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#5700 
アール・ケイ 2005/05/21 17:59
ネタにしてはいけませんが

AP通信によると、南米チリのアンデス山中で18日に雪中訓練を行っていたチリ陸軍部隊が遭難した事故で、ラゴス大統領は20日、死者が13人に達したことを明らかにした。
 行方不明の41人についてチェイレ陸軍司令官は「死亡している可能性が高い」と述べた。一方、ラビネ国防相は同日、悪天候の中で行軍を決行したことを「過ちだった」と認めた。チェイレ司令官によれば、部隊の上官3人を解任したという。

(読売新聞)

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いまの時代にも『八甲田山』の悲劇は繰り返されるんだなあ、と。



リチャード=ライオンハート王が最後に登場するって
ケビン・コスナー主演版『ロビン・フッド』やがな。




#5699 
不肖δ 2005/05/21 16:54
目標は3D武者

最近はCG3Dに挑戦などという無謀な事をしてます(笑
Shadeという汎用3DソフトとPoserというフィギュアで構築していく
タイプの3D人間を描くソフトを衝動買いしてしまいました。
って、それ歴史と関係ないだろうが、と言われそうですが、
ゆくゆくは歴史人物の想像肖像画や鎧兜武者、西洋甲冑騎士などを
3Dで描いてみたいという目標がありますが、まだ、マニュアルの
通りに3D家具などを練習で描いている寒いレベル(笑
目標へ到達するのは、いつのことやら(笑
資料集めにネット上で甲冑のサイトなど覗いてますが
世界各地に色々と甲冑博物館があるものですね、
キプロスの博物館、甲冑が豊富に展示されてました、騎士団が
あった土地柄だからでしょうか。
西洋甲冑もキワモノでは物凄いデザインがありますが、
日本の鎧兜にも凝りにこったものがありますね、直江兼続の
「愛」という立体レタリングの兜やカニを乗っけた可児才蔵の兜
伊達政宗のあの天井を突き破りそうな長い三日月がある兜とか。



#5698 
徹夜城(倭寇映像も研究している管理人) 2005/05/20 10:51
「チャングム」に倭寇登場

いや〜、やっと出てきた(笑)。今か今かと待っていた「倭寇」がついにBS2で放送中の韓国時代劇「チャングム」に昨日放送の回で登場しました。「初めての鍼」なんていうサブタイトルでは予想もしない内容で(笑)。録画しそこねなくてよかった〜

 主人公チャングムは宮廷内の争いに巻き込まれ、無実の罪で済州島へ島流しになり、ここで一人の医女とめぐり合い、もともと料理を通じて薬剤関係に詳しかったこともあり都へ戻る手段として医女になる道を選ぶわけです。ま〜それにしてもこのドラマのチャングムさんはあまりに優等生すぎて日本では嫌われそうなタイプですな(笑)。
 やたらに覚えがいいチャングムですが、実際に鍼治療をするとなると手が震えてダメ…というところへ問題の倭寇が来襲するわけです。それも倭寇の首領が病に冒されたため治療する目的での来襲で、たまたま医女がチャングムだけだったため、彼女が治療にあたることになっちゃうわけです。診断は素早くこなすチャングムでしたが肝心の鍼治療はなかなか思い切りが出来ず…結局は倭寇が「治療しないと住民を殺す」と脅したため初めて鍼を打つことになる。で、成功するわけです。
 ただ完全治療のためには十日は寝ていなければならない。それは出来ないから一緒に船に乗れ、と言われているうちに官軍が駆けつけてきて倭寇を一掃するので治療が成功不成功は判然としないままになってしまうんですけどね。

 さて、注目しておりました倭寇のビジュアル面ですが。
 韓国が作る時代劇における日本のサムライそのまんま、というところですか。なんとなく日本の源平時代風鎧みたいではあるけど日本人が見るとどこかヘン、という鎧を首領クラスが身に着けていて、子分達は戦国時代の足軽風に陣笠をかぶり、防弾チョッキみたいな鎧(?)を身に着けています。なんじゃこりゃ、と思う日本人視聴者も多いでしょうが、これは以前韓国で製作された大河ドラマ「壬辰倭乱」(豊臣秀吉の朝鮮侵略を描いたもの)の日本軍のコスチュームをそのまんま流用したんじゃないかと思われます。ま、韓国における日本イメージなんてあんなもん。茶筅髷と月代を妙にミックスしたヘアスタイルもなんだか妙な感じですが、江戸時代風のピストルみたいな髷にヘンな飾り(?)をつけていた「壬辰倭乱」の初期のヘアスタイルよりは格段にリアルになってるかと(笑)。
 まぁ倭寇なんて実態がまだまだ分からないので、ああいうビジュアルでもさほど違和感はなかったりしました。かえって日韓混交風(笑)の妙な衣装は倭寇の実態に近いんじゃなかろうかと思うところもあり(笑)。日本の鎧武者みたいのがいたとは僕はあんまり思ってないんですが、昨日の回での下っ端連中の着流し風衣装なんかはありうるな、という印象は持ちました。

 ところで「チャングム」はラスト数分にNHK側で作った歴史解説のコーナーがありまして、やはり今回分では「倭寇」が取り上げられました。さすがにTVで倭寇を説明しようとすると素材はこれしかない、と明の「倭寇図巻」がそのまんま映されておりました。
 「16世紀にはアジアの海賊も参加してきて…」というのは王直ら中国人を念頭においてるんでしょうね。東南アジア系もいたみたいですから「アジア」という表現はまぁ妥当なところでしょう。ただ「チャングムの時代にはスペインやポルトガル人も入ってきて朝鮮王朝をおびやかした」という解説には、ちょっと待て、と。ドラマは16世紀前半あたりの時代設定のようですが、スペイン人・ポルトガル人が倭寇にまぎれて朝鮮半島まで行ったケースはまだなかったんじゃないかと。中国南部でようやく倭寇的な密貿易集団と接触したあたりじゃなかったかな。
 いずれ「海上史事件簿」で触れることになると思いますが、1550年代に王直集団と思われる「倭寇」が朝鮮半島南部に大規模侵攻をしています。対馬人が朝鮮王朝に「平戸に五峰(王直の号)という者がいて、先の侵攻はそいつの仕業だ」ということを伝えており、朝鮮王朝の記録に五峰王直の名が残ることになるわけです。この侵攻がなぜ行われたか解き明かすことが王直集団の性格を探る上で重要なんじゃないかと今こつこつ調べているところだったりします。



#5697 
徹夜城(今日は午前と午後、両教徒混戦の歴史映画を見ていた管理人) 2005/05/19 23:21
「キングダム・オブ・ヘブン」

 今日になって見てまいりました、リドリー=スコット監督・オーランド=ブルーム主演の十字軍映画「キングダム・オブ・ヘブン」。今日の午前中は先日録画した「エル・シド」を通しで見ておりまして、今日はキリスト教徒vsイスラム教徒の戦いの二本立て状態です(笑)。まぁ「エル・シド」はイスラム教徒も味方についてるわけですが。
 映画的な感想はさっき「栄耀映画」の方にも書いたんですが…伝言板の使い分けもいざとなると難しい。

「キングダム・オブ・ヘブン」、オーランド=ブルーム演じる主人公バリアンはフランスの田舎で鍛冶屋をやってる青年だったわけですが、ある日突然訪れた騎士のリーアム=ニーソンから「私はお前の父親だ」と言われ、ジェダイの騎士に誘われて暗黒面に…
 すいません、直前に「SWエピソード3」の予告編が入っちゃったもので(笑)。とにかく前半は何がなんだか分からんすっ飛ばしぶりで(栄耀映画の方で指摘されてましたが大幅なカットがあった気配もあります)鍛冶屋からいきなり騎士になったバリアンはエルサレムに入り、現地を治めるキリスト教国の国王ボードワン4世に仕えることになります。
 このボードワン4世、ハンセン氏病(劇中字幕ははっきりと「らい病」と表現し、最後にお断り字幕が出ます)に侵されており、劇中ではほとんどマスクをつけた状態。史実でもそうだったらしく、関ヶ原ドラマでおなじみの大谷吉継みたいな状態です。演じてるのはエドワード=ノートンですが、顔が出ないのは俳優としてはやりにくいだろうなぁ。声で勝負か。
 で、このボードワンの妹シビラ(実在人物)を演じるのがエヴァ=グリーン。これがどういうわけかバリアンと恋愛関係になっちゃう…うーん、最近のハリウッド史劇大作のパターンですね、これ。実在歴史人物の女性といとも簡単に恋愛関係にしちゃうという。「ブレイブハート」とか「グラディエーター」とか。特に構造的には「ブレイブハート」に似ていた気がします。

 そしてイスラム側は、来ました〜!イスラム歴史人物最大のヒーローともいえるサラディンが登場します!っていうかサラディンがエルサレムを攻め落とした史実を背景にしてますからね、この映画は。シリアの俳優さんが演じているそうですが、さすがになかなかの貫禄です。フランスから来た青二才と英語で直接話したりしてるあたりが謎ですが(笑)。ま、イスラム圏での映画事情は全く知らないので置いておきますが、サラディンがここまで大役で登場した欧米映画は初めてなんじゃなかろうか?
 もともと「イスラム騎士道」でヨーロッパでも評判の高かったサラディンですが、この映画では最近の十字軍観も反映していっそうカッコいい描かれ方になっております。この映画では常に仕掛けるのは十字軍側の、それも野心家たちの方からで、ボードワン4世はサラディンと和平を結び、イスラム・キリスト両教徒(たぶんユダヤもなんでしょうけど映画内ではカット)の共存を図ろうとしていた設定になっています。

 この映画、エルサレム攻防戦の迫力に関しては文句なしかと。ちとCG効果がリアルを通り越して誇張になってるような気もしますが…どーもオーランド=ブルームがいるせいか、「LOTR」のミナス・ティリス攻防戦に見えて仕方がない(笑)。大軍もCG処理してるようですが、こうした技術はかなり進歩しましたね、ほとんどエキストラ実演大軍と見分けがつかなくなってきました。
 
 ただ一本の映画としてみるとかなり「しまりのない」作品という印象を受けましたね。真ん中に一本筋が通ってないといいましょうか。主人公のバリアンはフィクションキャラかと思っていたらパンフレットにあった専門家の解説によればレッキとした実在人物だそうで、エルサレムの騎士・住民を指揮してサラディンの猛攻を一定限度まで防ぎ、その後サラディンと交渉して有償で多くのエルサレム住民の自由を勝ち取った人物なんだとか(アラブ側に詳しい資料があるらしい)。もちろん現地にいた貴族でフランス系ではあるにせよ鍛冶屋だったわけではないし、国王の寡婦を妻にしていて王の妹シビルとどうのこうのということはないですが。
 歴史映画にフィクションを持ち込むなとはもちろん言いません。だけど、この映画の前半のフィクション部分はどう考えても無理があります。どうしてこんな設定・展開に?と思うところが多々あり…あれなら最初からエルサレムを舞台に話を進めればよかったろうに、と思いましたね。それだとヨーロッパから十字軍連中が聖地目指して出て行った実感が描けないと思ったんではありましょうが。
 この前半の無理があるために、後半いきなりバリアンが国王から跡継ぎにされかかったり、エルサレムの危機を巧みな指揮で救っちゃったりするのがサッパリ理解できない(笑)。あんた、つい先日まで鍛冶屋でしょ!と(笑)。

 ところでラストにリチャード獅子心王が出てくるのは、イギリス出身監督ならではのお遊びなのか?(笑)。



#5696 
NF 2005/05/18 20:51
一口に愛国者といっても

>孟きょう様
日本は基本的にずっと誰かの背中を追いかけて走ってきた国ですからね(近世までは中国、近代はヨーロッパ、現代はその延長でアメリカ)。何しろメインカルチャーというか教養文化が中国や欧米からのお下がりが大半です。だから劣等感が根底に残るし、「自分探し」が切実なのかもしれません。劣等感を持つのは向上心にも繋がるので悪いことではないですが、それを直視する勇気は欲しいですね。ま、過去がどれだけ後進国だったにしろ、今現在それなりに先端の国々と伍しているわけだからそれで十分誇るに値すると思うんですがねえ。自国を持ち上げるのは万国共通だし概論的な理解をしようとすればある程度偏見が入るのは避けられない面はあるとは思うんですが…。「自分たちは偉い」と思っているだけならまあ問題は少ないですがそれが高じて「他の国々はカスだ」と思い出したらどうもならんですね。

ところで、愛国者といっても割に多様性があるように思います。大きく3つに分けてみました。
@現在の「他国に毒され」たり「軟弱」になった社会が気に入らない。自国の太古を研究し、その雄々しさや素朴さを理想と考えるようになる。伝統的な右翼はこのタイプが多い気がします。あと、作品を見る限りでは小林よしのり氏もこの系統になる気が。国学者で言えば賀茂真淵がこのタイプでしょうか。
A自国の洗練された都市文化に耽溺し、それが高じて自国文化・自国へ非常に強い愛着を抱くようになる。理屈っぽい傾向があり、資料を集めてそれを基に自説を組み立てるのを好む。まあ、オタクな人はここに分類される人が多いと思います。僕自身もここに入るのかな?国学者で言えば本居宣長ですね。
B愛国者になった切っ掛けは何であれ、結果として電波と言うか、現実から解離した空論・妄想の世界に逝ってしまった人。竹田日恵氏は勿論ここですね。まあトンデモ扱いされる人は大概ここでしょうな。国学者で言えば、平田篤胤でしょうか?

まあ、実際には線引きが難しくてこう綺麗には分かれないでしょうが、理念系としては面白いのでないかと思います。荷田春満については恥ずかしながら良く知らないですが、国学四大人の残り三人が上手くそれぞれのタイプに当てはまったので我ながら興深いです。



#5695 
孟きょう 2005/05/18 14:40
まったくそのとうりで・・

>徹夜城様
 ええ、そうなんですよね。根底にあるのは、ひがみとかなんでしょうね。他の国にも多少はある事なんでしょうけど日本の場合、国学等の他にも何かドロドロしたコンプレックスというか、日本特有のイジイジした思いつめを感じるんですよ。他国に対して強がらず、ありのままの等身大の日本史の実像を見れればそれでいいと思うのですが。
>gallery様  海外生活体験のある知識人が結構トンデモな愛国者になってしまうケースがあるというのは書店を少しめぐるだけでも実感できますね。日本人で結構昔の西洋哲学者や西洋史、西洋古典文学の学者の方々が書いた、かなりの偏見で世界史を単純に図式化し、日本をもっちゃげているような内容の本が文庫本で古本屋に普通においてありますから。



#5694 
NF 2005/05/17 03:17
445500!

フランス外人部隊は、フランス側にとっても直接祖国の存亡に関わるわけではない植民地などの戦いで血を流すことを拒んだ国民に代わって植民地で戦うという利益があったようです。基本的には景虎様がおっしゃったような移民から構成されていましたが、中には物好きな外国の王族・貴族が参加したりもしたようです。第二次大戦後には戦犯として追われる元ドイツ将兵が参加したこともあるとか。
445500番を踏んでいたので、つい嬉しくなり記念に書き込んでみました。



#5693 
NF 2005/05/17 03:01
傭兵といえば

関連書籍では、柘植久慶氏「フランス外人部隊」などが有名ですが、歴史を見るうえでは「傭兵の二千年史」(菊池良生 講談社現代新書)あたりが最良だとは思います。今回の人質の方は、職業柄覚悟はされておられるのでしょうけど、それだけに無事であって欲しいですね。
>「日本の出自を古くしたい」
竹田日恵センセもモロにそうでしたものね。個人的には、際立って後発のランナーが中国やオリエントにローマといった先行する名だたる強豪に追いつき追い越すという展開の方がカッコ良くていいんですが…。



#5692 
gallery 2005/05/17 01:11
傭兵の用兵

>傭兵、外人部隊
…ってぇと、画・浦沢直樹『パイナップル・アーミー(作・工藤かずや)』とか、
望月三起也『最前線』あたりを思い出しますな。

浦沢直樹つながり『PLUTO』が手塚治虫文化賞をゲット。元ネタ『地上最大のロボット』だけに、
内輪の受賞と取られかねなかった状況ですが、浦沢さんの作りの上手に助けられましたな。
浦沢さん自身も『MONSTER』に次いで2作目の受賞で、審査はかなり揉めたそうです。
別に作品としては文句はないのですが、まだ2巻なのに受賞ってのは、ちと早すぎやしないか?

>『てこ歴』執筆動機にgalleryさんに「せっつかれた」ところもあったりしますんで(笑)
どうも失礼しました(笑)しかも亀レス。
なんか、色々とネタは豊富におありのようで。また楽しみにしております。
ただ、他のレビューサイトで、掲示板で続きを書くようあんまりにも「せっつかれた」ため、
頭にきた管理人がレビューページを閉鎖にしちゃった例がありますので、せっつきません(笑)
気長に待っております。楽しみに待っておるだけですので。(←せっついてますか?w)

>海外生活者に妙に過剰な愛国者が多いという側面
原田さんも所属なされております某学会員(草加にあらず)さんの掲示板から引用
>>「海外暮らし」と言うといかにもコスモポリタンな視点を持ってるように
>>思ってしまうのが人情ですが、実は今住んでる国のことしか知らない人が
>>ほとんどで、しかも外交官とか商社とか仕事で海外滞在してるような人は
>>大概邦人ばかりで固まって暮らしてるもんです。案外視野狭い狭い。
>>おまけにコミュニティを一歩出れば外人ばかり、てゆうか自分のほうが
>>外人という環境で、時には有色人種差別にさらされ、日夜異邦人意識に
>>さいなまれつつ生きてるもんだから、かえって日本在住の日本人とは
>>比べ物にならないぐらい「日本人としてのアイデンティティ」にこだわる
>>生き物が出来上がるわけです。ユダヤ人と一緒です。
>>上京してもかたくなに大阪弁喋り続ける大阪人みたいなもんです。
>>もしくはロッテファンみたいなもんです。

日本人ってぇのは特に純粋培養なんで、海外生活した時のストレスやコンプレックスも
他国の方々とは比べ物にならんのでは、と推測します。人にもよるでしょうが。



#5691 
景虎 2005/05/16 02:14
傭兵派遣

>フランス外人部隊
ドイツやイタリアから、革命に失敗した難民が流入した時に、難民の受け皿として創設されたようですね。その為、初期の頃は素人集団で、外人部隊に配属されるということは、士官にとっては左遷を意味したとか。人道的な問題を別として考えてみると、難民対策としては、上手いやり方かもしれませんね。

>民間警備会社
何年か前に、日本人の元傭兵の人が雑誌で解説していましたが、このような会社は警備会社といっても、実質的には傭兵派遣業であり、傭兵団と言った方が正確なようです。
傭兵の歴史はよく知りませんが、おそらく昔からこのような組織があったんでしょうね。



#5690 
なな 2005/05/16 00:28
無事を祈る

>イラクの人質事件
>公開された襲撃場面の動画
動画開始前の字幕で「重症の日本人を拘束した」と出たそうで。
直感的に、斎藤さんは今現在まだ生きてるんじゃなかろうかと思いましたが…。

>斎藤氏の経歴についてのマスコミ報道
「斎藤氏は陸自出身だった?」との情報が出始めた、誘拐事件発覚当初。
官房長官が記者会見で「それについては個人情報に関わることだからノーコメント」と言ったのに、言ってるその端からマスコミの報道によって「元自衛隊員」「仏国外国人部隊」「出身地と実家」と、彼の経歴やプライバシーが次々明かされていきましたよね。
こんな特異というか物騒な経歴、政府より先に表沙汰にしちゃって大丈夫なの!?
…と、テレビの前で一人でびびっておりましたわ。
犯行グループも、銃撃戦の末に捕らえた斎藤氏がよもやただの民間人とは思っていないだろうけど、それでも犯行声明では「日本人」としか言ってないんだし、テロリスト側が彼の詳しい情報を入手したら、日本政府への対応や要求が変わったり、人質本人への感情や態度が変わったりと……「何らかの影響を及ぼすかもしれない」とは思わなかったのかな、と。
いや、マスコミ側はこれまでの経験則から「大丈夫」と判断して流したのかもしれないけど…。
まぁ、政府も報道を止めなかったら、事件に直接影響はしないと判断したんでしょうけどさ。

その後も、「斎藤氏は現在は民間警備会社で働いていた」という情報から、民間警備会社なるものに注目が集まると、アメリカ低所得者層のイラク出稼ぎ労働者を取材して紹介していたニュース番組を見まして…。なんかズレてるよーな気が…と。
斎藤氏の経歴から見て、前例として出すべきはだいぶ前にイラクの民衆に遺体を焼かれた上に橋につり下げられた、あのアメリカ人だと思うんですが。あの人は元特殊部隊だかなんだかの出身で、事件当時は民間警備会社で働いていたんじゃなかったっけ…。

今の時期にイラクへ行くというなら日本国籍を捨ててからにしてほしかった…とは思うんですが、これまでの日本人人質たち…プロ市民とか、にわかジャーナリストとか、セルフディスカバリーの青年たちよりかは、無事に生還してほしいと強く思うんですよね。なぜだか。



#5689 
徹夜城(倭寇資料整理作業で執筆が進まない管理人) 2005/05/15 23:15
不吉な数字

>一ノ風さん
 お久しぶりです〜「444444」をお踏みでしたか。しかも13日の金曜日に(笑)。ま、あのカウンタはしばしば吹っ飛んでおりますので正確な数字ではありませんからご安心を(?)。
 
 「四」を「死」の音に通じるとして忌むのは中国でもあると聞いたことがあります(意識しないことが多いですが「よん」って訓読みなんですよね)。日本語ですと「九」は「苦」につながるとして忌まれますが中国語では「久」につながるとして縁起がよいとされるとか。また「五」の発音が「無」と同じなので「五四」は「無死」ということで縁起がいい数字とみなされるとか、いろいろとあるようです。
 欧米圏ではやはり「13」のようですが、これは1ダースに1つ余計についてるため割り切ることが出来ない数字として商人たちが忌んだことが由来らしい、という説をアシモフの小説で読んだことがあります。
 そういや映画の伝言版には書いたんですが、先日、千葉真一主演の「ゴルゴ13」を見たんですよ(笑)。劇中のセリフで「キリストを裏切り荊の冠を載せてゴルゴタの丘へ歩かせた13番目の弟子」にちなんで名付けられたと説明されてました。
 「伊丹十三」を「イタミサーティーン」と読ませる、ってのが「VOW!」の「変読」にあったっけなぁ、と変なところへ連想が行きました(笑)。


>孟きょうさん
 う〜ん、一連のトンデモ古代史・日本民族秘史ものには「白人になりたい」というよりも単純に日本の(というか自分の)出自を古くしたい、ヨーロッパや中国より後だなんて我慢ならない、という心理が働いているのだと思うんですよね。コンプレックスの裏返しと言いましょうか。前にも書いたことですが、その手の本を書く人に海外経験の長そうな人が目立つのもその辺に理由があるかもしれません。


>ブッチャー3世さん
「十三階段」ってよく聞きますけど、実際どうなってるんでしょうかね。
「エリア88」で思い出しましたが、あれの舞台って「アスラン」なんですよねぇ。いえね、映画の方で「ナルニア」の話題が出ていて、ちょっと「アスラン」の件に触れていたもんですから。



#5688 
ブッチャ−3世 2005/05/15 08:02
数字

>4が並ぶ
4や9が不吉な番号だと思うのは日本人だけでしょう。(笑
それと同じように、13は日本人は全然、平気ですが
キリスト教徒は不吉がりますね。絞首刑の階段の段は
13と決まっている、というのは本当なんでしょうか?
ただ、野球の選手の背番号、13は、よく見かけます。

>フランス外人部隊
傭兵といえば、私は何故か漫画エリア88を思い出します。
あの漫画、架空の中東の国アスランが舞台だったですけど
主人公が入った傭兵部隊はフランス外人部隊が求人窓口に
なっていてフランスがアスランへ傭兵を斡旋しているという
作者が細かい設定を考えてるな、と感じさせられました。
主人公はアスランを出国する際、退職金がフランス軍から
支払われる設定で、外人部隊とは呼べどもフランス軍
の所属の部隊なのですよね。



#5687 
孟きょう 2005/05/13 22:51
色々ありますね

>徹夜城様
 出た!ホツマツタエ!(笑)。いやー、いろんな人が執筆されていますね。佐治って人もああいう関連の本をよく書いてますね。他にも確か、「漢字は日本が発明した物で、中国がパクったんだ!」みたいなモロ中華文化コンプレックスを述べた本が出されてた記憶があります。
 ユダヤ同祖やキリスト伝説を日本がらみで著作する方々なんですが。どうも西欧へのあこがれやコンプレックスの臭いを私は感じるんですよ。ユダヤ物やキリスト物を西欧への窓口というか、なにかそういう匂いのするものをまとえば西洋に近づけるのではないかという切ない願いというのか。「西欧とのえにしの歴史を少しでも他のアジア諸国より古く感じたい、他のアジア諸国よりも一等西欧に近い確証を感じたい、白人になりたい。」そんな願望がどっかにあるのではないかと。



#5686 
一ノ風 2005/05/13 21:57
ラッキーなんだか不吉なんだか

こんにちは、お久しぶりです。徹夜城さんお元気ですか?

いつものようにここを見にきたらカウンターが444444でした。
す、すごい。しかもラッキーだか不吉なんだか分かりません(笑)。
4が不吉な数字とされるのは「死」という言葉を連想させるからなんでしょうが、しかし、日本語では4は「よん」とも発音されます。これってもしかして地域差があるんでしょうかね、「よん」という発音だとなんか楽しげな感じですが。中国や韓国でも不吉な数字なのかな。
なんにせよ、あんまり悪いことがわが身に降りかからないよう祈るばかりです。ちょいと面白かったんで、書き込んでみました。失礼をば

http://www.tetsureki.com/home/index.html


#5685 
徹夜城(PCエンジン版「A3」で会社が倒産寸前の管理人) 2005/05/12 12:02
フランス外国人部隊といえば

 このたびイラクで日本人の「傭兵」の方が拘束されたというのが鉄道事故のほとぼりが冷めた(?)あとの話題となっておりますが、フランス軍の外国人部隊に20年も所属していたとか。フランス軍の外国人部隊、創設は1830年と出ていましたが、つまり7月革命の時に作ったって事なのかな?
 僕などはフランス外国人部隊と聞くと「アルセーヌ・ルパンが所属してたな」という連想がまず浮かんでしまいます(笑)。ルパンはもちろんフランス人ですが、「続813」のラストで「自殺」し、スペイン人に成りすまして外人部隊に入り北西アフリカで暴れるわけですな。「殺人はしない」がモットーのはずのルパンがこの部隊にいる間に平気でベルベル人兵士を大量に殺しているなど、イヤな気分になる部分でもありますが。


>原田さん
 なるほど、ではその「日本民族秘史」の1992年版だったんでしょうね。しかしまぁ日本人とユダヤ人を結びつける発想は戦前から連綿と続いておりますねぇ。
 宮崎県の「古墳発掘」の日記本は、まさにそれです。これもはたから見てる分には嫌味もそれほどなく(それなりにご本人は純粋なんだろうな、とは思う)日記形式をほのぼのと楽しめるところがありました。ちょっと気になるのがこの著者に指導をしている専門家の「先生」がいるらしいことなんですが…。


>民本主義者さん
 お久しぶりです〜以前お会いした際に「次はこれを書きます」と言っていたのが一年ぐらいたってようやくいろいろアップされてるという始末ですいません(^^;)。
 宮崎哲也氏とタイトルのセンスが似ている?そりゃまぁ「てつや」つながりということで(笑)。
 南北朝正閏論もいまさら…ということもありますね。敗戦直後みたいに天皇制自体の存在が危機に直面した場合、あるいはまたぞろ戦前みたいに国粋主義的な皇国史観が復活したりしたら蒸し返される可能性もありましょうが。別の可能性としては天皇家が女系で継続して言った場合に旧宮家の男系が「正統天皇」を主張したりするかも。
 そういえば皇居前の楠木正成像ですが、「後醍醐天皇・竹内文書」でも戦後にこの像が撤去されなかったのは…ウンヌンといった記述はありました。



#5683 
民本主義者 2005/05/10 14:36
お久しぶりでございます

民本主義者です。
ヘンテコ歴史本コーナー更新おめでとうございます。
南北朝ネタはヤバいという件につきまして思い出したことがあります。
最近「朝ナマ」でメジャーになりつつある評論家・宮崎哲弥氏には『正義の見方』という著書があり(なんかタイトルのセンスが徹夜城氏に似てる?)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/detail/-/books/4102900837/contents/249-1084428-6883501
これに収められた「優しいウヨクのための帝室論」という文章では、南北朝正閏論争にふれて、結論として、現在の皇室は北朝の正統性を闡明すべきだ、と提案しています。
そうすると皇居前の楠正成像は引き倒さなければならなくなるんじゃないだろうか。
後南朝の悲劇について谷崎潤一郎の『吉野葛』にふれたりしておりますから、単純な無知の産物ではないようで、確かにそうした方が首尾一貫します。明治時代に東京に移り住んだ公家たちにとっても自分たちのお家の歴史の正しさに北朝正統論は不可欠でしたし。
しかし歴史は何でも「首尾一貫」すればいいというものでもないような。
劇薬は大事に瓶に詰めて封印して保管しておくべきだと思います。



#5682 
原田 実 2005/05/10 13:52
『日本民族秘史』

川瀬氏の『日本民族秘史』は1985年と1992年に
新訂版が出ているので、まず間違いないと思います。
版を重ねるごとにご自身のエピゴーネンの書籍を自説の傍証に取り入れる
形になっていったようです。
宮崎県の遺跡の本はこれですね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4835551907/qid%3D1115700390/249-9137047-4656355


http://www8.ocn.ne.jp/~douji/


#5681 
徹夜城(睡眠時間を減らして録画映画を見る管理人) 2005/05/10 13:13
修道院の007

>映画な話
 先日NHK衛星で「薔薇の名前」(ウンベルト=エーコ原作、ジャン=ジャック=アノー監督)を放映していて、それを録画したのをつい先ほど通しで見終えました。だいぶ前に日曜洋画劇場でやったときに見たことがあったんですが、かなりのカットバージョンでして。全編は今回初めて見ることになりました。それにしても脳内にあった内容と食い違いがかなりあり、自分の記憶のいい加減さに呆れたりもしまして(笑)。

 原作は長大かつ難解だそうで手を出したことは無いんですが、映画は推理ものに絞ってそつなくまとめてる感じですね(駆け足気味だけど)。展開はハッキリ言っちゃえば横溝正史の金田一シリーズそのもの(笑)。中世の修道院を舞台に次々と謎の殺人事件が起こり、修道士「バスカヴィルのウィリアム」(ショーン=コネリー)が名探偵よろしく事件を解決していくとまぁそういう話。だいだい名前がシャーロッキアン向けですし(笑)。「犬神家の一族」とそっくりな死体が出てくるのは偶然なのか?「王妃マルゴ」におんなじ殺人トリックが出てきたなぁ、とミステリファンとしても楽しめる一本です。

 前に見たときはさっぱり分からなかった殺人事件の背景にある中世キリスト教会の事情が、ちょうどいまロバーツ「世界の歴史」の中世ヨーロッパ部分を読んでいたもので、かなり見えてきました。けっこう細かいところで歴史オタクを刺激する会話をしてるんだなぁ、ともっぱらそっちで楽しんでました。「お前を異端としてアヴィニョンの教皇庁に送ってやる」という台詞で時期もわかりますし。


>漫画な話
 最近なぜか「手塚治虫」が自分の中でちょっとしたブームになっており(笑)、読み通してなかった「バンパイヤ」だの「三つ目がとおる」だのをやっと読んだりしております。
 そうした故人巨匠の漫画文庫の棚を眺めておりましたら、横山光輝の「長征」という漫画が文庫化されているのが目に入り、「え、こんなのが!?」と手にとってそのまま上下巻とも買ってしまいました。講談社漫画文庫で昨年年末に発行されていたようですが、1973年にビックコミックオリジナルで連載された作品とのこと。原稿が無くなってたのか、雑誌掲載時の「柱」の宣伝文句などがそのままついてる状態での文庫化です。

 「長征」とはもちろん、あの中国共産党がやったアレです。執筆時期も日中国交正常化の直後ですし、ちょっとした「中国ブーム」の中で描かれたものなんでしょう。絵柄も横山さんの「三国志」の初期そのまんまで、ノリもほとんど一緒。まぁ実際のところ中国共産党がらみの話は「三国志」「水滸伝」そのまんまの世界という面はあるわけなんですが。
 「長征」の実漫画みたいのを期待するとやや肩透かしかも。共産党の紅軍に参加した若い男女のカップル(もちろん架空キャラ)をメインに、苦難の長征を淡々と描いていきます。各エピソードの元ネタは一応あるんですが、全体的にはフィクション風味。それにしても毎回毎回やたらに人が死にまくる話でして…まぁ実際そうだったとは思いますが、戦闘・飢餓・疫病・自然などありとあらゆるパターンで毎回大量に人が死んでいくので読んでて疲れる(汗)。それが結局不評だったのかも。一応最終回までに長征は終わるんですけど、後半はナレーションばっかりになり主人公キャラたちのエピソードも突然ブチ切られたように片付けられてますから、実質打ち切りだったんじゃないかなぁ。
 当初は実在人物は極力出さず(なんてったって毛沢東はじめ大半がまだ生きてましたし)架空キャラたちでストーリーを展開する気だったようなんですが、途中で方針転換したようで後半になると毛沢東、周恩来、朱徳などおなじみの面々が登場して「三国志そのまんま」をやってくれます。共産党内部の確執もけっこう描かれてますね。ただやっぱり人気を得られなかったようでこのへんも消化不足で終わっています。

 前にも横山光輝の「ウイグル無頼」なんて作品を読みましたが、いろいろと変わったのを描いていたのだなぁ、と思ったり。そういや藤子不二雄(A)さんの「毛沢東」もちゃんと読んだことがないんで読んでおかないと。


>原田さん
 立ち読み状態で読んだもので、そのマオリとユダヤと日本人の本はタイトル・著者ともに押さえなかったんです。ただ装丁が結構新しかったのでそんなに初版が古い本とは思わずに読んでまして…ユダヤ人と日本人を語る部分で各章の末尾の参考文献列挙がどっかで見たような本ばかりでもありまして、それも最近の本なんじゃないかと思った一因です。
 でもマオリ語と日本語の「類似例」の列挙はご紹介のサイトにある、そのままでしたから、やっぱり同じ本なんでしょうねぇ。もしかしてその本の内容をそのまんま信じた人がほとんど同じ本を書いていたのかな?

 前回書きませんでしたが、他にもその図書館では「ホツマツタエ」関連本が何冊か置かれてました。縄文文明とホツマツタエがどうのこうのといった本を見かけました。



#5680 
原田 実 2005/05/10 01:19
川瀬勇さんなら

川瀬氏の『日本民族秘史』初版は1960年代か70年代初頭に出ていますから、
その中の日本=ユダヤ同祖論に関する記述はよくある話をまとまたものというより、
後に続くエピゴーネンを準備した本として、位置づけられるべきですね。
ちなみに川瀬氏は1999年に逝去されたそうです。
関連リンクはこちら。「マオリ語と日本語」というくだりです。
http://rugbyhigasumi.hp.infoseek.co.jp/nzp01.html

http://www8.ocn.ne.jp/~douji/


#5679 
不肖デルタ 2005/05/09 12:54
先制空爆?

>北朝鮮、近日、核実験か?
はったりだから騒ぐなよ、とあっさり切り捨てられない
ところは、もし北が核実験をやったら海に放射能が漏れる
可能性大な感じ、そうなったら日本や中国、韓国、ロシアの
国々の海が放射能でやられます、北の技術からして地下で
完全に隔絶した反応爆発の実験が、できるとは思えないし。
ただ、アメリカが北の核施設に空爆した場合でも
放射能漏れの危険もありそうですね。
過去においてはイスラエルがイラクの原発に先制空爆を
した事があったようですが、あれは放射能は大丈夫
だったんでしょうか?



#5678 
徹夜城(連休なんかとっくに終わってた管理人) 2005/05/09 11:35
「天の王国」?

>アール・ケイさん
 「キングダム・オブ・ヘブン」はそれなりに注目してます。あくまで歴史映像ものとして、ということではありますが。SF映画に復帰して欲しい気がするリドリー=スコットの監督、ハリウッドのタッキーことオーランド=ブルーム主演(賢明な読者はこの表現の深い意味をお察しかと(笑))という組み合わせの妙もあり、予告編もなんとなく出来がいいので見には行くでしょうね。
 十字軍映画ではドイツで製作したらしいTVムービー「クルセイダーズ」の編集版をDVDで見ましたが、ありゃー金をかけただけの駄作でしたね。もちろん昨今の十字軍観を反映していてイスラム教徒の文明度が高さを強調し、十字軍を侵略者として描く姿勢はあるんですが、妙に両教徒(ついでにユダヤ教徒も)の融和を訴えるシナリオが嫌味になってるきらいがありました。テーマは大事だけど描き方というものがあろう、と思う展開で。
 「キングダム・オブ・ヘブン」がそのパターンに陥るのか、それとも才人リドリー=スコットのこと、「グラディエーター」の時のようにベタベタな話をうまいことまとめてしまうのか、注目ではあります。

 北朝鮮もどういうつもりなんだか…「大量破壊兵器疑惑」だけで戦争やらかしたブッシュ政権としては自分から核持ってるぞー実験するぞーと騒いでる困ったチャンをどう扱うのか別の意味で困ってる感じもするんですよね。周辺各国にとって一番いいのは内部崩壊してくれることなんですけどねぇ。そういうのもアメリカはお手の物だったはずなんですが。


>トンデモ関連
昨日、隣の市の図書館に所用で出かけまして、時間つぶしにあれこれ本を読んでました。大半がいわゆる、その「てこ歴」のネタ探しだったわけですが(笑)。
いや〜〜あるわあるわ(笑)。大漁で嬉しくなっちゃったぐらい(笑)。

日本人のルーツになぜかユダヤ人を持ってくる言説はいまさら珍しいものではありませんが、昨日僕が見つけたある本ではそれと一緒に「マオリ」と日本人の関係を挙げるものがあったんです。書いてる方は恐らくは国際協力かあるいは商社に関わって世界をまたにかけて活動しているいたって真面目な方らしいのですよね。変な歴史本によくある悪意や敵意はまったく感じられず性格のよさが文章ににじみ出てる感がありました。
この方は仕事のためマオリ族と接するうちに日本人との共通点を次々見出してしまい、同じルーツを持つのではと考え始めるわけです。そりゃまぁ人類みなアフリカ出身ですから同じルーツを持つわけなんですけど、こういう人の考えるのはそういうレベルじゃないですからね。言語的に近い、と言い出し、マオリ語と日本語の「類似」をいくつか並べてるわけです。
たとえば、マオリ語の「タク(私の)」が日本語の「宅の」に似てるとか(爆)。えーと、「宅(たく)」っちゅうのは中国から来た音読みだと思うんですけどね。他の例も客観的に見て「そりゃ強引だ」と思うものばっかりで。偶然でももっと類似することは珍しくないんですけどねー。
この本、前半はマオリと日本人の考察で、後半はユダヤ人と日本人。後半ははっきり言ってオリジナリティはほとんどなく、これまで数多く出たユダヤ人本をあらいざらい読みまくった結果をまとめた感じでしたね。

ほかにもいい味出してるなぁと思ったのが宮崎県の考古マニア(もっとも本来は化石採集が趣味で「原人探し」に熱心だったらしい)の方が自宅の近くに「日本最大級の古墳」を発見し(土器や製鉄のあとはあるようで遺跡ではあるらしい)、工事のためにその「遺跡」が破壊されるのを阻止しようと各地の教育委員会などに発掘を要請、しかしなぜか冷たく無視されて(どうもこの辺に事情が察せられる)怒りと悲しみのあまりか胃潰瘍で入院、やむなく自ら工事現場の隅で発掘作業を展開し次々と「大発見」をしていく過程を日記に書いたものをそのまま本にしたもの。この人の日記の面白いところは本やTV(特にTVの影響を受けやすい方の様な)で見たことにすぐ「ハッ」として自分が発掘する遺跡の価値をどんどん(激しい思い込みで)高めていってしまうところです。もちろん与那国島の「海底遺跡」にも触発され、ますますご自分の見つけた「古墳」の価値を確信するところなどは「海底遺跡」やってる某教授とよく似てるような、と思ったりもしました。

ほかに先日も話の出た清水馨一郎氏の未読の著作も発見。清水氏の白人憎悪史観はますますボルテージが上がってきているようで、とうとうその本では「肉食」「白い肌」についても「異常」として攻撃するようになってます。なんでも人類は本来草食に向いてるらしいです(笑)。んで、結局は日本文明はすばらしい!にもってくわけですが。
まぁ凄まじい筆鋒の中で、ちょっとなごむものがあったのは可愛いお孫さんとディズニーランドに行くくだりでしょうか(笑)。もちろん清水氏はディズニーランドなどという白人文明のくだらん遊園地に怒り心頭のようなんですが、お孫さんがいたって素直に大喜びしている様子もちゃんと書いていて(ただし刹那的であとに残るものがないとか言ってますが)、なんとも面白い図だなぁと(笑)。



#5677 
アール・ケイ 2005/05/09 09:02
リクエストです(笑)

近年珍しい?十字軍映画である『キングダム・オブ・ヘブン』は
前田有一というバカ素人レベル映画評論家(笑)が云うように
かなり史実に基づいた映画なんでしょうか。
自分で確認に行けばいいのですが、観に行きませんので(笑)。




http://homepage1.nifty.com/arukei/index.htm


#5676 
アール・ケイ 2005/05/09 00:03
あえて物騒な発言を

投票寸前に怪我を負わされた(暗殺(未遂)というわけではないが)のは
都知事選で鈴木さんと争い敗れた太田薫さんでありました。やや余談ですが。


えー、北朝鮮の暴走が止まらず、地下核実験を実施するかも…
そうなるとシナリオとして現実味を帯びてくるのが
アメリカ(在韓・在日米軍)による北朝鮮の核施設への限定攻撃だったりします。
あくまでも中国の"黙認"が得られれば、ということなんでしょうけど。
そのとき、我々は踏み絵を踏まされるような気がします。北朝鮮の核爆弾保有を恐れアメリカの攻撃に賛成するか、それともあくまでも(限定的であれ)軍事的行動に反対するか。
こういう事態に陥ることのないよう、心より外交的努力の遂行を望んでおりますけど。


そうそう、マトモな大人がトンデモ学説を信じたりしてるんですよね。




#5675 
報道官 2005/05/03 18:22
歴史は繰り返す?

>管理人さん
なるほど、田中角栄の訪中ですか。確かに、かなり共通する部分がありそうですね。それで思い出したのですが、「外交関係修復に向けて訪中し、熱烈な歓迎を受けた政治家は本国で失脚する、あるいは権力を失う」というジンクス。既出の田中氏のほか、有名どころではニクソン大統領、ゴルバチョフ書記長なんかも、まさにこれに当てはまりますが、果たして連戦氏の今後は…。何かのスキャンダルで国民党を追われるようなことになったりした場合、中国本土からの工作員が台湾で情報操作に暗躍する可能性などが取り沙汰され、そこからまた様々な陰謀説が流布されることでしょう(笑)。

>阿祥さん
台湾でのメディアの政治的な住み分けがどのようになっているのか、くわしくは知らないので、一般的な類推なのですが、台湾内部では今後、独立派あるいは民進党寄りのジャーナリストや大衆向け雑誌の記者(?)の動きなんかが、連戦氏のまわりで以前よりもさらに活発になるのではないでしょうか。そこから何かが出てくるのか、何も出てこないのかはわかりませんが。ともかく、二分化された世論、政治家が妥協点を見出すまでには、きっと一波乱も二波乱もあるでしょうねぇ。



#5674 
阿祥 2005/05/03 17:43
連戦の中国訪問

このニュースは晴天の霹靂に近いものでした。徹夜城さんもいろんなニュースを良くカバーしてますね。徹夜城さんのコメントも楽しみにしてます。

台湾の歴史に興味を持つ人間にとってはたしかに歴史的な一歩をしるしたのかもしれないと思える事態です。ニュースを見る限り中国側の熱狂的な歓迎と、台湾サイドでのこれまた大騒ぎの反対運動が対照的で、この問題の微妙さと連戦氏の政治的決断の大きさがうかがえます。
中国側のレポートはいろいろ書かれているようなので、台湾側から見た感想を書きたいと思います。

この連戦という人は、国民党の主席ですが、本省人です。祖父に「台湾通史」という台湾史の古典とも言える書物を著した連雅堂氏を持つ人で、非常に家柄の良い家系に生まれています。国民党の主席は蒋介石、蒋経国の後に台湾人の李登輝さんになり、それ以降台湾人がそれを継いでいると言う図式です。一般的な印象では、民進党の陳さんに2期続けて総統選挙に破れ、国民党の与党の座をむざむざと明け渡してしまった、ややリーダーシップに欠けるお坊ちゃんのトップという感じでしょうか。
この台湾化した国民党に対し、元から親中国の政策を提言していたのは親民党です。名前からは良く分かりませんが、台湾の外省人の政治基盤を持っている政党です。党首の宋楚瑜は前々回独立の候補として、前回は国民党と連合し副総統として総統選挙に立候補しています。今回の大陸訪問に少なからず影響を与えたであろうと思われます。
ニュースでは大陸からのオファーに対し、連戦氏が承諾したという形で今回の大陸訪問が実現したということのようですが、その際のパイプ役は、この親民党がはたしたのではないでしょうか。次回はこの宋氏の中国訪問が予定されているようです。
一方、民進党の方はこの事態を阻止ではなく静観すると言う形で対処しているようです。台湾の企業家の間で、民進党の対中国政策に対する不満が高まっている中では、これも一つの動きとして様子見というところでしょう。

台湾の独立問題は簡単にはその良し悪しを語ることはできません。それを旗印にしている民進党でさえ、与党になったとたんにその声が大幅にトーンダウンします。現実の両岸政治的駆け引きの中では、それほど単純には台湾独立を叫ぶことはできません。
日本にいたときに台湾史の事を学んだときには、“台湾独立” というのは現在の台湾政治のメインストリームで、歴史はこの方向に進むのだろうという風に思っていましたが、4年間台湾に住み、10年ほど台湾の人たちと仕事をしてきた中で感じたのは、それほど政治的に先鋭にこの問題を考えている人はそう多くはないということです。日本と同じでノンポリの人がマジョリティーです。そして、経済問題と政治問題を秤にかけた時に、政治よりも、経済側にふれる人の方が多いだろうと思います。

今回の訪問は、国民党と親民党が連合して対大陸の経済問題という非常に現在の台湾で切迫している問題に対し、積極的にかかわるぞという姿勢を非常にシンボリックに示したのだと思います。そして、この問題に対し民進党はほとんど成す術を持ちません。こういった方面のパイプは民進党にはほとんどないでしょう。そして、この政策の方向が現実に功を奏し始めると、それは国内政治にも影響を与えずにはおかないでしょう。

いずれにしろ、非常に面白い選択を国民党トップはしたと思います。これが、どういう風に歴史の歯車を回していくのか興味はつきません。
第二次世界大戦後に汪兆銘が売国奴と罵られ歴史から葬り去られたようになるのか、台湾での鄭氏政権の崩壊が実際は清朝との黙約の下に行われたように、台湾自立派が最終的に敗北に終わるのか。実際はそのどちらでもあり、どちらでもなし、うまい妥協点を模索していくのでしょう。

ただ、日本の安全保障の立場から行くと、台湾は中国の一部分にはなっては欲しくないですね。



#5673 
ひで 2005/05/03 01:11
とほだけどロバに乗る。

騎驢三十載、ということで・・・・。
遅ればせながら、ようやく「しりとり歴史人物館」の新作を読ませていただきました。杜甫も科挙を受けて落第して苦労していますが、唐の時代は礼部で実施する科挙に合格して進士になるだけでは官僚にはなれず、吏部の試験で身言書判にかんする試験を受けないといけなかったとか。その試験というのが容貌・言葉遣い・筆跡・法律の知識を審査するということで、前者2つはどうも貴族的な考え方が強く出ているようです。最近見た岩波の世界史(古い方)で杜甫も吏部の試験に失敗したというようなことが書いてありましたが、実際に杜甫が失敗した試験が吏部試のほうであれば、何となく杜甫だとこういう試験では落とされるのもわかるようなわからないような・・・。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#5672 
なな 2005/05/02 22:35
野依と言えば

>奥野さん
野依と聞いて、あのノーベル化学賞を受賞した名古屋大学の野依良治教授が思い出されました。
が、教授は兵庫県芦屋市のご出身だそうで…。教授の本籍が三重県の、その「野依」だったらもっと面白いですね。
>「死ぬより野依」
その土地の地勢や地形を表現している名字は多いんですよね?
「野依」という名字の由来や成り立ちがわかると、どちらの言い伝えの方が古いか推測がつくかもしれませんね。全国的によくある地名or名字には思えませんし…。
九鬼氏の郎党…ということは、必ずしも入植者たちの名字が「九鬼」だったわけじゃない…ってことですよね?
「野依」の土地に明治時代(それ以前)から住まわれている方々の名字を逐一調べ上げれば、いずれ九鬼氏との係わりという「一本の糸」が明らかになるかもしれません…か?
うーむ、面白い。こういう地方史や郷土史で、ある土地の小さな歴史を辿ってみるのも面白いですね。



#5671 
ブッチャ−3世 2005/05/02 17:18
足利義教と織田信長

昔、読んだ、津本陽 氏 著作の「下天は夢か」では
信長が京都へ初上洛の時、吉田神社の神主に、足利義教に
関する伝承を聞き出す記述がありました、
信長は神主に自分の事を義教のような暴君と思うか?と
問いただすと神主は、さすがに、はい、とは言えず
義教公は単に暴君でしたが信長様は違います、てな事を
言って、おだててたような記述だったような気が(笑
織田家が神主の出とはいえ、これは、はしょり過ぎにしても
信長が全く義教将軍の伝承を知らなかったとも思えない
ので少しは足利義教を意識してたかもしれませんね。
嘉吉の変は成功していれば本能寺の変に匹敵する
政変争乱だったかもしれません、現実に、あの暗殺で義教
将軍だけでなく大内持世は致命傷を負ったし
山名や細川の当主といった後に応仁の乱の立て役者たちが
現場に居合わせ、辛くも難を逃れたそうですから。
山名は義満の時代は押さえつけられ領地を没収されてたのを
嘉吉の変での赤松討伐に武功があって山名氏は勢いが
復興したのでしたね。




#5670 
奥野 2005/05/02 05:43
ダニール・アレクサンドロヴィチ

こちらは相変わらず回転が速いですね。ちょっと書き込まないでいると、随分と下の方まで流れ去ってしまいます。ありとあらゆる話題が出てくるし。いつもながら、読んでいるだけで非常に面白いです。

こちらモスクワでは、5月1日はパスハ(復活大祭)の日でした。で、近所の修道院に行ってみました。復活祭の典礼だけあって、集まってくる信徒も多く、非常に厳かな雰囲気でした。
しかし人々の様子を見ると、「無神論」社会だったはずのソヴィエト70年間は一体何だったのか…と思うくらいみんな熱心に祈っている。しかも、ソ連時代を肯定的にとらえる人が多い層と信心深い層とがかなりの程度まで一致しているような気もする(つまり、お年寄りってことです)。前にも書きましたが、ソ連社会で宗教が占めていた位置というのは非常に興味深いと思いますね。弾圧に屈しないほど信仰心が強かったのか、当局が意外に宗教に対して妥協的だったのか、あるいはその両方か。いずれにせよ、ソ連時代のロシア社会を体験できなかったのが残念なところではあります。

それから、この修道院は聖ダニーロフ修道院といい、列聖された初代モスクワ公ダニール(アレクサンドル・ネフスキーの末子、13世紀末から14世紀初頭の人)に捧げられた修道院です。聖堂の中にはダニール公の聖なる遺骸を収めた棺が安置されており、信徒はこの棺に口づけをして祈りを捧げます。当たり前のことですが、信仰を表現する形態も文化によって様々なものだと思い知らされます。

>なな様

祖父が住んでいるのは伊勢の中でも宮川の河口に近く、鳥羽からはそんなに離れていません。親類の中には志摩にお嫁に行った人もいます。本当に先祖同士はどこかですれ違っていたかもしれないですよ。もちろん、それを確かめる術はないわけですが。

ところで、祖父のところの町内で出た郷土史の本は、あまりにも面白いのでゆっくり読もうと思い、借り受けてモスクワまで持ってきてあります。その中に、九鬼氏関連のエピソードが載っていたのでご紹介しておきます。
祖父が住んでいる地区の名前は野依(のより)というのですが、ここには昔から「死ぬより野依」という言い回しが伝わっています。土地の古老によれば、これは関ヶ原の合戦後、西軍について敗者となった九鬼嘉隆の郎党を、この地に入植させたことに由来するのだそうです。つまり、「死一等を免ずる代わりに野依で百姓になれ」というわけです。ちなみに野依村は、徳川氏に従った九鬼守隆の支配する鳥羽藩領で、やはり志摩地方とは昔から縁があったようです。

ただし同書の別の個所では、野依村が水利に恵まれず、明治時代に蒸気式の揚水機が導入されるまでは生活が大変に苦しかったため「死ぬより野依」と揶揄された、との記述があります。同じ俚諺について、2種類の全く異なる説明がなされているわけです。どちらが正しいものかは分かりません。ただ、長い年月の間には記憶の混淆や他の伝承との混同もあるだろうし、こうした矛盾が出てくる辺り、いかにも「古い言い伝え」という感じがして逆に興味深いことだと感じました。

>景虎様

「日置」という姓がそれほど由緒あるものだとは知りませんでした。僕の中では「親戚の叔母さんのところの名字」という刷り込みが強かったので、これからは違う目で見てしまうかも。
上記の郷土史本によれば、北畠氏家臣の日置大膳亮は「飯南・多気方面一体を支配した古代からの名門」とあります。また、野依村に日置氏の氏寺があった可能性についても指摘されています。もちろん弓の家の日置氏との関係は全く分かりませんが、しかしいろいろ想像力を刺激する話ではあると思います。

>板東α様

情報ありがとうございました。なるほど、一水会の方でしたか。ロシア語のテキストを直訳すると「愛国党」と解釈できる組織名だったのですが、ロシア人側がいい加減に訳したんですかね。ちなみに僕がもらったパンフレットでは、「世界愛国政党会議」は2004年2月の開催になっているので、木村さんは何回も出席していることになりそうです。

>NF様

パンフレットを読み返してみたらば、木村さんの主張は「日本はアメリカに原爆を落され、かつアメリカの政策により大きな犠牲を強いられているのにも拘わらず、対米追随を止めようとしない。サムライの精神を取り戻し、アメリカから自由にならなければならない。さらに日本は、中国人の流入とそれに関連しての犯罪増加によって被害を受けている」という感じのものでした。まあ、ロシアの民族主義者と対話するなら、この辺りが落としどころかなと(サムライ云々はリップサービスのような気がしますが)。「アメリカ」のように悪口の対象がいれば民族主義者同士でも盛り上がれるってことで、結局のところ、団結のための最良の処方箋は「共通の敵」だという月並みなオチがつきそうです。

http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/6218/


#5669 
マルクスの恋人 2005/05/01 23:48
そして夜は甦る?

「そして夜は甦る」というハードボイルド小説をご存知でしょうか。
原りょう(「僚」の右側のみ)さんが1988年に発表したデビュー作です。

ネタバレになりかねないので詳しい筋立ては明かしたくないのですが、面白いのはこの作品に「大接戦の投票日直前に狙撃され、危うく一命を取り留めて当選した都知事」が登場することです。
しかも、その都知事のモデルが明らかに石原慎太郎(学生デビューの作家・元自民党タカ派の代議士・自前プロダクションを持つ映画俳優兼プロデューサーの弟までいる)なのに、発表が88年(作中設定は85年)というのが凄い。
ついでに、この小説の都知事は、うろたえることはあっても声を荒げたり露骨に横柄な態度を取ったりはしない(自分と警部と私立探偵しかいない知事室でさえ)紳士であることも付け加えておきましょう。

陳水偏氏狙撃事件が起こったとき、私は真っ先にこの小説を思い出しました。
一読をお勧めします。筋運びやどんでん返し、なにより文体が凄い。



#5668 
ひで 2005/05/01 22:43
これも一つの王権神授?

足利義教というと、くじ引きで選ばれて将軍になると言うかなり珍しい方法で将軍職に就いた人として知られていますが、今谷明先生は義教の時代を籤や占い、中世日本の神仏観といった事と搦めて論じています。いくつかかいつまんでいきますと、鎌倉後期以降、再び籤や占いの結果を重視するようになり、神意に従おうという意識が強くなっていったとのことです。義教自身も籤引き(=神意)で選ばれたため、政治の場面でも神意により事を決しようとして、裁判をクガタチでやったりして色々と問題を起こしたとか。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#5667 
徹夜城(アルコールが入りつつ書き込みをしている管理人) 2005/05/01 20:09
そろそろ太平記がらみでなにかやるべきか…

 CSファミリー劇場で大河ドラマ「太平記」を放送しているためか、わがサイトの「太平記大全」へのアクセスが平日でもかなり多く、全部読み終えたのか「室町太平記」へのアクセスも多くなってきた昨今。しかしいずれも全部書き終えちゃって、太平記や南北朝がらみで新たに更新できるネタがなくて何やら申し訳ない気もしてきまして…
 ひそかに考えている企画があったりしますが、あんまり大掛かりなことをやると大変な事になっちゃうので、チマッとした南北朝ネタをやる気でおります。

 それはそうと、昨日はいきなりNHK衛星で日中に映画「エル・シド」を放映しておりまして(僕も慌てて録画しました)、昨日は「歴史映像名画座」を「エル・シド」で検索して来訪される方もたくさんおられました。
 僕も久々に見たのですが、「あー、史劇大作っていいよなぁ」と思っちゃう一本。いい意味で史実にこだわらずにのびのび作った西洋時代劇ですね。最後に死体のまま武装したエル・シドが騎馬で敵軍に突撃し、そのまま砂浜の彼方へと走り去って行くラストシーンには「そこまでやるか」とツッコンでしまったりしますが(笑)。
 これ、「人形劇・三国志」の「死せる孔明、生ける仲達を走らす」のラストを連想させますねぇ。「三国演義」では孔明の人形を司馬懿が勘違いするわけですが、「人形劇」ではそれを表現できない(みんな人形だから)ため、孔明の遺体をそのまま陣頭に押し出すという展開になっておりました。


>鮒寿司さん
 どうもはじめまして。倭寇がらみで僕のHPを見つけてくださったとは嬉しい限りです。
 種子島の鉄砲伝来の場面は歴史学習漫画のたぐいでもしばしば描かれてきましたが、ちゃんと「王直」と名指しされていたケースは初めて知りました。漢文で通訳した中国人はたいてい出てくるんですけどね。
 いまや「定説」になってる観もあるんですけど、種子島の鉄砲伝来に王直がホントに立ち会っていたのかについては専門研究者としては「魅力的な話ではあるけど慎重に構えたい」という姿勢です。あくまで根拠は「鉄砲記」(江戸時代になってからの編纂です)に「五峰」という人物が出てくる、というだけの話ですしね。

 「王直の墓碑破壊事件」のころは王直の伝記ページに怒涛のアクセスがあって大変でした。自慢ですがまぁ王直については一番詳しいHPでしょうし。でも発端が発端だけに正直アクセスの多さはかえって気分が暗くなりましたね。
 あの事件には僕も心底頭が痛くなりましたが、実はその僕にして「王直の墓」なるものが徽州の地にあるとは知らなかったんですよ。中国の新聞サイトの記事で読みましたが、やっぱり歴史的根拠はまったくない「放置されていた誰かさんのお墓」を王直の墓に見立て、日本の五島市と王直の故郷の町の友好の記念碑ということで整備したもののようです。王直自身は杭州で処刑され家族も奴婢に落とされてますからお墓については全く分からないでしょう。
 墓碑を作ったほうも悪気はなく良かれと思ってやったんでしょうけど、僕なんかはその話を事前に聞いてたら「やめておいたほうが」と忠告したかもしれませんね。王直に対する評価は中国ではかなり危なっかしい側面がありますから。専門研究者レベルの人は王直を高く評価する傾向がありましたし、そもそも1980年代から90年代にかけて王直は「資本主義萌芽時期の大商人で反封建闘争」となかば英雄扱いされたところもありましたが、一般レベルではどうしても「倭寇」というと「日本人による侵略」と字面どおりとって近代史のそれを連想してしまうようで(実際、先日の反日デモでも「倭寇」と書いたプラカードがありました)王直も「漢奸」とか「民族敗類」などと見なされがちのようです。

「倭寇」のイメージといえば、いま注目してるのがNHK衛星で放送されている韓国時代劇「チャングム」。物語も中盤に来て、無実の罪を着せられ宮中を追われた女官チャングムが済州島に流刑になるんですが、ストーリー紹介によると、ここへ「倭寇」が来るそうなんですよ。「倭寇」がどういう映像イメージで登場するのか、注目してるんです。なんでも倭寇の親分が病気になり、それをチャングムが治すことから医術を学んで行くことになるとか何とか。
 過去に映像作品で出てきた「倭寇」といえば、香港映画「忠烈図」でサモ=ハン=キンポーが演じた幕末浪人みたいなのとか、北朝鮮映画「怪傑洪吉童」に出てきた忍者軍団(それも日本語セリフで「われわれ影の軍団は…」と自称してる!)といった例があるんですが(笑)。


>不肖デルタさん
 誰が書いた文章だったか忘れましたが、たいてい暴君扱いされる足利義教について、「織田信長だっておんなじじゃないか!」という観点から足利義教を高評価する試みがあったような(井沢さんだっけ?)。もっとも僕なんかは「信長が単なる暴君ということかも」というツッコミを入れちゃったりしますが(笑)。


>報道官さん
 国民党党首とは言っても連戦さん、あくまで台湾最大野党の党首に過ぎませんしねぇ。また野党党首だから気軽に行けたという側面もありますし。もっとも、思い起こすと陳水扁さんも当初「北京訪問をする」とかなんとか言っていた記憶がありますが。
 連戦氏訪問についてのあちらの報道のフィーバーっぷり、拝読しているとなにやら田中角栄の訪中の際の騒ぎを連想させるものがあります。ある本で中国人留学生の話として出ていたのですが、当時の中国ではなにかにつけて「角栄、角栄」と英雄扱いでその履歴やら言動やらを報じていたのだそうです。
 そういや、連戦氏へのお土産にパンダを送るという話もホントにあるそうですな(笑)。

 もう一年経つんですよねぇ、選挙戦最中の「陳水扁総統狙撃事件」。確かにいろいろとうさんくさい話が出てきて、関係者がみんな自殺など死んじゃってるあたり、確かにケネディ暗殺を連想させるところはありますが…結果的に一番得するのは撃たれた当人なんだけど、いくらなんでもリスクが高すぎるとは思いますし、ホントによーわからん事件です。



#5665 
鮒寿司 2005/05/01 18:53


こんばんは.
うちの小学生の子供の読んでいた成美堂出版 まんがで学習 日本の歴史3にポルトガル人とともに種子島に来訪した王直さんが描かれています.  この本で王直さんに興味を持ったので、サーチしたところこのサイトにきました.
詳しい情報が書かれていて、大変参考になりました. 
日本人が修復した王直さんの墓が破壊されたとのニュースもありますが、あの墓は
本当に王直さんの墓なのでしょうか?



#5664 
報道官 2005/05/01 18:38
連日「連戦」連投

>国共会談
日本では脱線事故により反日デモに関する報道が影を潜めたようですが、中国では連日、連戦氏の訪中関連の話題で大騒ぎといった様相です。大陸在住の方はより身近に感じられているでしょうが、傍から(香港から)見ていても、すごいことになっているなー、というのが率直な感想で。ビートルズやダイアナ妃の初来日時に起こった大フィーバーもかくや、といった感じです。彼の生い立ちから、家族、友人の話、ホテルで食べた献立のメニューまで、とにかくもう、何でもかんでもニュースになっています(笑)。

>陰謀論とインターネット
実は、陰謀論のネットワーク化、土壌となる政治的社会的背景などを、真剣に(といっては失礼かもしれませんが)研究の対象としている学者がいたりします。Jodi Dean という米コロンビア大学出身の政治科学博士ですが、ネット上に彼女の著作のリストがありましたので、興味のある方は一読してみてはいかがでしょうか(現在彼女が助教授を勤めるHobart-William Smith Colleges のページからリンクされていたので、このページそのものが何かの陰謀と繋がっているということはないと思います(笑))。

http://people.hws.edu/dean/jodi_cv.html

>総統暗殺未遂事件
陰謀といえば、去年の台湾の陳水扁氏暗殺未遂事件ですが、今年3月の「犯人(容疑者)は自殺していた」という警察発表を信じている人間は、果たしてどれくらいいるんですかねぇ。肝心の遺書が「家族によって焼かれてしまった」とか、共犯容疑のかかっている人間数名も「相次いで他界した」とか、まさにケネディ暗殺事件並みの陰謀が潜んでいるような気配ですが、果たして真相はいかに…。



#5663 
不肖デルタ 2005/04/30 16:18
嘉吉の変

1430〜1440年あたりの日本史を調べていて
思うことは足利義教という人は、ほうぼうで、いさかいを
起こして、なかなかの発展家だったんだなぁと感じてます。
私は今まで足利歴代将軍といえば義満将軍以降は
荒々しい権力者が出てなかったと感じてましたが、
義教は比叡山を粛清弾圧したり関東公方の足利持氏や
一色義貫や土岐持頼を謀略で抹殺したりと、織田信長の
ような専制君主な感じを改めて持ち始めてます。
最後は、赤松満祐に謀反されて殺されるあたり、最期まで
信長と似てますね、足利義教(汗




#5662 
徹夜城(GWはいろいろ書かねばならない管理人) 2005/04/29 22:19
「国共会談」ネタは次回に回します

 「歴史的」といえば確かに歴史的な気はする中国国民党と中国共産党の60年ぶりのトップ会談ですが、一部で「国共内戦終結宣言が出るんじゃないか」との憶測報道が流れ、ちょっと楽しみにしていたのですが(笑)、さすがにそれはなかった模様で。
 そういや明日はヒトラー自殺から60周年、サイゴン陥落から30周年といろいろ節目になっております。


>原田さん
 おお〜馬野さんとは面識がおありでしたか!そりゃまぁあの人の信じる世界観からいけば「秀真伝」が江戸時代の書物と言われては相手にしなくはなるでしょうねぇ…。しかしそういう「偽史」を信じるのと世界的陰謀論との融合ってのはなんなんだろう、と思うところもありますね。
 紹介していただいた馬野さんのサイトも見てきました。いやぁ、本出さなくてもネットならバンバン書けますもんねぇ。やっぱりホリエモンも中国のデモもみんな世界政府?による日本侵略の陰謀のようですな。


>孟きょうさん
 トンデモものの歴史本をいろいろ読んでいると著者に外国経験がある人が多いような気がするんですよ。そこでなんかイヤな目にあったんじゃなかろうかと思わせる雰囲気が漂ってることが多いような。それで欧米コンプレックスを抱き、ともすればアジア蔑視に走り、日本だけは世界でも特別な国だと言い出す…というパターンではないかと。



#5661 
孟きょう 2005/04/29 00:32
難しい事がたくさんで・・


>NF様
 はい、やはり時として適度な距離というものは意識する必要があると思いますね。支那通は大陸の事情に精通しているつもりでいながら、日本によるアジア征服をどこか自明の理と認識している層も多く。大陸の歴史展開の中、自業自得で挫折していった面があるのですがともかく。たとえ臆病と言われようと、双方の国に想像を絶する犠牲者を出したあの大戦の戦禍と負債を我々は軽視してはならないし、常に教訓としていく必要があると思うのです。理想論なのかもしれませんが、たとえ海の向こうの動静がいかなる大きな歴史的変動をむかえようが、「身を持ち崩さない」賢者の如き叡智をこの国に求めたいものです。商業関係にしても、外交はほんとに難しいですね。近代国家間のルールがあるにせよ20世紀からの流れを見る限り、居留民保護を名目に戦争が起きる事なんてざらにある事ですから。  でしゃばった長い文ですみません。
>徹夜城様
 ええ、本当にそのとうりなんですよ。まったく。雨後の筍の如く、世にトンデモ本は尽きまじ・・・  前回の究極のトンデモ本、杉山某氏の「戦慄、侵略の〜」も、当時立ち読みした時、本気でハラワタが煮えくりかえった事を思い出します(日本と中国の対等な付き合いを!と言う割りにこの人アメリカに対し凄い腰抜けなんですよ)。で、ああいう人たちってどこか切ないまでの西欧コンプレックスの臭いが強烈にあるんですよね。内容に多少差があるにせよ。
 大河で楠木三代ですか・・楠木正儀を時代劇本邦初公開してほしいですね。うーん、たまらん。実現してほしいです。あの人物を出せれば日本人の懐も深いと思うのだけども。
  



#5660 
原田 実 2005/04/28 19:50
最近の馬野周二さん

馬野周二さんはもうすっかり『秀真伝』の広告塔になっておられます。
http://www.joy.hi-ho.ne.jp/s-umano/
かつては『秀真伝』の研究者同士ということで交流もあったのですが、
私が江戸時代成立説をとっている、ということで
顔を合わせる機会があっても挨拶を返してくれなくなりました。

http://www8.ocn.ne.jp/~douji/


#5659 
徹夜城(史点執筆が遅れている管理人) 2005/04/28 14:57
ニュース、ニュースの連発で話が吹っ飛んで行く…

 尾鳩さんも書いてますが、例の鉄道事故の一件で「中国の反日デモ」の話題もマスコミでは吹っ飛んでしまった観がありますね。どのみち日本人は忘れっぽいから沈静化したらすぐ忘れる(だから根深い原因までは考察しない)とは予想してましたが。
 中国のあの騒ぎで韓国での反日騒動のことも忘れ去ってしまったようで…というか、「ヨン様信者」のみなさんは全く考えもしなかったのか、昨日のワイドショーでは韓国でのヨン様出演イベントに日本からツアーで二千人だか押し寄せたなどという話をやってました。ある面では救われるとこでもあるけど、日本人全般にある「深く考えてない」ってところもあるようで考え込んでしまうところです。
 鉄道事故の件にしたって日本企業流のイヤなところがチラチラと出てきてヤなんですよね。報道されてますけど、運転士の時間遅れにはそりゃもう凄まじい「再教育」があるそうで…内容見ましたけど、「教育」と言いつつ運転技術講習とかそういうことじゃなくて単に「二度とやるな」という精神的リンチを加えるってものなんですよね。衆人環視で草むしりとかホームに立たせて懺悔を繰り返させるとか。


 えーと、気分転換で。
 それにしても皆さま、トンデモ本の話題には食いつきがよろしいようで(笑)。
 今回取り上げた本は「フリーメーソンの陰謀を打ち破った」と勝利宣言してるところが珍しい、と書いたりしましたけど、思えばその前に取り上げた「村山政権と日本の運命」もそうなんですよね(笑)。村山政権誕生で日本は世界の強国に…という内容だったんですが、馬野周二さん、その村山元首相の「談話」がその後の日本外交の一つの基準になっちゃってる件についてはどうお考えになってるかなぁ…その後本を書かれているんでしょうかね。


>孟きょうさん
 今度の件で「反中国本」が売れると見てソレ系のトンデモ本も続々出るんじゃないかと思われますね。もう大急ぎで出したものもあるようですが。
 もっとも以前からその手の本(とくにトンデモでなくても)は継続してたくさん出ていたわけで、その割に日本企業の中国進出が全く勢いを止めなかったですから影響力の程はたかが知れてるのかもしれません。
 講談社選書メチエの「支那通」の本は立ち読みでチラチラと読みました。非常に興味深いテーマですしそのうちちゃんと読むべきだな、とは思ってるんですけど、他にもいろいろ読んでるもんで…


>尾鳩さん
 ご紹介の本の著者、清水馨八郎氏は以前から密かに注目しておりまして…(笑)。いずれ「てこ歴」でやるかも、とは思ってるんですけどね。すでにいくつかその手の本を祥文社から出してましたけど、文庫本になったんですね。
 「侵略の世界史」「裏切りの世界史」と続いて、その次に書いたのが「愛国」ってそのまんまズバリのタイトルの本でしてねぇ(笑)。結局そこへ行くんですねぇ、と思うばかりでした。
 なお、この人、君と僕の共通の母校の「名誉教授」だったりするんですがね(爆)。だから大学図書館にも本が入ってて…もっともあそこの図書館はオカルト本やUFO写真本なんかも見つかるバラエティ豊富なところでそこが面白かったんですが(笑)。
 「○○大学名誉教授」の肩書きでトンデモ歴史本出されると同大史学科関係者は迷惑するばかりなんですが、もちろん史学科とは全く無関係。確か理系の学部じゃなかったかなぁ…



#5658 
尾鳩 2005/04/28 13:38
予想どおりすぎる展開ってのもなあ

ぜんぜん、進歩が無いですね。
中国側の対応、予想した通りすぎる展開で。
結局、マッチポンプなだけじゃないかって。文化大革命のときと、ちっとも変わっちゃいませんね。ほとほと、呆れている次第です。
また、日本でも鉄道事故一色に染まり、やはりデモはどっかにいっちゃった感じですね。

また、日本側も今回のことからも何にも学習していないようですね。
中国側へ「主張する」のが、そんなに怖いことなんでしょうか。
これは、前にも書いたように思うんですが、外務省内のチャイナスクールというのは、決して一枚岩ではないんですね。若手は「対中強硬派」、古参は「対中穏健派」というよりは「中国恐怖症」とでも言うべき空気が蔓延している。私の知り合いの外交官に、まさに両者の代表格の方がおりまして、例えばODAひとつをとっても、若手のキャリアの方は「対中ODAなんて無くしてしまえ」と連呼すれば、古参のノンキャリの方が「それは中国の怖さを判っていない。対中ODAというのは、あれは要は『人質』に対する身代金なんだ」ってなことをおっしゃってました(^^;。
ぶれ方が激しいというか、外から見てると「なんだかなぁー」という感じでした。

今回なんて、主張すべきことを主張するいい機会だったのに、肝心の場所で「友好」「平和」の連呼。こう言っちゃなんですが、そんなことは言わずもがなの前提のはずで(あるいは「建前」という)、外交の場面で確認することでもないだろうに。
対中に関しては、こういう事情なんで、いつまでたっても能動的に外交をリードすることは、できないんでしょうね。問題をはらんだままの「現状維持」。それで本当にいいんでしょうかね。

>とんでも本など
私が最近読んだ中では、「裏切りの世界史―この1000年、彼らはいかに騙し、強奪してきたか」祥伝社黄金文庫 著者:清水 馨八郎、これがすさまじかったですね。この方、他にも「破約の世界史」や「侵略の世界史」など、似たような趣旨の著作があるんですが、要は「白人は信用できない連中で、諸悪の根源である」という主張の元、彼らの歴史上の行為をこれでもかというくらいにすさまじい勢いで罵倒していくんですな。で、もうお判りかと思いますが、だから日本が世界をリードしないといけない、なぜって、日本人はすばらしい民族で、文化は慈愛に満ちており・・・。
こんな風に一元論的に世界をきってみせると、構造が単純なんで結構説得されてしまう読者も多いようなんですよね。確かに私も英国に初めて行ったときには、結構つらい思いもしましたし、明らかに黄色人種を軽蔑している方にも何人にもお会いしたんですが、それでもこの本にしばし出てくる断定口調には、さすがにうんざりしました(^^;。

でも、私の周りにも結構いるんですよ。一元論的に世界を切ってしまう方。某有名商社の中堅どころの営業マンの方で、商売上世界を股にかけてるような方でも、「白人と黄色人種は根本的に違う。白人は多分別の惑星から来たまったくの別種なんだ」という自説を堂々とそれも結構シリアスに語っておりました。うちのかみさんがいる前で、それはないだろうと苦笑しましたけど、こういう方に限って悪意がまったく無いところが、また怖いところ。
私は宇宙人と結婚していたんですね(^^;。



#5657 
NF 2005/04/27 20:52


>不肖デルタ様
なるほど、何だか銀英伝のゼッフル粒子を連想させる様な…。日本代表の武将たちには何となく頑張って欲しい気がしますね。完成、楽しみにさせていただきます。
>孟きょう様
「支那通」は中国への期待が幻滅へと変わった際に憎悪を抱くようになったとは聞いたことがありましたが…。してみると、日中・日韓の関係を良好にするのに大事なのは「適度な距離感」かもしれません。逆説的ですが、「商売相手」と割り切ったほうが上手くいくのかもな、と思うこの頃。そういう観点からすると、反中・反韓は勿論として「友好」にやたら拘ることや「韓流」と騒ぎ立てる風潮もどうなのかな、と思えます(苦笑)。
>奥野様
右派同士の国際的連帯…。どこの文明でも経済などでの広範な一体化と各地域のナショナリズムの高揚とは往々にして同時進行しますからね…。してみるとアメリカ主導の「グローバル化」へ反発する流れはいわば「合従」みたいな物かもしれませんな。彼らの場合、「鶏口」にもなっているか怪しい気はしますが。



#5656 
2005/04/27 06:17
不肖デルタ

>NF様 徹夜城さま
回答どうもありがとうございます。
なるほど大内氏の殿様で暴れ者の人がいたのですか。
私の変な質問、1430年代に限定しているわけは
ちょっと荒唐無稽なSF創作をしてまして、簡単に
いうと未来、人類はブラックホ−ルを発見し、
1430年代とのタイムトンネルを発見し、それの
開発をめぐり人類は地球連邦と天空同盟という
2代勢力との戦争が勃発、一方、天然ガス開発の
過程で地球の内部に閉じこめられていた水素が
地球大気中に放出し大気成分に水素が大きな割合を
占めるようになった地球では、銃砲火薬爆薬を使うと
攻守とも誘爆で自滅する危険な世界になりドンパチが
出来なくなった人類は、斬り合い格闘で決着を付ける
中世のような世界に。1430年代の穴を持ち
戦争をする2大勢力は互いに中世の勇者たちを連れて
きて戦いを有利にしようとし、東西の中世の
猛者たちが未来で激突する、といった感じのもので。




#5655 
孟きょう 2005/04/27 01:42
ご無沙汰しました

 ここのところずっと疲れると言うか、深く考えさせられるニュースが多くて疲れてました。まったく、いやはや。
 中国の反日騒ぎもひとまず一休みになったのかなと思うのですがとにかく一連の事件は中国の動向というものが、よくも悪くも複雑怪奇だという印象を内外の日本人に様々なメディアを通して与えてしまったなと感じた次第です。
 日本人にとってひとごとでは無い反日騒ぎの問題ですが。ありきたりな事なのですが。日本側の我々としては、やはり、冷静な対応、思考が今こそ必要なのだなと感じました。うまく表現できないのがもどかしく大変遺憾なのですが色々な意味で得体の知れない不安を中国情勢から感じます(それは考えすぎなのかもしれないけど)。中国内部で騒乱が起きるという事は別に珍しい事では無いし、ありふれた事ではあるし。騒ぎがおきやすい歴史的背景と状況が宿命みたいな形で成立してるのが中国の濃いお国柄の一面なんですよ。ただ、大事な事は今後どういう歴史的転換期が訪れようとも日本と中国双方の人々が嫌な思いをせず、ナーバスになりすぎないようにする気持ちと余裕がこちらには冷静な視点とともに必要なのではと。今回邦人の留学生が暴行を受けたり建築物が破壊されたりしたニュースを見て、ふと以前読んだ講談社メチエの『日本陸軍と中国。(支那通に見る夢と蹉跌)』戸部良一著 という本で出てくる佐々木到一の姿を思い出してしまいました。支那通の佐々木の中国への観点の変化と南京戦への参加、そして戦後の獄死までの経緯がそこには述べられているのですが鬼気迫る場面が彼の中国観が完全に憎悪をはらんだものになるくだりでして。たしか済南で中国軍人に袋叩きにされた後南京郊外で連日彼が憤懣たる気持ちで狩猟をして憂さをはらしている狂気に満ちたシーンでした。戦前戦中の日本の大陸経略に暗躍した負の要素である支那通達の姿は21世紀の日中関係の未来に影を落とす物であり同時に苦い記憶とともに我々に多少なりとも教訓になるものかと思うのです。 21世紀の日中関係がお互いに益のある豊かな世紀である事を切に願いますがそれだけにタイミングの悪い相互不信がなにより怖いです。
>「てこ歴」 
 いやー続編を長らく待っていたんですよ。いや、さすが、すさまじい内容ですね。大の大人がこんな内容の本を書いてしまうんだもんなあ。今回の騒ぎとタイアップしてまた大量のトンデモ本が出版されるんだろうなあ。



#5654 
坂東α 2005/04/27 01:19
お初です

>奥野さん
 恐らく日本から参加した「愛国者」というのは一水会の木村三浩氏と思われます。彼のHPに「平成14年、ロシア自由民主党のジリノフスキー党首が主催する「世界右翼政党会議」に参加。」と書いてありますから。
 http://kimurasanko.fc2web.com/profile.html



#5653 
景虎 2005/04/27 01:14
日置さん話

>奥野さん
日置という姓は、一部では有名だったりします。
古武道の一派に日置流弓術というのがあって、この流派の開祖が、日本弓術中興の祖とされている日置弾正正次という日置姓の人なんです。伝説的な人物なので、正確な事はよく分からないようですが、最近では、伊賀国(三重県)拓殖の庄日置の出身と言われているようです。
弟子の中には、近江国の六角佐々木一族と言われる吉田重賢という人がいるそうで、この人は独立して吉田流を創始したとか。吉田流は、道雪派、竹林派、山科派、印西派、左近派など多くの分派を生じて栄えたようです。
伊賀、近江、伊勢は隣国で、国境を接していますから、もしかしたらなにか関係があるかも?しれないですね。

こちら↓
http://kobe.cool.ne.jp/ikkansai/syohan.htm
に諸藩武術流派一覧表というのがありますが、日置流を採用している藩が多いようです。恐らく、江戸時代であれば、日置という姓は有名だったのではないでしょうか。
しかし、これを見ると、昔の日本が武術大国だったことがよく分かりますね。藩が正式採用した流派は、ここに書かれているのが全部ではありませんし、採用していなかった流派もありますから、総数は不明です。研究家の中には、細かい支流を含めると、数万の流儀があったのでは?という人もいますが、古武道の研究というのも奥が深いですね。



#5652 
なな 2005/04/26 22:37
危険と恐怖はあなたのすぐ隣に

中国の反日デモの映像より、あの"大騒音おばさん"の映像の方がよっぽどインパクト大で恐かったし、(^^; この頃じゃイラクの自爆テロのニュースも入らなくなって、まさか世界一の正確性を誇る日本の鉄道で、それも在来線の快速電車でこんなに多数の犠牲者が出るなんて!!

今回犠牲になられた方々の中に、九鬼さんという方がいらっしゃいました。
兵庫県三田市の九鬼家と縁のある方だったのでしょうか…。合掌。

>奥野さん
糸田川という河川が大阪に実在するみたいですね?
どうも2chでよく見る「ネ申」とか「糸冬了」を思い出してしまうのですが。(←毒されてる)
>家伝に対する思いも現代人とは違っていただろうし。
個人情報になるかと思ってこの伝言板には転載しませんでしたが、例のnanaさんは亡くなった明治生まれのお祖父さん・お祖母さんの思い出話も少し書いておられました。
お祖父さん・お祖母さんの日頃の行動や言動には、まさしく「数百年前の恨みが今なお生々しく生き続けている」感じがしましたよ。
そんな祖父母を見ながら育って、いろいろと葛藤を抱えてしまわれた…ような感じを受けました。

>伊勢国司北畠氏
おや、九鬼氏と私の先祖…志摩国七島党…アレ、気づかなかった。これも「なな」繋がりだ!…について記されている文献が「北畠物語」なんですよ?
奥野さんのご先祖様と私の先祖、あの地方のどこかですれ違っていたかもしれませんね?(^^)

>景虎さん
>刀や薙刀を使いこなすには成人男性でも鍛錬が必要ですから、才能がある人じゃないと無理っぽいですね。
そうなんですか…。
じゃ、私も頑張って鍛錬して、今後機会があったら試してみます♪ *(ーー)キラッ (←何を!?)
>怨みを忘れない為に作ったというあたりが真実じゃないかなあ
ですねー。細かく見るとおかしな点が多いですよね。
少なくとも明治大正時代くらいまでは、子々孫々の何らかのモチベーション(!?)を保つのには役に立ってきたみたいですし…。
まぁ、そのnanaさんも特に歴史にお詳しそうではなかったので、正確にはどのような語句・
どのような内容で伝わってきたのかはわかりませんが。

「九鬼 知多」と検索すると、知多半島に点在するお寺が6、7軒もヒットするんですよ。
で、それぞれの寺の由来(歴史)を見ると「関ヶ原合戦の折りに九鬼水軍に焼き払われた」というものばかりで。(^^;
寺社の他に、(抵抗防戦した)城跡の歴史なども含めると、かなりの被害実態が浮かび上がってくると思う。
私の先祖の場合とは違い、知多半島住民の九鬼水軍への恨みは大きいような感じがしました。



#5651 
徹夜城(この時期に軽く風邪なんかひいてしまった管理人) 2005/04/26 20:46
聞けバンコクの労働者♪

 タイの人たちに向かって共闘を呼びかけよう…!というわけですが(笑)。この歌、みなさん分かりますかねぇ…なおメロディーは僕の母校の高校校歌と同じだったりするのです(以前も書いたネタですが)。
 これも以前書いたネタの気がするんですが、いしいひさいちの世界史漫画「コミカル・ヒストリー・ツアー」でマルクスが「共産党宣言」の末尾に「バンコクの労働者よ、団結せよ!」と書いて、なぜと人に聞かれて「いやぁ、タイのバンコクの労働者も団結するぐらいなら全世界の労働者が団結するってことですよ」と答えるネタがありました。バンコクの労働者が聞いたら怒りそうなギャグですが(笑)。


>奥野さん
 「万国の愛国者よ、団結せよ!」なんて上記の漫画並みのギャグに思えるんですが、ヨーロッパでも以前各国の右翼政党の共闘を呼びかける会合があった覚えがあります。それぞれ自国ご都合の主張を掲げながら、似た者同士の親近感もあるのかもしれません。
 常々思うことなんですが、日本の「つくる会」の方々が作りたがる歴史教科書ってのも究極のところ中国・韓国の国定教科書を目指してるんじゃなかろうか、と(笑)。実はこれも似た者同士だったりするんじゃないかと。
 例の「後醍醐天皇」本における「平和憲法を守る」という姿勢は確かに面白いところでして…「戦勝国に押し付けられた」「現状にあわない」と言いつつも「陛下がそう言ったから」で認めちゃうんですよね。まぁそれなりに筋が通ってるといえば通ってますが。


>原田実さん
 いや〜正直言うとその方面の専門家の方に読まれるのは怖くもありました(^^;)。
 そうですか、竹田日恵さん、すでに亡くなられていたんですか…確かに晩年にラッシュで本を出していた事になりますね。まだ入手してませんが彼が偽史と主張する「日本書紀」の本もあったそうで。
 「宇宙構造図」の出所に関するご教示、ありがとうございます。実際どっから出てきたものか分からなかったものですから…次回取り上げる本でこの件にツッコまなきゃならなかったんで、大いに助かりました。
 ところで彼の「日恵(にちえ)」という名前、日蓮宗の僧名(自称?)ということはないでしょうか?あそこにチラッと書いたんですが、他の仏教宗派を散々に言いつつ明らかに「日蓮宗」だけはその外に置こうとするんですよ。後醍醐天皇以前に「宇宙構造図」を理解した日本人として空海と日蓮の名前が挙げられてますし、法華経にも異様に執心を示していたもんですから。


>galleryさん
 さっそく「てこ歴」お読みいただきどうもです。執筆動機にgalleryさんに「せっつかれた」ところもあったりしますんで(笑)。
 久々の執筆を機に久々に書店の歴史コーナーでネタ探しもやってみたのですが、いやはや、あるわあるわ(笑)。トンデモの泉は尽きることはないと思うばかりですが、わざわざ本にして出そうという熱意はどこから来るんだろう、と思うものも多いですね。そういやつい最近出雲井晶さんが「古事記・神代の巻」の絵本を出しておりましたが、期待に反して(?)いっさい改竄のない原文訓読そのままの内容になっておりました。
 「ネット社会の広がりによる陰謀論のグローバル的拡散」というのはある程度現実に進行していると思えますね。本出すよりも拡散力は明らかにありますし。


>鵺さん
 人物叢書に「新田義貞」が出ることは聞いていたのですが、「足利直冬」とは渋い線を突いて来たんですねぇ。あのシリーズも人選がどうやって決まるのかよくわかんないですね。「後醍醐天皇」「足利尊氏」はまだ出てなかったような気がしますし、その一方で「細川頼之」が昔に出ているしで。
 なお、大河「太平記」にしばし義貞が忘れられた状態になっちゃってる理由は今日初公判が行われていた義貞役者の降板によるところが大きいかと。次回「隠岐配流」で根津甚八演じる「新田義貞2号」が登場することになります。もちろん後日1号が戻ってきて共闘という事態にはなりません(笑)。
 大河で「楠木正成」はいずれやるんじゃないかな、という気はするんですよね。南朝方の人で大河級でやれるのはそうそういないですし。もっとも僕なら正成・正行・正儀の「楠木三代」で南北朝通史にしちゃいますがね。南朝・北朝をウロウロした楠木正儀なんか僕にいわせれば大楠公以上にドラマチックな存在ですから。それやってくれれば頼之も清氏も絶対出てくるんですけどねー(笑)。


>電気羊さん
 どうしてるかな〜とはここ三週間ばかり気にかけておりました。久々のお書き込み、および「てこ歴」感想ありがとうございます。
 チラチラとは日本でも報道されてますが、中国では今度は愛国沈静、日中友好を呼びかける露骨な情報操作(?)をやってるようで、面白いもんです(笑)。そういう「大本営発表」みたいな状態が今度の事態を引き起こしてる側面もある気がしてるんですけどね。


>不肖デルタさん
 うーん、僕は室町ってよりも南北朝のマニアですし、室町期だと日明関係に目がいってしまうわけで、1430年代の過激な人物、と言われてもパッとは思いつかないんですよね。
 すでに名前を挙げられている足利義教、足利持氏あたりかなぁ、と思いますが。



#5650 
NF 2005/04/26 20:31
1430年代といえば…

>福知山線の脱線
本当に、とんでもない大惨事が起こったものです。しかし、昨年から大災害やらのニュースが続いていて、感覚が麻痺しそうなのが恐ろしい気がします。
>不肖デルタ様
1430年代は僕はやや専門外なのですが、当時の主な人物といえば大内義弘の息子である大内持世はどうでしょう。大内家の後継者争いで相手を破って家督を継ぎ、次いで以前から争っていた大友氏・少弐氏をも破ってほぼ九州を制圧。少弐氏を滅亡寸前まで追いやっています。嘉吉の乱に巻き込まれて負傷し命を落としていますが、軍人としては当時では屈指の存在ではないかと思います。



#5649 
電気羊(ブログ開設しました) 2005/04/26 16:16
お久しぶりです

久々に書き込ませていただきます。
このページもますますの充実ぶり!喜ばしい限りです。
こちらの反日デモもひと段落ついたようです。
まあ、普段の生活はデモの前も後も何の変化もないですし、別に日本人だからと言ってどうしたとか言うこともないですしね。

しかし、今回の両国マスコミ・ネット、そして政府の「マッチポンプ」ぶりにはほとほと呆れました。もう怒る気にもなれません。
現在、中国では小泉・胡会談を大きく報道したり、デモを批判し、日本を高く評価する「町の声」を取り上げてみたり、日本のいい点をいろいろ報道してみたりで、「友好ムード」の宣伝に大忙しです。マスコミから日本批判が完全に消えうせてます。

反日だったり友好だったり、まったくご苦労なことですな。

さて、「ヘンテコ歴史本」早速拝見しました。
自分は大阪(河内)出身なので、楠木正成のファンなのですが、なにやらどえらいスケールの人物だったようですな(笑)いやあ、わらかしてもらいました。
それから、正成ファンとして、足利と楠木の家紋が逆なのは自分も「大激怒」です(苦笑)。

あと、最近自分もブログ開設しました。
留学生活と清朝についてのブログです。最近八旗のロシア人部隊について調べてみました。
お暇なら是非お越しください。
では。

http://honin.exblog.jp


#5648 
奥野 2005/04/26 05:53
万国のいろんなものが団結する話

更新お疲れ様です。それにしても、これほど精力的に活動していながら、更新が5年ぶりになるコーナーがあるとは…改めてこのサイトのスケールの大きさを思い知らされます。個人で活動してるとは信じられないくらいで。
今回のネタ本ですが、この方向性でなおかつ日本国憲法を擁護しているというのにちょっとびっくり。他に類を見ない、珍しいパターンなんじゃないでしょうか。確かにこの業界、奥が深そうではあります。

>糸田川

彼は大阪の出ですが、先祖は阿波に住んでいたと言っていました。阿波であれば、実際に細川・三好両氏の活躍の舞台にあたるし、糸田川家の家伝にも史実を反映した部分はあるのかも。
まあ、怨恨を伝えるような家伝ではないし、彼自身もそれほど重大にとらえている風ではなく、友人仲間にネタとして披露したという感じではありました。しかし細川→糸田川という偽名?はユーモラスで、何となく印象に残っています。

ところで、僕の父方の祖父は伊勢の農村地帯に住んでいますが、近所には「日置」という珍しい姓の家が多いです(親戚の中にもいる)。それで、祖父の住む町内で編纂した郷土史の本(かなりの力作)によれば、伊勢国司北畠氏の家臣に日置大膳亮という家があり、その分家筋が現在も日置を名乗っているという伝承があるのだそうです。これもどこまで本当の話だか分かりませんが、この手の伝承は掘り起こしていけばまだまだ見つかるのだろうなと思います。

>陰謀のネットワーク化

とはちょっと違うのですが、モスクワで体験したこんな話でも。
ある時、ロシア自民党がマクドナルドの店の前で小規模なデモをやっていました。ご存知ウラジーミル・ジリノフスキー率いる極右政党、でも最近はすっかりジリノフスキーがお笑いみたいな存在になって、昔ほどの迫力はなくなっている団体です。で、この人たちが配っていた小冊子をもらってきました。何でも「世界愛国政党会議」というのをモスクワで開いたらしく、それの結果報告などが載せられている。「万国の愛国者よ、団結せよ!」なんてスローガンもあったりして、愛国な人々もグローバル化の流れに乗ろうとしている感じがありあり。しかし内容を見ると、各民族固有の文化を守れとか何とか言っていて、「アンチグローバル」を逆に団結の中核に持ってこようとしているような印象を受けました。あるいは「アンチアメリカ」でもいいんでしょうけどね。と言いつつ、会議の様子を写した写真を見ると、各代表の前に飲み物としてペプシコーラのペットボトルが置かれているのが何とも腰砕けで可笑しい感じです。
しかしやっぱり、いろんな形でネットワーク作りを模索するというのは、現代世界では普遍的な現象になってきているのでしょうか。技術的にはネットワークが作りやすくなってきているのは事実だろうし。極右民族主義的な主張も、例えば移民排斥などをてこにすれば一定の団結が可能になる側面があるわけで、その動きには注意しておいた方がいいのかもしれません。

ちなみにこの会議、日本からは「パトリオチーチェスカヤ・パールチヤ」の「イツヒロ・キムラ」という人が参加していましたが、それってもしかして愛国党のことでは…もしもそうなら、ジリノフスキー主催の会議に出たなんて知れると笑われてしまうから、みんなには内緒にしておいた方がよいかと思います。




#5647 
2005/04/25 18:14
シュトゥルム・ウント・ドランク

ううむ・・・シュトゥルム・ウント・ドランクな時期なのかしら、世間的にも(^^)。

今月はムロタイの参考文献になっている人物叢書シリーズから「新田義貞」が、来月にはなんと「足利直冬」が出るようです。大河太平記は観れたり観れなかったり状態で、スルーしてもよかった「秋霧」の回に限ってはちゃんと観れました(笑)。「義経」と比べると色々と発見があって面白いのです。昨日の放送を見て、皇室オーラに打たれた?尊氏に対して軟禁状態で俗化した後醍醐天皇、何だか天皇家権威の低下ってこのあたりにあるようにも思えました。義貞はすっかり忘れられてますね(笑)。

再来年大河に「楠木」という説もまた(去年もあった)出ているようですが、この前「その時」で取り上げられたり、出版会の微妙な動向などを見ていると、あり得る事なのかもと思ったりして。「山本七平の日本の歴史」なども出てますしね。

南北朝後半ではなく、南朝サイドの太平記逆バージョンで、しかも中年のオッサンが主役の話・・ううむ。



#5646 
gallery 2005/04/25 15:14
淫○史観・・・・・・・・失礼(切腹!)

>「てこ歴」
拝見しました。早速、笑わせて頂きました。
ちょうど今、『陰謀の世界史(海野弘・文藝春秋)』を読んでおるところでして、
陰謀論を信じる方々は、「あらゆる陰謀は繋がっている」と主張されるのですが、
(この本で採り上げている30の陰謀には、それぞれに複雑・密接な相関関係がある)
著者のトンデモ繋がり、というかその奥の深さ、懐の深さ(?)を見ると
どうも、「あらゆる陰謀論者は繋がっている」と言った方が正しいような(笑)

ついでに、現在のようなネット社会において、この手のヨタ話はあらゆるところで
繋がるのが容易になり、それを規制するようなアカデミズム的常識が入りにくい。
前述、海野弘氏の著作の言「20世紀末における陰謀のネットワーク化、グローバル化」
・・・ってことになりましょうか。
最近の米・日・中・韓などにおける、ネット内での愛国的ドタバタを見るにつけ
「ネット社会が広がりにより、陰謀論(特に保守・愛国的な)が拡散し易くなる」
という仮説でも立ててみようかと個人的に考えております。



#5645 
原田 実 2005/04/25 14:28
竹田日恵氏といえば・・

今世紀の初めくらいに亡くなられたと聞いています。
晩年にあれだけ著書を出されたのだから、まあ本望だったかと
(フリーメーソンの陰謀も終わらせられたことですし・・・)。
あの宇宙構造図の出典は『竹内文献』ではなく、
また竹田氏の発案でもなく、
正気久会さんという方が1980年代から
使っていたものを竹田氏が取り入れたもの、
というか竹田氏の著書の多くは正気氏の説を
祖述したものですね。
正気氏が下記の著書を出す際、竹田氏も関与していましたから、
竹田氏としては他人の説を勝手に自著として出している、
という自覚はなかったのかも知れません。
http://books.yahoo.co.jp/bin/detail?id=06721286
まあ、こういうなプライオリティに対する曖昧さは
一昔前のトンデモさんにはよく見られるところでした。

http://www8.ocn.ne.jp/~douji/


#5644 
不肖デルタ 2005/04/25 12:40
1430年代

ちょっとわけあって1430年代の日本史の人物について
調べています、時期的には、応仁の乱がある前の時代かな?
室町といえば徹夜城さん のフィ−ルドですよね、ちょっと
お聞きしますが1430年代の日本で、過激な人といえば
誰あたりになりますでしょうか?自分なりにさぐり入れたら
関東公方で2回ほど反乱して上杉に攻められ自害した足利持氏
暗殺された義教将軍、といった人々が浮かんできましたが
他に、これといったかたはいますか。



#5643 
徹夜城(朝起きたら大事故が起きていてビックリした管理人) 2005/04/25 11:28
「後醍醐」に情報追加

福知山線の列車事故…大変な事になっております。朝起きてTVつけたらビックリ。どうやるとあんなことになっちゃうのか…どうもいくつか不運の連鎖があった様子です。

>NFさん
 さっそくの「てこ歴」への反応、ありがとうございます。書き込みミスは修正しておきました。
 さすがは、すでにあの本ご存知だったんですね。南北朝マニアの間では結構知名度高かったのかなぁ。あれをアップする前に検索で調べたりもしたんですが、他の南北朝を扱うサイトでも取り上げられ、わりと真面目にツッコミを入れられていました(笑)。
 ご指摘の表紙の件、言われて初めて気がつきました(汗)。あまりに面白かったんで、<補足>として本文のあとに画像と共に追加しておきました。
 なお、次回とりあげる同じ著者による本とはまさにその「魏志倭人伝」ネタのやつです。こちらはもっと一般向け出版社から出てましたので、ご存知の方も多いかと。



#5642 
NF 2005/04/25 01:56
↓すみません、またやってしまいました(誤入力)

久しぶりに書き込ませていただきます。テレビがないもんでなかなか時事的な話題にはついていけません(涙)。「てこ歴」拝見しましたが、「南北朝関連」というので「ひょっとしたら…」で、拝見して「出たーっ!」という感じです。皇国史観的なものは珍しくもなかったですが、フリーメイソンが登場したり研究室で天皇が宇宙の中心的御存在と宣言し呪いが消滅したりは流石に新鮮で友人と盛り上がった覚えがあります。ついでに、表紙の尊氏と正成の家紋がそれぞれ逆だったりするんですが、内容に比べると些細な問題でしかないのが何とも。この作者は「三国志」の陳寿も司馬仲達が超古代日本に敗れたのを隠蔽するために倭国の歴史を矮小・捏造したとも唱えていた気が。一時期「平和神軍」という右系(?)団体の偉いさんだった気もします。



#5640 
徹夜城(なんとか今日中に更新作業した管理人) 2005/04/24 23:41
「てこ入れ」しました(笑)

 はい〜予告どおり「ヘンテコ歴史本閲覧室」に5年ぶりの新作が入りました。ちょうど5年前に出てた本で、当時はすぐに書いちゃおうと思っていたのでありますが…
 なお、この作業にともない「てこ歴」関係のファイルはアドレスが若干移動になりましたのでご注意ください。トップページから入れば迷わないとは思いますけど。
 今回とりあげましたのはこのサイトの目玉の一つでもある「南北朝時代」関連です。しかも次回に「つづく」形式になっております。こちらもできればGW中にでも仕上げたいもんですね。

 「史点」もそっちのけでなにやっとるんだ、の声もありましょうが(笑)。
 とりあえず中国の反日デモ、この週末は押さえ込んだようですね。珠海の方で1000人ぐらい集まったりはしたようですが…
 で、「山拓」氏はしっかり返り咲いてしまったようで。落ちたほうがいろいろと面白かったんですが…



#5639 
景虎 2005/04/23 01:58
家電

家電・・・じゃなかった、家伝話って色々あるんですねえ。ただ、どこまで正確に伝わっているかは???ですね。
有名な家で、本で調べても京の公家の出身と書かれている家が、実はその地方の土豪で、公家出身説は江戸後期に作られた伝説だったという話とか、同一地で同一姓を名乗りながら、姓氏学的にまったく違うという例も結構あるらしいですから。

>若い娘は名を変え、紀伊に嫁に入り込み夫の隙を見て斬り殺す。
暗殺を現実的に考えると、ちょっと無理がありそうですね。
斬る為には刀か薙刀が必要になってきます。武士なら帯刀は当たり前ですから警戒されませんが、女性が刀や薙刀を持っていたらそれだけで不審に思われるので、隙を見て・・・というのは難しそうですね。武家の女性であれば、薙刀の稽古という事にすれば、警戒されないかもしれないですが。まあ、その場合でも、刀や薙刀を使いこなすには成人男性でも鍛錬が必要ですから、才能がある人じゃないと無理っぽいですね。特に狭い屋内だと、大型武器は使いにくいですし。
女性の暗殺者は毒を使うか、ターゲットを誘い出して、殺すのは男がやるというパターンが多いらしいですが、こういうやり方のほうが現実的でしょうね。上手く行けば自分がやったとバレないかもしれませんし。
刃物を使うのであれば、懐剣か包丁の方が成功しやすいでしょう。ただその場合は、刺す、突くであり、斬り殺すという事は考えにくくなりますが。
また、成功したとしても、家訓のことがバレてしまえば一族滅亡しますし、成功例があれば記録が残りそうなものですが、そういう話は聞かないですねえ。相手がある程度の身分であれば、護衛もいるでしょうし、出自の怪しい娘を嫁にすることも、考えにくいですよね。

色々と考えてみると、家訓を作った人も本気ではなく、怨みを忘れない為に作ったというあたりが真実じゃないかなあ・・・という気がします。



#5638 
加来見 2005/04/22 22:54
次は・・・

>反日。
  何というか複雑な心境ですね。 親の心、子知らずとでも言いましょうか・・・現在のデモをしている方々の親御さん達は、天安門の時代・・・そして天安門の時にデモとでも言いましょうか・・・していた方々の親御さんは文化大革命の辺り・・・歴史は繰り返すとはよく言ったもので。 
 でも、どうするんでしょうね。これから。 経済発展とか一部ながらもしたっていうのに。いや、自分達の面白いことのためには国が傾いて、国籍がどっかに変わってしまってもイイってことでしょうか(笑)。それとも・・・
 次のデモは今週末・・・おそらくこれは確実ですね。緊急避難警報×2、日本語を話せる人+醤油顔さんは逃げましょう(笑)。 そして、次の次の緊急避難警報は、多分5月1日だろうなぁ。   この日までに、大陸の皆さんの熱が冷めて頂けたらいいな。+日本の○翼さんもね。中国の若者たちの若気の至りなど真似して・・・

 >新ローマ法王がどんな外遊をするか楽しみですね。高齢ですしね。
  でも、政治面ではおおよそ大丈夫でしょう。故ヨハネ=パウロ2世と同じように上手くいくでしょうね。 
   





 



#5637 
原田 実 2005/04/22 20:39
宇宙人(共通の敵)出現による和平

冷戦時代のSFではよく取り上げられたテーマのようですね。
1963年のテレビシリーズ『アウターリミッツ』(『ウルトラゾーン』)の
「ゆがめられた世界統一」という話もそのテーマでした。
http://www009.upp.so-net.ne.jp/death/architects-of.htm
http://www1.odn.ne.jp/~aac65140/video/outer.htm

http://www8.ocn.ne.jp/~douji/


#5636 
不肖デルタ 2005/04/22 19:13
世を忍ぶ一族

私の住むところの山間部にある、とある村は、
平という名前が多い村です、我らは平家の落人の
子孫だと誇りを持っている村ですね。じっさい、
その近くで源平合戦があって平家が敗走した
ようですから、村の人々の誇りの由縁は、有り得る
ことかな、と思います。今、村で平と名乗っている
人々は、ほとぼりが冷めた頃、源平が、どうのこうの
と詮索されない時代になってから堂々と「平」姓を
名乗り始めたんじゃないかと思いますね。
その村の伝承では、平家の落ち武者郎党の中で
村の人間と血縁関係になったのは郎党のトップの若侍1人だけ
だった、あとの郎党は、源氏の落ち武者狩りで死んだりして
血縁を残せなかったとなっていて、その若侍の1血筋から
現代にいたるまでに、その村の大部分が平姓になっちゃってる
から、平家って繁殖能力がありますねぇ、源氏より、しぶとい
一族なんではないでしょうか?(笑
ちょっと不思議に思うのは、現在、平という姓の人には、ちら
ほら出くわしますが、源の姓を名乗る人って私は
出くわしませんね、平姓より源姓のほうが恐れ
多すぎて名乗り辛いのでしょうか?




#5635 
徹夜城(これから出勤の管理人) 2005/04/22 14:37
名字改造

 何度か書いてることですが、我が家というより僕の母の実家は「渡辺綱」の子孫であるという話になっていて(ホントに「渡辺」姓です)、飛び込んできた鬼を逃がさないように「煙出し」を作らないとか、節分の豆まきがいらないとか(「渡辺」の表札を見て逃げる?)なにやら怪しげな「家伝」があったそうです。
 僕は父方の姓を名乗っているわけですが、これがかなり珍しい名字で…以前近くの町に越してきた同姓の人が電話帳で偶然我が家を発見し、驚いて「同じ名字です!」とわざわざ電話をかけてきたという事件(笑)までありました。どうもそう遠くない親戚ではあったようです。
 こちらには特に家伝めいたものはないんですけど、祖先の地である宮城県の奥地には先祖が住んでいたという山城のあとが残っています。実はこれがさりげなく僕のハンドルネームの由来にもなっています(笑)。


>奥野さん
「糸田川」…うーむ、確かに横書きするとバレバレですね(笑)。ネットでよく一文字をわざと分解して打ち込む、あれみたいです。縦書きなら目立たないんでしょうけどね。だけど細川氏は姓を変えて逃げなきゃいけないほど追い詰められたようには思えないんですが…。のちに首相まで出してるわけですし(笑)。
 ほかに「吉成(よしなり)」さんというのが「結城」から糸へんをとったもの、という話がありますね。四国にある「半家(はげ)」という地名は「平家」の落人から来てるってな話もありました。


>尾鳩さん
 とりあえず今度の週末にデモが起こるのか、押さえ込まれるのかがポイントかな。5月4日にもなにかありそうな気はしますが…そろそろ沈静化して日本人はアッサリ忘れる(笑)、という展開になるかもしれません。中国旅行のキャンセルが多い、ってニュースもありましたけど総数では昨年を上回ると聞きますし。
 向こうの抗日戦争ものの映画やドラマが凄まじいという話は聞きますね。海外にも配給される、有名監督によるいわゆる芸術映画な作品に出てくる日本兵はそう単純には描かれませんけど。最近話題になった「鬼が来た!(鬼子来了)」もそうだったと聞いてますし、陳凱歌の「さらばわが愛(覇王別姫)」に出てくる日本軍人の描き方も一味違いを見せていました。その陳凱歌は最近真田広之を招いて映画を撮ってますし、張一謀も憧れの高倉健と組んで映画を撮ったあたりなどは世代的な違いも感じますけどね。

 なお、お話に出てきた米ソが協力して核ミサイルで隕石を破壊する(そらす?)という映画、僕は見たことは無いですが小学校時代に映画好きの先生から話を聞かされたことがあります。それでよく覚えてまして。
 検索で調べたところ、「メテオ」(1979)という映画のようです。



#5634 
尾鳩 2005/04/22 13:35
外敵を共有して、初めて同胞となる

なんだか、毛沢東の「敵の敵は味方」そのものですね(^^;。

>報道官さん
また、ゆっくりとお話したいですね。懐かしき、されど遠い香港といった感じのこの頃です。

>都市部での「世論」は抗議の趣旨には肯定的とみてよいのでは?
少なくとも、否定的ではないですよね。かの歴史そのものに対する評価そのものにしても、肯定的な方にはお会いしたことがないですし。ただし、やはり歴史への向き合い方が、世代、および地域によってまちまちですね。まあ当然といえば当然かもしれませんが、年配の方になると「あのような過ちが二度と起こらぬよう、仲良くいきたいですね」という前向き、或いはソフトな対応な方が多いんですね。結構深い話ができる。むしろ、あの世代は文革の方が、忘れられぬ経験だったりしますし。
私はやはり、日中問わず、かの戦争で多くの悲劇を体験したにもかかわらず、ひたむきに生きてこられた方を同情するのはなく、尊敬するんですよね。これは、自分にとっては終始一貫しているとも言っていい対応で、だからこそ従軍慰安婦のときも今回のデモについても、どうしても否定的に捉えるのです。従軍慰安婦の騒ぎの時は、かつての古傷を己の都合で抉り出す(たとえ「正義感」なり「使命感」が背後にあるにせよ)市民運動の方々の態度に疑問以前に怒りすら覚えましたし、今回のデモは「歴史に甘えるなよ」のもう一言です。

日本の一部政治家の外交センスの無さはもう言うまでもないですが、今回のデモに関しては、政治に歴史を都合よく利用する中国側の態度にやはり問題点が多いのではと思ってます。どんなことにせよ、まずは自分の非を認めるという日本的な対応は、美徳ではありますが、対中国に関しては、もはやマイナスでしか無いのではとすら感じ始めています。特に今回のデモについては。

>「日本人」と「日本政府」を分けて考えるコメント
これは、韓国でもそうみたいですね。中国の場合、毛・周時代の教育方針がそうだったようで(実は日本での人民放棄を期待していたからという節が濃厚とも)、そのときに教育を受けた方はそういう論調が身にしみているという感じですね。地方などへ行くと、もう日本を知らない人すらいるんですよ。或いはこれは、チベットで会った子供で家が映画館を経営しているんですが、彼は日本へ行きたいけど殺されるかもしれないから怖いなあ、なんて私に訴えてました。「お兄ちゃん」と呼んでくれて、日本ではもう見られない洟垂れの餓鬼なんですが(笑、彼の家で放映している映画というのが、抗日戦争ものばかりでその中に出てくる日本兵が異常なくらいに残酷!とにかく中国人を殺しまくる。「めし、めし」しか日本語をしゃべらないんですけどね(笑。逆にいえば、それが唯一とも言っていい日本に関する情報だったりするんですよ。
彼も今は成人しているはず、強烈な反日に染まっていないことを祈るだけです。

>日貨排斥
これについては、前にも言ったように中国側の受ける被害の方がはるかに大きいと思います。
最近こそ中国へ進出する際、現地に法人を立て、高い税率に我慢しながらも中国を販売市場として想定する企業も増えてきましたが、ほとんどは生産市場としてしか活用していない。
つまり、中国側の工場は中国の所有物として高税率を逃れ、生産したものは100%海外へ輸出するという来料加工方式、もしくは中国の工場は自らの所有物にしながらも、生産したものは100%海外へ輸出するという進料加工方式を採用している企業がほとんどですからね。それもMade in Chinaとして。中国での日貨は実は日本の商標だけを借りた実質中国製のものが多かったりするので、よく考えると皮肉な結果になってますね。

宇宙人襲来による世界統一、そういやビートたけしも昔そんなこといってましたね。
確か巨大隕石の襲来により世界が危機に瀕したとき、遂に米ソ両国が手を結びお互いの核ミサイルを隕石にぶちこんで破壊、世界は危機から逃れただけでなく、米ソの冷戦も終結したなんていう映画があったような。なんだったけなあ。管理人さんならご存知では。




#5633 
奥野 2005/04/22 00:25
家伝

>なな様

興味深いお話を聞かせていただきました。僕は家伝が残されているという話自体聞いたことがなく、ましてこれほど強烈な内容のものが伝えられているとは、ちょっとびっくりしました。
しかし現在でさえこのような事例があるのなら、もうちょっと時代をさかのぼると、家伝を伝える家はもっと多かったのだと思います。また、家伝に対する思いも現代人とは違っていただろうし。そう考えてみると、横溝正史や江戸川乱歩の作品の中で祖先の遺訓や復讐がストーリーに絡んでいる筋立ても、それが発表された当時の読者は、意外にリアリティのあるものとしてとらえていたのかもしれません。現代の我々からすると、完全に「時代」を感じさせる小道具なんですけどね。

それと、ななさんの書き込みを読んで思い出したのは、大学時代の友人の話。彼は「糸田川」という珍しい名字の持ち主でしたが、家伝によれば先祖は「細川」だったのが戦国期に三好氏に追われて没落し、姓を「細川」から「糸田川」に変えて身を隠したのだそうです。しかし「糸田川」ってそれバレバレじゃねえか、と僕ら友人の間では突っ込みの対象になっていたものですが(実際、彼もよく「細川」と読み間違えられていた)。まあ、昔はみんな縦書きだったからまだバレにくかったのかな。
いずれにせよ、ごく小規模ではあれ歴史を反映した家伝というのは、掘り起こしてみればまだまだ見つかるのかもしれません。



#5632 
徹夜城(今日も夜のお仕事の管理人) 2005/04/21 13:06
なんだ、この書き込みペースは(笑)

>アール・ケイさん
 ご存知かも、とは思いますが。その手のテーマの漫画では藤子・F・不二雄の短編SF「イヤなイヤなイヤな奴」という傑作がありました。あれには「やられたっ」と思ったもんです。
 「史点」でも注目していた連戦氏訪中ですが、予定が繰り上がりましたね。やはり胡錦濤主席と会談するそうで、「1945年の蒋介石・毛沢東会談以来の国共トップ会談」などと聞くと大変なインパクトはあります。もっとも国民党は総統選の「連戦連敗」で(笑)「トップ」っぽくはないですけどね。

>ななさん
 いや〜なんというか、物凄い出会いですねぇ。先祖の怨念がお二人を招き寄せたのではないでしょうか(笑)。なんか松竹映画版「八つ墓村」みたいだ。そういやこれって先日亡くなった野村芳太郎監督作品でした。
 九鬼一族についてはとんと知らないのでなんともコメントが出ない。紀伊半島あたりの海民が倭寇に参加していた可能性はないとは言いませんけど、かなり珍しいケースだったんじゃないかという気がします。



#5631 
新参右衛門 2005/04/21 12:19
灰色の煙

>教皇が決まる
マルチン・ルタ−を生んだ風土の国民は、バチカンの
頂点に自国民が決まった事には、カトリックは喜びますが
プロテスタントは、それがどうした?って感じだとか(笑
最近の傾向としてドイツはカトリックが減ってるそうです、
だいたい旧教徒と新教徒が半々の割合だそうですから、
ドイツ全体が歓喜にわく、というわけにはいかない
みたいですね。

>九鬼義隆
信長の考えた鉄箱艦を建造したのは、この武将じゃなかった
ですか?相当、短期間で、この、べらぼうな戦艦を造れ、と
信長に言われ必死こいて作ったとかいう話しを聞きますね。
九鬼殿も締め切りに間に合ったから良かったものの
間に合わなかったら、織田に一族抹殺にされていたかもしれ
ませんね。



#5630 
アール・ケイ 2005/04/21 10:03
連戦氏の大陸訪問にも要注意

>九鬼氏

うちの連れ合いの実家が地元(丹波)なんですよね。
「九鬼義隆(だったかな?調べりゃ分かるんですが面倒くさいので検索しません(笑))を大河ドラマにする会」とかなんとかの誘致組織があるそうですが、無理でしょう(笑)。


荒らぶる中国の若者に「そもそも愛国主義的にみて共産党一党支配って ど、どう?」と云ってやるべきでは(笑)。「愛国なんじゃなくて愛党なんじゃあないの?」
烈火のごとくあちらさんは怒るでしょうがね。





#5629 
なな 2005/04/21 02:04
敗者の歴史

今日、他所の掲示板でなかなか面白い体験をしました。

私は去年あたりから、ある非歴史系のBBSにて「九鬼」のハンドルを使ってるんですね。
みなさんご存じの通り、私は愛知県の某市在住なんですが、我が家と親戚の本籍がある県内の某市某町では、その集落のほとんどの家が同じ名字なのです。
で、織田信長の時代に伊勢湾を隔てた三重県から集団移住してきたとの言い伝えがあったという話を、数年前に父から聞きました。
その話を聞いた少し後に図書館で姓氏辞典を見かけて、興味本位で自分の名字の由来を調べてみたの。
私の名字と同じ地名が三重県にあって、そこが発祥の地であろうということは、本籍地での言い伝えを知る前から薄々わかっていました。
姓氏辞典ではさらに、我が先祖はその地方の小豪族(地侍というのか在地領主というのか…)で、九鬼氏を含む周辺の同規模の豪族何氏かと同盟を結んでいたそうで。
それが織田信虎の時代と同じ頃に、九鬼氏が騙し討ちの形で同盟関係にあった我が一族を含むすべての周辺氏族を滅ぼしたのだとか。
本籍地での漠然とした言い伝えが史実であったことが確認されたわけです。
「謀略による滅亡」とのことで、生き残った先祖は九鬼氏を恨んだかもしれないなー……とは、うすらぼんやり思いましたが、なにしろ遠い昔のことですからとくに気にせず、昨年新しく出入りすることになったBBSでなんとはなしにハンドルとして九鬼の名前を使うことにしたんです。
ハンドルらしくないけど、歴史のサイトでもないし別に何も聞かれないだろうと。

昨日初めてそのBBSにいらっしゃったnanaさんという方(これは偶然の一致!)から、九鬼というのはもしや九鬼水軍の子孫か、紀伊半島の出身か、それとも単なるハンドルかと尋ねられたんです。
nanaというハンドルの一致に何かの縁を感じたし、質問が妙に具体的だったので、上記と同じことを教えてあげたのね。
その方のお返事は予想外のものでした…。要点だけをお伝えします。

>驚きです。私の家にもそのような言い伝えが残っております。
>知多?あたりに一族が住んでいましたが、九鬼一族に追い落とされその地を逃れ山奥に移住したそうです。
>明治になる前は若い血気に満ちた青年を刺客として紀伊に送り込んだ、しかし返り討ちにあったとか。
>若い娘は名を変え、紀伊に嫁に入り込み夫の隙を見て斬り殺す。

なんでも「憎き九鬼氏を滅ぼすのが家訓」となってるそうで…。
その方は、そんな恐ろしくて、かつ後ろ向きな家訓を後世に伝えることに疑問と虚しさを感じておられるようで、自分の代でやめにする、子どもにも話してないとおっしゃいました。
私が似たような出自(?)であると知って思わず吐露して下さったみたいです。
たしかに私の一族にももっとおどろおどろしい言い伝えがあったかもしれませんし…。(^^;

私の氏族は九鬼氏が三重県の一地方を統一するまでの時代の話なのですが、その方の一族はもとは知多半島に住んでいたそうで、となると話は関ヶ原の合戦(1600年)の折りに九鬼水軍が知多半島を数度に渡って攻めた時のことになるでしょうか。

ただ、大名にまで出世した九鬼氏…九鬼嘉隆家と言えばいいのか…は、江戸時代になって三重の領地を取り上げられ、兵庫県三田と京都府綾部の二藩(二家)にわかれて存続したので、「紀伊へ刺客を放った」り「嫁として入り込む」というお話には、正直に言えばちょっと疑問符がつきますね?
もっと古い時代の、他の九鬼一族の動きまで考慮に入れないといけないのかもしれません。

それにしても、何百年間も敵(かたき)を憎む家訓を持ち続けてきたなんて、一体過去にどんな目に合わされたんでしょうか!?(^^;
私は、家訓を捨てることには反対しないが、敗者の歴史こそは意識的に残す努力をするべきで、ぜひ九鬼氏を研究している人に情報提供してほしいとお願いしました。
歴史は多面的に分析されなくてはいけない、歴史書に書かれているのはたいていは勝者の側の視点だから…って。

あぁそれから、未来の「九鬼水軍」様に滅ぼされちゃった我が一族は、地理的に見て海民…つまり海賊だった可能性が高いと思いました。
なにしろあの辺りの海岸線はリアス式で、平らな土地なんか少しも見当たりませんからねー。
移住した愛知県の土地も、そういえば海に近いですし…。
この地方の海民も倭寇に参加した可能性はあるのかしら?



#5628 
アール・ケイ 2005/04/21 01:34
宇宙人 一週間に 十日来い (意味なし(笑))

えー、手塚さんで云うと『W3(ワンダースリー)』のラスト。
地球人は宇宙にとって害だと見なした銀河連盟によって地球に超強力な爆弾が仕掛けられ、そういう事態を知った各国政府が慌てて歩み寄る(実は爆弾は主人公たちによって処理されていたんですが)

名作SFでいけばル・グィンの『天のろくろ』にもそんな話がありました。
自分が見た夢が現実になる能力のある青年に、その秘密を知った医者が世界平和のため「人類同士の戦争のない世界」を夢に見させると、宇宙人が襲来している世界に変わってるという…(笑)。

共通の敵というのが出現すると仲が悪い同志でも結束するんですな。
会社でも国家でも学校でも…(「逆も真なり」だったりする処が情けない)。





#5627 
徹夜城(数学の授業から帰って来た管理人) 2005/04/20 23:22
宇宙人が攻めてきたら…

>報道官さん
 「宇宙人が攻めてきたら地球人が一つになる」…ってネタは実は僕、歴史学序説の授業で口にしたことがございます(笑)。民族とか国家についての議論の時のことです。
 ですが、そういう設定の映画が「インディペンデンス・デイ(ID4)」だったりしますしねぇ(笑)。7月4日を「人類の独立記念日」にしちゃおうとアメリカ大統領自ら戦闘機を駆るという、アメリカ中華思想丸出しとも思える映画でございました。
 そういや今年はスピルバーグ&トム=クルーズで「宇宙戦争」公開ですねぇ。現代に設定を移し変えたと知った時点でかなり興味が失せました。僕ならウェルズの原作が設定してる時代で映像化しますがねぇ。

>アール・ケイさん
「愛国」については全く同感。
日本の文部科学相が今度のデモについて「愛国教育は恐ろしい」とのたまったそうですが、なら自分が所属する政党がそれを推進しようとしてるのを止めてもらいたいもんです…と言ってもあの人はまさにその推進派の人間なんだよなぁ。
デモ参加者が「愛国無罪!」と叫んでいた件について、昨日の朝日夕刊のしりあがり壽さんの漫画が面白かった。小泉さんが「靖国」について記者に聞かれて「そりゃ愛国無罪でしょ」と答えるというネタでした(笑)。
ただ僕自身は中国における「愛国教育」でどれほど彼らが純粋にそれに染まってるかについては懐疑的です。そんなに教育でうまく染まるぐらいなら若人みんなが共産党信者になってるはずなんですが、どうもその様子はないですし(笑)。「上に政策あれば下に対策あり」とはよく言ったもので。


>ドイツ人ローマ法王ベネディクト16世
 「ベネディクト」などと聞くと世界史のヨーロッパ中世に引き戻される気分ですね。しかし15人もいたのか、これまでに。
 もともと有力候補と目されていた人のようですが、イタリア人は正直悔しいでしょう。イタリア人法王が登場するのではと昨年あたりから噂になっていたようですし、期待はしていたでしょう。450年も独占しておいてよくまぁ、と思いもしますが。しかもドイツ…いっそう常任理事国入りの足を引っ張るかな(笑)。
 だけどすでに御年78歳。常識的にはそんなに長い在位にはならないでしょう。
 ヒットラーユーゲントに入っていた件は不可抗力といえば確かにそうなんでしょうが、あれこれ言われるのは避けられないでしょうね。特にバチカンがナチス容認というか悪くすると協力していたって疑惑も以前から言われてるわけですし。



#5626 
ブッチャ−3世 2005/04/20 22:09
「白黒はっきりつけろ」の語源は教皇決定の煙から?

>ベネディクト16世
意外と早く、決まってしまいましたね。ドイツ国民の方々
おめでとうございます、これだけの金星がくれば国連の
常任理事国に漏れても痛くも痒くもないかな?(笑
イタリア人は結構、不愉快みたいですよ、非イタリア人が教皇に
なったら、やはり悔しいみたいです。
そんな声が沢山あるとテレビでやってました。
ヒトラ−ユ−ゲント出身のかたなんですか、でも、それ自体では
戦犯にはならなかったようだし、あの団体は親衛隊というより
総統主催ボ−イスカウトぐらいの勢力でしかなかったとか聞きます。
ナチスと教皇庁は確かアンチ共産の関係で仲は良好だったよう
だし教皇庁はナチスの戦犯を何人か匿ったり南米への逃亡の
手助けをした、という噂は、よく聞きますね。



#5625 
報道官 2005/04/20 17:13
ここはやはり宇宙人の襲来を待って、世界が一つになることを願うしかないのかも

>尾鳩さん
本当、ご無沙汰です。ここの所なぜか急にばたばたと忙しく、なかなか直接メール等もできませんが、ひとまずはこちらの掲示板で意見交換を。

>そもそも中国では「反対」等の意見は表明できないんではないでしょうか
なるほどー、確かに言われてみれば、そういう側面はかなりあるでしょうね。僕が見ているのは主にメディアに登場する「声」なので、本当のところ、一般の人(といっても様々ではあるのでしょうが)が心の中ではどう思っているのか、というのを測るのは難しいかも。ただ、各地のデモ参加者数を単純に合計しただけでも数万人規模、下手したら十万人以上の抗議行動ですからねー(香港のデモは主催者側の数字で『二万二千』、警察発表では『五千以上』でした)。やはり都市部での「世論」は抗議の趣旨には肯定的とみてよいのでは?

日本、海外、そして当地香港のメディアにインタビューを受けた、デモに参加しなかった人達の意見、いわゆる「街の声」を、新聞やテレビなどから拾ってみても、やはり皆一応に『暴力は行き過ぎだけど、日本政府の歴史に対する姿勢などには納得がいかない』という内容が圧倒的多数ですしね。ただ、それが本当に本音なのかどうかは、外からの観察ではわかりません。中国の「世論」自体が、政府によるメディア操作の産物であると言われればそれまでですし。僕の目から見て新しい流れではないかなと思うのは、「日本人」と「日本政府」を分けて考えるコメントが、そういう意見の中にはしばしば見られることです(これも中国政府の「良識派」がここ四、五年推進してきた論調であることにはあるのですが)。

例えば、香港でも視聴できるTBS系列のBS-iが、北京にいる、いわゆる反日活動家とのインタビューを先日放送していたのですが、その活動家は「在中の日本人ではなくて、日本政府に対する抗議だ」などと答えていましたし、当地香港の亜州電視のインタビューに答えた上海デモに参加している若者は、「日本の文化は好きだけど、日本の右翼と帝国主義は大嫌いだ」、などと叫んでいました。まあ、各社がメディア受けのするコメントを好んで流している部分を差し引いても、「反日=日本人と日本に関するものすべてが嫌い」という単純な図式ではないということでしょうか。とはいえ、「愛国」に燃える暴徒と化した連中は、何の罪もない邦人を襲っているわけで、事態がエスカレートすれば今度どうなってゆくのかはわかりませんが。

>ネットの持つ潜在的な危険性
これは、確かに危機感を持っているでしょうねー。ちょっと調べてみたのですが、昨年6月の中国政府の公式数字で、大陸でのインターネット人口が九千四百万人(ただし海外の調査機関の数字はこれよりかなり低いようです)。まあ公式数字でも全人口の一割にはまだ満たない程度ですし、その殆どは都市部の住人、あるいは若者なので、政府としてもまだまだそれなりにコントロールが可能なわけですが、これが中高年層、農村部、貧困層に広がったらどうなることか…。でも逆に言えば、今回のデモが一部の都市に限定されていたのも、物理的な要因としてインターネット、携帯電話のメッセージサービスを利用できる人間が比較的裕福な都市部に集中していたからという面もあるのかも。国営メディアがデモに関するニュースを流していない以上、農村部の人間が得られる情報は非常に少なかったはずですから。

>管理人さん
確かに。ハリーポッターの第五巻(翻訳版)が、作者もまだそれを書き終わってない段階で発売される国ですからねー(結局本物の英語版が執筆完了・発売されたのは、海賊版が出てから一年もあとでした)。今回の「反日」デモに参加した若者の多くも、『家のテレビは日立だし、DVDプレーヤーはパナソニックだけど、どちらもMade in China だから問題ないんだ』なんて言ってそうですし(笑)。韓国の「反米」デモにおいても、ナイキの靴を履いて参加している若者の姿を、テレビ画面の中に見た覚えがあります。現在の識者が述べる、政治、外交理論や、若者の傾倒する「新しいナショナリズム」は、実は世界のグローバル化のスピードにまったく追いついていないことの現われですかねー、なんて。

今日読んだ雑誌のある記事は、中国都市部とその周辺で日本企業に従事している中国人労働人口は、ざっと数えても百万人を超えるなんて書いていました。ここ香港に居を構え、週の半分ほどを大陸で仕事している日本人サラリーマンも非常に多いですし、しばらくは大変でしょうねー、何かと。結局、多くの国際問題は、それをけしかけている人間や、無責任にことを煽り続けている人間にとっては、実はそれほど切実ではなくて、実際には普通に働いて家庭を守ろうとしている人達が、その影響を一番受けるんですよね。中東問題しかり、台中問題しかり。

>アール・ケイさん
>愛国はすべて良いこと−−この彼らのコモンセンスをどこかで間違ってると否定しないと
まったく同感です。「本当に国を愛しているのなら、そんな行動には普通でないだろっ」と突っ込みの一つも入れてやりたくなりますね。一部の中国人だけではなくて、一部の日本人や、アメリカで現政権担当者に投票した連中にも(笑)



#5624 
アール・ケイ 2005/04/20 16:49
ニュースのネタには事欠かない(笑)

ヒトラーユーゲント出身の老人が教皇となったと
ちょっと騒ぎになっているようですね。
強制されて、との言い訳が入ってますが、ユダヤ筋からの反発があるかどうか…

楽しみです(笑)。
いえね、こんなことを楽しむしか愉快なことがないんだもん。
なんか駄洒落のネタになりそうでしょ。「ハイル、ヒットラー!」をもじったり(笑)。


中国情勢について、たいへん勉強になりました。ありがとうございます。
私の仕事とも無縁ではないもんで。
日本ブランドのPC 組み立ては日本 部品は中国 半導体は日本 その原料は中国…
てなマトリョーシカ(だっけ?)みたいな仕組みになってるのに、
つまりイヤでもこの2国の経済的な結びつきは後戻りできないぐらいになっているというのに、
そういうことを彼らは知らないのか、知ろうとしないのか、
薄々知っていてもそれが抑止力として働かないのか、
どうなんですかねえ…。

愛国心たらが国を滅ぼすこともある、
そういう経験/認識がないとすれば(無いんでしょうね)、これは大変不幸なことではありますまいか。
愛国はすべて良いこと−−この彼らのコモンセンスをどこかで間違ってると否定しないと。



http://homepage1.nifty.com/arukei/index.htm


#5622 
不肖デルタ 2005/04/20 06:55
どいつに決まったのだ?

>教皇
ドイツの人に決まったようですね。保守派だと、報道で
紹介してましたが、教皇庁にも保守派、急進派で別れて
るとはね(笑)中絶の是非がらみや庁の運営とか
欧州教区と非欧州教区との食い違いもあるようですね。
2代続いてイタリアじゃないところから教皇が出ましたが
そういうところは、気にしないのかなイタリアの人は。

>中国の反日デモ
これに関するコメントを あの例の都知事がテレビで
ぶちまけてるのを見ましたが、知事は開口一番に
「まず、どんな報復をするか〜」いきなり報復という
言葉が出ました、本当に何て分かりやすいキャラなんで
しょうか、都知事って(笑
この人は国の外交に何の責任も権限もないから
いくら過激なことを言っても、どうという事は
ないのでしょうけど。



#5621 
徹夜城(こんな時間にも起きてる管理人) 2005/04/20 01:33
寝る前に

さっき速報が出てましたが、新ローマ法王決定したようですね。「白い煙」が上がり、鐘が鳴らされたそうです。
今回の根競べははやく終了したようで。



#5620 
徹夜城(今日は一日自宅にいた管理人) 2005/04/20 00:30
次はそろそろ「てこ歴」でも書きますか。

 ここしばらく怒涛の更新を続けている当サイトですが(気がついたらPCエンジンFXもめでたく10万アクセスを突破しました)、「しりとり」や「海賊」よりも覗いてる方が多い「てこ歴」にもそろそろ「てこ入れ」しなきゃならんようで。前から書くつもりだったものをとりあえず形にしようかと思います。

 なお、今回とりあげるつもりはないんですが、タイトルに引かれて図書館から借りてきちゃった本を一冊ご紹介。

 浅川嘉冨著「恐竜と共に滅びた文明」(徳間書店)

 ね、タイトルだけでインパクトがあるでしょ(笑)。超古代文明ものは山とありますが、恐竜と一緒ってのはなかなか。
 この本を手にするまで知りませんでしたが、この著者は以前からシリーズでこの手のネタを書いているようですね。すでにご存知の方もいそうですが、ペルーの「イカ線刻石」というやつに人間と恐竜が一緒に描かれてる、ってネタの話です(笑)。
 要するに進化論否定の創造論というやつで、化石が出来る過程の地質学的な説明も全て否定。高度な先史文明が恐竜と共存して存在していたが、彗星の接近(?)によって崩壊しちゃった、とまぁそういう話でして。ここまで来ると「てこ歴」的には扱いにくいなぁという感想を持ちました。なんというか、ツッコミを入れるのも糠に釘な感じで(笑)。

>ギリシャ料理
 さっき書いた話の続きですが、その後「タベルナ」関連でギリシャ料理についてあれこれ調べてましたら、魚を揚げる料理で「バカヤロス」ってのがあるんだそうな(笑)。


>報道官さん
 お久しぶりです〜香港からの視点、面白く拝読いたしました。
 反日デモやってる学生さんたちの連絡用携帯電話は日本メーカー製なのではないか?という疑問は思っておりました。「日貨排斥」って騒ぐのは明らかに「五・四運動」を念頭においているはずですが、そのへん、不徹底にならざるをえないのでは?とも思ってます。まぁつい先日「クレヨンしんちゃん」の商標権を中国メーカーが勝手に登録していて本家・双葉社が排除されるようなことがありましたから「日本製」の範疇がいい加減になってる可能性もありますが(笑)。「中国オリジナルドラえもん」っちゅうのも読んだことがあります(笑)。

 村上春樹が中国の若者に受けてる、って話はこちらでもしばしば耳にするのですが、その理由が「日本らしくない」だとするといささか複雑な気分ではあります(笑)。まぁ「冬ソナ」の世界的ヒット(日本だけの現象ではなかったようで)も「韓国らしさを徹底排除したから」との分析もありましたっけ。
 僕自身は村上春樹はまったく読んだことが無いので知ったようなことは言えないんですが、聞くところではだいぶ前に韓国でもブームになり、その後中国へ上陸という流れだったようなんです。一つの分析として、「高度成長」状態の社会ではなぜか「村上現象」が起こるのではないか…というのを読んだことがあります。


>尾鳩さん
 つい先ほど新聞記事で読んだのですが、実際日本の各種シンクタンクの分析でも「日貨排斥」が起こったとしても日本GDPへの打撃は微々たるものだろうという予測が出てるようです。進出してる日本企業だって中国を「生産国」にしてるケースが多いでしょうし。



#5619 
尾鳩 2005/04/19 23:45
今回のは中国側のマッチポンプなんでは・・・

>報道官さん
香港からの登場、お待ちしてました。ネット上でも、本当にお久しぶりです。

>デモの趣旨には圧倒的大多数の庶民が賛同しているという事実
うーーーん、「圧倒的」な庶民が賛同しているんでしょうか。
ちょっと、この点は疑問を感じるところです。敢えて反対することもない、或いはかのようなデモの趣旨を掲げられると、そもそも中国では「反対」等の意見は表明できないんではないでしょうか。
シンクタンクに勤めている中国人の知り合いにお話しているときのことなんですが、いつの頃からか、中国では親日を表明することはかなり社会的に危険なことになってしまい、それこそ日本のことを研究していたりする方は、大変そういうところに気を遣わないといけなくなったということをおっしゃっていました。
親日派、或いは日本に近いところで働いている人ほど、逆に『反日』を表明しないと足をすくわれかねないというところでしょうか。
中央政府や地方の政府関係者が容認するような発言をするのは、こういう背景を考えるとやむを得ぬまでとは言いませんが、感情的というよりは政治的な打算によるほうが大きいんじゃないでしょうか。この辺、文化大革命の頃の、中央と地方の関係に非常に似ている気がするんですよ。

一部の甘ったれだけがデモを起こしているとは、私も思っていませんが、中心的に行動しているのは確かだと思います。そもそも、『反日』というスローガンが錦の御旗になるのは、ここ十年足らずのことだと思いますし、『反日』が錦の御旗になる地域も実は限られているんではないかと思うんですよね。
仕事の関係上、地方、どちらかと言えば貧困な地域に足を踏み入れることが多いんですが、人それぞれの違いはあるにせよ、世代によってかなり日本、そして歴史に対する態度の違いがかなりの程度に違うんですよ。戦争を経験している世代はさすがに私もあまりお会いしたことはないんですが、以外に高齢のほうが、歴史に対する態度はかなりあっさりとしている。逆に若い世代になると、反日の傾向が強い。これって、かなり大陸での教育内容の変化をかなり反映しているんですよ。毛・周時代、ケ時代、江時代それぞれにおける歴史教育、これは当時の政治的都合に応じて、かなり変化してますからね。

>それなりに政府の「飴と鞭」を理解しての行動
私も、同様のことを考えていました。徹夜城さんもおっしゃってましたが、五四運動のときの『覚悟』には比較できないほど甘っちょろい観があるのですよ。「ここまでやっても、政府は文句は言いまい、いや捕まることすらないだろう」って感じですね。
ですから、所詮この運動そのものが反政府運動に転換する可能性は無いでしょうが、コントロールのきかない事態を嫌がる中国政府のこと、ある程度の危機感は持っていると思いますよ。
さらに、やはり中央政府がネットの持つ潜在的な危険性を感じているのは確実でしょうね。
文革を全国的に展開させる役割を果たし、両天安門事件を引き起こす役割を担った壁新聞よりも、はるかに速く、はるかに多くの人間に広範囲に伝えるツールなんですから。

北京オリンピックや様々な経済会議、展示会が行われつつある中国において、都市におけるデモは歓迎できるものではないでしょうが、中央当局が本当に危険視しているのは、地方、やはり貧困地域における不満の広がりでしょう。これは、全く次元の異なるものですから。そして、むしろ中国に『抑圧』されたかたちになっている少数民族の動向。私のウイグル人の友人も今やネットを使って海外とのコンタクトを実際にかなりの程度で成功させていますし。

>事の成り行きを外交面だけでなく、内政面でもうまく利用しているように見受けられるのですが。
いや、おっしゃる通りですね。但し、そんなに余裕をもって利用しているようにも見受けられないんですけどね。政府は、『反日』デモを国内の不満のガス抜きに使い、若者は日ごろ滅多に味わえない『自由』を謳歌しているという構図ですかね。まあ、政府がコントロールできてるうちが双方にとっての蜜月でしょうね。反政府に転じなくとも、コントロールできない事態になることは当然のように想定しているはずですからね。


それにしても、香港からのニュースは興味深く拝見しました。そうですか、民主派と左派勢力の結託ですか。そして天安門事件に触れたことをきっかけにした瓦解劇(笑。いや、相変わらずですね。

それにしても常々感じていることなんですが、日本製品のボイコットをまるで当然のように呼びかけていますが、中国側の受ける打撃も馬鹿にならないはずでは。まあ、ボイコットはあらゆるデモにおけるシンボル的な行動ではあるんで、あんまり突っ込んでも仕様がないんですがね。

某明治大学の教授さんが、アメリカ一国支配の終焉の鍵は、日中関係だというようなことをおっしゃってましたが、理屈ではわかっても実現させるまでには、多くの障害が存在していることをつくづく再認識する機会になったみたいですね。



#5618 
報道官 2005/04/19 18:13
それにつけても、日本の戦後処理のまずさよ…

本当にお久しぶりです。今回のデモ騒動をどう見るべきなのか、大陸(中国)の内情にはそれほど詳しくありませんが、香港在住のメディア関係者の一視点ということで、僕も一言。

「小皇帝」がデモの中心だという見解、確かに納得ではあるのですが、子供じみた破壊、暴力行為を横においてしまえば、デモの趣旨には圧倒的大多数の庶民が賛同しているという事実も忘れてはいけないのではないかと思います。中央そして地方の政府関係者が抗議行動を容認するような発言を繰り返したこともあり、「反日」というスローガンがある種「錦の御旗」となって、中国各地にデモが飛び火した事実を見ても、その発端はともかく、現在の状況は「一部の甘ったれ」だけがお祭り騒ぎしているわけでもないのでは。

ただ、過去の記憶や反日教育の影響があるとはいえ、「一般の」庶民レベルでは、それなりに政府の「飴と鞭」を理解しての行動のようにも見えるので、これがそのまま近い将来に大規模な「反政府」デモに繋がることは無いと思いますが。「反政府」の抗議行動となれば、それなりの覚悟がいりますし、大都市圏に住むミドルクラス以上の人間(とその子供)にとっては、共産党の利害が自分たちの利害と一致していることも多いわけで、「反日」の烽火と「反政府」の烽火は、一般の目から見た場合、おそらく次元の違う話です。特に今回の場合、彼らの主張(と呼べるほどのものではないですが、実際は)と政府の主張は殆ど同じライン上にありますしね。

地方政府がデモを黙認する一方で、活動のリーダー格である人間などの勾留を行っている事実も、政府による「適当なガス抜きと適度な引き締め(?)」政策の一環として受け入れるバランス感覚が、良くも悪くも備わっているのだと思います。尾鳩さんがおっしゃっているように、劣悪な労働環境などに不満を持つ抑圧された貧困層や、被差別民族によるデモなどとは、根本的に異質なものなんですよね。だからこそ、僕の目には北京政府が実際には裏で危機感を抱いているというより、その辺りを理解したうえで、事の成り行きを外交面だけでなく、内政面でもうまく利用しているように見受けられるのですが。

ここ香港でも日本の国連安保理常任理事国入りに反対する大規模なデモが行われ、普段はいがみ合っている北京よりの政治家と民主派勢力が、今回は呉越同舟といわんばかりに、手を取り合って日本政府を批判していました。ただ面白いエピソードがありまして、デモ中に民主派の活動家が勢いに乗ってスピーチの中で天安門事件に触れると、とたんに大陸出身の学生や北京よりの左派活動家からブーイングが起こり、にわか連帯感もそこで一気に醒めてしまったようです、現地の記者によると。

それから、これはちょっとした囲み記事ですが(日本のメディアでも取り上げられたかもしれません)、普段は「本場日本の味」を売り物にして、香港や広東省で展開している大手ラーメン屋のチェーンが、大陸にある店舗に「当店は日本人による経営ではありません」といった趣旨の張り紙を出して、まわりの冷笑をかっているとか。

上海のデモでかなり被害を受けた、ある一軒の日本食料理店の経営者および従業員は、皆中国人だったという英BBCによる報道もありますし、今週のタイム誌は上海の若者やビジネスマンが日本製(!)の携帯電話でデモへの参加、および日本製品のボイコットを呼びかけているという状況をレポートしていましたね。通称「中国の六本木」に巣食っている若者の多くは、村上春樹の翻訳本を愛読しているという事実も、それこそほんの一、二ヶ月ほど前に多くの報道機関が取材していましたし(なんでも「全然日本らしくないところ」が受けて、百万部以上売り上げているのだとか)、日中関係もなんだか複雑ですね(苦笑)。

>コンクラーベ
香港、そして台湾での話題の中心は、バチカンは次の法王のもとで、果たして中国と国交を結ぶのか、という点につきますね。ただ中国はバチカンと台湾の国交断絶を条件にするでしょうし、バチカンだって、北京政府の宗教弾圧を黙認はできないでしょうから、難しいだろうなとは思いますが。それにしても、人の葬儀にまで(それも法王のですよ)政治問題を持ち込んで、台湾の総統が葬儀に招待されたことに抗議するという北京政府も、国際社会が見えているのかいないのか…。



#5617 
徹夜城(杜甫の青年期はちょっと身につまされるものがあった管理人) 2005/04/19 14:33
煙突からは黒い煙

 根競べ(笑)、とりあえず第一回は決着がつかなかったというわけで。日本人の枢機卿が「ほんとに根競べなんですよねー」とTVで言ってましたっけ。
 イタリアの言葉や人名にはなんとなく日本語に似た語感のものが多い気がするのですが、そのお隣のギリシャでは伝統料理の店のことを「タベルナ」と言うそうで、日本人としてはどうすりゃいいのか困っちゃったりして(笑)。なんて連想話を思いつつ、検索かけてみたら日本国内にも「タベルナ・レストラン」がやたらあるのには驚いた(笑)。

 「コンクラーベ」ですが、決まるまでは黒い煙をあげ、決定すると白い煙があがるんだとか。前回のコンクラベでは途中で「灰色の煙」があがるという珍事があったそうです。はやく白黒つけんかい(笑)。


>尾鳩さん
 「小皇帝」の件、実は僕も考えてまして…「史点」までとっておくかと思ったら先に書かれた(笑)。僕の見た限り、今度のデモと「小皇帝世代」を結びつけた見解は尾鳩氏のここへの書き込みが初めてではないかと。
 中国史をやってる僕などは「五・四運動」をきどってるらしい彼らに対しては、「甘ったれんな」とつぶやいております(笑)。現実に帝国主義に直面していたあの当時の学生たちがどれほど追い詰められた状況で騒いだかわかってんのかいなと。
 日本の政治家連中のいつもの「ちぐはぐ」ぶりには僕も同感ではあります。ただ現在この状況下ではあんなもんかな、と。日本国内でヘンにエキサイトすることは避けようと情報操作もしてる感じですし。


>アール・ケイさん
 以前書いたこともあるんですが、実は日本と中国の「一党独裁」状態ってのは結構似ている面が多いです。官僚が政権党のことを単に「党」と呼んでるぐらいで(笑)。
 もっとも中国共産党の幹部クラスには二世、三世議員みたいのはあんまし見かけないような気もします。このへんはもしかすると科挙の伝統をひきずってるのかもしれない。日本のほうは幕藩体制をひきずってると見るとぴったり来ます(笑)。

 情報提供いただいたペ=ヨンジュン氏の新作ドラマの件、さきほど芸能記事で読みました。「広開土王」主役と言うことだけど、「歴史ファンタジーメロドラマ」などと紹介されておりまして(笑)、なんのこっちゃい、と。史実うんぬんよりもどうせ古代の話だし、とファンタジーにしちゃうのかも。そういう映画が以前ありましたし。
 日本で言うとワカタケル大王、雄略天皇をドラマにするようなもんじゃないかと。あっちは石碑、こっちは鉄剣で一応物的資料があるし文献資料でも半ば伝説状態でおいかけられるところとかはよく似てます。
 ただ日本人としては気になっちゃうのは広開土王碑の「倭」の件をどう処理するかということですかねぇ。そこらへんは「ファンタジー」でボカしたほうがいいんじゃないかと…日本に売る気なら(笑)。



#5616 
尾鳩 2005/04/19 13:39
要は「暴走」しているだけなんです

「一人っ子世代の反乱」、まあそんなところなんでしょうかねえ。
最近の一連のニュースの影に隠れて、全然放映されないんですが、今の中国の若者の実情、特に都市に住むいわゆる「小康」層、つまり比較的に富裕な層の若者の日常というのは、一世代前に中国に住んでいた私のような人間からすると考えられないくらい「裕福」なんですよ。
北京に「三里屯」というところがあり、通称「中国の六本木」なんて言われておりまして、これが実は六本木なんて比較にならないぐらい「けばい」(^^;。
ここで遊んでいる連中、どこからどうやって金を稼いでいるのか、とにかく金を使いまくっている。俗っぽく言えば、柄の悪い不良連中の溜まり場みたいなもんで、実はデモで過激的な行動に走りやすい連中はここいらにいるんじゃないかなんて言われてもいるようで。
とにかく、彼らにとっての「現状不満」っていうのは、「欲求不満」と大して変わりなく、デモを祭りのように楽しんでいると思ったほうがいいかもしれないですね。
ですから、連中の未来を本気で心配するなんてこたぁ、しないほうがいいですよ。

逆に貧困層というのは、信じられないくらい貧困で、こういう地域は、今回デモの発生すら起こっていない。本当に深刻な問題を抱えているのは、実はここなんですがね。

>日本の外交
それにしても、日本の政治家や外交、いや正直下手というしかないですね。
建前と本音は、どこの世界にすら存在するもんですが、その使うタイミングがおかしい。本当はこういうときに絶対に引けないリミットを相手側に強く提示し、相手側とのリミットの間で折衝を繰り返し、その後に妥協点を探るのが当然のはずなんですが、最初から妥協点を自ら下げてしまっている。
この段階で、相変わらず「友好」だの「平和」だの。日本の主張の是非はともかく、ここは、自らの立場を強力に打ち出していくべきだと思うんですが。
で、実際、むしろ両国の関係が落ち着いている頃に突如発生する政治家さんによる「問題発言」。いや、これじゃ信頼関係が築けるわきゃないですよね。この段階で「友好」や「平和」なんて口にされてもなぁ、てなところでしょうね。

それにしても、CCTVの日本謝罪ニュースには、大笑いしましたね。
私は今回のデモに関しては、まず日本に非は無いと思ってますので、ここは妥協して欲しくはないですね。

まあ、デモの発生が結構な世界のメディアによって放映されてしまい、あせっているのは、日本政府よりもむしろ中国政府のほうだとは思いますが。北京オリンピック、本当に開催できんのか?



#5615 
アール・ケイ 2005/04/19 11:44
極東亜細亜、魔の季節

なるほど、「一人っ子世代の叛乱」ですか。

「日本は世界で唯一成功した社会主義国」とはよく言われることですが
(そのこと自体、特に昨今は極めて疑わしいんですけど、それはおいといて)、
ウソでも社会主義の国である(これも「あった」と過去形にすべきか)中国の
支配政党が日本の自民党を見習うなんて、
ブラックジョークそのものではないでしょうか。

こんど「ペ」氏がドラマで高句麗の広開土大王談徳を演じるらしいんですが、
こういう企画が流行るのも韓国の歴史ナショナリズムの影響でしょうね
(例の中国と韓国の高句麗論争がたぶん反映。そんなことは芸能記者は知らんのだろうな)。





#5614 
新参右衛門 2005/04/18 15:46
コンクラベ大会

誰が教皇になるか賭の対象にまで、なっているようですね
バチカン・ダ−ビ−、欧州で有力候補の1人がドイツの人
アフリカン系の人も候補に上がっているようで、アジアからの
候補はインドの人だそうですね、欧州以外の人が教皇になった
ことは無いようだから、そろそろなんですかねぇ(笑
けど、候補の人は、だいたい70歳代、一番若い人でも69才
でしたから、次期教皇は在位が長くないかもしれませんね。(汗



#5613 
尾鳩 2005/04/18 13:34
でも、デモでも、でも

>若いエネルギーの行方
どこへ行くのやら・・・。

どこぞの雑誌に某ジャーナリストの意見としてのっけてましたが、彼らの反日は半端じゃない、心底から日本嫌いなんだと。この意見はどうかなーーなどと私は思っています。確かに中国での反日教育は「半端」じゃないものがあり、「その結果として」デモが起こったっていう分析は決して誤りとは言えないんですが、一面的な見方でしかないですね。
某筋から聞いたことなんですが、中国当局の分析は、「『反日』の結果、反日デモが起こるべきして起こった」ではなく、「現状不満のひとつのかたちが、『反日』デモである」であるという点で一致しており、だからこそ危機感を抱いているんですよね。早く抑えないと矛先が政府に転じる可能性があると。デモを表立ってたたけない理由も、ここにあるわけで。政府は一応は、君達の代弁として、日本側に言いたいことは伝えているとのアピールしておかないと簡単に反政府運動に転じちゃう可能性があるわけですから。
まあ、正直、自業自得ですな。私、中国の教科書を日本語に翻訳する仕事をしたことがあるんですが、それはそれは酷い内容ですよ。扶桑社の教科書なんか、まだ「良心的」に感じちゃうくらいで。

まあ、上述のような背景があるんで、中国当局も自分で蒔いた種を自分で刈り取らねばという意識は抱いているみたいですね。自民党を参考にしているというのは、かなり信頼できる筋から私も聞いたことがあり、事実と考えて間違いないと思います。確か社会科学院あたりだったか、ちゃんと研究チームが編成されているはずですし。

しかし、歴史を政治に使おうとすると、誠に醜い結果を生ずるもんなんですね。
反日デモをやっている若者達、国内の少数民族の多くが反日どころか結構親日が多く、反中、反漢民族の傾向が高いことをどこまで認識しているんでしょう。
さすがの私も、今回のデモにはとことん嫌悪感を感じてます。まあ、今回のデモの主体層、年齢的には「小皇帝」の世代であり、それこそ苦労知らずな世代なわけで。歴史に責任転嫁しているようじゃ、まだまだですよ。
また、中国のマッチポンプに付き合うのもいいかげん疲れを覚えている最近です、ふぅーーー。



#5612 
徹夜城(時には更新が早い管理人) 2005/04/17 19:42
「しりとり」更新

 えー、ちょいと報告が遅れましたが、夕方に「しりとり」第9回をアップいたしました。前回はなんと約6年ぶりの更新でしたが、今回は2週間程度で(笑)。人物が決定してからは一週間程度で仕上げてしまいました。ま、長いHP経営の経験から「ノっている時には集中的にやらなきゃ」と思いまして。


>Кискаさん
 「史点」お読みいただきありがとうございます。ご愛読、正直恐縮しております(^^;)。
 ヨハネ=パウロ2世が「原作」、しかも自伝という映画があるとは全く知りませんでした。さすがに法王さまご自身の自伝・原作とあっては監督も腕がふるいにくい、いやふるい過ぎちゃったのかもしれませんね(笑)。
 ヨハネ=パウロ2世ですが、「ローマ教皇歴代誌」って本を読みましたら、「神秘神学」と「哲学」の博士号を持っている上に各国語に堪能で、とくにラテン語が得意という珍しい人だったそうです。言語ということについては広島での日本語スピーチが「妙にうまかった」と僕の親も言ってましたが、先日TVで見た話によると、法王は「ちゃんと意味を理解して話したい」と日本人に猛特訓を受けてからスピーチしたんだとか。単に発音をなぞるのではなくちゃんと意味を伝えようとしゃべったから「うまい」と聞こえたんでしょうね。


>galleryさん
 「リンチにかけろ」…ですか(笑)。赤塚不二夫が「天才バカボン」でやった「あたしのジョー」に匹敵するボクシング漫画パロディですな(笑)。
 「森芳朗」は見事に気がつきませんでした(汗)。改めて読んでみると「史点」もあちこちに誤変換がありまして…ちゃんと校正しなきゃいかんなぁ。などと言っていたら、「しりとり」のブルーノの回にとんでもない誤変換を発見し、6年もそのまま恥をさらしていたのかと恥じ入るばかりでした(^_^;)


>アール・ケイさん
 今日は今日とて瀋陽・西安・香港など各地でやってましたねぇ。なにやら大正時代の「米騒動」みたいだ、などとまた妙な連想をしていました(笑)。
 これがどこまで続くのか。共産党政府としてはいい加減つぶしにかからなきゃならないほどの勢いになって来たとは思えます。しかしアール・ケイさんもおっしゃるように、そのつぶされたエネルギーがどこへ行くのか、不安はあるんですよね。
 風の噂に聞く話ですが、共産党政府としては日本の某巨大政党を参考に「民主化してるけど一党独裁」を目指してるってな見方もあります。いや、マジで派閥政治は調査したらしいんですがね。1960年代の学生たちのデモなんざ、今から見ると同じ国の話とは思えないぐらい激しいものでしたが(僕の親も言ってましたが、周囲の学生たちは「絶対革命になる」と言ってたそうで)、70年代に入ると自民党政治の前にあっさり収束して行った過去もありますから、あんがいその辺も「参考」にしてるのかもしれません。
 それにしても暴動デモは困ったもんですけど、日本で起こる中国公館への「銃弾送りつけ」「カミソリ送りつけ」「カタクリコ送りつけ」「ペンキぶっかけ」「焼身自殺失敗で大やけど」といった一連の「攻撃」には日本人らしい陰湿さとしみったれさを感じてしまうのは僕だけでしょうか(笑)。

 そういや「史点」でチラッと書いた「昭和の日」、自民党がとりあえず日中首脳会談まで参院での審議入りを延期したそうで。現時点でよそから何か言われたとは聞いてないんですが(NYタイムスがチラッと書いたらしいですが)、もしかして自分でもヤバさ」があることを自覚してるのかな?



#5611 
アール・ケイ 2005/04/17 00:43
自分のサイトにも書いてることですが

今回の騒ぎで、日中関係がどうなるこうなるというようなことよりも
(私の知り合いだって向こうにいるのでこんな言い方はどうかと思いながら
書くのですが、たとえ2、30人日本人が殺されたところで)、
そもそも何を実現させたいか(その最終目的が)いささか不明瞭なのは
「天安門」しかりかつてのこの国の安保闘争しかり同じだとしても、
その不明瞭さゆえに(日本政府が謝ろうか開き直ろうが)
「彼ら」がどこかで挫折することは必定であり、
その挫折したあと、いったい「彼ら」はどこに向かうか、
それが一番の問題なのでありますよ。
投票行動(自由選挙)という方法で政治参加したい、しなければならない
(一党独裁ではダメだ、或いはその前段としての共産党改革?)
とインテリに、そして大衆に気付かれたとき
北京政府はそれをどう抑えるのか。
十数億人という爆弾を抱えてあの国/地域が漂流を始めるのは
(これは別にいま云われ始めたことではないですが)
意外に早いかもしれません。




#5610 
gallery 2005/04/16 01:42
車田正美 『リンチにかけろ』

↑いや、ホントにあるんですよ。永井豪『まぼろしパンティ』の中の話ですが。
オールジャパンの5人が「リンチにかけろ!」と叫びながら、集団で主人公に殴りかかる話。

>法王逝去(遅まきながら)
『聖マラキの予言』を信じてる人って、世界中にどれくらいいるんでしょうね。
次のコンクラーベで選出されるのは「オリーブの栄光」だそうで。
 (ちなみにヨハネ=パウロ二世は「太陽の労働」)
で、その次に人類は滅亡するんだそうですな。
五島大先生に騙され続けた人間としましては、人類は何回滅亡すれば気が済むんだ、と(笑)

>森芳朗→森喜朗ですね。悪名高い「蜃気楼」ですから(笑)

http://www.chukai.ne.jp/~gallery/baka-manga.html


#5609 
Киска 2005/04/16 00:10
かつての演劇青年が

「ニュースな史点」、いつも感心して読んでいます(実家で親に読み聞かせているのです)。

映画好きの管理人様のために、ヨハネ・パウロ2世の話題を少々。
ヨハネ・パウロ2世は、聖職者になる前は演劇青年だった、特に「パン・タデウシュ」の地下公演に力を注いでいた、という新聞記事を読んでいて、思い出しました。
クシシュトフ・ザヌーシ監督「ブラザー・アルバート(Brat naszego boga)」(1997年ポーランド)はヨハネ・パウロ2世原作の作品。時代設定は19世紀末に、主人公は演劇青年ではなくて、画家になっていますが、自伝的なお話です(カロル・ヴォイティワ青年はクラクフのヤギエヴォ大学演劇専攻でした)。
ザヌーシ監督は、ポーランド映画人の中でもワイダなどとは一味違った、割と好きな監督なので、このときも期待して観に行ったのだけれど、「独立運動→芸術→慈善活動→聖職者」と、行き詰まっては転身した挙句、最後は偉い人になりました、というありきたりのストーリーで、全くおもしろくなかった!正直言って、観てお金と時間を無駄にした!ヴォイティワさん、劇作家から足を洗って正解でしたね。
原作者に気兼ねして、ザヌーシ監督も好き勝手に演出することが出来なかったのでしょうか。他の作品は繊細にして大胆、「巨匠」というより「鬼才」タイプ、すてきな監督なのに。
この映画を観て、ヨハネ・パウロ2世は結構功名心が強い人なのかしら?と、評価がぐっと落ちてしまいました。亡くなった際も別サイトで冷淡な感想を書いてしまいましたが、彼の「超保守派」としての一連の行動・発言に対する反感よりも、この映画の印象が決定的だったのです。
演劇界に留まっていたら恐らく大成することはなかったでしょうが、カトリック界の頂点に立ったとき、かつて演劇で学んだことはいろいろと役に立ったのだろうと、そんな気がします。




#5608 
徹夜城(実は今「しりとり」次回を執筆中の管理人) 2005/04/15 13:13
リンチといえば

 映画ファンにはどうしても「リンチ」というと「デビッド=リンチ」の名前が真っ先に浮かぶわけですが、なんとなくこの人って名前の響きに「リンチ」の陰惨さ・暗さをそこはかとなく醸しだしていて作品ともダブってくるところがあるような…

>つねさん
 なるほど、判事チャールズ=リンチ氏に由来するけれども、彼はあくまで非公式な裁判をしたのであって、死刑にしたことはほとんどない、ってことなんですね。おっしゃるとおり、イメージが先行して言葉の由来となった元の人の事跡と一致しないことはよくあるのですけれど…
 ただ、その後我が家にあった百科事典(平凡社のちと古いやつですが)で「リンチ」を引いてみたのですが、まず「リンチ→私刑」と出ていて別の巻に飛ばされまして(笑)、その「私刑」の項目の「西洋」に「リンチ」の言葉の由来に触れられていました。それによると、「語源についてはさだかではないが」という前置きつきで「一般の説では独立戦争期の判事チャールズ・リンチに由来するという」といった記述になってました。だからこれも「有力な説の一つ」の域を出ないのかもしれません。言葉の語源ってこういうことが結構あるわけですが。
 んで、その後檀上寛氏の「明の太祖・朱元璋」を再読してみたところ、やはり「「凌遅」が英語の「リンチ」の語源となった」と堂々と書いてありました。さて、檀上さんはこの話をなにから得たのかが気になるところです。ネット検索ではこの話、いまのところひっかかってこないんですが…


>奥野さん
 「史点」お読みいただきどうもです。
 あそこにも書きましたが、ヨハネ=パウロ2世はあれでなかなかのやり手布教者でもありましたね。列聖した数が過去の全ての教皇が出したものを上回る、ってんだから列聖の大バーゲンをして大衆人気を集めた、って側面もあるようで。
 ウクライナまでは行ったんでしたっけ…モスクワ入りも計画はしていたけど果たせず(中国行きも狙っていたようですが)、モスクワの巨大スクリーンでバチカンからの中継映像を映して説法したって話題を以前書いたような記憶があります。

 戦勝記念…と申せば、小泉首相がロシアの対独戦勝利記念式典に出席の意向とのことなんです(まだ未定ですが)。招待状が来たのは事実なんだろうけど、そこでなんで日本の首相がという気もしなくはない(笑)。一方で日本では対ロシア戦戦勝百周年式典はやんないようですが(笑)。


 「民明書房」は我々ぐらいの世代には共通語として使えますね(笑)。ネットであさってみると関連サイトが結構みつかります。これも人気の息が長いです。
 宮下あきら氏本人のインタビューを読んだことがありますが、「ゴルフ」の由来を「民明書房」で書いたときは「そうではありません!」と正しい由来を事細かに書いた読者の手紙が来たとか。そのうちだんだんギャグだとの認識が広まったようですが、当時僕の周囲の少年たちもかなりの段階まで本気にしていた覚えがあります。
 僕は「借金で首が回らなくなる」の由来話あたりでギャグとはっきり認識しました(笑)。



#5607 
つね 2005/04/15 02:20
リンチについて

ずっとロムっていましたが、ごぶさたです。
(というより、はじめまして、と言ったほうが通りがいいか)

管理人さんの「リンチ」の語源が私の記憶と食い違っていたので調べてみました。
こちらのほうが私の覚えていたものです。

http://lipz.oops.jp/archives/2005/02/post_25.shtml

まあもともとの出典が別の意味になってしまうことはよくあることですよね。



#5606 
奥野 2005/04/14 04:15
カトリックと正教

どうも、お久しぶりです。今年のモスクワでは冬が長かったのですが、4月に入ってようやく暖かくなり、雪はほとんど解け去りました。今の時期は雪解けのぬかるみで、鋪装されてないところを歩くのが大変です。かつて、ソ連に攻め込んだドイツ軍も秋と春の泥濘に悩まされた由ですが、ちょっとだけその気分が味わえるような。

史点の更新分、読ませていただきました。ヨハネ・パウロ2世の逝去は、やはりこちらでは外せないでしょうね。ロシアでも大きく取り上げられ、新聞の一面を飾ったニュースでした。
ただ、やはりロシアではカトリックに対していろいろと複雑な意識があるようで。ロシアのテレビ局はどこも葬儀の模様を中継しようとせず、仕方ないのでモスクワ市内にあるカトリックの司教座教会に特別のスクリーンを仕立てて信者を集めた…という話がありました。徹夜城さんもお書きになっていますが、ヨハネ・パウロ2世は正教に対する歴史的な謝罪を行なった一方、正教圏と見なされてきた国々にカトリックの司教区を整備し、そのせいで正教側との摩擦があったようです。ロシア政府の方では、あんまり事を荒立ててもらうと外交の方に差しつかえが出るから、何とか教会をなだめようとしていたという印象でした。
そういえば、モスクワ市内にある戦勝記念公園では、ナチスと戦ったソ連の諸民族をたたえるということで、ロシア正教とイスラム、ユダヤ教のそれぞれの寺院が建てられています(正教の寺院が一番目立つところにあるんですが)。これに仏教のお寺を追加する、という話もあります。しかし、カトリックだけはないんですよね。ウクライナやバルトにはカトリックの信徒がいたはずなのに。この辺りにも、カトリックに対する様々な感情が見え隠れしているような気がします。

あと、リンチの語源について。「民明書房」という言葉を思い浮かべた人は僕だけではないはず。凌遅、ですか…


http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/6218/


#5605 
徹夜城(ここ二週間やたらにものを書いてる管理人) 2005/04/14 00:41
"リンチ"の語源は?

>ブッチャー3世さん
 「リンチ」の語源ですが、ネット検索で調べてみると1770年代、つまり独立戦争時?に私的裁判でやたらに処刑したアメリカの裁判官の名前に由来する、という話がいくつか出てきました。「キャプテン・リンチ」らしいので軍人かもしれないんだけど、明確な話が出てきません。
 その一方で、中国明代から登場したと言う「凌遅(りょうち)刑」という、体の各所をじわじわと斬っていくという残酷な処刑法が語源、という話も読んだことがあるんですよ。確か壇上寛さんの「明の太祖・朱元璋」にそういう話が書いてありました。もっとも僕はそれを読んで以来「ホント?」と思い続けているわけなんですが。

 上海での留学生暴行事件は実に許しがたい事件で徹底的に追及して欲しいと思うのですけど(容疑者拘束という報も流れましたが詳細不明)、あれは食堂の中での話であってデモ隊に襲われたわけではないのでご注意ください。もちろん各所での反日デモ活動と連動したものとは言えますけど、事件としては別に考えたほうがいいんじゃないかと。
もちろんデモ活動のほうだってなにかのはずみでリンチになる可能性が高いとは思えますけどね。とりあえず現時点では直接的暴力はこの一件だけで済んでるんですけど…



#5604 
ブッチャ−3世 2005/04/13 19:08
ガラスのジョッキと灰皿で殴られて、よく死ななかったものです。

テレビの報道で中国で襲われて負傷した学生が電話で
コメントしてましたけど、ガラス製品で殴られた、と
言ってました、幸いに死んだり重傷にならなかった
のは良かったなと思います、その話していた事が本当なら
これはデモでは無くリンチだと思いますね。あんまり
デモだと言うと、過激な事をしてる連中の行動は思想が
入っているような感じがしてしまうから、私は彼らの
暴力はリンチだと思います。ちなみにリンチという言葉は
人の名前だそうですね、南北戦争か米独立戦争だったか
忘れましたが、捕虜を虐待した軍人の名前だったそうですね。



#5603 
徹夜城(やっとこさ史点を更新した管理人) 2005/04/13 16:08
でもデモでも

>尾鳩さん
 どうも、しばしご無沙汰しております。
 中国のデモの件につきましては分析コメントをお待ちしておりました(笑)。さすがは我が朋友、おおむね見解は一致しているという感想でした。「史点」ネタからは外しましたので僕もこっちで書きますか。
 どうもあのデモ、見ていて思ったのですが、「2ちゃんねる」に巣食ってる嫌中嫌韓連中の「祭り」ってやつにソックリだなぁ、と(笑)。やはりネットで広がったためか、ノリがよく似てると思いましたね。仲間内で過激度を競い合ってどんどんエスカレートするところとか、それでいてあんまりまじめにやってるようには見えないところとか。違う点は日本の「ネット上気分右翼」が表に出てくる行動をまずとらないのに対して、中国はそれがリアルの行動となって出てくる、ってところかな。日本人は横目で周囲を見ながら調和を乱さないようにと恐る恐る動いていくのに対して、中国人は周囲よりも一歩前に出て目立とうと競いあって動いていく、って違いもありましょうか。
 ここまで大規模でなくても細かい事件はこれまでもちょくちょく起きてましたし、今回は教科書騒動と国連安保理改革ばなしが現実化してきたこととが重なって火がついたってところはあるでしょう。中国政府が表向き「鎮圧」できないという事情はわからんではないですね。しかしまぁ、中国政府が学生デモを「封殺」することを望むような声が日本から出てくるってのも良く考えると奇妙だなとも思えますな。
 頼みのアメリカまで足を引っ張り始めて日本の常任理事国入りもどうも当初考えていたほどうまくいかない雰囲気だし、中国へのけん制になると思って最近政治家が続々詣ででいたインドも何やら中国と仲良くなってきちゃったし、日本ってどうも考えが甘いというか立ち回りの悪さが目につくって気はします。それと例の教科書を推進してる方々は「国益」を損ねることはなはだしいとも思えてきますね。

 中国のデモ見てると、こないだの韓国の騒ぎがかわいいもんだと思えてきた(笑)。それとこのデモ報道の合間に、杭州あたりの農村で公害問題から三万人の大規模暴動が発生して2人死亡との報道もあり、それからするとまだ学生デモはおとなしいほうなのかもしれないな、と怖いことを考えたりもします。
 なんにせよ、次は5月4日あたりがヤマだろうなぁ。


 佐藤賢一氏の「英仏百年戦争」は僕も面白く読みました。さすがは史学科出身作家。読んでいていちいちひざを打つ場面が多かったです。歴史小説も書きつつ、こういう一般向けながら学術書に近い本も出せるとは、つくづく幸せな方だなぁと思っております。
 欧米のSF作家に本物の科学者が多いように、歴史学者が歴史作家となってるケースがあってもいいんじゃなかろうか、などと思う僕でしたが、実際のところ大学教授なんかやってると暇はないよなぁ…



#5602 
尾鳩 2005/04/12 13:35
時事論文的に

>最近のこと
中国、韓国での反日デモ、北朝鮮の不気味な動き、台湾海峡の波乱を予兆させる不気味な静けさ、日本の周辺もぶっそうになってきましたね。いや、少なくともそう認識している人、そのような認識に基づくメディアは、程度の差こそあれかなり多いと思います。
中国の場合、ネットによる反日デモ召集の背後には中国政府の存在があると考えている識者も多いようですが、私はそれは疑問に思っています。傍観の構えを中国当局が見せているのは、あくまでも日本の国連常任理事国入り反対へのけん制に使えると考えているからだと思います。むしろネットでの動員力に、危険を感じている当局の人間の方が多いでしょうね。コントロールできる間は、好きなようにやらせるでしょうが、いずれ引き締めに入らざるを得ないでしょう。反日デモは、簡単に反政府デモへと移行できるんですから。

それにしても、経済的な影響力と実力が背景にあれば、国は安泰であるとの考えが、実は早すぎたのか浅すぎたのかはさておき、苛烈で冷徹な判断と現実によってどういう結果も起こりうる国際情勢は、日本の「平和」がどうあれ、ずーーっと存在し続けていたことを再認識すべきなんだと思いますよ、本当。
国のかたちを具体的に考え形作る必要性は、前にも増して高まっているとの議論が巷を覆っているようですが、本気で日本がそれを実行しようとした場合、中国等の近隣諸国だけでなく、米国との戦略とも真っ向からぶつかる可能性があることを認識し、それを実行する勇気を持った政治・経済界のリーダーが果たして存在しているのか、それは疑問ですが。
私もそろそろ政界との関係を緻密にし始めようかな。

>英仏百年戦争
佐藤賢一氏の「英仏百年戦争」、いやこれは最近読んだ中では、一番の傑作でした。
もう最後まで一気に読んじゃいましたよ。かの獅子心王リチャード1世をリシャールと記述するセンスは、最高ですね。
彼いわく、英仏百年戦争は、「国民国家」と国民意識を世に生み出し、押し広げる世界史的な大事件だったと。所詮、「国民国家」を含むすべての「国」というものが歴史産物であるんでしょうが、その巨大な産物とどう向き合うのか、現代もまた大きなターニングポイントに差し掛かっているいったところでしょうか。
「それを乗り越える段階」と佐藤さんは現代をもって示唆していますが、それにはまず「国家」というものと真剣に向き合わないといけないとつくづく思うんですよね。危機意識すらイベントとして楽しめる余裕のある日本では、「甘い」としか言えない国家認識を持った人たちが多いのも事実ですし。白旗揚げてれば殺されないと感じているとしたら、やはり世界からは相手にされないでしょうね。



#5601 
徹夜城(ここ数日史料の山に埋もれている管理人) 2005/04/10 21:33
40%一挙増量

 何の話かといいますと、予告どおり「海上史人名録」。5年間も収録伝記36人の体制のまま放置されていましたが、昨日今日の作業で一挙増量し、総勢51人に膨れ上がりました。海賊さんの伝記も増えたんですが、今回はこれまであまりに少なかった明の官軍連中の伝記を充実させることにしました。中にはかなりひどい奴もいるんですが、こういうのも混じってる辺りが嘉靖倭寇史の面白さ。ついでに日本に渡航した鄭舜功なんかも追加してあります。
 「女性たち」および「日本人たち」にも一人ずつ追加してあります。日本人に関しては名前だけ分かってるのは多いんですけど、書くことがあんまりなくって…そのうち追加してるかもしれませんけどね。

 作業していてこういう列伝形式ってやっぱり面白いなぁ、と。海賊さんの列伝がこんなに集まったケースもちょっと珍しいのではないかと思いもしました。まだまだ収録されてない連中もいるんですが、今回はとりあえずこんなところで。


>貧乏神さん
 えっ、わたしゃ別にレーニエ大公に何もしちゃあおりませんよ(^o^;)
 などと言っていたら、レーニエ大公の長女カロリーヌ王女の夫ハノーバー公が入院してかなり危ないとの報道が。まさか一服盛られたか(汗)。
 一方でイギリス王室はとうとうチャールズさんとカミラさんが挙式。それにしても法王死去にぶつかったりといちいちめぐり合わせの悪いカップルですな。まーこれはこれで純愛を貫いたとも言えるのでしょうが。



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