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#5800 
はっは。 2005/06/30 17:44
……や、もうしわけない。

自分はけっこう前からここを見させて貰っているものなんですが、あなたの書き込みを見た瞬間、ついつい「いらん人」に自分のサイトを閉鎖させられた時のトラウマが出てきてしまい、あんな書き込みをしてしまいました。
許されるとは思いませんが、謝らせていただきます。
墨さま、申し訳ありませんでした。




#5799 
徹夜城(SWの旧三部作のメイキングがやたらに面白かった管理人) 2005/06/30 13:08
「太陽」

 先ほど知ったニュースですが、イッセー尾形さんが昭和天皇を演じて日本でもちょっとは注目されてるロシアのソクーロフ監督の映画「太陽」がサンクトペテルブルグ国際映画祭でグランプリになっちゃったそうで。これ、日本公開があるのかな〜ちらほらと聞く内容には歴史的にどうかと思う部分も無くは無いのですが、やっぱりじかに見てみたい。
 下で紹介しました都知事暗殺映画「Into the Sun」ともども日本公開が待たれます(笑)。セガール主演ですし、邦題は「沈黙の太陽」で決まり(爆)。かわぐちかいじつながりで「太陽の黙示録」とかでもいいぞ(笑)。
 それにしても…「日の丸」「旭日旗」のイメージからも来てるんでしょうけど日本ネタの海外映画ってタイトルに「太陽」モチーフが目に付くような。「太陽の帝国」「ライジングサン」とか。


>墨さん
 別にこの掲示板は歴史に関することならなんでもありと言ってるだけでどういう話題は回避しろとかそういうことは一切言っておりませんので、気になさらないで下さい。特にテーマを絞るわけではなく幅広く語る、というスタンスですので…お書き込みの話題、実際いろいろと興味深かったですよ。
 その、佐藤和男さんのコメントも良く見ると「“議論し得た限りの”全ての外国人学者」という部分もひっかかりますよね。なんかそもそも議論にならなかった人がいっぱいいたんじゃなかろうかと感じたりして(笑)。それで「国際法学会の常識」と言っちゃってるわけですが、講和成立・主権回復しちゃえばその前のことは全部チャラに出来るという論法が国際的に通るとは思えないがなぁ…常識的に。まぁわかってて言ってると思いますがね、こういう人は。


>NFさん
 ロバーツの「世界の歴史」、監修担当の方も解説部分で触れてましたが、別に悪い意味ではなく「軽度のヨーロッパ中心史観」があるとは言えるんですね。現在に至る影響の大きさを基準に世界史を書いていくとどうしてもそういう事になってきますし。
 で、読んでいて感じるのはインドと中国に関してはやはり「別文明」なんで近代史においても別枠扱いというか、ヨーロッパ発祥の思想や文化を受け入れつつ自らの伝統の上に乗っかった展開をしていく、という観点が強く見られます。例えば共産主義はヨーロッパで生まれたものですけど中国におけるその展開というのはやはり中国文明伝統の論理の上に乗っているんだ、と。これは日本の中国史研究者の間でも出る意見ですけどね。
 ロバーツは西欧式近代とは別の「近代」が実現するとすれば、それは中国からかもしれない、とまで言ってます。本人も大胆な予測として書いてるんですがそういう発想が出てくるところも西欧歴史家ならではかも、と思うんですね。

 イスラムのアッバース朝カリフと日本の天皇の相似については僕も世界史の授業では分かり易い例えとして使いますね。セルジューク朝以後のスルタンはまさに「将軍」みたいなもんで王朝も「幕府」みたいな存在になっていきます(実際イスラム的封建制と言いましょうか、似たような感じにはなってきますね)。
 オスマン=トルコはスルタンとカリフを兼任してしまい、それがその末期に日本の幕末以上にややこしい事態を生んでる気もします。「しりとり」のケマル=アタチュルクの回でその辺の展開は書いてますんで、ここでは省略。しかしそれを考えると改めてケマルさんって凄いことをやっちゃったんだと思えてきます。



#5798 
2005/06/30 10:14
ありがとうございました

>はっは。さま

ごめんなさい。私もそういう懸念はありましたが、あえて書き込ませていただきました。すみません。

>徹夜城さま

>>そもそも、こういう詭弁的論法でなんとか「東京裁判」を払拭しようとする人たちって、日本国内向けにそれを叫ぶものの、海外に向かって叫んでるとはあまり思えない。

まったくですね。NFさまの話にも繋がりますが、一部の日本人内だけで通用する論理を前提に語られてもなあ、と。アメリカ(一部の中国系の方々以外)が文句言ってこないのは、一番(外交的に)親米的な勢力が彼らだからでしょうか。日本は完全に屈服してるからそれくらい許してやるかと思っているからでしょうか(そんなにアメリカは甘くないですかね)。保坂さんは私も好きです(そんなに読んでないですが)。秦さんのその発言は意外です。秦さんってなかなか面白い立位置の方ですね。

>ブッチャー3世さま

東京裁判は軍事裁判ですね。私は酷い裁判だったと思いますが、違った視点から見ると大きな意義もあったと思います。はじめて国際的に戦争犯罪を裁いたというのは画期的ですし、50年かかりましたが後の旧ユーゴ・ルワンダ国際法廷(ここでもNATO側の犯罪は裁かれてません。日本は当然裁く側です。日本人の裁判官もいました)、そして国際刑事裁判所の設立に繋がるわけですし。戦後の国際法、国際人権法、国際人道法、国際機関の発展に貢献したのは事実です。(ちなみに、半年前に話題になった女性国際戦犯法廷の裁判官の一人は旧ユーゴ法廷の元所長(国連事務総長指名、国連安保理承認?)で、もう一人の裁判官は旧ユーゴ法廷の元裁判官(国連総会選出)で国際刑事裁判所の元裁判官(選出方法が少々ややこしいのでICCのHPを)で、主席検事も旧ユーゴ法廷の「顧問」とやらをしていたようです。)

>NFさま

その「ルリ先生」はいわゆるリアリズムの理論(の一面)をベースにして語ってますね。朝生で小林よしのり(当初は自称リアリストでしたが、今はリアリストを激しく嫌悪するようになりましたね)さんが「だから、日本は東京裁判受け入れてないんだって。judgements・・・」と発言するのを二・三回観ました。そしてその都度、リアリスト村田晃嗣さんが「判決受け入れて裁判受け入れてないというのはおかしいんじゃないですか」と突っ込み入れてました。

>このページはいわば右派・親米保守に思想的にあたりますが、そこからこうした発言が出るのは面白いかと

もともと戦後日本の保守派の主流(田中派系・保守本流系)はリアリストだったと思います。なんだかんだ言っても、この人たちは同じ政党であっても復古的な勢力が強くなることを警戒していたと思います。ここ数年パラダイム変換が激しいので、右派・保守派というとその復古的な勢力(安倍晋三・産経・つくる会系)ってイメージになってしまいましたが。これ系じゃない保守派にもっと頑張ってもらいたいです。

私自身はリアリストではありませんが、リアリズムは基本としておさえなければと思っています。アメリカのリアリズムの理論家(ユダヤ系ばかり)たちの議論は非常に面白いです。ネオリアリズムの大御所の講演を何度か聞いたことあるのですが、非常にシンプルで冷たい議論を本ではしてるくせに、講演では咳き込みながら熱く語ってました。しかし、この人も、そして古典的リアリズムの大御所もモラルが大切であり、リアリズムも弱者を守るためにこそみたいな話をしています。モラル欠如の弱肉強食も歴史を検証すればそうだったというだけで、決してそれを肯定しているわけではありません。強者による弱者の征服・迫害をリアリズム理論を根拠に正当化するのは許さないでしょう。

みなさま、ほんとに失礼しました。




#5797 
2005/06/30 09:45
ごめんなさい

管理人さま、みなさま、余計な題材を持ち込んでしまってどうもすみませんでした。そしてコメントありがとうございます。

産経の記事中に出てくる佐藤和男・青山学院大名誉教授(国際法)の文章を見つけたの紹介しておきます(日本会議のHPですが。佐藤氏の著作からの転載のようです)これを読むと言いたいことはそれなりにわかるのような気もします。

日本は東京裁判史観により拘束されない
http://www.nipponkaigi.org/reidai01/Opinion3(J)/history/sato.htm

『議論し得た限りのすべての外国人学者が、「日本政府は、東京裁判については、連合国に代わり刑を執行する責任を負っただけで、講和成立後も、東京裁判の判決理由によって拘束されるなどということはない」と語りました。これが、世界の国際法学界の常識なのです。』

しかし、この「東京裁判の判決理由によって拘束されるなどということはない」の意味がいまいちわかりづらいですね。これは、「日本は東京裁判を認めていない」や「日本は東京裁判を受け入れてない」等を意味するのでしょうか。現在の右派系の方々の主張をそっくりそのまま日本政府が主張してもOKという意味なのでしょうか。まあ、日本政府は「東京裁判を受け入れている」と表明しちゃってるわけですが。




#5796 
NF 2005/06/30 00:50


>徹夜城さま
>世界通史
昔に友人が軍事史をネタに世界主要地域の通史をやった例を参考に考えると、
地中海(ヨーロッパ・中東)、インド(およびその周辺)、中国(およびその周辺)、中央ユーラシア(つまり遊牧民)、日本のそれぞれの流れを追い、近現代で全地域がヨーロッパ史に収斂するという流れになりますか(近代以降は全世界が西洋に引きずられるのは否定できません)。因みにアフリカ・南北アメリカ(西洋人移住以前)は史料不足の関係から通史が作れなかった記憶が。
しかし伝統文化の代表が舞妓さんですか…。ニンジャとスモウレスラーではないのですな(笑)。個人的には、単純な伝統復活よりも流入する西洋文化の中に如何に自分たちの文化伝統を練りこむかの動きのほうが重要だと思うのですがまあこれは余談ということで。
因みに、各地域の軍事通史は
http://kyoto.cool.ne.jp/rekiken/data/military.html
から一通り読めると思います。宣伝になりますが。
>北一輝と天皇
北は天皇については「日本の教皇として生き残った」という内容のことを言ったとも聞いています。「政治権力を失いながらも細々とながらなぜ生きながらえることが出来たか」というよく出される疑問への一つの答えだと思います。要は宗教的権威として存在意義があったということですかね。因みにアッバース朝が衰えてからも長らく存続しえた理由もその辺りにあるかと(ついでに、現在のイスラム世界の混乱は、理由の一つとしてそうした確立した権威の不在があるのかもと思います。政治的権威と宗教的権威とを合一化してしまったという点でオスマン朝は思わぬ悪影響を残したのかもしれないと考えたりします)。



#5795 
徹夜城(SWの4−6と全員集合第2弾のDVDをまとめて買った管理人) 2005/06/29 23:10
「全員集合」のハプニング

 肩書きのところに書いたような次第で「8時だよ全員集合!」のDVDボックス第2弾に手を出しちゃったわけですが…前作で収録されず残念がっていた荒井注やゲストタレントたちのコントと、「全員集合」3大ハプニング映像が収録されていて、まぁまぁ満足。
 3大ハプニングというのは「停電」「火事」「倒壊」の三つでありまして、以前TBSの何十周年だかの特番で放送してましたね。今度のDVDに入ったものはその時放映したものとは違った編集(長かったり短かったりする)になっておりました。
 特に最後の「倒壊」はコント本番中に志村けんが予定外で倒れてきたセットに下敷きになってしまったというやつで…下敷きになった志村が数秒動かず、出演者達が一時ヒヤリとしてコントを続けながら「大丈夫か?」と確認してます(観客は大半がギャグだと思ってるんですが)。「全員集合初の死人が出たかと思った」という加藤茶のギャグに志村が速攻でツッコミますが、ある時点では半ば本気だったかも。そのあとコント再開するんですが、志村が段取りをすっかり忘れちゃってるところもDVDには入ってましたね。
 荒井注に続き、いかりや長介も亡き今、これも「歴史」だなぁ…と思いつつ(強引に歴史に結び付けましたな)。


>読破。
 ここんとこ買って読んでいたJ=M=ロバーツの「世界の歴史」(東京創元社刊)をついに全10巻読み終えました。僕自身「世界通史を一人で書き上げる」という野望があったりするんですが(笑)、そうした観点も含めていろいろと面白かったですね。
 もちろん世界史は膨大なものですから素材を取捨選択せざるを得ません。ロバーツは「その後に与えた影響の大きさ」を基準に世界史を書く、という方針を決めてまして、このため全く触れられない国や地域がどうしても出てきます。例えば朝鮮史への言及はほとんどゼロ。日本史はまぁまぁ触れますけど、中国史に比べると…その中国史も近代以前はかなり大雑把で、中国史をやってた者からすると物足りない観もありました。ただ、ヨーロッパ人の目で東アジア史を俯瞰するため、こちらには気付かない観点も多々あってそれは確かに面白かったですね。
 あと近代中国の革命史を非常に高く評価し(弊害部分も見つつ)、人類史上の大事件として注目している点も「あ、ヨーロッパからだとやはりそう見るかな」とも思いましたね。日本人は見落としがちなんですが、16世紀に直接接触して以来、ヨーロッパの知識人の間では中国文明に対する高評価って伝統がありまして、それを改めて感じたりもしました。
 「アジア各国では西洋文明の影響に対して独自の伝統文化を復権する動きもある…」といった説明がついた図版に「京都の舞妓さん」の写真を使うのはどうかと思ったりもするんですが…(^^;)


>大川周明
 すでにいろいろと話が出てますが、東京裁判で東條英機の頭を突然ペチッと叩いたのはこのお方。東條を主役にした映画「プライド・運命の瞬間」では石橋蓮司が演じて園場面をソックリ再現しておりました。あまりに唐突なので知らない人には意味不明のシーンになっちゃってましたが…そのまま「茶番だ!」と叫びつつMPに引っ張られていく形になってたけど、あれは創作なんじゃないかな?
 以前もこの伝言板で書いた話題ですが、大川周明は太平洋戦争が始まると「敵、北より来たれば北条、東より来たれば東条」などと言って東條英機を持ち上げていたこともございます(笑)。もしかすると東條の頭を叩いたのは「お前が南条に改名していれば!」ということだったのかもしれません(笑)。
 で、この人精神異常の疑いが出て戦犯から外れるわけですが、なぜかその後正気に戻るわけ(笑)。コーランの優れた翻訳をしたりと確かに学者としても優秀であったようですが、天才とナントカは紙一重な人だったのかもしれません。交友があったという北一輝なんかも「右翼」という肩書きからだけでは説明しきれない複雑さがありましたしねぇ。

 北一輝といえば、今日の朝日の夕刊にインテリ右翼(新右翼?)の鈴木邦男氏が女帝論に関係して一文を寄せてましたね。まぁ内容は要するに皇室についてあれこれ論じること自体が礼を失してるんじゃないかということで、どちらかといえば、右派系に見られる「天皇は元首」「女性天皇反対」「男系じゃなきゃイヤ」論に対して批判を浴びせてる内容でした。
 で、その中で北一輝の「我が国民はみな乱臣賊子およびその共犯者の子孫である」という趣旨の文章を引用してるんですよ。北に言わせれば日本人が天皇を敬愛し尊崇していたなんてとんでもない、天皇を軽んじ、いじめ、迫害し、島流しにしたりしてきたではないか、ということなんだそうですな。うん、僕もこれは結構核心を突いた指摘だなと思いましたね。で、その文章のタイトルが「国体論及び純正社会主義」というそうで…改めていろいろと面白い人だとは思うんですよね、北一輝も。手塚治虫がアタックしたことがあるんだけど、未完でしたよね。
 大川周明に話を戻すと、この人も含めて結構責任や問題のあるやつがかなり免罪、あるいは逃げ切ってしまっているというのも東京裁判の欠点として考慮しておくべきでしょうね。大本営の参謀連中とかねぇ…戦後に国会議員なってるようなのもいるんだし。


>galleryさん
 ご紹介の漫画「古史古伝」ですが、以前、歴史読本別冊で「古史古伝」の特集号がありましたが、それのコミック版みたいなものということなんでしょうかね?もっとも批判バージョンのコミックがある様子はないですが…
 そちらのサイトでお取り上げになることにちょっと期待(笑)。

 そうそう、都知事と言えば…
 某所で耳にしましたが、スティーブン=セガールの新作映画「In to the Sun」ってやつ、外国人排斥だか不法入国阻止だかを唱える東京都知事が中国マフィアと結んだヤクザ?に暗殺されるという設定らしんですよね。日本公開があるんだろうか。



#5794 
NF(年甲斐もなく北斗にハマってます) 2005/06/28 23:39
阿弖流為II世

>galleryさま
あの「都知事」は、あの作品中ではまともな事を言っている部類に入るかと(笑)。…戦車に乗ってはしゃいでいるのを別にすれば(爆)。
しかし、原哲夫は作品の出来に関しては
架空世界が舞台>歴史世界が舞台>>>現代が舞台
という傾向がある気が(原作者との相性も大きいんでしょうが)。登場人物が「見事な漢」と「小悪党」に極分されている傾向があるので舞台がリアルになるほど無理が出てくるのかな、とか勝手に分析してみたりしてます。ま、おバカな小悪党を描かせれば原先生に勝る人は今の所いないかな、と思ったりもしてますが(笑)。



#5793 
NF 2005/06/28 23:24
東京裁判などあれこれ

>墨さま、徹夜城さま
法律論などについてはよく知らないのですが、世界一般で東京裁判が有効であると認められ、日本が承認したとされている以上は有効と考えざるを得ないと思うのですが…。
http://maa999999.hp.infoseek.co.jp/ruri/gulfwar_04.html
「ルリ先生の補習授業その4」
から引用するなら「国際社会は、力こそ正義。どちらが悪いか追求してもあまり意味がないことなのです。…(中略)…『だから何?文句があるなら戦争だ』で終わってしまうのが現実の世界です。」「『太平洋戦争は、昭和日本が自国の主権を守るための防衛戦争だった』といくら日本が正論を唱えても、国際社会においてそんなものは全く意味を持ちません。勝てば官軍、負ければ賊軍。それ以上でもそれ以下でもありません。日本は戦争に負けてしまった。だから悪いのです。」「太平洋戦争は思い出の中にしまい、アメリカを宿敵ではなく同盟国として見つめ、各国に対してアメリカに協力するように語り掛けるべきだと思うのですが…。当事者ならばまだしも、自分が生まれる前の話を未だに怨んでる病気な人がいるようですね。」東京裁判問題に関してはこうした発言に尽きるのでは。
このページはいわば右派・親米保守に思想的にあたりますが、そこからこうした発言が出るのは面白いかと。ちなみにこのサイトは一部では有名なのですが、ある理由から免疫のない人は面食らうかと思うので自己責任で見に行くこと(笑)。あと予め予防線を張っておくと、僕はそのサイトの主張の全てに賛同しているわけではないです(近いところも多いですが)。例えば何のために歴史を学ぶかという問題に対するスタンスは決定的に違うし、ホロコーストに関しては論じられるほど知ってるわけでないので保留というところ。
>ブッチャー3世さま、e.kさま
大川周明について追加するなら、東京裁判当時に検査で脳梅毒の陽性所見があったという話もあります。その当時は「観音様が乗り移る」と言い出して裁判中に祈りだしたり、免責になった直後あたりで「預言者ムハンマドに出会った」とか言い出してそれがコーラン翻訳の切欠になったといったエピソードが。桜会による事件の黒幕で、近衛文麿のブレーンの一人であり「国民政府を相手にせず」宣言に責任があるという話も。ただ、政治に目覚めた切欠がイギリスのインド支配の現状を知り義憤に燃えたからであり、真面目に「アジア解放」を考えてはいたともいいます。政治的にはいろいろとある人でしたが、学者としてはかなり優秀で「日本二千六百年史」「回教概論」あたりは良質な著作だと個人的に思います(中でも「日本二千六百年史」は皇国史観真っ盛りの中で尊氏・直義を賞賛し蓑田胸喜に非難されたという話があります)。
>はっは。さま
あえていえば管理人様を始めとしてやや左よりかな?という気は僕の目からはしないでもないです。まあ、いわば中道穏健左派の範囲に留まっており「反日」などに陥っていないので(どちらかといえば右派であろう)僕から見ても問題はないですが。ただ、徹夜城さまはじめ皆様も僕もそれ以前に「歴史好き」であるので、政治のドロドロした話題よりもまったりと楽しんで歴史を語りたいというほうが強いのは事実ですね。



#5792 
gallery 2005/06/28 22:20
アテルイ…といえば『阿弖流為II世』(笑)

あの漫画に登場する「都知事」の言動に大爆笑。ストーリーなんぞ全然覚えていない。
「何千年も滞納している税金を払わせるぞ。エイリアンどもめ――っ!!」

>歴史知らずによる歴史批判
「歴史」を「憲法」に置き換えたような話も、最近よく耳にします。
ネット内の素人さんが誤解してるのは無茶苦茶よくある話ですが、
政治家さんでもおかしな誤解してるヤツが結構いるのは何故だ(笑)
ついでに「歴史」を「相対性理論」に置き換えたら、なぜか笑えてしまうのだが。

 ちと、変わった漫画を発見したので報告まで。ご存知でしたら失礼をば。
『歴史読本SPECIAL30』特別増刊'90-5 <マンガ>禁断の古代史書「古史古伝」
  イメージイラスト・永井豪
  『竹内文書』 サトウユウ(サーガミオノ)
  『九鬼文書』 八剣ヒロキ
  『宮下文書』 まさきまき
  『上記』   佐々木あつし
  『秀真伝』 原案・湯浅裕行 画・さいたかつとし
  『東日流外三郡誌』 あおきてつお

 残念ながら御大・永井豪先生はカラーイラストだけです。
一番気合が入ってるのが『東日流外三郡誌』。ページ数も一番多いし。
絵も『緋が走る』『島根の弁護士』などでメジャーの、あおきてつお氏。
この方、古代史の考察などもやっております。ご笑納ください。
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Desert/6208/kodaisi.html

 一番ツッコめるのは、やはり『竹内文書』ですね。
内容と違って、あまり絵的にぶっ飛んではいない(下手な)のが残念なのですが、
それでも酒井勝軍氏が広島県東北部でピラミッドを探している際に、時ならぬ
暴風雨に見舞われ、やむなく調査を中止しようとする直前、背後の山に落雷が!!
落雷により照らされた山のシルエットを前にして、酒井氏曰く
 「諸君!! あの葦嶽山こそピラミッドだ!!」
…て、なんでやねん!!(笑) 検証が先だろ、検証が(笑)
「後日」葦嶽山の頂上で、ピラミッドの証拠である太陽石が発見されたんだそうです。
正直な漫画ですな。うちのバカ漫画紹介コーナーにでも載せようかしらん(笑)

http://www.chukai.ne.jp/~gallery/baka-manga.html


#5791 
e.k. 2005/06/28 21:50
大川周明

先の記述を送った後で、ウキペディアを見てみました。間違いだらけですね。すみません。
参考迄にウキペディアの「大川周明」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%B7%9D%E5%91%A8%E6%98%8E



#5790 
e.k. 2005/06/28 21:39
東條英機のアタマを…

たたいたのは「大川周明」というファシスト・右翼人です。軍人独裁政権樹立を目論だ三月事件・十月事件などのクーデター(未遂)事件の精神的黒幕とされました。その他にもいろいろ関与していそうです(明確でなくてすみません)。敗戦後はA級戦犯とされまして、東京裁判に出廷、そのとき「パシッ」とやったんです。その後、医師の診察を受診したのですが今でいう「心身症」のような診断を受け戦犯を免除されたそうです。しかし本当は「心身症」でもなんでもなく、死刑になるのが怖くて「精神病」をよそおった、という見方もあります。ぜんぜん正確でなくてすみません。



#5789 
ブッチャー3世 2005/06/28 20:13
東条英機さんの頭を叩いた人は誰?

>東京裁判
何て危険なネタを(笑
あの裁判の映像で気になるのが1点、被告席の東条氏の後に
座っていた男がいきなり東条氏の後頭部をハタいた場面が
あったのを見たんですが、あれは誰?
個人的には東京裁判は軍事裁判って認識しかないんですが。
アメリカが今、やってる、アフガン、イラクがらみで
拘束した連中を裁く法廷、あんな感じでしょ。



#5788 
徹夜城(少々夏バテ気味の管理人) 2005/06/28 16:24
戦国自衛隊など

 今日、久々にちょこっと時間が取れたもんで、歴史映像ものの話のタネとして、「戦国自衛隊1549」なんぞを見てまいりました。
 まぁタイムスリップものというのはどうしても考証面でツッコミどころが多くなるのでその点についての評価はとりあえず避けます(そういうツッコミどころ満載の「ゴジラVSキングギドラ」が大好きだったりすんで)。以前作られたものも特に出来がいい作品だったとは思っておりませんので、まぁこんなものかな、と思いつつ見てました。そこそこは楽しませてもらったと思ってます。織田信長がからんでくるあたりなぞはむしろ前作より半村良の原作小説に近くなってるかもしれない。
 それにしても…明らかに原作者が意識してやってるんだろうけど、タイムスリップした先の時代の人々を「現地人」と呼び、それへの武器使用を避ける命令が出るあたりなど、イラク派遣と重ね合わせてるところがあるんでしょうな。
 ネタばれ部分についてのコメントは近日中に映画のコーナーの方ででも。


>墨さん
 ご紹介のところ、とりあえず産経の記事だけは見てきました。まぁ、毎度おなじみの産経的詭弁ですな。
 ご感想の通りで、法的解釈うんぬんの問題ではなく、少なくとも東京裁判の判決を受け入れるということはその裁判も含めて(気分としてはどうかは別として)全て承認したと考えるのが自然ですよね。そもそも、こういう詭弁的論法でなんとか「東京裁判」を払拭しようとする人たちって、日本国内向けにそれを叫ぶものの、海外に向かって叫んでるとはあまり思えない。そもそも東京裁判からして現在彼等がべったりとアテにしている親分アメリカ様の意向が強くはたらいた裁判であるわけで(その意味では確かに不当性があるとは思えますが)、いまさらそれを否定してアメリカ様の怒りを買うことになりゃしないかと思い当たらないのかな?いえね、実際「靖国」問題はアメリカのメディアでもちらほら取り上げられてまして、もしかするとアメリカから大きな声になってくる可能性もあるんですよ。

 東京裁判についてはいろいろ意見がありますが、僕なんかは保坂正康・秦郁彦・半藤一利さんの表現が面白かったんで、いささか長いですけど引用させてもらいますね。

保坂「東京裁判の問題でいえば、あれが復讐裁判であるとか、リンチであるとか批判する人がいますが、どうして、リンチで当たり前だと思わないのか、不思議なんです。東京裁判とは所詮そういう意味を持っているというところを出発点にして、検証しつくした上でそれを横に置いといて、われわれはわれわれ独自の論理を持つということをやるべきだと思うんですよ。東京裁判に振り回されてること自体、われわれの主体性のなさ、歴史観の欠如というものを、間接的に告白してるような感じがするんですね」
秦「東京裁判史観がけしからんという人は、東京裁判で日本人が刷り込まれたというのですが、刷り込まれたことを認めつつ、刷り込んだやつが悪いというのも、妙な話ですね」
半藤「刷り込まれたというけれど、ならば「東京裁判史観とは何ぞや」と聞くと、答えられないんですね」
(坂本多加雄・秦郁彦・半藤一利・保坂正康「昭和史の論点」、文春文庫、2000)

 上記のやりとりが載ったのは「諸君!」だったりするわけですが(笑)。もしかして読者向けに言ってるのかな。

 保坂正康さんの昭和史著作はよく読んでるのですが、先日その中の一冊に「日本の政治家は歴史(とくに近現代史)を驚くほど知らない。ある大物政治家に取材したら戦争終結にいたる経緯を全く知らなかった」(引用ではなくあくまで趣旨です)と嘆いている一節があり、あ、やっぱりそうなんですねぇ、と思ったものです。その文によると外国人記者も日本の政治家に取材してひどく失望するんだそうで。
 実際「東京裁判史観」をなぜか「マルクス史観」とイコールで語り、内容について全く無知のくせに東京裁判無効論をとなえている政治家発言を見たことがありますし…



#5787 
はっは。 2005/06/28 10:50


ここの管理人さんは、ウヨクでもなければサヨクでもありません。
そういう「いらん人(笑)」を呼びそうな話題は、なるべく避けたほうがいいのでは?



#5786 
2005/06/28 10:44
すみません

すみません。もう一言つけくわえさせていただきます。

いくら「日本は『裁判』を受け入れてない」と言っても、日本政府が何度も公式に「日本は東京裁判(その他)を受け入れた」と表明しているのだから、しょうがないような気がします。というか、政府の公式見解を変えさせるの先なはずで、「日本は『裁判』を受け入れていない」という前提で語るのはどうなんだと思います。失礼しました。



#5785 
2005/06/28 06:06
すみません。

すみません。みなさん、こんにちは。お聞きしたいことがあります。

東京裁判、サンフランシスコ講和条約についての右派の方々の議論のロジックがなかなか理解できません。この方々のロジックに詳しい方いませんか?

講和条約11条の原文は「Japan accepts the judgements」であり「judgements」と複数形になっていて、日本は「裁判」そのものを受け入れたのではなく「諸判決」を受け入れた。日本語の翻訳文がおかしいから誤解が生まれた。これは日本政府が判決にしたがって、刑の執行を継続することであり、「裁判」全体、すなわちそのプロセスや判決理由についてまで同意したという意味ではない。このような主張をする方がいますが、みなさん言葉足らずでいまいち意味がわかりせん。とりあえず、この手の主張を紹介してるものです。

東京裁判 細田長官発言に波紋 「判決受諾」を「裁判受諾」と誤認 産経新聞
http://news.goo.ne.jp/news/sankei/seiji/20050624/m20050624005.html
日本は、東京裁判を受諾したのではない。
tp://hajime1940.blog.ocn.ne.jp/hajime/2005/06/post_62a1.html
サンフランシスコ平和条約11条「the judgments」の意味
tp://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/5218477.html

サンフランシスコ講和条約第11条の両方の文も紹介しておきます。

『日本国は,極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し,且つ,日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するものとする。これらの拘禁されている物を赦免し,減刑し,及び仮出獄させる権限は,各事件について刑を課した一又は二以上の政府の決定及び日本国の勧告に基く場合の外,行使することができない。極東国際軍事裁判所が刑を宣告した者については,この権限は,裁判所に代表者を出した政府の過半数の決定及び日本国の勧告に基く場合の外,行使することができない。 』

『Japan accepts the judgments of the International Military Tribunal for the Far East and of other Allied War Crimes Courts both within and outside Japan, and will carry out the sentences imposed thereby upon Japanese nationals imprisoned in Japan. The power to grant clemency, to reduce sentences and to parole with respect to such prisoners may not be exercised except on the decision of the Government or Governments which imposed the sentence in each instance, and on the recommendation of Japan. In the case of persons sentenced by the International Military Tribunal for the Far East, such power may not be exercised except on the decision of a majority of the Governments represented on the Tribunal, and on the recommendation of Japan.』

私などは「『諸判決』を受け入れて『刑の執行』に同意=『裁判』を受け入れ、じゃないの?」と素朴に思うわけです。というか、彼らのいつもの詭弁にすぎないのではと。

あと大事なのは当時この条文に関してどのような議論がされたかだと思います。「刑の執行さえやれば、日本が東京裁判(など)そのものは受け入れないと表明してもOK」という前提のもとにこの条文は書かれたのでしょうか?日本側が「裁判を受諾」と訳してる時点でこの条文の意味は明らかなような気もするのですが。国際法(歴史もですが)に疎いので、このへんはよくわかりませんが。

長々とすみませんでした。




#5784 
徹夜城(ここ一週間むやみに忙しかった管理人) 2005/06/27 11:07
ブラックジョーク

 本日、天皇さんがサイパンに慰霊の旅をされているわけですが…例の岬で「天皇陛下バンザイ」を叫んじゃったりするとどういう反応があるんだろうか。あ、僕自身はこのサイパン慰霊の旅は大いに評価しておりますがね。
 関連話題(?)ですが、昭和天皇に向けパチンコ玉を打った奥崎謙三氏が亡くなりました。まさに「史点」ネタだなと思うんですが、「ゆきゆきて、神軍」はまだ見てないんだよなぁ。
 おくやみ関連で歴史とは関係ないんですけど…漫画家・絵本作家の長新太さんが亡くなったとの報には子ども時代にかなり親しんだ作家さんだけに結構ショック。

 さて、レスをためこんでしまいましたので、まとめまして…


>松永さん
「フサイン-マクマホン協定」、その後可能な範囲で調べてみたんですが、確かにその線引きは一応現在のイスラエルとなっている地域は含まれないことになってるんですね。ですがアラブ人たちとしては聖地エルサレム周辺は当然支配下に入る(直接的ではないにしても)と思っていたところもあるんじゃないかと。ユダヤ人の入植についても「難民」が住み着くんならある程度の共存はしょうがない、というぐらいの感覚だったのではないでしょうか。その辺は外交ではよくあるグレーゾーンにとどめておいた観もあります。それが「ユダヤ人国家」建設となるとさすがに「話が違う」とやっぱり怒っちゃうわけで…。


>縄文と弥生のファッション
 むかしの歴史本では縄文人の服装デザインって弥生時代以上に単純に描かれていたように思うんですよね。毛皮を着たスタイルがほとんどで…旧集英社版「学習漫画・日本の歴史」ではアテルイら蝦夷の描かれ方もほとんどそれと同じでした。それが急激に変わったのが二十年ぐらい前で、やっぱり蝦夷イメージも大きく変化していくんですよ。こうしてみると、縄文と蝦夷、ひいてはアイヌをイメージ的に結び付けていくのは昔からだったのかもしれません。
 縄文人の服装考証の実態は良くは知りませんが、土偶の「服装」から想像している部分も多いんじゃないかと。また確かに縄文土器は魔よけの意味合いもあるのかやたらに模様をつけたがるところがあり、それは服装にも表れていたとは思われますね。刺青だってかなりしていたでしょう。
 で、弥生ファッションが白一色の単調に描かれることについてですが…ななさんもかかれてますが、これも資料が無いから実のところどうだったかは良くわからない、ってことなんじゃないかなぁ。弥生の土器は確かに実用的ではあるがデザインは単調。それと魏志倭人伝に出てくる貫頭衣の記述などがあいまって単調デザインの衣服の考証がなされていると思うのですけれど、案外色はついていたのかもしれませんよね。

 大河ドラマ「炎立つ」は一部に露骨にアイヌ的なデザインを持ち込んでいた記憶があります(金売り吉次初代?とか)。これなんかは「異国情緒」(?)を出すためにあえてやってるんでしょうけどね。実のところアテルイらだってどんな格好をしていたのか分かったもんじゃないんでしょう。
 僕が昔見た子供向けの歴史本では蝦夷が頭に羽飾りをつけたインディアンみたいに描かれてたっけなぁ。


>歴史映像関係。
 先日、新聞にデカデカと広告が載っていたので初めて知ったんですが。毛沢東を描いた中国の大河ドラマのDVD全巻セット(5万円台)が日本で発売されるそうで。タイトルは「毛沢東・万里の長征」となっておりました。各章のタイトルを見ると井岡山から天安門の「中華人民共和国成立了!」までが描かれているようで。
 主役の毛沢東に唐国強。この人、これまでに何度も毛沢東を演じてるそうなんですが、「三国演義」の諸葛亮や「雍正王朝」の雍正帝のイメージが僕にはあるもんで、毛沢東にそんなに似てるかなぁ、と思うんですが、写真を見る限り確かに若いころなんかはメイクでそれなりに似てくる。
 ライバルの蒋介石には陳道明。最近ですと「英雄・HERO」で始皇帝を演じてました。他のキャストは未確認ですが、日本の歴史物と同様、あちらも使える俳優は限られるようでいろいろ使いまわされてますなぁ。
 すっごく見てみたいんですけど、全巻セットはちと高い。バラ売りしてくれないかなぁ。


 歴史映像関連ですが、昨日の「義経」は木曽義仲の戦死。宇治川の合戦、わざわざロケしてるのに有名な先陣争いがあっさりカットされていて残念(というか、どうも義経が先陣を切ってるようだが)。義仲の死に方も若干アレンジされておりました。義仲の死を見た今井四郎が刀を口に突っ込んで馬から落ち、我が身を貫いて自害するというのは「平家物語」そのままでちょっと嬉しくなっちゃったりして(あれをちゃんと映像でみたのは初めてのような)。「日本一の豪の者の自害のさまを見よ」というセリフも言ってほしかったなぁ…



#5783 
景虎 2005/06/26 16:40
古代ファッションショー

弥生ファッションとはちょっと違うかもしれませんが、大河ドラマの『炎立つ』に出てきた蝦夷のアテルイ達の服装は、官軍とは違ってましたね。
あまり覚えてないですが、『師』と書かれた中華風?の軍旗を持ってたり、そうかと思えば日本刀を持っていたりして、日本先住民という感じがしました。考証的にどの程度正しいのか分かりませんが、何となく縄文人の進化形的なイメージになっていたような気がします。



#5782 
なな 2005/06/25 01:34
弥生時代のファッションですか…

宝石の産地と重なるかもしれません。
中東(西アジア)の遊牧民族の伝統衣装、特に既婚女性は、いつも「財産一式」をごっそり身につけていたのだそうで。
銀製品や宝石だけでなく、銀貨もたくさん縫いつけて飾りにしていました。

私がある本で見た、縄文時代の衣服を復元した写真ですが。
その、動物の皮でできた衣服に施された模様は、アイヌ民族の伝統模様を参考にしたとか…言ってなかったかな…。

で、アイヌ民族の衣服にとっても刺繍は大切な要素ですよね。
アイヌは倭人よりは装身具を身につけていたと思いますが、衣服は着物と同じく平面裁断ですね。

中国南部から東南アジアの山岳地帯にかけての少数民族では、衣服や被り物に精緻な刺繍を施すのが女性の大切な手仕事の一つだったと思います。

…なんか、書いててうまくまとまらないんですが(汗)、弥生時代の服装にも細かい刺繍が施されていたり、布地が染められていたんじゃないかしらんと…想像してます。
織物は残りにくいから、不明な点が多いから「白い布の貫頭衣」で表現してるのかな、と。
真珠や翡翠が縫いつけられていたらきれいだなぁ…。

弥生時代の衣服の模様には縄文文化の影響があったかもしれないし、弥生人が大陸の出身地から持ち込んだものもあっただろうし。
あるいはアイヌ民族の伝統模様と、中国大陸(少数民族に限らず)や朝鮮半島の伝統模様になにか共通点があったら面白いですね。



#5781 
孟きょう 2005/06/24 23:21
1つ前の史点ですが

>徹夜城様
 ここ5月6月の日韓、日中の外交でいろいろあったものですから。やんちゃな読売の社説でも東洋史に関わる記述が比較的多く。何やら史劇的(刺激的)でしたね。徹夜城様が紹介された「鄭文孚の北関大捷碑」の話題も拝見したのですが読売は他にも岳飛廟について今月か先月にも言及してましたね。「どちらがいいとは言うつもりは無いが」と一応予防を張ったり、鄭文孚の件でも残り数行で吉州にからめて急転直下に攻撃的になったり。うまくまとめているなあ、と文章を本職にしてる人達の手際のよさに感心したりしました。いやー、おもしろい。



#5780 
不肖デルタ 2005/06/24 19:21
宝石

>装飾的な民族衣装
これの重要な要素は宝石類なんじゃないかなぁ、と思います。
宝石の産地の住民衣装は装飾的な傾向にありますね。
日本の美意識・感覚には宝石に対する造詣は金銀いがいは昔から
希薄で、それは当然、宝石が採れない地だからで
黄金の地ジパングの伝説を真に受けて日本を黄金の国と思って
はるばる来日した西洋人たちは当然、日本人は金ぴか の格好を
してるだろうと思ったが実際は日本人の衣装は宝石を使ったりの
西洋や宝石原産地のような立体的美意識の衣装では無くて
生地を生かして模様に味のある二次元の美意識が主流だったわけで
そういう衣装の傾向は、もっと時代を遡ると縄文では、そうでは
無かったかもしれませんね、確かに。南方の宝石が採れる地域から
来た日本人の祖先は確かに当初は装飾的な衣装だったかもしれません
宝石が採れない地に長く居るにしたがい嗜好も変質した
のかもしれませんね。




#5779 
阿祥 2005/06/24 13:00
「縄文VS弥生」

こんなテーマの展覧会が国立科学博物館であるそうです。何やらコスプレみたいな写真のある栞を書店で見かけたのでもらってきたのですが、どんなことをやるんだろうと思いHPで調べたら、どうもちゃんとした展覧会のようです。
http://www.kahaku.go.jp/jomonvsyayoi/index.html

先に書いたように、網野さんの本などで日本史を古代に遡って、東西の対立という視点から見ることに興味がありますので、この展示会でどんな風にこのテーマに迫っていくのか非常に興味があります。
大雑把に見ると原日本人として縄文人がおり、そこに稲作文明を持った弥生人が九州方面から上陸し、東進を始めるというという見方だと思うのですが、ディテールについてはいろいろな説があるでしょうからね。

そのコスプレを見て疑問に思ったことがひとつ。
弥生人の服装というのは白いあっさりしたものなんですが、それに対し縄文人のそれは中国の少数民族のもののような非常に装飾的なものにデザインされています。なんとなく縄文式土器と弥生式土器の違いを思い浮かべます。
ですが弥生人と直接つながりが深いと思われる倭族の末裔たちは、雲南とかタイの少数民族で、どちらかというと非常に装飾的な民族衣装を着ているんですね。これはどういったわけなんでしょう。理屈からいくと弥生人も越とか倭の民族の系統だとすれば、同じように装飾的な服装をしていてもおかしくはないんですが。
でもこういった装飾的な民族衣装というのは、実際の彼らの服装ではなく、近代の統一国家的視点から、少数民族の異質性をデフォルメするためにデザインされたという点もあるようですから、2000年も前の衣装の問題を議論するのには難しい点もあるとは思います。



#5778 
ブッチャー3世 2005/06/23 17:20
アラー・ヤバイ

アラブがらみですが、
昨日のトリビアの泉では面白いことをやってましたよ、

アラビア語では、親父を表す言葉は「ヤバイ」

で、他にもアラブ語には日本語と同音異義語があるみたいで
色々と笑わせる組み合わせを やってました、
親父は終った=ヤバイアンタ、もしかして親父は=ヤバイヤクザ
ってことは、ゴッドファーザーはアラーヤバイって事になる?(笑






#5777 
松永 2005/06/22 17:24
フサイン−マクマホン協定

 この協定の文面では、「ダマスカス、ホムス、ハマ、アレッポを結ぶエリア」がアラブ人国家であって、エルサレムを含むパレスチナはアラブ人国家の範囲外となっています。フセイン・イブン・アリーもその点は承知していたはずであり、後にハイム・ワイツマンと会見した折、エルサレムはともかく、パレスチナの地に関しては、ユダヤ側にかなり譲歩していますが。



#5776 
徹夜城(次の史点のネタが一つだけ空いてて待ち状態の管理人) 2005/06/20 23:58
あんま見る気は無いんだけどさ

来年の大河ドラマ「功名が辻」のキャストが今日一斉に発表になったそうで。
信長・秀吉・家康の関係者でそこそこ長生きしてればそいつを主役に一見豪華な「大河ドラマ」が出来ちゃうんだなぁ…と配役を眺めてしまったりして。
出来がどうであれ、あんまり見る気は起きないんですけどね、主要キャストで何人か「太平記」組が出演(まぁ「大河常連」なのであって「太平記組」ではないんですけど)してるのがちょっと気になる(笑)。

五藤吉兵衛=楠木正成、豊臣秀吉=高師直、竹中半兵衛=足利直冬、柴田勝家=赤橋守時、浅井長政=日野俊基

といったところですか。信長、家康、光秀あたりは未発表なのでまだ誰かかぶるかも。

 さてファミリー劇場で放送中の「太平記」ですが、先日とうとう「鎌倉炎上」だったそうで。僕もビデオで二度見返してしまいました(笑)。いやホント、見所満載過ぎる回であります。鎌倉市街戦のオープンセットロケは改めて映像を見ているとかなり大掛かりだったことが感じられますね。
 市街戦以外でも切通しの攻防戦や稲村ガ崎突破の名場面もみんなロケ(あれはたぶん赤坂城と同じ栃木県内の採石場の再利用かと)。「太平記」の前半は今見ると感心するほど手間かけたロケシーンがたくさん見られます。さすがに後半に入るとスタジオ撮りの合戦シーンばかりでしたが…
 片岡鶴太郎、一世一代(?)の名演とも思える北条高時の自害シーン。これ、このドラマの中ではかなり忠実に吉川英治の「原作」そのままの映像化なんですよね。このドラマの成功の一因に「いい原作があった」というのもあったかと感じる場面です。
 このあとドラマは「建武の新政」に突入していくわけですが、僕自身の最大の見所は堤大二郎演じる護良親王。いやもう、キレまくっちゃってましたから、この皇子様(笑)。


>galleryさん
 ソ連の超能力者ネタでは、平井和正「真幻魔大戦」だったかな、チラッとなんですけどかの国では国家によって大量に超能力者が養成されており、権力者は彼らに心臓を停止されやしないかと怯えている…ってな文章があったような。


以下、映画がらみ小ネタ連発。

◎「ランボー4」製作開始?
「インディジョーンズ4」に対抗したのか?スタローン主演で本気で十数年ぶりにやる気らしい。一作目は意外に良質なベトナム後遺症ものの反戦映画っぽい作品だったりしたわけですが、「2」でベトナムに乗り込み、「3」ではアフガンに乗り込み…と反共ヒーローを演じ続けました。特に「3」なんかは「9.11」直後に見返したら歴史の展開の不思議さを感じちゃったりする内容。しかし今回の「4」の敵は「白人至上主義者」らしいとの報道で、この辺にも時代の流れを感じたりして。

◎「ディープスロート」映画化
ポルノのリメイクではありません(笑)。
トム=ハンクスの会社が早くも映画化権をとったそうですが、「現在のボブ=ウッドワード」にはぜひロバート=レッドフォードをあててもらいたい(笑)。

◎韓国で「いじめ」に報復で兵士殺害
日本では先日「いじめの報復」として教室に爆発物を投げ込んだのがいましたが、こっちは手榴弾に銃撃で8人殺害ですよ。しかしまぁ僕も韓国人留学生にちょこっと軍隊経験を聞きましたが、やっぱり凄いらしいですよ、先輩上官兵士によるいじめは(旧日本軍でも凄かったらしく、体質的に案外似てるのかも)。映画「シュリ」で下級兵士(実は北朝鮮特殊部隊)を手ひどくどつく韓国兵士が一瞬でアッサリ殺害されるシーンではひそかに快哉を叫ぶ韓国人も多かったとか(笑)。
今度のニュースの第一報を聞いたときには一瞬「JSA」を連想したりもしましたけど、そこまで深い話ではなさそう。でも数年後には映画になっちゃってるかもしれませんな、この話も。



#5775 
新参右衛門 2005/06/19 19:06
史点、更新ごくろう様です。

徹夜城さん、史点、拝見させていただきました。
デンマ−クの亡命ユダヤ人の追事件は知りませんでした。
それで、ちょっと思い出したのですが、私の大学の講義の
テキストに「ユダヤ人は何故殺されたのか?」という洋書
がありまして、その本には第二次大戦時代に西欧各国の
ユダヤ人問題に対する対応を大まかに示してありました、
各国、ユダヤ人に対する対応に違いがあったような書き方
でして、ドイツに占領された各国はドイツにユダヤ人対策への
協力の強要、迫害の片棒を担ぐように迫られたのはおおむね
事実なようですが、フランスやオランダはユダヤ人が多く
結構、その方面でドイツに協力したようですが、
ユダヤ人があまり住んでいない国々はドイツの要求を
まともに取り合わなかったり誤魔化したり、中には
はっきりとユダヤ迫害の片棒を拒否した国もあったとか。
デンマ−クもドイツ占領下にあってドイツ側がユダヤ人狩りを
実施しろと言ってきたのに断固拒否したそうで
1943年にドイツはデンマ−クでユダヤ人狩りを強行したが
デンマ−クは国を挙げてユダヤ人の中立国への亡命に協力し
それでもドイツは400人のユダヤ人を連行し
テレ−ジェンシュタット収容所へ抑留、デンマ−ク政府は
これに猛烈に抗議しドイツ側に収容所の定期的な査察を約束させ
デンマ−ク当局が監視を続けたかいあってデンマ−クから
抑留されたユダヤ人のうち収容所で死んだ51人は、みな自然死
だった、と、その本では書いてありまして、もっともデンマ−クには
当時、ユダヤ人は少なく反ユダヤな社会現象がデンマ−クでは
起こりにくい環境だった、という事でしたが。



#5774 
gallery 2005/06/19 13:38
ヤルタァ ヤルタァ ヤルターマー……(没)

>ヤルタ会談
いやいや。あれはスターリンが交渉を優位に運ぶよう画策された
ソ連の超能力者による遠隔操作だったのですよ(笑)
…てな話が『ゴルゴ13』の初期の頃にありましたな。
確かあの当時の原作者は小池一夫(当時・一雄)氏とかだと思うけど。

>植民地政策
とにかく、植民地内部で宗教やら民族やらで対立を煽っておいて
それに乗じて支配を容易にしていた面などありますから。印パなどは特に。
それらを放り出したまま撤退しちゃうのは、
ちと無責任に過ぎやせんか、と思うところではありますな。
事後処理したところで、それらの対立がどの程度緩和されたかは分かりませんが。



#5773 
民本主義者 2005/06/19 00:42
「ヤルタの病人」

ちくま文庫に『現代史を支配する病人たち』という本がありました。
これによるとヤルタ会談の時点のルーズベルトはアルヴァレス病
(動脈硬化に伴う微小脳梗塞の多発)にかかっていたことが、筆跡の分析から
分かるそうで、そのせいで判断が大雑把になっていたとのこと。
おもしろい本ですが、フランス人の作者がドゴールにだけ好意的なのがなんとも。



#5772 
ブッチャー3世 2005/06/17 10:11
どっちもどっち

英仏の植民地政策、どっちがマシかは、どっちもヒドイんじゃないですか?
英の植民地政策といってもイスラエル・パレスチナと
インド・パキスタンの流血の歴史を見れば英が、そんなに上手かったのか
どうか。英仏の違いは、英は事後処理をせず無責任に、さくっと撤退して
いったんで紛争になった、仏の場合はインドシナやアルジェリアの紛争の
ように仏系現住民の権益を守る名目で長く居座ろうとして紛争になった、
理由は違っても戦争が起きた点で結果は、どっちもどっち?
というか多かれ少なかれ植民地政策じたい搾取の体制でしょう。



#5771 
NF 2005/06/17 01:40
今回の「史点」あれこれ

「史点」についてここでの言及が無いようですので、僭越ながら関連するネタをいくつか。最大の目玉である「ディープ・スロート」について(ポルノも大統領の陰謀も)何もネタがないのは残念ですが。
>南アフリカでの「名誉白人」
これに関しては、有色人種でありながら差別政策の国と結びついたという批判もありますが、最近知ったのですが日本当局にも言い分はあったようです。現地駐在の公使いわく、「名誉白人ということで列車やバスで白人用席に座る権利を法的に与えられている。しかし現実問題として我々は黄色人種なので周りの目は冷たいだろう。有色人種用の席に行ったほうがあるいは気が楽かもしれない。しかし我々は白人席に座らなければならない。名誉白人という形であれ、有色人種が白人の居場所に入り込むことで我々はこの状況に風穴を開けようとしているのだから」と。角度を変えれば様々な見方があるものですね。
ま、今回の地名改称はどちらの心情も分かるだけに何とも。まあ、昨今の我が国の市町村合併による改名とは違い、ノリでこれまでの歴史をないがしろにしたような新名が出るわけじゃなく歴史ある名に変更するわけだし問題ないんでないかなと思うわけで。受験生にしたら覚えなおさなくてはならずかなわんでしょうけど(笑)。
>「ロケットは高句麗由来」?
この手の起源ものを見ると「民明書房」が連想されるのはお約束でしょうね。「先祖の自慢をするのは今自分が偉くない証明」という某名作スペースオペラの名言がふと頭に浮かぶわけですが…。ついでに日本人として先祖自慢をしておくと韓国の一部で「韓国は文明の起源」とか「歴史は半万年」とか言ってるのは我が国の竹内文書などから影響を受けたものだとか(情報源は最近の「トンデモ本の世界」シリーズのどれかでした)(泣)。
ところで、ブッシュさんは、北朝鮮に甘いと言うよりあそこに手を出したくないんでしょうね。とっても何も得るものがない国だし(それどころかあの状況を復興させる責任が生じ大赤字になるのが明らか)、何より軍が中国と直接国境を接することになると言うおまけ付き。この辺は判断基準が現金ですな、なんだかんだ言って。
>ルーズベルトとヤルタ会談
ルーズベルトがスターリンを甘く見ていたのは事実らしい(炉辺談話での発言からソ連とは平和的に協力できると考えていたのが分かるようで)ですが、一説ではヤルタ会談の時点ではルーズベルトは重症の高血圧による動脈硬化・脳血管性痴呆を発症しておりほとんど当事者能力がなくなっていたとも言います。会談時にはぼんやりと口をあけほとんど討議に加わらなかったとの証言もあります。ヒトラーの例といい当時のリーダーは結構心身がボロボロの人が多かったんですね。ま、全てをそのせいにするのはどうかとは思いますが裏話としては面白いかと。そうした経過から、ソ連にしてやられたとの思いを持つ人々は多く「当時に強力な降圧剤があったならば」という歴史のifが医学雑誌に投稿されたこともあったとか。考えることは皆同じようで。しかし言い出したら切りが無いのがこの手の話。もし第2次大戦当時にレボドーパ(パーキンソン病の治療薬)があったなら…。ヨーロッパは更に地獄を見ていたわけで(苦笑)。
>A級戦犯やら国立墓地
まあ、A級戦犯に関しては理解を得るのは難しいでしょうね。かといって今から外すのも何かなあという感じですし。あと、本来の神道・神社の有り様にそぐわないとか今一つスマートさに欠けるとか靖国には問題はあるわけですが、どちらにせよ今のタイミングで国立墓地に変更するのはどうかと。形として外圧に屈した格好になるので交渉上よろしくない気はします。ともあれ、きっかけが何にせよ略奪品の返還やら被害者の支援やらが視野に入るのは人道的に良い事ではあるかと。
>植民地
個人的な印象ですが、イギリスの方がフランスより事を荒立てず撤退していった印象を受けます。植民地が第2次大戦後に急速に衰えて言った一因として、植民地支配は案外と経済効率が悪いということがあるようです。経済拠点・物品生産地を確保するために周辺地域を支配下にいれ更に安全のためその周辺もという形で広がったケースが多く、収益を上げるために統治・開発する費用も馬鹿にならなかったとか(例えば日本の朝鮮支配が赤字だったのは割合有名)。要は、独立への動きが活発化するのを抑えてまで支配を続けるメリットが少なくなっていたということでしょうか(政治的責任を放棄して経済関係を持ち交易拠点を押さえれば十分利益は上げられるわけですし)。

…えらく長文ですみません(汗)。



#5770 
徹夜城(少々お疲れ気味の管理人) 2005/06/16 00:03
フランスの植民地

>不肖δさん
 ほほう、ゴーギャンといえばタヒチですが、そんな話もありましたか。
 確かにフランスの植民地は未だに各地にありますが(イギリスもよく見るとまだまだ各地にあったりする)イギリスとの政策的な違いは確かにありましょうけど、穏やかだったかどうかはかなり疑問。また支配してる地域によって対応もいろいろ違ったでしょうしね。

 第二次大戦のヨーロッパ戦線もの映画なんか見てますと、ナチスが悪役ですから必然的にフランスは被害者であり、「正義のレジスタンス活動」なんかが描かれたりするわけですが、そのフランスが戦後すぐに植民地の独立運動阻止に躍起になる様子を「アルジェの戦い」といった映画で見てると実のところどっちもどっちと言いたくなります。

 コッポラの「地獄の黙示録」の「完全版」では最初の公開時にはカットされていた多くのシーンが追加されてますが、その中で特に印象に残るのが主人公達がジャングルの奥地にあるフランス人入植地で過ごすひとときを描いた部分です。アメリカより前にベトナムに入り植民地経営をしているフランス人達が、自分たちの土地は自分たちで守ると武装しつつ、植民地政策の失敗、ティエンビエンフーの敗戦の原因、そしてアメリカも恐らく二の徹を踏むであろうと予言するといった重要なセリフを吐くんですね。
 ジャングルの奥地の開拓地というのがちとリアリティとしてどうなのか疑問も感じましたが、この映画における「ベトナム戦争」像を見るうえで有ると無いではずいぶん違う部分です。この映画を「戦争映画」よりも一種の「歴史映画」の領域に引きずり込むぐらいの重要度があったんじゃないかと。
 コッポラで思い出したんですけど、その弟分のルーカスの「スターウォーズ・エピソード3」での銀河帝国成立過程の描写で「皇帝」の言動がブッシュに似てないか?との指摘が上がってましたが、ルーカスによるとエピソード3の原型となるシナリオ(シノプシスかも)は当時のニクソン大統領を念頭においていたのだ、と言ってたとか。でもそれが原型だとしても最近作るからにはいろいろ手直ししたろうし、そこそこ意識してるんじゃないかって気もしますけどね。

 先日、NHKで歴史的瞬間を写した有名写真家たちの写真で現代史をつづる番組をやってました。なかなか面白く見てたんですが、その中でベトナム戦争中のホー=チミンにインタビューした際の話が出てきました。
 その時ホー=チミンは流暢なフランス語で話したそうなんですね。もちろん彼は根っからの反仏独立闘争家ではありましたが、フランスに留学してパリで青春時代をすごしており、その会見の際にもパリの思い出話に花を咲かせたそうで。この人、実は漢文の教育も受けていて、フランス当局に逮捕されたときだかの漢詩というのも見たことがあります。
 フランス語といえば、先日見た西部劇「ヴェラクルス」でもゲーリー=クーパーが皇帝マクシミリアンの前でフランス語でちょこっとしゃべって見せるんですね。「ニューオーリンズ仕込みだ」と言いながら。そうそう、「オーリーンズ」ってそのまんま「オルレアン」ですもんね。



#5769 
不肖δ 2005/06/13 22:20
ゴーギャンはタヒチで驚いた

>公用語はフランス語
この話題のロムを読んで、ちょっと思い出したのがゴッホの同窓で
フランスの異端画家ゴーギャン、彼はゴッホと仲違いしてから
欧州よりも南海の自然に満ちた楽園で創作することを目指して
タヒチへ行ったんですが、彼が驚いたのはタヒチの都、パペーテは
当時からフランス風に開発された欧風的な街になっていて、
落胆した画家は、未開の地でアトリエを建てる事を目指しパペーテの
裏側の寒村でタヒチでの最初の創作拠点を見出したそうです。
しかし、タヒチのフランス風の開発の波はすぐにパペーテの裏側へも
進んでいき、ゴーギャンは開発の波を嫌うかのように、タヒチの別の
未開の島へ創作の場を移したそうです。
まぁ、ゴーギャンさんの反応は極端ですが、フランスの植民地というのは
ライバルのイギリスの植民地に比べれば、現在でも継続されてる領地が
多く、仏の植民地政策は英のソレよりも巧妙で現地住民に対して
穏やかにやっているから今でも続くんでしょうかねぇ。
南米ギアナとかニューカレドニアとか沢山ありますねぇ仏領。
ギアナの場合は、宇宙ロケットの打ち上げが最適な場所らしく
フランスも簡単には手放せないかな?ロケット発射ステーションが
ある南の領土とは、日本でいうところの種子島みたいですね。



#5768 
孟きょう 2005/06/13 14:02


>NF様
ええ、確か東国政権問題には昔、原勝郎氏や中田薫氏等のゲルマニストが東国と日本史の展開についてゲルマニアの世界を持ち込む見解を出して受けていた事がありましたね。三国時代以降、というのはその後の日本の朝廷のあらましから見て、かなり興味深い所がありますね。王朝って基本的に300年たつとかなりヤキがまわるもんだと思うのですが同じように継体朝からカウントしても400年以上経ち、弱体化した桓武朝の存在。そのとりまきで活動してインパクトを与えつつも自分達の大本である朝廷を滅ぼさずにつかず離れずの行動をとり続けた東国の有力者達の存在はまだまだ謎が多いですね。東国の朝廷側の豪族が、対東北戦線の基地で地元の豪族と通婚する点は、例えば弓馬、蓄牧等の軍事、農業の先進技術を保有し、朝鮮より渡来し、関東を開発していた人々の存在へのアプローチとして頷ける点があります。そう考えると東国史の参考はゲルマンよりもむしろ北魏代の武川鎮をはじめとする六鎮、あと唐末の河朔の鎮がやや、かするんじゃないかなあなどと考えてしまいます。また、北魏を崩壊に導いた六鎮の反乱、北方民族の侵入、梁軍の北進を迎撃し、北魏王家を守るため各地を転戦した源懐、源子恭の源家の姿等も印象に残りますね。降下した皇族であり、貴族であり、軍事力も保有していた源、平、藤原一門等、男系の一族の何割かが関東に移住し、朝廷との係わりを続けながら東国の歴史を営み、時には上洛して歴史転換が行われる点がどうしても気になるんですよ。鎌倉、室町、江戸幕府のうち、2つもがその創業において足利氏、足利流源氏が主力で関わり、鎌倉政権で源氏が担がれ関東の平家が参入した点など、いろんな思いが脳裏をよぎってしまいます。



#5767 
孟きょう 2005/06/13 12:33
北条鶴太郎

>徹夜城様  
 はい、本当に太平記がクライマックスの一つにさしかかっているというか。ドラマの製作陣も好調の波にノッてるというか。本当に演技陣、演出、脚本に圧倒されますね。創られる事の少ない時代だからこそ新しい物に挑戦しようとする製作者の意欲を感じてしまいます。北条高時をはじめとする一門の演技も、人選が素晴らしかったんですね。子供の時は理解できなかったけど。怪演、いや、怪演の一言に尽きます。あの北条一門の演出はホントに滅び行く者達と、あの時代のあやかしな雰囲気を引き出し、ドラマ全体を盛り上げてくれていると思います。 あと、ここまで見てきて感じた事なのですが。大河ドラマの総集編には伝える力に本当に限界があるなあ。と。作品まるごとを味わうには是非とも全話シリーズがお勧めですね。印象が全然違うような気がします(独眼流政宗等も)。
 学研漫画シリーズの「信玄謙信」は本当に独特の雰囲気がありましたよね。物語として見ると妙に大人向けな不思議な感覚があって傑作ですね。伊東さんもノリノリで描いてたのでしょうか。伊東さんの作品としては「北条早雲も」面白かったですね。「足利尊氏」も子供の頃、読み込んだ記憶があります。(ほんと面白かったなァ)。義貞の顔が酷すぎる・・。湊川に臨む前の正成が公家に「朝廷の軍は必ず勝つのだ!」みたいな事を言われて頭をペンッてしばかれたシーンも笑えました。



#5766 
NF 2005/06/12 02:33


>ブッチャー3世さま
なるほど、意外にイタリア軍も頑張っていたのですな。特に海軍の健闘の話は初耳でした。してみると失敗の原因はあれこれと戦線を広げて敵を増やしすぎたことでしょうね。
>ひでさま
これは楽しみです、本屋で探してみます。そういや後南朝については森茂暁氏の「闇の歴史、後南朝」(角川新書だったかな?)が良く纏まっていたと思います(ひょっとして絶版かもしれませんが)。
>孟きょうさま
足利政権が京都に拠点を置いたのは南朝勢力が周囲で力を張っており京を空に出来ず睨みを利かせる必要があった、商業の先進地である京都・奈良からの税収入が魅力だったというのが素直な解釈でしょうね。東国政権に関しては、「貴種」と「異民族」といった要素を考えに入れる必要があるかも。かつての力を失いつつある古代帝国が騎馬戦闘に長けた異民族や地方豪族に軍事力を依存するようになり、彼らが移住・定着し更に中央に入り込む。異民族の長は貴族化し時には王族とも通婚する。そして中央でも貴種となった彼らが根を下ろしやがて己の国を作るようになる。三国時代の中国やローマ末期にこうした傾向が見られ、ゲルマン民族大移動及びゲルマン諸王国や匈奴侵入・五胡十六国はその帰結だとか。日本の東国でも同様な経過があったのかも。少なくとも奥州藤原氏には完全に当てはまりそうですし。源氏・平氏にどの程度言えるかは分かりませんが。
>徹夜城さま
そういえば、宮中の晩餐会など公式な宴会は今もフランス料理が主流ですね。フランスが長らくヨーロッパ大陸随一の大国として君臨し貴族文化が各国の模範として手本にされたためだと思われます。フランスが一種の中華思想を持つのも故なきことではないわけですな。民衆レベルの文化ではイタリアが主だったのですが…。因みに音楽学校では選択する外国語がイタリア語・ドイツ語と来て次がフランス語らしいです。オペラの力、そしてそれを支えた庶民の力はたいしたものです。



#5765 
徹夜城(太平記再放送は見てないけど合わせてビデオを再鑑賞してる管理人) 2005/06/12 00:14
「太平記」第21回

>孟きょうさん
 そうなんですよね〜今日の「ファミリー劇場」で「太平記」第21回「京都攻略」が放送されていたそうで。「大全」にも書きましたが、「新田決起」のタイトルにしてあげたかった回です。
 尊氏に続いて義貞が挙兵、あれよあれよという間に北条氏は瀬戸際に(ホントに鎌倉幕府って一ヶ月かそこらであっという間に消滅するんですよね)。パニックになって地図と揉みくちゃになる金沢貞顕、死を覚悟の出陣を願い出る赤橋守時、それを受け入れ哀しげに見送る北条高時…いやホント、凄かったですわ、この辺は。
 「太平記」に限ったことじゃありませんが、こういう歴史ドラマは人々が滅び行く様がいかに描かれるかがポイントですね。「太平記」は特に北条氏、建武政権、直義・師直ら身内など次から次へと滅んでいくお話ですし…そういう中で生き残っちゃった尊氏の「悲劇」を描くドラマでもあるわけです。最終回でも「また生き残ってしもうた!」と天を仰いでましたっけ。

>NFさん
 そうそう、その漫画「足利尊氏」には恐らくは倭寇につらなると思われる記憶喪失の少年が「太平記」の作者小島法師と一緒に狂言回しで出てくるんですよね。ラストにそれが尊氏が中国(当時は元ですね)との貿易構想を語ることで見事につながってくる。あとで倭寇研究するようになってから読み返してみて「おお」と驚いたりもしたもんです。
 その貿易構想について尊氏が「平清盛がやり残した仕事なんだ」と語るセリフがありましたね。今年の大河「義経」でもその辺は描かれてましたが、あの漫画でそのセリフが出てきたのは同じ伊東章夫氏が同シリーズで「平清盛」を担当されていたからではなかったかな?「北条時宗」とか「武田信玄と上杉謙信」も担当されていたはず。特に「信玄謙信」はこの人の絵とは思えないほど劇画調になっていた覚えがあります。
 「足利尊氏」では尊氏が小島法師に「尊氏はなかなかハンサムであったと書いておいてね」とささやき、法師が「よく聞こえませぬ、もっと大きな声で!」と返すところが尊氏唯一のギャグシーンだったような(笑)。


>阿祥さん
 羌族の話は興味深いですねー。
 国家建設とか民族意識形成のために言語を急ごしらえで作っちゃう、というのは現在のイスラエルにおける「ヘブライ語」もそうだったような。また部族ごとに言葉が違うんで西アフリカの多くで旧宗主国のフランス語が公用語になるというのも連想するところがあります。
 フランス語といえば、どっかの都知事が「フランス語は数を数えることも出来ず国際語から落ちて当然」とかなんとか発言したため(都立大改革で文学部系の抵抗が強かったためあてつけで言ったものですが)フランス語学校等の関係者が訴訟を起こしてましたな。それでいて「国政復帰」の噂について「ケ・セラ・セラ」とか答えてましたが(笑)。まー自分の子分の制御もできないようですし、ほうっておきますか。
 それはそうと19世紀ぐらい、いや20世紀初頭までヨーロッパ上流階級ではフランス語が公用語なんですよね、事実上。いま読んでるJ=M=ロバーツの「世界の歴史」の近世部分で出てきたんですが、マリア=テレジアも手紙はフランス語ですし、フリードリヒ2世もフランス語で(へたくそな)詩を作っていた、とか。「戦争と平和」で出てくるロシア貴族達もみんなフランス語を操ってますし、20世紀初頭にアルセーヌ=ルパンがロシア貴族になりすませるのもそのおかげだったりします。
 日本の敗戦後に「日本語などという非合理的な言語を使ってるからいけない。公用語をフランス語にしよう」とのたまった某有名文学者がおりますが、大学の第二外国語でフランス語に苦しめられた僕などはこれがなんでそんなに普及していたのか、ちと理解に苦しむところもあります(笑)。


>ブッチャー3世さん
 そういえばイタリアの映画「ひまわり」とか「ニュー・シネマ・パラダイス」とか、第二次大戦期のイタリア兵がロシア戦線に動員されて行方不明という設定がありますね。
 NFさんも書いてますけど、イタリアも地域差がかなりあり、日本・ドイツと「統一」の時期は近く共通点もあるものの、今でもロンバルディア独立運動みたいなものがあるのを見ていると、日独に比べて一体感が低いのかもしれないな、とも思います。



#5764 
孟きょう 2005/06/11 22:47
1333年

>徹夜城様 
 楠木正成の漫画が学研シリーズで出ていたのは私も記憶があります。作画の人は確か伊東さん以外の人が執筆していた気が・・。京から尊氏を西へ打ち破るシーンでは主役ですから当然かなり目立っていましたよ。当時は「正成まで主役で出るのか!」と驚きました。ただこの伝記シリーズ、信長や頼朝はいつまでも書店に置いてましたけど正成はすぐに店頭から姿を消してしまいまして。     ドラマ「太平記」。いよいよ第一の佳境ですね。あ、そういえばもう海の向こうじゃ朱元璋が生まれてるんですね。
>NF様 「学研漫画、足利尊氏」ですが確かその物語の少年の名は波三郎(記憶喪失中は太郎丸)だった気がします。
 >東国武士政権問題
 幕府が東国に置かれた事が多いので東国政権というのは日本史の主要なテーマの1つになってますよね。ただ私は足利政権が京都に政権の中枢を置き、王朝の匂いをプンプンさせた点が鎌倉、江戸の政権と比べ、どうにもしっくりこないんですよ(それが室町政権の魅力でもあるのだけど)。土地支配については有力な論がたくさんあるのでしょうけど。他にも将門が親皇を名乗ったり、平家政権の問題等。足利氏そのものが本質的に皇族に近い貴族である(軍事貴族でしたでしょうか?)事から。他のアジア史研究と同じように「王朝」「貴族」を研究する観点から朝廷と東国政権を見つめる必要もあるのかなあ。と思ったりもします。
 
 



#5763 
ひで 2005/06/11 19:48
南朝全史

今月の講談社選書メチエ新刊には「南朝全史」という本が入っています。肝心の本そのものは打ちの近所の本屋では発見できず、実際に手に入れられるのは来週以降になりそうですが、講談社のサイトの情報を見ると鎌倉時代の大覚寺統の話から始まり、最後は後南朝まで扱っているようです。なお、目次を見るだけでは熊沢天皇まで出ているかどうかは分かりません(笑)。それにしても、南朝だけで1冊本を書くということはその道の専門家であればできると思いますが、それを一般書籍として販売しようとよく考えついたなあと思います。昨今の女帝問題をきっかけに天皇制に関する書籍のフェアを書店・出版社でもやっていますが、この本も天皇制をめぐって色々な議論がなされている情勢を反映して企画されたのか、はたまた隠れ南朝ファンの熱いリクエストが多数寄せられたのか・・・。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#5762 
ブッチャー3世 2005/06/11 17:40
イタリア人が怒りますよ(笑

>イタリア軍は弱い
これも相対的なものだと思いますね、第二次大戦でのリビアでの苦戦の
印象が大きいからではないかと思います、北アフリカ戦線はドイツが
枢軸側で圧倒的兵力に思われがちですが、ドイツ兵とイタリア兵が半々の
量で戦っていたとか。東部戦線にまでイタリア軍はドイツに戦力を供与
していました、独ソ戦でソ連軍の捕虜になったのはドイツ兵の他
イタリア兵やルーマニア兵が多かったそうです。
(ルーマニアは独裁政権で枢軸側軍に参加、独のクリミア攻略で参戦)
一説ではルーマニア人は祖先は東方へ進出してきたローマ人で
ルーマ二アとはロマーニャの変化した言葉らしいですね。
第二次大戦は戦線を広げ過ぎてドイツ軍を困らせた伊軍ですが
第一次大戦ではオーストリア帝国を徹底的に困らせた伊軍でした、
ハプスブルク海軍は、当時、まだ、侮りがたし、という評判でしたが
イタリア海軍は潜水艦や新型魚雷を駆使して海戦に勝ったとか。




#5761 
NF 2005/06/11 15:01
共通語の条件

>徹夜城さま
>イタリア人と関西人と
まあ、文化的先進地域で時代と共に著しく変化した所が似ているということがここでは言いたかったので、兵の強弱や麺類云々は話半分に見ていただければと思うのですが(笑)。仰せの通り、麺類は「うどん」のことですが、何かの本では関西人ではなく日本人全体とイタリア人との共通点として挙げられてました。イタリア軍は第2次大戦で、将兵の指揮の低さ・目的意識の欠如・都市間の連携意志のなさ(フィレンツェ人・ナポリ人という意識はあってもイタリア人という意識は希薄)が顕著に出たと言われます。なかなか凄まじい話も聞いたことはありますが真偽の程は明らかでないし長くなるので割愛します。ただしパルチザンなど個人の働きが占める割合の大きなものではなかなかの戦いぶりを見せたとも言い個人能力が低いわけではないようです。大阪の軍も弱兵なのは知られていますが、第2次大戦では東北の兵が勇猛ではあるがともすれば猪突して全滅する傾向があったのに対し、大阪の軍は如何にして生き残るかを(時には中央の命令に逆らってでも)第一に動いたため長く戦場で残っており大本営にとってありがたい事もあったといいます。
>学研漫画「足利尊氏」
そういえば小島法師が連れていた少年が海の「自由民」(倭寇?)の子で最後には尊氏の口利きで天竜寺船に参加することになるという話があった気が。徹夜城さまから「尊氏」の名が出てふと思い出しました。

>阿祥さま
仰るとおりで、共通語は政治的な理由で作られるものといえます。ただ、それが成功するには、羌族の例から分かるように@日常使う必要性A使用を強制する政治的・経済的圧力といった条件が揃う必要があるようですね(本来使っている言葉と同系統ならなお良し)。
世界共通語を目指して作られたエスペラント語が広まらなかったのもこうした理由ではないでしょうか。



#5760 
阿祥 2005/06/11 11:16
“共通語”の相対概念としての“方言”

「要するに政治的に統一されていることにより「共通語」が定められある程度普及していることで同系統の言葉が「異言語」でなく「方言」と見なされるわけです。」

NFさんのこの指摘にはなるほどと思いました。共通語が定められているからこそ、方言とみなされるということはありますね。ヨーロッパの諸言語には似ているものがたくさんありますが、いくらあっても共通語が設定されない限り方言とはならないわけですね。

共通語を設定するという行為について面白い話があったので紹介します。

中国に羌族と呼ばれる少数民族がいます。四川の山岳地帯に住む彼らがこの羌族の文化と伝統を守ろうとして、運動を始めたのですが、少数とはいっても山や谷を越えるごとに言葉も風習も異なり、共通のものはなかなか設定できません。そこで、新しく強引に共通語としての羌族語を作ったのだそうです。しかし、この言葉は、実際に話されている羌族のどの言葉とも微妙に異なり、彼らは羌族共通語を学ばなくてはなりません。さらに彼らは中国の共通語としての普通話も学ぶ必要があります。羌族共通語を学ぶ事によるメリットというのは文化教育の面に限られ、実際の生活上は使わなくてもすむわけです。というわけで、この羌族共通語というのはなかなか普及していないそうです。

この話を読んで思ったのは、共通語を作るという作業は非常に人工的なものだったのだという事です。自然なままの言葉というのは多様なものですから、そのままでは共通語にはなりません。この羌族の言葉と同じように福建の言葉も山を過ぎればそれだけで違う言葉の世界になり通じないという話をよく聞きます。日本の場合明治維新から140年、中国でも辛亥革命からこの運動が始まったとすれば100年近い年月が過ぎています。その間、この共通語は全国に普及し、表現の言葉としても充実して来ましたが、本来、この羌族の言葉と同じように、新たに定められた人工的な言葉であるというふうに考えたほうがいいんじゃないかと感じました。



#5759 
徹夜城(各種更新が順調に遅れている管理人) 2005/06/10 14:21
キョージュもいろいろ

>民本主義者さん
 副島さんが「と学会」集会に招待しろ、と吠えてる部分は僕も読んでましたんで、もしかすると大賞決定時に呼ばれてるんじゃないかと思ったんですが、とりあえず先日のではいなかったようですね。「と学会」は以前の受賞者にちゃんと賞状・賞品を著者宛に贈っていたと思いますので、当然「招待」はするんじゃないでしょうか。なんせ本人がそう希望してるんだし(でも、いざとなったら来ない気がするな、ああいう激昂タイプは)。
 自分のトンデモ説(とは本人は思ってないが)への「そうじゃないでしょ」という批判に対して「それを証明する責任は君にある」と反論する、というのは昨年一部で見ものになっていた西尾幹ニ氏のHPでの議論でも見られたんですよね。
 副島さん、反米論のあまりアポロ陰謀論にハマってしまったわけですが、「わしズム」にもレギュラーになってるようだし、小林よしりんが漫画化したりしないかな、と変な期待をしてたりして(笑)。副島さん、「属国日本論幕末編」はコミック化してるんで可能性は無くも無い気がしますけどね。
 しかし考えてみると「なかったろう論」(そもそもタイトルが妙なんだが)も発行元が徳間書店だったというあたり、他の出版社は引き受けなかったんじゃなかろうかと思ったり…

>NFさん
 その「関西弁講義」では著者がスペイン語専門ということもあり、アクセントが似てるという話は出てきますね。大学でスペイン語を学んだ時、多くの単語が後ろから二番目の位置でアクセントを打つ事に「関西弁と同じじゃないか」と思ったんだそうで。それと発音が明瞭で聞き取りやすい点もラテン系の言葉と似ているような、という話も。
 イタリアの兵隊の強弱はコメントしにくいのですが、二つの大戦の過程で「弱い」というイメージがついてまわってますかね。日本では大阪の兵隊が弱いという説は確かにあったようで、大阪出身の司馬遼太郎は軍隊時代、部下達になめられまいと「奈良出身」とごまかしていたと自分で書いてました。
 麺類が好き…というのは「うどん」の件でしょうか?(笑)

 学研の学習漫画の人物シリーズに「正成」あったんですか…これは未チェックでしたね。「足利尊氏」(伊東章夫著)は小学校時代に読んで「南北朝」にハマってしまうキッカケとなった一冊でしたが。
 この学研の人物漫画シリーズは小学校の教室に置いてあったのでいくつか読んでますが、子供心にも主人公の美化が過ぎる傾向が気になった覚えがあります。「源頼朝」とか凄かったですからねー。義経との関係がもうメチャクチャ(笑)。全体にギャグ調の「豊臣秀吉」(前川かずお著!)なんかは前半は「いい人」に描きつつ権力者となってからおかしくなっていく過程をしっかり描いていた覚えがあります。
 「足利尊氏」は今にして思うと主人公美化が比較的おとなしかったかも。むしろ楠木正成のカッコ良さが印象に残る漫画でした。新田義貞はどのみち大した奴に描かれない、というのはやっぱり不運な人なのかもなぁ。



#5758 
NF 2005/06/10 13:47
とんだ勘違い

前の僕の投稿ですけど、南北朝合一が1492年になってました(汗)。もちろん、1392年が正解です。仮にも南北朝をホームグラウンドとしている人間として何とも恥ずかしい(汗)。



#5757 
徹夜城(千葉と茨城を行ったり来たりの管理人) 2005/06/09 23:18
たまには東京さ行くべさ

>船頭の孫さん
 「べい」の変形として「べ」「ぺ」をとらえるならば、確かに千葉・茨城にはまだまだ残ってますかねぇ。僕も「新住民」のクチなもので(父親は宮城出身ですが)あまり周囲の「先住民」(失礼かな、この言い方は)の言葉のヒアリングがほとんど出来ず、日ごろあまり接してないこともありまして前の書き込みでは東北に移ってしまったように書いてましたが、そういえばタイトルに書いたような表現をするかな、周辺(茨城年部)の人も。「さ」も結構使ってたかも。
 高校時代の友人は濁りのない茨城南部弁でしたね。よく「そうだろう?」という表現を「ンだへよ!」とか言ってたもんです。千葉北部の「っぺ」は茨城にもあるんですが、彼は「へ」にしばしばなってましたね。

 室町〜戦国期に関東で使われた「べいべい言葉」の例として17世紀初めに書かれた「雑兵物語」からの引用を。かなり口語的な文章ってあったんだなぁ、と思わされます。

 「飯米なんどを十日とも一度に渡すべいならば、上戸めは八日九日の飯米も酒につくりて呑むべい」

 兵糧の米を十日分を一度に渡してしまっては、酒飲みは最後のほうには酒にして呑んじゃうよ、と言ってるわけです。これが元祖「呑んべい」だったりして(笑)。

 イエズス会の宣教師ロドリゲスの記録では当時の関東人はこの「べい」のほかに、動詞否定の助詞に「ない」を使い(近畿では「ぬ」)、「買って」「張って」など促音便が多いとあり、京言葉に慣れた宣教師達にはかなり荒っぽく粗野な言葉に聞こえたようです。それも「三河から先」のこととされているあたり、やはりあの辺が当時からすでに東西の境目と思われていたのか、とハッとしますね。以前ここでも話題にしました、タモリ倶楽部でやった「駅そばの汁の濃さ」の変化が三河あたりから起こるというのを思い出します。

 東国武士政権についてはいろいろと見方がありますが、平将門の乱なんかは「植民地開拓者の独立戦争」的な性格が強いようにも感じますね。流れ流れて鎌倉幕府創設あたりまでそういう背景はあったかもしれません。また南北朝時代では本格的に東国武士たちが荘園領主であった貴族・寺社を圧倒して真の意味での支配者になっていく、という面もあるかと。


>galleryさん
 うーむ、「砂の器」となると僕はやっぱり映画版の加藤剛しか思い浮かばない(笑)。もっとも加藤剛さんの代表作のようにも言われつつ、この人唯一の「汚れ役」(ってほどでもないと思うんだけど)ということもあり、加藤さんご本人はあまりこの役について触れたがらない、という話も何かで読んだんですが。
 中居正広版のドラマの方は見てなかったんですが、犯罪の背景にあるハンセン氏病の件は「津山三十人殺し」もどきの設定に変えられていたとか。それを聞いた僕などは「『砂の器』対『八つ墓村』夢の対決」などとネタにしてました(笑)。


 そーいや神社本庁がやっぱり「分祀は不可能」とはっきり表明したようですね。「分祀があるのは神社を分けたり別の神社に祀るケース」という説明は僕も予想したところでした。ここ、先日「女系天皇」についてもやはり否定的な表明をしておりましたな。

 「女系」と「Y染色体」の件でふと思ったんですけどね。一応男系の親戚という説明はしている継体天皇の話はまぁいいとして、それより前の応神天皇のところで問題が生じるんですよね。
 応神天皇は仲哀天皇と神功皇后の子とされます。記紀神話によると神功皇后が神がかり、仲哀天皇に「海の向こうに国があるから攻め取れ」というお告げをします。仲哀天皇は本気にせず、神の怒りを買って急死してしまいます(篠田正浩監督の「卑弥呼」ではこの話を男王の暗殺劇に脚色してる)。それで神功皇后が自ら「三韓征伐」を行うことになるわけですが、この時皇后は天皇の子を宿していたのですな。そこで皇后はお腹の子の出産を遅らすため、お腹に石を縛り付けて冷やし、遠征からの帰国後に九州で応神天皇を産んだということになってます。
 あからさまに怪しい(笑)。こういう神話話にツッコむのもどうかと思いつつ、これフツーに考えますと、父親がどこの誰だかわかったもんじゃないですぜ(笑)。この時点で女系相続になっていたと考えちゃってもいいんでは(日本書紀はなんとか辻褄あわせをしてるようですが)。一応神功皇后自身は皇族出身ではあるんですけどね。

 先日、朝日新聞に直木孝次郎さんのインタビューが出てましたが、この応神天皇に「異常誕生伝説」があるのは彼が新王朝(直木氏言うところの「河内王朝」)の始祖だからではないか、という話を改めてされてましたね。もしかして元の話は神功皇后の「処女懐胎」だったりして(笑)。



#5756 
民本主義者 2005/06/09 22:47
反証責任を転嫁してはイケマセン教授!

例の本で副島氏は
「山本弘、志水一夫、唐沢俊一、皆神龍太郎らの「と学会」(とんでも本学会)の連中が特にひどかった。この者たちの弁明、反論を受けに私は自ら出向いてゆくから、今からでも、私を君たちの大会(宴会)に招待しなさい。」
なんて書いてるが、と学会の人たちはシャレっ気があるから本当に「招待」するんじゃないかな。今から楽しみです。



#5755 
NF(関西人なのに余り関西弁を使わないと回りから言われる) 2005/06/09 22:46
方言などあれこれ

>日本語の多様性
方言か独立言語かは、皆さんおっしゃってるようにかなり主観的なもので決まりますね。例えばそれぞれの地域が別の国になってるときなど。スウェーデンの主婦が国内の市場に良い魚がないと国境を越えてノルウェーの市場に行き魚を買ってくるがその主婦も市場の人もそれぞれスウェーデン語・ノルウェー語で会話し特に不便はないという話があります。一方で日本や中国の「方言」間の落差の大きさはすでにお話に出た通り。要するに政治的に統一されていることにより「共通語」が定められある程度普及していることで同系統の言葉が「異言語」でなく「方言」と見なされるわけです。
方言以外の多様性の原因としてアール・ケイ様の挙げられた「身分」「職業」、そして「性別」「年代」、あと今では余り問題になりませんが「口語と文語」が考えられます。
(以上、金田一春彦「日本語」岩波新書より)
話の出所は網野善彦氏だったと思いますが、14世紀には京都周辺が経済・文化的な中心として機能していたため書き言葉に限定すれば割合全国的に均一化が進んでいた(京都の言葉がスタンダードとして)という話もあったような。
そういや、ラテン語は中枢・先進地域だったイタリアやフランスでは流行やら産業の進展やらで激しく変化したが周縁地域のスペイン、ルーマニアでは昔のラテン語の名残が比較的の越されているという話を昔小耳に挟んだ気が(八丈島辺りでは万葉時代の言葉が残されているという話もあります)。してみると関西弁はラテン語で言えばむしろイタリア語に相当するのかも。割合歴史が古いところといい、商業が盛んなところといい、主要都市の個性が強いところといい、プライドが高いところといい、麺類が好きなところといい、戦争になると使えないところといい(笑)、似てるといえば似てるかも。
>河内弁の正成
昔出ていた学研歴史人物漫画の、大河ドラマに便乗して出された「楠木正成」でも正成や楠木氏関係の人物が河内弁を話していた記憶が。今はもう見かけなくなりましたが、数年前に湊川神社の売店で見た記憶が。まだ絶版にはなっていないのかな?
>嘉吉の乱の赤松氏
直冬の孫・義尊を擁立した他にも南朝系の小倉宮も担ぎ出そうとして失敗したという話も。一般に言われる1492年の両朝合体以降も鎌倉府を筆頭とする足利幕府に対する不平分子としばしば旧南朝勢力が結びついてますね。南北朝期でも後半になると南朝は足利政権の不満分子を利用するより他なくなっている点では変わらないので、応仁の乱(朝廷を手中にした東軍に対抗するため西軍が南朝皇子を一時的に擁立)辺りまでは「南北朝時代」と言えなくもないかも。幕府の実体がなくなると同時に旧南朝系皇族も相手にされなくなるので、南朝の存在意義は(四条畷以降は)足利政権への不平派の旗印という事に尽きますね。



#5754 
gallery 2005/06/09 21:45
亀嵩のアラレ

>方言といえば
山陰では松本清張『砂の器』。(うちでは松本清張はこの本だけ売れるのです)
殺人の被害者がズーズー弁だったことから、出身地は東北の羽後亀田だと思いきや、
実は出雲地方だけが東北と同じズーズー弁で…とまぁ、言わずと知れた名作です。
ただし私の世代は、中居正広ではなくて田村正和ですがね。
元々、彼の父親が「らい(ハンセン)病」という設定がありましたが、
さすがにこの前のドラマではカットされているようで。

出雲地方だけが、なぜ東北と同じズーズー弁なのかについては、
北前船による交流によるとか、関西から伝播した古い言語が地理的・人間的隔離により
変化しなかったんじゃないかとか、諸説あるようです。



#5753 
徹夜城(映画を大量に録り溜めしちゃって見る暇がない管理人) 2005/06/09 16:32
今年のトンデモ本大賞

 今日になって知ったんですが、先日「と学会」で今年の「トンデモ本大賞」が決定されていたんですね。大賞は僕も最有力候補であろうと見なしていたあの本でした。
 詳しくは山本弘さんのHPで。
http://homepage3.nifty.com/hirorin/
http://homepage3.nifty.com/hirorin/tondemotaisho2005taroron.htm

 これでまた副島さん激昂するんだろうな〜(笑)。
 ちょっと前にも副島さんと船井幸雄さんの対談本「日本壊死」もチラッと立ち読みしたんですが、なんと言いますか、この手の人たちってお互いに吸引力があるのかだんだん寄り集まっていくような。
 そういや副島さん、以前の本で「ディープ・スロート」の正体を「公然の秘密」として断言してたみたいですね。別人だったようですが。


>阿祥さん
 網野善彦さんのはいくつか読んでるでだいたいの話は見当がつくんですが、「東と西の語る日本歴史」は未読です。
 網野さんの研究対象は中世、なかでも南北朝時代を「日本史の大転換点」と見なして注目するわけですが、「南北」朝を「東西」の観点から見るとどうなるのかな、という興味はありますね。

 確かに「中国語」と一口に言ったって、今なお地域差が激しすぎますね〜。あれは方言とは言わず、同じ言語系統の「別言語」と見なした方がいいのではないかと。
 「しりとり」で杜甫のことを調べているうちに出てきた話ですが、李白・杜甫と知り合いのさる詩人も「呉音」丸出しの人だったそうで。
 豊臣秀吉も「明人にイロハを教える」と豪語したと伝わる一方で中国語会話の練習をしていた形跡もあって中国語をひらがなで書いた扇子が残ってるんですが、あれは今とほとんど同じ北京語ですね。


>アール・ケイさん
 そうですね、確かに地域ごとだけでなく階層ごとの言語の違いというのも意識しなくちゃならないでしょうね。「江戸弁」ひとつとっても下町言葉と山の手言葉がある…というのがそれこそその「國語元年」にあった記憶があります(NHKでやったドラマのしか見てないですけど)。
 「関西弁講義」で出てましたが、関西弁も世代ごとに変化が出てきてるんですね、やっぱり。動詞「買う」「寝る」の過去否定形で例が出てるのですが、「買わなんだ」「寝なんだ」という「〜なんだ」形を使用するのは年配の人だけだそうで、「買わんかった」「寝んかった」などと共に若い世代では「買わなかった」「寝なかった」と標準語と同じ表現を「関西弁アクセント」で発音するケースが出てきてると指摘してました。

 八木秀次氏の「神武以来のY染色体」論は以前「史点」でも書いたような…あれって恐らく「アダムのY染色体」を論じた「アダムの呪い」って海外の本からヒントを得たんだと思うんですよね。そんなもんまで持ち出しますか、って話で(笑)。その本にあるらしいんですが、全世界で一番「種を蒔いた」のはチンギスハーンだという話にはちと眉唾ですけどね。
 「じゃあ古墳から遺骨を発掘して鑑定してみろ」というツッコミには「気持ちの問題だ」と答える構えじゃないかと思われますが。
 一方でこの八木さんと関係もある神道学の高森明勅氏なんかは、先日皇室典範問題の会合で「古代から女系もあった」という観点から女系継承を容認するんですよね。これもよくわからないんですが…もしかして天照大神が先祖だからかな?その父親のイザナギさんは「単体生殖」でアマテラス、ツキヨミ、スサノオを生んでるんでもうわかんなくなっちゃいますけど(笑)。



#5752 
船頭の孫 2005/06/09 16:31


>歴代天皇陵の遺骨から遺伝子を採取し遺伝上ちゃんと繋がってるかどうか
>分析してみて確認してくれよ、八木さん(嘲笑)。

欧米の学者の間では、けっこうこの手の研究が盛んなようで、中央アジアの各集団の中で、遺伝子を調べていくと、どうしてもチンギス・カン家固有の、しかもチンギス・カンの生まれる寸前ぐらいの世代で突然変異で生じた可能性が極めて高いY染色体内の遺伝子が、かなりの頻度で見つかるというという真っ当な科学論文があったりします。



#5751 
船頭の孫 2005/06/09 16:22


>ひとつの見方として、鎌倉、足利、江戸と続く武家政権は、京都を本拠とする
>西の王朝に対する東からの巻き返しと見てもいいのかとも思います。この東の
>武家政権は基本的に西の天皇王朝に対抗する政治勢力と考えられるとすれば、
>薩長の明治政府が王政復古の旗頭のもとに、中央集権国家をつくり始めたのは、
>東西の大きな歴史のパラダイムの変換ともいえます。

この事に関しては、私はちょっと違うイメージを持っています。むしろ、関東の武家政権というのは、西国人政権のの朝廷に起源を持つ武士が、東国人の地に築いた植民地の、本国に対する独立闘争みたいなものだったんじゃないかという感触です。ただ、植民者と土着民の融合によって新しい意識を持つ住民形成みたいなことは起きたんでしょうから、そんなに単純なものではないんでしょうが。

世界史的にはブリテン島のイングランド王国と、北米大陸の植民地の闘争みたいなイメージですかね。

そして、この東西民族の融合の前線である江戸を東京にして新政府の首都を置いたのは、日本のネイション・ステイト化によって、「日本人」という民族共同体を創設する試みとして非常に重要な選択であったのではないのでしょうか。



#5750 
船頭の孫 2005/06/09 16:10
べい言葉

室町期の関東語の特徴、東北に残っているどころじゃないですよ。東京と、関東でも新興住宅地の新住民以外、潜在的には非常に強く残っています。千葉出身で、しかも新興住宅地育ちの私でも、幼馴染とは「〜だべ」とか「〜するべ」という「べい言葉」の末裔で話をします。ただし、他地方人の前ではほとんど話さないですけどね。

あと、SMAPの中居氏だったかな、神奈川県出身の彼がテレビ番組の中で何気なく「〜べ」言葉を使ったのを、2ちゃんねるで、東北地方の方だったかな、あいつは東北を馬鹿にして、わざと田舎者言葉の代表と見られている東北弁のまねをしやがったみたいに書いたのを、神奈川県の人が、いや、神奈川県でも地元民はああいう話をするんだみたいな話しにもっていったスレッドがあったのを見かけたことがあります。

ただし、関東土着民の間でも、昔は地方差があったのが、最近は統一がずいぶん進んでしまっているみたいです。千葉でも、私の先祖伝来の地の津田沼地方の百姓言葉では、本来は「〜だんべよぅ」が正調で、隣の船橋など、房総半島沿岸部ぐるりに点在する漁師町では「〜だっぺ」なのですが、千葉の一部では「〜だっぺ」が勢力を増していたり、逆に関東一円で見ると「〜べ」「〜だべ」への統一現象が起きて地域差が少なくなるということも起きているようです。

そう考えると、山の手言葉にしろ、下町言葉にしろ、「べい言葉」の痕跡を欠く江戸・東京言葉は、関東の中の異質な言語島を形成しているように見えます。



#5749 
アール・ケイ 2005/06/09 15:34
「なまり亭」(テレ朝のマシュー南の番組内企画)にようこそ

明治初期の「共通語」づくりを題材とした
井上ひさし氏の戯曲『國語元年』のことも思い出されますな、この話題。

確かその網野さんもどこかで触れておられたと思うのですが、
「言葉」って地域による差だけではなくて
「身分」や「立場」「職業」によっても違いがあるわけで。
(身分制度が固定する)江戸期以前はどうだったかよくわかりませんが、
だいたい「言葉」っていつも会話するその環境に左右されますよね。
家族親族や同じ職場の間だけで意味が通じればとりあえずはいいわけだし
(この辺の事情は『マイフェアレディ』を思い浮かべます。イギリスの場合は
言葉の落差が極端だったそうですけど。あと落語でもありましたよね、『たらちね』)。
「方言」と「職による言葉遣いの差」を同列にするなと云われそうですけど、
このファクターも大きいと思うのですよ。

東京(江戸)周辺はまず蝦夷が住んでいて(彼らとてどこかからか移住してきたわけですが)、
そこに、大和朝廷の支配下になったあと、折々に西からの移民が入ってきて先住民を北に追いやり、
そのあと家康が三河武士団を連れてきたり甲斐武田の残党を移住させたり、
明治になれば進駐軍よろしく公家集団を戴く薩長勢力がやってきたりしてますが、
話し言葉自体は占領者の影響をあまり受けてない感じですね。
或いは受けてないように思えるほど、「ブレンド」されているんでしょうかね。


それにしても八木某氏の「神武天皇のY遺伝子を継承」には笑わされました(笑)。
伝説上の人物と最新の科学を結びつけるあたり、すごく馬鹿馬鹿しいんですが。
そんなことを云うんなら、
歴代天皇陵の遺骨から遺伝子を採取し遺伝上ちゃんと繋がってるかどうか
分析してみて確認してくれよ、八木さん(嘲笑)。




#5748 
阿祥 2005/06/09 13:02
方言のことなど

日本の方言のことに言及した本で網野善彦さんの面白い著作があります。徹夜城さんも御覧になりましたか?『東と西の語る日本の歴史』(講談社学術文庫)。アマゾンでは下記のアドレスを参照。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061593439/qid=1118287654/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/249-4260989-2282703

方言に限らず、文化の様々な方面から、日本は東西別の世界、極論すれば二つの民族としてみたほうがよいのではないかという論考だったと思います。網野さんが関東と関西両地での生活体験を元にして考えたことをもとに考察が加えられています。
この本を読んでから、東日本は関東を含めて蝦夷の地、縄文人の世界であり、関西の弥生人の世界とは異なっていること、この東日本世界が大和朝廷に征服されていく過程が日本史として教えられているけれども、それは根本的に相対化してみる必要があるのじゃないかということを教えられました。対談で関東学なんていう特集も出ていましたね。高橋克彦さんの小説なども東北の歴史の独自性を高らかにうたっているけれども、東北以北ということだけではなく、関東の地でもそれは言えるんじゃないかと考えています。
ひとつの見方として、鎌倉、足利、江戸と続く武家政権は、京都を本拠とする西の王朝に対する東からの巻き返しと見てもいいのかとも思います。この東の武家政権は基本的に西の天皇王朝に対抗する政治勢力と考えられるとすれば、薩長の明治政府が王政復古の旗頭のもとに、中央集権国家をつくり始めたのは、東西の大きな歴史のパラダイムの変換ともいえます。

中国語の方言(漢語の)というのはご存知のようにまるで外国語のようなものです。福建語はその中でも中国語譜通話からは最も離れている言葉で、物の本によると、英語とドイツ語の差以上に異なった言葉らしいです。その点からみると中国漢語のの5大方言というのはそれぞれ5ヶ国語といってもいいくらいです。(中華料理もいくつかの地方に分かれているし、軍隊の管轄地も同じですね)

日本の言葉ではアイヌ語と琉球語は方言ではない別の言葉という風に見られますが、それでも琉球語は日本語とは同根と見られているらしいですね。方言と外国語の違いというのは本当に紙一重というか、曖昧な、主観的なものだと思います



#5747 
徹夜城(サッカーの試合はちょうど仕事中で見れなかった管理人) 2005/06/08 23:47
京へ筑紫に坂東さ

 南北朝ネタにからむので、稿を改めました。

 その「関西弁講義」でも紹介されているのですが、移動の目的地を表す助詞について室町時代に「京へ筑紫に坂東さ」という言い回しがあったそうです。つまり京では「〜へ行く」と言い、九州では「〜に行く」と言い、関東では「〜さ行く」と言っていたのだそうで。関東で「さ」が使われることはイエズス会の宣教師も言及しているそうで、しかも未来形にやたらと「〜べい」(行くべい、飲むべい、など)をつけていたとか。これら室町期の関東弁の特徴は現在は東北弁の一部に残っているわけで、それこそ柳田国男の「蝸牛考」を思い起こしてしまうところです。
 幕末ドラマですと各地の方言はかなり忠実に再現されるケースが多いのですが(戊辰戦争の時の講和交渉では文語文でやりとりしたという話があるぐらい言葉が通じなかった)、戦国以前だと厳密には再現不可能ってことなんでしょうねぇ。TBSの「関ヶ原」がちょっと各地の方言を入れてやっておりましたが…
 下の書き込みのタイトルに書いた、河内弁を話す楠木正成の小説と言うのは今東光の『太平記』のことなのですが、アウトローな感じの正成像を描くには確かにうまいやり方なんですよね。だけど当時の河内弁が果たしてそこに書かれたようなものであったかという疑問もありますし、それこそ尊氏とか義貞なんてどういう言葉をしゃべっていたのか分かったもんじゃない。聞いた話では「おれ」というのは南北朝から室町期の関東武士の言い方で、それが京都に幕府を開いたことで西日本にも伝わったとかいうんですが。

 さて人物叢書の「足利直冬」ですが。
 ぬえさんもお書きのように、確かにこの人物で評伝一冊というのは凄いですね。ざっと飛ばしつつ読んでみましたが、やっぱり書き手が直冬の数奇な運命に思い入れが強いようで…ドラマのそれとは違い、やっぱり客観的に見て尊氏がこの直冬に父親らしい愛情を抱いていたとはとても思えない、ってな書き方ですね。実際「ほんとに自分の子なのか」という疑念を抱いていたことも考えられますし。最後に直冬を京から追い払った際にも直冬の首が無いか首実検をして確かめてた、なんて話をこの本は書いてました。
 この本によると直冬は鎌倉の東勝寺で育っており(そういう話は僕も何かで見た)、この東勝寺というのが北条一門が自害して果てた寺でありまして、直冬はその一部始終を目撃したのではないか、という指摘が出てきます。これなんかもドラマでやってやれないことは無かったんですけどね。
 そのほかにはこれといった目新しい話はないですねぇ…後半生も謎のまま、最後の書簡から後は死んだ時期すらも不明ですから。ただ直冬の妻(複数いたはず)や子孫についての解説は僕は初めてみるものが多かったです。どうも直冬67歳の時に生まれた末子ってのがいたらしいんですよ。
 本書では直冬の没年についていろいろな説を挙げた上で、一番無難な説として応永七年(1400)に74歳で亡くなった、というのを有力視しています。後半生はそれなりに穏やかに家族に囲まれて過ごしたんだ、と思えばこちらもちょっと救われるものがありますね。
 足利義教を暗殺した赤松満祐の乱に直冬の孫二人をが加わっていて結局殺害されたという話も出てきてました。他の子たちはいずれも坊さんで、直冬の子孫は確認される限りでは間もなく断絶してしまったもののようです。

 そうそう、先日挙げた本に一つ訂正。
 張作霖関係の本は「馬賊で見る『満洲』〜張作霖の歩んだ道〜」というのが正しいタイトルでした。
 それと、途中まで面白く読んでたんだけど、結局投げ出してしまった本に「素数に憑かれた人たち」というのも読んでました。数学史・科学史にたまにハマる僕なんですが、リーマン予想の説明あたりからついてけなくなったあたりは文系の限界か(笑)。



#5746 
徹夜城(茨城弁ネイティブのヒアリングが出来ない茨城人の管理人) 2005/06/08 23:15
楠木正成が…河内弁で話す小説があった(へーへーへー)

 トリビアでもなんでもないか(笑)。でも皇居前の正成銅像の映像から入って始めると効果があるかもしれませんね。で、誰か河内弁ネイティブのタレント連れて来て鎧を着せてなんかしゃべらせると(笑)。
 その正成を演じた数少ない俳優の一人である武田鉄矢さんは福岡人ですが、以前TVで話していた方言ネタで、「(電車内で)この席は空いているのですか」「いえ、空いていません」というやりとりの福岡弁訳を「とっとっと?」「とっとっと。」っていうのがありました。

 その「関西弁講義」では僕も以前聞いたことがあった同種のネタが載ってました。「あれはチャウチャウ犬ではないのですか?」「チャウチャウ犬ではないんじゃないですか」「チャウチャウ犬ではないんですね」という会話の「関西弁訳」。面倒だから書きませんが、分かる人は書いといてくださいな(笑)。

>アール・ケイさん
 食いつきそうな方が食いついてきたな、というネタとして書き込みました、ハイ(笑)。
 書名をちゃんと挙げておきますと、山下好孝という方が書いた「関西弁講義」(講談社選書メチエ、2004)という本です。北海道大学留学生センター助教授で専門はスペイン語学、関西弁学、日本語教育とありますね。
 ここでいう「方言」と「言語」の区別ですが、ご本人もずいぶん紙数を割いて論じておりまして、要するに「方言と言語の区別なんて曖昧なもんだ」ということになりましょうか。この方、スペイン語の専門家でもあるんでイスパニア語とカタルーニャ語の区別なんかも念頭にあるのかも。僕も以前「チェコ語」と「スロバキア語」について東欧史の方から「まぁ関東弁と関西弁みたいなもんで、お互い相手が田舎訛りと思ってるんだ」という説明を聞いたことがあります。
 ま、確かにそう考えれば「方言」なんてのは主観的感覚的なものであって、自分の言語で変える必要がないと思えば他の地方へ行っても変えないってことなんでしょうけどね。関西弁は僕でもヒアリングだけなら可能なぐらいで、TVの影響で全国的に耳慣れているということも大きいでしょう。
 ただ「関西弁」というのがどこまでを含めて言うべきなのか、難しいなぁとは思います。この本では「2000万人の人口を抱える世界でも有数の言語」という言い方もしておりますが(笑)。

 関西弁の本自体は少なくないとは思うのですが、この本ではさすがに言語学の専門家が書いてるだけに音声学・統語論・ボキャブラリー・歴史まで、ようもまぁというほどいろいろ詳細に論じております。しかし失礼ながら例文とか、ついつい読んでいてクスッと笑ってしまうところがあるのは僕の中の関西弁に対する偏見なんでしょうか(笑)。いや、当人も狙って書いてるところがあるとは思うんですけどね。
 例えば「関西弁にも強い命令形は存在する」として「飲みさらせ!」「飲まんか、ぼけ!」「飲めちゅうのがわからんのか、ワレ!」なんてのが「関西在住の広域暴力団の方の表現形式」なんて紹介されてますしね(アクセント表記付きで書いておいて考察外とする、とありますが)。



#5745 
新参右衛門 2005/06/08 12:39
イントネ−ション

>関西弁
言語関係では「くも」とか「はし」の発音の鷹揚の違いで
関西系か関東系か大別というそうですが(あくまで大まかな分別)
実は東北関東と中国地方〜九州は
これが同じらしいですね。横溝正史の「悪魔が来たりて笛を吹く」
では中国地方出身の犯人が関西人の別人物に成りすまして
華族の家に潜入するという筋でしたが、犯人は完璧に関西弁を
話してましたが、発音の鷹揚が中国地方と近畿は逆なのを知らず
金田一探偵に関西人に扮しているのを看破されてしまうという話でした。
近畿を囲むように九州と東〜北日本が発音鷹揚が同じなのは
昔は近畿が首都圏だったので言語上の変化が中央から始まっていた
ことの分布構造ではないかということでした。




#5744 
ぬえ 2005/06/07 16:48
人物叢書

>関西弁
日本語起源論とかもそうですが、言葉って一筋縄では無いですよね。この手のお話ってけっこう大言壮語というか、ダーウィンの段階で進化論を断定してしまうとか、本来はDNAの遺伝的距離を測るような、地道にデータを蓄積していってうっすら浮かび上がるような世界であると素人目に思いますし、数十数百の言葉を例示されて何かを断じられても、うーーんとしか思えません。まぁ「噺」としてなら愉しいのですけど。

>人物叢書
出てましたよね。小説でもなく直冬くん単独の評伝って有り得ない(笑)。このシリーズの「赤松一族」を呼んで、嘉吉の乱で満祐親子が自称直冬の子孫を担ぎ上げているなんて知って、驚いた覚えがあります。楠木一族もこの辺の時代になってまで史料に出てくるんだそうで。。

太平記は、今川範国とか出てきて、あー了俊は今頃歌学修行しているのかなぁとか想像しながら見てます(笑)。家時の置文を読む尊氏が慄いていたりと、演出に引き込まれます。



#5743 
アール・ケイ 2005/06/07 14:45
そんなもん信じんといてか(笑)

>一つは「関西人はどこへ行っても言葉を変えない」という「誤解」。作者に言わせると
>あれは方言ではなく独立した「言語」なので「変えないのではない、変えられないのだそうです。

「方言」だっちゅうねん(笑)。
だいたい(その本読んでませんけど)「関西弁」とヒトくくりにしてること自体間違いです。歴史的に申し上げれば、永らく日本の中心にあったがゆえに大和・河内・和泉・山城など畿内とその周辺の言葉がベースとなって朝廷や武士らが使用する共通話し言葉となり定着し、他の地方に住む人間のように「地元言葉と共通話し言葉とを使い分ける」という習慣が畿内では生まれなかった、というか必要が無かったということじゃないかと思います(ついでながら「おじゃる」弁は現代になってでっち上げられたもので皇族も公家もあんな喋り方はしないそうで )。
要は、関西に住む人間の大半(全部ではない!)は いまだに「地元言葉(旧・共通話し言葉)と新・共通話し言葉(いわゆる東京弁)を使い分ける必要性を感じてないわけで。 

私は外では「新・共通話し言葉」、家では「旧・共通話し言葉系神戸大阪ごちゃまぜ弁」(笑)を喋っています。そういう関西人は少なくありません。
勝手なことを書くなよ、その著者(笑)。

以上、いまこの場で考えたことですが、なんとなく自信があります。
そういう方面に転職しようかしら(爆)。


>またもう一つが「関西人は声が大きい」という「誤解」で、
>「声が大きいのではなく、声(トーン)が高いのだ」そうです。

これは当たってます(というか冷静に分析すれば誰でも分かること)。

例えば
「いけませんよ〜」(新・共通話し言葉)
「あかんでぇ〜」(関西)
後者のほうが抑揚がある分(ア−カ−ン−→高音、デェ→低音)
声が高くなるのが分かります。
さあ、貴方も試してみましょう(笑)。


>『足利直冬』

後半生が明らかになってるんでしょうか?





#5742 
徹夜城(電車の中が図書館代わり?の管理人) 2005/06/06 23:16
あれやこれやを同時並行読み

 僕は大学時代から通勤・通学時間が長いもので、電車の中は睡眠か読書タイムとなっております。図書館から借りたり買ったりした本はたいてい移動中に読むものになってしまい、自宅でゴロゴロと本を読むということが最近あんまりなくなってしまいました。
 このサイトには書評コーナーもあるんですけど、更新が面倒で(笑)。最近読んだ、あるいは読み途中の本を列挙してみますと。

「馬賊から見た張作霖」
「ゲバラ」(写真集兼伝記)
「天才数学者たちはこう解いた、こう生きた」
「関西弁講義」
「足利直冬」
 これと並行してロバーツの「世界の歴史」を読破中。現在第7巻。
 講談社選書メチエが多いですな、気がついたら。

 さてこのうち「関西弁講義」は「関西弁を方言ではなく一つの“言語”とみなす」姿勢から「関西弁」を論じたれっきとした研究本。作者は京都出身で、「世間では関西弁についての誤解がある」と冒頭で挙げ、反論しています。
 一つは「関西人はどこへ行っても言葉を変えない」という「誤解」。作者に言わせるとあれは方言ではなく独立した「言語」なので「変えないのではない、変えられないのだ」そうです。またもう一つが「関西人は声が大きい」という「誤解」で、「声が大きいのではなく、声(トーン)が高いのだ」そうです。
 まだ途中までしか読んでないですが、関西弁には縁のない(ヒアリングは茨城弁より可能ですが)僕などはなかなか新鮮に読んでおります。最初のほうにあった「スペイン語はヨーロッパの関西弁か?」というのもちょっと受けました(笑)。

 吉川弘文館の「足利直冬」、出ておりましたねー。「新田義貞」も並んでましたが、とりあえず「直冬」を優先。
 前にも出た話題ですが、このシリーズで取り上げられた南北朝人物は確かに渋いラインナップですね。これまで出たのが「足利義満」「細川頼之」「佐々木導誉」「赤松円心(これは赤松一族込みですが)」「今川了俊」「金沢貞顕」といったところですから。
 金沢貞顕といえば、ファミリー劇場で放映中の「太平記」、いよいよ第20回「足利決起」を放送し終えたそうで。次回で新田が挙兵、児玉清さん演じる日ごろ温厚そのものの貞顕が「関東の図面はどこじゃ!!」とパニックになる名演が見られます。そして22回にはあの大河史上でも最高峰では?と僕が思い入れをする「鎌倉炎上」になるわけです。


>映画。
 先日BSで放送していた昔懐かしの西部劇、「ヴェラクルス」を初鑑賞。藤子不二雄Aさんの「まんが道」で知って以来、見たいなとは思っていたんですが、ようやく。
 主演はゲーリー=クーパーですが、カタキ役のバート=ランカスターが完全に主役を食っちゃってますね。クーパーの役どころは元南部の農場主で、南北戦争に敗れたために食い詰めてメキシコに入る、というもの。バート=ランカスターは人を信じることをしない、金のためには平気で人を裏切る徹底したニヒリストですが、このクーパーには妙になついてコンビを組むことに。この二人がメキシコで大金の争奪戦に巻き込まれ、いや飛び込んで、大冒険という映画です。
 歴史ものとして注目なのは、当時のメキシコ内乱が描かれているところ。当時のメキシコはフランスのナポレオン3世の意を受けたオーストリア皇族のマクシミリアンが「メキシコ皇帝」として君臨しており、これに抵抗する革命派が各地で衝突していたんですね。劇中でもそのメキシコ皇帝マクシミリアン本人がクーパーたちの前に姿を現して銃の腕前を披露したりしてました。この皇帝、のちに銃殺される運命なんですよねぇ…
 ラストはヴェラクルスの街で革命派の農民軍と政府軍(フランス風の竜騎兵)との大合戦。ここで農民兵の一人が爆薬筒を抱えて門に「特攻」をかけ自爆するシーンがありまして…お前は「爆弾三勇士」か!
 ところで「荒野の七人」のメイキングビデオによりますと、この「ヴェラクルス」などの西部劇で描かれるメキシコ人の姿が貧相で偏見を助長するとメキシコ政府がおかんむりだったらしいんですな。「荒野の七人」もメキシコロケをしており、政府のお役人の厳しいチェックがあったんだそうで。しかしその結果であれかい、という気もしますが。

 そのむかしファミコンであった伝説のバカゲーに「ノースアンドサウス・わくわく南北戦争」というシミュレーションゲームがあり、そこでは突発イベントとして「メキシコ人の侵入」ってのがあったそうで(笑)。



#5741 
孟きょう 2005/06/02 22:25
韓国歴史物

>徹夜城様
 「チャングム」の済州島の件、どうもありがとうございます。そうなんですよね。昔は耽羅とか、かなり独立したエリアでしたからそういう歴史から独特の気風が形成され。中央の王朝からも特殊な扱いをうけてたみたいですね。アキバツが済州出身という有名な説がありますよね。 
 ヨン様が高句麗の英雄に扮するという事ですが。彼のキャラから見ると、日本で顔つき、しゃべりで好印象をもたれたという共通点から。役柄的には金春秋の方が向いてるような気がするのですがどうでしょうか?(笑)
 >女帝問題。道鏡。
 うーん。色々言われてる問題ですけど。やはり孝謙女帝の代で天武朝が断絶、崩壊してしまった事が反対派の人達には大きなトラウマになってる面もあるのでしょうね。
 



#5740 
NF 2005/06/02 02:05


>アール・ケイさま
>景虎さま

>神と仏とが役割分担
時には神と仏が合体したりもしましたね(本地垂迹とか反本地垂迹とか)…。この辺も「何でもあり」が出来る秘訣なんでしょう。そういやヒンズー教や道教も似たような考えがあったような。
>神というものは考えるものではなく感じるもの
常軌を逸したものへの素直な畏怖の思い、ということですね。宣長の定義はそういうことなんだろうと思います。
>靖国参拝問題を解決する手段
この際、本当の「伝統」にのっとって考えるのも良いかも。
2’A級戦犯を外す→この御時世なので直に災難が起こる→たたりじゃー→神として祭る
遺族は嫌がるかもしれませんが由緒ある神様にも元たたり神は多いので問題ないかと。




#5739 
アール・ケイ 2005/06/01 20:43
この際 信教の自由を はき違えよう(笑)

管理人さまがコメントしづらいようなことばかり書いてすみません(笑)。

いろいろベンキョーになります。
折口信夫(でしたっけ)や熊楠の本でも読まないといかんのでしょうね、周辺から勉強するにしても。
また素人の論を振り回すと、
このクニでは「仏教と神道で役割分担をしてきた」という部分もあるんでしょうか?
明治になって、神道が近代宗教???として自立する際に、そのいい意味でのあいまいさが
歪められたのかもしれませんね。
太古の昔から決まっているように(数百年の連綿たる歴史があると)強調するようなことに限って
せいぜい明治以降になって定まったことが多いように思います。
天皇継嗣問題はその典型かなと。


 靖国参拝問題を解決する手段

1.小泉首相が参拝に来る寸前にA級戦犯分祀、帰ってたら再合祀(笑)。
2.「A級戦犯神社」を作って、勝手に靖国から魂を呼んじゃう。
  この際ついでに、
 「あくまで竹島神社」「チベット独立神社」「天安門慰霊神社」 「光州神社」「文革神社」
 …つまり何でもいいわけだからどんどん作っちゃいましょう。
 宗教法人格をとることを考えなければ、もうこの瞬間にでも出来てしまいます。
 確かネット上で神社を作ってるひともいるらしいし、
 副業で神主の真似事したことありますからあんなもん簡単簡単(笑)。


>ウォーターゲート事件

え、今回の発覚劇も映画の宣伝かと(ショーン・ペン主演の。内容はぜんぜん関係ないけど(笑))。

考えてみれば、リチャード・ニクソンも潔かった気がします。昨今の政治家に比べてみればね。




#5738 
景虎 2005/06/01 20:00
神道さきがけ

>神道
私の祖父が生前神主をやっていまして、祭りの手伝いをしたことがあります。
祭りの時は、普段は閉まっている本殿の扉を開いているのですが、本殿の前に立ったとき、不思議な感じがしました。神々しい威圧感とでも言うのか、それまで感じた事がない感覚だったので、驚きましたね。
このような体験をすると、古代の日本人にとっての神というものは、理屈ではなく感じるものだったのだろうなあ・・・と考えるようになりました。世界像の説明がいい加減な理由も、この辺りにありそうです。
感覚的には、宗教というよりも原始信仰というか、芸術に近いものを感じますね。祝詞にしても、上手な人の祝詞は、祈りの言葉というより、歌に近い感じがします。神道に限らず、原始的な宗教ほど、歌や踊りが宗教と一体化しているような気がしますね。
ただ、こういう宗教は理屈が得意な宗教と違って、政治的な問題には向いてないと言えそうです。



#5737 
徹夜城(一ヶ月以上遅れで史点執筆中の管理人) 2005/06/01 13:01
謎は解けた!

 「史点」執筆をサボっていてしばらくぶりに書き始めたりすると新ネタが飛び込んでくることが多いような。結構大ネタでしたね、これは。

 すでに報道で出回っておりますが、「ウォーターゲート事件」でワシントン・ポストのボブ=ウッドワード、カール=バーンスタイン両記者に情報を流したニクソン大統領周辺の人物「ディープ・スロート」の正体がついに明かされてしまいました。それも本人自身の暴露によって。
 ウッドワード、バーンスタイン両氏は「当人が存命中は明かさない」と繰り返していて、まだ生きている人であることだけは分かっていたわけ。このたび当時のFBI副長官だった人物が「実は私です」と暴露したわけですが、なんとすでに91歳。生きてるうちに自分から言ったほうがいいと判断したのかも。
 かくして現代史の「謎」の一つは解けちゃいました。以前から「ディープ・スロート」の正体の推理は数々行われていて、実は今度明らかになった当人も有力候補とされたいたみたいですが…僕なんかはやはり有力候補の一人であったキッシンジャー氏あたりなんじゃないかと思ってたんですけどね。

 それにしてもボブ=ウッドワード、カール=バーンスタイン両氏(とくに前者)は今も大きなスクープをものしたり話題の政治外交関連本を書いたりしておりますが、彼らの名前を見るたびに映画「大統領の陰謀」でこの二人を演じたロバート=レッドフォードとダスティン=ホフマンのイメージしか浮かんでこないのが困ったもので(笑)。



#5736 
マルクスの恋人 2005/06/01 08:24
宗教法人だからこそ信教の自由があるのです

一度政府から合祀を要求され、当時の宮司が拒んだ(信教の自由を盾にしたんでしょう、多分)という歴史があります。
1978年に合祀を実行したのは、代替わりした次の宮司だそうです。

靖国神社が一宗教法人である以上、何々を祀れ祀るなと命令する権限は首相にも国会にも最高裁にもありません。それこそ信教の自由の侵害、憲法違反です。

ただし、特殊法人か正式な国家機関にしてしまったら、監督上級官庁の恣意が入り込む余地が生まれます。

「靖国神社を正式な国家機関にせよ」と要求する運動が一部にある(あるいは、あった)そうですが、そうなったら分祀・合祀・削除が政治権力の思いのままになるってことに気がつかないほど頭が悪いか、それともそれを真の目的にしている腹黒か、どっちなんでしょうね?




#5735 
NF 2005/05/31 21:51
現代の神道って

>アール・ケイさま
神道という宗教は、他の主要な宗教と比べて世界像の説明というものが割合いい加減だったように思います。吉田神道など論理体系がまったくできなかったわけではないのですが、全体的に普及するようなものは現れませんでした(そのためか太宰春台が和語には抽象的な事象を表す言葉が少ないと指摘しています)。そして明らかな世界像を欠いたまま近世の現世利益を求めての信仰に進展。そのためよく言えば寛容、悪く言えばいい加減で何でもあり。元来何にでも神が存在すると見ているので何でも誰でも神にする、異国の神もその中に取り入れてしまう(古代ローマも同様の傾向があったようですが)。例えばキリスト教徒でもないのにクリスマスを祝ったり教会で結婚式を挙げたりというのは無宗教なのではなくキリスト教の神を日本の神々の中に組み入れたと見た方が良いのかも(キリスト教側からは絶対に受け入れられない考えでしょうが)。現代の神道は、靖国を別にして考えれば本来の姿に戻っていると思いますよ。近代に国策で作られた神々も多くは国のコントロールを外れて現世利益の神の仲間入りをしていますし(少なくとも参拝者の多くは現世利益目的)。天皇はそうした神々を祭る神官の基締めのようなものだったのだと考えます。西洋で言えば教皇、中東のカリフのような宗教的権威(どれも元来は政治的存在なんですが)。しかし、靖国を「神社」として「神道」の中に組み入れるのがどういうことか分かってるんでしょうか偉いさん方は。大学受験の時に靖国神社の受験必勝お守りを貰い違和感に捉われた思い出が個人的にはあります。神道に組み入れることは、戦死者の霊を欲望ドロドロの現世利益の世界に放り込むことを意味しているんですが…。神道とは本来切り離して考えるべきなんでしょうかね(ただし前述のように代案に若干の不安があるので消極的肯定の立場ですが)。



#5734 
アール・ケイ 2005/05/31 20:29
鰯の頭も信心から

私は「神道」というものは元来ちゃんとした宗教なんだと思います
(そのあたり、勉強しないと厳密なことはいえないけど)。

ところが明治以後、神道は国家に体よく利用される道具になってしまったわけで、
世界的にみてもこんなエエカゲンナ宗教というものは少ないじゃないでしょうか。
何でも神社にします。誰でも神様として祀られます。
そしてかつてはその神様よりも現人神たる天皇のほうが上という構造がありました。
八百万の神とは云うけれど、なんとまあいい加減ではないでしょうか。
こんな汚れた穢れた人工的な(という言い方はヘンですが自然発生要素のない)
今でも政治的存在の残る宗教/神社への"参拝"を、
「信教の自由」だとか「内政干渉」だとかと、よくもまあイケシャアシャアと云えたもんだと思います。
(愛国心ウンヌンとは別に)国民の、宗教心の欠如を云いたてる政治家がいますが、
こんなもんを宗教だと思ってしまう思考回路がおかしいんでしょうね
(確かに宗教の概念、定義はなかなかに難しいんでしょうけど)。

国家が広く戦争で死んだひとを慰霊することは当然のことだと思いますが、
日本が神道国家ではない以上(神道国家ではないですよね?)
無宗教施設で慰霊するべきだしそれ以外のことは公的な立場では許されません
(当たり前すぎて書いてて面白くないなあ(笑))。
別に議論するようなことでもないようなあまりにも当然のことなんだけど
こうして余所の国から言われて議論になるなんて誠に嘆かわしい限りですな。

むろん、それこそ信教の自由がある以上、靖国神社が私的な存在として
存続していくことに何の問題もありません。
そこの付属施設でどんな主張をすることも自由です(批判することも自由だけど)。


ときに大魔神社ってどうなったんでしょうか(笑)。





#5733 
gallery 2005/05/31 16:10
現人神は現れず。普通の神に戻る。

>旧日本兵
旧暦のエイプリルフールでしょうか(笑) 見事に騙された・・・のか?

>A級戦犯合祀
合祀した当事者は、宮司の松平永芳(松平春獄のお孫さん)ですね。
A級戦犯=『昭和殉難者』ですか。ううむ・・・・・・
合祀の経緯で「政府の方針だった」「靖国側(宮司)が勝手にした」との争いがあるようで。

>戦争責任やら東京裁判やら、なんたらかんたら
元々、日本人というのは「責任」を取るのが嫌いなんじゃないか、と思いますね。
別に日本だけの現象ではないのでしょうが、日本は特にこの傾向が顕著ではないかと。
自分で手を汚したり、誰か(特に世間さま)に非難されたりするのを嫌う傾向が。
自分が矢面に立って政治やら経済やらを動かすのではなく、影からこそこそと。
傀儡を表に押し立てておいて、責任はそいつや下っ端に取らせるとか。
反面、ネットのような匿名の空間では「責任」取る必要ないから、
凶悪なまでに過激で無責任な批判者・扇動者となったりして。
根本的には、「八十万の神」の多神教で善悪の区別が曖昧とか、「和をもって尊し」で人間関係も曖昧とか、いわゆる「恥の文化」とか、まぁ色々あるんでしょうが。
もちろん、世界に誇れる「美徳」であることは間違いないのですが、
同時にこれらの「負」の側面も考えておく必要はあると思うので。

司馬遼太郎が『世に凄む日々』で「責任蒸発機構」と吐き捨てた
官僚制度やら政治体制やらってのは、異様に責任を取らせづらいシステムですからね。
「オレ〔だけ〕がやったんじゃない、みんなでやったんだ」
…と、うまいこと責任回避の部分を残していたりして。
だから「A級戦犯も、その時たまたま指導的地位にいただけの被害者」というのも、
確かにそういう一面もあるのでは、と思ったり。
ただし、その地位にある者には、地位に応じた責任は負わねばならないのであって、
そうでなければ、雪印やJR西日本の社長も「その時たまたま」社長になっただけ
ですからね。「だから責任を負わない」というのは、さすがに無理だろ。
問題は「本質的・実質的に責任を取らねばならない者が責任を取っておるのか」
…なのですが、東京裁判に関しては、結構大きくてたくさんの穴があったような。
責任を負いたくない、非難をされたくないもんだから、
「歴史上の恥部」を、元から無きものにしたい気持ちも分からんではないのですが、
でもそういうのを「子供(ガキ)」と言うのではないか、と。
逆に、A級戦犯のみに責任押し付けるのもやはり同レベルだと思うのですよ。

現在の日本は経済的にも斜陽、国内にも国外にも色々な事件があり、行き詰っている。
  (↑個人的には、煽り立てるほど過剰に異常な社会だとは別に思わんですが)
今の日本をこういう状況にした「責任」は誰にあるのか!?
…で、右は左に責任を押し付け、左は右に責任転嫁し、誰も自分が悪いと思わない、
誰も責任を取ろうとしない、という、ちょっと醜い状況にあるのでは?
       とまぁ、「責任」をキーワードに現状分析。長文乱文失礼しました。



#5732 
徹夜城(書き忘れた事に気付いた管理人) 2005/05/31 14:06
済州島

>孟きょうさん
 「チャングム」の件でレスです。
 「チャングム」の済州島の場面ですが、実際に現地でロケしたのかどうかは見た限りでは分かりませんねぇ…海岸シーンは多いのですが、それだけではなんとも言えず。NHKから大河ドラマ並みの内容で出ている「ドラマストーリー」の前編だけ買ってあるのですが、ロケ地はおおかたソウル近郊で済ましているように見えます。もっともこの前編ではその済州島のくだりはないんで後編本を見て確認しないといけないでしょうね。

 番組の歴史解説でやってましたが、済州島は都の政争に敗れた人々が流された流刑地で、そうした人々が都をしのんで集まった「恋北亭」なんて建物も紹介されてました。今や新婚旅行客も多いリゾート地に様変わりしている、という紹介もありましたね。映画「シュリ」のラストシーンになってるのもそのつながりで。
 ただ歴史的に見ると済州島ってのは独立国だった時代も長いですし、日本における沖縄の立場に近い。また「朝鮮」の領域内となってからも対馬と同等に見られたり実際に住民が倭寇との関わりが疑われるなど「異域」的な位置づけをされていたように思えます。僕なんかは「チャングム」で倭寇が済州島に出現するという展開には(製作側の意図とは別でしょうが)意味深なものを感じちゃったりするんですよね。

 現在でもなお韓国・朝鮮人の中では済州島人に対する差別感は残っていると聞きます。さすがにだいぶ弱まりはしているようですが、僕の聞いたところではさる大学教授が済州島出身であることを公には隠していたケースがあるようです。
 またいわゆる「在日」の中にも済州島出身者がかなりの数を占めているようで、僕が大学で大変お世話になった在日の朝鮮史研究者の方も「済州島系三世」だったりしました。その方の祖父・父の代から日本に移住していった背景には済州島ならではの事情があったようにも思えます。

 「在日」の原作と監督による作品として話題になった映画「月はどっちに出ている」で、主人公の姜忠男(岸谷五朗)と母親の会話の中で「結婚相手は朝鮮人じゃなきゃダメ、それも民団系はダメ、チェジュドはダメ」というやりとりがあります。劇中まったく説明は無いけどこの「チェジュド」ってのが済州島出身者ということでして、すでに知識として持っていた僕なんかはこのセリフにハッとしたりしたわけです。
 まだ見てないし原作も読んでないですけど、同じ原作者と監督による「血と骨」の凄まじい主人公・金俊平も「チェジュド」だったはず。

 「月はどっちに出ている」「血と骨」を撮った崔洋一監督は以前から1948年に済州島で起こった「4.3事件」を映画化したいと言ってるんですよね。そのために一時韓国留学してたぐらいで。これがまた大変に重い事件でして…実現したらホントに凄いと思う。済州島という地域の歴史的独自性が色濃く影を落とす事件だと思いますね。



#5731 
孟きょう 2005/05/31 13:26


>マルクスの恋人様
 意味深い問題定義ですね。 自国が加害者か被害者かという問題が現在の歴史問題の原因の1つになっているわけですが。戦渦に巻き込まれた外国の人々から言わせれば自分達の住んでいる所に進軍してきて戦争を始め同胞をあやめられたという点では十分加害者とされるに該当する部分をこの国はもっていると思いますよ。 また、私は日本の一般国民が先の大戦で被害者で無いなどというニュアンスの記述をしてはいません。あれだけの大量動員をされて国内には爆弾を落とされ想像を絶する遺族ができたのですから。ただ、問題はその責任もしくは憎悪を自国の政府、指導層に突きつけるか、矛を交えた対戦国に突きつけるか。という個々人の受け取り方の違いがA級戦犯に対する国民の受け取り方の相違につながってるところにあると思いますよ。
 貴方の言う通り、ボロ雑巾のように扱われ、または英霊の死を無駄にしてはならないという理屈で上層部の面子と大陸での権益を守る為でこき使われ危険な戦場に投入された何百万もの人々の悲劇は想像を絶するものがありました。だからこそ、その責任の追及は何年たとうが必要なのではないでしょうか? 戦時中、あれだけの権力と圧力が発動され、生殺与奪の権を握られていたわけですから。 責任の所在を明確化し、国への責任追及をきちんとしていかないと今後また似たような戦禍にまきこまれ、国内指導者に責任追及を回避される可能性はありますよ。A級戦犯への度を過ぎた賛美はかえって国内指導者の政治や国民に対する緊張感を弛緩させ。彼らを益するだけだと思いますね。 他国にどうこう言われるから媚びたり逆にアグレッシブな態度をとるのでは無く。そういう事が無くても自分達自身を守る為にも我々の問題として、あの戦争は何だったのか。国民一人一人が謙虚に検証していく必要があると思います。
 



#5730 
徹夜城(長文傾向が強いのでたまには短くまとめたい管理人) 2005/05/31 13:25
稲川会四代目

 なにげにこの手のニュースに耳をそばだててしまう僕はやっぱりアウトロー系が好きなんでしょうかね(笑)。
 広域暴力団・稲川会の三代目会長が64歳の若さで病死してしまったとか。その父親で実質トップの総裁は90過ぎてまだ健在。で、どうも跡目を継いで四代目になるのは三代目のご子息で御年弱冠30歳だというのですな。
 日本ヤクザ社会というのは血統による世襲制ではなく実力本位の傾向が強いと思うのですが(「ゴッドファーザー」なんかでも分かりますがシチリア系マフィアは血統がものを言うみたい)、稲川会ってあれだけ大きな組織で実質世襲をやってたんですねぇ。それにしても30歳の若会長…ヤクザ映画の世界ですと確実に血の雨が降る展開ですが、どうなるのやら。
 なお、亡くなった三代目は山口組五代目の渡辺組長と「五分の盃」(対等の同盟)を交わしているそうで。こういうの見てると「仁義なき戦い」とか思い出しちゃいます。


>平成の犬養毅?
 靖国問題に関して小泉さんが「話せばわかると思う」と言ったそうで。
 そういえば無宗教の国立墓地って話が一回合意していた記憶があるのですが、すっかり忘れ去られてますね。とにかく「靖国じゃなきゃダメ」みたいで、とりあえず神社側が自主的に「A級戦犯分祀」をしてくれればいいなぁという政治家発言が続いてます。しかし過去にもこの件もちあがったけど神社側が拒否してた覚えがあります。
 まぁ一回神様に祀っちゃったものを外すというのはどうか、という考えはあるでしょうね。それと「分祀」の場合、別のところでやっぱり「祀る」のかいな?それとA級戦犯合祀ってだいぶあとになってからやったと思うんですが、その仕掛け人が誰だったのかが気になります。
 少なくとも近代以降において神社で「祀る」ってのは慰霊よりも顕彰の意味合いが強いと思うんですよね。明治になってから南朝の天皇や忠臣連中が軒並み神社を建てられ神様として祭られてるのをみるとよく分かる。北朝関係者なんて一人も神社立ってませんから。


>旧日本兵
 なんか一気に話がしぼんじゃいましたね。ほんとに「化けて出た」みたいな状況で(笑)。もしかすると「化かされた」のかもしれませんが。



#5729 
NF 2005/05/31 12:33
話題が色々盛りだくさん

話が盛り上がってるのを見て少し思ったことをば。
>小泉内閣・新聞
問題は彼らが右派だからとかよりも、寧ろ人間が小粒でそのくせ実力の裏付けなく態度がでかいことではないかと。日本だけでどうにかできる力は無くアメリカ頼りのくせにやけに強気だったりとか。彼らをたとえ左派に洗脳したとしても今度は中国などの言い分を大義名分に掲げて耳障りのいい事を声高に叫び売名しようとするだろうからそれはそれでむかつくのでないかと。要は右だろうが左だろうが小さい奴は小さいし、むかつく奴はむかつくということで。仇敵のはずのアメリカの陰に隠れ空威張りする右派、周辺諸国の言い分を掲げ日本より日本に敵意を抱く国々の国益を優先する左派…。昔は左右ともこんなにいびつじゃなかった気がするのですが…。中国副首相の問題については、ともあれ一国の首脳が公の場で侮辱されたわけですから抗議するのが筋ですし、外交は相手の弱みを突いてでも自国に有利にするものですからあれはあれで正しいともいえます。ただ閣僚たちに僕が言いたいことは唯一つ、「アンタら格好悪いよ」ということ。A級戦犯は犯罪者でないとのたまった政務次官の方が問題で、サンフランシスコ条約で日本は東京裁判を承認したと思うのですが御存じないのでしょうかね…。
新聞については、どの新聞も本当に国を思っている、または真に世界平和を願っているというよりそれぞれの読者層に対して売らんかなの姿勢で書いているようにしか見えないですね。筋を曲げてでも、誇りを捨ててでも、資料を捏造してでも…(怒)。新聞はスポーツ欄とテレビ欄しか要らないんじゃないかとすら思うことがあります。あ、でも朝日と読売は朝の4コマも載せることを許可します(笑)。
>A級戦犯
「フューラー」やら「ドゥーチェ」やら「偉大なる同志」やらの周辺を見た後だと彼らがなぜかまともに見えてしまうのですが(苦笑)。日本の指導者たちは彼らに比べると(いい意味でも悪い意味でも)普通人ではと思いますよ。たまたまあの時期にあの地位にいただけのような感じを受けます(比較対象が酷すぎるだけかもしれませんが)。本来リーダーになってはいけない小物達が一番難しい時期に舵取りをしたことになる。その意味では同情の余地が無くもないかなと思ったりします。しかしまあ、本当に日本のためになる選択肢を選ぶなら、彼らA級戦犯に全責任を押し付けてトカゲの尻尾きりをすることですな(ドイツがそうしているように)。彼らには国家や国民に対し罪は確かにあるわけですし。罪とは何かって?もちろん「負けたこと」ですよ(我ながら酷だなあ)。個人的には靖国自体には消極的肯定です。国のためといって死地に追いやられた人々なのですから国が責任を持って慰霊するのはあってよいと思う。ただ、神社という形を取るのは本来の神道のありよう。を考えるとどうかと思うのです。でも「国立共同墓地」案になぜか不安がある(恐らく最近のお上や識者のセンスが信用できないからでしょうが)ので保留にしているというところです。
>生きていた「軍神」
靖国での扱いをどうすべきについて、生きている人間を死者として扱うのは不祥だと思ったりするのですが、「神社」という形である以上、「神」からはずすのは難しいというのも分からないではないので現時点で結論は保留させてください。
ところで、本来の神道の観点では生きている人間が神となることは別に何の問題もないです。本居宣長は研究の結果、神とは善悪は別にして、種類が何であれ常識的なありようから逸脱したものと定義しています。一神教の「神」とは違い人間と相対的な違いしかありません。その観点でいえば天皇は「象徴」であり「神を祭る」存在なので一般の人間から逸脱しており「神」といえます(戦前は意図的にこれを一神教的なGodと混同させていたと考えています)。そして現人神は実は天皇の専売特許ではありません。例えば相撲の横綱だって神です(力の強さや大きさが一般から逸脱しています)、その証拠に注連縄を身に纏っています。徳川時代には珍しい特徴を持った生きた人間が神仏として開帳されたりしたようです。因みに現代の2ちゃんねるの住人達はこの「神」の定義が良く分かっているようですね。田代まさしやら「唯一神」又吉イエスやらが「神」と認定されたりしてます。
>道鏡と愛子様
道鏡の話を最初に振った人間として僕がこの話題にレスするのは義務でしょうな(笑)。以前、ハプスブルク家のマリア・テレジアを例に挙げた覚えがありますが、他の家から婿入りして女系で続くのは何の問題もないと思いますが。ただ、皇位やら王位やらが血縁性(というか血が繋がっていると一般に信じられること)が大事なのは分かるのです。そこで提案です。自称南朝の末裔たちからよさそうな人物を選んで婿を取るのはどうでしょうかね(笑)。真の意味での両朝合体が実現しますし一石二鳥。…何で真面目な話してても最後こうなっちゃうんでしょう僕は。長文・乱文は御容赦を。



#5728 
新参右衛門 2005/05/30 12:50
元・日本兵は多いみたい

昨日、テレビでやってましたけど、フィリピンには
元・旧日本兵が日本へ帰れなかったか現地で結婚したので
日本に帰らなくて、そのまま現地で天寿を全うした日本人が
多く住む村があるそうです、小野田さん の場合は
孤島(人は住んでいたが小野田さんは人目を避けていた)に
住んでいたので外部からの情報がなかなか得られなかったが
今回、元・日本兵?の人々がいる地域は、それほど外部と
隔絶された地域でもなく携帯電話も使える地域だとか。
ゲリラがいるから外部の人間が絶対に入れないか?
というとゲリラは通行料を払えば
比較的、穏やかに立ち入りを認めるらしく、通行料が
ゲリラの有力な資金源にもなっているようで、最近は
マスコミが日本兵の生き残り騒動で大挙押し寄せて
きたので、ゲリラが怒って通行料を引き上げたとか。
少なくとも、日本へ帰れば戦犯裁判に掛けられると
恐れて交渉に応じないようなほど外部の世界との
情報から閉ざされたところではない、と番組では
指摘してました。



#5727 
マルクスの恋人 2005/05/30 05:54
加害者だと妄想する被害者の醜悪

なかなか秀逸な分析ですな。孟きょう殿。

自身の先祖の名誉がどうのというのはわからないでもありません(先祖が偉いからそれだけで俺も偉い、まるで阿Q正伝です)が仮にそれはそれでいいとしても、多くの一般国民から強い支持を受けるというのは説明がつきません。

A級戦犯(に代表される軍閥)が被害を与えたのは外国だけではなく、日本国内でも凄まじい被害があったわけです。泥沼の中国大陸で、或いは悲惨なビルマ戦線で、ボロ雑巾のように扱われて死んでいった将兵たちが、盧溝橋事件以後のイケイケドンドン路線を参謀本部作戦課長として強硬に推進した武藤章や、ビルマ方面軍司令官の地位にありながら配下の兵団長にさえ無断でラングーンから敵前逃亡した木村兵太郎を英雄として顕彰する行為に固執する連中の姿を見たらなんと言うでしょう?

東条英機をやたら英雄視する連中は、東条がどれだけ恣意的な職権濫用を働いたか、毎日新聞の「竹槍事件」や松前重義博士の召集とか、個人的好き嫌いの派閥人事やら部隊の改編やら憲兵隊の私兵化やらでどれほど陸軍を滅茶苦茶にかき回したか完全に無知なんでしょうね。正統派軍事マニアの初歩的知識なのに。

「人は死んだら仏様になるんだ」「罪を憎んで人を憎まず」とか抜かしてる連中は、その論法でいけばオウムの教祖以下最高幹部たちが刑死あるいは獄死を遂げたら、アーレフが信仰対象して思う存分祀ろうが一切OK、危険視・敵視・排除・監視は全て不当!となりうることにも気付かないほど頭が悪いのでしょうか(まだ麻原を崇拝しているという理由で違法な弾圧さえ公然と正当化する連中と被ってる)。


自分の先祖をどうこういうなら、本物の直系子孫以外、むしろ軍閥の専横の被害を被った家の子孫がA級戦犯を躍起になって讃えるのは全く理屈に合いません。



#5726 
孟きょう 2005/05/30 01:03
話題盛りだくさんですね。

 >徹夜城様
 はい。おそらく今の政権が戦後歴代政権の中でも有数の右派政権なんでしょうね。言ってる発言一つ一つがもう怖いもの無しですからね。 閣僚のA級戦犯に対する問題発言も、もはや発言しても以前ほどは叩かれる心配はないほど世論の動きに自信をつけた表れなんでしょうし。ドイツと違い単独占領された事や島国な点、それと先の大戦に対する国や代議士という名の各地の有力者の公式見解や本音、空気が戦後50年以上そのまま変わらず検証される事なくつっ走って運営されて来た事(これも凄いな)がこの問題の原因の1つなんでしょう。かれら代議士の妄言の動機には票集めも当然あるのでしょうが。やはり本音の1つとしては自分もしくは祖父が戦犯とされる事により自分の家の名誉が傷つき自分の権力の足元が揺らぐのが嫌だという感情もあるのではないでしょうか? 彼らにとってはそれが善か悪か、真実がどうかは問題ではないのでしょう。日本の大戦に関わった当事者たちは今の政治家達にとっては、家名を高めてくれた偉大な御先祖様、先輩なんでしょうから。そういうのを容認する空気がなんとなく日本には蔓延してて、そのまま現在までこれちゃったんでしょうね。大陸で麻薬栽培して、日本で総理になっちゃった人だっているお国柄ですから。
 日本の有力者達が自分の先祖、もしくは祖父を追尊して権益を守りたいあまり戦犯とされるのを嫌がるというのは彼らの立場に立ってみれば分からなくも無いのですが、やはりねえ・・。彼らに祖父がいると同じように中国をはじめとする大陸の人々にも自分の祖父がいるわけですよ。日本の戦犯達。つまり日本の代議士の何割かを占める先祖達というのはあちらの方々にとっては自分の祖父、祖母を殺し、又は酷い目に合わせた侵略者なわけですから。深刻な問題でしょう。
 チャングム、倭寇登場> うーん。ようやくチャンネルはつなげたんですが残念ながら見逃してしまいました・・ 済州島は20世紀も色々と悲劇があった島ですが歴史的には興味深い所ですね。蒙古馬のチョランマルや流刑地ゆえに東西南北からモンゴル人、南方人種など様々な民族がやって来た多種族性がたまりません。本編でも現地ロケをしてたのでしょうか?。



#5725 
アール・ケイ 2005/05/29 23:46
読売は不愉快でも読めるけど、産経は読むと大手町の本社に火をつけたくなるので読みません(笑)

まあ、そろそろ妖怪もくたばる頃ですから
多少は読売も変わるかもしれませんね
(そのまえに世の中が変えられてしまってるけど)。


>最後の最後の日本兵はきっと宣伝たぶん宣伝(笑)

やっぱり誰もがおんなじことを思うようですね(笑)。
むろん本当であるなら救い出されてしかるべきですが。


>イラクでの犠牲者

斎藤さんは気の毒だと思います。
でもね、そろそろ日本人だからといって関心を寄せすぎるのはやめにしませんか。
何百、何千(通算なら何万)というイラクの市民が殺されているんです。
金がなくて職がなくて仕方なしに兵隊になったアメリカ人が殺されているんです。
数が全てではない。
しかしこの死者の数の重さは、
国籍や生まれでニュースにするかしないかをマスコミが決める愚かしさを
嘲笑しているように思うのです。


>バカなヤツらの仲間割れ

中川著者は八木著者を批判してるみたいですな。
ほんと、ほんとどうでもいい話だけどね。
覆水盆に返らず。消えた宮家は戻しようもないのに。


http://homepage1.nifty.com/arukei/index.htm


#5724 
なな 2005/05/29 13:47
449442

↑このカウンターの並びも、「ゔっ」と感じるのは日本人だけですか?(^^;

>mozawaさん
私の感傷的なカキコをふんわりキャ〜ッチ!してくださって感謝です。
特にここの伝言板は投稿後の修正&削除ができないので、送信して、自分の投稿を活字で確認してから、「うーわぁ…やっちまった」と後悔することがしばしばで…。>管理人様ゴメンナサイ
気持ちが不安定になったときほど饒舌になり、掲示板上で明々後日の方角へ話題を投げ飛ばしてしまいがちです。自分でも悪い癖だとは気づいているんですが…。あーはずかし。(ーー;)

>広開土王
韓国では「大王」の称号が主流のような気がしましたが。
これね〜。数年前、韓国の歴史サイトで「クヮンゲトデワン(大王)」という人物が出てきたんですが、漢字が併記されていなかったので、それが「広開土王」その人であると気づくまでにしばしの時間がかかりました。(笑)
「クヮンゲト大王」ってなんだかゲームかマンガの悪役みたいな名前だな〜。「ピッコロ大魔王」とか…。
…と、思って読んでいたせいか、どうも広開土王と聞くと妙にマンガっぽいイメージを思い浮かべてしまうようになりました。
ヨン様でメロドラマですか〜。わー、かゆい〜。(^^;ゞ



#5723 
徹夜城(いい加減一ヶ月止まってる「史点」を書かなきゃいけないと思う管理人) 2005/05/29 00:14
まさか宣伝ではあるまいな(笑)

 先ごろイギリスの「ピアノマン」の一件が日本で公開される某映画とよく似てるというので「宣伝疑惑」までが冗談でささやかれたわけですが(でも実際、早くもこの件でハリウッドが動いてるという話もありますな)、今度の「旧日本軍兵士」のニュースとほぼ同時に流れたのがフジテレビが中村獅堂主演で小野田さんの話をドラマ化するという発表でした。もしかして我々は壮大な宣伝工作にひっかかってたりするのではありますまいか(笑)。


>ななさん
 「王都の秘密」の詳しい内容は知りませんが、高句麗を現在に直結する「韓民族国家」とみなすのはずいぶん前からありますし、以前から渤海問題で同様の対立が起こってましたから特にその本が影響したわけでもないのではないかと。中国と韓国は付き合い自体がつい最近から始まったようなもんですから、慣れてない韓国側が特にマスコミレベルで過剰に反応しちゃったというあたりでしょうか。
 どうもヨン様が広開土王におなりあそばすようですが(笑)、なにやらメロドラマ調らしいのが気になります。その方向で日中ともたらしこんじゃおうという気なのか(笑)。


>中西さん
 ほほ〜「世界一受けたい授業」、それは知らんかったです。しかしまぁ底の浅い演出をするものですな。「執事」で何を馬鹿ウケしようと思ったのか、さっぱりわからない。それにあの像が「尊氏じゃない」って話は大河ドラマ放送時には南北朝マニアの間ではほぼ常識だったと思うのですけどね(教科書だってもうそう書いてなかったと思う)。真田さん、ほんとにアレ見てなりきろうとしたのかしらん。吉川英治は明らかにあの騎馬武者像のイメージで「私本太平記」を書いているようですが…
 西岡徳馬さんは「太平記」では高氏をいびりまくる長崎高資でしたが、「北条時宗」では逆に北条家に対しあれこれ策謀をめぐらす足利泰氏を演じておられましたな(笑)。


>mozawaさん
 まぁ読売も一応ピンからキリまでってところもありますよ。社会部なんかはどうも伝統みたいで時おり朝日も顔負けの「左」に走る時がありますし。だけど中曽根さんとお友達のナベツネ主筆以下、首脳陣がすっかりそっち方向なのは確かですな。「昭和の日」決定の時も社説ではしゃいじゃってまぁ…「明治節」のことを引き合いに出して「国民の運動で実現した」などと書いてましたし。この調子で次は「明治節」復活に走ろうという意図がミエミエで。
 日露戦争と日本海海戦に関しては確かに百年目の節目ということもあり、特集自体を組むのはアリだとは思うんですけどね。姿勢が気になるのは確かでしょう。百年目の各種イベント自体は日露双方の慰霊と友好確認みたいな性格のものにされたようですが。
 日本海海戦百年目についての読売社説は一応その後の戦争については「無謀な戦争に突入」と定義はしてましたがね、とってつけたような一文なんで、それがどこまで本気なのかは知りませんが。
 特攻隊に関しては、そもそもなんでそんなことまでして「守る」をやんなきゃいけなくなったのか、そして実質的にそれは効果があったのか、という点に留意しなきゃいけないでしょうね。


>道鏡といえば
 蒸し返すようですいませんが(汗)、先日の「道鏡」の件で思い出したことを。
 八木秀次氏に続いて中川八洋氏(過去に何度も凄い発言でヒンシュク買ってきた人ですが)も「皇統断絶」という凄いタイトルの本を出して「女帝容認」に猛反対しておりますね。やはり旧宮家を復活させて愛子ちゃんは皇后にしろ、という主張らしいですが。
 目次を見ると孝謙・称徳女帝の例を「教訓」として挙げているので、もしかして「道鏡」のような事態の発生を本気で危惧してるのかな。



#5722 
mozawa 2005/05/28 22:41
私も、予知夢ではないですが・・・

ご無沙汰しております。 実は、私は、今朝方、「イラクで拘束された邦人が解放」というニュースが流れる夢を見たんですよ。その邦人というのは斉藤氏ではないのですが。

そんな夢を見て、朝のニュースを見ていたらあのニュースで・・。気持ち悪いというほどではないですが、自分以外に同じような体験をした方がいる、ということに驚き、書き込みました。

閣僚の問題発言がありますが、私は最近の読売の右傾化が気になっています。
もともとそういう会社ですが、ここ1ヶ月ほどにわたって日露戦争関連の連載を組んだり(もちろん日本軍賛歌)、「特攻隊と9.11テロは志が違う、一緒にするな!」とのたまったり。
特に、後者については呆れました。「守るもののために戦うのと、暴力は違う」みたいな論旨で。自衛権を肯定する方向に読者(世論)を操作したいのでは?と穿ってしまいました。



#5721 
中西豪(月末締切にそろそろ焦る鎮西大将軍) 2005/05/28 20:52
「客寄せパンダ」でもいい……

>『孤将』
 もとの小説の内容が良くても、また、翻訳が本当に優れていても、それだけでは、まず、「韓国の歴史小説」は売れないでしょうから、まことに遺憾ではありますが、蓮池さんのネームバリューでこの小説を買ってくれる人がひとりでも多いことを祈ります。
 で、出版社が「商売になる!」と思って、1冊でも多くの歴史モノが翻訳出版されるといいなあ、戦前の、金素良『小西行長』とかまでは……、逆立ちしても無理か。

 今日、日テレ系放映の『世界一受けたい授業!!』、「あなたが学んだ歴史は大間違い」として、現役高校歴史教師で歴史系著述業の河合敦氏が出演、かつての歴史教科書と現在のそれの記述の違いをいろいろ紹介されていました。「聖徳太子がいまでは厩戸王子、実在も疑われている」「日本最古の貨幣は富本銭」とかやっていましたが、目玉が、肖像画の人物同定の変化。
 で、案の定、でましたよ。「足利尊氏像」が「伝足利尊氏像」になり、いまでは「騎馬武者像」とされてしまっている事例。
「じゃあ、いったい誰なんです?」という当然の疑問に、河合先生が「足利尊氏の『執事』の……」と言ったところで、場内大爆笑。「執事だってよぉ、ギャハハハハハ」という感じ。さらに西岡徳馬は「大河ドラマで真田君はいつもこの絵を見て、足利尊氏になりきろうとしていたんですよ、それが『執事』の絵だったなんて……」という裏話を、心底ショックを受けた感じで披露。狙った演出だよな、ここで「執事」の実態と高帥直の実像が説明されて、へぇ〜へぇ〜、は番組が違うか、とにかくオチがつくのだろう、と期待していたんですが、何もなし。そのまんま。
 編集で切られたのかな、あたらしい「誤解」を植え付けたらいかんだろうが(苦笑)。



#5720 
なな 2005/05/28 15:22
名無しの権兵衛はアタクシです

送信後に気づいたんですけど、「ま、いっか」と思って。(笑)>名無しの権兵衛さん

>コミック版「カル エ ノレ」全3巻
>http://kr.ysp.shopping.yahoo.com/ysp/aladdin/?http://www.aladdin.co.kr/shop/book/wbook.aspx?ISBN=8937814242&partner=yahoo
↑表紙の画像だけでも。

>「男の道を美学的に…」
原文もそのままですね。「男の道」って韓国でも言うんだな〜、と。
教保文庫(教保ブックネット)はそうでもないんですが、Yahoo!KOREAショッピングのブックストアは、以前お伝えした「消えた王国」の紹介文もそうでしたが、日本のamazonなどでの本紹介に比べると全体的に口調が大げさというか、煽ってるというか、ちょうど映画の宣伝文句みたいです。
韓国語は日本語より漢語の使用率が高いので、自然と文章も硬派でドラマチックな表現が増えるみたい。
イ・スンシンを題材にした歴史小説は他にもけっこうあるようなので、新しく出すなら新鮮な切り口で勝負しないといけないんでしょうね。
「日本に侵略された」という被害者意識だけでなく、当時の朝鮮王朝の対応の不備にも言及しているみたいですね?

>「王都の秘密」
だいぶ前に、続きを書くと言ってそれきりになってしまっていた話なんですが…。
この「王都の秘密」という歴史小説、例の「消えた王国」と同じ著者で、「消えた王国」より数冊後に出された本なんです。
最初は新聞の連載小説。後に作者が中国を千キロにわたって綿密に踏査して、大幅に紙数を増やして単行本にしたものだとか。
内容は、出土した高句麗土器に刻まれたある謎の文様をきっかけに、高句麗の出自を推論していくというものです。
著者は国民的作家だそうで、さらにこの小説が発表された時期からみて、もしや韓国に高句麗ブームを巻き起こし、韓国と中国との間に高句麗問題を引き起こしたきっかけとなったのが、この本だったんじゃないかと思ったんですよ。
販売量順でリストアップすると、古い作品である「消えた王国」の方が今でもよく売れているんですけどね。(^^;



#5719 
なな 2005/05/28 11:38
まじですかい…

正確には予知夢とは言えないけど、今までに数度それらしい夢を見たことがあります。

「皇太子様の結婚ってどうなるのかしらねぇ〜」と、誰かと話してる夢を明け方に見て、「なんでいきなり皇室の夢なんか…?」といぶかしく思いつつ起きてきたら、朝のニュースで秋篠宮殿下と紀子様の婚約が正式発表された日だったとか。
飛行機が墜落する夢を見て、「まったく朝っぱらから嫌な夢を見ちゃったな…」と思いながら起きたら、これも朝のニュースで、夜のうちにどこかの国で飛行機が落ちていたとか。さすがに国内の航空機事故を当てたことはないが。

今朝方も…。
イラクで人質になってる斎藤氏が「処刑される場面」を夢で見てしまってさ…。
香田青年やこれまでの外国人人質が殺害される時と同じような感じ。
私はテレビのニュースでの映像だけで、さすがにネットで配信された生の動画は見てないけど。
斎藤氏は上半身を包帯でぐるぐる巻きにされてて、体を起こしてるのがやっとの状態だった…。

で、ふっと目がさめて、枕もとの時計を見たら6時半くらい。窓の外は明るかった。
今日は土曜だし、もうちょっと寝なおそう、もう一回何か別の楽しい夢でも見てから起きよう(涙)…と思ってふたたび眠りの世界へ。
それがもう、先ほどの斎藤氏の殺害場面がふたたびエンドレスで頭の中をグルグルするのよ。
時間は確認しなかったけど、途中で一度、飼い猫の鳴き声に起こされて目を開けた。
頭をもたげると、うちの猫が「あんたどうしたのー!?」というような顔で、布団のそばに座ってこちらを見ていた。ひょっとしてうなされてたりしたんだろうか?

で、目がさめるごとに鬱な気分になるので、「もうちょっとだけ!」と思って目をつぶった。昨日は就寝が遅かったしね。
自分では30分〜1時間くらいしか二度寝してないと思っていたのに、次に時計を見たらすでに8時40分を回っていた。
こりゃいかん。いくら土曜でももう起きなきゃ…と思って、布団から立ち上がったのが8時50分くらいだったと思う。

>外電からの第一報
>斎藤さん「銃撃受け死亡」武装組織、映像公開【カイロ28日共同】
>(共同通信)- 5月28日8時51分更新

私は一階に降りて、9時前後から居間のテレビの音声を耳にしていたけど、各局は通常の番組をやっていて、すでに9時前に一報が入ってきていたことには気づきませんでした。
猫の世話も早々に、どうも気が急いたのでパソコンを立ち上げ…。
9時15分〜20分くらいに2chで斎藤氏の訃報を知りました。あそこは情報が早いからね。
10時になってようやくNHKの定時ニュースで報道され、私も確認しました。
配信された動画は、実際には私が見た夢とは状況が違ったわけだけど、これがいわゆる「虫の知らせ」というやつなのかと…。

先週だったか、私は「斎藤氏が亡くなった場面」も夢で見ちゃってるんですよね。
おそらく「大量出血」「致命傷の可能性」などの目撃証言が報じられたことに影響されたからだと思うんですが。その夢の場面も、今回の動画とは違っていたけど。

斬首の映像が配信されたり、拷問されたり、あるいは行方不明のまま砂漠の塵に…などといったことにはならなかったようで、まだよかったとは思います…。
あとはご遺体が日本に戻ってこられますことを。ご冥福をお祈りいたします。

中西さんとこの掲示板にちょろっと書いたんですが、今週は他にもショッキングな出来事があって、いろいろしんどかったですね…。



#5718 
徹夜城(毎日マメに各ページのアクセスを調べてる管理人) 2005/05/28 10:31
とんでもねぇ、あたしゃ神様だよ。

 最初に「フィリピンに旧日本兵」のニュースを聞いた時は、前回あんなことを書いた直後だっただけに「ついに化けて出たか」と(笑)。
 昨日は2003年12月7日の「史点」へのアクセスがいっぱいありましたねぇ。この時の「老兵は死なず?」って文章でフィリピンに残った旧日本兵の話題をとりあげてたんですよ。ミンダナオ島じゃなくてルソン島の話ですけどね。
 とりあえず昨日の大使館員との顔合わせはドタキャンを食らった形のようですが、どうも40人ぐらいいるんじゃないかとの話もあり…その前に亡くなった人もいるでしょうし、東南アジア全域で考えれば相当数の「生きていた英霊」がいたような気がします。


>galleryさん
 そうですよねぇ。こういう人たち、公式には戦死扱いになってるわけだから自動的に靖国に祀られちゃっていたんじゃないかと思われます。戦死してなかったことになると神様から除外されるのか、なんかそれも妙な具合ではありますな。
 遺骨収集団などが集めた身元不明の遺骨の方は靖国ではなく(あそこは墓地ではなくあくまで神社なので)千鳥ヶ淵の戦没者墓苑に入れてると聞いてますが、今回見つかった人たちも戦時中に「遺骨」が届けられてるんですよねぇ…前から思ってたんですが、やっぱりこういう「遺骨」ってどこの誰だかやっぱりわからないもんなんじゃないかと。遺骨の代わりに現地の砂とか石が入ってた、ってケースも聞きますし。
 毎日新聞の記事で見ましたが、タイに残留した旧日本兵でも隊を勝手に離れた形になっているので何か処罰があるんじゃないかと帰国をしなかったケースがあるようですね。まぁあのジェンキンスさんでも軍法会議うんぬんの話はありましたから特に日本軍がひどいというわけでもないんでしょうが。


>ななさん(お名前ないけど、そうですよね?)
 情報どうもありがとうございました。
 ふと気が付くとその本、原著者も訳者も「薫」さんですね。
 その小説は李舜臣の後半生に絞っているようですが、彼の孤独な状況をより強調した小説ということなのかな。しかしジュニア版やコミック版もすでにあるとは。個人的にはコミック版を読んでみたいですね。
 しかし翻訳ソフトによる「“男の道”を美学的に」なんてフレーズは仁侠映画みたいですな(笑)。



#5717 
gallery 2005/05/27 15:12
現人軍神さま現る

>「道鏡」
 自己責任で大爆笑。当時は小学生くらいでしたから、さすがにこのヘンはやったことないですね。やってもものすごく面白くなさそうだけど。
「朝廷ポルノアドベンチャー」シリーズで「&#23274;(ロウ)アイ」とか「ラスプーチン」とか、これなら右翼も騒がないぞ、と(爆)

>「日本国内ではA級戦犯は罪人ではない」なんて発言してる政務官
政府の方針と異なる発言しても黙殺(黙認?)されてるというのは、つまり「愛国無罪」ではないかと(笑)。やはり同レベルといいますか、目糞鼻糞といいますか。

 ミンダナオ島在住の旧日本兵の方々が帰国キボーンされておるそうで。軍法会議を非常に恐れているとのこと。小野田さんやら横井さんやら、ブラジルの「勝ち組」「負け組」もそうですが、心理的に隔離された状態(眼に鱗が飛び込んだ状態?)というのは客観的事実を受け入れるのに非常な労力を必要とするのだと、しみじみ思いますな。これらの場合、地理的な隔離も更に後押ししまくっておりますが。
 え〜っと、やはり彼らは現時点では「神さま」なんでしょうね。一度祀っちゃった人が実は生きてた場合、靖国的にはどうなるんでしょ。この場合、分けてもOKなのか? それとも、元々生きていた訳だから「神さま」取消になるのか? 別の意味で不謹慎大爆発な話題ですが。



#5716 
2005/05/27 12:57
取り急ぎ

>金薫(キム・フン)著 蓮池薫訳
>孤将
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4105757016/qid=1117162602/sr=1-5/ref=sr_1_8_5/250-3913922-2579439

>刀の詩(うた)(カル エ ノレ)
>http://www.bandibook.com/search/subject_view.php?code=2346042&reurl=%252Fsearch%252Fdetail_end.php%253Ftitle%253D%2525C4%2525AE%2525C0%2525C7%252B%2525B3%2525EB%2525B7%2525A1%2526author%253D%2526publish%253D%2526category%253D%2526usedbook%253D
>他に漫画版とジュニア版があり。
>本の紹介から
>2001年東仁文学賞受賞作。
>李舜臣の白衣従軍から死まで、‘男の道’を美学的に近付いた本。
>小説は忠武公が白衣従軍(1597年)する時期からノリャン海戦で命を失う時(1598年)までの2年間の話だ。
>国から捨てられて、また戦場に出たが、前方に敵が積もっているから、進んでも死ぬはずで、退いても死ぬことが明らかな、ある男の運命がこの時代に圧縮されている。
>戦場で地面(?)当然に死ぬはずだが、戦いで勝利しても政治的な理由で死にあうしかなかった(?)、ある男の内面を通じて作家は存在自体が悲劇である武士の道を語っている。全2冊。

↑ちょっと日本語としては変なんですが…。
最後の方、自動翻訳で「『死』に合うしかなかった」と訳されたんですが、「死に直面する」くらいに訳すのが妥当なような気がしました。
韓国語(ハングル)の字面を見れば意味は「わかる」んですが、それを日本語に訳そうとするとうまく言い表せない…。
ん〜…、これだけの解説じゃ、お尋ねになってる「暗殺」か「処刑」かはわからないんですけど、「政治的に」とあるので「処刑されかかった史実」の方が合ってるような気がしません?



#5715 
徹夜城(南北朝ゲームコーナーを製作中の管理人) 2005/05/27 10:28
古典ゲーム、恐るべし(笑)

>NFさん
 「道鏡」の存在は全く知りませんで、先ほど検索かけて情報を得ました。
レビューはここが詳しいですね。もう爆笑。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~kitakaz/damedame/doukyou.htm
画像はこちらで拝めました。
http://www.digital-palm.com/88lib/library/1984/1984_1.htm
 なお、各自自己責任において見に行くこと(笑)。
 「下半身で歴史を作った男」というフレーズも凄いですなぁ。ラスボス(?)は和気清麻呂なのか。清麻呂を倒して勝利する展開もあるようですな。
 すいません、僕もお下劣なネタで(^^;)。しかしまぁ、こういうのも確かに歴史ゲーム。思い起こせばこの時期、あの天下のコーエー(当時は光栄)だってかなりアダルトなゲームも販売していたというのは有名ですね(別に歴史ものじゃなかったけど)。


>ななさん
 蓮池さんの李舜臣小説翻訳のニュース、僕も興味深く見ました。
 ところでその小説なんですが、紹介記事だと「李舜臣が王にも命を狙われる」という表現がされてました。これが国王に直接的に命を狙われることを指しているのか、それとも弾劾を受けてあやうく死刑にされかかった史実を指すのか分かんないんですよねぇ。


>孟きょうさん
 町村さんに限らず、現在の小泉内閣のメンツって恐らく今の日本で考えうる最強の右派メンバーなんじゃないかと思ってましてね。大臣だけでなく政務官レベルで変な発言が相次いでるのはもともとそういう考えの連中なんだ、ということで。政府としては建前上靖国参拝はA級戦犯参拝じゃないとしていても、昨日「日本国内ではA級戦犯は罪人ではない」なんて発言してる政務官がいますしね。「国内では」ってあたりにこの人たちの考え方がよく出ているような。
 で、こういう人たちの頼みの綱は結局アメリカだったりするわけなんですが。しかし太平洋戦争を戦った当の相手がアメリカであることを彼らは忘れちゃってるんじゃなかろうかと思える時がありますね。それこそ「靖国の英霊」が化けて出そうな気がするんですが(笑)。



#5714 
孟きょう 2005/05/27 01:55
外相の発言についてですが

 >中国副首相の会見ドタキャン事件
いろいろ言われている問題ですし、日中双方の難解な課題と中国政府の複雑な駆け引きもある問題でしょうから私自身偉そうな事は言えないんですが。私自身の感情としては、日本側の発言の1つに気になる点がありまして。それもあってかこの事件そのものにはこれといってどうも感情がわかないんですよ。今回の事件をうけまして日本政府側の首脳陣がそれぞれのいきどうりを会見でのべていたのですがその中で、ある外相が「最低限のルールは守ってほしい。中国政府の非礼な対応は一連の大使館の破壊デモと通づる所がある」という主旨の、まあかなり威勢よく、大胆なコメントをしていたのでありますが。この外相、たしか少し前の沖縄での米軍ヘリ墜落事件で視察の際、米国に怒るどころか「パイロットの操縦技術が良くてよかった」とモロに卑屈な発言をし、抗議にも長らく発言を撤回せず、一層強気に「今回の事故を機に沖縄現地の学生が勉学を怠ける事のないように」というあからさまに独善で上から見下すような強気な発言をしてた当人その人だったのでは・・。ありふれた事例かもしれませんが、中国とのトラブルには怒り狂い、米軍関連のトラブルには腰抜けのように尻尾を振って、「あくまであなたの国には憎悪は感じていませんよ。悪く思わないでね」というメッセージを送り続けるダブルスタンダードと国内の弱い箇所に向けるこの高慢ちきなあいも変わらぬ態度は何なんでしょうね。ただただ涙が出るほど腹が立ちましたよ。日米安保の中で日本の立場を強化し、揺るがぬ国際的地位を向上させていくための現実路線だといわれればそうなんでしょうけど感情的には納得がいきません。そういう様々なこういう事を発言する人が今回の事件では「よく言ったぞ!」と拍手喝采を受けるのかと思うと情けない思いで一杯です。今現在の国内外の政治環境の中で日本の首脳陣も「今の世情ではこのくらいタカ派な発言しても、こんくらい国内に傲慢な発言をしても世論からは叩かれないだろう」と賢く空気を見極めてコメントをのびのびとしてるのでしょうけど、あの高慢でとぼけた顔で言われてると思うと怒りがこみあげてたまらず。中国政府への怒りも湧き上がってこないし萎えてしまいました。ああいう卑屈さというのはなんなんでしょうね。ああいうタイプの人に中国政府へのクレームを言われても説得感が無く「お前が言うなよ」という感情しか沸き起こってきません。筋を通すならタカ派議員に今回の問題を吠えてもらう形の方がまだマシかなとも思いますが・・ああいう形で沖縄の人達や弱者をメンタルの面で踏みにじる方々が本当に国民にとり信用にたる人々なのか。疑問と憤懣やるかたない思いしかこみあげてきません。そういうわけもあって、今回の問題については、あまり好きではないメンバーの首脳陣に降りかかった事件ゆえ同情する気にならないというのが本音の所です。ああいう立場の方々には是非とも発言の重要性を認識していただき。上品かつ慎重な言葉運びを心がけていただきたいものです。
 長い文で失礼しました。どうにも疑問の矛先が国内首脳陣の方に向くばかりで中国政府への疑念どころでは無くなってしまいました。



#5713 
NF 2005/05/27 01:14
ゲームと「不敬」

>徹夜城さま
>「太平記」ゲームでの天皇
なるほど、上手く処理してますね。まあ、下手に南朝天皇をプレイヤー選択可能な君主として出して、戦死などしてしまい「君主の○○天皇が死亡しました。以後××親王が跡を継ぎます」なんてことになったら右翼がうるさそうですし(笑)。そういえば、「不敬罪」もののゲームとして一部で伝説になっているものに「道鏡」というのが。パソコンがマイナーだった時代の18歳未満禁止ゲームといえば大体の内容は想像つかれるかと。要するに道鏡が称徳女帝を(何と申しましょうか)心身ともに満足させ申し上げて信任を勝ち得るという…。色々な意味でヤバい作品だそうで。昔は随分勇敢なゲームメーカーもあったのですね(笑)。ま、18禁ゲームメーカーは今でも十分勇敢だとも言いますが。何だかお下劣な話題で申し訳ないですが(苦笑)。



#5712 
なな 2005/05/27 01:00
163人目の訪問者

またもやカウンターが吹っ飛んでおりましたよ?

>孤将
>刀のうた
拉致被害者の蓮池薫さんが翻訳家デビューなさったそうで。
韓国朝鮮語がものすごいトラウマになってしまってもおかしくないのに、ご本人の前進しようとする意欲には頭が下がりました。大学に入り直したり。お父さんがんばる。
原題が「刀のうた」と聞いて、思い当たった小説がありました。>韓国のネット書店で
イ・スンシンにはあまり興味がなくてそのときはスルーしましたが、なかなか面白そうですね。
蓮池さんの努力が報われるように、あと、前にも書きましたが日本での韓国歴史小説の受容が少しでも進むように、この本が売れるといいな〜…と思いました。



#5711 
徹夜城(単発ドラマでいいから「その後の太平記」が見てみたい管理人) 2005/05/27 00:30
大河ドラマの「続編」

 大河ドラマの続編といいますと、当HPの「室町太平記」も一応「太平記」の続編を気取ってるわけなんですが(笑)。
 どうもやるんじゃないかと噂はあった、昨年の大河「新選組!」の「続編」となる単発ドラマが制作され正月時代劇として放映されるそうです。「新選組!」は近藤勇の死の瞬間で幕を閉じたわけですが、放映前・放映中も要望の多かった土方歳三の函館戦争での死までがその単発ドラマで描かれる事になるようです。もちろん脚本は三谷幸喜さんで土方役の山本耕史はじめ「可能な限り同じキャスト」で作るんだそうで。
 函館の五稜郭の戦いをメインに描いたものとしては日本テレビの年末大型時代劇「五稜郭」(里見浩太郎の榎本武揚、渡哲也の土方歳三)の例がありますが、さてどのようになりますか。


>NFさん
 源平合戦のゲームというのも数は多くないのですが、「風流」ってパラメーターがあったというのは凄いですなぁ(笑)。出家してしまう義仲っちゅうのも想像ができない(笑)。
 PCエンジンCD−ROMの「太平記」では、領国経営といった内政コマンドは潔く斬り捨ててましてね、武将パラメーターに文官系のものは一切無いんです。もしあったら足利直義がベスト1で決まりだったでしょうが…
 いずれ専門コーナーで解説を載せますが、ここでも簡単に書いておきますと、このゲームの武将パラメーターは「統率」「戦闘」「忠誠」「婆沙羅」の4つしかありません。「統率」は官位身分といったところでその武将が率いられる軍勢を規定するもの、「戦闘」はもちろんその武将個人の戦闘(指揮)能力、「忠誠」は説明不要でしょう。
 問題は南北朝ならではの「婆沙羅」というパラメーターでして…これ、ゲーム中では実質的に「裏切りやすさの目安」になります。「忠誠」との違いは?と言われると説明に困るのですが、この数値が高いと敵の調略に簡単に乗っちゃったりするわけです。

 実例を上げるのが早いので、代表的な人物で。
     統率 戦闘 忠誠 婆沙羅
足利尊氏  95  93  99  15
新田義貞  91  94  99  16
楠木正成  68  99  85  9
佐々木道誉 89  94  71  99

 このゲーム、プレイヤーは尊氏か義貞しか選べませんのから、この二人の「忠誠」の高さは本人に対するものなので(笑)無視して結構です。この両雄、「統率」では尊氏がややリード、「戦闘」では義貞がややリードという具合になってるあたりは象徴的。
 楠木正成は所詮は河内の土豪というわけで「統率」はかなり低め。しかし「戦闘」では全武将中最高値になってるのはさすがというべきですか。ちなみに正成に次いで「戦闘」値の高い武将はあの「一色右馬介」で95です(笑)。しかし右馬介の「統率」は32なんで大軍の指揮官にはなれないというわけです。
 佐々木道誉は当然のごとく「婆沙羅」が全武将中トップ。これがゲーム中ではどうなるかといいますと、尊氏(北朝)・義貞(南朝)双方から調略されまくって、コロコロと寝返るんです(笑)。しかも佐々木一族はかなり強力な独立勢力なので寝返られるとかなり痛い。戦闘の最中に寝返られた日には「箱根竹ノ下の戦い」の新田義貞の二の舞です。陣内孝則の「佐々木判官、思うところあり。寝返り御免!」という声が聞こえてきそうです(笑)。その点正成さんは全武将中最低値の「婆沙羅」で絶対安心、というわけ。

 なお、後醍醐天皇がどうなのか気になる方も多いでしょうが、このゲームではあくまで「武将」しか登場しませんのでパラメーターはありません(千種忠顕とか北畠親房・顕家父子とかは出てきますが)。
 ただし、尊氏と義貞だけ「奏聞」というコマンドが実行できるようになっておりまして、それぞれ光厳上皇と後醍醐天皇に拝謁できるんで、そこだけ登場します(笑)。「綸旨」がもらえたりするところなんか、「よくできてるなぁ」と南北朝ファンの僕をうならせるものがありました。



#5710 
NF 2005/05/26 01:16
マイナーな歴史ゲーム

>徹夜城さま
>「アジア映画の中の日本」
ありがとうございます、今後本屋などで探してみようかと。そーか、やっぱり忍者なんですね、日本のイメージは(笑)。そういや、中国の日中戦争物のゲームで日本軍の切り札が忍者部隊と相撲部隊だったとか。
>歴史研究と国民国家
そういや、娯楽文化通史を追っていたときも「この文明の範囲はここまで」というのが時代によって異なったりして結構境界がいい加減なものにならざるを得なかったんですよね。文明圏やら国やらは歴史で扱うときは理念系として割と曖昧なものにならざるを得ないですね。文化史はあと時代区分も曖昧になりますが。
>「太平記」ゲーム
おお!これは楽しみです。パソコンゲームでも見たことない気がします。人気が今一つなだけでなく、南北両朝の力の差がありすぎてゲーム性を出すことが難しいのも一因かと思ったりしますが。あと、天皇をプレーヤー選択可能な君主として出さざるを得ないヤバさと。南北朝人物の能力数値化は昔自分でもやったことがありますが、記録をどこかへやってしまいました。知力100が正成、魅力(カリスマ)100が後醍醐・99が尊氏、戦闘力100が義貞・護良親王、政治力最高値(100ではなかった)が直義、指揮能力100が尊氏か義貞だったと記憶してます。そういえば、「平家物語」物も余り見ませんね。昔あったものでは、「風流」というパラメーターがあって、自分より「風流」が高い武将を討ち取ると「無常観」が上がっていき100を超えると自動的に出家してしまうというシステムがあったそうで。木曾義仲ファンの友人が義仲で平家の公達をバシバシぶった斬ってるうちに義仲が突然出家…という憂き目にあったそうです。熊谷直実の影響恐るべし(笑)。



#5709 
徹夜城(硬派なエンジンFXゲーマーを自称する管理人) 2005/05/25 23:36
アジア映画の中の日本

>NFさん
 正式なタイトルは忘れたんで、検索でも見つからなかったんですが、「アジア映画の中の日本像」をテーマにした数冊のシリーズ本が出ていたはずです。一時僕の住む市立図書館に置かれていて、借りてかなり読み込んだ覚えがあります。
 まさに「網羅」といっていい内容で…感服しました。中国、韓国、北朝鮮から東南アジア各国まで、さまざまな映画に出てきた「日本」「日本人」を、かなりのマイナー作品まで含めて取り上げています。この本をきっかけに存在を知り、見る事になった映画もいくつかありましたね。

 その番組でもいくつか日本人が出てくる映画が紹介されてましたけど、武侠映画の一例として出てきたものに凄い一本が。中国の武術家のもとに日本人の花嫁が嫁いでくるんですが、この花嫁がなんと忍者(笑)。夫婦で日中の武術(といってもみんな架空だけど)を競い合って、夫婦喧嘩も武術合戦。しまいには食事中もハシを飛ばして戦ったりする(笑)。
 他には、有名作品ですが、ブルース・リーが日本人と戦うやつ(「ドラゴン怒りの鉄拳」だったか?)も詳しく紹介されてました。

 日本人がワラワラ出てくる外国の時代物(?)映画としては韓国の「将軍の息子」も面白かったですね。実は大学のゼミで字幕無しで上映会をしたことがありまして…ビデオ持ってきた当人は「半分ぐらい日本語だから大丈夫」と言ってましたが、僕程度の韓国語知識ではチンプンカンプンでした(笑)。
 「将軍の息子」は日本統治時代の実在人物をモデルにした、ちょっと「ゴッドファーザー」っぽいようなお話なんですが(あくまで見た印象です)、敵役となる日本人のヤクザ集団がカタコト日本語で会合してるシーンとか、失礼ながらムズムズするものが(笑)。日本人は悪役ばかりではなく、いつも主人公の味方になる警察官で柔道の達人というえらくかっこいい人も登場してました。

>近代国民国家そのものにゲンナリ
 うーん、まあその近代国民国家で生活してる人間でもあるんで、全否定はしませんけどね。少なくとも昔の時代の歴史研究をする上で、現在の国民国家の枠組みにはめてとりかかっては実態に迫れないことは確かでしょう。高句麗、渤海、倭寇などなど然り、いや現在の国境をまたがなくても、それぞれの「国家」の中の歴史でももっと分解して考える発想が必要だと思います…まぁ少なくとも日本の歴史学界は方向としてはそうなってるとは思いますが。

>PCエンジン・PC-FX
 はい、一部どころか世間的に「ギャルゲーマシン」と思われることが多かったことは重度のユーザーとしてよ〜く承知しております(笑)。「それだけじゃないんだ!」と声を上げてみたりもしますけど、当時主宰者のNEC−HEがそういうイメージを自らバラ蒔いていたことも否定しません(笑)。
 PCエンジンからFXに至る過程でこの「ギャルゲーマシン」イメージはいっそう強かったんですが、ソフトの割合的にはそうでもなかったんだよな〜その後のセガサターンとかプレステだっていい勝負じゃないか!などと言ってたもんです(笑)。イメージっちゅうのは恐ろしいもんだと。すいません、愚痴です(笑)。

 僕の場合、PCエンジン買っちゃった理由が大河ドラマ放映にタイアップした(別にオフィシャルではない)CD-ROMゲーム「太平記」をプレイしたかったから、というのがありました。「太平記」テーマのビデオゲームは僕の知る限りPCエンジンで2本、メガドライブで1本出てるのみなのですが(なぜかスーファミで出ていないというのが「南北朝」のアブなさを象徴するような)、スケールという点ではこのPCエンジンCD−ROM版がベストでしょう。
 実は現在、このPCエンジンCD−ROM「太平記」の紹介・リプレイコーナーを準備中だったりします(笑)。「太平記」マニアとしてこのゲームはもっと広めないとなぁ、と思ってはおりまして。藤夜叉や勾当内侍が出てくると一回休み、「ましらの岩」(石ではない)に金を盗まれる、というゲームなんざそうそうないです、ってそういう問題か(笑)。
 南北朝武将の数値データなんかなかなか無いですからねぇ。それも公開していく予定です。
(こうしていろいろ手を出すから首が回らなくなるんだよな)



#5708 
NF 2005/05/25 23:06
あ…

先ほどの投稿、誤解を受けそうなところがあったので一言。PCエンジンFXを馬鹿にする意図は一切ありませんので予め申し上げます。もし気分を悪くされたら申し訳ないです。しかし、ゲーム機の歴史も中々波乱含み。昔は主流だった任天堂も今やどちらかといえばマイナーな部類になってますね。個人的にはかつてのファミコンやらのソフトも導入できるとか言う噂の次世代機に期待したいところですが(って歴史板の話題じゃないですね)。



#5707 
NF 2005/05/25 22:12


>徹夜城さま
香港映画の通史ですか。僕は以前、主要地域(日本含む)の娯楽文化の通史をまとめたことがあるんですが、映画は門外漢なんでその辺は百科事典などに結構頼ってしまった恥ずかしい思い出が。なもんで、興味はあるんですが今テレビ見れる環境じゃないしなあ。ところで、日本人の描かれ方って中々日本人からみると面白いですね。まあ、こちらも「キン肉マン」やらで勝手な外国イメージを振りまいてるんでお合いこなんですが。
>PCエンジン-FX
マイナーゲーム機の宿命としてギャルゲー専門ハードウェアといったイメージが一部であるようですね(苦笑)。「かってに改蔵」で昔ネタにされていました。

ところで、徹夜城さまの場合、親中・反中とか反日とかよりも寧ろ、扱うテーマが海上史という国と国・文明と文明の間のグレーゾーンである関係で敵味方の色分けが厳密でやかましい近代国民国家そのものにゲンナリしてるようにお見受けしましたが…。渤海国を研究する人もそういった感情を持つと聞いたことがあります。高句麗研究者も今はそうなのかもなと思ったりします。
中国製品ボイコットについては…。僕も今回は結構ムカついたので普段10買ってるとしたら8位には減らしてやろう位には思いましたが、コンビニで海洋堂のフィギュアを見つけて喜んで買ってるようではダメですわな(苦笑)。



#5706 
徹夜城(本日はPCエンジンFXページにやたらにアクセスがあって驚いた管理人) 2005/05/25 13:53
こちらでも久々の「倭寇映像」

 NHK衛星第2で月曜に「香港映画のすべて」というドキュメンタリー番組をやっておりました。「武侠映画」「カンフー映画」「女性映画」の3視点でまとめられ、そのうち「武侠」と「カンフー」については見終えました。香港映画史をその始まりから現在まで追いかけたのでかなり駆け足にはなってますが、多くの監督や代表作品のシーンを取り上げてかなり幅広いドキュメンタリーになっていたかと。「映画における黄飛鴻」についてもまとめた部分もあり、尾鳩さんなんかは大喜びかも(笑)。

 で、その「武侠映画」の中で、アクション映画に一時代を築いたキン・フー監督について触れたんですね。となると、「あれ」が出てくるんじゃないかと思っていたら…出てきたんですね。そう、兪大猷と倭寇の戦いを描くアクション映画「忠烈図」です!
 しかもサモハン演じる倭寇の親玉「博多津」が大チャンバラしてる場面をしっかり入れてくれたのが嬉しい。サモハンは白塗りの顔に幕末浪人みたいな変な格好をしてるんですが、まるで忍者のように大ジャンプを繰り広げてました。
 この作品、まだDVDにはなっていないようで、僕も久々に映像を拝みました。以前LD化はされたことがあって、以前行ってた某大学の図書館に資料としてなぜか紛れ込んでおり(笑)、友達誘って鑑賞会をやったりしたもんです。倭寇の斥候をつかまえて「オマエ、ニッポンジンダロ!」と日本語(?)で尋問するシーンが大ウケで、しばらく仲間内で流行ったりしたもんです(笑)。
 まー、北朝鮮映画に出てきた「影の軍団」倭寇のインパクトには勝てないかもしれん…(^^;)。


>不肖デルタさん
 え〜と、当事者としては思いっきり誤解をされてるように思うのですけど。少なくとも僕は「かなり親中国的」だとは自覚してませんし、倭寇を研究してるからといって中国と親密にしなきゃいけないということも全然ありません。むしろ僕の倭寇研究なんかは先日の「王直の墓事件」に見られるように中国一般の倭寇イメージとは対立するものになるんですけど。僕のこれまでのHPの文章や掲示板書き込み読めばお分かりかと思うのですが。
 僕自身も今度のドタキャン騒動には「なにやってんだか」とは思いますし、実のところ中国共産党政権だって嫌いなんですよ。ただどうしてああいう行動に出たかという政治的判断の思考経路はおおよそ見当がつくし、意味のない敵視はするつもりはないってだけです。
 先日のデモ騒動のときもそうですが、世界の論調も必ずしも中国批判一辺倒ってわけでもなく、日中双方のドタバタを「お互い程度の低いケンカをしとるな」と眺めているのが大勢みたいに感じますね。
 個人的に中国製品ボイコットをなさるのはご自由ですが、中国でのデモ参加者に日本製品ボイコットがほとんど不可能なのとおんなじで、日本でも中国製品完全排除はかなり難しい状況ですので…



#5705 
不肖デルタ 2005/05/25 12:31
中華ボイコット

>敦煌
徹夜城さん って、かなり親中国派なんでしょうね、倭寇が
研究課題のかただから中国と親密にせねばなりませんよね。
わたしは、そういう しがらみ も無いので、今度の
中国の副首相の日本の総理との会談どたきゃん事件は
温厚な私も(自分で言うのもなんですが)むかつきましたね。
で、むかつくだけなら誰でも出来るので個人レベルでやれる
中華ボイコットを展開していきたいと思います、
中国のソフト、ハ−ド、文化物、物産を当分、拒否して
いくって感じですか、最近は食料は産地表示がなされてますんで
中華産の食べ物は当分、食べ無いようにしていきます。



#5704 
徹夜城(久々に遠征したら疲れて頭痛が痛くなった管理人) 2005/05/24 22:50
歴史映画DVD仕入れ

 今日は仕事がオフだったもので、ひょこひょこと東京まで出かけ、書店めぐりと電気屋めぐりを。
 つい先日発売されていたことを知った(1月に出てたそうで)「敦煌」のDVDを購入。これ、今ではなんだか忘れ去られたような作品になっちゃいましたけど、日本映画がバブル期に大規模海外ロケまでして作り上げちゃった大作映画としてはそれなりに「歴史的存在」ではあるかと。あんまり評価はされない作品ですが、僕は妙に好きな作品でもありましてね。高評価もしてないけど、なんかほっとけないといいますか(笑)。

 関連話ですが、いま今後ジブリの社長になった鈴木プロデューサーの「映画道楽」を読んでおります。この中で「となりのトトロ」の難産の経緯が語られているんですが、「トトロ」「火垂るの墓」の二本立ては東映に配給を断られ、故・徳間康快(徳間書店・大映社長)が「『敦煌』配給をおろしちゃうぞ」と脅して「トトロ」「火垂る」の配給を東宝に承知させたというエピソードが出てきます。現在の「トトロ」と「敦煌」の存在感を思うと映画っちゅう商売はなかなかわからんなぁと思うところではありました。

 その大映も角川書店に買い取られ(春樹さんのほうじゃなくて弟さんの方ね)、「敦煌」も角川ブランドでDVD化されているというのも歴史の流れを感じさせます。
 このDVDですが、日本映画の旧作のものとしては珍しく1時間のメイキング映像を収録した特典盤がついてます。「敦煌」公開時にもメイキングビデオが出されていてレンタルで見たことがありましたが、その再録かな、と思っていたら実はDVD用の新撮りでした。西田敏行、中川安奈、佐藤順弥監督やスタッフへのインタビューも多く収録されてます。このメイキングを見ていますと、あの当時、あの中国の奥地の砂漠であんな大規模な映画を作っちゃったというのはやはり凄いことだったんだな、とは思えてきました(作品として出来がいいかは別ですが)。
 このメイキングでも触れられてますが、当初は小林正樹監督が熱心に構想していた企画だったんですよね。中国側との話し合いがなかなかつかず、一時は中国以外での撮影も考えたとか。しかし実現にこぎつけそうになったところで作品の傾向が合わないということで降板してしまい、小林監督版「敦煌」は幻となってしまったわけです。
 代わりに登板したのが深作欣二監督だったわけですが、これも中国の経済事情等から製作体制がなかなか整わないことに不満をもって降板。深作版「敦煌」も実現していたらどうなっていたことやら。「仁義なき戦い・シルクロード死闘編」とかでしょうか(笑)。

 ところで、DVD売り場には「敦煌」と同じく井上靖原作である「蒼き狼」のDVDも売られていたわけなんですが…
 売り場に置かれていたサンプル(実物ではなく棚に置いとくやつね)の背には「井上清・蒼き狼」の文字が…おいおい、それは歴史家だって!(爆)
 原因はすぐに分かりました。その「蒼き狼」のパッケージの「原作・井上靖」の「靖」の字が草書体風に書かれていたため「立」の部分がほとんどサンズイになっちゃってたんですな。ま、売り場担当者の不勉強ということで。
 我が家の近所のTSUTAYAも平気で「三国史」って表記してたりするしなぁ(笑)。

 なお、本日は「敦煌」以外にもリドリー=スコット監督のデビュー作「デュエリスト〜決闘者〜」(ナポレオン時代物)とか、チャールトン=ヘストンがリシュリューをやっていた「三銃士」なんかも買ってます。2980円で一本買うともう一本ただになるという対象商品になっていたもので(笑)。


>ひでさん
あ、あのリチャード獅子心王はイアン=グレンだったんだ…配役をちゃんと確認してなかった(^^;)。この人も時代劇向きな感じはありますよね。



#5703 
孟きょう 2005/05/24 14:47
そうですね。

>NF様 
 いや、ようやく書き込める時間ができました。NF様が分類された愛国者の定義は面白いですね。特にA番の「自国の洗練された都市文化に耽溺云々」のくだりは興味深く、愛国心と国家意識が都市の知識人とどう関わっていたのか。近代の国家意識以前の都市の歴史における国家意識の素朴な原型等、都市と愛国心、文化と愛国心の関係におもしろみを感じました。古代ギリシア、中国の都市群も都市国家としてそういう面があったのでしょうね。
 



#5702 
ひで 2005/05/23 00:48
王様はスパイ?

映画板の方にしようか迷いましたがこちらに。
>リチャード1世
「ロビン・フッド」(ケビン・コスナー版)ではショーン・コネリーが、「キングダム・オブ・ヘブン」ではイアン・グレンが演じているもので、ついついスパイ・諜報部員つながりなんて事を考えてしまいました。

物語の世界では「アイヴァンホー」で黒騎士に変装して終盤まで正体を明かさずに主人公たちと一緒に戦ってしまったりするリチャード1世ですが、実際の彼は治世の大半は十字軍で戦っていたり、ドイツでいきなりとらえられて抑留生活を送ったかと思えば、身代金を支払ってもらって解放された後は一時帰国したもののまもなくノルマンディーへ上陸してフィリップ2世と戦って領地を取り返していったりして、ほとんどイングランドにいなかった人ではありますが、なぜか人気があるようです。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#5701 
徹夜城(唐突に張作霖の研究本なんか読んでる管理人) 2005/05/21 22:04
アンデスの「八甲田山」

>アール・ケイさん
 いや〜僕もそのニュースには真っ先に「八甲田山」を連想しました。森谷司郎監督の映画でしか知らないですけど。
 あの映画では北大路欣也・三国連太郎の連隊が無謀な行軍から多くの犠牲者を出し、高倉健の連隊は少人数で詳しいガイドつきの行軍をして無事に生還するわけですけど、映画のラストにその高倉健のモデルの人物が「日露戦争の黒溝台会戦で壮絶な戦死」などと字幕が出ると、なんともやりきれん空しさが…。
 八甲田山の雪中行軍演習は日露戦争を想定してのものだったんですが、今度のチリの雪中行軍は何を想定しての訓練だったんだろう…。

 「キングダム・オブ・ヘブン」のリチャード獅子心王の登場シーンはほとんどとってつけたような感じでしてねぇ…えー、ネタばれになるんですけど、別に映画を楽しめなくなるほどのもんじゃないので書いちゃいますね。
 映画のラスト、エルサレムをサラディンに明け渡したバリアン(オーランド=ブルーム)はその後ヒロインと一緒に生まれ故郷のフランスの村に帰ってきます。そこをエルサレム奪回を目指す新たな十字軍が通りかかる。その中に明らかに王様と分かる人がいて、それが実はリチャード獅子心王だった、ということがわかると。ただそれだけのシーンなんです。その後リチャードとサラディンが戦い和平を結んだことが字幕で説明されますが、ドラマ的には特に必要なさそうなシーンでありました。
 この映画、脚本・監督は現在の世界情勢を重ねて「異宗教間だって共存・和解できるんだ」というテーマを描こうとしたんだろうな…とは分かるんですけど、やっぱりドラマとしてそれを消化し切れてないんですよね。だからオーランド=ブルームが何のために戦ってるんだか、見ていてサッパリ分からなくなってしまいます。



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