに「恋」してしまったことを漫画で描いてましたな)。


>galleryさん
 僕が大学の教養過程でなんとなくとった社会学の授業で、講師の先生が「近親婚は生物学的に見れば絶対に忌避されるほどの危険性の高いものではなく、人類における近親婚の禁止はあくまで社会的なタブーである」という主旨の説明をしていた覚えがあります。遺伝的な話は「実験」してみたいとなんともいえないわけではありますが…古代エジプトや南米インカ帝国などでは皇帝の血統を守るため兄弟姉妹婚が伝統的に行われていた気配がありますが実際に跡継ぎになるのは側室の生んだ子供のケースが多かったなんて話も聞きます。
 日本の飛鳥時代ごろの皇室も感覚的にはそれに近いものがあったのかもなぁ…と系図を見ていると思います。皇室内だけでなく蘇我氏や藤原氏みたいにやたらと皇室と縁続きになっている家もあるから血縁はさらに濃いですよね。


>不肖デルタさん
 まぁ宮崎駿さんの場合はとにかく博覧強記な人ですから、ありとあらゆる要素に首を突っ込んでいて、それらの「組み合わせ」で作品世界を作ってるというべきでしょう。「ナウシカ」が「オデッセイア」と「蟲愛ずる姫君」を元ネタとしていることは本人も書いてますが、その世界観にはなんとなくインド的というか中央アジア的というか、の匂いを感じてしまうところです(アニメの音楽もなんとなくそうでしょ)。そういや「ラピュタ」でも「ラーマヤーナ」がどうのと言うセリフがありました。


>Кискаさん
 これはどうも、面白いお話を。
 「あなたの息子さん」…ですか(^^;)。日本人としてはちょいと対応に困っちゃうジョークですかな。先日見た秩父事件の映画「草の乱」でも主人公のお孫さんが主演の緒形直人さんに会って「おじいさんに会えました」とか言ってましたっけ。



#5382 
Киска 2004/12/29 22:00
「あなたの息子さん」

徹夜城様、これは映画の掲示板の方がよかったかな?
ソクーロフの新作「太陽」については、『カシタンカ』(アントン・チェーホフ著児島宏子訳未知谷)の訳者あとがきに少々触れられていました。

この映画が話題作だからなのか、ロシアの映画の撮影現場はだいたいそういうものなのか、その撮影現場にはいろいろな人が見学に行くようです。
児島さんが著名なアニメーター、ノルシュテインと行った時には、これまた有名なチェリスト(指揮者でもありますが)のロストロポーヴィッチが訪ねていて、天皇役の俳優に向かって笑顔で一言。
「あなたの息子さんと仲良くしています。」
児島さんは戸惑った。
「だって彼に二人の娘はいるが息子はいない・・・。息子がどこかにいるというのだろうか?」
勿論、「あなたの息子」は今の天皇のことです。





#5381 
不肖デルタ 2004/12/29 12:36
少数民族でいうと

>エフタル
高校の歴史は世界史を専攻してまして、その名前は聞きました、
結構、名前を覚えているのは、中国周辺国名って、だいたい
漢字で当て字をして登場するなか、横文字で出たからかな。
自分は特に知ってる事は無いです、すんません。(笑
ナウシカの原作漫画は確かにエフタルと名前を もろに
使っていますね、まぁ、こんな知名度が低い名前はもろ
出ししても誰も突っ込まないだろうと監督も油断したん
だったりして(笑)まぁ、其れを突っ込んだ徹夜城さんは
やはりすごいですな。(笑
国名は、どうか知りませんが、ナウシカの話しの世界観は
何だかインドの古代神話みたいだな、って感じてます。
土鬼帝国が国土を荒廃させてでも最終兵器を使っていく〜と
いうあたりがインドの古代戦争の叙述に似てるな、と漠然と。
稀少頻度民族名といえば、中国の少数民族の猫(ミャオ)族、
この人々の民族名の由来って何なのですか?長い事、気に
なっていたもので。




#5380 
gallery 2004/12/29 01:57
近親婚はバカになる?

>妹萌え
考えてみたら、世界各国の神話では「妹萌え」当たり前ですね(笑)
以前、近親相姦について調べた事があるのですが、どうも遺伝的には(多少の影響はあるが)飛躍的に障害の発生する確立が上がるということもなさそうとのこと(学者によっては異論も多し)。さすがに実験する訳にもいかんので、実際にどうなるかは不明ですが。。
むしろ、現在では戸籍(法律関係)、家族関係(生活環境)による弊害が洒落にならないことになるようです。最近であった例を知らないので、定かではありませんが。
ただ、この問題で悩んでいる人は実際にいるようで。関西深夜『ダウンタウン也』(10数年前)での視聴者相談コーナーで、「兄を好きになって…」というモノがあり、松本人志が「鬼畜やで、キミ」「それで生まれた子は、どうなるんや?」と言っておりました。

>徹夜城様、電気羊様、NF様はじめ、うちのバカサイトに物好きにも来て頂いた方々へ。
すみません。こんなバカ見せてしまいまして(笑)
色々更新予定ではありますが、そう言えば「バカ歴史漫画」なかったな、と気付きまして。
ありましたら、何か崩壊したような歴史漫画を紹介していただけると有り難いです。
 (万一、「ヘンテコ…」の方で採り上げるご予定でしたら撤回します)
歴史を踏まえつつフィクション加味した作品(山田風太郎、隆慶一郎の原作など)や、『内閣総理大臣・織田信長(白泉社)』などの純粋なギャグ漫画は除きます。ちょっとボーダーライン難しいですね。
個人的な候補としましてはこんな漫画など、どんなもんでしょう?

・片山まさゆき『SWEET三国志(講談社・ヤングマガジン)』全6巻
…内容は吉川英治。横山光輝で60巻もあるのに、それを6巻に縮めたもんだから中身薄い薄い。絵は『ぎゃんぶらぁ自己中心派』と何ら変わらず。何故か、呉の人々は関西弁(笑)

・上条明峰『SAMURAI DEEPER KYO(講談社・週刊マガジン)』現在好評(?)連載中
…時代考証、歴史への配慮など欠片も存在しない。歴史上の人物が大量に登場するが、その必然性まるでなし。単なるバトル漫画。現在の主人公のパーティが、伊達正宗、徳川秀忠、真田雪村、出雲の阿国。敵は織田信長。どうしろと言うのだ……

おまけ>NF様、「撲針愚」って、確か民明書房でしたっけ、それとも太公望書林?(笑)

http://www.chukai.ne.jp/~gallery/baka-manga.html


#5379 
NF 2004/12/29 00:48
中村直勝氏について

>徹夜城様
なるほど、そういえば大和・飛鳥時代の皇室系図はすごいことになってました。たしか手塚漫画で、直接的に恋愛を描きにくい時代だったせいかどうかは忘れましたが兄妹で擬似恋愛関係の描写をすることが多かったような。

ところで、少し古い話の重箱の隅をつついて申し訳ないのですが、本で見る限り「日本史探訪」で「尊氏は逆賊だから嫌い」と言ったのは司馬遼太郎氏でなく中村直勝氏だったように記憶しています。そのあとで「尊氏は安穏とは人生を渡ってない、偉い」とか「近世の幕を結果として開いた、そういう意味で尊氏は好き」とかいってたので「一体どっちやねん」と読みながら突っ込んだ覚えが。まあ、中村氏は皇国史観の時代に学者として活動していたのでそういう発言が出てきたのかもしれません。ただ、この人は皇国史観時代の学者といってもその中で可能な限り実証を重視し鋭く真実を突いていたようで、例えば平泉澄氏などとは一線を画していると思われます。著作「吉野朝史」で「鎌倉時代を以て中世の終とするならば、室町時代を以て近世の初頭と言はねばならぬかと思ふ。」「この吉野朝期に、中世は終りて近世は初まったと云ふ感が深い。」と言ってるのを読んで感銘を受けた覚えがあります(南北朝あたりから商業勢力が無視できなくなり軍事的にも傭兵の比重が高まり、文化的にも都市民衆の力が強くなりますよね)。少し長くなりましたが、僕の大学の先輩というべき人らしいので話を出させてもらいました。



#5378 
なな 2004/12/28 23:27
継体天皇はエフタル人?

私もまったく詳しくないんですが…。
ネットで見てみたら、下の2サイトの解説が詳しかったです。
徹夜城さんのご説明と大部分かぶっちゃいますが。
http://www.tcat.ne.jp/~eden/Hst/dic/ephthal.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%95%E3%82%BF%E3%83%AB

継体天皇エフタル人説は、
小林恵子著「二つの顔の大君」という本が元だそうですね。
amazonにはすでになかったので、古い本なのでしょうか。
↓このサイトに若干の解説があります。
http://www.alphatec.or.jp/~higaki/korea/book02.htm

↑「二つの〜」の真下が、村井章介氏の「中世倭人伝」の紹介で、
私、ずっと前にも「二つの〜」の、この紹介文を読んだ記憶があるんですよね。
この伝言板で過去にエフタルが話題になったことは…なかったっけ?



#5377 
ひで 2004/12/28 22:24
ちょいと早い気もしますが、

皆様、良いお年を。
とは言ってみたものの、未だに年賀状を1枚も書いていないので、明日の朝にでも早起きして書かなくてはいけないし・・・。枚数自体はたいしたことはないけれど、やはり早めにやっておくべきだったなと思います。

>姓の話
元末に「張・王・劉・李・趙」の五姓を殺せと提案した人がいましたが、そんなことをやったら人口はかなり減少してしまっていたでしょう。しかし、ある特定の姓の人を殺せなんて「リアル鬼ごっこ」の世界ですね。

>エフタル
日本でこの辺に関して書かれた本や論文をさがすとなると、榎一雄著作集あたりを見るしかないのではないかと思われます。たしかそのなかにエフタル関連の論文も入っていたはずです。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#5376 
徹夜城(今日は夜からお仕事の管理人) 2004/12/28 12:55
「妹萌え」のルーツ

>NFさん
 すでに指摘されている話題だと思うのですが、昨今の日本のいわゆるオタク文化で流行している「妹萌え」現象はさかのぼっていけば古代日本ですでにあったものだともいえるのですな(笑)。そもそも女性の恋人・妻のことを「妹(いも)」と呼んでおりまして、「日本書紀」ではわざわざ「妹」表記について「これは妹ではなく妻のこと」と注釈を入れなければならなかったほど(だから「書紀」の執筆者に中国系がいたのではないかと言われたりしている)。
 飛鳥時代の皇族の家系図を見ればわかりますように異母きょうだいの異性は結婚対象でした。結婚しないまでも兄と妹、あるいは姉と弟の間に恋愛関係っぽい話は実に多い。もっとさかのぼる時代の話として『古事記』では垂仁天皇(第11代)の皇后・沙本媛(さほひめ)がその兄・沙本毘古(さほひこ)に「お前は兄と夫といずれが愛しいか」と聞かれ「兄上が」と答え、兄から夫の天皇を殺害するように言われ悩む話が出てきます。結局沙本媛は殺害をためらって夫に告白するものの最後は兄と共に死んでしまい、どうも単なる兄と妹だけではない関係であったととるのが素直だろうと思える逸話です。
 ま、古代史でこの手の話が多いというだけで、その後に同様の流行(?)があるのかと言われると苦しいところなのでありますが(笑)、昨今の「妹」ブームにはちょっとそんな伝統を思い浮かべたりするわけです。

 で、韓国の話になるわけですが…
 「同姓不婚」の原則(一応本貫が同じものがダメ)は最近までもかなり厳しく、同姓同士の結婚が法律的に認められたのは調べてみたら1997年のことでした。それでも8親等以内の親戚とは結婚できない(つまり「いとこ」も無理)という厳しさです。これまでも同姓でも本貫が違えば結婚できたといっても、親戚や周囲からはやはり近親婚的にスキャンダラスにとらえられたことも多かったようです。余談ながら最近日本でも公開されて話題になった某映画の衝撃度というのはそういう事情も勘案したほうがよさそうです(ネタばれなので詳しく書けない…)。
 なお、先ほど調べてみましたら「五大姓」(金・李・朴・崔・鄭)が全人口内に占める比率は54%と出ておりましたので、前の書き込みで「90%」とか書いちゃったのは取り消します。さすがにそんなに多くは無かったか(^^;)。
 それでも全人口の5人に1人は金(キム)さんという状況であるわけで、大変なもんです。



#5374 
NF 2004/12/28 01:41
同姓不婚

>ミス投稿はつい先ほど削除しておきました。
ありがとうございます、御手数おかけしました。

中国・朝鮮半島の苗字の話でふと思い出したのですが、かの国々は儒教の影響で「同姓不婚」が原則だったような。実際には本籍地が違えばOKなど除外規定はあるらしいのですが、苗字のバリエーションが少ないと大変だろうなと思います。日本ではその辺が結構甘くていわゆるギャルゲーでも従兄弟やら義妹やらが攻略対象になってたりしますが、向こうでは近親間の恋愛はどこまでがタブーなのやら。「紅楼夢」では主人公とヒロインが従兄弟同士だったので苗字が違えば一応OKなんでしょうか?



#5373 
徹夜城(慌しくまた書き込む管理人) 2004/12/28 00:11
どうも本決まりのようですな。

>NFさん
ミス投稿はつい先ほど削除しておきました。たまたま直後に拝見しておりまして。

 皇位継承問題ですが、今日内閣官房長官から正式に「女性天皇問題」を扱う「有識者会議」が年明けに設置されることが発表されています。秋に報告書を出すとのことですが、これはもう設置を決めた段階で方向性は見えてますね。日本政治の手順パターンから考えて、「皇室典範改正」は事実上決まったということでしょう。「女性天皇」はほぼ確定として、問題は女性皇族の結婚問題になるかな。
 この時期にこの動きが始まったのはやはりそろそろ愛子ちゃんの「帝王教育」を始めるか始めないかの時期だからかもしれませんね。個人的にはかわいそうと思うばかりなんですが。
 しかし「男系」にこだわる派(実はかなり少数ではあるようですがいささか過激でもある)が騒ぐでしょうなぁ。それこそ旧宮家で「熊沢天皇」みたいのも出てくるかもしれません(笑)。これで神璽争奪事件でも起こった日にゃ、そのまんま後南朝ですね、って勝手に楽しんでますな、僕も(笑)。



#5372 
NF 2004/12/27 23:44
すみません、間違って送信してしまいました。

前のはできたら削除していただけたら。
皇位継承ですか…。ハプスブルク家の男系が断絶した際にマリア・テレジアとロートリンゲン家が婚姻して皇位継承した事例を連想する人もいそうです(それでもハプスブルク家断絶とはあまり言わない気が)。皇室を残すという観点から言えば、男系とか言ってる場合じゃない気もするんですが…。
そういえば熊沢天皇に代表されるように自称「南朝の末裔」が結構あちこちにいるようです。友人が昔、そうした南朝末裔を勝ち抜きさせて勝ち残ったものは生命力もそれだけ強かろうから現皇室と婚姻させる、といったことを冗談で言ってたような。

>gallary様
「ローマの星」、ローマ人が巨人の星やってるのもさることながらネロ皇帝の時代に異種格闘技ですか。さすがは「撲針愚」を考案した皇帝だけある、って違う漫画のネタでしたね、すみません。



#5370 
徹夜城(アシモフコーナーが10万アクセス超えしてたことに気付いた管理人) 2004/12/27 23:28
津波の恐怖

 スマトラ沖地震、結局マグニチュードは修正されて9.0に。阪神淡路大震災の1600倍、ここ100年で4番目か5番目となる超巨大地震であったとのこと。過去100年での最大規模って1960年のチリ地震だったのですね。
 情報が次第に明らかになるなかで震源地に近いアチェー付近も津波以外でもかなりの被害が出ていることが明らかになってきました。前の書き込みで「地震そのものの被害はたいしたことない」などと書いてますが、明らかに間違いでした。
 アチェーの辺りってインドネシアからの独立運動も盛んな地域で、それも絡んでややこしくなる空気もありますねぇ…。


>電機羊さん
 中国の同姓同名問題は確かに深刻でしょうね。日本ですら結構ある話ですが中国ではなおさら…姓のバリエーションは決して多くは無いですからね。
 歴史上の人物まで含めると同姓同名はそれこそかなりの数に上ってしまいます。僕の専門の倭寇の親分・王直だって明史に同姓同名の人物がいたりしますし(まぁ倭寇の王直は本名ではないのですが)。作家の陳舜臣さんも歴史上に同姓同名が何人かいるとか書いてらした覚えがあります。姓こそ違えどお隣朝鮮には「李舜臣」もおりますしね。
 韓国・朝鮮ではなおさら姓のバリエーションが少なく(五姓で90%以上を占める)、それこそ問題が起こっている気がするのですが(特に女子の名前のバリエーションが少ない気がする)実際どうなんでしょうかねぇ。
 韓国語ペラペラになっちゃって講座本まで描いてしまった漫画家・高信太郎さんがその本の中で、知り合いの韓国人がみんな高さん留守中の電話で「キムから電話があったとお伝えください」とだけ家族に伝えることに「どのキムさんかわからんじゃないか!」と閉口したという話を書いてました(笑)。不思議と韓国人たち当人はそういうことに気を回さないらしい?

 「漢人八旗」の件は実に面白いですね。そもそも清帝国というのが満州族国家からスタートして早くから「八旗制」など多民族国家を自認する存在となっていき、実際に「中華帝国」となっちゃってからも歴代皇帝が「中華皇帝」としての顔と「遊牧世界のハーン」の顔との両方を演じていた、文化面では満州族の弁髪風俗を強制しておいて「中華文明」の体現者・総合者であろうとしたという、近代以後の「民族国家」的観点からは理解しがたい多面性がありますよね。それは恐らく清だけでなくそれ以前の中国歴代王朝にもどこかしら存在した部分があるんじゃないかと思っていまして、中国史における「民族」の問題を考える際にはいろいろとヒントになる部分も多かろうと思ってます。そしてその「清」は日本史で言えば江戸時代みたいなもんですから当然その後の現在に至る中国に濃厚に引き継がれているはずで、現代中国の理解をする上でも清代の民族問題って重要だと思うのですよね。
 僕自身は明代の「倭寇」を扱ってますが、これも個人的には現在の東アジアから東南アジアを理解する一つの研究対象だとは思ってるんですよね。まぁあんまりそういう「学術的下心」よりも単に話が面白いから追い回しているのが実情ですが(笑)。


>珊さん
 「エフタル」については僕もちっとも詳しくないんですが、商売道具(笑)である山川の世界史用語集をひもといてまとめますと、
「5C〜6Cに中央アジアで活躍した騎馬民族。中国名はエンタツ(「口+厭」「口+達」)または白匈奴。トルコ系またはイラン系。トルキスタン・西北インドにも侵入、グプタ朝衰亡の大因でササン朝東方の強敵。6C後半に突厥とササン朝に挟撃されて壊滅。」
 というあたりになります。なお、エフタルを壊滅させたのはササン朝最盛期の王で東ローマのユスティニアヌスともやりあったホスロー1世だったとのこと。余談ながら宮崎駿の漫画版「風の谷のナウシカ」にもなぜか「エフタルの民」ってのが出てきたような。「クシャナ」の件も含め、世界史用語集のこのへん見て名前つけてないかという疑惑がちょっとあったりする(笑)。
 しかし継体天皇とエフタルがどこでつながるんでしょう?




#5369 
2004/12/27 20:08
新参者ですが・・・

えーー皆様、始めまして。何処からともなく迷い込んで来た者で御座います。なにぶん宜しくお願い致します。
 さて今日は皆様の御高尚な会話に、突如として稚拙な質問を入れてしまって大変恐縮なのですが、皆様はエフタル人という人々をご存知でしょうか? かの継体天皇もこの人種だったという民族です。中央アジアの辺りにいた遊牧民だったらしいということは自力で何とか判ったのですが、其の先が、どうも、いけません。自力で調べられる範囲は探したのですが、見つかりません。   そういうわけで史学について博学な皆様に
質問をさせて頂いたわけです。どうか、なにか些細な事でも構いませんので、ご存知の事が御座いましたら書き込みを宜しくお願い致します。



#5368 
電気羊 2004/12/27 16:57
中国の姓名・民族など

>徹夜城様
 満族・モンゴル族の民族登録について。
 ご指摘のとおり、既に漢族と通婚し、漢族同様の生活を送っていても、大学受験・一人っ子政策不適用などの優遇措置目当てに少数民族に登録するケースも多いと聞きます。少数民族への登録は、基本的にその民族の血が4分の1以上混じっていることが証明できればいいのらしいので。
 ただ、民族風の姓名を名乗るは単なる民族登録と異なり、それなりの証拠(史料・家譜など)と覚悟(漢族の価値観では奇怪な姓を名乗る覚悟)がいるので、そういう人はやはり元々満洲・モンゴル民族のそれなりに有名な氏族に属していると思われます。
 
>両親の姓を一字ずつとって二字姓を作るという流行
 最近、一部の地域で見られるようになったと聞きますが、全国的には広まっていないようです。この二字姓を作る流行ですが、その要因の一つとしては、同姓同名を避けるというのもあるようです。
 中国人の姓名は、姓の種類が少なく、しかも一字姓(単姓)に一字名の組み合わせが多いため、同姓同名が異常に増えて、大きな問題になっています。
 そのため、会社や役所の事務処理時には常に混乱といらぬ手間が生じ、ひどい例では同姓同名による誤認逮捕、病院での投薬ミスなどの事件が起きており、現在、頭の痛い問題になっているようです。

 ここからは余談になりますが、満族は、80年代初頭の約300〜400万人から現在の約1000万人と、わずか20年あまりの間に人口が3倍増(!)しており、これは自然増としてはあまりに激しい増加率です。
 その原因としては、他の少数民族と同様の
@辛亥革命後、民族名を隠して「漢族」登録していた人が元に戻した。
A優遇措置目当ての駆け込み登録。
が挙げられます。
 あと、満族に関してはそれ以外に、八旗制の成り立ちにかかわる部分で、
B八旗(漢軍)に属していた漢族の子孫が、新たに「満族」として登録した。
が挙げられます。
 特にBは、最近「増加」した満族の多くの部分を占めているそうです。
 周知のように八旗漢軍は漢族の投降者(旧明軍、三藩や鄭氏勢力)からなっていますが、彼らは満洲・蒙古旗人と同様に八旗を生活基盤とする「旗人」であったため、次第に一般の漢族とは異なる独自のエスニシティを持つようになり、現在に至って満族へと「戻った」とのことです。
 これは、「民族とは何か?」を考える上で非常に興味深いケースだと思います。




#5367 
徹夜城(冬期講習最盛期でヘロヘロの管理人) 2004/12/27 11:41
取り急ぎレス

 肩書きのところのとおりで、現在冬期講習の真っ最中。今日は午後からの出勤なのでなんとか書き込める…というところで。

>インド洋の大津波
 年の瀬にえらいことになってしまいました…。現時点で死者1万数千人とか。歴史上でも最大級の津波被害になってしまうようです。地震そのものの被害はそれほどでもないのですけど、改めて津波は怖いなぁ…と思わされるばかり。日本でも以前南米チリで発生した地震が起こした津波が太平洋を越えてきて多くの死者を出したケースがありますが、今回の規模はそれを大きく越える凄まじいものですね。


>電機羊さん
 現在の中国で満族・モンゴル族の姓に「戻す」動きがあるというのは興味深いですね。そういう方々は所属民族はそれまでも満・蒙だったんでしょうか?実際には漢族同様の生活をしていても少数民族の方が何かと好都合なので登録上は奏している、というケースも多いとか聞いていますので。
 あと中国の姓のつけ方では最近両親の姓を一字ずつとって二字姓を作るという流行もあるという話を聞くのですが…

 「2.26事件は壬申の乱」というのはあくまで笠原和夫氏の見解ですが、将校らの反乱が起こった直後に上京してきた(命じられてだと思う)秩父宮が上野駅で降車直後に「拘束」されたり、反乱将校らの処刑後に「死ぬ時に秩父宮万歳と言ってなかったか」と調査が行われたとか、いくつかの「傍証」はあるんですよね。まぁ秩父宮本人は関与していなくても反乱側にそれをにおわせる動きがあったか、あるいは万一の時に秩父宮をかつごうとしていたということはあったのかもしれません。
 宮様といえば昨日深夜にNHKが「高松宮日記の語る昭和史」(平成8年放送)のNHKスペシャルを再放送してました。先日の喜久子妃死去の追悼がてらなのでしょうが、なかなか面白かったです。高松宮が戦中は和平工作、戦後は天皇制存続に影に日向に動いていたという事実が浮かび上がり、中でも「東條英機暗殺」について秘書の細川護貞(近衛文麿の娘婿で細川護煕の父)と会話を交わしていたという秘話は結構ショッキングです。


>不肖δさん
 歴史上の人物の「肖像権」がどういうことになっているのかは僕も分かりませんが、書籍やTV番組などではその肖像画の所有者の許可を得る(○○提供と表示)、という形にはなってますね。


>原田さん
「サルと呼ばれた男」「イヌと呼ばれた男」とくれば「タヌキと呼ばれた男」で家康(笑)というあんがいありがちなパターンになるかも。ほかには「トラと呼ばれた男」で加藤清正か渥美清か(笑)。「ライオンと呼ばれた男」なら浜口雄幸がおりますね。


>NFさん
 はじめまして。いろいろとご愛読どうもありがとうございます。久々に更新するとアクセスで分かるんですが、「史点」はけっこういろんな方に読まれてるようでして…これからも頑張って更新していきたいと思います。
 HPのほうにはあとでゆっくりとうかがわせていただきます。


>アール・ケイさん
 確かに…明治・大正・昭和の天皇三代を真正面から取り扱う作品というのが媒体はなんであれ見てみたい気はしますね。近いものもないではないのですけど、なんだかんだで「菊のタブー」的な自己規制はありますし。
 それでも最近この三代の「近代天皇」についての客観的な研究著作が次々と現れるようになってきて、彼らもようやく「歴史」の範疇で語られだしたか、という感もあります。
 そういえばロシアの監督が「昭和天皇」の映画を製作するとかでイッセー尾形主演?なんて話も聞いたんですが、あれはどうなったんでしょうかね。関連話でつなげると、最近USAトゥデー紙がイラク戦争を批判するコラムのなかで「第二次大戦はヒトラー、ムッソリーニ、ヒロヒトの野望を打ち砕くという大義があった」という主旨の文を書いていたらしく、まぁアメリカ人の大半にとっては昭和天皇ってそういうポジションなんだろうな、と改めて思ったりしました。


>貧乏神さん
 競馬馬ネタ…おお、集めればあるもんですね、感動しました(^_^)。
 「メイショウ」シリーズは確かにまるで一貫性がありませんな。世界史事典か何かでランダムに引っ張ってつけちゃってるんと違うかなぁ…「ピサロ」なんて普通でませんよねぇ(笑)。
 そうか、「七月」は「七夕」がありましたね。六月ってホントになんにもないんだよなぁ。


>鵺さん
 南北朝サイトは戦国サイトにはまるっきり勝負にならないまでも、それなりに存在するものです。それも全体的なものではなく各地方別、一族別といいますか…もともとマイナーでマニアックなジャンルのせいもあり、HPの濃さも格別、という傾向もあるように思います(笑)。倭寇マニアサイトはさすがにあんまり無いようですが…(^^;)。「倭寇趣味」の普及に努めたいと思うばかりです。

 ネット上の膨大なサイトのアーカイブスですが、一応動いているものもあります。有名どころでは
http://www.archive.org/web/web.php
↑ここでは確か2000年前後からの全サイトのデータが保存されていて、すでに消滅したHPを探すことも可能となっています。僕もちょっとお世話になったことがありましたが、検索するのは容易じゃなかった(笑)。
 最近では国会図書館など各国政府機関でもHPアーカイブの作業を進めているようです。




#5366 
2004/12/27 05:41
名和氏HP、ネットアーカイブ

CSで前編放送の大河「太平記」、大全の方もアクセスアップになるのかしら(^^)。しかし改めて全話ダイジェスト作成+解説って偉大な作業じゃないかと。

ご存知かも知れませんが僕も南北朝HPを1つ紹介。なんと名和氏の専門ページです。同管理人さんの大坂の陣のHPを見たのですが、
詳しいし見やすい、それにエピソード類や主観を分離して書いてあって良いです。

http://tikugo.cool.ne.jp/nawa/index.html

しかし、良質サイトを見ていていつもアーカイブが必要性を思うのですよね。個人で作成されたHPは特に、知的公共財にも達しているHPもありますし、何らからの事情で閉鎖されてしまう場合も在り得ますよね。もちろん管理人の意思も在りますし、著作権プライバシーもろもろ等のアーカイブには問題もあるのですけど、やはりまだまだ日本語ウェブサイトって弱いですし・・歴史に限りませんけど。前に此処の掲示板の過去ログが既に歴史的資料の意気に達してる!なんて話が有りましたっけ(笑)。



#5365 
貧乏神 2004/12/27 01:30
歴史的馬名

なんか久しぶりの書き込みになりますが、馬名の歴史人物について少々。

基本的に、よほど問題になりそうな例を除けば特に制限なし、のようです。
確か、海外だと、サダムフセインという馬名が却下された例もありましたね。
日本では、人名そのものという例はあまりなく、冠名+人名というパターンが
多いようです。

たとえば、名優スティーブ・マックイーンにちなんだメジロマックイーンとい
う名馬がいますが、メジロ牧場では、年度ごとに特定のシリーズで命名するよ
うで、メジロベッカム、メジロオーウェン、メジロジダンなんてのもいました
(成績はちょっと…ですが)。

歴史人物となると、メイショウピサロ、メイショウモトナリ、メイショウヨウ
キヒ、メイショウラムセス…って、なんだ、この一貫性のなさは。
あと、不世出の名馬といわれるシンボリルドルフは、ハプスブルク家で初めて
王となったルドルフ1世にちなんで命名されたそうです。

近代競馬の本家イギリスだと、かなり古いところでヘロド(ユダヤのヘロデ王)、
その後、日本ではセントサイモンの名で知られる馬が現れますが、これは実は
サン・シモンのことだったりします。
アメリカでは、20世紀後半の競馬界を席巻した種牡馬ノーザンダンサーの産駒
に、その父の名との連想から、ニジンスキー、ヌレイエフといったバレエダン
サーの名が付けられています。
この辺は歴史的名馬といわれるクラスで歴史人名がつけられた例となります。

歴史的名馬というほどではないですが、日本に輸入されたノーザンダンサーの
孫でピルサドスキーというのがいますが、これはポーランド独立の父ピウスツ
キの米語読みです。

>東郷ビール
前に私も少し書いたネタでしたが、ロジェストウィンスキーラベルもあったと
いうのは知りませんでした。山本五十六ラベルというのも存在したというのは
知っていたのですが。

>酒飲み音頭
確か、六月は「なんにもないけど」、七月は「七夕」じゃなかったでしたっけ。




#5364 
アール・ケイ 2004/12/26 03:11
決め付けてしまうと

極端な言い方ですが、明治・大正・昭和の三代の天皇について
きっちり描写することが出来たらそれだけでとても卓越した作品(小説、映画、ドラマ)
になると思うんですよね。
逆にいうとそれが著しく難しいがゆえに、近代歴史ものの決定版は
いまだ現れないんだといえるのかもしれません。

昭和天皇は(私は実の父親だと思う)大正帝のことをホントのところどう思っていたか
(たぶん戦前と戦後では変わっている)、そこが重大なキーではないかと。
表向き「偉大なる」(いちおう「」付きにしておきます)祖父・明治帝を敬い意識し見習い、
その結果、国を無惨な方向に導いてしまったことを思い知らされたとき、
昭和天皇は口にするのもはばかられた父帝のことを思ったのではないかと。

その衰弱や死の原因が何であるかの謎解きは別として、
大正天皇がとにもかくにももう少し元気で長生きしていれば
(彼が頼った原敬が暗殺されなかったら彼の親政は続いたかもしれない)、
歴史は随分と違う方向に動いていったかもしれないんですが
(むろん所詮政治向きではない彼がいつまでも元老や軍部の圧力に抗しきれたとは思いませんが)
そういう風に書いている文章にはお目にかかったことがないんですよね。




#5363 
NF 2004/12/26 01:50


はじめまして、NFと申します。僕も南北朝ファンの一人でして、「太平記」大全等を楽しんで読ませていただきました。あと「史点」の大ファンでもあります。広いネタの範囲といい、(僕はどちらかといえば保守的な範疇に入る人間らしいのですが)バランスの取れた価値観といいいつも感銘を受けつつ読ませていただいています。これからも楽しみにさせていただきます。
ところで、HPの紹介をさせていただきます。僕が学生時代にいたサークルのHPで、僕もそこで何度か南北朝についてまとめたことがありますので、もし御興味があれば覗いていただければ幸いです。
「京都大学歴史研究会」
http://kyoto.cool.ne.jp/rekiken/index.html
よろしくお願いいたします。



#5362 
原田 実る 2004/12/25 20:51
年末特番

去年は「サルと呼ばれた男」で、太閤記、
今年は「イヌと呼ばれた男」で、綱吉名君説とのこと、
来年の年末は「ネコと呼ばれた男」になりそうですね。
原案は『平家物語』「猫間」あたりがよいか、と
愚考する次第。

http://www8.ocn.ne.jp/~douji/


#5360 
不肖デルタ 2004/12/25 10:02
肖像権ですか

>歴史人物を使う

わたし なぞは、自分とこの漫画サイトの
架空時代劇漫画に、とうとう織田信長を出してしまいました(笑
最近テレビでマネキン再現ドラマが流行ってるので、これ良いなと
信長肖像をマネキンドラマに使っています、やばいかなこれ、
でも私は其の漫画は無料開放に、してますんで大丈夫だと
思うのですがね、その漫画は下記のサイトで掲載の
「城主・不夜子」第3話です、
http://yh2004.fc2web.com/

http://yh2004.fc2web.com/


#5359 
電気羊 2004/12/25 00:51
聖誕節快楽! 

聖誕節快楽!(メリークリスマス!)
ここ瀋陽でもクリスマス商戦真っ盛りで、女の子がデパートに押し寄せて大騒ぎしてます。こういう現金なところは日本人とおなじですねえ(苦笑)

>徹夜城さま
私もこの記事を見たときには目が点になりましたよ!
確かに、遼・金代は日本の平安・鎌倉初期とかぶりますね。清王朝皇室の愛新覚羅氏は現在も健在ですが、明の朱氏はもう行方不明、まして、耶律氏というのは…。

中国では、最近、辛亥革命後「滅満興漢」のあおりで漢族風に改名した満洲・モンゴル族が元の民族風の姓名に戻す事例がありますが、もう800年か900年ぐらいの話となると…。家譜でも残ってるんですかね?
溥傑さんの揮毫の水、なかなか美味しいですよ。

歴史上の人物の商標登録、こんな事例があったんですね。
ありがとうごさいます。
しかし、ヒトラー・孔子とは驚きですね。
歴史を少しかじった者として、色々考えさせられます。
>皇室アンダーグラウンド
「2.26事件は実は壬申の乱だったのだ」なにやら凄い話ですね。
お家騒動ですか?実は私も南北朝ファンでして、そういう意味では興味深い話です。

>gallery様
さっそくサイトを覗かせていただきました。「バカ漫画」最高!
バカも極めれば、「芸術」たりえるのだと思い知りました(笑)



#5358 
徹夜城(また書き忘れをした管理人) 2004/12/25 00:15
大急ぎで文章追加

すいません、先ほどアップした「史点」の最後の人類創世ネタ、もともと書く予定だった話題を書くのをすっかり忘れてそのままアップしてしまっておりました。先ほど読み返していて気付き、あわてて追加しておきました。
まぁ今のところまだ10名様程度しかご覧になってないようですが(^^;)



#5357 
徹夜城(イブの夜も仕事をしていた管理人) 2004/12/24 23:33
いきなり二日で更新してたりして。

 クリスマスイブなんですけど、仕事して帰って来てパソコンを怒涛の勢いで打って先ほどアップ作業していました。

>電気羊さん
 契丹族…「金」の耶律氏ですか…それは凄い。それを証明するのは日本なら「ウチは平家の落人の子孫」と証明するぐらいの時代の話ですもんねぇ。
 溥傑さんの揮毫、というのも驚きました。思えばつい最近まで生きていた「歴史人物」だったんですよね、この人も。生きているうちに「歴史映画」の登場人物になっちゃった大物は中国現代史ではこの人と宋美齢、張学良ぐらいでしょうか。


なお、歴史上の人物の商標登録につきましては、実は最近判断事例があったんですよ。「史点」ネタと思って保存しておいてすっかり忘れていました。「史点」作業中にコピペを発見しまして…

------------------------------------------------------------------
ヒトラーや空海、商標NO 異例の出願、特許庁拒絶


 大阪府内のパチンコ機器メーカーが、ヒトラーや聖徳太子、空海など歴史上有名な人名ばかり35人分を登録商標として特許庁に出願、「平和憲法に抵触」「公序良俗に反する」などの理由で登録を拒絶されたことが19日、分かった。

日本弁理士会によると、商標に著名人の名をこれだけ一括出願するのは極めて異例。ナチス・ドイツの独裁者や信仰対象の宗教者らの名前を商標化しようとした企業のモラルも問われそうだ。

このメーカーによると、パチンコの新機種開発に先立ち、商品名の一部に著名人名を使う権利を得るため商標登録を計画。歴史上の人物から知名度の高いものを無作為に選んだという。

このほか武田信玄や西郷隆盛、紫式部、大石内蔵助、エジソン、モーゼ、始皇帝、孔子など計35人分を昨年9月に一括出願。しかし特許庁は、公の秩序を害する恐れがある商標を認めない、とする商標法の規定などに基づき今年5月にすべての登録を拒んだ。

----------------------------------------------------------------

どこの報道だったのか、記録が無い。すいません。


>鵺さん
 トルコのEU加盟も「史点」ネタ候補だったんですけどね。とりあえず見送りました。加盟交渉を開始したってだけでトルコ国民は大変なお祭り騒ぎだったらしいですが…EU側では抵抗も根強いんですけどね。朝日に出てましたが、なんと「オスマン帝国のウィーン包囲から解放した戦いが無駄になる」と言った人もいるとかで。


>galleryさん
 そうですか、「ローマの星」、やっぱり試練の道を思い込んだら、で行くんですな(笑)。
 「ヘンテコ」コーナーはずっと書きかけ放置の新作があるんですよ…(^^;)。気が乗ったらやたら早いのが僕の特徴ですが、いったんストップしたものを再開するのがこれまた困難な男でして…
 とりあえずの代わりと言ってはなんですが、ちょっとトンデモ系っぽいお話でも。

>皇室アンダーグラウンド
 12月22日付け「史点」の皇室ネタですが、翌日天皇誕生日で何か言う可能性があったんだから一日ぐらい待つべきでしたね。文書による回答で翌日に一斉に報じられましたが、「天皇家の一族」もなにやらいろいろ言い出すようになりました。

 なお、お気づきの方もおられましょうが、「天皇家の一族」というタイトルは某推理小説(映画のほうが有名か)にひっかけてみたもので…と解説しちゃうのもなんですが(笑)。いえね、なんか家系図みているうちにちと思い出すところがありまして。
 「史点」では書かなかったちょっとヤバい系の話をここでしますと、「仁義なき戦い」「二百三高地」など数々の名作で知られる映画脚本家・笠原和夫氏は晩年のインタビュー「昭和の劇」の中で「大正天皇の皇子はいずれも大正天皇の子ではなく、しかも全員父親が違う」という爆弾発言をしております。いや、かなり本気で確信しておられたらしい。で、確信した根拠はその情報源が元皇族だったかららしいのですね。どうやらこれが東久邇家であるらしく…ね、なんか「お家騒動」の匂いがしてくるでしょ(笑)。

 「昭和の劇」でのインタビュー以前にも北一輝を描いた映画「戒厳令」(吉田喜重監督)の批評でチラッとこの件に触れていたぐらいでかなり年季の入った確信であったようです。笠原氏は「2.26事件は実は壬申の乱だったのだ」と見ており、昭和天皇と秩父宮の間の皇位争い?との見方をしていたんですね。まぁこの件については少なくとも昭和天皇自身が状況証拠的に秩父宮を疑っていた事実はあるようです。
 この笠原氏に「実は大正天皇の皇子たちは…」という話を吹き込んだのが元宮家の男性だったとすると、これ、今皇室存続論の一つに浮上している元宮家復活の件と微妙に絡んでいる気配を感じちゃうところなんですな。今回の追記にちょっと書きましたけど、某週刊誌が妙に「浩宮」という表現を一時連打したのも気になりだすと気になる(笑)。
 …まぁイブの夜に酒が入ってのたわごとと読み流してください(笑)。



#5356 
gallery 2004/12/24 14:19
焼酎「竜馬」は菊水酒造、日本酒「船中八策」は司牡丹

↑売れるタイトルなら何でもアリですな。訴える人さえいなければ。

>「格闘士ローマの星」
日常生活から大リーグ養成ギブスならぬ、鉄球付の鎖を手足につけております(笑)。
もちろん、父親の厳命です(笑)。それも6歳の頃からです(笑)。
父親が獄中から差し出した、自らの血で羊皮紙に綴った「一人でできる訓練法」を読み
「おれは猛烈に感動」します(笑) やっぱりジョー&飛雄馬ですなぁ。

>うちの「バカ漫画」サイト
どうもお目汚し失礼しました。でも懲りずに続々更新中です。
これ以外、誇るべきモノがないもので(あとはリンク集くらいか)。
考えてみたら、元々トンデモネタ探していてこのサイトにたどり着いたわけでして
「ヘンテコ歴史本閲覧室」の更新は・・・・・・・・無理ならすみません。

>皇位継承
某と学会員さんの同人誌で、
「雅子さんに負担をかけず、皇室典範にも手をつけずに
 皇位継承問題を一発で解決する裏技」として
『愛子様を性転か・・・』というネタがあり、大爆笑してしまいました。
ホント不謹慎で、どうも申し訳ありませぬ。

http://www.chukai.ne.jp/~gallery/baka-manga.html


#5355 
2004/12/23 17:06
史点、読みました。

最近はweblog全盛で、時事関係で検索しているとブログ記事が良く上のほうに来てるものですが。。

ウクライナ。この国も面白いですね。東西の引っ張り合いは最近またEU加盟問題で話題になっているトルコとも共通しているように思えますね、あすこも大きい国ですし。ロシアのEU加盟問題なんて将来的には浮上してくるのかしら。しかし、「あの辺の地域は物騒」なんて感想を漠然と持ってしまいます。

皇室は民間に降りた方々の皇位継承権をどうするかって問題はやはり出てきますよね、天皇制を続けていくのならいいかげん本腰入れて考えないと。




#5354 
電気羊 2004/12/23 00:37
子孫 瀋陽にて

>子孫ネタの続きを
私、ただいま瀋陽に語学留学中の身ですが、その土地柄で少数民族が多いんですね。
この間、瀋陽故宮北側のショッピングモール内をぶらぶらしていると、なんと清朝の睿親王ドルゴンの末裔(傍系のようですが)経営の料理店を発見、内部は満洲文字の掛け軸や歴代皇帝の肖像が並んでました。
あと、12月14日付の『瀋陽晩報』によると、ある人が契丹耶律氏の末裔を自称して、娘の名を「耶律柔伊」に改名しようとして役所に却下されていました。中国の法律では、姓は父母どちらかのものしか選択できず、彼もその妻も耶律姓ではないという理由とのことです。記事に付け加えられた弁護士のコメントによれば、契丹耶律氏の子孫という確固たる証拠を示さない限り、姓を変えることは困難だそうな。
(そんな史料が果たして残ってるのかどうか(^^ゞ)

>歴史上の人物と商標
あと「清太祖餃子」なる餃子店や、ホンタイジが発見したという泉の水を使った冷水器用タンク「大清宝泉」(ラベルはあの愛新覚羅溥傑氏の揮毫!)や、ヌルハチの肖像画入りのミネラルウォーターが人気です。
歴史上の人名の使用も、この程度は許されるようですね(笑)



#5353 
徹夜城(やっと「史点」を更新した管理人) 2004/12/22 17:40
ハルウララを失った高知競馬は…

 いっそ「サカモトリョウマ」って馬を出走させて客を呼び戻すという手もあるな、と馬鹿なことを考えてしまいましたが(笑)。坂本龍馬空港はホントにやっちゃいましたけどね。
 馬の名前にも一定のルールと審査はあって過去に「スーパーゴルビー」だの「プリンセスキコ」だのといった当時の有名人にちなむ名前は却下されたことがあるそうです。歴史人物についてはどうなってるのかわかりません。


>電気羊さん
 どうも、はじめまして。大学院で明清史とは僕とまるっきり同じだったりするわけで、案外顔ぐらいは合わしたことがあるかもしれませんよ。
 魯迅の子孫が酒の名前に「魯迅」ねぇ…日本でもたしか「一茶」とか「蕪村」とかいう酒があったような覚えが。ただ「魯迅」クラスの国民的作家となると議論になるところではあるでしょうね。


>中西さん
「戦国焼鳥」についてはまるっきり知りませんでしたが、検索かけてみたら「戦国焼鳥秀吉」は盛岡にも進出してるようです(HPがありました)。
「戦国焼鳥信長」と聞くと鳴かなかったホトトギスがメニューに入っていそうな(笑)。


>galleryさん
梶原一騎にそんな作品が…格闘士「ローマの星」はやっぱり目の中で焚き火してたり消える魔球を投げたりするんでしょうか(笑)。
しかしいろんな漫画があるもんですねぇ。リンク先に入っていた貴HPの「バカ漫画」の一群を眺めて改めて思いました(笑)。


>モーグリさん
うーん…土方歳三に実子がいたかなぁ…?僕も新撰組関係はあまり詳しくないんですが(だから今年の大河はその意味でもかなり楽しんでました)。女クセは悪かった?みたいだから「落とし胤」のたぐいの可能性はあるかもしれませんけど…直接の子孫じゃなくて土方一族ということなのでは。近藤勇には娘がいたのは確かですが。



#5352 
モーグリ 2004/12/21 22:31
土方歳三の孫

>誰々の子孫〜
子孫と言えば、今年、土方歳三の孫に出会ったことがあります。

今年初め、うちの祖母が足に怪我をして入院したのですが、その時病院で祖母と同じ病室にいた女性が自分のことを土方歳三の孫だと言っていました。年齢は90台半ば位でした。自分の出身地を多摩の日野だと言っていたんで間違いないと思います。江戸言葉のなまりが強く「日野」が「しの」の発音に聞こえました。
祖母より先に退院していきました。まだ存命だと思われます。

病院の帰りがけに父と「この21世紀にまだ土方歳三の孫がいるんだ」と驚きました。



#5351 
gallery 2004/12/20 15:10
古代ローマといえば・・・

>>歴史漫画
 何10周も以前の漫画ですが、『格闘士ローマの星(作・梶原一騎 画・ふくしま政美)』という、芳文社の漫画もあります。やはり梶原一騎原作ですから(笑)異種格闘技が中心の話でして、「ローマの星」と渾名される主人公・アリオンが皇帝(やっぱりネロですw)に嫉妬され、更には怒りを買い、武器を持った相手やボクシング、ムエタイなどと闘います。
 『聖マッスル』ほどのトラウマ映像は(あまり)ありませんが、やはり、ふくしま先生だけにインパクトは強烈です。あと、皇帝ネロの醜いこと(笑)。まぁ、主人公がキリスト教により救われるお話ですからね。必然的にキリスト教の敵は醜くなる…と。

http://www.chukai.ne.jp/~gallery/baka-manga.html


#5350 
ひで 2004/12/19 20:58
舞台置き換えと「太平記」、その他。

>舞台置き換え
仮名手本忠臣蔵みたいなものでしょうか。あれも吉良邸討ち入りをそのままやるんじゃなくて、吉良の代わりに高師直、浅野内匠頭のかわりに塩冶判官というように「太平記」の世界を借りつつあらわしてますし。江戸時代だと歌舞伎にも太平記ものというジャンルがあったり、太平記読みがいたり、現在東洋文庫で刊行中の「太平記秘伝理尽鈔」ような本が広く流布していくころなので、「太平記」の世界を利用するというのは今の我々が思う以上にやりやすかったのでしょう。

>歴史漫画
2周以上周回遅れになってるような話題ですが、古代ギリシアやローマ関係だと「寄生獣」の岩明均氏がここ数年その辺で作品を書いてます。第2次ポエニ戦争時代のシラクサ、ちょうどアルキメデスがいた頃ですが、そんな時代を扱った「ヘウレーカ」という作品がありますし、現在アレクサンドロス大王の時代をあつかう「ヒストリエ」という作品を連載中です。

現在も連載されている作品だと、あとは古代ローマの拳闘士をあつかった技来静也氏の「拳闘暗黒伝セスタス」という漫画もあります。休載が結構多いのが難点ですが・・・。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#5349 
不肖δ(デルタ) 2004/12/19 11:57
合戦絵巻のキャスト

>中西 様
はじめまして、そうなんですか、太平記の時代のものは、江戸や明治政府が
特に逆鱗には触れなかったのですか〜知らなかったです、大坂城炎上の
合戦絵巻は、タイトルに「太平記大合戦」と記されているだけでいつごろの
合戦を描いたものかはハッキリしません。日本の合戦絵画の特徴に
描かれている戦う武者たちの名前が注釈されてることが。
私のサイトに載せた合戦絵画の中に小間喜山合戦という名前の絵が
あるんですが、聞いた事ない合戦名だなと最初は思ったんですが
絵の武者たちの中に池田紀伊守の名前が見えることから
徳川の追撃で秀吉の重臣・池田氏の当主が戦死した
小牧・長久手の戦いの絵じゃないかな?と思うのですが。
私のサイトのアドレスは↓
http://yh2004.fc2web.com/

http://yh2004.fc2web.com/


#5348 
中西豪(やさぐれ中) 2004/12/19 11:08
福岡市中は戦国時代

福岡市内の焼鳥屋は、まさに戦国時代の活況を呈しています。なにせ、屋号が、
「戦国焼鳥信長」「戦国焼鳥秀吉」「戦国焼鳥家康」
といったチェーン店が乱立、さらにそれらとどういう関係なのかは不明ですが、
「戦国焼鳥信秀」(「信長」よりも上、親父だけに、というのか?)
「戦国焼鳥長尾本陣」(おおきな「毘」一文字の看板、上杉謙信ですね)
といった、店もあります。

不肖デルタさん>

はじめまして。

>合戦絵巻の画像
もしかして、『平治物語絵巻』『蒙古襲来絵詞』といった、巻子本の合戦描写だけではなく、屏風や錦絵の合戦図も含まれますか?
それだったら、江戸時代や明治時代の錦絵には、現政権や時局を風刺したとして発禁処分を受けるのを恐れて、時代背景や合戦名を変えて描いたものが多々あります。
たとえば、「山崎合戦」と銘打っているのに、大坂城が炎上している、というものは、実は明治初年に描かれた、鳥羽伏見の戦いをモチーフにしたものである、といったことなのです。
あるいは、『太平記』の舞台背景を借りて、徳川・豊臣の興亡を描いたものもあったかもしれませんね。

http://www11.big.or.jp/~daiba/cgi-bin/tksbbs.cgi


#5347 
電気羊 2004/12/18 21:18
商標 中国では

初めまして。電気羊と申します。院生時代は明清史専攻でしたので、いつも楽しく読ませていただいております。
歴史上の人名の商標登録ですが、最近の中国でも話題になりました。
先月、なんと、中国近代の文豪、魯迅の子孫が「魯迅」の名を商標登録申請して却下されたのをきっかけに、賛成派・否定派で熱い議論になりました。
賛成派は主に「今は封建時代でもないのだから、「諱を避ける」必要はない」、「魯迅の名の使用権が子孫にあるのは当然」という意見。
反対派の意見は、「不適切」、「歴史への冒涜だ」、「歴史上の人名は個人や特定の団体の独占物ではない」などです。
子孫は「「魯迅」の名はわれわれに残された唯一の財産」としてあくまで争う構えのようですが。



#5345 
ブッチャ−3世 2004/12/18 13:16
商標、名前使用料ですか。

日本酒の名前には多いですよね、謙信とか正宗とか。
竜馬は〜、結構ありふれた名前なんじゃないかな、辰年生まれの子
って意味みたいだし。使用料徴収といっても誰に支払われるんですか?
子孫の方々?(笑
日本史上、誰々の子孫〜ってたまに話題になりますが、でも子孫が続いている
歴史人物より子孫が絶えてしまっている歴史人物の方が多い気もしますがね。
でも以前に明智光秀の子孫と称した、ハ−フのファッションモデルの少女が
いたのには驚きましたが。(笑





#5344 
徹夜城(史点がなかなか書き進めない管理人) 2004/12/18 10:41
高松宮妃逝去

 書いてはいるんだけどなかなか書きあがらない「史点」最新号で実は皇室ネタを書いてたんですよね。この一ヶ月いろいろと話題がありましたし…
 そこへ来て今日。高松宮妃喜久子さんが92歳でお亡くなりに。紀宮の婚約正式発表の日になんとまぁ間の悪い…(^^;)。もちろん正式発表はこれで延期に。
 「史点」でも書く事になると思うんですが、この喜久子さん、徳川慶喜の孫にあたるのですな。父親が慶喜の子供で母親はあの有栖川宮家の人。それで大正天皇の皇子である高松宮に嫁いだというわけで、ムチャクチャ血筋のいいお方であったりしたわけです。だから風の噂によると「平民出の粉屋の娘」である現皇后をイビっていたとの話もあるわけで。これでまた一つ宮家が消滅することになりました。

 関係ない話ですけど、間が悪いといえば昨日のNHK衛星第2で海外ドラマの「ドン・キホーテ」なんてやってたんですね(気付くのが遅く見られなかった)。地上波か民放だったら放送中止が検討されたでしょうなぁ。
 居酒屋「ジョン万次郎」にも思うことですが、歴史上の人物の商標登録には何にも規制はないんでしょうかねぇ。予備校に「龍馬」ってのがあったりしまして「おいおい」と思っているもんで。



#5343 
不肖デルタ 2004/12/17 12:32
合戦絵巻

最近、凝っているというか、合戦絵巻の画像を収集しております、
今、描いている、ぶっ飛び時代劇の漫画の背景の参考にするためで、
戦国時代のものが多いか?というと、そうでもなく、源平合戦、
太平記の時代、と現代の歴史小説の風潮と違い(笑)絵巻では太平記の
合戦の絵巻も多いですね。太平記の合戦絵巻の中に「山崎の合戦」という
のがあって、まぎらわしいですね(笑
あと、合戦名は不明ですが、太平記の時代設定で、「大坂城」と注釈がある城を
攻城中の絵巻もあって、大坂城を最初に建てたのは羽柴秀吉だとばかり思って
ましたので意外でした。



#5342 
徹夜城(今度は冬期講習の準備に追われる管理人) 2004/12/15 13:51
しばしば司馬論

>アール・ケイさん
 そうなんですよね、基本的に司馬遼太郎は小説家であり上質のエンターテナーだったと思います。それを恐らく自覚もしていたでしょうし、小説においては読者の期待を裏切るようなマネはまずしないんですよね。サービス精神旺盛だな、と思うときもあります。
 「ノモンハン」断念の件とからむことですが、少なくとも「小説」においては読者層の気分を害しそうな(それは同時に作者自身の気が滅入るような)話は正面からはぶつからない、という傾向もあったと思います。だから昭和期の話はエッセイにおいてかなり強烈に書いていたりもするんですが、個人的にはそこまで言うなら小説で一本上げておけばよかったのに、と思うところもあります。そうであれば死後に変な方面に利用されることもなかったろうに、と。
 南北朝に関して言えば苦手なら苦手と言う事でそんな発言しなけりゃいいだろうに、と思ったんですよね(笑)。「小説にもならん」と言っちゃったあたりは司馬さんが歴史小説をどうとらえていたかの目安にもなりそうです。


>ブッチャー3世さん
 執筆順は確認してませんが、司馬遼太郎の実質的デビュー作「梟の城」は歴史小説というよりは忍者もの時代小説でありまして、本格的に「歴史小説」になって来たのは「竜馬がゆく」「燃えよ剣」の幕末ものを同時に書いていた時期だと聞いています。とくに「竜馬」においてはその前半ではかなり創作を交えた時代小説の空気があったのが次第に「歴史」を語るようになっていったという変遷が見られます。象徴的なのが「寝待の藤兵衛」のキャラクターでしょう。作者自身途中で「こいつがいると困る」とか言い出しますし(笑)。
 主要な戦国ものはその後じゃなかったかなぁ。司馬作品の題材は戦国と幕末に集中するのですが、やはり幕末〜明治ものにその本領が発揮されてると思いますね。確か本人も幕末について「日本史上最大のドラマ」とか言っていた覚えが。

 戦国以前の題材では「義経」が存在しますね。そういや来年の大河ドラマの主人公だったりするわけですが、出版社もあまりその線では売ってないかな?聞いた話ではこの司馬版「義経」は読者から「イメージにあわない」という声が多かったらしいですが。
 小説かどうか迷うところで「空海の風景」ってのもありますね。

 それ以前の古代史ものには全く手をつけませんでしたが、その辺は黒岩重吾の守備範囲と言うことで(笑)。



#5341 
ブッチャ−3世 2004/12/15 12:43
司馬遼太郎論を?(汗

わたしなど恐れ多くて司馬先生を批判などできませんね、って
そんな方向でもないか、私が思うに、作家って何でも書くと読者に
無節操と思われるんじゃないかな?司馬さん は戦国物で身を立てられ
その殆どはアンチ足利〜室町体制は悪役回りのお約束を確立したんだし、
それをかなぐり捨てて南北朝物を書くのは作家の冒険かもしれないです
けど、リスクも大きいし、それに何でも書くと後続の作家が何も書けなく
なるし、司馬さんは後輩作家には、色々、道を譲ったんじゃないですか?
室町より前の時代の物は絶対に書きません、と自ら公言してはばから
なかったそうじゃないですか。



#5340 
アール・ケイ 2004/12/14 17:50
史家ではなくエンターテイメイト作家

貴所、この頃はチラと拝見させていただくだけになってしまっております。

司馬さんってエンターテナー、名語り手だと思うのですよ。
公平「無私」な歴史家などではなくてね。
だから好き嫌い、というより得意不得意はあって当然。
単に南北朝時代(の素材)が不得意だっただけじゃないかと(笑)。


http://homepage1.nifty.com/arukei/index.htm


#5339 
徹夜城(今ごろになって誤変換に気付かされる管理人) 2004/12/14 17:26
司馬遼的南北朝論

>鵺さん
 おお、「攻略の政変」(笑)。ゲームコーナー記事書いてるための誤変換かな(笑)。2年も気付かなかったわけで。先ほど直しておきました。ご指摘ありがとうございます。

 さて、何度か書いてる話題なんですけど、定期的蒸し返しということで、南北朝歴史小説の世界に関して。
 司馬遼太郎が「南北朝は小説にもならん時代」と断言したのは事実なんですね。その根拠として挙がっている司馬遼太郎の発言をまとめてみると、
○登場人物の全てがおのれ(または家)の欲望を行動原理として動き節操がなさすぎる
○宋学や北畠親房の正統論など南朝を中心にイデオロギー色が強い
○時代の主人公といえる足利尊氏が大嫌い(笑)
 の3点に絞れるようです。2番目と3番目はあくまで司馬良太郎個人の見解なんですけどね。
 司馬は「南北朝は日本史上最初のイデオロギーの時代」ととらえていたようで、その根拠は後醍醐周辺に宋学の影響が強くみられることにあるみたい。といってそのイデオロギーを行動原理にしていたのはごく一部の人間だったこともわかってると思うので(それが上記の1番目)そのアンバランスぶりがイヤだったのかも。
 「日本史探訪」だったかな、対談で「尊氏は逆賊だから大嫌いです」とはっきり言っちゃってたのを見た事があります。もちろん「逆賊」という言葉は司馬が南朝正統の皇国史観信者だったということではなく、裏切りを重ねてることを指すんでしょうけど。

 司馬遼太郎の幕末〜明治作品を見てると強く感じますが、司馬さんって「無私」の人が大好きなんですよね。「私」が無く国家なり時代なり革命なり戦争なりに身を投じて活躍してしまう人が大好き。今読んでる「翔ぶが如く」で山県有朋がかなりケチョンケチョンに書かれているとことなんか見ても「やっぱり」と思うところがあります。この「無私好み」の件は司馬つき編集者であり今はノンフィクション作家になってる半藤一利さんもTV番組で言及していた覚えがあります。
 そういう司馬からすると南北朝時代って理解不能というか、つかみどころがなかったんだろうな、と思うんですよね。司馬が書こうとして果たせなかった企画に「ノモンハン事件」がありますが、あれも投げ出した一つの理由が、調べているうちに登場人物のほとんどが私利私欲と自己保身で蠢くドロドロした世界に嫌気がさしたためといわれています。そのことも思い合わせると南北朝に手を出さなかったのは彼自身の精神的健康維持のためだったと片付けちゃうこともできるかと。

 楠木正成に関してはその「無私」的部分が見られますし、司馬自身「河内の気のいいおっさん」と解釈していて好きだった形跡はありますね。それでも書かなかったのはやっぱり楠木を主役に小説書いちゃうと戦前の「忠臣大楠公」イメージを下手すると復活させかねないと恐れていたのかも…という推理を僕はしています。

 「尊氏嫌い」に関連してですが、今読んでる「翔ぶが如く」に尊氏について触れるくだりがあり、ちょっと面白いなと感じたところでした。
 どの部分で出てくるかと言いますと、西郷隆盛が尊氏に例えられたという部分。やはり司馬作品である「花神」の主人公・大村益次郎はその晩年西郷を危険視し、「いずれ九州から尊氏のごとき者が現れる」と警告して西南戦争を予期し準備をさせていた事実があり、そこで西郷と尊氏の比較論をやるんですね。
 水戸史観を常識としていた当時では尊氏はすでに「大逆賊」であり大村はその意味も込めているわけですが、客観的に見ても新生明治政府における西郷隆盛は確かに尊氏のポジションと似たところがある。いずれも「革命」を達成させた事実上の最高指揮官・功労者であり、それでいて彼個人への熱烈な人気があり、彼が動けば武士達の多くが動くところがあったというわけです。ここで司馬は西郷と尊氏には不思議と人々をひきつける強烈な魅力と人望があったと共通性を指摘しています。この部分を読んでいたら、おや、意外に尊氏を魅力的な人物と認めてるじゃない、と思ったんもんです。

 司馬自身の隆盛・尊氏比較論はそこまでなのですが、僕は司馬遼太郎が描き出す西郷隆盛像に尊氏との共通点をさらに見つけてしまいました。それは追い詰められたり大事な場面になると何もかも捨てて逃げ出したくなる「世捨て願望」の病気があったことです(笑)。その一方で時折手段を選ばぬ巧みな謀略をめぐらして政敵を倒すところもあったりする点も似てますし。
 なんてなことを考えていたらその西郷とお互いの不足分を埋めあう形の名コンビで最終的に対決することになる大久保利通もどこか足利直義に性格が似ているような…名コンビっちゅうのはそういうもんなのかもしれませんけどね。

 いろいろ書いてますが、僕自身尊氏のキャラクターというのはなかなかとらえにくい。今似てるって話を書きつつも西郷隆盛のイメージとはやっぱり重なってこないんですよねぇ。どうにもとらえようがない、ホントに難しい人なんです。
 吉川英治もこの点では苦労していて「私本太平記」の読みにくさの一因にもなっていると思います(もちろん鵺さんもお書きのように吉川英治自身の文章による読みにくさもありますが)。吉川英治は最初は快男児的キャラとして尊氏を書き始めますが、やっぱり場面場面で行き詰まってきて複雑な多面性を見せざるをえなくなります。
 僕自身が南北朝の小説を尊氏主役で書くとしたら、と考えたことがあるんですが、その場合もう尊氏を「常人はずれ」した「変人」(笑)として描くしかなかろうと思ってます。しかしそれだと感情移入できる主役にはなりにくいのですよねぇ。

 南北朝小説を多く書いた北方謙三さんも尊氏本人にはとうとうアタックしませんでした。やっぱり中心にすえちゃうととらえにくいんだと思うんですよ。他の作品の脇役として登場させることでその独特のキャラクターを描くことにはある程度成功していると感じましたが。佐々木道誉を主役にした「道誉なり」なんてほとんど道誉と尊氏の愛憎小説(笑)になっちゃってましたし。



#5338 
2004/12/14 05:24
小説と歴史講釈

ちょっと気付いたんですけど、ムロタイ44回の一箇所、「攻略の政変」になってますね。

思えば司馬遼太郎も楠木正成辺りは同郷の縁で?親しみがあったようですけど、どこかで「南北朝は小説には不向き」とか言ってましたね。もしかして太平記・南北朝ファンには少々恨みのある作家なのかも(笑)、短編の1つでも書いていてくれればネームバリューで映像化とかもあったかもしれませんし。歴史小説もそんなに色々な作家を呼んでませんが、あーいう小説部分と歴史講釈の脱線部を交えた手法って他の作家も使ってるんでしょうかね。北方謙三さんの南北朝小説を読んだときには少し歴史解説が欲しいな、とは思いましたね。吉川英治の私本太平記も読んだのですがちょっと苦痛・・あの人は三国志や武蔵を読んだ人から聞いても、詠み難いとか文体が合わないとかいう感想を聞きますね。文学的な評価はされているようですけど。。



#5337 
不肖δ 2004/12/13 23:12
歴史漫画

前に自分ところの自作漫画サイトの宣伝をこちらで勝手に
して管理人さんには申し訳なかったんですが、その漫画サイト
容量が10MBしかないものであんまり漫画を載せられないため
別の、100MBまで可能なサイトを立てました。
サイト名「ウエブコミックδ」です。
アドレス)http://yh2004.fc2web.com/
これで容量を気にせず載せられます、歴史に関係無い事ばかりで
何ですので、ここらで歴史漫画を描いて当サイトに載せるのが
今後の目標とします。(笑)歴史設定は未だ特に造詣がないのですが
結局、戦国ものに手を出しそうかな、一向一揆の側を主人公に
した創作ってあまりないので狙い目かもしれません。でも
それにしたって司馬さんは鈴木孫市の話を1本やっておられた
しなぁ。特殊な年代もの、太平記や倭寇を料理なさってる
徹夜城さんには脱帽ですね。(笑

http://yh2004.fc2web.com/


#5336 
モーグリ 2004/12/12 23:14
タイムスリップ物

レスが遅くなりましたが

ズッコケ三人組
>僕自身はまるで読んだこと無いんですよ、このシリーズ。
そうですか。つい知っているものと思っていたもので。すみません。

>そんなに歴史関係ネタが出てくるとは知らなかったなぁ。
そうなんですよ。意外に歴史ネタが登場しています。作者の趣味なんだと思うんですが。
ちなみに子供の頃に読んでいた人が「あれだけ作者が(いい意味で)好き勝手に書いて、あれだけ人気作になれるなんてうらやましい」と言っていました(^^;

物置から出して読み直しましたが、田沼意次が登場するのは『ズッコケ時間漂流記』ですね。三人組が18世紀後半の江戸時代中期にタイムスリップして、平賀源内に出会う話です。作中で源内が田沼について好意的な評価を下しています。
作品内では当時の江戸の庶民の生活についてきちんと触れています。(当時の江戸は世界一の人口の大都会だった)

あと、源内がちらっと松平定信について言及していますね。田沼に批判的な人間としてですが。



#5335 
ブッチャ−3世 2004/12/12 12:36
不知火投手のハエが止まる球に似てますね。

>大リ−グボ−ル3号?
え?消える魔球、の後に、まだ、魔球があったんですか星投手は(笑
ひで様の話しを察するに実際にある球種としてはナックルが一番、それに
近いかな?今年の米野球プレイオフのレッドソックスのウェイクフィ−ルド
投手の決め球ですね。TVの中継では、ナックルが如何に凄い球かは
よく分かりませんでしたけど、捕手が何度もナックルの落球を反らしていて
捕手泣かせの変化球らしいですね。ゴジラも手玉に取られてましたね。




#5334 
ひで 2004/12/11 22:26
漫画文庫で読めますよ。

>大リーグボール3号
大リーグボール3号は思いっきりフルスイングするとその風圧を受けてボールがバットをよけていくという超スローボールです。そもそも今まで散々腕を酷使してきた星飛雄馬がアンダーハンドに転向して投げるようになったボールですが、強打者のフルスイングによって生じる風圧でボールがバットをよける代わりに非力なピッチャーに打たれるという弱点がありました。そして、このボールを投げるようになって飛雄馬の左腕はぶっ壊れてしまうわけです。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#5333 
是流陀 2004/12/11 16:33
ちょっと質問

まるっきり歴史とは関係ないのですが、この伝言板のかたがたは
昔の漫画に詳しい人が多いので、ちょっと質問があります。
梶原一騎さん原作、川崎のぼるさん作画の「巨人の星」って漫画が
ありますよね、私、この間、漫画喫茶で、この漫画がかなり揃っていた
ので思わず、読みまくりましたが、主人公の第2の魔球が攻略される
ところまでは、その漫画喫茶にはありました。で、星飛雄馬は
第三の魔球を開発するらしいんですが、第三の魔球は、どんな球種
なんですか?気になって仕方がありません、こんな古いコミックスは
ちょっと探しても入手困難ですし。



#5332 
徹夜城(今日もこれから出勤の管理人) 2004/12/11 10:31
「ジョバンニ」見てきました。

 昨日で最終日(日比谷では)ということで一応話のタネに、と見てきました。意外と入りはよかったんですがね。

 …なるほど、耳にしてはいましたが、なんとも論評に困る映画ですなぁ(笑)。
 時は16世紀はじめ、神聖ローマ帝国皇帝カール5世のドイツ軍がローマ教皇派を打倒するべくイタリアへ侵攻、教皇を一族に抱える名門メディチ家の武将ジョバンニがこれを迎え撃つが、イタリア側の諸侯の内通もあり大砲に撃たれて戦傷死する、とまとめてしまうとこんな話。冒頭がジョバンニの死の報告で、それから6日さかのぼり、死に至るまでの6日間を淡々と描いていく、とまぁそんな映画です。

 映像の作り方としては重厚で、手間と金をかけたのは分かるんですよね。いわゆるゲージュツ映画なつくりでありまして、静かで荘厳なコーラスと共に話はほとんど盛り上がることもなく淡々と進みます。合戦シーンもあるにはありますが、ほとんど肩透かし(もちろん意図してやってますが)。登場人物たちが明らかに観客に向けてあれこれコメントするという手法も他の映画で例がありますが、気になるのも確か。
 それと歴史ものなんで仕方ないんですけど、歴史背景にある程度の知識がないと理解不能。それでなくても顔の見分けがつかない人が何人か(^^;)。特に地方領主のたぐいなんて日本で言えば戦国大名をマニアックに知らないとわからんレベルのような。
 見ていて連想したのが錦之助主演の「反逆児」とか原田芳雄主演の「竜馬暗殺」とかをイタリア人に見せるとこんな感じかなぁ、というものでした。



#5331 
徹夜城(いい加減史点も書き始めた管理人) 2004/12/07 23:38
韓国時代劇「ミスター味っ子」!?

 えー、ここんとこ録り溜めしていた韓国ドラマ「大長今(チャングムの誓い)」を昨日から今日に連打で見たんですが。これ大河ドラマとか時代劇とかいうよりも、「料理対決グルメ漫画」のノリを感じてきてしまいました。そう、表題のとおり「ミスター味っ子」を連想してしまったのであります(笑)。

 とにかく毎週毎週突発事件が次々と起こるんですな、それも多くが料理がらみで(笑)。例えば料理女官になるための試験の問題が「饅頭(マンズー。朝鮮風ギョウザと思ったほうがいい?)」で、主人公チャングムは食材調達に不利であったばかりか不測の事態(とにかくこれが多いんだ)により衣に使う小麦粉を盗まれてしまう。小麦粉なしでどうやって饅頭を作るのか?ドタンバに追い詰められたチャングムは野菜の葉や朝顔の花でそれを作り、むしろ美味しい饅頭を作ってしまう、といった具合。ライバルになるらしい料理の天才少女が「饅頭の中に饅頭がある」というアイデア料理を出すあたりとか、ホントに料理コミックのノリ。
 前回もまたまた不測の事態(笑)で責任者や先輩達が料理現場で寝込んでしまい、狩猟から戻ってくる国王一行にチャングムたちが料理をふるまわねばならないハメに。しかも寒いから温かいものを出そうと用意してたら国王自ら「冷麺が食いたい」とのお望みで材料不足でテンヤワンヤ(笑)。うーん、毎度この調子でドタバタ騒動を起こしつつ一年間やるのか。歴史ドラマではないけれど、ついつい毎回見ちゃう密度の濃さなんですよねぇ。
 ただ素人目には料理シーンは本格的ですね。奇抜なアイデア料理も出てくるみたいですが、けっこう見た目にもおいしそうですし。


>おはけんさん
 「菜の花の沖」は読んだことがあるんですが、確かにロシアと日本の過去の経緯を延々と語る部分がありましたね。それでも僕自身が読んだ印象では少なくとも時間軸の行ったり来たりといったようなめまぐるしさは感じなかったんですよ。「翔ぶが如く」はやたらに「その後」の話を乱発する傾向がありまして(その後の昭和軍部とか太平洋戦争とかへの痛烈な批判が司馬作品の根っこにあるのはわかるんですが)、歴史ばなしとして面白いっちゃあ面白いんですけど、話が進まんぞ、とイラつくところも無くは無かったです。
 脇道解説、ということでどうしても連想しちゃうのがみなもと太郎氏。「風雲児たち」も時折ブレーキが外れて過去の歴史解説や余談エピソードをしまくってしまうところがあり、中でも松前藩の歴史を戦国期までさかのぼっちゃったくだりは、面白いんだけどやっぱやりすぎというもんで。まぁ歴史ばなしというのはどうしてもそうなる傾向があるんでしょうけどね。

>鵺さん
 ドラマ「菜の花の沖」は僕も見ました。全話DVDにもなってますが、個人的にはやや長すぎた印象を持ってます。もうちょっと短くまとめらんなかったか、と。ドラマの狙いは明らかに「海の秀吉」にあったようで、船乗りから貿易商人へと一代でのしあがっていく部分に特に力が入っていたような。
 ところで司馬遼太郎の命日はこの作品のタイトルにちなんで「菜の花忌」なんですよね。

 そうそう、「写楽」にも1シーンだけ松平定信出てきましたっけね。坂東八十助さんだったかな。竹中直人演じる太田南畝とのシーンで妙に江戸っ子っぽい感じでした。
 「おろしや国酔夢譚」では江守徹が演じこちらも1シーンのみの特別出演。開国について聞かれて「いずれは必ずな…」とつぶやくシーンがありましたが、「風雲児たち」史観的には嫌われそうなセリフではあります。

 僕も以前から「北海道探検ネタ大河」をやったらどうだろう、と考えてはいるんですけどね。間宮林蔵なら地元ネタなんで、茨城人の某会長に働きかければもしかして(笑)。



#5330 
2004/12/06 00:40


「菜の花の沖」は竹中直人主演で5回シリーズくらいで映像化されていましたっけ。最上徳内とか間宮林蔵とか北方探検者たちが出てこないのが残念でした。ゴローニン事件は日本史教科書にも載るくらい知名度のある出来事なんでしょうけど、「風雲児たち」でも端折られちゃってましたね。この前篠田監督の「写楽」を再見して、松平定信が「昨年の蝦夷地での一件・・」と別の映画に繋がる台詞を発見して(あっちは江守徹)、ああ同時代なんだなと認識しました。司馬も風雲児たちも文化史まではカバーしてませんしね。光太夫返還もゴローニン事件も年代が近いですし、北方探検ネタが「北海道」を舞台に50回のシナリオが作れそうな大河の題材になるネタじゃないでしょうかね・・アイヌをクリアー出来れば。



#5329 
おはけん 2004/12/05 23:08
誤植訂正

すいません。
知れ万背がかなりの部分⇒「知れませんがかなりの部分」

それから、管理人様投稿の引用を結局止めたつもりだったのに、下部にコピペが残っていたのも不格好で失礼致しました。
 ↓



#5328 
おはけん@おひさです(「新選組!」ばかり見入ってました) 2004/12/05 23:06
司馬遼太郎的「とっちらかり」の極致といえば・・・

 管理人様が書かれいていた「翔ぶが如く」というより『菜の花の沖』が最高潮(最低ドツボという人もあり)の極めつけだろうと思っています。
 あの長編の6巻が高田屋嘉兵衛のロシア捕囚・日露交渉・解放解決への山場・見せ所なのですが、その前提として『ロシア事情』を延々説明した問題の第5巻(笑)では主人公・嘉兵衛は殆ど出ず、丸一巻近く(と言うと言い過ぎかも知れ万背がかなりの部分)が近世ロシア史解説だったように記憶しています。
 私は高校時代に読んだのですが、あの巻で枕を並べて討死=読了挫折した人を現に複数知っています(爆)。私自身はむしろロシア事情が初耳で面白うてスカスカ読み進んでしまいましたが・・・
 あんなに豪快な『脇道解説』をした作品は前代未聞かも・・・

を読んでいたところでして、「司馬遼太郎的とっちらかり」というのはよーく分かったところでした(笑)。特に「翔ぶが如く」でそのとっちらかり具合が強いんじゃないかなぁ。とにかく新たな登場人物が出てくると、その人の生い立ちから幕末の活動、西南戦争後の話まで余談を全部書いちゃうんですよね。あと司馬遼太郎自身が書いていてふと連想した雑学的余談までしょっちゅう書いちゃう。それでもなんとか軌道修正して元の話に戻るあたりはさすがなんでしょうが…。





#5327 
徹夜城(昨日は池袋で飲んでいた管理人) 2004/12/05 11:50
過ぎしいくたのことどもも…

>鵺さん
歴史とギャグ、というか笑いとの相性ということについて僕が連想したのは次の詩でした。

滾滾長江東逝水 浪花淘盡英雄 是非成敗轉頭空 青山依舊在 幾度夕陽紅
白髪漁樵江渚上 慣看秋月春風 一壺濁酒喜相逢 古今多少事 都付笑談中

とうとうと東する水はてしなく 長江に消えし英雄数しれず
是非成敗もうたかたに 青山のひとりのこりて 紅の夕日迎えるそもいくたび
白髪の漁翁そま人なぎさに立ちて 秋の月春の風みて年へたり
一壺のにごり酒もて相逢えば 過ぎしいくたのことどもも いまはむかしのかたりぐさ
(立間祥介訳より)

 ご存知、「三国演義」巻頭の詩です。中国中央電子台の大河ドラマではオープニングの主題歌として朗々と歌われておりました。この詩の訳はそれぞれの訳者さんにより味の違う訳になっておりますが、個人的には立間版の「過ぎしいくたのことどもも いまはむかしのかたりぐさ」という絶妙の「和訳」が好きでして。
 立間氏が「いまはむかしのかたりぐさ」と訳した部分が「都付笑談中」。直訳すれば「全ては笑い話の種となる」というところでしょうか。この笑い話が必ずしも「ギャグ」というわけではないのでしょうが、歴史を語るとき、歴史上の人物たちの大活躍というのはどこか滑稽感を伴うことが少なくありません。
 この感覚については「風雲児たち」のエッセイでみなもと太郎氏も触れており、みなもと氏は花束持って求愛する男が女性に肘鉄くわされてる絵を示し「本人にとっては大悲劇、はたから見てれば喜劇」という例えをしていました。当時を生きてる当人はムチャクチャ真剣で、すったもんだの大あがきをしてるわけですが、後世から見ると「なにやってんだか」とギャグに見えてしまうことは多々あるわけですね。
 だから、僕らがこうして今やってることも後から見りゃみんなギャグだったりするんでしょうね、たぶん(笑)。ブッシュさんみたいに現状においてもギャグと思われてる人もいたりはしますが。


>原田さん
 日本推理小説の元祖は明治22年ごろまで行くんですねぇ。そのころだとホームズはすでに定評を得てしまい、ルパンなんかまだ姿も現していない、という時期ですか。
 「ゴジラ」第一作の本編部分がかなり現実感の強い演出になっているというのは確かにそうですね。さんざ言われてることですが、今見ると「ゴジラ」第一作は「歴史映画」として見られる部分が多いです。ゴジラ自体が当時人々を震撼させた水爆実験で出てきた存在なわけですが、他にも電車の中で「あーあ、また疎開か」とぼやく人々、銀座路上で「もうすぐお父さまのところへ行くのよ!」と子供を抱く母親、国会で男言葉で騒ぐ女性議員など当時ならではの描写が多いですね。
 そもそもTV放送も始まったばかりの時期で、あの有名な「みなさん、さようなら!」の日本テレビ史に残る決死の実況放送(笑)も時代性が出てるといえるかも(もっとも当時の映画評でもこのシーンは失笑を買っていたようですが)。


>不肖δさん
 倭寇をテーマにした短編漫画の企画だけはずっとあるんですよ。だいたい30Pぐらいで終わりそうなやつで、当時の「民族混交状態」を体現した痛快アクションってのを企画してるんですが、描いてるヒマがない…(^^;)。


>モーグリさん
 この伝言板もいろんなネタが出ますねぇ。パッとみると推理小説、安彦良和、いしいひさいち、ゴジラ、さらには「ズッコケ三人組」までが…(笑)。
 シリーズ完結の報道は僕も感慨深く読みました。ただし、僕自身はまるで読んだこと無いんですよ、このシリーズ。僕の母親が児童文学とか読書運動などと関わっているもので、作者の那須さんの講演を聞くなどしていたので接点らしきものがあったというだけの話で。そんなに歴史関係ネタが出てくるとは知らなかったなぁ。
 挿絵を描いていた前川かずおさんは十年ぐらい前でしたっけ、亡くなられてましたよね。その後は別の方がそっくりに描き継がれていたはず。そもそもこの手の児童文学の挿絵に漫画家の絵を入れるということも始まった当初は冒険だったそうです。この前川さんの漫画絵も読者をひきつけた大きな要因だったでしょうね。


>追悼。
ちょっと前のことになるんですが、元明治大学学長で日本近世史専攻の木村礎(もとい)さんが去る11月27日に80歳で亡くなられてました。12月3日になって公表されたのですが、実は僕の母親の卒論指導教官でして…直接お会いしたことはありませんが、ある意味僕にとって師匠の師匠みたいなお方でした。ご冥福をお祈りします。



#5326 
モーグリ 2004/12/04 23:14
ついに完結

11月30日の読売新聞夕刊の3面記事にも出ていたから知っている人もいると思いますが
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20041130i506.htm
児童文学で有名な那須正幹氏の『ズッコケ三人組』が今月2日に出た『ズッコケ三人組の卒業式』で総シリーズ50巻完結したそうです。作者の那須氏はは前々から「50巻で完結させる」と公言しており、予定通り今年完結しました。作者は1942生まれなのでうちの父より少し若い程度です。
物語の舞台は架空の都市、稲穂県ミドリ市ですが、モデルは作者の出身地の広島県広島市だそうです。作品中に瀬戸内海の話とかも出てきますし。
歴史マニアの間では評判はどうなのかな?小学生の頃読んだ人もいると思いますが。

私は小学校時代にズッコケシリーズの愛読者で(今でも時々読んでますが)これで結構歴史の知識を知りました。タイムスリップ物とかで歴史物があったので。

江戸時代の老中、田沼意次が実際には有能な人物で、日本の開国を検討したり有能な人材を登用したり積極的に商工業を発展させるために努力していたという事実をこの本で知って驚いた記憶があります。それまでは小学校の教科書のせいで、田沼意次はわいろ政治とかインフレを起こした悪いイメージしか持っていなかったのでした。
また、北京原人の骨が日中戦争のドサクサで行方不明になった話や、よく俗説で言われる坂本竜馬を暗殺したのが新撰組だという話は間違いだというのもありました。あと戦国時代の瀬戸内海の海賊の話もあったと記憶してます。

個人的に一番好きなのは『ズッコケ山賊修行中』ですね。
かつて日本の先住民族で、古代に大陸から日本に侵入してきた天孫族(大和朝廷)によって討伐された土ぐも一族の生き残りが、ずっと中国山地の山奥に隠れ住んでいるという話でした。この話は天皇家大陸渡来説をとっている訳ですね。土ぐも一族は少数民族なので「外の血を入れる」目的で主人公達が連れ去られるわけです。
土ぐも一族は山奥に潜みながらずっと日本奪回を計画しており、作中でも「天孫族の王(要するに天皇)を倒して日本を奪回する」と宣言しています。ちなみに一族の支配者の土ぐも様は美少女です。

こうやって書くと何だか左翼系の話みたいですが、全然そんなことはありません。普通に読んでも面白い本で、大人が読んでも十分楽しめます。
最近まで土ぐも一族は作者のオリジナルの設定だと思っていたんですが、最近になって本当に日本の先住民族の名前だと知って驚きました。



#5325 
不肖δ 2004/12/04 12:53
30ページは長いか短いか

>じゃあ30ぺージぐらいでエッセンスをまとめてきて下さい
しかし実際の漫画雑誌は一人の作家に30Pも回す事じたいマレ
みたいですよ、せいぜい20Pでしょうね。話しを短くマトメられる
事は一種の才能だと思います、歴史物だけじゃなく色んな分野での
話しの筋道作りに。歴史物は、ただ、読者に、ある程度の歴史知識が
あるなら、時代背景の説明を省略しても分かってもらえる部分も
ある、江戸時代の下町人情もの、とかチャンバラものは結構
短い話になるでしょう、この前、北野氏作・映画「座頭市」が
TVでやっていて見ましたが、こういうジャンルは短い漫画に
しやすいだろうな、とも思いました。もっとも、これらは
歴史大河では無いので、大河にコダワル場合は仕方もない事です。
徹夜城さん が倭寇海賊ものを漫画に描こうとする場合、
アクションに比重を置くと、マイナー歴史は
読み飛ばす人も引き込まれて読むんじゃないかな。

http://www7.canet.ne.jp/users/yasushi


#5324 
2004/12/03 10:53
歴史ギャグ

夜話。安彦さんの回は収録でしたので前半でアニメーターと漫画家の話、後半で歴史漫画的な話とくっきり編集されてて見やすかったですね。辻政信がギャグ担当になってますけど、思えば歴史ってパロディで無くともギャグ的要素は持っているように思えますね、後世から見るとマヌケに見えてしまうと言えば良いのでしょうか(笑)。「トリビア」の歴史ネタとか、今年の大河なんかもそんな感じします・・あとネタを知っているとやっぱりこの話ギャグにしたかとニヤリとしてます。歴史とギャグは相性が良いのかしらん。



#5323 
原田 実 2004/12/03 00:12
日本発の創作推理小説

翻案・翻訳ではない最初の探偵小説は黒岩涙光の『無惨』(明治22年)だ、というのが長らく通説だったのですが、中島河太郎先生の『日本推理小説史・第1巻』(1993)によると、南翠外史(須藤光暉)の『殺人犯』(明治21年)『朧月夜』(明治22年)の方がそれに先行するとのことです。その後、明治20年代には英国人講談師・快楽亭ブラックがぞくぞくと探偵講談(もちろん日本語)を発表、一時は探偵講談のブームがあったようです。ちなみに現在では大阪の講談師・旭堂南湖先生が探偵講談復興の旗をかかげ、ブラックらの古典を発掘したり、古典的探偵小説の講談化や現代推理作家による新作講談などを発表したりしておられます。
http://www003.upp.so-net.ne.jp/nanko/
探偵小説と推理小説は英語ではどちらも同じなわけで、要は翻訳の違い、「推理小説」というのは「偵」という字が当用漢字から外されたことから戦後新たに作られた言葉ですが、やがて戦前の不健康で荒唐無稽な「探偵小説」とは違う、という差別化の意味合いを持って普及したものです。乱歩はじめ、戦前から活躍しておられた先生方が戦後世代のそうした戦術的差別化に反発したのも当然でしょう。
余談ながら香山滋の『ゴジラ』準備稿(「原作」にあたるもの)50年代の娯楽映画の筋書きとしてみれば、特にトンデモというわけではありません。ゴジラを生け捕りにしようとした見世物屋が実物をみて腰を抜かすなどのくすぐりや、ゴジラへの攻撃を妨害するために山根博士がマントを着て変装するなど、現代的基準では違和感のある箇所もありますが、前者についていえば娯楽映画にくすぐりは当然の時代でしたし、後者についていえば、まだマント姿の紳士もさがせばいた時代でした。
もちろん当時でもマント姿は時代錯誤だったといえばそれまでですが、それは現代(2004年)の渋谷にガングロ・ルーズソックスの女子高生が現れる程度のおかしさだったと思います。
ただ、映画『ゴジラ』の優れたところは荒唐無稽な話だからこそ、本編では同時代的な生活感を全面に出す演出を行ったところで、願代ではその完成作品と比べられる分、準備稿への違和感が強調して受け取られるという面はあるでしょう。

http://www8.ocn.ne.jp/~douji/


#5322 
徹夜城(今度の史点ネタも待ち状態の管理人) 2004/12/01 23:14
推理小説・探偵小説

>原田実さん
ちょうど行き違いでした。僕が投稿してみたらその直前に書き込まれていたようですね。まさに秒単位の差でした。詳しいお話をありがとうございます。
関連話ですが、日本における最初の本格的「推理小説」となると誰の何がそれになるのでしょうね?翻案ものは除いて、の話ですが。やはりこれは江戸川乱歩になっちゃうのでしょうか?横溝正史も乱歩とあんまりタイムラグがないようですが…。

ところで乱歩らは「推理小説」よりも「探偵小説」という呼び方にこだわったところもあるみたいで、香山滋の小説を「怪獣探偵小説」(!)と分類していたとか何かで読んだことがあります。ご存知の方も多いでしょうが、香山滋は「ゴジラ」小説版の作者で映画でも「原作」とクレジットされている人物。聞いた話では小説は映画以上にトンデモな描写もあるようですが…
「ゴジラ」もひとまず終了ということで(どうせ10年以内になんらかの形で作るでしょうが)香山滋の小説もまた再刊になっていたような。



#5321 
徹夜城(推理小説に時々ハマる管理人) 2004/12/01 23:00
ポーは読んだことが無い…

>不肖δさん
 エドガー=アラン=ポーですかぁ。僕はまだ一作も読んだことは無いんですよね。江戸川乱歩なら…ってお約束をかましつつ。
 一応「推理小説史」においてはポーが本格推理小説の元祖とされているようですね。謎解きをメインテーマとし、「名探偵」を登場させアッと驚くオチをつけるという小説形式としては確かに先駆なのでしょう。その後のフランスのルコック氏、イギリスのホームズに影響を与えたことは確かで、ホームズなんか前者二人をコケにすることから始めなきゃいけなかったぐらいで(で、そのホームズをルパンがコケにする)。
 ただし謎解きそのものをテーマとした物語じたいはポー以前にもあったんじゃないかと。古代エジプトのパピルス文書で推理小説じみた話があるとかで、これが「世界最初の推理小説」なんて言われたこともあったような。中国近世でも裁判もの小説がちょっと推理小説っぽい空気があります。日本で言えば大岡政談みたいなもんで…というか大岡政談がそもそもそういう中国ネタの翻案だったりするんですが。


>ブッチャー3世さん
歴史もの漫画ってのはまず雑誌連載形式で書くことが至難、という点がありますね。あるにはあるんですが、雑誌は売れるかどうかをにらみつつストーリー展開を決めていったり打ち切っちゃったりしますから、事実関係が動かせないうえ大長編で構えなければならない歴史ものは敬遠される傾向があります。かく言う僕も某誌編集者に「倭寇なんてどーでしょ?」と持ちかけても「じゃあ30ページぐらいでエッセンスをまとめてください」と言われて頭を抱えた覚えがあります(笑)。
そう考えると、漫画サンデーの「沙也可」なんて奇跡みたいな企画なんですが。

僕も歴史漫画は書きたいところなんですけどね、ここでリクエストとってそれを書くというのはいくらなんでも無謀ってもんで(笑)。
2ページ程度のギャグならやる気もありますけど。実際「鼻の障害」から「新鮮グミ!」にいたる大河ドラマパロディシリーズという企画はひそかにあったりします。「黄金のヒビ」とか「カツ回収」とか…ってドンドンばらしてしまうと書くに書けなくなるか(笑)。


>鵺さん
「虹色のトロツキー」は未読なんですが(ちょこっと読んだ部分はありますが)、そのBSマンガ夜話は見ていました。内容そのものの評価よりもアニメーター出身である安彦さんの漫画を論じる、という展開になってましてそれがまた興味深かった。結構キビしい意見も出ていましたが(必死でフォローもしてましたね)、部分的には僕も安彦漫画に同じことを感じていたところもありました。

ちょうど「翔ぶが如く」を読んでいたところでして、「司馬遼太郎的とっちらかり」というのはよーく分かったところでした(笑)。特に「翔ぶが如く」でそのとっちらかり具合が強いんじゃないかなぁ。とにかく新たな登場人物が出てくると、その人の生い立ちから幕末の活動、西南戦争後の話まで余談を全部書いちゃうんですよね。あと司馬遼太郎自身が書いていてふと連想した雑学的余談までしょっちゅう書いちゃう。それでもなんとか軌道修正して元の話に戻るあたりはさすがなんでしょうが…。



#5320 
原田 実 2004/12/01 23:00
推理小説のはじめは

犯罪とその解決の過程を論理的に叙述することを自覚的にテーマにした作家ということではポーが探偵小説(推理小説)作家の元祖ということができます。もっとも、作者がどこまで自覚していたかはわからないが、結果として「犯罪とその解決の過程を論理的に叙述すること」がテーマとなってしまった作品はあるわけで、推理小説の起源を聖書外典の「ベルと龍」、ギリシャ悲劇のオイディプス王」などまで遡らせる説もあります(私も仏典に同様の事例を見つけたことがあります)。
犯罪を捜査する探偵行為そのものをテーマとする小説はポー以前にも、ウイリアム・ゴドウインの『ケイレブ・ウイリアムス』やデイケンズの作例などがあります。また推理小説的なトリックは、ゴドウインの娘であるミセス・シェリーが『フランケンシュタイン』においてモンスターが他人に殺人の罪を着せるために用いています。というわけでポー以前の探偵(推理)小説をさかのぼるということも可能ではあるのです。
なお、単に主人公が探偵する、あるいはシリーズ・キャラクターとしての探偵が登場するというだけではなく、探偵が物語を牽引する(ヒーローとなる)という意味での探偵小説はドイルの『緋色の研究』を嚆矢とみなすことができます。

http://www8.ocn.ne.jp/~douji/


#5319 
不肖δ 2004/12/01 19:41
ポーより以前には推理作家は存在し無かったのですか?

最近、エドガー・アラン・ポーの推理小説・短編集を初めて読みました、
彼は生涯に、そんなに推理小説を沢山、残してはいないようで、
私が読んだ黄金虫・モルグ街の怪人その他・集いがいは無い感じですが
なかなかエキセントリックな世界で面白かったです、
彼は世界で初めて推理小説(いわゆる謎解きもの)を書いた作家という話を
聞きますが、これは妥当な線なんでしょうか?



#5318 
2004/11/30 13:06
歴史まんが

歴史漫画も数ありそうですね、もしかして映像作品より多いのでは無いかしら。昨夜のマンガ夜話「虹色のトロツキー」でしたが、司馬遼太郎的とっちらかり方が似ているとか、みなもと太郎さんとの比較もされておりました。



#5317 
ブッチャ−3世 2004/11/30 12:54
歴史漫画は

なんか最近は漫画雑誌を読まないもので、どんな歴史漫画があるかは
知らないんですが、ちょっと前、「傭兵ピエ−ル」を漫画でやっていた
記憶があったんですけど連載とっくに終わってしまいましたかね?
塩野七生さんの小説とか漫画でやらんかなと思いますが実現難しそう
ですね、ここは当、伝言板で漫画化して読みたい歴史事件をランキングして
1位になったものを漫画も描ける歴史作家・徹夜城さん に描いて
いただく、という企画はどうでしょう?(自爆




#5316 
徹夜城(ようやく休日が取れそうな管理人) 2004/11/30 00:46
勝手に傑作選

 中西さんの「コミカル・ヒストリー・ツアー」に対する熱愛書き込みに刺激されまして、勝手にいくつか思い出した「傑作選」なんぞを。もちろん4コマを文字に書いて表現するってのは面白さを大幅減してしまうものですが、ここを読んでる方でも実際に見た方は意外と少ないのではないかと思い、いくつか紹介させていただきます。手元にいま現物がないんでやや不正確になりますが…

☆「天下三分の計」
ご存知三国志の劉備が諸葛亮を訪ねるくだり。地図で「天下三分の計」を説明する諸葛亮に劉備が問う。
「しかし先生、それでは国力は魏が2分の1、呉が3分の1、蜀が6分の1ぐらいではありませんか」
「国力は数字だけではかれるもんではなか(なぜか薩摩弁)。呉には兄の諸葛謹がおる。そして蜀にはこの私。ちょうど3分の1、3分の1、3分の1になるのでござるよ、わははははは」
…この自信過剰の男を軍師に迎えたものかどうか、劉備は三度迷ったのであった。

☆「鄭和の大航海」
…気宇壮大な永楽帝らしい鄭和艦隊の遠征だが、謎が多い。
大遠征から帰国した鄭和艦隊だったが、戻ってきたのはその一部だけで庶民達は「そりゃ大失敗じゃねーか」「鄭和さまは首をはねられるぜ」と噂しあう。そんな中、鄭和は永楽帝に謁見。
鄭「大成功でございました」永「ごくろーであった」
永「増えすぎる我が国民を世界にバラまいて世界を征服するのじゃ!」
鄭「次は難民に偽装して日本へ!」
(最後のオチは連載時の時事ネタであります)


専門柄中国史ネタでとりあえず2本ご紹介。
他にもノルマンの「巨人ロロ」による「第一次ノルマンディー上陸作戦またの名を『史上最大の作戦』」ですとか、酔っ払って宗教裁判に出て「ほれ、それでも地球は回っているぞ!」とのたまうガリレイとか、自分への賛辞を捏造しまくるマキャベリ、創業の労苦を忘れまいと紅巾を赤フンにしている朱元璋とか、忘れがたいネタがいっぱいありました(笑)。当時わかんなくても後から知って「ああ、元ネタはこれだったのか」と分かる物も多かったですね。

週刊朝日百科「世界の歴史」は毎週毎週本文内容よりもこの漫画と、「映画の中の世界史」の連載が楽しみでした(笑)。特に後者は僕が「歴史映像」蒐集に走り出すキッカケとなった企画です。



#5315 
中西豪 2004/11/29 23:14
「コミカル・ヒストリー・ツアー」単行本化希望!

>「コミカル・ヒストリー・ツアー」
まだ単行本化されていませんねえ。切り売りもされていないようだし。
朝日新聞社から出て当然、と見ていたのですが、何がネックなのだろう。
毎回ほぼ例外なく腹を抱えて笑い転げていたクチですが、相当ひねったものもあり、単行本『現代思想の遭難者たち』みたいに、野暮を承知でネタの解説を付けないといけないだろうな。しかし、きわめて良質な歴史入門書になりそうな。
コミケットで新刊構想がまとまらないとき、『「コミカル・ヒストリー・ツアー」を読み解く』と題して、傑作をピックアップ、見開きで画伯の作品とネタ解説を載せる本を出そうとして、危うく踏みとどまりましたが、やっていたら著作権違反か。いや、一連の謎本のごとく、セリフと状況説明を文章化すりゃよかったのか? 来夏に再チャレンジするか(笑。冬コミ、落ちました)。

フン族ならぬ糞族ネタの、四コマ目のオチがもっとも印象的ですが、一発ギャグ的なものとして、カニシカ王のルックス(頭部の欠けた石像を想像復元?)もあまりのバカバカしさに忘れられない……。



#5314 
徹夜城(いしいひさいちも大好きな管理人) 2004/11/29 12:52
おお。いしい画伯(?)が。

>ひでさん
 おお、そうなんですが。「中国の歴史」シリーズの月報にいしいひさいち氏が「連載」をしてるとは。いや、ほんとよく細かいところで仕事をされている方で。以前思想・哲学関係のシリーズの月報に連載していた「現代思想の遭難者たち」と同じノリということでしょうか。
 いしいひさいちの歴史もの連作としては週刊朝日百科「世界の歴史」に毎号連載していた「コミカル・ヒストリー・ツアー」が素晴らしかった。原始から現代まで、130本ぐらいあったような…。僕はあれでいっそう世界史オタクになった部分もあります(笑)。あれって単行本にはまだなっていなかったような…
 「コミカル4000年ツアー」だけ目当てに「中国の歴史」をチェックしてしまいそうな(笑)。これについてもやっぱり「海と帝国」の巻でどういうネタをふってくるのか楽しみです。



#5313 
ひで 2004/11/28 14:52
印関係

個人的には金印のあれは国名だと思います。現在読書中の「中国の歴史」3巻に出ていましたが、匈奴に与えた銅印に「漢匈奴悪適尸逐王」とかかれたものがあったり、「漢匈奴破虜長」印、「漢帰義胡長」駱駝鈕印などがみられるので、直接的な証拠ではなくそういったところからの類推にすぎませんが、漢よりあとの部分は国や集団の名前と称号なんじゃないかと。

話は金印から離れますが、「中国の歴史」3巻の月報を見ると、いしいひさいちの4コマ漫画「コミカル4000年ツアー」なるものがあり、以後月報にて連載されるようです。第一回目は王モウですが、王モウからはじまってオチがポルポトというなんともいえない話になっていました。

>阿祥さま
それは雲南省出土の「テン王之印」(テンはさんずいに眞)のことですね。志賀島の金印の綬を通す部分(鈕)のデザインは蛇ですが、「テン王之印」が1956年に出土するまでそう言うデザインの印は今まで無かったために金印は偽物だと思われたこともあったとか。前漢の武帝が与えたという「テン王之印」には漢字4文字で「テン王之印」とだけほられています。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#5312 
阿祥 2004/11/28 12:53
金印関係

>くれどさん


正確な資料を見つけてからにしようと思ったのですが、なかなか見つからないので覚えていることだけ先にレスします。

“漢委奴国王印”とそっくりおなじ印鑑が、確か雲南だったと思いますが中国南部でも見つかっているはずです。同じように金製でデザインもそっくりで、漢朝が地方の政権に送ったものだとされています。そこに文字が書かれているはずだから、この部分を知ることができれば、委の文字が動詞かどうかはっきりするはずです。

直感的には、こういう印鑑には官職などの名詞が記されるのが普通で、動詞を含んだ文章が書かれるというのは不自然なように思いますが。




#5311 
徹夜城(土日も仕事中の管理人) 2004/11/27 22:10
渡老人、ついに逝く

いきなり何の話かと申しますと、先日この伝言板でも話題になりました映画「日本沈没」で日本政界を影から操る100歳を越える「箱根の老人」を演じた島田正吾さんが亡くなられました。享年98歳。渡老人にはちょっと及びませんでした。
あの映画で100歳を越える老人を演じていた時はまだ60代だったのだなぁ…。


>かかしさん
 『海国生還集』というタイトル自体は忘れておりましたが、実際に倭寇に拉致され日本で生活したのち明に帰国して体験を本に書いた人物については覚えがあります。直接読んだことはありませんが、どなたかの論文か書籍で言及があったはず。
 いま忙しいのであとで確認してお返事させていただきます。


>くれどさん
 コメントの前にちょっとご注意なのですが…
 くれどさんはしばしば他の掲示板のどなたかの書き込みをそのまんまコピー&ペーストして「という説があるんですが、どうでしょう?」という形の質問書き込みをされるのですが、あまり繰り返されるのはいかがなもんでしょうか。元の文を書いた当人の立場になってみると自分の書いた文章が全くあずかり知らぬところで俎上に上げられているというのはあまり気分のいいものではありません(僕自身も経験があります)。その書き込みについて議論をなさるのであれば、そちらの掲示板に書き込むのが筋と思うのですが?
 それと引用込みの書き込みをする際にはどこからどこまでが引用元であり、どこからくれどさんご自身の意見なのかハッキリわかるようにお願いします。いつも引用文からいきなり始まるので、くれどさんご自身の意見なのではないかと誤解されやすいと思います。「>」記号を使用するなど、方法に工夫をしてください。

 その上でいくつかお答えを。
 もちろん金石文があるのであれば、それは間違いなく当時の書き方そのままでわるわけで、筆写された文献よりはアテになるのは事実です。「史記」の昔からそうですが、文献資料は写し間違いや脱落がおこりがちなものです。
 「漢文は古代の中国語であるから現代中国語でよむべき」という意見も特にとっぴなわけではありません。実際、僕自身大学院でそういう指導を受けたことがあります。もちろん「古文」でありそう簡単にはいかないのですが、返り点で漢文を読むクセのついている日本人には誤読する可能性があるのは確か。もっとも当の中国人研究者も明らかな誤読をしているケースも多々あるので中国語で読むのも難しいようです。
 「二字で切れ」というのも漢文の原典購読ではよく言われましたねー。読みが分からなくなったら「二字」か「四字」で切れ、というのは解読のテクニックの一つではあります。もっとも、例の金印は「漢委奴国王」と彫られているのであって、しかも国王に任命する主体者であるところの「漢」が大きくなっていたはず。ですから「委」を動詞ととるのはやっぱり無理があると思う次第です。



#5310 
くれど 2004/11/27 16:33
漢文の読み方

金石文を基に考察するのは当然だと思います。
漢委奴国王印の漢文の読み方について、私は詳しくありません。
漢文では読み方を決めるときに翻訳されているわけです。
もしそれが誤訳であると、漢文の読み方を先生から学ぶときにすでに間違った歴史を学んでしまう恐れがあリます。
私は漢文は古代の中国語であるので、せめて現代中国語で読むべきだと考えます。
hanwei/nuguo/wangyin.
二文字ずつつなげて、三つに分ければ発音が流暢にいきます。
委の委は、動詞的な感じです。

同じ板ですが 私には?のような気がしますが。
金石文なら 漢文ではなく 中国語としてよむのでしょうか




#5309 
くれど 2004/11/27 16:24
古代史って難しいな。1

金石文と史書(写本)の文字解釈で迷われ判断が付かないときは、金石文を重視することが科学的態度だと思います。何しろ金石文、特に金印は彫られた当時のままの文字を出土しているのですから貴重です。この土台に立って史書を解読すればよいと思います。したがって古くは委奴(いノぬ、いノど)が正しく倭奴(わノぬ)は後代の表記です。委ににんべんを付けた倭の字は委の字に遅れて出来たか、倭表記は委に遅れて定まったものと考えられます。三宅米吉博士は委と倭は同義としていますが委は倭の略字とはしていません。(古今で漢字表記は変わるものと言っていますが)これは現在の常識と違うので迷うところですが、何よりも金印文字を表記に忠実に読むことが科学的と考えます。従って委奴国とは委(倭)人の建てた奴国の意味になると思います。光武帝はそれまで帯方郡の東南大海の無数の小島に散住していた倭が初めて九州に上陸して一大国家をつくったので金印を与える評価をしたと思います。

ヤフー掲示板より
あまり深く考えないというのも、ひとつのあり方ですが。



#5308 
かかし 2004/11/27 15:47
海国生還集

お邪魔いたします。いきなり質問してすいません。

嘉靖四十(1561)年、倭寇によって日本に拉致され、三年間
九州に抑留された蔡景榕という人物がいることを最近
知りました。

彼は福建出身で、後に『海国生還集』という文集を出版した
らしいのですが、海域アジア史の研究において同書は
有名なのでしょうか?ご存知の方ご教示ください。



#5307 
不肖δ 2004/11/27 11:10
強引な客引き?(汗

私的な事ですが、自前HPの第一回転送を何とかやりました、
まだ、つたないHPでちょっとしたヒマつぶしになるような
自称オリジナル漫画3話と掲示板があるだけなんですけどね、
お暇なら寄ってみて下さい皆様。
タイトルは「落書き紙芝居δ」
アドレス)http://www7.canet.ne.jp/users/yasushi
アドレス打っても出ない場合はお申し付け下さい
この私、パソコン音痴が誠意もって対応します。
すいませんね徹夜城様、人様の伝言板に自家宣伝なんてして。
それにしてもHP製作って大変、画像ってすんごい容量食う
のだもの、圧縮しなきゃやってられない。

http://www7.canet.ne.jp/users/yasushi


#5306 
2004/11/26 00:31
けっこう競演してるんですね。

正確な情報有難うございます(^^)。しかし南北朝って映像化はなかなか期待できないから出演者の縁で妄想するしか無いのでしょうか(笑)、一時期再来年は楠木だなんてウワサも流れていたようですけど。太平記やNHKドラマに限らず、歴史モノの映画、ドラマって政策側も縁やオマージュを意識してるんでしょうかね。

とりあえず正月の「大化改新」の続編企画を期待・・ですかな。



#5305 
徹夜城(太平記マニアの管理人) 2004/11/26 00:14
太平記人脈

>鵺さん
 「秀吉」はスタッフが「太平記」と多少かぶっていたこともあり「太平記」組が何人かおられますね。なんといっても主人公の「正妻」が沢口靖子、「弟」が高嶋政伸と同じ配役になってます(笑)。前の主人公は家臣に格下げ。
 「元就」では主人公の家臣団に榎木孝明、片岡鶴太郎。敵に陣内孝則、緒形拳がおりました。その緒形拳の息子役で高嶋兄弟の兄の方が出ておりましたが、こちらは「太平記」には出てません。
 「聖徳太子」では主役が本木雅弘。「太平記」では千種忠顕で出番はそこそこ多かったのですが、今にして思うと地味な使われ方だったような。というか、いつも片岡後醍醐とか原田廉子のそばにいるんでかすんでいた気もします。戦死のシーンもセリフで済まされてカットされたしなぁ。他に「太平記組」では馬子に貞氏、穴穂部に師直、用明天皇に親房、といった面々が出ておりました。
 番外?として映画版「陰陽師」。師直と尊氏が主従逆転して共演してます(笑)。あ、それを言ったら「たそがれ清兵衛」も「太平記」コンビですな。


>不肖σさん
いきなりな改名ですなぁ(笑)。
うーむ、それにしても漫画野郎の僕を刺激してくださいますね。HP楽しみにしております。気が乗ったらこっちもなんか書きますので…ってこのHPのトップに行った方はご存知でしょうが、公開以来ずーーーーっと漫画コーナーが「近日公開」のまんまに放置されてるんですよね。時間とやる気さえあれば一気呵成に描いちゃうんですが。ひそかに「ムロタイ」コミック化なんてことも考えていたりしますし。
ところで僕の「徹夜城」というハンドルネームは「不夜城」にひっかけてあるのも事実ですが、僕がシリアス系漫画を描く際のペンネームを改造してつけたものです。ギャグ系の時は絵柄もペンネームも変えちゃうという二重人格構造になっております(笑)。


>尾鳩さん
あ、奥様の出演はもう放送されちゃったんですか。事前に知らせてくださいよ(^^;)。

>くれどさん
いやいや、「回顧」にはまだ早い。年の瀬がおしつまってからにしましょうよ。



#5304 
くれど 2004/11/25 21:28
諸兄どうもです。

ところで管理さま

今年の回顧録やりませんか?

私的には 去年 今年 たぶん来年と どうしようもない年でしたが。

ただ いまさらながら

中沢新一 精霊の王は おもしろうございました。未読でしたら ぜひ



#5303 
尾鳩 2004/11/25 13:13
外人なら誰でも良かったのか!?

>原因不明の筋肉痛
うわぁ、辛そうですね。
特に寝るときなど大変でしょう。
みのもんたは、あまり信用できないかも(笑。ここは、「本当は怖い家庭の医学」を参考にしたほうが。いや、あれは、あれでストレスが溜まりすぎる番組かも。
私は全身が痒くて、痒くて。
乾燥した空気に弱いんですよ。

>トリビア
昨日、久々にトリビアを見ていたんですが、かみさんが私もトリビアがある、テレビに送ってもいい、と言い出したんです。それは、「Ugly Women Club」。
いえね、英国にUglyという町があるそうで、そこのご婦人会の名前が前述したもの。
「どう?」って聞かれたんですが、どうって聞かれてもなあ。
その後、インターネットで検索したら、現在はさすがに名前を変更したとか(笑。
ちなみに、この町のUGLYの発音は、アグリーではなくユーグリーだそうで。
まあ、トリビアというかトンデモねたになるのかな。

うちのかみさん、この前実はTVにエキストラ出演して、その役がアフガニスタンの女王様(笑。
クリィムシチューと小倉さんが司会で、世界の詐欺師を紹介するという特番だったんですが、英国人がアフガニスタン人を演じるというそっちの方が、トンデモといやあ、トンデモですね。
ちなみにアフガニスタン女王のかみさん、アメリカ人の詐欺しにだまされ、金をふんだくられてました(笑。



#5302 
「足塚玉虫」から改めまして「不肖δ」 2004/11/25 11:07
くだらない、お知らせですが。

実は、自分のサイトを立ち上げたいな、と思いまして、
取りあえず、ハンドル名を改称します、以降、我が名は「不肖δ」
δはギリシア文字、読みはデルタです、以後お見知りおきを。
サイトの内容はウエブコミックで、アドビのイラストレーター8で
描き上げた漫画が数話たまってますんで、そいつらを載せようか
と考えている次第。ただいま、HP作成ソフトと取っ組み合いを
している最中、自分のPC&機械オンチには嫌になってきますが、何とか
年内にはサイト立ち上げられるようにしたいです。
現在できあがっていて載せようと思っている漫画のジャンルは歴史
漫画では無いです、えぇと、クライム・フィクションって奴かな?
でも徹夜城さんってそういうジャンル好きでしょ?深作監督の映画
とか観てる、と書いておられるし徹夜城というハンドル名は
不夜城にちなんでるんじゃないですか?(笑
描きこみをこなしてきたら歴史漫画にも挑戦してみたいです。

>原因不明の筋肉痛
肩こり の場合は心臓疾患を心配した方がイイ、と言っていたのは
みのもんた でした、違ってたら御免なさい、苦情は、みのもんた へ
どうぞ(笑



#5301 
景虎 2004/11/25 02:57
にゃんと!!

>太平記
ファミリー劇場でやるんですか。
時代劇専門チャンネルでは今年、『徳川家康』、『武田信玄』、『炎立つ』をやっていたので、ファミリー劇場は盲点でした。まあ、時代劇専門チャンネルでもそのうちやりそうですから、加入するかどうか悩むところです。

>船頭の孫さん
>原因不明の全身の筋肉痛
うわ、辛そうですね。大丈夫ですか?
医学は素人なのでよく分かりませんが、そういう原因不明系?は東洋医学が効きそうなイメージがあります。東洋医学は名医に当たればともかく、ヤブに当たるとひどい目にあいそうな気もしますが、まあ、素人の勝手なイメージですから、実際はどうなのかわかりませんが。



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